JP2008005838A - 新規ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物及びこれを用いた炎症疾患等の判定法および抗酸化活性測定法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】従来ペルオキシダーゼの検出に用いられているDAB及びGuaiacolを含む感度に優れたペルオキシダーゼ検出用試薬組成物、ペルオキシダーゼを検出するためのキット、及びペルオキシダーゼ活性を簡便かつ迅速に測定するために直接測定器に用いることができ口腔内で唾液を簡便に採取することも、あるいは固体や粘性物質を含む食品などでも容易に適応できる試料保持器の作製を行い、口腔乾燥症、歯周疾患、心筋梗塞、急性冠状動脈硬化症、慢性腎炎、若しくは糖尿病等の判定、および抗酸化活性の測定を行うために用いる。
【選択図】図1
Description
好中球では異物の認識に応答して細胞内のアズール顆粒に存在するミエロペルオキシダーゼ活性が上昇、ミエロペルオキシダーゼは細胞外間隙及びファゴソームに分泌される。ミエロペルオキシダーゼにより産生される次亜ハロゲン酸によって、抗菌作用が生じる(非特許文献2参照)。
好中球の増殖及び/又は活性化の結果、分泌されるミエロペルオキシダーゼばかりでなく、破壊された好中球から体液中に放出されるミエロペルオキシダーゼも増加すると考えられる。従って、体液中のミエロペルオキシダーゼの値は生体内における様々な炎症反応を反映し、例えば多発性硬化症、喘息、アテローム性動脈硬化症、癌、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、歯周疾患、及び冠状動脈疾患等多くの炎症性疾患に関係があるとされる。
実際に、ミエロペルオキシダーゼ活性は急性白血病の判定に使用できるほか、喘息等の疾患における炎症マーカーとしても使用されている(非特許文献2参照)。
一般に好中球はプロコアグラント活性を有し、血栓形成を誘導すると共にフリーラジカルや各種蛋白分解酵素を産生し、組織障害を惹起する。このことは、血清ミエロペルオキシダーゼ活性の測定により心筋梗塞、急性冠状動脈硬化症候群の予知が可能となることを示す。
従来、心筋梗塞、急性冠状動脈硬化症候群のスクリーニング法は血清中のCD40 ligand(CD40L), CRP(C−reactive protein), pregnancy associated plasma protein A (PAPP−A), troponin等の検査を用いてきたが(非特許文献4参照)、これらの測定法は複雑でかつ時間的及び費用的な負担が大きく、多数の検体処理にも適していなかったため、ミエロペルオキシダーゼ活性の測定によりこれらの疾患/症候群を判定できる意義は大きい。
また、抗ミエロペルオキシダーゼ抗体を用いた抗原抗体反応としての、ELISA法、あるいはo−dianisidineを用いた酵素活性比色法等が用いられてきたが、それぞれ測定感度や操作の煩雑さ、検出結果に至るまでの時間的、測定経費等に問題があり、安価で簡便さが求められる健康診断や疾患のスクリーニングへの応用には適さなかった。
一方、唾液中に増加したミエロペルオキシダーゼの活性測定によって、口腔内等の炎症反応を検出できる可能性がある。例えば、歯肉溝浸出液由来のミエロペルオキシダーゼは歯周疾患マーカーの一つとして挙げられている(非特許文献6参照)。しかしながら、綿棒、吐き出し法、スポンジ法等の唾液採取法では液体を取るために遠心分離等の前処理を施す煩雑な操作が必要となる。また、口腔乾燥症並びに歯周疾患のスクリーニング法には唾液分泌量や歯肉滲出溝液の分析があるが、測定法が煩雑で、かつ多数の検体処理には時間を要した。
〔1〕 DAB及びGuaiacolを有効成分として含むことを特徴とする、ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物、
〔2〕DAB(3,3’−diaminobenzidine)及びGuaiacol、加えてdapsone(4,4’−diaminodiphenylsulfone)を有効成分として含むことを特徴とする、ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物、
〔3〕 前記ペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼ又はミエロペルオキシダーゼであることを特徴とする、請求項1および2に記載の検出用試薬組成物、
〔4〕 体液又はそのペルオキシダーゼ濃縮画分に用いることを特徴とする、請求項1又は2,3いずれか1項に記載の検出用試薬組成物、
〔5〕 体液が唾液又は血清である、請求項4に記載の検出用試薬組成物、
〔6〕 ペルオキシダーゼを検出するためのキットであって、DABを含む容器及びGuaiacolを含む容器を含む、あるいは加えてdapsoneを含有するペルオキシダーゼ検出キット、
〔7〕 前記ペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼ又はミエロペルオキシダーゼであることを特徴とする、請求項6に記載のキット、
〔8〕 試料担持部である陰イオン交換フィルターと、吸液層を有し、前記試料担持部が試料と請求項1〜5のいずれか1項記載のペルオキシダーゼ検出試薬組成物を接触させるものである、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器、
〔9〕 分光色差計に直接適用できることを特徴とする、請求項8に記載の試料保持器、
〔10〕 唾液を採取するために口腔内に適用することを特徴とする、請求項8又は9,10いずれか1項に記載の試料保持器、
〔11〕試料を、請求項1〜5のいずれか1項記載のペルオキシダーゼ検出試薬組成物と混合させることを含む、ペルオキシダーゼ検出方法、
〔12〕前記試料保持器の試料担持部に担持された試料を、請求項1〜5のいずれか1項記載のペルオキシダーゼ検出試薬組成物と接触させることを含む、ペルオキシダーゼ検出方法、
〔13〕請求項11又は12いずれか1項に記載の検出方法を用いた、ヒト又は動物の生体内における炎症の存在を判定するための方法、
〔14〕請求項11又は12いずれか1項に記載の検出方法を用いた、ヒト又は動物の生体内における酸化的ストレスの負荷を判定するための方法、
〔15〕陰イオン交換フィルターと、吸液層を有した請求項8の試料保持器に既知ペルオキシダーゼを共存させ、請求項1のペルオキシダーゼ検出試薬組成物の接触によって発色させる抗酸化活性測定キット、
を提供するものである。
本発明係るペルオキシダーゼ検出用試薬組成物及びペルオキシダーゼ検出キットによれば、ペルオキシダーゼ、特にミエロペルオキシダーゼ酵素活性を従来の方法より高感度で測定することが可能となる。
また、試料保持器上の発色度を、ペルオキシダーゼ活性に対応した本発明係るペルオキシダーゼ検出用試薬組成物が呈する発色度を示したカラータグ等と比較して、検体のペルオキシダーゼ活性を目視判定することも可能となる。
〔口腔内での唾液の採取〕
本発明に係るペルオキシダーゼ検出用試料保持器によれば、唾液ペルオキシダーゼ活性の測定がベッドサイドでいつでも、かつ簡単にすることができる。
〔ペルオキシダーゼ活性測定による炎症の判定〕
本発明に係るペルオキシダーゼ検出方法及び炎症の存在を判定するための方法によれば、唾液中のラクトペルオキシダーゼの活性測定により、動脈硬化や高血圧等の生活習慣病、酸化的ストレス、疲労、又は老化等を、唾液中のミエロペルオキシダーゼの活性測定により、歯周疾患を判定するスクリーニング法を提供することができる。また、血清ミエロペルオキシダーゼ活性の測定により、心筋梗塞、急性冠状動脈硬化症候群の予知が可能となり、これら症状への進行を予防するために薬剤等による適切な早期治療が行うことができ、さらには治療経過をモニターすることも可能となる。
〔歯周疾患の特異的判定〕
本発明のペルオキシダーゼ高感度活性測定にdapsoneを共存させた系を用いれば、歯周疾患の判定が、バックグラウンドを抑えてより明瞭に判定することが可能となる。
〔食品および化粧品等の抗酸化活性の判定〕
本発明のペルオキシダーゼ高感度活性測定に既知のペルオキシダーゼを共存させることで食品や化粧品などの抗酸化活性を測定することが可能となる。
H2O2+AH2→2H2O+A
ペルオキシダーゼは動物・植物・微生物界に広く分布しそれぞれの性質が異なる。例えば、西洋ワサビその他の植物由来でGuaiacol又はアスコルビン酸の酸化に関与しプロトヘムを有する西洋ワサビペルオキシダーゼ、酵母由来でシトクロムcの酸化に関与しプロトヘムを有するシトクロムcペルオキシダーゼ、Caldaniomyces fumago由来でプロトヘムを有する塩化物ペルオキシダーゼ、ヒト又は動物の甲状腺に若しくは唾液由来でI−の酸化又はチロシンの生合成に関与しプロトヘム類似物質を有する唾液ラクトペルオキシダーゼ(salivary peroxidase)、ヨウ化物ペルオキシダーゼ(thyroid peroxidase)、牛乳に含まれヘムを有するラクトペルオキシダーゼ、白血球由来でヘムa類似物質を有するミエロペルオキシダーゼ、赤血球由来でセレンを有するグルタチオンペルオキシダーゼ、Streptococcus faecalis由来でFAD、NADHの酸化に関与するNAD+ペルオキシダーゼ等がある。
本発明で用いるDAB及びGuaiacolは、水素供与体として用いるものであればよい。dapsoneは、唾液ラクトペルオキシダーゼ(salivary peroxidase)を特異的に阻害するが、好中球ミエロペルオキシダーゼなど炎症に関連するペルオキシダーゼの活性は、阻害しない化合物である。
本発明で用いる「陰イオン交換フィルター」は、陰イオンを吸着することのできる膜素材であり、タンパク質であるペルオキシダーゼ酵素をその表面に電荷によって吸着することができ、一方、水や糖類、その他の水溶性物質は、膜を通過して吸着層へ移行させる物である。その結果、酵素タンパク質は、陰イオン交換フィルター上に濃縮され測定感度を向上させる要因となる。
また、濾紙に陰イオン交換クロマトグラフィー濾紙を用いた場合、ペルオキシダーゼを担持した陰イオン交換クロマトグラフィー濾紙片に、本発明の検出用試薬組成物を滴下した場合、ペルオキシダーゼ反応の結果による発色度は、約30分で最高値に達し、その後減退することはない。これらは、本発明の検出用試薬組成物が従来の検出用試薬よりも高感度かつ迅速な反応性を有することを示すものである。
また、本発明において「ペルオキシダーゼ濃縮画分」とは、ペルオキシダーゼが周知の方法により濃縮された状態をいい、液体か固体かを問わない。また、周知の方法とは、ペルオキシダーゼを濃縮することができればその方法は問わないが、少なくともペルオキシダーゼの変性を伴う方法を除き、例えば、遠心による方法、塩析法、液体クロマトグラフィーを用いる方法、透析法、凍結乾燥法、限外濾過法、若しくはエバポレートによる方法等があげられる。
液を含む水溶液等も含まれる。好ましくは細胞外液、血液又はリンパ液をいうが、最も好ましくは唾液又は血清である。
なお、本発明において「血清」とは、血液中から血球とフィブリノーゲン(I因子)、プロトロンビン(II因子)、V因子、及びVIII因子等の血液凝固因子を取り除いたものをいうが、血球及び前記血液凝固因子の一部を血液から除いたもの、及び血漿を含む。また、「血漿」とは、血液中から血球を取り除いたものをいう。
また、必要に応じ、陽性コントロール液としてペルオキシダーゼ溶液又はその粉末を含んでいてもよい。
また、「陰イオン交換フィルター」とは、陰イオン交換能を有し液体を透過することができるものであれば、担体の種類やイオン交換基の種類は、特に限定されない。
また「吸液層」とは、吸湿能があれば特に限定されず、漏液するか否かも問わないが、好ましくは保水能を有し、さらに好ましくは試料に含まれる水分を吸収保持するものであり、最も好ましくは濾紙である。
なお、「固定」とは、検査対象から試料を担持させるステップ、及び試料を担持した前記多重構造を検出試薬組成物と接触させるステップにおいて前記多重構造が維持されていれば特に限定されず、前記固定のために用いる材料、形状、若しくは構造も特に限定されないが、例えば、前記多重構造に枠体を設ける等が挙げられる。
すなわち「適用可能な仕様」とは、好ましくは試料担持部の形状が略円形であること、及び口腔内で唾液の採取でき、かつ分光色差計に直接適用できる大きさであることをいい、試料担持部の形状が円形であること、試料担持部の外径が30mm以下であること、前記多重層を構成する陰イオン交換フィルターの厚さが0.01mm〜2.0mmであること、及び前記多重層を構成する吸液層の厚さが0.1mm〜20.0mmであることがより好ましく、試料担持部の形状が円形であること、試料担持部の外径が25.2mm以下であること、前記多重層を構成する陰イオン交換フィルターの厚さが0.05mm〜0.5mmであること、及び前記多重層を構成する吸液層の厚さが0.4mm〜2.0mmであることが最も好ましい。
ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上で検出用試薬組成物を適用すると、ペルオキシダーゼ活性により試料担持部が発色する。この発色の度合がペルオキシダーゼ活性の高低を指し示すが、この発色度は分光色差計等の分析機器により特定波長の吸光度を測定することで数値化することができる。
本検出用試薬組成物は、DAB(同仁化学研究所製)及びGuaiacol(和光純薬工業社製)より下記のように調製した。すなわち、Guaiacol 300μlを0.3M Tris−HCl緩衝液(pH7.5)14mlに溶解せしめ、これに0.33%過酸化水素水134μlを添加することで得られる溶液(試薬A)を調製した。ここで使用する過酸化水素水は、34.5〜36.5%のH2O2濃度を有する市販の過酸化水素水を希釈したものである。DAB5mgに試薬A 4mlを添加して、混和したものをペルオキシダーゼ検出用試薬(試薬X+A)として、ペルオキシダーゼ基質の用途に供した。
マイクロプレートの各ウェルに、緩衝液として0.3M Tris−HCl緩衝液(pH7.5)150μlを加え、これに唾液20μlと基質溶液30μlを混合し、唾液中に含まれるペルオキシダーゼ活性を測定した。唾液は、50,100,200μlの健常者唾液(20〜25歳の男女の混合唾液 男n=36; 女n=20)を用いた。基質溶液は、試薬X+A、試薬A単独、及び試薬X{0.3M Tris−HCl緩衝液(pH7.5)14mlにDAB17.5mgを溶解し、これに0.33%過酸化水素水134μlを添加して得られる溶液}単独の3種を用いて、これらのペルオキシダーゼ活性の比較を行った。唾液と基質溶液を混合した時点を反応開始とし、反応時間は60分間行った。反応開始から1分、3分、5分、以降5分間ごとに450nmにおける吸光度を測定した。反応は室温下で実施した。
その結果を図1に示す。図1より試薬X+Aの場合、反応開始約30分後に吸光度が最大に達し(約0.5)、以後ほぼ一定の値を示しているのに対し、試薬Aにおいては値が反応開始1分で約0.2の吸光度を示した。以後、吸光度は低下した。試薬Xにおいては、反応開始後、経時的に吸光度は上昇し、反応開始約30分後には0.1強の吸光度を示し、反応終了時には約0.2にまで上昇したが、試薬X+Aほどの反応は認められなかった。すなわち、反応開始約30分後では、試薬X+Aは、試薬Xの約5倍、試薬Aの約8倍の吸光度を示した。以上から、試薬X+Aの吸光度は、他の2種の基質溶液に比べ顕著値であることが示された。
吸水層を形成するクロマトグラフィー用濾紙(厚さ0.7mm; Advantec, No.526; Toyo Roshi Kaisha, Ltd., Japan)と試料担持部を形成する陰イオン交換クロマトグラフィー用濾紙(厚さ0.2mm; Whatman DE81; Whatman Int. Ltd., England)を図2のようにサンドイッチ状に組み合わせ、アルミニウムの外枠でこれらを固定した。また、本実施例は口腔内に適用する際に本保持器の出し入れを容易にする支持棒を付加したものを開示している(図3)。支持棒の材質は製造費を安価にするため爪楊枝を用いた。
本保持器の吸水層における水分保持能力は最大で400μlである。本保持器で唾液を採取する際、これを直接口腔内に適用し、歯と頬の間に挟みこみ、軽く口を閉じて2分間放置することで行った(図4)。唾液採取は、飲食及び歯磨き1時間後に行った。採取時は自然体で行った。本検出用試料保持器は予め蒸気滅菌(120℃、20分)で滅菌して用いた。口腔内に適用する代わりに、必要に応じて、本保持器に唾液や血清等の試料を直接滴下し、そのままペルオキシダーゼ活性測定に供した。
実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器にヒト唾液100μlを滴下して、これに基質溶液100μlを滴下し反応させ、直接、分光色差計に用いることにより唾液中に含まれるペルオキシダーゼ活性を測定した。唾液は実施例2で用いたものと同じである。基質溶液は、試薬X+A、試薬A、及び試薬Xを用いて、これらのペルオキシダーゼ活性の比較を行った。ペルオキシダーゼ検出用試料保持器に基質溶液を添加した時点を反応開始とし、反応時間は30分間行った。反応は室温下で実施した。反応後、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上の発色度をNF333簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社)を用いて460nmで測定した。
その結果を、図5に示す。試薬X+Aにおいて、他の2種の基質溶液と比べ顕著な発色が認められ、その値は試薬Aの10倍、試薬Xの5.7倍であった。すなわち、試薬X+Aは、実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器と組み合わせることで、より高感度かつ迅速なペルオキシダーゼ活性の測定が可能であることを示している。
前記の反応後であって分光色差計で測定を行ったペルオキシダーゼ検出用試料保持器における発色の様子を、図5−Aに示した。分光色差計で最も高い吸光度を示した試薬X+Aを滴下したペルオキシダーゼ検出用試料保持器において、最も濃く発色している様子が目視でも確認することができた。すなわち、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上における発色の濃淡から、ペルオキシダーゼ活性を目視で判定することもできた。
ペルオキシダーゼ検出用試料保持器における試料担持部の材質を変えて、それらのペルオキシダーゼ活性の発色度の比較を行った。試料担持部には、陰イオン交換クロマトグラフィー用濾紙(DE81; Whatman製、厚さ0.2mm)、陽イオン交換クロマトグラフィー用濾紙(P81; Whatman製、厚さ0.23mm)、クロマトグラフィー用濾紙(TOYO: Advantec No526 Toyo Roshi製、厚さ0.7mm)の3種類を用いた。これらを試料担持部に用いて試料保持器を作製した。それぞれの試料保持器にヒト唾液又はヒト血清を100μl滴下し、滴下2分後に発色基質としてさらに試薬X+A 100μlを滴下して、30分間室温下で静置することで反応を行った。唾液は実施例2で用いたものと同じである。反応後は、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上の発色度をNF333簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社)を用いて460nmで測定した。
その結果を図6に示した。唾液、血清共に、試料担持部に陰イオン交換クロマトグラフィー濾紙(DE81)を用いたものが、最も高い発色度を示した。特に陽イオン交換クロマトグラフィー濾紙(P81)と比べて約4倍、クロマトグラフィー濾紙(TOYO)と比べて約1.6倍の発色度を示したことから、試料保持器に用いる試料担持部には陰イオン交換クロマトグラフィー濾紙が好ましいことが示された。
前記の反応後であって分光色差計で測定を行ったペルオキシダーゼ検出用試料保持器における発色の様子を、図6−Aと図6−Bにそれぞれ示した。図6−Aは試料として唾液を滴下したもの、図6−Bは試料として血清を滴下したものである。それぞれの図で示したとおり、分光色差計で最も高い吸光度を示した陰イオン交換クロマトグラフィーろ紙(DE81)を用いたペルオキシダーゼ検出用試料保持器において、最も濃く発色している様子が目視でも確認することができた。すなわち、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上における発色の濃淡から、ペルオキシダーゼ活性を目視で判定することもできた。
実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器にミエロペルオキシダーゼ溶液100μlを滴下し、これに基質溶液100μlを滴下し、反応させ、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上でペルオキシダーゼ活性を測定した。ミエロペルオキシダーゼ溶液は、ヒトミエロペルオキシダーゼ(Sigma)を、bovine albumin(Sigma)を10mg/ml含有する10mM Tris−HCl緩衝液
(pH7.0)に0,10,20,50,100mUそれぞれ溶解して用いた。基質溶液として、試薬X+A、試薬A、及び試薬Xを用い、比較を行った。反応条件及び測定方法は実施例4に従った。
その結果を、図7に示す。この結果から、試薬X+Aが試薬X又は試薬Aに比してミエロペルオキシダーゼを高感度に検出することが示された。
実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器及び方法を用いて、健常者と患者より唾液を採取した。健常者の唾液は実施例2で用いたものと同じである。採取した唾液量を電子天秤で測定した後、これに試薬X+A 100μlを滴下し、唾液中のペルオキシダーゼ活性を測定した。
その結果を図8に示す。唾液分泌量とペルオキシダーゼ活性に正の相関性が認められた。従って、ペルオキシダーゼ活性を測定することで唾液分泌量を把握することができた。同時に、高血圧患者並びに透析患者から採取した唾液量とペルオキシダーゼ活性を健常者と比較した。その結果を図9、及び図10に示す。図9より高血圧患者と透析患者の唾液量は、健常者と比べて減少していることが示された。ペルオキシダーゼ活性を比較した場合、図10より、唾液分泌量と同様に、患者から採取した唾液中のペルオキシダーゼ活性は健常者の活性より低いことが示された。従って、ペルオキシダーゼ活性の測定により、各種疾患により併発された口腔乾燥症をスクリーニングすることができる。
歯周疾患の疑いがある被験者から採取した唾液100μlを試料担持部に滴下し、これに試薬X+Aを発色基質として100μl滴下し。唾液中のペルオキシダーゼ活性を測定した。反応条件及び測定方法は実施例4に従った。被験者においては、ポケット探針で歯肉のポケット(プロービングデプス)の深さを測り、歯周疾患の判定を行った。4mm以上のポケットを有する歯の数を数え、その割合を計算した。
その結果を表1に示す。歯周疾患の判定で100%の数値を示した被験者Dにおいて、ペルオキシダーゼ活性は他の被験者と比べて顕著に高いことが示された。従って、唾液中のペルオキシダーゼ活性の測定により歯周疾患をスクリーニングすることができた。
________________________________
被験者 歯周疾患判定*1(%) ペルオキシダーゼ活性*2
________________________________
A 0 0.231
B 0 0.262
C 41.3 0.308
D 100 0.703
_________________________________
歯周疾患判定*1:20本以上の歯がある人を対象にして、ポケット探針で4mm以上のポケット(プルービングデプス)を有する歯の割合(%)
ペルオキシダーゼ活性*2:A460/100μl/30min
唾液には通常ラクトペルオキシダーゼが恒常的に出ているが、試薬X+Aは、dapsoneを共存させることによって唾液ラクトペルオキシダーゼを特異的に阻害した発色のバックグラウンドの低い歯周疾患判定を行うことができた。
唾液中には、歯周病疾患から起因するミエロペルオキシダーゼと唾液そのものに起因する唾液ラクトペルオキシダーゼの両方が含まれている。両酵素には相違点があり、唾液ラクトペルオキシダーゼは、dapsone(4,4’−diaminodiphenylsulfone)の存在で特異的に活性が阻害された。従って、dapsoneを発色液に混合して、歯周疾患の判定反応を行えば、バックグラウンド値が少ない発色を行うことができる。
健康な学生の唾液を採取した。それにdapsoneを0から2.2mMを種々の濃度で添加して、発色性を調べた。その結果、dapsoneを共存させると発色は急激に減少し、0.5〜1mM添加で、ほぼ一定位置にまで低下した(図11、黒丸で表示)。一方、ミエロペルオキシダーゼ(バイオデザイン・インターナショナル社製)を加えて混合液を作成し、それを試料採取器100μlずつ滴下したサンプルでは、dapsone濃度を高くしても発色の減少は起こらなかった(図11、白丸で表示)。
この結果から、dapsoneは、唾液ラクトペルオキシダーゼの活性を特異的に阻害しており、dapsoneをペルオキシダーゼ検出用試薬(試薬X+A)に共存させておけば、健康な唾液にも存在する唾液ラクトペルオキシダーゼ活性を特異的に阻害して、バックグラウンドの低い状態で歯周疾患から漏出するミエロペルオキシダーゼ活性を測定することができる。このことは相対感度の向上であり、色で識別するキットとしては、効果的なことである。
表2 3種のペルオキシダーゼに対するdapsoneの影響
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ペルオキシダーゼ ペルオキシダーゼ活性(%) *
―――――――――――――――――――――――――――――――――
刺繍疾患のない健康人の唾液 9.8+ 2.6
ミエロペルオキシダーゼ 95.5+ 7.1
好中球ペルオキシダーゼ 78.9+ 11.2
―――――――――――――――――――――――――――――――――
使用したペルオキシダーゼ試料は、それぞれタンパク量として、唾液中タンパク170μg,ミエロペルオキシダーゼ40ng、および好中球ペルオキシダーゼ22ng。
*:dapsone無添加区の活性を100%として計算した。
実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器にグルタチオンペルオキシダーゼ(human erythrocytes; Sigma)又はミエロペルオキシダーゼ(human leucocytes; Sigma)溶液100μlを滴下し、これに試薬X+A 100μlを滴下し、反応させ、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器上でペルオキシダーゼ活性を測定した。グルタチオンペルオキシダーゼ溶液は、ヒトグルタチオンペルオキシダーゼを、bovine albumin(Sigma)を10mg/ml含有する10mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)に20,200,2000mUそれぞれ溶解して用いた。ヒトミエロペルオキシダーゼは、bovine albumin(Sigma)を10mg/ml含有する10mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)に200mUを溶解して用いた。反応条件及び測定方法は実施例4に従った。
その結果を、表3に示す。この結果から、試薬X+Aはグルタチオンペルオキシダーゼに反応せず、ミエロペルオキシダーゼを高感度に検出することが示された。
_____________________________________
A460
_____________________________
ミエロペルオキシダーゼ グルタチオンペルオキシダーゼ
_____________________________________
10mU 0.051 ND*
20mU 0.077 -0.0038
50mU 0.209 ND
100mU 0.240 ND
200mU ND -0.000
2000mU ND -0.0035
______________________________________
ND*:測定せず
患者血清、健常者唾液(実施例2に同じ)にそれぞれミエロペルオキシダーゼ阻害剤としてmyeloperoxidase inhibitor‐I(Calbichem Inc.)を29、87、261、785、及び2,354μM加えて15分間室温下で反応し、その後、各100μlを実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器に滴下し、これに試薬X+Aを滴下し、反応させ、血清中のペルオキシダーゼ活性を測定した。反応条件及び測定方法は実施例4に従った。酵素活性(PO activity)は、myeloperoxidase inhibitor‐I非存在下の活性を100として比較を行った。
その結果を図14に示す。血清中のペルオキシダーゼ活性がミエロペルオキシダーゼ阻害剤によって顕著に低下した。よって、試薬X+Aによる血清ペルオキシダーゼ活性は、ミエロペルオキシダーゼ活性を示すものである。
高血圧性腎症、腎硬化症、慢性腎炎、及び動脈硬化症の被験者及び健常者より採取した血清100μlを実施例3に記載のペルオキシダーゼ検出用試料保持器に滴下し、これに試薬X+Aを滴下し、反応させ、血清中のペルオキシダーゼ活性を測定した。反応条件及び測定方法は実施例4に従った。血清中にはミエロペルオキシダーゼが存在し、実施例6で示したとおり試薬X+Aはミエロペルオキシダーゼ活性を高感度で測定ができること、実施例9で示したとおり試薬X+Aはグルタチオンペルオキシダーゼの発色基質になりえないこと、及び実施例11で示したとおり血清ペルオキシダーゼ活性がミエロペルオキシダーゼ阻害剤によって阻害されたことから、試薬X+Aによる血清中のペルオキシダーゼ活性はミエロペルオキシダーゼ活性を示すものである。
被験者における血清ペルオキシダーゼ活性(ミエロペルオキシダーゼ活性)の測定結果を表4に示す。本発明の方法により、高血圧性腎症、腎硬化症、慢性腎炎、及び動脈硬化症等の炎症性疾患の被験者において高い血清ミエロペルオキシダーゼ活性が観察された。すなわち、健常者(表4、被験者39〜57)のミエロペルオキシダーゼ活性が全て0.1未満であったのに対し、高血圧性腎症患者(表3、被験者1〜3)においては3名中2名(67%)、腎硬化症患者(表4、被験者4〜10)においては7名中4名(57%)、慢性腎炎患者(表4、被験者11〜18)においては8名中5名(63%)、動脈硬化症患者においては20名中7名(35%)において0.1より大きい値を示した。被験者2040及び57は健常者グループに分類されているが、他の健常者に比して被験者40については1.8倍〜3.5倍、被験者57については1.2〜2倍高いミエロペルオキシダーゼ活性を示していた。前記被験者40及び57は、何らかの顕在化していない炎症性疾患等を有していた可能性も考えられる。そこで被験者40及び57を健常者グループから除いてミエロペルオキシダーゼ活性の正常値を0.05未満に設定とすると、高血圧性腎症患者においては3名中2名(67%)、腎硬化症患者においては7名中6名(86%)、慢性腎炎患者においては8名中7名(88%)、動脈硬化症患者においては20名中16名(80%)という、それぞれ高い割合で異常値を示した。血清中のミエロペルオキシダーゼ活性の上昇により死亡リスクが高まることが知られているが(非特許文献3)、本実施例の試験期間中に被験者15の死亡が確認された。ミエロペルオキシダーゼ活性のほか、炎症マーカーとして知られているC反応性タンパク質(C−reactiveprotein以下CRP)の測定も同時におこなっているが、被験者15のCRP値は1.2mg/dlであり、炎症反応においては「弱陽性」と判定される数値であった。
これらの経過から、ミエロペルオキシダーゼ活性の測定がCRP値等の従来の方法と比べても被験者の病態モニタリングに適している可能性が示唆された。
___________________________
被験者 病名 MPO
___________________________
No.1 高血圧性腎症 0.1973
No.2 高血圧性腎症 0.0426
No.3 高血圧性腎症 0.1038
No.4 腎硬化症 0.0296
No.5 腎硬化症 0.143
No.6 腎硬化症 0.1798
No.7 腎硬化症 0.1962
No.8 腎硬化症 0.0782
No.9 腎硬化症 0.0514
No.10 腎硬化症 0.1996
No.11 慢性腎炎 0.0359
No.12 慢性腎炎 0.0559
No.13 慢性腎炎 0.0754
No.14 慢性腎炎 0.1249
No.15 慢性腎炎 0.1281
No.16 慢性腎炎 0.1489
No.17 慢性腎炎 0.1619
No.18 慢性腎炎 0.1043
No.19 動脈硬化症 0.0681
No.20 動脈硬化症 0.1233
No.21 動脈硬化症 0.2267
No.22 動脈硬化症 0.0529
No.23 動脈硬化症 0.075
No.24 動脈硬化症 0.05
No.25 動脈硬化症 0.0862
No.26 動脈硬化症 0.1316
No.27 動脈硬化症 0.0388
No.28 動脈硬化症 0.024
No.29 動脈硬化症 0.1037
No.30 動脈硬化症 0.588
No.31 動脈硬化症 0.0408
No.32 動脈硬化症 0.0469
No.33 動脈硬化症 0.0686
No.34 動脈硬化症 0.0964
No.35 動脈硬化症 0.1271
No.36 動脈硬化症 0.171
No.37 動脈硬化症 0.115
No.38 動脈硬化症 0.0567
No.39 健常者 0.039
No.40 健常者 0.09
No.41 健常者 0.05
No.42 健常者 0.035
No.43 健常者 0.047
No.44 健常者 0.03
No.45 健常者 0.03
No.46 健常者 0.027
No.47 健常者 0.026
No.48 健常者 0.0441
No.49 健常者 0.0213
No.50 健常者 0.0306
No.51 健常者 0.0093
No.52 健常者 0.0343
No.53 健常者 0.0456
No.54 健常者 0.0374
No.55 健常者 0.0457
No.56 健常者 0.0192
No.57 健常者 0.0559
_____________________________
MPO:ミエロペルオキシダーゼ活性=A460/100μl/30min
高血圧腎症(n=3) 0.1145±0.0636 p<0.001
腎硬化症 (n=7) 0.1254±0.0660 p<0.001
慢性腎炎 (n=8) 0.1044±0.0420 p<0.001
動脈硬化症(n=20) 0.0879±0.0489 p<0.001
健常者 (n=19) 0.0378±0.0167
試薬X+Aは、ペルオキシダーゼの高感度検出試薬であるが、試料保持器にあらかじめ既知のペルオキシダーゼを共存させておくことによって、抗酸化活性を測定することができる。この原理を用いて食品や化粧品などの抗酸化力を測定する「抗酸化活性測定キット」を構築した。
抗酸化物質検出用試料保持器の作成
西洋わさびペルオキシダーゼ(EC1.11.1.7;シグマ−アルドリッチ社製)をアルブミン1.5mg/ml入りの0.1Mトリス緩衝液(pH7.5)で溶解し、40mU/mlに調製した。そして200μl(8mU)を試料保持器に滴下し、冷蔵庫で自然乾燥し、抗酸化物質検出用試料保持器として使用した。
抗酸化物質の定量
効能試験のための既知の抗酸化物質としてビタミンC(シグマ−アルドリッチ社)を用いた。ビタミンCは、0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で溶解し、種々の濃度に調製した。そしてそれぞれの溶液100μlを前出の抗酸化検出濾紙片に滴下し、4分後に試薬X+A溶液を100μl滴下した。室温で30分放置後、呈色反応は分光色差計(日本電色工業株式会社)で460nmの吸光度(A460)を求め、その酵素活性より抗酸化物質を定量した。
よって、本願の試料保持器に既知ペルオキシダーゼを共存させ、試薬X+Aによって発色させることによって食品や化粧品などの抗酸化活性を測定することができる。本願の有利な点は、試料保持器という固体上で発色反応を行うことから、試料が透明な液体であることを要求しない。固形物や粘性物質の混合があっても問題なく測定できることである。
――――――――――――――――――――――――――――――
A460 酵素活性(%)
――――――――――――――――――――――――――――――
対象区 0.559 100
ビタミンC 0.2mM 0.450 81
ビタミンC 1.0mM 0.422 76
ビタミンC 5.0mM 0.283 51
ビタミンC 10mM 0.246 44
――――――――――――――――――――――――――――――
Claims (15)
- DAB(3,3’−diaminobenzidine)及びGuaiacolを有効成分として含むことを特徴とする、ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物。
- DAB(3,3’−diaminobenzidine)及びGuaiacol{o(2)−methoxyphenol}、加えてdapsone(4,4’−diaminodiphenylsulfone)を有効成分として含むことを特徴とする、ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物。
- 前記ペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼ又はミエロペルオキシダーゼであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の検出用試薬組成物。
- 体液又はそのペルオキシダーゼ濃縮画分に用いることを特徴とする、請求項1、23いずれか1項に記載の検出用試薬組成物。
- 体液が唾液又は血清である、請求項4に記載の検出用試薬組成物。
- ペルオキシダーゼを検出するためのキットであって、DABを含む容器及びGuaiacolを含む容器、あるいは加えてdapsoneを含む容器を含む、ペルオキシダーゼ検出キット。
- 前記ペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼ又はミエロペルオキシダーゼであることを特徴とする、請求項6に記載のキット。
- 試料担持部である陰イオン交換フィルターと、吸液層を有し、前記試料担持部が試料と請求項1〜5のいずれか1項記載のペルオキシダーゼ検出試薬組成物を接触させるものである、ペルオキシダーゼ検出用試料保持器。
- 分光色差計に直接適用できることを特徴とする、請求項8に記載の試料保持器。
- 唾液を採取するために口腔内に適用することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の試料保持器。
- 試料を、請求項1〜5のいずれか1項記載のペルオキシダーゼ検出試薬組成物と混合させる工程を含む、ペルオキシダーゼ検出方法。
- 前記試料保持器の試料担持部に担持された試料を、請求項1〜5のいずれか1項記載のペルオキシダーゼ検出試薬組成物と接触させる工程を含む、ペルオキシダーゼ検出方法。
- 請求項11又は12いずれか1項に記載の検出方法を用いた、ヒト又は動物の生体内における炎症の存在を判定するための方法。
- 請求項11又は12いずれか1項に記載の検出方法を用いた、ヒト又は動物の生体内における酸化的ストレスの負荷を判定するための方法。
- 陰イオン交換フィルターと、吸液層を有した請求項8の試料保持器に既知ペルオキシダーゼを共存させ、請求項1のペルオキシダーゼ検出試薬組成物の接触によって発色させる抗酸化活性測定キット。
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