JP4820192B2 - 急性冠症候群でのadamts13の測定と利用 - Google Patents

急性冠症候群でのadamts13の測定と利用 Download PDF

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本発明は、急性冠症候群患者の予後の予測ならびに予後の改善の方法に関する。
急性冠症候群(以下、ACS[acute colonary syndrome]と称することがある)は、心臓の血管傷害であり、一般にアテローム硬化症や高血圧症に従属的なもので、アテローム硬化症のプラーク形成による冠状動脈疾患に関係した閉塞、およびさらなる閉塞、破裂のいずれかの進行に起因する。ACSは、安定狭心症(以下SEAと称することがある)、不安定狭心症、または心筋梗塞(MIと称することがある)として発現しうる。
ACSの患者は、病態生理学、臨床的状態等によりいくつかのグループに分類される。患者は、不安定狭心症、非−ST−上昇(「NST」) 非−Q波心筋梗塞(「MI」)、ST−上昇 非−Q波MI、および経壁(Q波)MI等の状態を示す。ACSは、冠状動脈中での血栓の沈着と成長に大きく起因すると考えられており、動脈の部分的もしくは完全な閉塞をもたらし、そして頻繁にプラークの破裂を伴い、虚血性傷害をもたらす。
SEAは、激しい活動やストレスによって起こる狭窄した胸部痛により特徴づけられ、休息や舌下のニトログリセリンにより軽減される。不安定狭心症は、舌下のニトログリセリンにより軽減される休息時の狭窄した胸部痛により特徴づけられる。狭心症の胸部痛は、通常舌下のニトログリセリンにより軽減され、痛みは、通常30分以内に治まる。心筋梗塞は、診断の心電図検査(ECG)のQ波を伴いうる、30分以上続く狭窄した胸部痛により特徴づけられる。不安定狭心症は、安定狭心症と心筋梗塞との間の臨床的状態を示すと考えられており、通常アテローム硬化症のプラーク破裂および血栓の形成に関係する。この点において、アテローム硬化症のプラーク破裂は、心筋梗塞の最も一般的な原因となる。
ACSの重大さは、虚血性傷害の結果としての罹患率と死亡率により強調される。例えば、ACSの状態になってから4〜6週間以内で、死亡するか、またはACSに続く心筋梗塞(MI)になる危険性は8〜14%であり、死亡するか、またはMIもしくは難治性虚血になる割合は15〜25%であると推察される(非特許文献1)。米国における急性MI(以下AMIと称することがある)による死亡者の総数は約600,000とされている。ACSの診断、予後、および対処に関連する情報としては、従来、クレアチンキナーゼ濃度(非特許文献2)、および循環しているc−反応性タンパク質濃度(非特許文献3)等いくつかの可能性のあるマーカーが報告されている。しかしながら、これらのマーカーを用いたとしても、実際のところ、患者個々人の明確なACSの特徴づけ、予後の予測は困難であった。
Theroux and Fuster、Circulation 97:1195-1206、1998 Alexander et.al.,Circulation(増補)1629,1998 Morrow et. al., J. Am. Coll. Cardol. 31: 1460-1465, 1998
臨床所見や従来のマーカーだけからでは鑑別できなかったACS患者のMACEの有無の予測を行うことのできる病態把握方法ならびにこれに基づくADAMTS13の予防投与によりMACEを回避する方法を提供する。
上記のように、現在のところ、既存マーカー測定値を使用した診断基準及び臨床所見から急性冠症候群特にAMI患者の予後の予測は困難である。
従って、この技術分野において、AMI患者の再発(MACE)の危険性を有する個体を同定できる迅速、高感度で特異的な診断方法があれば、有益な処置および治療を受けられる患者の数を非常に増加させ、救命率を上昇させることが期待される。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ACS患者においてADAMTS13量(濃度)とVWF量(濃度)との組み合わせを用いることにより、AMIと診断された患者群で、再狭窄等の再悪化のイベント惹起(MACE)の可能性がある検体群を見出した。このことは、臨床所見や従来のマーカーだけからでは差別化できなかったAMI患者のMACEの有無の予測を行い、疾患に特異的な治療法を行い、予後の改善を行うことを可能とするもので、ここに本発明を完成するに至った。
前記課題は、本発明による、ACS患者において、ADAMTS13の量(濃度)及び/または酵素活性とVWF量(濃度)を分析することを特徴とする、ACS患者の病態の把握方法により解決することができる。
ADAMTS13量もしくは活性値とVWF量の比の値をもってACS患者の予後の予測、これにともなうADAMTS13投与による予後の改善を可能にする。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 急性冠症候群(ACS)患者から採取した被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定することを含む、急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[2] VWFとADAMTS13量または活性の比率を測定する[1]の急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[3] 病態の検出が、急性冠症候群の重篤度の判定または予後の予測である[1]または[2]に記載の急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[4] 病態の検出が、急性冠症候群患者にMACEが起こるリスクの評価である[1]〜[3]のいずれかの急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[5] ADAMTS13量または活性に対するVWFの比率が有意に高い場合またはあらかじめ定めたカットオフ値よりも高い場合に、急性冠症候群患者にMACEが起こるリスクが高いと評価し得る[1]〜[4]のいずれかの急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[6] 急性冠症候群(ACS)患者から経時的に被検試料を採取し、各被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定し、経時的な変化をモニターすることを含む[1]〜[5]のいずれかの急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[7] 急性冠症候群発症または診断後20〜30時間後に採取した被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定することを含む[1]〜[6]のいずれかの急性冠症候群患者の病態を検出する方法。
[8] 急性冠症候群(ACS)患者から採取した被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定することを含む急性冠症候群患者にフォンヴィブランド因子分解酵素の補充を施す必要性を判定する方法。
[9] VWFとADAMTS13量または活性の比率を測定する[8]の急性冠症候群患者にフォンヴィブランド因子分解酵素の補充を施す必要性を判定する方法。
[10] ADAMTS13量または活性に対するVWFの比率が有意に高い場合またはあらかじめ定めたカットオフ値よりも高い場合に、急性冠症候群患者にフォンヴィブランド因子分解酵素の補充を施す必要性が高いと評価し得る、[8]または[9]の急性冠症候群患者にフォンヴィブランド因子分解酵素の補充を施す必要性を判定する方法。
[11] 急性冠症候群(ACS)患者から経時的に被検試料を採取し、各被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定し、経時的な変化をモニターすることを含む[8]〜[10]のいずれかの急性冠症候群患者にフォンヴィブランド因子分解酵素の補充を施す必要性を判定する方法。
[12] 急性冠症候群発症または診断後20〜30時間後に採取した被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定することを含む[8]〜[11]のいずれかの急性冠症候群患者にフォンヴィブランド因子分解酵素の補充を施す必要性を判定する方法。
[13] 急性冠症候群(ACS)患者から経時的に被検試料を採取し、各被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定し、経時的な変化をモニターすることを含む、急性冠症候群患者の処置の経過をモニターする方法。
[14] VWF検出用試薬およびADAMTS13検出用試薬を含む急性冠症候群患者の病態検出用キット。
[15] VWF検出用試薬がVWF量測定用試薬でありADAMTS13検出用試薬がADAMTS13量またはADAMTS13活性測定用試薬である[14]の急性冠症候群患者の病態検出用キット。
[16] 病態の検出が、急性冠症候群の重篤度の判定または予後の予測である[14]または[15]の急性冠症候群患者の急性冠症候群患者の病態検出用キット。
[17] 病態の検出が、急性冠症候群患者にMACEが起こるリスクの評価である[14]〜[16]のいずれかの急性冠症候群患者の病態検出用キット。
[18] VWFおよびADAMTS13からなる急性冠症候群病態検出用マーカー。
[19] VWFおよびADAMTS13の急性冠症候群病態検出用マーカーとしての使用。
さらに、本発明は以下の通りである。
[20] 急性冠症候群患者において、フォンヴィレブランド因子分解酵素(以下ADAMTS13と称することがある)の量あるいは活性及びフォンヴィレブランド因子(以下VWFと称することがある)の量を分析することを特徴とする、前記急性冠症候群(以下ACSと称することがある)患者における病態の検出方法。
[21] 病態の検出が、重篤度の検出または重篤度の予測ならびにフォンヴィブランド因子分解酵素の補充の指標となる、[20]の方法。
[22] 患者から得られた複数の試験サンプルをフォンヴィレブランド因子切断酵素量ならびにフォンヴィレブランド因子量について分析および比較することを含み、ここで、前記試験サンプルが同一の患者から異なる時間に得られたものである、患者の処置の経過をモニターする方法。
[23] 患者から得られたサンプル中のフォンヴィレブランド因子切断酵素量ならびにフォンヴィレブランド因子量が前記急性冠状動脈症候群の不利な結果(以下MACEと称することがある)に対する疾病素質と関係するかどうかを決定することにより、前記患者の予後ならびにフォンヴィレブランド因子切断酵素量を調節することによる治療方法と関連づけること、を含む、急性冠状動脈症候群と診断された患者の予後を決定する方法ならびにADAMTS13の補充療法による治療法。
[24] [23]の予後判定を急性冠症候群発症後ないし診断後24時間後において行う方法ならびにADAMTS13の補充療法による治療法。
ACS患者、特にAMI患者のMACEの有無を予測することができ、さらには再発の予防のためのADAMTS13の投与等を行うための鑑別をすることが可能となる。これらにより、ACS患者の救命率の上昇または致死率の低下につながる。
本明細書において「フォンヴィレブランド因子切断酵素(ADAMTS13)」とは、例えば国際公開番号WO02/088366記載のVWFのA2ドメインに存在するチロシン(842)とメチオニン(843)を特異的に切断するメタロプロテアーゼである。
本発明方法では、ACS患者における、ADAMTS13の量(濃度)及び酵素活性の少なくとも一方、好ましくは両方を分析することにより、ACSの病態の把握を行うことを可能にする。さらに、ADAMTS13の量(濃度)及び酵素活性の少なくとも一方、好ましくは両方ならびにVWFの量(濃度)との組み合わせを用いることにより、ACSの病態の把握を行うことを可能にする。
本発明方法を適用することのできる対象(被験者)は、ACS患者である。ACSは、SEA、不安定狭心症、またはMIとして発現し、これらの発現の有無、心電図、病態生理学、臨床的状態等によりACS患者であると診断することができる。被検試料としては、例えば、血漿形態の血液が好ましいが、それ以外にも、例えば、細胞組織液、リンパ液、胸腺水、腹水、羊水、胃液、尿、膵臓液、骨髄液、または唾液等の各種体液を用いることもできる。また、前記血漿は、クエン酸血漿またはヘパリン血漿であることが好ましい。
本発明方法では、ACS患者から、それぞれ被検試料を採取し、それぞれのADAMTS13量(濃度)もしくはADAMTS13活性ならびにVWF量(濃度)を測定した後、各測定値を比較することにより、ACSの病態の把握、更には、その適切な治療方法の決定を行うことができる。なお、本発明において、VWF量もしくはVWF濃度ならびにADAMTS13量もしくはADAMTS13濃度を活性と区別するために、VWF抗原量もしくはVWF抗原濃度ならびにADAMTS13抗原量もしくはADAMTS13抗原濃度という場合がある。この際、VWFとADAMTS13量(濃度)または活性の比率(VWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率)の判定用閾値、すなわちカットオフ値を予め決定しておくことが好ましい。
判定用閾値は、例えば複数のACS患者から被検試料を採取し、VWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率を得て、該ACS患者の予後を追跡し、MACEを起こした予後が不良のACS患者とMACEが起こらず予後が良好なACS患者のVWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率を比較し、統計的に算出することができる。
後述の実施例に示すように、例えば、被検試料中のVWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)比で3〜4をMACEの有無の判定閾値として用いることが可能である。ただし、該判定閾値は暫定的な値であり、これに限定されず、利用するアッセイのコントロールに依存して決定される。
本発明方法において、ADAMTS13量(濃度)を分析する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば免疫学的手法を用いる場合には、公知の方法、例えば、国際公開第2004/029242号に記載の方法あるいは非特許文献(Soejima et al., Journal of Biochemistry (Tokyo) 139: 147-154、2006)に従って実施することができる。
ADAMTS13の酵素活性は、例えば、アガロース電気泳動法を用いた方法(Furlan et al., Blood 89: 3097-3103、1997)、基質であるVWFのA2ドメインの組み換え抗原を使用したELISA法(Whitelock et al., Journal of Thrombosis and Hemostasis 2: 485-491、2004)、あるいは、VWFのA2ドメインの中のAsp1596−Arg1668の73残基に相当する合成ペプチドに蛍光基[2-(N-methylamino)benzoyl, Nma]と消光基(2,4-dinitrophenyl, Dnp)を導入した消光性蛍光基質FRETS-VWF73を使用した方法(Kokame et al., British Journal of Haematoloby 129: 93-100、2005)により測定することができる。
また、VWF量(濃度)の測定法に関しては、例えば、ヒト血小板とリストセチンコファクターの凝集活性による活性測定方法(Allain et al., Journal of Laboratoly and Clinical Medicine 85: 318-328、1975)、あるいは、抗VWF抗体を使用した免疫測定法(Cejka, Clinical Chemistry 28: 1356-1358、1982)などを挙げることができる。
本明細書におけるACSの病態の把握には、適切な治療方針または治療法の決定に有用な情報となるACS患者における各種病態の把握が含まれ、各種判断及び予測、例えば、適切な治療方針または治療法の決定、予後の予測(判定)、モニタリング等も含まれる。特にACS患者において、MACE(主要有害心イベント)が起こるリスクを評価することができ、MACEの有無の予測あるいは鑑別を行うことができる。例えば、数年以内、1年以内または数ヶ月以内のMACEが起こるリスクを評価することができる。MACEには、死亡、心筋梗塞、心筋梗塞の再発、冠状動脈の再狭窄等が含まれる。MACEが起こるリスクの評価、MACEの有無の予測、MACEの有無の鑑別とは、上記のMACEが起こる可能性を判定することをいう。これは、本発明の方法により、ACS患者の重篤度を判定すること、重篤度を予測することができることを意味する。
また、VWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率を指標に被験者がACSに罹っているか否かを検出・診断することもできる。
本発明方法では、例えば、ACS患者におけるVWF量(濃度)ならびにADAMTS13量(濃度)もしくは酵素活性との比を指標にして、効率的にAMI患者の予後のMACEの可能性を予測することができる。
モニタリングは、例えば、ACS患者から経時的に被検試料を採取し、VWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率を経時的に追跡することにより行うことができ、該追跡により予後の経過をモニタリングすることができ、さらにACS患者の治療効果(処置)の経過をモニタリングすることができる。
また、本発明の方法により、ACS患者の病態を検出し、その結果に応じてADAMTS13の予防投与(補充療法)等の治療の必要性を判断することができ、適切な治療を施すことができる。
特に、ACS患者がACSを発症した後70時間以内、好ましくは48時間以内、さらに好ましくは24時間以内、あるいは10〜70時間、好ましくは15〜48時間、さらに好ましくは20〜40時間、特に好ましくは20〜30時間において、VWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率を得た場合、ACSの予後が正確に判定することができ、さらに適切な治療を施すことができる。
例えば、ACS患者のVWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率が有意に高い場合、例えば前記の予め定めた閾値よりも高い場合や正常人、SEA患者群もしくはCPS患者群の比よりも高い場合に、MACE(主要有害心イベント)が起こるリスクが高いと判定することができ、ACS患者の重篤度が大きいと判定することができる。さらに、ACS患者のVWF量(濃度)/ADAMTS13量(濃度)または活性の比率が有意に高い場合、例えば前記の予め定めた閾値よりも高い場合や正常人、SEA患者群もしくはCPS患者群の比よりも高い場合に、ADAMTS13補充療法等の治療が必要であると判定することができる。
さらに、本発明はVWF検出用試薬およびADAMTS13検出用試薬を含むACS患者の、病態評価、病態検出または病態モニター用のキットを含む。VWF検出用試薬とは、抗VWF抗体、標準用VWF等を含むVWF量(濃度)を測定するための試薬をいい、ADAMT13検出用試薬とは、抗ADAMTS13抗体、標準用ADAMTS13等を含むADAMTS13量(濃度)を測定するための試薬、あるいはADAMTS13活性を測定するための試薬をいう。抗体は、測定方法により適宜適切な形態をとることができ、例えばELISAで検出を行う場合、抗VWF抗体および抗ADAMTS13抗体はELISA用マイクロタイタープレートに固相化して用いればよい。また、他の固相担体に固相化されていてもよい。また、必要に応じて酵素標識抗体等の2次抗体を含む。
さらに、本発明はVWFおよびADAMTS13からなる急性冠症候群病態検出用または病態評価用マーカーを含む。該マーカーはVWFおよびADAMTS13を組合せたコンビネーションマーカーである。また、本発明はVWFおよびADAMTS13の急性冠症候群病態検出用または病態評価用マーカーとしての使用を含む。該使用はVWFおよびADAMTS13を組合せた使用である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:AMI患者、SEA及びCPS(chest pain syndrome)患者におけるVWF量ならびにADAMTS13値及び活性の測定と比較
AMI患者41名及びSEA患者33名、CPS患者30名より、3.8%クエン酸加血漿を採取した。解析には表1に示すように喫煙歴(Smokers)以外は患者背景の揃った被験者群を用いた。
Figure 0004820192
サンプル血漿中のVWF量は、ウサギ抗VWF抗体を使用した免疫測定法((Cejka, Clinical Chemistry 28: 1356-1358、1982)を参考に定法によりポリクローナル抗体のサンドウィッチELISAを構築し実施した。ADAMTS13量は、非特許文献(Soejima et al., Journal of Biochemistry (Tokyo) 139: 147-154、2006)に従ってウサギ抗ADAMTS13ポリクローナル抗体のサンドウィッチELISAにより実施した。ADAMTS13活性値は、蛍光性の合成基質FRETS-VWF73を使用した方法(Kokame et al., British Journal of Haematoloby 129: 93-100、2005)に従い測定した。
その結果、VWF量に関しては、図1に示すように、AMI群の平均値は、SEおよびACPS群のそれと比べて有意に高い傾向を示した。さらにADAMTS13関しては、ADAMTS13量(図2A)および活性値(図2B)のいずれにおいてもAMI群の平均値は、SEAおよびCPS群のそれと比べて有意に低い傾向を示した。さらに、VWF量とADAMTS13量比(図3A)ならびにVWF抗原量とADAMTS13活性比(図3B)を比較したところ、AMI群の平均値は、SEAおよびCPS群のそれと比べて有意に高い傾向を示した。そこで、AMI群41例中のMACE発生(Outcome)の有無を確認したところ、10例において確認され、この実施例においては、図4に示すごとくVWF抗原量/ADAMTS13抗原量比で3〜3.5辺りで切り分けることが可能であった(しかし、この値は、今回用いたアッセイコントロールの場合であり、将来的に普遍的なカットオフ値とするためには、スタンダードの統一等標準化が必要である。)。このことから、ACS患者特にAMI患者の血漿中のVWF抗原量ならびにADAMTS13抗原量もしくは活性値から算出されるVWF/ADAMTS13比により患者の予後の予測が可能になり、さらにこれを基にADAMTS13の補充等の処置を行うことが可能となることが示唆された。
実施例2:AMI患者におけるVWF量ならびにADAMTS13量もしくは活性の経時的測定
患者血漿の採取はAMI発症時、24時間、72時間、1週間後および慢性期と経時的に実施例1と同様クエン酸により採血を行い、VWF量、ADAMTS13量およびADAMTS13酵素活性の測定を実施例1と同様の方法で行った。
AMI患者のうち、1年以内にMACEがあった者12名と無かった者52名の経時的測定を行った。それぞれの群での種々の臨床データを表2に示す。表2に示すように、いずれも両群を区別できる因子は存在しなかった。特に従来から報告されているクレアチンキナーゼ濃度(表2中Max CK、Max CK-MB項)およびc−反応性タンパク質濃度(表2中C-reactive protein項)においてもMACEの有無で有意差は認められなかった。
Figure 0004820192
これら全患者の経時的なVWF/ADAMTS13量比の推移を図5に示す。発症時から慢性期に至るまでいずれの段階のVWF/ADAMTS13量比もコントロール群(CTL)と比べ有意に(P<0.001)高値を示した。
また、それぞれの時相におけるVWF/ADAMTS13の中間値をカットオフポイントとした場合の1年以内のMACEを、それぞれの時相に対してKaplan-Meier法を用いて検討した(図6)。その結果AMI発症24時間後のVWF/ADAMTS13の値(median:3.65)のみがAMI発症1年以内のMACEの予測因子(P<0.001)になりうることが分かった。
本発明は、ACSの適切な治療の用途に適用することができる。
各被験者群でのVWF量レベルを示した図である。 各被験者群でのADAMTS13量(A)および活性値(B)を示した図である。 各被験者群でのVWF量/ADAMTS13量との比(A)およびVWF量/ADAMTS13活性値との比(B)を示した図である。 AMI患者41例中の再発の有無とVWF/ADAMTS13量比の比較を示す図である。 AMI患者のVWF/ADAMTS13量比の経時変化を示した図である。 Kaplan-Meier法による event-free 累積生存曲線を示した図である。

Claims (9)

  1. 急性心筋梗塞(AMI)患者から採取した被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定することを含む、急性心筋梗塞患者にMACEが起こるリスクを検出する方法。
  2. ADAMTS13量または活性に対するVWFの比率が有意に高い場合またはあらかじめ定めたカットオフ値よりも高い場合に、急性心筋梗塞患者にMACEが起こるリスクが高いと評価し得る請求項記載の急性心筋梗塞患者の病態を検出する方法。
  3. 急性心筋梗塞(AMI)患者から経時的に被検試料を採取し、各被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定し、経時的な変化をモニターすることを含む請求項1または2に記載の急性心筋梗塞患者の病態を検出する方法。
  4. 急性心筋梗塞発症または診断後20〜30時間後に採取した被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定することを含む請求項1〜のいずれか1項に記載の急性心筋梗塞患者の病態を検出する方法。
  5. 急性心筋梗塞(AMI)患者から経時的に被検試料を採取し、各被検試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素(ADAMTS13)の量もしくは活性ならびにフォンヴィレブランド因子(VWF)の量を測定し、経時的な変化をモニターすることを含む、急性心筋梗塞患者にMACEが起こるリスクをモニターする方法。
  6. VWF検出用試薬およびADAMTS13検出用試薬を含む急性心筋梗塞患者にMACEが起こるリスクを検出するためのキット。
  7. VWF検出用試薬がVWF量測定用試薬でありADAMTS13検出用試薬がADAMTS13量またはADAMTS13活性測定用試薬である請求項記載のキット。
  8. VWFおよびADAMTS13からなる急性心筋梗塞患者におけるMACEが起こるリスクを検出するためのマーカー。
  9. VWFおよびADAMTS13の急性心筋梗塞患者におけるMACEが起こるリスクを検出するためのマーカーとしての使用。
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