JPH09113241A - 長尺材の曲がり検出方法 - Google Patents

長尺材の曲がり検出方法

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JPH09113241A
JPH09113241A JP29745395A JP29745395A JPH09113241A JP H09113241 A JPH09113241 A JP H09113241A JP 29745395 A JP29745395 A JP 29745395A JP 29745395 A JP29745395 A JP 29745395A JP H09113241 A JPH09113241 A JP H09113241A
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勝 出井
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立示 掘井
Seiichi Yusa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】山形鋼等の長尺材Xの曲がり検出を、能率的且
つ正確に行うことができるとともに、熟練が不要で省力
化を図ることができる長尺材の曲がり検出方法を提供す
る。 【解決手段】チェーンコンベア1によって横送りされる
長尺材Xを、ストッパ2に突き当てて停止させた状態
で、当該長尺材Xの複数箇所の平面形状を、イメージセ
ンサ4によって読み取る。次いで、上記長尺材Xの長手
方向の中央部を、中央持ち上げ手段3によって持ち上げ
ると同時に、リフティングマグネット5の磁力によっ
て、長尺材Xを上方に付勢して、当該長尺材Xを自由状
態に維持する。この自由状態における長尺材Xの平面形
状を、イメージセンサ4によって読み取り、先に読み取
った平面形状との差異に基づいて、長尺材Xの曲がり具
合を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、形鋼類等の長尺
材の曲がり検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】H形鋼や山形鋼等の形鋼類の許容曲がり
量は、JIS−3192等によって規定されている。と
ころが、上記形鋼類の標準長さは、6〜15mと非常に
長いために、その自重による撓み量は、一般に上記許容
曲がり量の数倍から数十倍となる。このため、形鋼類を
平面上に置いた場合、その自重によって形鋼類が平面に
均ってしまい、曲がりや反りが表面的に表れ難い。した
がって、形鋼類の曲がり量は、小物品については、人手
によりこれを回転させたり反転させたりしながら、大物
品については、機械によってこれを回転させたり反転さ
せたりしながら、感触や視覚によってその挙動を観察す
ることにより検出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、形鋼類
の曲がり具合の検出に際しては、人の感覚による官能検
査であるため、良否の判定が不正確になり易いととも
に、その検出に熟練が必要であるという問題があった。
また、形鋼類を回転させたり反転させたりするのに、多
大な労力を必要とするとともに、曲がり検出作業の能率
が悪いという問題もあった。
【0004】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、形鋼類等の長尺材の曲がり検出を能率的且
つ正確に行うことができるとともに、熟練が不要で、省
力化を図ることができる長尺材の曲がり検出方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に係る長尺材の曲がり検出方法は、搬送装置
によって横送りされる長尺材を、ストッパに突き当てて
停止させた状態で、当該長尺材の複数箇所の平面形状を
イメージセンサによって読み取る第1の形状読取工程
と、上記長尺材の長手方向の中央部を持ち上げて、搬送
装置の搬送面から浮揚させた状態で、当該長尺材の上記
複数箇所の平面形状をイメージセンサによって読み取る
第2の形状読取工程とを含み、上記第1の形状読取工程
で読み取った長尺材の平面形状と、第2の形状読取工程
で読み取った長尺材の平面形状との差異に基づいて、長
尺材の曲がり具合を検出することを特徴とする.
【0006】上記請求項1に係る長尺材の曲がり検出方
法によれば、搬送装置によって横送りされる長尺材を、
ストッパに突き当てた際に、搬送装置の搬送力によっ
て、長尺材が上記ストッパに押しつけられる。このた
め、長尺材が平面視において本来的に湾曲している場合
には、上記搬送装置の搬送力により、その本来の湾曲姿
勢が矯正されることになる。したがって、第1の形状読
取工程においては、湾曲姿勢が矯正された状態で、長尺
材の平面形状を、イメージセンサによって読み取ること
になる。
【0007】また、上記長尺材の長手方向の中央部を持
ち上げて、搬送装置の搬送面から浮揚させると、長尺材
がほぼ自由状態になるので、本来的に湾曲している長尺
材については、その本来の湾曲姿勢に復元することにな
る。したがって、第2の形状読取工程においては、長尺
材の平面形状を、本来の湾曲姿勢に復元された状態で、
イメージセンサによって読み取ることができる。そこ
で、上記第1の形状読取工程で読み取った長尺材の平面
形状と、第2の形状読取工程で読み取った長尺材の平面
形状との差異を求めれば、長尺材の曲がり具合を検出す
ることができる。
【0008】上記第2の形状読取工程においては、長尺
材の両端部近傍を磁力によって上方へ付勢しておくのが
好ましく(請求項2)、この場合には、搬送装置の搬送
面と長尺材の両端部近傍との接触圧が減少するので、長
尺材をより自由な姿勢にした状態で、その曲がり具合を
検出することができる。
【0009】この発明の請求項3に係る長尺材の曲がり
検出方法方法は、搬送装置によって横送りされる長尺材
を、ストッパに突き当てて停止させた状態で、当該長尺
材の複数箇所の平面形状をイメージセンサによって読み
取る第1の形状読取工程と、上記長尺材の長手方向の複
数部位を、磁力によって上方へ付勢した状態で、当該長
尺材の上記複数箇所の平面形状をイメージセンサによっ
て読み取る第2の形状読取工程とを含み、上記第1の形
状読取工程で読み取った長尺材の平面形状と、第2の形
状読取工程で読み取った長尺材の平面形状との差異に基
づいて、長尺材の曲がり具合を検出することを特徴とす
る。
【0010】上記請求項3に係る長尺材の曲がり検出方
法によれば、長尺材の長手方向の複数部位を、磁力によ
って上方へ付勢することにより、長尺材と搬送装置の搬
送面との接触圧を減少させることができるので、本来的
に湾曲している長尺材については、その本来の湾曲姿勢
に復元させることができる。そこで、上記第1の形状読
取工程で読み取った長尺材の平面形状と、第2の形状読
取工程で読み取った長尺材の平面形状との差異を求めれ
ば、長尺材の曲がり具合を検出することができる。
【0011】上記請求項3に係る長尺材の曲がり検出方
法においては、長尺材の両端部近傍を磁力によって上方
へ付勢するのが好ましく(請求項4)、この場合には、
上記長尺材の両端部近傍と搬送装置の搬送面との接触圧
を減少させることができるので、長尺材をより自由な姿
勢にした状態で、その曲がり具合を検出することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら詳述する。図1は、この発
明の長尺材の曲がり検出方法の実施に使用する曲がり検
出装置の概略正面図であり、図2はその概略平面図であ
る。この曲がり検出装置は、搬送装置であるチェーンコ
ンベア1によって横送りされる山形鋼やH形鋼等の長尺
材Xを突き当てて停止させるストッパ2と、ストッパ2
によって停止させた長尺材Xの中央部を持ち上げる中央
持ち上げ手段3と、上記ストッパ2によって停止させた
長尺材Xの長手方向に沿った複数箇所の平面形状を読み
取るイメージセンサ4と、ストッパ2によって停止させ
た長尺材Xの両端部近傍を磁力によって上方へ付勢する
リフティングマグネット5と、上記イメージセンサ4に
よって読み取った長尺材Xの画像を処理する画像処理手
段6とによって主要部が構成されている。
【0013】上記ストッパ2は、チェーンコンベア1の
搬送方向と直交する仮想直線に沿って、所定間隔毎に複
数個設けられており、長尺材Xの長手方向の複数箇所を
突き当てて、当該長尺材Xをチェーンコンベア1の搬送
力に抗して、一時的に停止させることができる。上記ス
トッパ2は、図3に示すように、支軸21を中心に回動
可能に設けられた揺動アーム22の先端部に構成されて
おり、同図において時計回りに回動させた状態で、チェ
ーンコンベア1の搬送面11の上方に突出して、上記長
尺材Xを突き当てることができる。また、反時計回りに
回動させた状態で、チェーンコンベア1の搬送面11か
ら沈み込ませて、上記一時停止させた長尺材Xを、再び
チェーンコンベア1によって搬送することができる。な
お、上記揺動アーム22は、支軸21に対して一体回動
可能に取り付けられており、この支軸21を図示しない
流体圧シリンダによって回動させることにより、上記各
ストッパ2をチェーンコンベア1の上方に対して一斉に
進退させることができる。
【0014】中央持ち上げ手段3は、長尺材Xの下面を
突き上げる突き上げ部材31と、この突き上げ部材31
を昇降させる流体圧シリンダ32とを備えている。上記
突き上げ部材31は、円柱状のものであり、その軸線を
チェーンコンベア1の搬送方向に沿わせた状態で配置さ
れている。この突き上げ部材31は、上記流体圧シリン
ダ32によって、チェーンコンベア1の搬送面11の上
方に突出する位置と、上記搬送面11の下方に沈み込ん
で待機する位置とに進退駆動される。なお、上記突き上
げ部材31の搬送面11からの突出量は、自由状態にお
ける長尺材Xの自重による撓み量以下に設定されてお
り、長尺材Xの中央部を持ち上げた状態で、その両端部
が搬送面11から浮揚しないようになっている。このた
め、長尺材Xの中央部を持ち上げた際に、長尺材Xが揺
動するのを防止することができる。
【0015】イメージセンサ4は、上記ストッパ2によ
って搬送が一時的に停止された長尺材Xの直上に複数台
設けられている。このイメージセンサ4は、上記搬送が
一時的に停止された長尺材Xの所定範囲Hにおける平面
形状を読み取るものであり、読み取った画像信号は、上
記画像処理手段6に入力される。
【0016】リフティングマグネット5は、ストッパ2
によって搬送が一時的に停止された長尺材Xの両端部近
傍を、磁力によって吸引することにより、当該長尺材X
を上方へ付勢するものである。このリフティングマグネ
ット5の磁力は、長尺材Xの両端部近傍が、チェーンコ
ンベア1の搬送面11から浮揚しない程度に設定されて
いる。なお、上記リフティングマグネット5は、中央持
ち上げ手段3によって長尺材Xの中央部を持ち上げると
同時に、当該長尺材Xを上方へ付勢するようにその通電
が制御されている。
【0017】画像処理手段6は、イメージセンサ4によ
って読み取った長尺材Xの平面形状を表示する表示手段
としてのディスプレイ61を備えており、このディスプ
レイ61による画像表示は、マイクロコンピュータによ
る表示制御手段63によって制御されている。即ち、表
示制御手段63は、中央持ち上げ手段3によって持ち上
げる前における長尺材Xの画像(以下「第1の画像G
1」という)と、中央持ち上げ手段3によって持ち上げ
た状態での長尺材Xの画像(以下「第2の画像G2」と
いう)とを、ディスプレイ61上に、それぞれ重ね合わ
せた状態で、各イメージセンサ4毎に個別に表示できる
ように、ディスプレイ61に画像信号を送信する。上記
第1の画像G1の表示は、長尺材Xが各ストッパ2に突
き当たったことを、第1の検知スイッチ71が検知した
時点で行わせる。また、第2の画像G2の表示は、中央
持ち上げ手段3の突き上げ部材31が、上昇端に到達し
たことを,第2の検知スイッチ72が検知した時点で行
わせる。
【0018】上記画像処理手段6は、上記ディスプレイ
61に表示された第1の画像G1と第2の画像G2との
ずれ、つまり第1の画像G1に対する第2の画像G2の
変位ΔY(図4参照)を計数する計数手段63と、計数
手段63によって計数した変位ΔYがしきい値Y以下で
あるか否かを判別する判別手段64と、判別手段64の
判別結果に基づいて、長尺材Xの曲がり具合の良否を報
知する報知手段65とを備えている。
【0019】上記計数手段63は、上記第1の画像G1
に対する第2の画像G2の変位ΔYを、ディスプレイ6
1上の画素数に基づいて計数するものである。この計数
手段63は、長尺材の種類やサイズに応じたしきい値Y
を記憶しているとともに、長尺材の種類に応じてしきい
値Yを選択的に設定できるようになっている。このしき
い値Yとしては、各イメージセンサ4の設置間隔に応じ
て適宜設定され、例えば上記設置間隔が1mである場合
には、1〜2mmの範囲で設定される。
【0020】報知手段65は、上記判別手段64からの
信号に基づいて、色彩の異なる二つのランプ65a,6
5bを選択的に点灯させることにより、長尺材Xの曲が
り具合の良否を報知する。
【0021】以上の構成の曲がり検出装置を用いたこの
発明の曲がり検出方法は、以下の通りである。まず、チ
ェーンコンベア1によって横送りされてきた長尺材X
を、ストッパ2に突き当てて、その搬送を一時的に停止
させる。この際、チェーンコンベア1の搬送力によって
長尺材Xが各ストッパ2に押しつけられる。この結果、
平面視において本来的に湾曲している長尺材Xについて
は、上記チェーンコンベア1の搬送力を受けて、その本
来の湾曲姿勢が矯正される。そこで、この湾曲姿勢が矯
正された長尺材Xの複数箇所の平面形状を、各イメージ
センサ4によって読み取り(第1の形状読取工程)、こ
の読み取った複数の画像(第1の画像G1)を、画像処
理手段6の表示制御手段62を介して、ディスプレイ6
1に個別に表示する。
【0022】次に、上記長尺材Xの長手方向の中央部
を、中央持ち上げ手段3によって持ち上げて、チェーン
コンベア1の搬送面11から浮揚させる。これと同時
に、リフティングマグネット5に通電して、その磁力に
よって、長尺材Xの端部近傍を上方へ付勢する。する
と、当該長尺材Xが、ほぼ自由状態になるので、その本
来の湾曲姿勢に復元する。そこで、この長尺材Xの複数
箇所の平面形状を、イメージセンサ4によって読み取り
(第2の形状読取工程)、この読み取った複数の画像
(第2の画像G2)を、上記表示制御手段62を介して
ディスプレイ61に個別に表示する。
【0023】なお、上記第2の形状読取工程において
は、チェーンコンベア1を停止させるとともに、ストッ
パ2をチェーンコンベア1の搬送面11の下方に退避さ
せておおくのが好ましく、この場合には、長尺材Xをよ
り自由な姿勢にすることができるので、当該長尺材Xを
その本来の湾曲姿勢により効果的に復元させることがで
きる。
【0024】そして、上記画像処理手段6が、ディスプ
レイ61に表示された複数組の画像G1,G2に基づい
て、長尺材Xの曲がり具合の良否を検出する。図5は、
上記画像処理手段6の動作を示すフローチャートであ
り、ステップS1において、表示制御手段62が、各ス
トッパ2に長尺材Xが突き当たったか否か、つまり、上
記第1の検知スイッチ71がONしたか否かを判別し、
ONしていなければ待機し、ONしていれば、ステップ
S2において、各イメージセンサ4で読み取った第1の
画像G1を、ディスプレイ61上の複数箇所に個別に表
示する。
【0025】次いで、ステップS3において、上記表示
制御手段62が、長尺材Xの中央部の持ち上げが完了し
たか否か、つまり、第2の検知スイッチ72がONした
か否かを判別し、ONしていなければ待機し、ONして
いれば、ステップS4において、各イメージセンサ4に
よって読み取った第2の画像G2を、ディスプレイ61
上に個別に表示する。この際、第1の画像G1と第2の
画像G2とは、互いに重ね合わせた状態でディスプレイ
61に表示される(図4参照)。
【0026】さらにステップS5において、上記第1の
画像G1に対する第2の画像G2の変位ΔYを、計数手
段63が計数し、ステップS6において、判別手段64
が、計数手段63が計数した変位ΔYが、しきい値Y以
下であるか否かを判別する。この判別は、各イメージセ
ンサ4によって読み取った画像毎に行う。そして、各イ
メージセンサ4で読み取った何れの画像についても、変
位ΔYがしきい値Y以下であれば、ステップS7におい
て、報知手段65が、良品であることを示す例えば緑色
のランプ65aを点灯させる。また、ステップS6にお
いて、各イメージセンサ4で読み取った何れか一つの画
像について、変位ΔYがしきい値Yを超えている場合に
は、ステップS8において、報知手段65が、不良品で
あることを示す例えば赤色のランプ62bを点灯させ
る。
【0027】上記画像処理手段6による長尺材Xの曲が
り具合の良否の判定が完了すると、チェーンコンベア1
によって、当該長尺材Xを搬送方向下流側に搬送し、そ
の後続の長尺材Xについても同様な処理を行うことによ
り、当該長尺材Xの曲がり具合の良否を、順次判定する
ことができる。そして、不良品と判定された長尺材Xに
ついては、ランプ65a,65bの点灯の有無に基づい
て、その搬送方向下流側において人手によって拭き取ら
れるか、或いは報知手段65の出力信号に基づいて、自
動的に抜き取られる。
【0028】このように、上記曲がり検出方法によれ
ば、長尺材Xの曲がり具合を、人の感覚によらずに自動
的に検出することができるので、当該曲がり検出を正確
に行うことができる。また、長尺材Xの曲がり検出に熟
練が不要であるとともに、長尺材Xを回転させたり反転
させたりする労力が不要であるので、省力化を図ること
ができる。さらに上記曲がり検出を能率的に行うことも
できる。
【0029】また、上記曲がり検出方法においては、長
尺材Xの両端部近傍を、リフティングマグネット5によ
って上方へ付勢しているので、長尺材Xの両端部近傍と
チェーンコンベア1の搬送面11との接触圧を減少させ
ることが出来る。このため、長尺材Xをより自由な姿勢
にした状態で、その曲がり具合を検出することができる
結果、曲がり検出をより正確に行うことができる。
【0030】図6は、この発明の長尺材の曲がり検出方
法の他の実施の形態に使用される曲がり検出装置を示す
概略正面図である。この曲がり検出装置においては、上
記中央持ち上げ手段3を構成することなく、リフティン
グマグネット5の磁力によって、長尺材Xの両端部近傍
を上方へ付勢するように構成されている。この曲がり検
出装置を用いて曲がり検出を行うには、前記実施の形態
と同様、ストッパ2によって、長尺材Xの搬送を一時的
に停止した状態で、当該長尺材Xの複数箇所の平面形状
を、各イメージセンサ4によって読み取り、この読み取
った第1の画像G1を、ディスプレイ61に表示する。
【0031】次いで、上記リフティングマグネット5に
通電して、その磁力によって上記長尺材Xを上方へ付勢
する。これによって、上記長尺材Xの両端部近傍とチェ
ーンコンベア1の搬送面11との接触圧を減少させるこ
とができる。このため、当該長尺材Xをほぼ自由な姿勢
にして、その本来の湾曲姿勢に復元させることができ
る。そしてこの湾曲姿勢を復元させた状態で、長尺材X
の複数箇所の平面形状を、各イメージセンサ4に読み取
って、その読み取った第2の画像G2を、ディスプレイ
61に表示させる。以後、前記実施の形態と同様にし
て、画像処理手段6により、長尺材Xの曲がり具合の良
否を判定する。
【0032】上記実施の形態においては、リフティング
マグネット5をさらに増設して、曲がり具合を検出して
もよく、この場合には、長尺材Xをより自由な状態にす
ることができるので、さらに正確に曲がり具合を検出す
ることができる。なお、上記実施の形態についても、第
2の形状読取工程において、チェーンコンベア1を停止
させるとともに、ストッパ2をその搬送面11の下方に
退避させておくのが好ましい。
【0033】図7は、他の曲がり検出装置を示す概略正
面図である。この曲がり検出装置は、上記ストッパ2を
構成することなしに、或いは、ストッパ2をチェーンコ
ンベア1の搬送面11の下方に退避させた状態で、当該
チェーンコンベア1によって横送り中の長尺材Xの曲が
り具合を検出するものであり、図1に示す装置と同様、
長尺材Xの中央部を持ち上げる中央持ち上げ手段3、及
び長尺材Xの両端部近傍を上方へ付勢するリフティング
マグネット5を備えている。
【0034】この曲がり検出装置を用いた曲がり検出方
法は以下の通りである。即ち、上記チェーンコンベア1
によって横送り中の長尺材Xが、イメージセンサ4の撮
像領域Hに搬送されてきた時点で、当該長尺材Xの長手
方向の複数箇所の平面形状を、各イメージセンサ4を用
いて読み取り(第1の読取工程)、この読み取りが完了
した瞬間に、中央持ち上げ手段3によって長尺材Xの中
央部を持ち上げて、チェーンコンベア1の搬送面11か
ら浮揚させる。これと同時にリフティングマグネット5
に通電して、その磁力によって、上記長尺材Xの両端部
近傍を上方へ付勢し、当該長尺材Xをほぼ自由状態にす
る。この結果、長尺材Xをチェーンコンベア1に載置し
た際に、当該長尺材Xが湾曲した場合でも、これをその
本来の湾曲姿勢に復元させることができる。
【0035】そしてこの状態で、再び上記各イメージセ
ンサ4を用いて、長尺材Xの平面形状を読み取る(第2
の形状読取工程)。そして、上記各読取工程で読み取っ
た各画像G1,G2を、ディスプレイ61に表示させる
とともに、画像処理手段6により、第1の画像G1に対
する第2の画像G2の変位ΔYを検出して、長尺材Xの
曲がり具合を検出する。
【0036】なお、上記横送り搬送中に曲がり具合を検
出する場合においては、第1の形状読取工程を実行した
後、第2の形状読取工程を実行するまでの間に、長尺材
Xがチェーンコンベア1によって僅かに移動されるとに
なる。そこで、上記第1の形状読取工程で読み取った第
1の画像G1に対して、第2の形状読取工程で読み取っ
た第2の画像G2を、上記移動量に対応する量だけ補正
した状態で、ディスプレイ61に表示させる。また、上
記に代えて、第1の読取工程を行うためのイメージセン
サ4と、第2の読取工程を行うイメージセンサ4とを並
設し、両イメージセンサ4で読み取った画像G1,G2
を、ディスプレイ61に表示させるようにしてもよい。
上記の実施の形態によれば、長尺材Xの曲がり具合を、
その搬送を停止させることなく連続的に検出することが
できるので、当該曲がり具合の検出をさらに能率的に行
うことができる。
【0037】なお、上記図7に示す場合においては、中
央持ち上げ手段3を構成することなく、リフティングマ
グネット5の付勢力によって、チェーンコンベア1の搬
送面11と長尺材Xとの接触圧を減少させて、当該長尺
材Xを自由な状態に維持するようにしてもよい。
【0038】上記何れの実施の形態においても、長尺材
Xの曲がり具合の検出は、ディスプレイ61に表示され
た第1の画像G1及び第2の画像G2を目視することに
よって行ってもよい。この場合には、上記ディスプレイ
61に、しきい値Yに対応する線分等の目印を表示する
ようにしておけば、第1の画像G1に対する第2の画像
G2の変位ΔYを、目視によって容易に判断することが
できる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、この発明の長尺材の曲が
り検出方法によれば、搬送装置によって横送りされる長
尺材の中央部を持ち上げたり、或いは、リフティングマ
グネットによって上方へ付勢したり、或いは、その双方
を行わせたりすることにより、当該長尺材を自由な状態
にし、この自由な状態と、搬送装置の搬送面に載置した
状態の、二つの状態における長尺材の変位を、イメージ
センサによって検出するものであるので、従来の人の感
覚による場合よりも、曲がり具合の検出を正確に行うこ
とができるとともに、その検出に熟練が不要となる。
【0040】また、長尺材を回転させたり反転させたり
する労力が不要であるので、曲がり検出作業の省力化を
図ることができるとともに、曲がり検出を能率的に行う
ことができるという特有の効果を奏する。
【0041】特に、長尺材の両端部近傍を磁力によって
上方へ付勢する場合には、上記長尺材の両端部近傍と搬
送装置の搬送面との接触圧を減少させることができるの
で、長尺材をより自由な姿勢にした状態で、その曲がり
具合を検出することができる。このため、長尺材の曲が
り具合を、より正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の曲がり検出方法の実施に使用する装
置の概略正面図である。
【図2】同じく概略平面図である。
【図3】同じく概略側面図である。
【図4】第1の形状読取工程と第2の形状読取工程で読
み取った長尺材の平面形状を、ディスプレイに表示した
状態を示す概略図である。
【図5】フローチャートである。
【図6】他の実施の形態を示す概略正面図である。
【図7】さらに他の実施の形態を示す概略平面図であ
る。
【符号の説明】
1 チェーンコンベア 2 ストッパ 3 中央持ち上げ手段 4 イメージセンサ 5 リフティングマグネット 6 画像処理手段 61 ディスプレイ(表示手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送装置によって横送りされる長尺材を、
    ストッパに突き当てて停止させた状態で、当該長尺材の
    複数箇所の平面形状をイメージセンサによって読み取る
    第1の形状読取工程と、 上記長尺材の長手方向の中央部を持ち上げて、搬送装置
    の搬送面から浮揚させた状態で、当該長尺材の上記複数
    箇所の平面形状をイメージセンサによって読み取る第2
    の形状読取工程とを含み、 上記第1の形状読取工程で読み取った長尺材の平面形状
    と、第2の形状読取工程で読み取った長尺材の平面形状
    との差異に基づいて、長尺材の曲がり具合を検出するこ
    とを特徴とする長尺材の曲がり検出方法。
  2. 【請求項2】上記第2の形状読取工程において、長尺材
    の両端部近傍を、磁力によって上方へ付勢しておく請求
    項1記載の曲がり検出方法。
  3. 【請求項3】搬送装置によって横送りされる長尺材を、
    ストッパに突き当てて停止させた状態で、当該長尺材の
    複数箇所の平面形状をイメージセンサによって読み取る
    第1の形状読取工程と、 上記長尺材の長手方向の複数部位を、磁力によって上方
    へ付勢した状態で、当該長尺材の上記複数箇所の平面形
    状をイメージセンサによって読み取る第2の形状読取工
    程とを含み、 上記第1の形状読取工程で読み取った長尺材の平面形状
    と、第2の形状読取工程で読み取った長尺材の平面形状
    との差異に基づいて、長尺材の曲がり具合を検出するこ
    とを特徴とする長尺材の曲がり検出方法。
  4. 【請求項4】上記第2の形状読取工程において、磁力に
    よって上方へ付勢する複数部位が、長尺材の両端部近傍
    である請求項3記載の曲がり検出方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000131038A (ja) * 1998-10-27 2000-05-12 Kawasaki Steel Corp 長尺材の曲がり測定装置
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CZ309807B6 (cs) * 2016-10-03 2023-11-01 Helarent s.r.o Třídicí zařízení na tyčovou kulatinu

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