JPH09112316A - 内燃機関の吸気圧力異常検出装置 - Google Patents

内燃機関の吸気圧力異常検出装置

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JPH09112316A
JPH09112316A JP27285295A JP27285295A JPH09112316A JP H09112316 A JPH09112316 A JP H09112316A JP 27285295 A JP27285295 A JP 27285295A JP 27285295 A JP27285295 A JP 27285295A JP H09112316 A JPH09112316 A JP H09112316A
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intake
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    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】大気圧力センサを用いることなく吸気圧センサ
やそれに係る配管、吸気機器の故障を含む異常を適正に
検出すること。 【解決手段】エンジン1の吸気通路4に設けられた吸気
圧センサ43は吸気圧力を検出する。電子制御装置(E
CU)60はセンサ43の検出値を所定の基準値と比較
することにより、吸気圧センサ43の異常を含む吸気圧
力に係る異常を検出する。ECU60はエンジン1が安
定アイドル運転状態にあるか否かを各種センサ42,4
6の検出値に基づき判断する。ECU60はエンジン1
が安定アイドル運転状態にあることを判断したとき、吸
気圧センサ43の検出値を学習してその学習値を記憶す
る。ECU60はその学習値と吸気圧センサ43の検出
値とを比較し、両値の間に所定値以上の差があるとき
に、吸気圧センサ43の異常を含む吸気圧力に係る異常
が発生したと判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内燃機関の吸気通
路における吸気圧力を検出するための圧力検出手段を備
え、同検出手段の検出値に基づいて同検出手段の異常を
含む吸気圧力に係る異常を検出するようにした異常検出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関(エンジン)の吸気
圧力はエンジンの運転状態を反映し、或いはその運転状
態を左右する重要なパラメータとして知られる。ある種
のエンジンの制御装置は吸気通路に設けられた圧力セン
サにより検出される吸気圧力の値に基づき、エンジンの
運転に係る各種制御パラメータを調整する。ここで、各
種制御パラメータとして、例えば、エンジンに供給され
るべき燃料量やその混合気の点火時期が挙げられる。吸
気通路に過給機等の吸気機器が設けられたエンジンで
は、その機器の作動量等が挙げられる。この制御装置
は、圧力センサの検出値が正常であること、或いは吸気
機器が正常であることを前提に制御を実行することにな
る。
【0003】しかし、圧力センサやそれに係る配管、或
いは吸気機器それ自体に故障が発生している場合には、
圧力センサにより所期の正常値が検出されなくなる。こ
のため、エンジンの各種制御パラメータが適正に調整さ
れなくなるおそれがある。
【0004】ここで、特開昭57−52643号公報は
上記不具合の解決を狙ったエンジンの燃料噴射制御装置
を開示する。この制御装置は、エンジンの吸気通路にお
いて、過給機により過給された圧力を検出するための圧
力センサを備える。この制御装置は、エンジンが所定の
アイドル運転状態にあって、圧力センサの検出値が所定
の負圧値を示すべきときに、その検出値を大気圧力に近
い値(大気圧力相当値:760±20mmHg)と比較
する。そして、その検出値が大気圧力相当値を示す場合
に、圧力センサの異常、即ち圧力センサと吸気通路をつ
なぐ配管が外れているものと判定し、警告ランプを点灯
させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記公報の
制御装置では、圧力センサの異常を判定するための基準
値である大気圧力相当値が、多少の誤差は考慮されてい
るものの、限定的な値となっている。このため、エンジ
ンの置かれた場所が高地と低地の間で変わったり、過給
機を含む吸気通路の条件に公差や経時変化があったりす
ることにより、基準値となるべき大気圧力相当値も変化
してしまう。特に、高地では、大気圧力が「500〜6
00mmHg」になることも考えられ、「760mmH
g」を中心とする上記の基準値から大幅に外れることに
なる。或いは、過給機の故障に起因して吸気通路の圧力
が正常値を逸脱した場合には、圧力センサの検出値が基
準値から外れることになる。このような場合に、制御装
置は圧力センサに係る異常を誤判定するおそれがある。
【0006】ここで、大気圧力相当値として常に適正な
基準値を得るために、常に大気圧力を検出することので
きる大気圧力センサを設けることが考えられる。しか
し、このセンサを設けた場合には、その分だけ制御装置
の構成が複雑となり、構成の簡略化の観点から好ましく
ない。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、吸気通路に設けられた圧力
検出手段により吸気圧力に係る異常を検出するようにし
た装置において、大気圧力センサを用いることなく、圧
力検出手段やそれに係る配管、吸気機器の故障を含む異
常を適正に検出することを可能にした内燃機関の吸気圧
力異常検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の第1の発明では、図1に示すよ
うに、内燃機関M1の吸気通路M2に吸気圧力を検出す
るための圧力検出手段M3を設け、その圧力検出手段M
3の検出値を基準値と比較することにより同圧力検出手
段M3の異常を含む吸気圧力に係る異常を検出するよう
にした内燃機関の吸気圧力異常検出装置において、内燃
機関M1の運転状態を検出するための運転状態検出手段
M4と、内燃機関M1が所定の定常運転状態にあるか否
かを運転状態検出手段M4の検出値に基づいて判断する
ための定常判断手段M5と、定常運転状態にあると定常
判断手段M5が判断したとき、圧力検出手段M3の検出
値を学習してその学習値を記憶するための学習手段M6
と、その学習手段M6による学習値と圧力検出手段M3
の検出値とを比較し、両値の間に所定値以上の差がある
ときに、吸気圧力に係る異常が発生したと判断するため
の異常判断手段M7とを備えたことを趣旨とする。
【0009】上記の構成によれば、内燃機関M1が所定
の定常運転状態にあるときには、吸気通路M2における
吸気圧力の状態が安定し、ほぼ一定の値を示すことにな
る。このため、内燃機関M1が定常運転状態であると定
常判断手段M5が判断したとき、圧力検出手段M3が検
出する吸気圧力は、そのときどきで一定の値を示すこと
になる。このとき、学習手段M6による学習値は、その
ときどきの大気圧力や吸気通路M2の状態を反映した値
となり、その値は吸気圧力の状態が正常であるときの基
準値となる。ここで、吸気圧力に係る異常の有無を判断
するために、異常判断手段M7は圧力検出手段M3の検
出値と上記の学習値とを比較する。
【0010】従って、圧力検出手段M3や吸気通路M2
に異常が発生して圧力検出手段M3の検出値が正常な値
から大きく逸脱した場合には、その検出値と上記学習値
との間に大きな差が生じる。このため、異常判断手段M
7は吸気圧力に係る異常が発生したことを判断する。こ
こでは、学習手段M6が圧力検出手段M3の検出値と比
較されるべき基準値としての学習値を学習することか
ら、その基準値を大気圧力センサを設けて検出する必要
がない。
【0011】上記の目的を達成するために、請求項2に
記載の第2の発明では、図2に示す第1の発明の構成に
おいて、異常判断手段M7により比較される圧力検出手
段M3の検出値を運転状態検出手段M4の検出値に基づ
いて補正するための補正手段M8を設けたことを趣旨と
する。
【0012】上記の構成によれば、異常判断手段M7に
より比較されるべき圧力検出手段M3の検出値が内燃機
関M1の運転状態に応じて補正されることから、異常判
断手段M7における判断がより正確となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕以下、この発明における「内燃機関
の吸気圧力異常検出装置」を自動車のガソリンエンジン
システムに具体化した第1の実施形態を図面を参照して
詳細に説明する。
【0014】図3は自動車に搭載される過給機付きのガ
ソリンエンジンシステムを示す。内燃機関としてのエン
ジン1は燃焼室1aを含む複数の気筒を有する。各気筒
毎に設けられた吸気ポート2には、エアクリーナ3から
吸気通路4に吸入された外気が流れる。各気筒毎に設け
られたインジェクタ5は、各吸気ポート2へ燃料を噴射
する。各インジェクタ5は通電により開かれる電磁弁で
あり、各インジェクタ5には、燃料タンク(図示しな
い)からポンプ(図示しない)により燃料が圧送され
る。外気と燃料との混合気は、各気筒毎に設けられた吸
気バルブ6により吸気ポート2が開かれることにより、
燃焼室1aに導入される。各気筒毎に設けられた点火プ
ラグ7が作動することにより、燃焼室1aに導入された
混合気が燃焼する。この燃焼により、ピストン8が作動
してクランクシャフト1bが回転し、エンジン1に駆動
力が得られる。その後、各気筒毎に設けられた排気バル
ブ9により排気ポート10が開かれることにより、既燃
焼ガスが排気ガスとして燃焼室1aから排気通路11に
導出される。導出された排気ガスは更に触媒コンバータ
12により浄化されて外部へ排出される。
【0015】吸気通路4に設けられたスロットルバルブ
13は、アクセルペダル(図示しない)の操作に連動し
て作動することにより、吸気通路4を選択的に開閉す
る。このバルブ13の作動により、吸気通路4における
吸気量Qが調節される。スロットルバルブ13より下流
の吸気通路4に設けられたサージタンク14は、吸気の
脈動を平滑化させる。
【0016】吸気通路4と排気通路11との間に設けら
れたターボチャージャ21は、各燃焼室1aに流れる吸
気を過給する。ターボチャージャ21はコンプレッサ2
2及びタービン23と、それら両者22,23を連結す
るシャフト21aとを備える。コンプレッサ22はエア
クリーナ3とスロットルバルブ13との間の吸気通路4
に位置する。タービン23は触媒コンバータ12より上
流の排気通路11に位置する。ターボチャージャ21は
排気通路11を流れる排気ガスのエネルギーを利用して
タービン23を回転させる。この回転力によりコンプレ
ッサ22がタージン23と一体に回転し、吸気通路4を
流れる吸気が過給される。この過給により、各燃焼室1
aに導かれる空気が高密度化され、もってエンジン1の
出力の増大が図られる。
【0017】排気通路11に設けられたバイパス通路2
4は、タービン23の上流側と下流側とを連通する。こ
の通路24に設けられたウェイストゲートバルブ25
は、ターボチャージャ21による過給の程度を制御する
ために作動する。ダイヤフラム式のアクチュエータ26
はウェイストゲートバルブ25を作動させる。アクチュ
エータ26に設けられた圧力室26aは、第1の圧力通
路17により、吸気通路4に接続される。この圧力通路
27には、コンプレッサ22による過給圧力が作用す
る。この圧力通路27を通じて圧力室26aに導かれる
過給圧力が所定値を越えることにより、アクチュエータ
26が作動し、ウェイストゲートバルブ25がバイパス
通路24を開く。これにより、タービン23に流れるべ
き排気ガスの一部がタービン23を迂回してバイパス通
路24を流れ、タービン23の回転が抑えられ、コンプ
レッサ22による過給のレベルが抑えられる。従って、
ウェイストゲードバルブ25の開度を調節することによ
り、ターボチャージャ21による過給圧力が調節され
る。
【0018】更に、圧力室26aと吸気通路4との間は
第2の圧力通路28が接続される。この圧力通路28に
は、コンプレッサ22により過給される前の空気圧力が
作用する。この圧力通路28に設けられたバキューム・
スイッチング・バルブ(VSV)29は同通路28を開
閉する。このVSV29の開度は電気的にデューティ制
御される。このVSV29が適宜に開かれることによ
り、過給圧力より低い空気圧力が圧力通路28を通じて
圧力室26aに導入される。これによって圧力室26a
の圧力が下がり、アクチュエータ26はウェイストゲー
トバルブ25の開度を小さくするように作動する。
【0019】吸気通路4に設けられたインタークーラ3
0は、コンプレッサ22により過給された空気を冷却す
る。コンプレッサ22により過給された空気は断熱圧縮
により温度を上昇させ、その実質的な量を減少させる。
このインタークーラ30は過給された空気を冷やすこと
により、その実質的な量の減少を抑える。
【0020】コンプレッサ22より下流の吸気通路4に
は、エアクリーナ3から延びるバイパス通路31が接続
される。この通路31に設けられた電磁式のエア・バイ
パス・バルブ(ABV)32は普段は閉じられており、
過給圧力が過剰になったときだけ通電により開かれる。
即ち、ターボチャージャ21により得られた過給圧力が
所定の上限値を超えたとき、ABV32が開かれる。こ
れにより、エアクリーナ3からコンプレッサ22へ流れ
るべき空気の一部がコンプレッサ22を迂回してバイパ
ス通路31を流れ、コンプレッサ22により過給される
べき吸気量Qが低減され、過給圧力の上昇が抑えられ
る。
【0021】エアクリーナ3の近傍に設けられた吸気温
センサ41は、吸気通路4に吸入される空気の温度(吸
気温度)THAを検出し、その温度に応じた信号を出力
する。スロットルバルブ13の近傍に設けられたスロッ
トルセンサ42は、同バルブ13の開度(スロットル開
度)TAを検出し、その開度に応じた信号を出力する。
このセンサ42は周知のアイドルスイッチ(図示しな
い)を内蔵する。このスイッチはスロットルバルブ13
が全閉となったときに「オン」となり、全閉状態である
ことを示すアイドル信号IDLを出力する。
【0022】サージタンク14に対し配管33を通じて
接続された吸気圧センサ43は、サージタンク14にお
ける過給圧力を含む吸気圧力(絶対値)PMを検出し、
その圧力に応じた信号を出力する。この実施形態におい
て、吸気圧センサ43は結晶(シリコン)に圧力を加え
るとその電気抵抗が変化する性質を利用した半導体式圧
力センサよりなる。このセンサ43は吸気圧力PMを電
気信号に変換及び増幅して出力する。このセンサ43は
吸気圧力PMの所定範囲に対し、それに比例した電圧を
出力する。この吸気圧センサ43は本発明における圧力
検出手段を構成する。
【0023】一方、排気通路11に設けられた酸素セン
サ44は排気ガス中に残存する酸素濃度Oxを検出し、
その濃度に応じた信号を出力する。エンジン1に設けら
れた水温センサ45は、エンジン1の内部を流れる冷却
水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その温度に応
じた信号を出力する。
【0024】ディストリビュータ15は各点火プラグ7
に印加されるべき点火信号を分配する。イグナイタ16
はクランクシャフト1bの回転角度(クランク角度)の
変化に同期してディストリビュータ15へ高電圧を出力
する。各点火プラグ7の点火タイミングはイグナイタ1
6からの高電圧出力タイミングにより決定される。
【0025】クランクシャフト1bに取り付けられたデ
ィスク状のロータ46aは、その外周に「30°」の角
度間隔をもって形成された12個の外歯を有する。この
ロータ46aの外局面に対向配置されたクランク角セン
サ46は電磁ピックアップを備える。このピックアップ
はロータ46aの各外歯に対面したときにパルスを発生
する。従って、クランクシャフト1bの回転に伴いロー
タ46aが回転することにより、センサ46はシャフト
1bが「30°」だけ回転する毎にパルスを出力する。
この実施形態では、エンジン1の一連の4行程において
クランクシャフト1bが2回転するものとし、センサ4
6は1パルス当たり「30°」の割合でクランク角度を
検出し、シャフト1bの回転速度、即ちエンジン回転速
度NEを示す信号を出力する。
【0026】ディストリビュータ15はディスク状のロ
ータ(図示しない)を内蔵する。このロータは外周に一
つの突起を備え、クランクシャフト1bの回転に同期し
て回転する。ディストリビュータ15に取り付けられた
上死点センサ47は電磁ピックアップを備える。このピ
ックアップはロータの突起に対面したときにパルスを発
生する。この実施形態では、クランクシャフト1bが2
回転する間にロータが1回転する。従って、上死点セン
サ47はクランクシャフト1bが「720°」回転する
毎に一つのパルスを出力する。上記ロータの突起は、特
定の一つの気筒につき、そのピストン8が爆発行程にお
ける上死点(爆発上死点)に達したときに、ピックアッ
プに対面する。このため、この特定気筒が爆発上死点に
達したときに、上死点センサ47は一つのパルス(以下
「上死点パルス」という。)を出力する。
【0027】自動車の運転席に設けられたシフトレバー
34は、クランクシャフト1bに接続されたトランスミ
ッション(図示しない)の変速操作を行うために操作さ
れる。このレバー34に設けられたシフトセンサ48
は、レバー34の変速位置(ニュートラル位置,ドライ
ブ位置,リバース位置等)を検出し、その位置に応じた
信号を出力する。ニュートラル位置とは、トランスミッ
ションとクランクシャフト1bとの連結を遮断するため
に選択される位置である。ドライブ位置及びリバース位
置とは、自動車を前進及び後退させるために選択される
位置である。シフトセンサ48はレバー34がニュート
ラル位置に操作されたときに、そのことを示すニュート
ラル信号NSWを出力する。
【0028】運転席に設けられたエアコンスイッチ49
は、エアコン装置(図示しない)を起動させるために操
作される。エアコン装置はクランクシャフト1bの出力
を動力源として駆動される。エアコン装置を起動させる
ためにこのスイッチ49が「オン」されることにより、
同スイッチ49はそのことを示すための信号を出力す
る。
【0029】トランスミッションに設けられた車速セン
サ50は、車速SPDを検出してその大きさに応じた信
号を出力する。この実施形態において、上記の各種セン
サ等41〜50は、本発明における運転状態検出手段を
構成する。
【0030】運転席に設けられた警告ランプ17は、吸
気圧センサ43の異常を含む吸気圧力に係る異常が発生
したとき、そのことを報知するために駆動される。ここ
で、電子制御装置(ECU)60は前述した各種センサ
等41〜50から出力される信号を入力する。ECU6
0はこれらの入力信号に基づき、各インジェクタ5、イ
グナイタ16、警告ランプ17、VSV29及びABV
32を制御する。この実施形態で、ECU60は本発明
における定常判断手段、学習手段、異常判断手段及び補
正手段を構成する。
【0031】図4にブロック図に示すように、ECU6
0は中央処理装置(CPU)61、読み出し専用メモリ
(ROM)62、ランダムアクセスメモリ(RAM)6
3、バックアップRAM64及びタイマ65等を備え
る。ECU60はこれら各部61〜65と、外部入力回
路66と、外部出力回路67等とをバス68により接続
してなる論理演算回路を構成する。ここで、ROM62
は所定の制御プログラム等を予め記憶する。RAM63
はCPU61の演算結果等を一時記憶する。バックアッ
プRAM64は予め記憶したデータを保存する。タイマ
65は、同時に複数のカウント動作を行うことができ
る。外部入力回路66はバッファ、波形整形回路及びA
/D変換器等を含む。外部出力回路67は駆動回路等を
含む。各種センサ41〜50は外部入力回路66に接続
される。各部材5,16,17,29,32は外部出力
回路67に接続される。
【0032】CPU61は外部入力回路66を介して入
力される各種センサ41〜50からの信号を入力値とし
て読み込む。CPU61はそれら入力値に基づき、空燃
比制御を含む燃料噴射量制御、点火時期制御、過給圧力
制御及び吸気圧力に係る異常検出等を実行するために、
各部材5,16,17,29,32等を制御する。EC
U60には車両に搭載されたバッテリ(図示しない)が
接続される。CPU61はこのバッテリから各部材5,
16,17,29,32等に対する通電を制御する。
【0033】ここで、燃料噴射量制御とは、エンジン1
の運転状態に応じて各インジェクタ5から噴射される燃
料量を制御することである。空燃比制御とは、少なくと
も酸素センサ44の検出値に基づき、エンジン1におけ
る空燃比を制御することである。点火時期制御とは、エ
ンジン1の運転状態に応じてイグナイタ16を制御する
ことにより、各点火プラグ7を作動させて各燃焼室1a
における混合気の点火時期を制御することである。過給
圧力制御とは、吸気圧力(過給圧力)PMの状態を含む
エンジン1の運転状態に基づいてVSV29の開度をデ
ューティ制御することにより、アクチュエータ26を介
してウェイストゲートバルブ25の開度を制御すること
である。この過給圧力制御には、吸気圧力(過給圧力)
PMの大きさに基づいてABV32を制御することが含
まれる。吸気圧力の異常検出とは、吸気圧センサ43の
検出値を基準値と比較することにより同センサ43の異
常を含む吸気圧力に係る異常を検出することをいう。
【0034】次に、上記各種制御のうち、吸気圧力の異
常検出に関する処理内容につて説明する。図5はエンジ
ン1のアイドル運転時に吸気圧力PMを学習するために
設けられた「吸気圧力学習ルーチン」を示すフローチャ
ートである。ECU60はこのルーチンを所定期間毎に
実行する。
【0035】ステップ100において、ECU60は各
種センサ等42,45,46,48〜50から出力され
る信号を入力値として読み込む。ステップ110におい
て、ECU60はエンジン回転速度NEの値が所定の基
準値KNE1以下であるか否かを判断する。この実施形
態において、基準値KNE1は、エンジン1がほぼアイ
ドル運転状態にあることを示す上限値に相当する。ここ
で、エンジン回転速度NEの値が基準値KNE1より大
きい場合、ECU60はエンジン1がアイドル運転状態
にないものとして、その後の処理を一旦終了する。エン
ジン回転速度NEの値が基準値KNE1以下である場
合、ECU60はエンジン1がほぼアイドル運転状態に
あるものとして、処理をステップ120へ移行する。
【0036】ステップ120において、ECU60はス
ロットル開度TAの値が所定の基準値KTA1以下であ
るか否かを判断する。この実施形態において、基準値K
TA1は、エンジン1がアイドル運転状態にあることを
示す上限値に相当する。ここで、スロットル開度TAの
値が基準値KTA1より大きい場合、ECU60はエン
ジン1がアイドル運転状態にないものとして、その後の
処理を一旦終了する。エンジン回転速度NEの値が基準
値KNE1以下である場合、ECU60はエンジン1が
ほぼアイドル運転状態にあるものとして、処理をステッ
プ130へ移行する。
【0037】ステップ130において、ECU60は車
速SPDの値が「0」であるか否かを判断する。この実
施形態では、停車中であるか否かにより、ECU60が
アイドル運転時のエンジン回転速度NEの制御を異にす
ることから、この判断が行われる。ここで、車速SPD
の値が「0」でない場合、ECU60は停車中ではない
ものとして、その後の処理を一旦終了する。車速SPD
の値が「0」である場合、ECU60は停車中、且つア
イドル運転状態であるものとして、処理をステップ14
0へ移行する。
【0038】ステップ140において、ECU60冷却
水温度THWの値が所定の基準値KTHW以上であるか
否かを判断する。この実施形態では、冷却水温度THW
の値の違いにより、ECU60がアイドル運転時のエン
ジン回転速度NEの値を変えることから、この判断が行
われる。ここで、冷却水温度THWの値が基準値KTH
W未満である場合、ECU60はエンジン1の暖機が不
充分であるものとして、その後の処理を一旦終了する。
冷却水温度THWの値が基準値KTHW以上である場
合、ECU60はエンジン1が充分な暖機状態にあるも
のとして、処理をステップ150へ移行する。
【0039】ステップ150において、ECU60はニ
ュートラル信号NSWが「オン」であるか否かを判断す
る。この実施形態では、シフトレバー34の操作位置に
よっては、トランスミッションがクランクシャフト1b
に接続されることになり、エンジン1の負荷が変わるこ
とから、この判断が行われる。ここで、ニュートラル信
号NSWが「オフ」である場合、シフトレバー34がド
ライブ位置又はリバース位置に操作されてトランスミッ
ションがクランクシャフト1bに接続されていることか
ら、ECU60はその後の処理を一旦終了する。ニュー
トラル信号NSWが「オン」である場合、シフトレバー
34がニュートラル位置に操作されてトランスミッショ
ンがクランクシャフト1bに接続されていないことか
ら、ECU60は処理をステップ160へ移行する。
【0040】ステップ160において、ECU60はエ
アコンスイッチ49が「オフ」であるか否かを判断す
る。この実施形態では、エアコンスイッチ49の操作に
よっては、エアコン装置がクランクシャフト1bに接続
されることになり、エンジン1の負荷が変わることか
ら、この判断が行われる。ここで、エアコンスイッチ4
9が「オン」である場合、エアコン装置がクランクシャ
フト1bに接続されていることから、ECU60はその
後の処理を一旦終了する。エアコンスイッチ49が「オ
フ」である場合、エアコン装置がクランクシャフト1b
に接続されていないことから、ECU60は処理をステ
ップ170へ移行する。ECU60が処理をステップ1
00〜160を経てステップ170に移行した場合、エ
ンジン1が無負荷で安定したアイドル運転状態にあるこ
とを意味する。ECU60が処理をステップ100〜1
60を経てステップ170に移行しない場合、エンジン
1が無負荷で安定したアイドル運転状態にないことを意
味する。この実施形態において、ステップ100〜16
0の処理を実行するECU60は、エンジン1が所定の
定常運転状態(ここでは、無負荷で安定したアイドル運
転状態)にあるか否かを判断するための本発明の定常判
断手段に相当する。
【0041】そこで、ステップ170において、ECU
60は吸気圧センサ43からの信号に基づきそのときの
吸気圧力PMの値を読み込む。このときの吸気圧力PM
は安定した一定値を示すことになる。
【0042】そして、ステップ180において、ECU
60はこの吸気圧力PMの値を学習し、その学習値PM
idをバックアップRAM64に記憶する。ここでの学
習とは、検出される吸気圧力PMの値の比較評価と、必
要に応じての更新と、更新された値の記憶とを含む処理
である。ECU60は今回検出された吸気圧力PMの値
を今回までに記憶された値と比較評価し、変化がある場
合には、その記憶された値を新たな値に更新する。従っ
て、エンジン1が無負荷で安定したアイドル運転状態に
あるときだけ、バックアップRAM64に更新された学
習値PMidが記憶される。エンジン1が無負荷で安定
したアイドル運転状態にないとき、バックアップRAM
64に記憶されるべき学習値PMidが更新されること
はない。ここで、自動車が平地又は高地を移動している
ときには、そのときどきの大気圧力の違いに応じた学習
値PMidが得られることになる。この実施形態では、
ステップ170,180の処理を実行するECU60
は、エンジン1が所定の定常運転状態にあると判断され
たときに、吸気圧センサ43の検出値を学習してその学
習値を記憶するための学習手段に相当する。
【0043】図6は吸気圧センサ43に係る異常を判定
するために設けられた「吸気圧センサ異常判定ルーチ
ン」を示すフローチャートである。ECU60はこのル
ーチンを所定期間毎に実行する。
【0044】ステップ200において、ECU60は各
種センサ等42,43,46から出力されるスロットル
開度TA、吸気圧力PM及びエンジン回転速度NE等係
る信号を入力値として読み込む。加えて、ECU60は
バックアップRAM64に記憶されている学習値PMi
dを読み込む。
【0045】ステップ210において、ECU60はエ
ンジン回転速度NEの値が所定の基準値KNE2以上で
あるか否かを判断する。この実施形態で、基準値KNE
2は自動車を動かすことのできるエンジン回転速度NE
の値を意味し、アイドル運転時の値よりも若干大きい値
に相当する。ここで、エンジン回転速度NEの値が基準
値KNE2未満である場合、異常判定を実行するのには
エンジン回転速度NEの値が充分に高くないことから、
ECU60はその後の処理を一旦終了する。エンジン回
転速度NEの値が基準値KNE2以上である場合、異常
判定を実行するためにエンジン回転速度NEの値が充分
に高いことから、ECU60は処理をステップ220へ
移行する。
【0046】ステップ220において、ECU60はス
ロットル開度TAの値が所定の基準値KTA2以上であ
るか否かを判断する。この実施形態で、基準値KTA2
はスロットルバルブ13がある程度開いていることを示
す下限値に相当する。ここで、スロットル開度TAの値
が基準値KTA2未満である場合、異常判定を実行する
のにはスロットル開度TAの値が適当でないことから、
ECU60はその後の処理を一旦終了する。スロットル
開度TAの値が基準値KTA2以上である場合、異常判
定を実行するためにスロットル開度TAの値が充分に大
きいことから、ECU60は処理をステップ230へ移
行する。
【0047】ステップ230において、ECU60は両
パラメータNE,TAの値に基づき、そのときのエンジ
ン1の運転状態に応じて吸気圧PMに係る補正値KPM
を算出する。ECU60はこの補正値KPMを、両パラ
メータNE,TAに対して予め設定された関数データ
(マップデータ)に基づいて算出する。
【0048】ステップ240において、ECU60は今
回読み込まれた吸気圧力PMの値が今回までに学習され
た学習値PMidと今回算出された補正値KPMとの加
算値以上であるか否かを判断する。ここで、スロットル
バルブ13が開かれてエンジン1が加速されたとき、サ
ージタンク14に作用する吸気圧力PMは大気圧力より
大きくなり、更にターボチャージャ21が作動したとき
には、その吸気圧力PMの値は大気圧力より確実に大き
くなる。吸気圧センサ43が正常に機能していることを
前提とした場合、上記のような吸気圧力PMの値は同セ
ンサ43により正常に検出されることになる。従って、
吸気圧力PMの値が学習値PMidと補正値KPMとの
加算値以上である場合、ECU60は吸気圧センサ43
が正常であるものとして処理をステップ250へ移行す
る。
【0049】ステップ250において、ECU60は吸
気圧センサ43が正常であることを記録するためにセン
サフラグXFPSを「1」に設定し、同フラグXFPS
をRAM63に一旦記憶する。
【0050】ステップ251において、ECU60は警
告ランプ17を消灯する。更に、ステップ252におい
て、ECU60は吸気圧センサ43が正常であることを
示す正常コードをバックアップRAM64に記憶し、そ
の後処理を一旦終了する。
【0051】一方、ステップ240において、吸気圧力
PMの値が学習値PMidと補正値KPMとの加算値未
満である場合、ECU60は吸気圧センサ43が何らか
の原因で異常であるものとして処理をステップ260へ
移行する。ここで、吸気圧センサ43の異常として、同
センサ43から何らかの原因で配管33が外れることを
挙げることができる。
【0052】ステップ260において、ECU60は吸
気圧センサ43が異常であることを記録するためにセン
サフラグXFPSを「1」に設定し、同フラグXFPS
をRAM63に一旦記憶する。
【0053】ステップ261において、ECU60は吸
気圧センサ43が異常であることを自動車の運転者に報
知するために警告ランプ17を点灯する。更に、ステッ
プ262において、ECU60は吸気圧センサ43が異
常であることを示す異常コードをバックアップRAM6
4に記憶し、その後処理を一旦終了する。ここで、バッ
クアップRAM64に記憶された正常コード又は異常コ
ードは、必要な時にバックアップRAM64から読み出
すことができる。
【0054】このルーチンにおいて、ステップ240の
処理を実行するECU60は、学習値PMidと吸気圧
センサ43の検出値、即ち吸気圧力PMの値とを比較
し、両値PMid,PMの間に所定値、即ち補正値KP
M以上の差があるときに、吸気圧力に係る、即ち吸気圧
センサ43に係る異常が発生したと判断するための本発
明の異常判断手段に相当する。
【0055】図7は吸気圧センサ43を除く吸気圧力P
Mに係る異常を判定するために設けられた「吸気圧力異
常判定ルーチン」を示すフローチャートである。ここ
で、吸気圧力に係る異常として、吸気通路4の損傷やタ
ーボチャージャ21の故障を挙げることができる。EC
U60はこのルーチンを所定期間毎に実行する。
【0056】ステップ300において、ECU60は各
種センサ等42,43,46から出力されるスロットル
開度TA、吸気圧力PM及びエンジン回転速度NE等係
る信号を入力値として読み込む。加えて、ECU60は
RAM63に記憶されているセンサフラグXFPSの
値、バックアップRAM64に記憶されている学習値P
Midをそれぞれ読み込む。
【0057】ステップ310において、ECU60はセ
ンサフラグXFPSの値が「0」であるか否かを判断す
る。ここで、センサフラグXFPSが「1」である場
合、吸気圧センサ43が異常であることから、その後の
判定を不可能であるものとして、ECU60はその後の
処理を一旦終了する。センサフラグXFPSが「0」で
ある場合、吸気圧センサ43が正常であることから、そ
の後の判定を行うために、ECU60は処理をステップ
320へ移行する。
【0058】ステップ320において、ECU60は両
パラメータTA,NEの値に基づき、そのときのエンジ
ン1の運転状態に応じて吸気圧PMに係る補正値KPM
2を算出する。ECU60はこの補正値KPM2を、図
8に示すように、両パラメータTA,NEに対して予め
設定された2次元的な関数データ(マップデータ)に基
づいて算出する。この関数データにおいて、補正値KP
M2は大気圧力がほぼ「760mmHg」となる平地を
基準にエンジン1及びターボチャージャ21の機械的な
公差や自動車の運転条件の違い等を考慮して設定されて
いる。この関数データにおいて、補正値KPM2の値
は、両パラメータTA,NEにより決定される全領域に
対して設定されている。更に、補正値KPM2は過給圧
力が最も上がらない状況で誤判定がなされないように、
大気圧力に対して所定の余裕を見込んだ相対値として設
定されている。
【0059】ステップ330において、ECU60は今
回読み込まれた吸気圧力PMの値が今回までに学習され
た学習値PMidと今回算出された補正値KPM2との
加算値以上であるか否かを判断する。ここで、吸気圧力
PMの値が学習値PMidと補正値KPM2との加算値
以上である場合、ECU60は吸気圧力PMに影響を与
える要因、即ちターボチャージャ21及び吸気通路4等
が正常であるものとして処理をステップ340へ移行す
る。
【0060】ステップ340において、ECU60はタ
ーボチャージャ21等が正常であることを記録するため
に吸気圧フラグXFPMを「1」に設定する。ステップ
341において、ECU60は警告ランプ17を消灯す
る。更に、ステップ342において、ECU60はター
ボチャージャ21等が正常であることを示す正常コード
をバックアップRAM64に記憶し、その後処理を一旦
終了する。
【0061】一方、ステップ330において、吸気圧力
PMの値が学習値PMidと補正値KPM2との加算値
未満である場合、ECU60はターボチャージャ21等
が何らかの原因で異常であるものとして処理をステップ
350へ移行する。ここで、ターボチャージャ21等の
異常として、ウェイストゲートバルブ25が開放状態で
固着すること、タービン23の破損或いはエアクリーナ
3の目詰まり等を挙げることができる。
【0062】ステップ350において、ECU60はタ
ーボチャージャ21等が異常であることを記録するため
に吸気圧フラグXFPMを「1」に設定する。ステップ
351において、ECU60はターボチャージャ21等
が異常であることを運転者に報知するために警告ランプ
17を点滅させる。この点滅は、吸気圧センサ43が異
常である場合の警告ランプ17の点灯と区別される。更
に、ステップ352において、ECU60はターボチャ
ージャ21等が異常であることを示す異常コードをバッ
クアップRAM64に記憶し、その後処理を一旦終了す
る。ここで、バックアップRAM64に記憶された正常
コード又は異常コードは、必要な時にバックアップRA
M64から読み出すことができる。
【0063】このルーチンにおいて、ステップ330の
処理を実行するECU60は、吸気圧センサ43が正常
であることを前提として、学習値PMidと吸気圧力P
Mの値とを比較し、両値PMid,PMの間に所定値、
即ち補正値KPM2以上の差があるときに、吸気圧力P
Mに係る、即ちターボチャージャ21等に異常が発生し
たと判断するための本発明の異常判断手段に相当する。
【0064】以上説明したように、この実施形態の構成
によれば、エンジン1が定常運転状態としての無負荷の
安定したアイドル運転状態にあるときには、吸気通路4
における吸気圧力PMの状態が安定してほぼ一定の値を
示すことになる。このため、エンジン1が上記のアイド
ル運転状態にあるとECU60が判断したときには、吸
気圧センサ43により検出される吸気圧力PMはそのと
きどきで一定の値を示すことになる。このとき、ECU
60により学習される吸気圧力PMに係る学習値PMi
dは、そのときどきの大気圧力や吸気通路4の状態を反
映した値となる。その学習値PMidは吸気圧力PMの
状態が正常であるときの基準値となり得る。ここで、E
CU60は吸気圧センサ43に係る異常の有無を判断す
るために、同センサ43の検出値(吸気圧力PMの値)
と上記学習値PMidとを比較する。
【0065】従って、吸気圧センサ43に異常が発生し
て、検出される吸気圧力PMの値が正常な値から大きく
逸脱した場合には、その値と学習値PMidとの間に大
きな差が生じることになる。このため、ECU60は吸
気圧センサ43に係る異常が発生したことを判断するこ
とが可能となる。ここでは、検出される吸気圧力PMの
値と比較されるべき学習値PMidとが常に学習される
ことから、吸気圧力PMに係る条件に公差や経時変化が
あったとしても、そのときどきの条件に応じた学習値P
Midが得られる。即ち、自動車の現在位置が平地や高
地であっても、スロットルバルブ13及びターボチャー
ジャ21の作動に公差や経時変化があっても、常にその
状況の違いを反映した学習値PMidが得られる。よっ
て、吸気圧力PMの値と比較されるべき基準値を大気圧
力センサを設けて検出する必要がない。このため、大気
圧力センサを用いることなく、配管33の外れ等を含む
吸気圧センサ43に係る異常を適正に検出することがで
きる。大気圧力センサを設けない分だけ、装置の構成を
簡略化することができる。
【0066】この実施形態の構成によれば、吸気圧セン
サ43が正常であることを前提として、吸気圧力PMに
係る要因、即ち吸気通路4やターボチャージャ21等の
異常の有無を判断するために、ECU60が検出される
吸気圧力PMの値と学習値PMidとを比較する。従っ
て、ターボチャージャ21等に異常が発生した場合に
は、検出される吸気圧力PMの値と学習値PMidとの
間に大きな差が生じることになり、ECU60はターボ
チャージャ21等に異常が発生したことを判断すること
が可能となる。ここでも、吸気圧力PMの値との比較の
ために常に学習される学習値PMidが使われることか
ら、そのときの標高の違い、吸気通路4やスロットルバ
ルブ13等の公差や経時変化等に拘らず、常にその条件
を反映した比較が行われる。このため、大気圧力センサ
を用いることなく、ターボチャージャ21等の異常を適
正に検出することができる。
【0067】この実施形態の構成によれば、ECU60
がエンジン1の運転状態に応じた各補正値KPM,KP
M2を算出し、それら補正値KPM,KPM2により学
習値PMidと比較されるべき吸気圧力PMの値を補正
している。従って、それら補正値KPM,KPM2の分
だけ両者PM,PMidの比較がより適正となり、EC
U60による異常の判断がより正確となる。その意味
で、吸気圧センサ43に係る異常、或いはターボチャー
ジャ21等に係る異常を一層適正に検出することができ
る。
【0068】この実施形態の構成によれば、上記したよ
うに吸気圧センサ43に係る異常と、ターボチャージャ
21等に係る異常とを別々に検出することができる。更
に、この実施形態では、それらの異常が別々に検出され
たときに、警告ランプ17が点灯又は点滅する。このた
め、吸気圧センサ43に係る異常と、ターボチャージャ
21等に係る異常とを運転者が区別して知ることがで
き、各々の異常に個別に対処することが可能となる。
【0069】この実施形態では、吸気圧センサ43に係
る異常、ターボチャージャ21等に係る異常がそれぞれ
正常コード或いは異常コードとしてバックアップRAM
64に記憶され、読み出しが可能である。このため、自
動車のメンテナンスの際に作業者がそれらのデータを読
み出すことにより、作業者が異常発生の履歴を確認する
ことができる。
【0070】この実施形態によれば、吸気圧センサ43
は吸気圧力PMの変化を絶対値として検出する。このた
め、大気圧力が低くなる高地においても、相対圧力を検
出するセンサに比べて吸気圧センサ43が吸気圧力PM
を正確に検出することができる。その意味で、吸気圧セ
ンサ43に係る異常、或いはターボチャージャ21等に
係る異常を、相対圧センサによる場合と比べてより正確
に検出することができる。 〔第2の実施形態〕次に、この発明における「内燃機関
の吸気圧力異常検出装置」を自動車のガソリンエンジン
システムに具体化した第2の実施形態を説明する。尚、
この実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構
成要素については、同一の符号を付して説明を省略す
る。この実施形態では、前記第1の実施形態と特に異な
る点を中心に説明する。
【0071】この実施形態では、「吸気圧力異常判定ル
ーチン」の内容の点で前記第1の実施形態のそれと異な
り、その他の構成については同じである。図10は本実
施形態の「吸気圧力異常判定ルーチン」を示すフローチ
ャートである。
【0072】ステップ400において、ECU60は各
種センサ等42,43,46から出力されるスロットル
開度TA、吸気圧力PM及びエンジン回転速度NE等係
る信号を入力値として読み込む。加えて、ECU60は
RAM63に記憶されているセンサフラグXFPSの
値、バックアップRAM64に記憶されている学習値P
Midをそれぞれ読み込む。
【0073】ステップ410において、ECU60はセ
ンサフラグXFPSの値が「0」であるか否かを判断す
る。センサフラグXFPSが「1」である場合、吸気圧
センサ43が異常であることから、ECU60はその後
の処理を一旦終了する。センサフラグXFPSが「0」
である場合、吸気圧センサ43が正常であることから、
ECU60は処理をステップ420へ移行する。
【0074】ステップ420において、ECU60はエ
ンジン回転速度NEの値が所定の基準値KNE3以上で
あるか否かを判断する。この基準値KNE3はターボチ
ャージャ21を全稼動させることのできるエンジン回転
速度NEの値を意味する。この基準値KNE3として
「2400rpm」を当てはめることができる。ここ
で、エンジン回転速度NEの値が基準値KNE3未満で
ある場合、ターボチャージャ21を全稼動させるにはエ
ンジン回転速度NEの値が充分に高くないことから、E
CU60はその後の処理を一旦終了する。エンジン回転
速度NEの値が基準値KNE3以上である場合、ターボ
チャージャ21を全稼動させるためにエンジン回転速度
NEの値が充分に高いことから、ECU60は処理をス
テップ430へ移行する。
【0075】ステップ430において、ECU60はス
ロットル開度TAの値が所定の基準値KTA3以上であ
るか否かを判断する。この実施形態で、基準値KTA3
はスロットルバルブ13が充分に開いていることを示す
下限値に相当する。この基準値KTA3として全開に対
する「52%」を当てはめることができる。ここで、ス
ロットル開度TAの値が基準値KTA3未満である場
合、異常判定を実行するのにスロットル開度TAの値が
充分に大きくないことから、ECU60はその後の処理
を一旦終了する。スロットル開度TAの値が基準値KT
A3以上である場合、異常判定を実行するのにスロット
ル開度TAの値が充分に大きいことから、ECU60は
処理をステップ440へ移行する。
【0076】ここで、上記両ステップ420,430の
判断により特定されるのは、図9のグラフにおいて両パ
ラメータTA,NEにより決定される斜線で示される過
給領域ECである。この過給領域ECはターボチャージ
ャ21を全稼動させることのできる領域であり、ウェイ
ストゲートバルブ25が全開となる領域であり、過給圧
力がほぼ一定の値に調整される領域である。従って、エ
ンジン1の運転状態が両パラメータTA,NEにより決
定される上記の過給領域ECに当てはまるときに、EC
U60は処理をステップ430からステップ440へ移
行することになる。
【0077】ステップ440において、ECU60は今
回読み込まれた吸気圧力PMの値が今回までに学習され
た学習値PMidと所定の補正値KPM3との加算値以
上であるか否かを判断する。ここで、補正値KPM3と
は、上記の過給領域ECの条件に適合するように定めら
れた値であり、大気圧力がほぼ「760mmHg」とな
る平地を基準にエンジン1及びターボチャージャ21の
機械的な公差や自動車の運転条件の違い等を考慮して設
定された値である。吸気圧力PMの値が学習値PMid
と補正値KPM3との加算値以上である場合、ECU6
0は吸気圧力PM、即ち、特には過給圧力に影響を与え
る要因であるターボチャージャ21が正常であるものと
して処理をステップ450へ移行する。
【0078】ステップ450において、ECU60はタ
ーボチャージャ21が正常であることを記録するために
吸気圧フラグXFPMを「1」に設定する。ステップ4
51において、ECU60は警告ランプ17を消灯す
る。更に、ステップ452において、ECU60はター
ボチャージャ21が正常であることを示す正常コードを
バックアップRAM64に記憶し、その後処理を一旦終
了する。
【0079】一方、ステップ440において、吸気圧力
PMの値が学習値PMidと補正値KPM3との加算値
未満である場合、ECU60はターボチャージャ21が
何らかの原因で異常であるものとして処理をステップ4
60へ移行する。ここで、ターボチャージャ21の異常
として、ウェイストゲートバルブ25が作動不良を起こ
していること、或いはタービン23の破損等を挙げるこ
とができる。
【0080】ステップ460において、ECU60はタ
ーボチャージャ21が異常であることを記録するために
吸気圧フラグXFPMを「1」に設定する。ステップ4
61において、ECU60はターボチャージャ21が異
常であることを運転者に報知するために警告ランプ17
を点滅させる。更に、ステップ462において、ECU
60はターボチャージャ21が異常であることを示す異
常コードをバックアップRAM64に記憶し、その後処
理を一旦終了する。
【0081】このルーチンにおいて、ステップ440の
処理を実行するECU60は、吸気圧センサ43が正常
であることを前提として、学習値PMidと吸気圧力P
Mの値とを比較し、両値PMid,PMの間に所定値、
即ち補正値KPM3以上の差があるときに、吸気圧力P
Mに係る、即ちターボチャージャ21に異常が発生した
と判断するための本発明の異常判断手段に相当する。
【0082】以上説明したように、この実施形態の構成
によれば、吸気圧センサ43が正常であることを前提と
してターボチャージャ21の異常の有無を判断するため
に、ECU60が検出される吸気圧力PM、即ち過給圧
力の値と、常に学習される学習値PMidとを比較す
る。
【0083】従って、ターボチャージャ21に異常が発
生した場合、検出される吸気圧力PM、即ち過給圧力の
値と学習値PMidとの間に大きな差が生じることにな
り、ECU60はターボチャージャ21に異常が発生し
たことを判断することが可能となる。ここで、過給圧力
との比較のために学習値PMidが使われることから、
そのときの標高の違い、吸気通路4やスロットルバルブ
13等の公差や経時変化等に拘らず、常にその条件を反
映した比較が行われる。このため、前記第1の実施形態
と同様、大気圧力センサを用いることなく、ターボチャ
ージャ21等の異常を適正に検出することができる。
【0084】特に、この実施形態では、ターボチャージ
ャ21の異常の有無を判定するためのエンジン1の運転
状態が、図9に示すように両パラメータTA,NEによ
り決定される過給領域ECに特定される。この過給領域
ECでは、過給圧力の変動が少なくバラツキも小さいこ
とから、学習値PMidとの比較のための過給圧力(吸
気圧力PM)を補正するのに使われる補正値KPM3を
定数としても差し支えがない。このため、前記第1の実
施形態において、図8に示すような関数データに基づき
補正値KPM2を算出するのに比べて、ECU60が行
うべき演算が簡易となり、ROM62に記憶させるべき
データを少なくすることができる。
【0085】この実施形態におけるその他の作用及び効
果は、前記第1の実施形態のそれと同じであり、ここで
は説明を省略する。尚、この発明は次のような別の実施
形態に具体化することもできる。以下の別の実施形態で
も、前記各実施形態と同等の作用及び効果を得ることが
できる。
【0086】(1)前記各実施形態では、無負荷の安定
したアイドル運転状態を定常運転状態として、そのとき
の吸気圧力PMに係る学習値PMidを学習するように
した。これに対し、エンジン1がアイドル運転状態以外
の所定の回転速度NEをもって運転される状態を定常運
転状態として、そのときの吸気圧力PMに係る学習値を
学習するようにしてもよい。
【0087】(2)前記第1の実施形態では、「吸気圧
センサ異常判定ルーチン」において、学習値PMidと
の比較のために吸気圧力PMを補正するための補正値K
PMを両パラメータTA,NEに基づいて算出するよう
にしたが、この補正値KPMを定数としてもよい。
【0088】(3)前記第2の実施形態では、「吸気圧
力異常判定ルーチン」において、学習値PMidとの比
較のために過給圧力を補正するための補正値KPM3を
定数としたが、両パラメータTA,NEに基づいて算出
される変数としてもよい。
【0089】(4)前記各実施形態では、本発明をター
ボチャージャ21を過給機として有するエンジン1に具
体化したが、スーパーチャージャやその他の機構を過給
機として有するエンジンに具体化することもできる。
【0090】(5)前記各実施形態では、本発明をター
ボチャージャ21を過給機として有するエンジン1に具
体化したが、過給機を持たないエンジンに具体化するこ
ともできる。
【0091】(6)前記各実施形態では、本発明をガソ
リンエンジンシステムに具体化したが、ディーゼルエン
ジンシステムに具体化することもできる。更に、本発明
の各実施形態には、特許請求の範囲に記載した技術的思
想に係る各種の実施態様が含まれることを、以下にその
効果と共に付記する。
【0092】〔付記1〕内燃機関の吸気通路に吸気圧力
を検出するための圧力検出手段を設け、その圧力検出手
段の検出値を基準値と比較することにより同圧力検出手
段の異常を検出するようにした内燃機関の吸気圧力異常
検出装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する
ための運転状態検出手段と、前記内燃機関が所定の定常
運転状態にあるか否かを前記運転状態検出手段の検出結
果に基づいて判断するための定常判断手段と、前記定常
運転状態にあると前記定常判断手段が判断したとき、前
記圧力検出手段の検出値を学習してその学習値を記憶す
るための学習手段と、前記学習手段による学習値と前記
圧力検出手段の検出値とを比較し、両値の間に所定値以
上の差があるときに、前記圧力検出手段に異常が発生し
たと判断するための第1の異常判断手段とを備えたこと
を特徴とする内燃機関の吸気圧力異常検出装置。
【0093】この構成によれば、圧力検出手段に異常が
発生して同手段の検出値が正常な値から大きく逸脱した
場合に、その検出値と学習手段による学習値との間に大
きな差が生じる。このため、第1の異常判断手段が圧力
検出手段に異常が発生したことを判断することが可能と
なる。ここでは、学習手段が圧力検出手段の検出値と比
較されるべき基準値としての学習値を学習することか
ら、その基準値を大気圧力センサを設けて検出する必要
がない。このため、大気圧力センサを用いることなく、
圧力検出手段の異常を適正に検出することができる。
【0094】〔付記2〕付記1に記載の吸気圧力異常検
出装置において、前記異常判断手段により比較される前
記圧力検出手段の検出値を前記運転状態検出手段の検出
値に基づいて補正するための第1の補正手段を設けたこ
とを特徴とする内燃機関の吸気圧力異常検出装置。
【0095】この構成によれば、圧力検出手段の検出値
が内燃機関の運転状態に応じて第1の補正手段により補
正されることから、異常判断手段における異常の判断が
より正確となる。このため、圧力検出手段の異常をより
一層適正に検出することができる。
【0096】〔付記3〕付記1に記載の吸気圧力異常検
出装置において、前記圧力検出手段が正常であると前記
第1の異常判断手段の判断結果が示すとき、前記学習手
段による学習値と前記圧力検出手段の検出値とを比較
し、両値の間に所定値以上の差があるときに、前記吸気
圧力に係る異常が判断したと判断するための第2の異常
判断手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の吸気圧
力異常検出装置。
【0097】この構成によれば、圧力検出手段が正常で
あることを第1の異常判断手段により判断されたときを
前提に、圧力検出手段の検出値と学習手段による学習値
とが比較される。このため、圧力検出手段を除く吸気圧
力に係る要因に異常が発生したことを判断することが可
能となる。ここでも、学習手段が圧力検出手段の検出値
と比較されるべき基準値としての学習値を学習すること
から、その基準値を大気圧力センサを設けて検出する必
要がない。このため、大気圧力センサを用いることな
く、圧力検出手段以外の吸気圧力に係る要因の異常を適
正に検出することができる。
【0098】〔付記4〕付記3に記載の吸気圧力異常検
出装置において、前記第2の異常判断手段により比較さ
れる前記圧力検出手段の検出値を前記運転状態検出手段
の検出値に基づいて補正するための第2の補正手段を設
けたことを特徴とする内燃機関の吸気圧力異常検出装
置。
【0099】この構成によれば、圧力検出手段の検出値
が内燃機関の運転状態に応じて第2の補正手段により補
正されることから、第2の異常判断手段における異常の
判断がより正確となる。このため、圧力検出手段以外の
吸気圧力に係る要因の異常をより一層適正に検出するこ
とができる。
【0100】〔付記5〕付記1〜4の何れか一つに記載
の吸気圧力異常検出装置において、前記吸気通路には吸
気を過給するための過給機が設けられ、前記圧力検出手
段はその過給機の下流側に設けられていることを特徴と
する内燃機関の吸気圧力異常検出装置。
【0101】この構成によれば、過給機が吸気圧力に係
る要因であることを前提として、圧力検出手段に係る異
常、又はそれ以外の過給機を含む要因に係る異常を検出
することができる。
【0102】尚、この明細書では、発明の手段等が以下
のように定義される。 (a)前記過給機とは、内燃機関の出力を増大させるた
めに、その吸気を大気圧力以上に昇圧させて高密度の空
気を燃焼室に供給するための装置を意味し、ターボチャ
ージャやスーパーチャージャを含む。
【0103】(b)前記定常運転状態とは、内燃機関の
運転状態の変化が少ない状態を意味し、特に機関回転速
度がほぼ一定になる状態を意味する。特には、自動車が
平地を一定速度で走行するような状況下の内燃機関の運
転状態やアイドル運転状態を含む。
【0104】
【発明の効果】請求項1に記載の第1の発明によれば、
内燃機関が所定の定常運転状態にあるときに、圧力検出
手段の検出値を学習してその学習値を記憶する。そし
て、その学習値と圧力検出手段の検出値とを比較し、両
値の間に所定値以上の差があるときに、吸気圧力に係る
異常が発生したと判断するようにしている。
【0105】従って、圧力検出手段や吸気通路に異常が
発生して圧力検出手段の検出値が正常な値から大きく逸
脱した場合に、吸気圧力に係る異常が発生したことを判
断することが可能となる。ここでは、圧力検出手段の検
出値と比較されるべき基準値である学習値が学習される
ことから、その基準値を大気圧力センサを設けて検出す
る必要がない。このため、大気圧力センサを用いること
なく簡易な構成で、圧力検出手段やそれに係る配管、吸
気機器の故障を含む吸気圧力に係る異常を適正に検出す
ることができるという効果を発揮する。
【0106】請求項2に記載の第2の発明によれば、第
1の発明の構成において、学習値と比較される圧力検出
手段の検出値を内燃機関の運転状態に基づいて補正する
ようにしている。従って、圧力検出手段の検出値が補正
される分だけ、吸気圧力に係る判断がより正確となる。
このため、第1の発明の効果に加え、吸気圧力に係る異
常を一層正確に検出することができるという効果を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の発明の基本的な概念構成を示す概念構
成図。
【図2】 第2の発明の基本的な概念構成を示す概念構
成図。
【図3】 過給機付きのガソリンエンジンシステムを示
す概略構成図。
【図4】 ECU等の構成を示すブロック図。
【図5】 「吸気圧力学習ルーチン」を示すフローチャ
ート。
【図6】 「吸気圧センサ異常判定ルーチン」を示すフ
ローチャート。
【図7】 「吸気圧力異常判定ルーチン」を示すフロー
チャート。
【図8】 2次元的な関数データを示すグラフ。
【図9】 両パラメータ(TA,NE)に対する過給領
域を示すグラフ。
【図10】 「吸気圧力異常判定ルーチン」を示すフロ
ーチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、4…吸気通路、21…
ターボチャージャ、42…圧力検出手段としての吸気圧
センサ、42…スロットルセンサ、46…クランク角セ
ンサ(42,46は運転状態検出手段を構成する。)、
60…ECU(60は定常判断手段、学習手段、異常判
断手段及び補正手段を構成する。)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気通路に吸気圧力を検出す
    るための圧力検出手段を設け、その圧力検出手段の検出
    値を基準値と比較することにより同圧力検出手段の異常
    を含む吸気圧力に係る異常を検出するようにした内燃機
    関の吸気圧力異常検出装置において、 前記内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記内燃機関が所定の定常運転状態にあるか否かを前記
    運転状態検出手段の検出値に基づいて判断するための定
    常判断手段と、 前記定常運転状態にあると前記定常判断手段が判断した
    とき、前記圧力検出手段の検出値を学習してその学習値
    を記憶するための学習手段と、 前記学習手段による学習値と前記圧力検出手段の検出値
    とを比較し、両値の間に所定値以上の差があるときに、
    吸気圧力に係る異常が発生したと判断するための異常判
    断手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の吸気圧力
    異常検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の吸気圧力異常検出装置
    において、 前記異常判断手段により比較される前記圧力検出手段の
    検出値を前記運転状態検出手段の検出値に基づいて補正
    するための補正手段を設けたことを特徴とする内燃機関
    の吸気圧力異常検出装置。
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