JPH09111664A - 温泉効果を呈する中空繊維 - Google Patents

温泉効果を呈する中空繊維

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JPH09111664A
JPH09111664A JP27248095A JP27248095A JPH09111664A JP H09111664 A JPH09111664 A JP H09111664A JP 27248095 A JP27248095 A JP 27248095A JP 27248095 A JP27248095 A JP 27248095A JP H09111664 A JPH09111664 A JP H09111664A
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JP
Japan
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water
hollow fiber
fiber
hollow
absorbing polymer
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Application number
JP27248095A
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English (en)
Inventor
Motoyoshi Suzuki
東義 鈴木
Hajime Izawa
一 伊澤
Satomi Akimoto
里美 秋元
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保温効果など、温泉の入浴効果に類似の効果
を呈し、しかもべとつき感のない中空繊維を得る。 【解決手段】 繊維表面から中空部への連通孔が散在す
る中空繊維において、該中空繊維の中空部には温泉成分
を含む吸水性ポリマーの徐放性ゲルが存在しており、該
ゲルの徐放作用により該温泉成分が繊維表面に放出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温泉効果を呈する中
空繊維に関し、更に詳細には温泉成分を繊維表面に除々
に放出させることが可能であり、そのため着用した際
に、保温効果など、温泉の入浴効果に匹敵する効果を呈
する中空繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、保温剤や保温性繊維構造体に
関しては多くの提案がなされているが、繊維自体が積極
的な保温機能を有する保温性繊維に関する提案はほとん
ど見られず、僅かに吸放湿吸水発熱性繊維が中地や裏地
に含有され、人体から発生する気相および液相の汗や衣
服外から侵入する気相および液相の水分を吸収すること
により、発熱保温するようになされた吸放湿吸水発熱性
保温品が提案されている程度である(特開平6−294
006号公報)。
【0003】ここで提案されている吸放湿吸水発熱性繊
維は吸湿吸水によって膨潤し、べとつき感が顕著に増大
するため、インナー分野のように直接肌に接触する用途
での使用に適しておらず、また、作用機構上該繊維の吸
湿熱を利用するものであるため、保温性の要望のない夏
場の高温多湿条件下や発汗を伴うような運動時に外気や
体表面から生じる水蒸気や水分の吸湿熱により発熱し、
かえって不快感を招き、保温性を最も必要とする冬場の
低温低湿条件下では保温効果が奏されないといった問題
点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はインナ
ー分野のように直接肌に接触する用途でもべとつき感が
なく、冬場の低温低湿度条件下においても保温機能に優
れた中空繊維を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した目
的を達成すべく、温泉に入浴すると冬場でも暖かさがポ
カポカと長時間持続する保温効果や肌がスベスベになる
等の温泉効果に着目して検討を行った。
【0006】その結果、温泉中に含まれる炭酸水素ナト
リウム等の温泉成分を吸水性ポリマーのゲル中に含有せ
しめて中空繊維の中空部に配し、該温泉成分を徐々に放
出させることにより、温泉効果に類似の優れた保温効果
が奏されると共に、べとつきのない風合を実現できるこ
とを解明した。本発明はかかる知見に基づいて更に重ね
て検討した結果完成したものである。
【0007】即ち、本発明は、繊維表面から中空部への
連通孔が散在する中空繊維において、該中空繊維の中空
部には温泉成分を含む吸水性ポリマーの徐放性ゲルが存
在しており、該ゲルの徐放作用により該温泉成分が繊維
表面に放出されることを特徴とする温泉効果を呈する中
空繊維である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる中空繊維とは、レ
ーヨン、アセテートなどの化学繊維、ポリエステル、ナ
イロンなどの合成繊維からなる中空繊維をいい、特にポ
リエステル中空繊維が好ましく例示される。
【0009】ここでいうポリエステルとはテレフタル酸
を主たるジカルボン酸成分とし、少なくとも1種のグリ
コール、好ましくは、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールなどから選ば
れた少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグ
リコール成分とするポリエステルなどである。
【0010】該ポリエステルには必要に応じて安定剤、
酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触媒、
着色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等が含有されて
いてもよい。
【0011】上記中空繊維は、従来公知の方法によって
製造することができ、例えば実公平2−43879号公
報に記載の方法などが任意に採用できる。
【0012】中空繊維の中空率は、繊維の機械的特性を
維持し、かつ十分な量の吸水性ポリマーのゲルを充填さ
せるうえで、5〜40%であることが好ましく、20〜
40%であることがさらに好ましい。
【0013】かかる中空繊維に繊維表面から中空部にま
で至る連通孔を形成させる方法としては、例えばポリエ
ステル中空繊維の場合、特公昭61−60188号公
報、特公昭61−31231号公報等に記載された如
き、有機スルホン酸金属塩を添加配合せしめたポリエス
テル中空繊維をアルカリ減量処理することにより中空繊
維表面から中空部まで連通した微細孔を形成させる方法
等を任意に採用することができる。
【0014】更に、中空率が20%以上の高中空繊維を
アルカリ減量処理すれば、上記のような有機スルホン酸
金属塩を使用しなくても、繊維の長手方向に沿った低配
向部及び/または変形歪集中部の除去痕として連通孔を
形成することができる(特開平7−26466号公
報)。
【0015】本発明の中空繊維としては、上記のよう
な、繊維表面から中空部まで達する連通孔を有する中空
繊維が全て含まれ、その際に該連通孔の大きさや数は任
意でよく特に限定されないが、連通孔の大きさが中空部
に充填される吸水性ポリマーのゲルの絶乾状態における
非膨潤状態の大きさよりも小さいことが保温性能の洗濯
耐久性等の耐久面から好ましい。
【0016】本発明における吸水性ポリマーの徐放性ゲ
ルとしては、例えばゼラチンゲルなどの天然系の吸水性
ポリマーのゲルや、合成系の吸水性ポリマーのゲルが挙
げられるが、モノマー段階での取扱いができる点で合成
系の吸水性ポリマーのゲルが好ましい。
【0017】合成系の吸水性ポリマーのゲルとしては、
例えば(a)カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン
酸基及びスルホン酸塩基よりなる群からなる少なくとも
1種の基を有する水溶性モノマー、(b)加水分解によ
り水溶性となるモノマー(少なくとも1個の加水分解性
基(エステル基、ニトリル基など)を有するモノマ
ー)、(c)澱粉および/またはセルロース、(d)架
橋剤のうち、 (a)および/または(b)と(d)とを必須成分と
して重合させ、必要により加水分解を行うことにより得
られる吸水性ポリマーのゲルを挙げることができる。
【0018】ここで、(a)の水溶性モノマーの具体例
としてアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮
酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン
酸、イタコン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸およびそれらのNa塩、K塩、Li塩が挙げられ
る。
【0019】かかる吸水性ポリマーのゲルとして具体的
には架橋されたポリ(メタ)アクリル酸部分中和塩、架
橋ポリ(メタ)アクリルアミドの部分加水分解物、架橋
された(メタ)アクリル酸―(メタ)アクリルアミド共
重合体、架橋されたスルホン化ポリスチレン、ビニルエ
ステル―不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、架橋され
た(メタ)アクリル酸―(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、架橋されたイソブチレン―無水マレイン酸共重
合体、架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール
等のゲルを挙げることができる。
【0020】また、上記に例示した以外の合成系吸水性
ポリマーのゲルとしては、例えば、 (a)および/または(b)と(c)と(d)とを必
須成分として重合させ、必要により加水分解を行うこと
により得られる吸水性ポリマーのゲル(具体的には特開
昭52−25886号公報、特公昭53−46199
号、特公昭53−46200号および特公昭55−21
041号公報に記載されたもの)、(a)および/ま
たは(b)と(c)とを重合させて得られるゲル(澱粉
―アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セル
ロース―アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物
など)、(c)の架橋物(カルボキシメチルセルロー
スの架橋物など)、自己架橋を有する、(a)および
/または(b)の重合物(自己架橋型ポリ(メタ)アク
リル酸塩など)が挙げられる。
【0021】かかる吸水性ポリマーの徐放性ゲルは1種
類を単独で使用しても、また2種以上を併用してもよ
い。
【0022】上記吸水性ポリマーの徐放性ゲルは純粋に
対する吸水性能が少なくとも1ml/gであるものが好
ましく、なかでも5〜1000ml/gであるものが特
に好ましい。
【0023】かかる吸水性ポリマーの徐放性ゲルの、中
空繊維の中空部内における充填量は、絶乾状態における
非膨潤状態で1重量%以上(基体中空繊維基準)である
ことが温泉効果発現の点から好ましく、5重量%以上で
あるのがより好ましい。
【0024】この充填量があまりに多いと該ゲルの吸水
膨潤時に中空繊維の割裂等が発生する傾向があるので、
充填量は80重量%以下であることが好ましい。
【0025】吸水性ポリマーの徐放性ゲルを前記中空繊
維の中空部内に充填させる方法としては、以下の方法を
好ましく例示することができる。
【0026】前記中空繊維を、好ましくは織編物等の
繊維構造物の形態で、(i)吸水性ポリマーの未架橋物
および/または該吸水性ポリマーの構成モノマー、(i
i)架橋剤並びに(iii )好ましくは重合開始剤乃至触
媒を含有する溶液中に浸漬し、該中空繊維の中空部の空
気と溶液とを置換し、次いで加熱することによって未架
橋吸水性ポリマーの架橋反応ないし上記モノマー重合・
架橋反応を生起せしめて吸水性ポリマーの徐放性ゲルを
形成する方法。
【0027】前記中空繊維を、好ましくは織編物等の
繊維構造物の形態で、(i)吸水性ポリマーの未架橋物
および/または該吸水性ポリマーの構成モノマー、(i
i)架橋剤並びに(iii )好ましくは重合開始剤乃至触
媒を含有する溶液中に浸漬し、次いでマングルなどで圧
絞した後、ポリ塩化ビニリデンフィルム等のポリマーフ
ィルムでシールして放置することによって該中空繊維の
中空部の空気と溶液とを置換し、続いて加熱することに
よって未架橋吸水性ポリマーの架橋反応ないし上記モノ
マーの重合・架橋反応を生起せしめて吸水性ポリマーの
徐放性ゲルを形成する方法。
【0028】前記中空繊維を、好ましくは織編物等の
繊維構造物の形態で、密閉容器中に入れて減圧し、該中
空繊維の中空部の空気を除いた後、(i)吸水性ポリマ
ーの未架橋物および/または該吸水性ポリマーの構成モ
ノマー、(ii)架橋剤並びに(iii )好ましくは重合開
始剤乃至触媒を含有する溶液を該容器に注入して中空部
内に充填させ、次いで加熱することによって未架橋吸水
性ポリマーの架橋反応ないし上記モノマーの重合・架橋
反応を生起せしめて吸水性ポリマーの徐放性ゲルを形成
する方法。
【0029】ここで、上記溶液の溶剤としては上記成分
を溶解できるものであればよく、例えば水および/また
は水に可溶な有機溶剤を挙げることができる。
【0030】水に可溶な有機溶剤としてはイソプロピル
アルコールのようなアルコール、メチルエチルケトンの
ようなケトン、テトラヒドロフラン、N,N―ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、N,N―ジメ
チルアトセアミド、N―メチル―2―ピロリドン等が挙
げられる。なかでも水が特に好ましい。
【0031】上記架橋剤としては、上記吸水性ポリマー
を架橋して非水溶性のゲルと成し得るものであればよ
く、例えば1分子中にビニル基および/またはエポキシ
基を2個以上もつ化合物や多価金属化合物を例示でき
る。なかでも、架橋剤自身としては水溶性であるものが
好ましい。
【0032】かかる架橋剤の具体例としては、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、グリセリンジ(又はトリ)メタクリレー
ト、グリセリンジ(又はトリ)アクリレート、グリセリ
ンジ(又はトリ)グリシジルエーテル、トリメチロール
プロパンジ(又はトリ)メタクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(又はトリ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(又はトリ)グリシジルエーテル等を挙げ
ることができる。
【0033】架橋剤として用いることができる多価金属
化合物としては2価以上の金属の無機塩、有機カルボン
酸塩、錯塩等を挙げることができる。
【0034】かかる2価以上の金属としてはCa、M
g、Zn、Mn、Co、Al、Ti、Sn、Cu、F
e、Cr、Ni、Zr等が好ましく、これらの塩化物、
硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、エチレンジアミ
ン4酢酸錯体等が好ましく例示される。
【0035】具体的には酢酸カルシウム、酢酸マグネシ
ウム、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガ
ン、酢酸コバルト、硫酸アルミニウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、硫酸第1スズ、EDTA―C
a、EDTA―Mg等を挙げることができる。かかる多
価金属化合物は1種のみ単独で用いても又は2種以上を
併用してもよい。
【0036】上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベ
ンゾイル等の過酸化物、硫酸第二セリウムアンモニウ
ム、硝酸第二セリウムアンモニウム等のセリウムアンモ
ニウム塩、或はα,α―アゾビスイソブチロニトリル等
が挙げられる。
【0037】更に、上記触媒としては、第三級アミン、
第四級アンモニウム塩、イミダゾール化合物、三フッ化
ホウ素、Zn(BF4 2 、KOH、SnCl4 等が挙
げられる。
【0038】上記の方法において、粘度が低いため中空
部への充填が容易に行い得る点で吸水性ポリマーの構成
モノマーを含む溶液を用いるのがより好ましい。
【0039】本発明の繊維にあっては、上記吸水性ポリ
マーの徐放性ゲルが中空繊維の中空部のみに存在し、中
空繊維の外表面や繊維間空隙には実質的に存在しないこ
とが、最終的に得られる織編物製品のべとつき感をなく
し優れた温泉効果を付与する上で好ましい。
【0040】かかる態様を実現する方法としては、例え
ば(i)前記吸水性ポリマーの未架橋物および/または
該吸水性ポリマーの構成モノマー、(ii)架橋剤並びに
(iii )好ましくは重合開始剤乃至触媒を含む水溶液を
中空部に充填した後、未架橋吸水性ポリマーの架橋反応
ないし上記モノマーの重合・架橋反応を行うのに先立っ
て、該中空繊維の外表面にヒドロキノン、ヒドロキノン
モノメチルエーテルの如き重合(架橋)禁止剤を付与す
る方法、(i)前記吸水性ポリマーの未架橋物および/
または該吸水性ポリマーの構成モノマー、(ii)架橋剤
並びに(iii )好ましくは重合開始剤乃至触媒を含む水
溶液を中空部に充填した後、温度50〜130℃、好ま
しくは70〜100℃の湯浴中で処理して中空部の吸水
性ポリマーを重合・架橋させると同時に中空繊維の外表
面や繊維間空隙に存在する未架橋吸水性ポリマーやモノ
マーを洗浄除去する方法、あるいは(i)前記吸水性ポ
リマーの未架橋物および/または該吸水性ポリマーの構
成モノマー、(ii)架橋剤並びに(iii )好ましくは重
合開始剤乃至触媒を含む水溶液を中空部に充填した後、
未架橋吸水性ポリマーの架橋反応ないし上記モノマーの
重合・架橋反応を行うのに先立って該中空繊維を室温の
水で洗浄して中空繊維の外表面や繊維間空隙に存在する
未架橋吸水性ポリマーやモノマーを除去する方法等が例
示される。
【0041】本発明の繊維においては、前記の吸水性ポ
リマーの徐放性ゲルに温泉成分が含有されている。
【0042】ここで、温泉成分とは天然の温泉水中に含
まれる成分を意味し、温泉水中に溶解状態で存在するだ
けでなく、コロイド状等の分散状態で存在する成分も包
含する。
【0043】かかる天然の温泉としては、重炭酸土類
泉、重曹泉、食塩泉、硫酸塩泉、鉄泉、明礬泉、緑礬
泉、硫黄泉等を挙げることができ、かかる温泉水中に含
まれる温泉成分としては以下のようなものが例示され
る。
【0044】炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カル
シウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素鉄(II、III )、
炭酸鉄(II、III )、硫酸鉄(II、III )、明礬、硫酸
アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウ
ム、チオ硫酸マグネシウム、チオ硫酸鉄、硫黄、硫化水
素など。
【0045】上記温泉成分は一種類を単独で用いても又
は二種以上を併用してもよい。
【0046】かかる温泉成分を前記吸水性ポリマーの徐
放性ゲルに含有させるには、何ら格別な方法を採る必要
はなく、例えば上記した中空部内に吸水性ポリマーのゲ
ルを有する中空繊維を乾燥後、温泉成分を含む水溶液な
いし水分散液に室温〜沸騰温度の任意の温度下接触させ
て該液を含浸して乾燥する方法や、前述した中空繊維の
中空部に吸水性ポリマーのゲルを充填する方法における
充填液の中に上記温泉成分を溶解若しくは分散させ、以
後同様に行う方法を任意に採用すればよい。
【0047】この際、温泉成分を含む水溶液ないし水分
散液としては天然の温泉水をそのまま用いても良いし、
また、合成品を必要に応じて適宜配合して用いても良
い。
【0048】温泉成分の吸水性ポリマーの徐放性ゲルに
対する配合量は特に限定する必要はないが、好ましくは
絶乾状態の吸水性ポリマーゲル100重量部に対して
0.1〜100重量部の範囲である。配合量があまりに
少ないと温泉効果が不十分になる傾向があり、逆にあま
りに多いとべとつき感が出てくる傾向がある。
【0049】なお、本発明の吸水性ポリマーのゲルには
上記温泉成分以外に、必要に応じて香料、着色剤、安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が含まれていてもよ
い。
【0050】
【作用効果】本発明の繊維は、繊維表面に中空部への連
通孔が散在する中空繊維であって、該中空繊維の中空部
に温泉成分を含む吸水性ポリマーの徐放性ゲルが存在し
ているので、該ゲルが人体から発生する気相および液相
の水分や衣服外から侵入する気相および液相の水分を収
着乃至脱着する過程で温泉成分が繊維の表面に除々に放
出される。
【0051】このようにして繊維表面に現出した温泉成
分は肌と接触した際に、皮膚へ移行し、温泉に入浴した
ときに冬季でもポカポカとした暖かさが長時間持続する
温泉効果に類似した優れた保温効果が奏される。
【0052】また、上記保温効果以外にも、肌をスベス
ベにする等の効果をもつ。
【0053】かかる効果は洗濯によっても容易には損な
われることはない。また、本発明の繊維によれば、吸水
性ポリマーの徐放性ゲルが中空繊維によって保護されて
いるため、直接肌に触れてもサラッとした感触を与える
ので、インナー、ナイティー、ブラウス、スポーツウェ
ア等の秋冬物を中心とした衣料用途で極めて有用であ
る。
【0054】なかでもパンティーストッキング、ランジ
ェリー、スリップ、ペチコート、キャミソール、ショー
ツ等の肌着、ガードル、ブラジャー、ボディースーツ等
のファンデーション、更には腹巻き手袋等、直接肌に接
触して着用する衣料用途において特に優れた効果を発揮
する。
【0055】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。実施例中の部および%はそれぞれ重量部お
よび重量%を示し、吸湿率の測定および洗濯耐久性は以
下の方法によって行った。
【0056】(1)吸湿率 105℃×2時間で絶乾した試料の重量(W0 )と温度
20℃、相対温度90%における平衡重量(W1 )とか
ら下記式により算出した。
【0057】
【数1】 吸湿率(%)=((W1 −W0 )/W0 )×100
【0058】(2)洗濯耐久性 JIS L―1018―776.36H法に準じて洗濯
を30回繰り返した。
【0059】(3)実着用試験(体感保温性) 1〜2月の冬場に、18〜15才の5名の女性パネラー
(A〜E)が、本発明の中空繊維からなるスリップをそ
の他の被服の状態を一定にして着用し、下記の5段階方
式により体感保温性を官能評価した。 5級 暖かい 4級 やや暖かい 3級 普通 2級 やや寒い 1級 寒い
【0060】[実施例1]円形スリットの4個所が閉じ
た円弧状の開口部をもつ紡糸孔を穿設した紡糸口金を用
いて溶融紡糸を行い、固有粘度が0.62のポリエチレ
ンテレフタレート(二酸化チタン0.07%含有)から
なる中空繊維の未延伸糸を常法に従って延伸し、35デ
ニール/12フィラメントで中空率40%の丸中空マル
チフィラメントを得た。
【0061】この丸中空マルチフィラメントを用いて2
8ゲージのトリコットハーフ編地を編成し、常法に従っ
て精練した後、水酸化ナトリウム50g/lの水溶液中
で温度105℃にて10分間処理して減量率20%の編
地となし、次いで下記条件で染色した。 Mikawhite KTN conc(日本化薬製) 1%owf 酢酸 0.3g/l Disper VG(明成化学工業製) 0.5g/l 130℃×30分染色後、ソーピングを行い、次いで1
00℃×5分間乾燥
【0062】得られた編地からマルチフィラメントを取
り出し、その表面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、繊維軸方向の長さ100μm当たり、幅0.2〜
2.0μm、長さ10〜150μmの連通孔が少なくと
も1個存在していた。
【0063】次いでこの編地を密閉容器内に入れ、真空
ポンプを用いて容器内を0.1Torrまで減圧し、続
いてこの容器内に下記の組成の水溶液を注入した。 アクリル酸ナトリウム 20部 アクリル酸 5部 ポリエチレングリコール(平均分子量600)ジメタクリレート 10部 過硫酸カリウム 0.5部 水 64.5部 上記水溶液を注入後、真空ポンプを用いて更に減圧状態
を10分間維持した。この時の容器内の真空度は0.2
Torrであった。
【0064】続いてこの編地を100℃の熱湯中に入れ
て揺動させながら3分間浸漬し、引き続き風乾した後、
120℃で1分間の熱処理を施した。かかる一連の充填
処理による編地の重量増加、即ち充填率は23.5wt
%(未充填の中空繊維基準)であり、この編地を走査型
電子顕微鏡で観察した結果、アクリル酸ナトリウムを主
たる構成単位とする吸水性ポリマーの徐放性ゲルが中空
繊維の中空部にのみ存在し、繊維外表面、繊維間空隙、
組織間には全く付着していなかった。
【0065】この編地を下記の温泉成分を含む水溶液中
に室温下24時間浸漬し、次いで風乾した後、120℃
で1分間熱処理することによって前記ゲルの絶乾重量に
対して約1%の温泉成分を含有させた。 NaHCO3 0.2部 Na2 SO4 0.1部 NaCl 0.1部 Na2 CO3 0.1部 水 99.5部
【0066】この編地からスリップを縫製した。この編
地の吸湿率および5名の女性パネラーによるスリップの
実着用試験の結果を表1に示す。また、5名の女性パネ
ラー全員に、肌をスベスベにする効果が認められた。
【0067】[比較例1]実施例1において、減量、染
色のみ実施し、充填処理を行なわなかった以外は実施例
1と同様に実施し、得られた編地からスリップを縫製し
た。吸湿率および実着用試験の結果を表1に示す。
【0068】[実施例2]実施例1において温泉成分を
含む水溶液処理時使用した水溶液に代えて、愛媛県松山
市の道後温泉の湯を使用する以外は実施例1と同様に行
った。結果を表1に示した。5名中4名のパネラーに、
肌がスベスベになる効果が認められた。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、暖かさがポカポカと長
時間持続する保温効果や肌がスベスベになる等の温泉効
果を呈する中空繊維が得られるので、パンティーストッ
キング、ランジェリー、スリップ、ペチコート、キャミ
ソール、ショーツ等の肌着、ガードル、ブラジャー、ボ
ディースーツ等のファンデーション、更には腹巻き、手
袋等の衣料用途に好適に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維表面から中空部への連通孔が散在す
    る中空繊維において、該中空繊維の中空部には温泉成分
    を含む吸水性ポリマーの徐放性ゲルが存在しており、該
    ゲルの徐放作用により該温泉成分が繊維表面に放出され
    ることを特徴とする温泉効果を呈する中空繊維。
JP27248095A 1995-10-20 1995-10-20 温泉効果を呈する中空繊維 Pending JPH09111664A (ja)

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