JPH09110891A - 流動性の高いマルチトール粉末及びその製造方法 - Google Patents
流動性の高いマルチトール粉末及びその製造方法Info
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- JPH09110891A JPH09110891A JP29731795A JP29731795A JPH09110891A JP H09110891 A JPH09110891 A JP H09110891A JP 29731795 A JP29731795 A JP 29731795A JP 29731795 A JP29731795 A JP 29731795A JP H09110891 A JPH09110891 A JP H09110891A
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Abstract
も流動性を失うことがないマルチトール粉末を得る。 【解決手段】 マルチトール純度85〜99.9重量%
で固形分濃度が70〜90重量%のマルチトール水溶液
から、懸濁結晶量10〜50重量%のマルチトールマス
キットを調製した後に、送風温30〜80℃に調節した
噴霧乾燥機に導入して噴霧乾燥し、水分2〜7重量%の
マルチトール粉末を得、該粉末を温度25〜65℃にて
熟成したのち乾燥する。
Description
及びその製造方法に関するものである。
素化し、粉末化することにより製造される糖アルコール
であり、甘味質が砂糖に近く、甘味度も他の糖アルコー
ルに比較して砂糖に近く、口内細菌により資化されにく
いので虫歯の原因にならず、ヒトの消化酵素では消化さ
れにくいなどの特徴があるため、糖尿病患者、肥満や虫
歯を予防したいと考えている人々に広く利用されてい
る。
マルチトール粉末は、非吸湿性、熱などに対する安定
性、インシュリン分泌を促さないことや各種ミネラルの
吸収に好ましい影響を与えることなど、各種の有用な機
能を有するので、前記の特殊な用途に止まらず、一般の
食品や医薬品、化粧品の材料等としても広く利用されつ
つある。
蜜法、ブロック粉砕法、ニーダー法などに依って製造さ
れているが、このような方法により製造したマルチトー
ル粉末は流動性が低いという課題がある。
り、自動化された機械で扱うことが困難であるなどの不
都合があり、また、卓上甘味料などの高い流動性が要求
される用途には使いにくいという課題もあった。
レー法やその類似技術によるマルチトール粉末の製造法
も提案されている。
開昭51−32745号公報に紹介されている方法や、
特開昭57−134498号公報に紹介されている方法
がある。この中、特開昭51−32745号公報に紹介
されている方法は、無水まで濃縮した液状マルチトール
を噴霧機により、保温雰囲気中に噴出造粒し、固化させ
ることなく冷却撹拌する被覆物質微粉末上に落下混合を
させて、該マルチトール粒子表面に、被覆微粉末を吸着
させて固化固定する方法である。
紹介されている方法は、例えば、組成がソルビトール
0.8%、マルチトール92.2%、マルトトリイトー
ル4.6%、マルトテトライトール以上のデキストリン
アルコール2.4%からなるマルチトール溶液を80%
に濃縮した後、助晶缶にとり、無水結晶マルチトール含
有含蜜結晶粉末2%を加えて、50℃からゆっくり撹拌
しつつ徐冷し、晶出率35%のマスキットを得、高圧ポ
ンプにて150kg/cm2の圧にて1.5mm口径ノズルより
乾燥塔上より噴霧し、これと同時に、85℃の熱風を乾
燥塔の上部より送風して底部に設けた移送用金網コンベ
ア上に捕集し、コンベアの下より40℃の温風を送りつ
つ移動金網コンベア上に捕集した結晶粉末を乾燥塔外に
徐々に移動させ、40分を要して取り出す。次に、この
取り出した結晶粉末を熟成塔に充填して10時間熟成さ
せ、結晶化と乾燥を完了させ、無水結晶マルチトール含
有含蜜結晶粉末を収率92%で得るという方法である。
なければならない課題が多く残されていたのである。
方法には、得られる粉末が最初は良好な流動性を示す
が、粉末が結晶質ではなく、ガラス状で極めて吸湿性の
高い粉末であるため、直に吸湿して徐々に流動性を失
い、他の物理的な性質も次第に変化してしまうので実用
に適さないという課題があった。
紹介されている方法では、濃度80%に濃縮した後2%
の種結晶を加えて温度50℃から徐冷して晶出率35%
のマスキットを調製するので、マスキット中の結晶粒子
が大きくなりがちで適切な粘度のマスキットが得られな
い場合があること、従って、安定的に噴霧乾燥操作を続
けることが困難になること、また、良好な状態のマスキ
ットが得にくいので得られる粉末の熟成に長時間を要す
る場合が多く、結晶化度の低い製品が生成しがちである
こと等の課題が残されていた。
粉末の製造、中でも噴霧乾燥法による製造は、他の糖類
や糖アルコール類に比べて困難であり、何れも適切な条
件で行われておらず、従って、連続的な製造が出来なか
ったり、その方法によって得られた製品の性質に課題が
残されていたりして、それらの方法により得られる製品
が市場に出ることは無かったので、前述の課題を解決す
ることが望まれていたのである。
め、鋭意検討した結果、従来より流通しているマルチト
ール粉末の製造方法によると個々の粉末の粒子が鋭角端
の多い不定形であることが流動性に関与していることに
着目し、更に、マルチトール粉末の製造方法の中でも噴
霧乾燥法による製造技術において、最も大切な技術が良
好な状態のマスキットを調製する方法にあることを見出
し、その調製方法を厳しく限定したのち水分が残った状
態まで噴霧乾燥して熟成させることにより、物理的性質
の安定した流動性の高いマルチトール粉末を製造するこ
とに成功し、本発明を完成するに至った。
記の通りである。
は、温度25℃、湿度50%の雰囲気下で2日間保存し
たのちに、粒径が20〜50メッシュの粉末の安息角が
25〜37°の性質を示す流動性の高いマルチトール粉
末である。
明は、1)マルチトール純度85〜99.9重量%で固
形分濃度が70〜90重量%のマルチトール水溶液か
ら、懸濁結晶量10〜50重量%のマルチトールマスキ
ットを調製する第一工程、2)第一工程で得られたマル
チトールマスキットを送風温30〜80℃に調節した噴
霧乾燥機に導入して噴霧乾燥し、水分2〜7重量%のマ
ルチトール粉末を得る第二工程、3)第二工程で得られ
た粉末を温度25〜65℃にて熟成したのち乾燥する第
三工程、の3工程を逐次的に経由することにより製造さ
れた流動性の高いマルチトール粉末である。
の本発明は、1)マルチトール純度85〜99.9重量
%で固形分濃度が70〜90重量%のマルチトール水溶
液から、懸濁結晶量10〜50重量%のマルチトールマ
スキットを調製する第一工程、2)第一工程で得られた
マルチトールマスキットを送風温30〜80℃に調節し
た噴霧乾燥機に導入して噴霧乾燥し、水分2〜7重量%
のマルチトール粉末を得る第二工程、3)第二工程で得
られた粉末を温度25〜65℃にて熟成したのち乾燥す
る第三工程、の3工程を逐次的に経由することにより製
造され、温度25℃、湿度50%の雰囲気下で2日間保
存したのちに、粒径が20〜50メッシュの粉末の安息
角が25〜37°の性質を示す流動性の高いマルチトー
ル粉末である。
ル粉末を製造する方法において、1)マルチトール純度
が85〜99.9重量%で固形分濃度が70〜90重量
%のマルチトール水溶液から、必要に応じて種結晶を加
え、懸濁結晶量10〜50重量%のマルチトールマスキ
ットを調製する第一工程、2)第一工程で得られたマル
チトールマスキットを送風温30〜80℃に調節した噴
霧乾燥機に導入して噴霧乾燥し、水分2〜7重量%のマ
ルチトール粉末を得る第二工程、3)第二工程で得られ
た粉末を温度25〜65℃にて熟成したのち乾燥する第
三工程、の3工程を逐次的に経由することを特徴とする
流動性の高いマルチトール粉末の製造方法である。
チトール純度85〜99.9重量%で固形分濃度が70
〜90重量%のマルチトール水溶液を温度0〜40℃の
範囲まで冷却して過飽和状態にし、撹拌又は揺動等の刺
激を与えて微結晶を生成させることによりマルチトール
マスキットを調製する方法である、前記第二の発明に記
載の流動性の高いマルチトール粉末の製造方法である。
チトール純度85〜99.9重量%で固形分濃度が70
〜90重量%のマルチトール水溶液を温度0〜40℃の
範囲まで冷却して過飽和状態にし、種結晶を添加して撹
拌しながら微結晶を生成させることによりマルチトール
マスキットを調製する方法である、前記第二の発明に記
載の流動性の高いマルチトール粉末の製造方法である。
二工程が連続的な工程である前記第二〜第四の発明の何
れか1つに記載の流動性の高いマルチトール粉末の製造
方法である。
発明の条件のもとで良好な状態のマルチトールマスキッ
トを生成する品質が要求されるが、澱粉液化液を通常の
糖化条件で調製した高純度マルトースを還元して得たマ
ルチトール純度が85〜99.9%で固形分濃度が70
〜90%、更に好ましくは73〜80%、最も好ましく
は75〜78%の水溶液であれば、おおむね本発明に要
求される品質を満足する。
トールやマルトテトライトールが少ない場合にはマルチ
トールの結晶化が阻害されない傾向があるので、結晶化
度が高く、性質の安定な製品を得るためには、マルチト
ール水溶液中の重合度が3や4の成分は少ないほうが好
ましい。
が85%未満の場合には噴霧乾燥後に得られる粉末製品
の性質が不安定な場合が多く、マルチトール水溶液中の
マルチトール純度が99.9%を超える場合には本発明
に係る方法に記載される条件以外でも粉末を調製するこ
とが可能であり、噴霧乾燥後に良好な品質を得られるこ
とが多いが、そのマルチトール純度の高い水溶液を調製
するコストが極めて高くなりがちなので経済的に不利な
場合が多い。
は、配管中を輸送することが可能なマルチトールマスキ
ットを調製し、且つ本発明の条件範囲で噴霧乾燥した場
合に生成する粉末が噴霧乾燥機底部において水分2〜7
%にするうえで、70〜90%の範囲が好ましいが、こ
の固形分濃度が70%未満の場合にはマスキット中の適
切な懸濁結晶量を確保するために強く冷却する必要があ
って経済的に不利であるなどの不都合があり、また、9
0%を超える場合にはマスキットの配管中での輸送やマ
スキットの貯槽での扱い、その貯槽からの輸送が困難に
なることなどの不都合がある。
ットの総重量に対する懸濁している固体結晶の重量の割
合を百分率で表わしたものを指す。
キットを調製する際には、上記に説明した純度のマルチ
トール水溶液を固形分濃度70〜90%に調整した後、
急速に冷却してマルチトールの微細な結晶を生成させる
が、冷却する温度としては0〜45℃、更に好ましくは
5〜40℃が挙げらる。
ルチトール水溶液を揺動したり、撹拌したりすることが
有利であり、更に強く結晶の生成を促進させるために微
細なマルチトール結晶粉末を添加することも有利に採用
することができるが、生成したマスキット中の懸濁結晶
量が多すぎたり、生成した結晶が大きすぎたりした場合
には、マスキットの粘度が高くなって取り扱いが困難に
なることがあるので、その場合にはマルチトール水溶液
や水を加えて懸濁結晶量を調節することも有利に採用す
ることができる。
ルマスキットの懸濁結晶量は、取り扱いが容易であるこ
とと、本発明の効果を得るうえで、つまり、安定な噴霧
乾燥条件を得ることや、品質の安定した粉末製品を得る
ことなどの効果を得るためには、10〜50%が好まし
いが、20〜45%が更に好ましく、35〜40%が最
も好ましい。
ールマスキットは、本発明に係る第二工程において送風
温30〜80℃の範囲に調節した噴霧乾燥機で水分2〜
7%まで乾燥するが、噴霧乾燥機底部に落下した粉末中
にこの範囲の水分を残すことが、意外なことに、その後
の工程を経て品質の安定な製品を得るうえで極めて重要
である。
未満の場合には十分な乾燥が達成できず、80℃を超え
る場合には乾燥は速やかに進むが噴霧乾燥機の器壁に溶
融状態のマルチトール層が形成されることが多いので好
ましくない。
乾燥機底部に落下した粉末中に殆ど水分を残さず、その
後の熟成工程や乾燥も必要に応じて採用する程度の簡単
な処理にするが、予想外なことに、マルチトールにその
ような従来の方法を適用しても良好な製品が得られな
い。
2%未満である場合は、その後の工程中を経て得られる
流動性の高いマルチトール粉末の結晶化度が低くなる傾
向があり、貯蔵中に粒子の形が変形して流動性が低下し
たり、吸湿性が高くなることがことがあるので良好な品
質の粉末が得られず、水分が7%を超える場合には、第
三工程でベトつきが残るなどのために取り扱いが困難に
なるので好ましくない。
程で得られた粉末を温度25〜65℃の範囲に調整して
熟成したのち乾燥するが、熟成する時の温度が25℃未
満の場合や65℃を超える場合には何れも結晶化が十分
に進行せず、吸湿性などの製品の品質に悪影響を及ぼす
ことが多いので好ましくない。
度や湿度であれば乾燥の方法や条件に格別の制約は無い
が、本発明の製品の優れた性質を確保するためには、ロ
ータリーキルン式や回転釜のような方式の機器で水分を
1%以下にすることが有利に採用できる。
更に具体的に本発明の内容を説明するが、本発明の技術
的範囲は以下の例に制限されるものではない。
い限り重量%を表わすものとする。
%の水溶液を固形分濃度75%に濃縮してから温度10
0℃まで加熱した後、マスキット調製槽に入れて、撹拌
しながら30分間で15℃迄冷却し、マルチトール水溶
液の固形分に対して2%の微細なマルチトール結晶粉末
を添加し、毎分10回転のゆっくりとした速度で5時間
撹拌し、結晶量35%のマスキットを得た。
マスキットを、15℃に保温しながら、直径8mのアト
マイザー式の噴霧乾燥機に導入し、導入する風温を70
℃にして噴霧乾燥して粉末を得た。
の温度は40℃、水分は5%であった。
ンド冷却機に入れ、温度40℃にて5時間熟成させて、
側面の温度を100℃に調節したロータリーキルンタイ
プの乾燥機に1時間滞留させて乾燥し、本発明に係る流
動性の高いマルチトールを得た。
0メッシュの範囲に分級した粉末の安息角は31°であ
った。
水溶液を固形分濃度86%に濃縮してマスキット調製槽
に入れ、毎分10回転の速度で撹拌しながら温度120
℃まで加熱した後、120分間で20℃まで冷却し、マ
ルチトール水溶液の固形分に対して2%の微細なマルチ
トール結晶粉末を添加し、温度を20℃に保持しながら
5時間撹拌を続けた後、濃度50%に調整した実施例1
と同じマルチトール水溶液を加えて全体の濃度が76%
になるように調節し、更に撹拌を5時間続けて結晶量3
7%のマスキットを得た。
マスキットを20℃に保温しながら噴霧乾燥機に導入
し、他の条件は実施例1と同様に噴霧乾燥し、噴霧乾燥
機底部に落下したときに水分4.9%の粉末を得た。
施例1と同様にして熟成、乾燥し、水分0.3%、20
〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息角29°
の、本発明に係る流動性の高いマルチトール粉末を得
た。
水を用いて行った他は実施例2と同様に第一、第二、第
三工程を行い、第一工程後に懸濁結晶量39%のマルチ
トールマスキットを、第二工程で噴霧乾燥機底部に落下
したときに水分4.7%の粉末を、第三工程で水分0.
3%、20〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息
角28°の、本発明に係る流動性の高いマルチトール粉
末をそれぞれ得た。
%の水溶液を固形分濃度78%に濃縮してから温度10
0℃まで加熱した後、マスキット調製槽に入れて、撹拌
しながら30分間で15℃迄冷却し、マルチトール水溶
液の固形分に対して3%の微細なマルチトール結晶粉末
を添加し、毎分10回転のゆっくりとした速度で30時
間撹拌し、結晶量34%のマスキットを得た。
マスキットを、15℃に保温しながら、直径8mのアト
マイザー式の噴霧乾燥機に導入し、導入する風温を70
℃にして噴霧乾燥して粉末を得た。
の温度は40℃、水分は5.1%であった。
ンド冷却機に入れ、温度40℃にて10時間熟成させ
て、側面の温度を95℃に調節したロータリーキルンタ
イプの乾燥機に1時間滞留させて乾燥し、本発明に係る
流動性の高いマルチトールを得た。
0〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息角は33
°であった。
%の水溶液を固形分濃度87%に濃縮してから温度10
0℃まで加熱した後、マスキット調製槽に入れて、撹拌
しながら30分間で15℃迄冷却し、マルチトール水溶
液の固形分に対して3%の微細なマルチトール結晶粉末
を添加し、毎分10回転のゆっくりとした速度で10時
間撹拌しながらマルチトールの微細結晶を析出させ、そ
の後水を加えて全体の固形分濃度が76%になるように
調節して更に10時間撹拌し、結晶量28%のマスキッ
トを得た。
マスキットを、15℃に保温しながら、直径8mのアト
マイザー式の噴霧乾燥機に導入し、導入する風温を70
℃にして噴霧乾燥して粉末を得た。
の温度は40℃、水分は5.0%であった。
ンド冷却機に入れ、温度40℃にて10時間熟成させ
て、側面の温度を95℃に調節したロータリーキルンタ
イプの乾燥機に1時間滞留させて乾燥し、本発明に係る
流動性の高いマルチトールを得た。
0〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息角は32
°であった。
水を用い、各工程への導入と排出の物量をバランスさせ
て、実施例5の条件を連続的に実施して、それぞれ第
一、第二、第三工程を行い、第二工程で噴霧乾燥機底部
に落下したときに水分4.8%の粉末を、第三工程で水
分0.3%、20〜50メッシュの範囲に分級した粉末
の安息角30°の、本発明に係る流動性の高いマルチト
ール粉末をそれぞれ得た。
分濃度88%に濃縮してから温度100℃まで加熱した
後、マスキット調製槽に入れて、撹拌しながら30分間
で15℃迄冷却し、マルチトール水溶液の固形分に対し
て3%の微細なマルチトール結晶粉末を添加し、毎分1
0回転のゆっくりとした速度で10時間撹拌しながらマ
ルチトールの微細結晶を析出させ、その後水を加えて全
体の固形分濃度が76%になるように調節して更に10
時間撹拌し、結晶量5%のマルチトールマスキットを得
た。
マスキットを、15℃に保温しながら、直径8mのアト
マイザー式の噴霧乾燥機に導入し、導入する風温を70
℃にして噴霧乾燥操作を行ったが、乾燥機の器壁にマル
チトールのガラス状粒子が付着してしまい、連続的な操
作は不可能であったため、断続的に操作し、器壁に付着
した粒子を掻き落とし、回収して粉末を得た。
水分は8.0%であった。
ンド冷却機に入れ、温度40℃にて10時間熟成させ
て、側面の温度を95℃に調節したロータリーキルンタ
イプの乾燥機に1時間滞留させて乾燥し、マルチトール
粉末(比較品1)を得た。
0〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息角は43
°であった。
%の水溶液を固形分濃度93%に濃縮してから温度12
0℃まで加熱した後、マスキット調製槽に入れて、撹拌
しながら30分間で20℃迄冷却し、マルチトール水溶
液の固形分に対して2%の微細なマルチトール結晶粉末
を添加し、毎分10回転のゆっくりとした速度で15分
間撹拌したところ、全体が固化してしまい、その後の第
二工程、第三工程の操作が不可能になった。
%の水溶液を固形分濃度65%に濃縮してから温度10
0℃まで加熱した後、マスキット調製槽に入れて、撹拌
しながら30分間で10℃迄冷却し、マルチトール水溶
液の固形分に対して2%の微細なマルチトール結晶粉末
を添加し、毎分10回転のゆっくりとした速度で5時間
撹拌しながらマルチトールの微細結晶を析出させた結
果、結晶量7%のマルチトールマスキットを得た。
マスキットを、10℃に保温しながら、直径8mのアト
マイザー式の噴霧乾燥機に導入し、導入する風温を75
℃にして噴霧乾燥操作を行ったが、乾燥機の器壁にマル
チトールのガラス状粒子が付着してしまい、連続的な操
作は不可能であったため、断続的に操作し、器壁に付着
した粒子を掻き落とし、回収してマルチトール粉末を得
た。
水分は7.6%であった。
ンド冷却機に入れ、温度40℃にて10時間熟成させ
て、側面の温度を95℃に調節したロータリーキルンタ
イプの乾燥機に1時間滞留させて乾燥し、マルチトール
粉末(比較品3)を得た。
0〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息角は39
°であった。
ルマスキットを、風温を85℃、噴霧乾燥機の底部に落
下した粉末の水分0.5%になるように調節して噴霧乾
燥した後、実施例1と同様に熟成、乾燥して、水分0.
1%、20〜50メッシュの範囲に分級した粉末の安息
角が31°のマルチトール粉末を得た(比較品4)。
3、4で得られた比較品の20〜50メッシュに分級し
た粉末を25℃、湿度50%の雰囲気に2日間保存した
後安息角を測定した結果を、表1に示す。
性の高いマルチトール粉末は、粒径が20〜50メッシ
ュの粉末の安息角で表わせば、25〜37°の範囲にな
る性質を有するが、このように高い流動性と低い吸湿性
を有することにより、粉末の輸送や自動化が容易にな
り、従来用いることの困難であった卓上甘味料等の用途
にも採用可能である。
法であって、繁雑な工程の追加などが無いので経済的に
優れた方法を提供するものであり、本発明を実施するこ
とにより、微細なマルチトール結晶が懸濁した取り扱い
の容易なマルチトールマスキットを調製することが可能
になり、その結果、輸送や操作中にマスキットが固化す
ることなく、効率が高く連続的な噴霧乾燥操作を安定的
に実施することが可能になり、また、本発明に係る噴霧
乾燥操作と熟成、乾燥操作によって得られる製品の品質
についても、結晶化度が高いことから、低い吸湿性が得
られ、その結果、保存後も流動性を失うことが無いとい
う優れた性質を持っている。
Claims (6)
- 【請求項1】 温度25℃、湿度50%の雰囲気下で2
日間保存したのちに、粒径が20〜50メッシュの粉末
の安息角が25〜37°の性質を示す流動性の高いマル
チトール粉末。 - 【請求項2】 1)マルチトール純度85〜99.9重
量%で固形分濃度が70〜90重量%のマルチトール水
溶液から、懸濁結晶量10〜50重量%のマルチトール
マスキットを調製する第一工程、 2)第一工程で得られたマルチトールマスキットを送風
温30〜80℃に調節した噴霧乾燥機に導入して噴霧乾
燥し、水分2〜7重量%のマルチトール粉末を得る第二
工程、 3)第二工程で得られた粉末を温度25〜65℃にて熟
成したのち乾燥する第三工程、の3工程を逐次的に経由
することにより製造された、流動性の高いマルチトール
粉末。 - 【請求項3】 流動性の高いマルチトール粉末を製造す
る方法において、 1)マルチトール純度が85〜99.9重量%で固形分
濃度が70〜90重量%のマルチトール水溶液から、懸
濁結晶量10〜50重量%のマルチトールマスキットを
調製する第一工程、 2)第一工程で得られたマルチトールマスキットを送風
温30〜80℃に調節した噴霧乾燥機に導入して噴霧乾
燥し、水分2〜7重量%のマルチトール粉末を得る第二
工程、 3)第二工程で得られた粉末を温度25〜65℃にて熟
成したのち乾燥する第三工程、の3工程を逐次的に経由
することを特徴とする流動性の高いマルチトール粉末の
製造方法。 - 【請求項4】 第一工程が、マルチトール純度85〜9
9.9重量%で固形分濃度が70〜90重量%のマルチ
トール水溶液を温度0〜40℃の範囲まで冷却して過飽
和状態にし、撹拌又は揺動等の刺激を与えて微結晶を生
成させることによりマルチトールマスキットを調製する
方法である、請求項3記載の流動性の高いマルチトール
粉末の製造方法。 - 【請求項5】 第一工程が、マルチトール純度85〜9
9.9重量%で固形分濃度が70〜90重量%のマルチ
トール水溶液を温度0〜40℃の範囲まで冷却して過飽
和状態にし、種結晶を添加して撹拌しながら微結晶を生
成させることによりマルチトールマスキットを調製する
方法である、請求項3記載の流動性の高いマルチトール
粉末の製造方法。 - 【請求項6】 第一工程および第二工程が連続的な工程
である請求項3〜5の何れか一つに記載の流動性の高い
マルチトール粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29731795A JP3955087B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 流動性の高いマルチトール粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29731795A JP3955087B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 流動性の高いマルチトール粉末及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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