JPH09110474A - 紫外線遮蔽ガラス及びその製法 - Google Patents

紫外線遮蔽ガラス及びその製法

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JPH09110474A
JPH09110474A JP27434595A JP27434595A JPH09110474A JP H09110474 A JPH09110474 A JP H09110474A JP 27434595 A JP27434595 A JP 27434595A JP 27434595 A JP27434595 A JP 27434595A JP H09110474 A JPH09110474 A JP H09110474A
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JP
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film
layer
glass
thin film
ultraviolet
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JP27434595A
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English (en)
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Takeshi Kondo
剛 近藤
Takako Honda
貴子 本田
Akira Sakata
昭 坂田
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニュ−トラル系色調の2層膜で優れた紫外線
遮蔽性能並びに断熱性能や電波透過性能等の機能性、耐
摩耗性と耐薬品性をもたしめ、建築用や自動車用窓材と
して各種部署に適用できる膜付きガラスを得る。 【解決手段】 ガラス基板表面に、第1層目として屈折
率n1が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t1が600nm 以下であるZnO-
SiO2系薄膜を形成し、該第1層目上に第2層目として屈
折率n2が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t2が300nm 以下であるTi
O2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜を被覆積層する
ことで成る紫外線遮蔽ガラス。及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に紫外線遮蔽性
能を有し、断熱や電波透過性等各種の機能性を適宜有す
る基本的に2層膜でなる紫外線遮蔽ガラス及びその製法
に関する。
【0002】本発明は建築用ガラスはもちろん自動車用
ガラスとしても少なくとも単板で使用できる等有用な紫
外線遮蔽ガラス及びその製法を提供するものである。
【0003】
【従来の技術】近年、建築用ガラスにおけるクリアや着
色、断熱や紫外線遮断および電波透過等の機能付与はも
ちろん、車輌用ガラスにおいても車内に通入する太陽輻
射エネルギーを遮蔽し、車内の温度上昇、冷房負荷を低
減させる目的から熱線遮蔽ガラス、さらに人的物的両面
や環境に優しくするため紫外線遮蔽を付加したものが採
用されている。
【0004】また最近は特に自動車用窓ガラスにおい
て、淡いグリーン色調で高熱線紫外線遮蔽性能や高可視
光透過率等に加えて、各種電波の高透過性能が要求され
るようになってきており、なかでも微粒子あるいは超微
粒子を単板ガラスのコーテイング層に分散したようなも
の並びにそれに係わるものとしては次のようなものが知
られている。
【0005】例えば特開平1-245201号公報には、紫外線
カットフィルタが記載されており、透明基材の少なくと
も片面に、酸化亜鉛からなる薄膜が設けられていること
が記載されている。
【0006】また例えば、特開平2-75683 号公報には、
紫外線及び赤外線吸収剤及びその処理方法が記載されて
おり、0.01μm 〜1μm の白色または淡色系の金属酸化
物微粒子を高分子材料含有溶液中に分散せしめたガラス
用紫外線及び赤外線吸収剤が開示されており、金属酸化
物微粒子がZnO2およびTiO2の1種または2種の単体、ま
たはこれらを含む化合物、例えばZn2SiO4 からなる紫外
線吸収剤であることが記載されている。
【0007】また例えば、特開平4-182327号公報には、
表面処理ガラス及びその製造方法が記載されており、基
体上にZnO を含有した膜厚0.5 μm 以上の紫外線吸収膜
が設けられた表面処理ガラス、ならびに焼成によりZnO
になりうる原料を含む液体をガラス基板上に塗布し、こ
れを焼成すると同時に該ガラス基板に強化かつ/又は曲
げ加工を施す表面処理ガラスの製造方法が開示されてい
る。
【0008】なかでも、基体がNa+ を含有するガラス、
紫外線吸収膜のアンダ−コ−トあるいはオ−バ−コ−ト
膜として金属酸化物膜を形成すること、前記表面処理ガ
ラスを用いた自動車用窓ガラス、ならびにコ−ト膜の組
成としてはZnO の超微粒子をシリコ−ン系の無機バイン
ダ−で保持した膜が厚膜組成として用いられることが開
示されている。
【0009】また例えば、特開平5-339033号公報には、
紫外線遮断ガラスの製造方法、自動車用窓ガラス及び建
築用窓ガラスが記載されており、粒径が0.1 μm 以下の
酸化亜鉛微粉末を、オルガノポリシロキサン溶液にSiO2
/ZnO=0.25〜0.67( 重量比)の割合となるよう混合し、
酸化亜鉛微粉末を分散させて得られた液を板ガラスに乾
燥時膜厚で0.2 〜1.5 μm の厚さになるように塗布し、
その後この板ガラスを580 〜700 ℃で焼成することが開
示されている。
【0010】また例えば、特開平5-345642号公報には、
紫外線遮蔽ガラスが記載されており、ガラスの両面又は
片面に酸化亜鉛からなる紫外線遮蔽膜が形成され、該紫
外線遮蔽膜の上にポリカルボシラン又はポリメタロカル
ボシランの有機溶媒溶液が塗布され、さらに焼成されて
なる保護膜が形成されたことが開示されている。
【0011】さらに例えば、本出願人が既に出願提案し
た特開平5-147978号公報では、ガラス上に紫外線吸収膜
を設け、外部被覆として酸化物被膜を有する紫外線吸収
ガラスを開示し、紫外線吸収膜が少なくとも酸化亜鉛を
含むこと、外部被覆が少なくともシリコン、ジルコニウ
ムまたはチタンの1種以上の酸化物よりなるものである
ことを記載している。
【0012】さらに例えば、本出願人が既に出願提案し
た特開平5-163174号公報では、ガラスが強化および/ま
たは曲げ加工される車両用紫外線遮断ガラスにおいて、
ガラス上に紫外線吸収膜が少なくとも1層以上形成さ
れ、外部にシリコンを含有する層が形成されている車両
用紫外線遮断ガラスを開示し、シリコンを含有する層
は、少なくともCH3-Si結合を有する化合物および/また
はSi-N結合を有する化合物を塗布して形成することを記
載している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したような、例え
ば特開平1-245201号公報に記載の紫外線カットフィルタ
ならびに特開平2-75683 号公報に記載の紫外線及び赤外
線吸収剤及びその処理方法は、紫外線カット性能は優れ
ているものの、酸やアルカリ等に対する耐薬品性が劣
り、屋外での使用には耐久性に問題があり、特に自動車
用窓ガラスでは耐摩耗性も劣ることとなって使用するま
でには到らないものである。。
【0014】また、例えば特開平4-182327号公報に記載
の表面処理ガラス及びその製造方法は、実施例からも明
らかなように、紫外線吸収能、耐摩耗性、耐酸性ならび
に耐アルカリ性を満足するものはZnO 薄膜の膜厚が1.5
μm の場合アンダ−コ−トとオ−バ−コ−トが必要であ
り、またはZnO 薄膜の膜厚が2.5 μm の場合オ−バ−コ
−トが必要である等、仮にZnO の超微粒子をシリコ−ン
系の無機バインダ−で保持した膜が厚膜組成として用い
られ、その上にSiO2/ZrO2を膜厚0.1 μm で単にオ−バ
−コ−トしたとしても、実際の自動車用窓ガラスの量産
における製造工程では、例えば曲率の変化、干渉色調の
有無、微細クラックの発生やヘイズ値の変化や耐摩耗性
の変化等の問題が実質的に残るものである。
【0015】また、例えば特開平5-339033号公報に記載
の紫外線遮断ガラスの製造方法、自動車用窓ガラス及び
建築用窓ガラスは、自動車用窓ガラスとしては従来ZnO
薄膜のみより改良された紫外線遮断膜となっているもの
の、該紫外線遮断膜の単層膜では実用的には膜厚も特定
した範囲の中でもどちらかと言えば厚膜の方にする必要
があり、より厳しい環境での使用にも耐えうるためには
例えば微細なクラックの発生を抑制するように、より薄
膜化するなかで耐摩耗性や耐薬品性を向上する手段を必
要とするものである。
【0016】また、例えば特開平5-345642号公報に記載
の紫外線遮蔽ガラスは、例えば膜厚0.5 〜5.0 μm の従
来のZnO 膜に保護膜を形成しただけであって、確かに保
護膜により従来ZnO 薄膜のみより耐水性、耐酸性、耐候
性に優れ、耐久性が改良されているものの、従来のZnO
膜を用いるかぎり、より厳しい環境でのより長期的な使
用にも耐えうるものとは言い難いものである。
【0017】さらに、例えば本出願人が既に出願提案し
た特開平5-147978号公報に記載の紫外線吸収ガラスで
は、保護膜を設け、表面特性を機械的および化学的によ
り改善したものの、自動車用窓ガラスとしてより厳しい
環境でのより長期的な使用に充分耐えうるものとは言い
難い。
【0018】またさらに、例えば本出願人が既に出願提
案した特開平5-163174号公報に記載の車両用紫外線遮断
ガラスでは、保護膜をより強力なものとし得たものの、
コスト的には必ずしも安価なものではなく、しかも最近
の自動車用窓ガラスのニ−ズを量産において充分にクリ
アし得たものとは言い難いところもあり、より厳しい環
境でのより長期的な使用に充分耐えうるものを安価に提
供できるようにすることができればということで待たれ
るものであった。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のこのよ
うな課題に鑑みてなしたものであり、特定した屈折率で
かつ特定した膜厚の特定成分でなる紫外線吸収膜と、特
定した屈折率でかつ特定した膜厚の特定成分でなる保護
膜とを、少なくとも2層に積層してなる紫外線遮蔽ガラ
ス、ならびにその製法を提供することにより、断熱性能
や紫外線遮断性能や電波透過性能等の機能特性を付与
し、しかも着色の色調の制御および透視性の確保や反射
性とぎらつき感の防止をバランスよくもたらしめ、かつ
優れた品質を得るようにでき、各種熱処理工程で焼成で
きる等安価にかつ容易にしかもガラスの大きさや形態に
自由自在に対応でき、耐摩耗性や耐薬品性に優れる等耐
久性を発揮し、膜色調をニュ−トラル色調とできてガラ
ス基板の色調をそのまま活かし得ることができる等、建
築用窓材はもちろん自動車用窓材にも充分適用でき、最
近のニーズに最適なものとなる有用な紫外線遮蔽ガラス
及びその製法を提供するものである。
【0020】すなわち、本発明は、ガラス基板表面に、
第1層目として屈折率n1が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t1が60
0nm 以下であるZnO-SiO2系薄膜を形成し、該第1層目上
に第2層目として屈折率n2が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t2
300nm 以下であるTiO2-SiO2系薄膜またはZrO2-SiO2
薄膜を被覆積層することで成ることを特徴とする紫外線
遮蔽ガラス。
【0021】ならびに、前記紫外線遮蔽ガラスにおい
て、該ガラスの可視光透過率Tvが65%以上、紫外線透過
率Tuv が14%以下ならびに反射刺激純度Peが8%以下で
あることを特徴とする上述した紫外線遮蔽ガラス。
【0022】また、前記膜厚としては、第1層目が300
〜600nm 、第2層目が100 〜300nmであることを特徴と
する上述した紫外線遮蔽ガラス。さらに、前記屈折率と
しては、第1層目の屈折率n1ならびに第2層目の屈折率
n2の両者とも1.68〜1.72もしくは1.56〜1.60であること
を特徴とする上述した紫外線遮蔽ガラス。
【0023】さらにまた、テ−バ−摩耗性試験に対し
て、前記積層薄膜におけるヘイズ値の変化が5%以下で
あることを特徴とする上述した紫外線遮蔽ガラス。なら
びに、ガラス基板表面に、第1層目として屈折率n1が1.
5 〜1.8 でかつ膜厚t1が600nm 以下であるZnO-SiO2系薄
膜溶液を塗布して被膜し、該第1層目上に第2層目とし
て屈折率n2が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t2が300nm 以下であ
るTiO2-SiO 2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜溶液を塗布
して被膜し順次積層した後、500 〜700 ℃で1〜30分間
の焼成をすることを特徴とする紫外線遮蔽ガラスの製
法。
【0024】さらにまた、前記ZnO-SiO2系薄膜溶液とし
ては、酸化亜鉛微粒子含有シリカバインダ−を主成分と
した溶液であることを特徴とする上述した紫外線吸収膜
の製造法。
【0025】さらに、前記溶液を塗布する方法として
は、ディッピング法、スピンコ−ト法、リバ−スコ−ト
法あるいはフレキソ印刷法で行うことを特徴とする上述
した紫外線遮蔽ガラスの製法。
【0026】またさらに、前記被膜の際における乾燥処
理として、乾燥温度が常温〜300 ℃で乾燥時間が10〜60
分間行うことを特徴とする上述した紫外線遮蔽ガラスの
製法。
【0027】さらにまた、前記乾燥温度が200 〜300 ℃
で乾燥時間が10〜60分間行うことを特徴とする上述した
紫外線遮蔽ガラスの製法。また、前記積層薄膜の焼成と
して、前記ガラスの熱強化または/および熱曲げ加工時
に同時に行うことを特徴とする上述した紫外線遮蔽ガラ
スの製法。
【0028】さらに、前記ガラスの熱強化または/およ
び熱曲げ加工は、温度が600 〜700℃で時間が1.5 〜6
分間行うことを特徴とする上述した紫外線遮蔽ガラスの
製法をそれぞれ提供するものである
【0029】
【発明の実施の形態】ここで、前記したように、ガラス
基板表面に、第1層目として屈折率n1が1.5〜1.8 でか
つ膜厚t1が600nm 以下であるZnO-SiO2系薄膜を形成し、
該第1層目上に第2層目として屈折率n2が1.5 〜1.8 で
かつ膜厚t2が300nm 以下であるTiO2-SiO2 系薄膜または
ZrO2-SiO2 系薄膜を被覆積層することで成る紫外線遮蔽
ガラスを実施するにあたっては次のようにする。
【0030】先ず、ガラス基板としては、自動車用なら
びに建築用ガラスに通常用いられているソーダライムシ
リケートガラスからなる普通板ガラス、所謂フロート板
ガラスなどであり、クリアをはじめグリ−ン、ブロンズ
等各種着色ガラスや各種機能性ガラス、強化ガラスやそ
れに類するガラス、合せガラスのほか複層ガラス等、さ
らに平板あるいは曲げ板等各種板ガラス製品として使用
できることは言うまでもない。また板厚としては例えば
約1.0mm 程度以上約12mm程度以下であり、建築用として
は約2.0mm 程度以上約10mm程度以下が好ましく、自動車
用としては約1.5mm 程度以上約6.0mm 程度以下が好まし
く、より好ましくは約2.0mm 程度以上約4.0mm 程度以下
のガラスである。
【0031】また、該ガラス基板表面に、第1層目とし
て屈折率n1が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t1が600nm 以下であ
るZnO-SiO2系薄膜を形成し、該第1層目上に第2層目と
して屈折率n2が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t2が300nm 以下で
あるTiO2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜を被覆積
層することで成るものとしたのは、先ず第1層目のZnO-
SiO2系薄膜については、薄膜として反射の光彩色がな
く、反射干渉色が発現し難く、反射刺激純度が8%程度
以下であって基本的にニュ−トラル色調であり、優れた
紫外線吸収性能ならびに膜強度および耐薬品性の向上等
から屈折率n1が1.5 〜1.8 の範囲でかつ膜厚t1が600nm
以下であるZnO-SiO2系薄膜を選択したものであり、ZnO-
SiO2系薄膜におけるZnO 成分とSiO2成分の割合として
は、めざす紫外線吸収性能、屈折率を主としてガラス基
板と上層膜との密着性等によって、例えばZnO-SiO2系薄
膜の屈折率n1が熱曲げ強化後に1.62とする場合は、ZnO
が70重量%、SiO2が30重量% となるように適宜調整す
るものである。ことに膜厚としては300 〜600nm が好ま
しいものである。
【0032】ZnO-SiO2系薄膜になりうる溶液としては、
安定性から例えば酸化亜鉛微粒子含有シリカバインダ−
を主成分とした溶液、ならびに該溶液に類する溶液であ
り、具体的には住友大阪セメント(株)製等のものであ
る。さらにZnO 成分とSiO2成分として各種無機質または
/および有機質から選択し適宜組み合わせてなる溶液で
ある。
【0033】次いで、第2層目のTiO2-SiO2 系薄膜また
はZrO2-SiO2 系薄膜については、下層のZnO-SiO2系薄膜
と馴染みがよく膜硬度や強度を向上し、積層膜全体とし
ても反射の光彩色がなく、反射干渉色が発現し難く、反
射刺激純度が8%程度以下で基本的にニュ−トラルな透
過および反射の色調を有した紫外線吸収膜となり、下地
層の優れた紫外線吸収性能を損なうことなく、耐擦傷
性、耐摩耗性ならびに耐薬品性を充分有するものとな
し、ことにSiO2薄膜より耐薬品性に優れ特に自動車用窓
ガラス等に採用しうるものを安価で簡便かつ確実に得る
ことができる屈折率n2が1.5 〜1.8 の範囲でかつ膜厚t1
が300nm 以下であるTiO2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2
系薄膜をZnO-SiO2系薄膜の保護膜として選択したもので
ある。TiO2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜におけ
るTiO2成分とSiO2成分との割合またはZrO2成分とSiO2
分との割合としては、めざす屈折率を主として下層膜と
の密着性と保護性等によって、例えばTiO2-SiO2 系薄膜
の屈折率n2が熱曲げ強化後に1.60とする場合には、TiO2
が25mol%、SiO2が75mol%となるように適宜調整するも
のである。ことに膜厚としては100 〜300nm が好ましい
ものである。
【0034】特に前記屈折率としては、第1層目の屈折
率n1ならびに第2層目の屈折率n2の両者とも1.68〜1.72
もしくは1.56〜1.60であることが上記した反射の光彩色
がなく、反射干渉色が発現し難くニュ−トラル色調をう
る際により好ましいものである。また特に自動車用窓ガ
ラスにおける全積層薄膜の膜厚としては、必要な耐久性
や膜硬度をもたしめるには1μm程度以下とすることが
好ましい。
【0035】TiO2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜
になりうる溶液としては、安定性から例えば大八化学工
業(株)製MTS-2Ti やMTS-Ti3 、日板研究所製 ZR-20等
のものである。さらにTiO2またはZrO2成分とSiO2成分と
して各種無機質または/および有機質から選択し適宜組
み合わせてなる溶液である。
【0036】また、成膜法としては特に限定されるもの
ではないが、生産性などの面からは例えばディッピング
法、スピンコート法、リバ−スコ−ト法、ロールコート
法、ノズルコ−ト法、スプレー法、スクリーン印刷法、
フレキソ印刷法等が最適であり適宜採用しうるものであ
る。
【0037】さらにまた、前記溶液を塗布するスピンコ
−ト法としては、固形分濃度5〜10%で粘度が1〜5cP
程度である溶液を用い、30〜60rpm で回転させながら、
ノズルから50〜150ml /m2の前記溶液をガラス基板中央
に供給し、80〜200rpmで回転して余分の該溶液を振り落
とすようにして成膜するものである。
【0038】さらにまた、前記溶液を塗布するリバ−ス
コ−ト法としては、固形分濃度5〜10%で粘度が10〜21
cP程度である溶液を循環させながら、逆回転する転写ロ
−ラ−にガラス基板を搬送速度3〜5m/分で通すこと
により一定の膜厚を成膜するものである。
【0039】さらにまた、前記溶液を塗布するフレキソ
印刷法としては、固形分濃度20〜40wt%で粘度20〜100c
P 程度である溶液を用い、ドクタ−ロ−ルとアニックス
ロ−ルによりグラビアロ−ルに供給しながらグラビアロ
−ルでガラス基板を10〜50m/min で搬送しつつ前記溶
液を塗布することにより成膜するものである。
【0040】さらにまた、前記溶液を塗布するディッピ
ング法としては、ガラス基板の片面をマスキングし、該
マスク付きガラス基板を固形分濃度10〜20%で粘度が1
〜10cPある前記溶液に浸漬した後、引き上げ速度が2〜
8mm/sec で該ガラス基板を引き上げ成膜するものであ
る。
【0041】さらにまた、前記溶液に用いる希釈溶媒と
しては、スピンコ−ト法ならびにディッピング法では酢
酸イソブチルとノルマルブタノ−ルの混合溶媒を主成分
とする溶媒であり、リバ−スコ−ト法ならびにフレキソ
印刷法ではヘキシレングリコ−ルを主成分とする溶媒、
あるいはポリエチレングリコール(平均分子量200)、
ポリプロピレングリコ−ル(平均分子量400)等である
ことが成膜性ならびに生産性に優れたものとなる。
【0042】また、前記紫外線遮蔽ガラスとしては、該
ガラスの可視光透過率Tvが65%以上、紫外線透過率Tuv
が14%以下ならびに刺激純度Peが8%以下であること、
ならびにテ−バ−摩耗性試験に対して、前記積層薄膜に
おけるヘイズ値の変化が5%以下であることが好まし
く、ことに自動車用窓ガラスとして採用できるものとな
る。
【0043】またさらに、前記被膜の際における乾燥処
理として、乾燥温度が常温〜300 ℃で乾燥時間が10〜60
分間行うことがよく、より好ましくは前記乾燥温度が20
0 〜300 ℃で乾燥時間が10〜60分間行うことであり、な
かでも乾燥温度が250 ℃前後で乾燥時間が10〜20分間程
度行うことがことに好ましいものである。
【0044】また、前記積層薄膜の焼成として、500乃
至700℃で1乃至30分間行うことがよく、さらに前記ガ
ラスの熱強化または/および熱曲げ加工時に同時に行う
ことがよりよく、前記ガラスの熱強化または/および熱
曲げ加工は、温度が600 〜700℃で時間が1.5 〜6分間
行うことがより好ましく、温度が600 ℃以上で時間が2
分間以上であれば、テ−バ−摩耗性試験(JIS R 3221)
で積層薄膜のヘイズ値の変化を5%以下にすることがで
きる。
【0045】さらにまた、例えば前記被膜の際における
第一焼成処理として400乃至550℃程度の温度で5乃至60
分間、より好ましくは第一焼成処理として500℃前後の
温度で10乃至20分間行い、次いでさらに550℃以上で1分
間以上行う等の2段階焼成方式でもよいことは言うまで
もない。
【0046】前述したとおり、本発明の紫外線遮蔽ガラ
ス及びその製法は、特定した屈折率と膜厚のZnO-SiO2
薄膜である紫外線遮蔽膜と、該膜の上に特定した屈折率
と膜厚のTiO2-SiO2 系薄膜もしくはZrO2-SiO2 系薄膜で
ある保護膜を被覆積層してなるものとその製法としたこ
とにより、積層膜自身がガラス基板の色調に与える影響
を少なくできるニュ−トラル色調となり、しかも格段に
優れた紫外線(UV)吸収性能を活かしめることができ、
さらに耐摩耗性や耐薬品性等耐久性も優れるものとなす
ことができ、またさらに先塗り後の熱強化または/およ
び熱曲げ処理で成膜仕上げができるため、工程上の簡素
化ガ図れかつ歩留りの向上をもたらすことができる。
【0047】さらに、冷暖房効果を高め居住性を向上せ
しめるような優れた日射透過率、環境や人に優しくなる
格段の紫外線遮断等を有するとともに、比較的高い可視
光線透過率を有するものとすることができ、加えてAM電
波、FM電波TV電波帯等の放送における受信障害などの影
響をなくすることができ、通常のフロ−トガラス並の電
波透過性能であることから、車輌用のテレビ、ラジオ、
携帯電話等のためのガラスアンテナの受信性能を低下さ
せることなく、あるいはゴ−スト現象等の電波障害を低
減することができ、本来のガラスアンテナ性能を発揮さ
せ、車輌内外での快適な環境を確保することができるこ
ととなり、建築用窓材としてはもちろん、特に自動車用
窓材、例えばフロントウインドー、リヤウインドーある
いはサイドウインドーまたはサンルーフ等に充分適用で
き、最近のニーズに最適なものとなる有用な紫外線遮蔽
ガラス及びその製法を提供するものである。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0049】実施例1 厚さ5mmの着色フロ−トガラス(ブロンズガラス)基板
上に酸化亜鉛微粒子含有シリカバインダ−〔ZnO /SiO2
=70/30重量比;ZnO 平均粒径約2〜4nm:住友大阪セ
メント(株)製〕を固形分濃度約6.7 重量%になるよう
酢酸イソブチルなどのエステル化合物とブタノ−ルなど
の高沸点アルコ−ル化合物との混合溶剤を希釈溶剤とし
て希釈することで粘度が1.3cP である紫外線吸収膜用コ
−ティング溶液とし、スピンコ−ト法により前記ガラス
基板を30〜60rpm で適宜調整しつつ回転させながらノズ
ルから50〜150ml /m2の該紫外線吸収膜用コ−ティング
溶液を該ガラス基板中央部に供給して塗布し、さらに80
〜200rpmに適宜調整回転させて余分の該コ−ティング溶
液を振り落とし塗膜を平滑化と固定化した後、約200 ℃
で約30分間乾燥させて第1層膜とした。
【0050】該第1層膜の屈折率を自動エリブソメトリ
−(溝尻光学工業所製)で測定したところ屈折率n1=1.
66で、膜厚を触針式膜厚測定機(DekTak3030;Sloan 社
製)で測定したところ膜厚t1=355nm のZnO-SiO2系薄膜
であった。
【0051】続いて、第1層薄膜の上に、TiO2-SiO2
薄膜用溶液〔大八化学工業(株)製,MTS-2Ti )を酢酸
イソブチルなどのエステル化合物とブタノ−ルなどの高
沸点アルコ−ル化合物との混合溶剤を希釈溶剤として希
釈することで粘度が3.2cP である保護膜用コ−ティング
溶液とし、スピンコ−ト法により前記膜付きガラス基板
を30〜60rpm で適宜調整しつつ回転させながらノズルか
ら50〜150ml /m2の該保護膜用コ−ティング溶液を該ガ
ラス基板中央部に供給して塗布し、さらに80〜200rpmに
適宜調整回転させて余分の該コ−ティング溶液を振り落
とし塗膜を平滑化と固定化した後、約200 ℃で約30分間
乾燥させて第2層膜とした。
【0052】該第2層膜の屈折率と膜厚を第1層膜と同
様に測定したところ、屈折率n2=1.60で、膜厚t2=110n
m のTiO2-SiO2 系薄膜であった。次に、約620 ℃の電気
炉で約5分間程度焼成した後、風冷強化した。
【0053】得られた2層膜付きガラスについて下記の
ような各項を評価した。 〔光学特性〕:分光光度計(U 4000型、日立製作所製)
で波長340 〜1800nmの間の透過率を測定し、JIS Z 8722
及びJIS R 3106又はJIS Z 8701によって可視光透過率Tv
(%)(380〜780nm)、日射透過率Ts(%)(340〜1800n
m) 、ISO 9050によって紫外線透過率Tuv(%)(282.5〜3
77.5nm)、刺激純度(%)、色調等を求めた。 〔くもり度〕:ヘイズ値HをJIS K6714 に準拠して行い
求めた。建築用としては3%以下、自動車用としては1
%以下を合格とした。 〔電波透過性〕:KEC 法測定(電界シールド効果測定
器)によって、電波10〜1000MHzの範囲の反射損失値(d
B)を通常の板厚3mm のクリアガラス(FL3t)単板品と対
比。その差の絶対値(△dB)が2dB以内を合格とした。 〔耐薬品性〕:耐酸性:1N塩酸に室温下で6時間浸
漬。
【0054】耐アルカリ:1N苛性ソーダ水溶液に室温
下で6時間浸漬。各後において外観目視による評価なら
びに370nm での透過率変化を調べ異常がないものを合格
とした。 〔耐熱性〕: 100 ℃の煮沸水中にて6時間程度煮沸し
た後、周辺10mmを除き、残りの部分での泡の発生、くも
り、ガラスのひび割れ等の異常がないものを合格とし
た。〔耐煮沸性ともいう〕 〔耐湿性〕: 50±2 ℃、相対湿度95±4 %の調整内に
2週間静置した後、泡の発生、くもり、ガラスのひび割
れ等の異常がないものを合格とした。 〔電気的特性〕:三菱油化製表面高抵抗計(HIRESTA HT
-210)によって測定。
【0055】(シート抵抗値)(M Ω/口)。10M Ω/
口以上合格。 〔耐摩耗性〕:JIS R 3212、JIS R 3221に準拠し、テー
バ−摩耗試験機(摩耗輪CS-10F、荷重500gf 、1000回回
転)。
【0056】その結果、可視光透過率Tvが約73.5%程
度、日射透過率Tsが約65.8%程度、紫外線透過率Tuv が
約13.8%程度、反射刺激純度Peが約3.2 %程度であり、
D65 光源による積層薄膜の透過色ならびに反射色がニュ
ートラル系色調、反射によるギラツキもなく、当社のブ
ロンズ色系色調ガラス(5mm厚み)のTv約74.2%程度、
Ts約67.1%程度、紫外線透過率約32.8%程度、透過色の
色調と比較して紫外線透過率を除けばほぼ同等であり、
紫外線透過率を格段に低減することができた。
【0057】さらに、ヘイズ値Hが約0.3 %程度とな
り、テーバー試験によるヘイズ値△Hが3.7 %程度であ
り、しかも耐酸性ならびに耐アルカリ性試験後での外
観、紫外線透過率における変化は認められなかった。
【0058】さらに充分優れた紫外線遮蔽性や熱線遮蔽
性等の光学特性に加えて、高い表面抵抗率で通常単板ガ
ラス並み、例えば80MHz(FMラジオ波帯) 、約520 〜1630
KHz(AMラジオ波帯) 等特に通常単板ガラスと同等の電波
透過性を示し、かつ充分安定な優れた接着性と耐熱性な
らびに耐湿性を示しいずれも合格であり、優れた居住性
をもちかつ環境に優しく安全性が高くしかもAM帯をはじ
め各種電波を快適に受信することができ、単板ガラスと
して建築用窓ガラス等で充分採用でき、また自動車用窓
ガラスにも使用可能である等期待に充分答えることがで
きるものであった。
【0059】なお、他に耐候性(例、サンシヤインウエ
ザーメーターで約1000時間:可視光透過率がほぼ変化が
ないこと)等の種々の特性をも評価したところ、いずれ
も合格するものであった。
【0060】実施例2 先ず、実施例1と同様にして、実施例1と同じ基板上に
実施例1と同じ第1層膜を塗布し成膜した。該第1層膜
の屈折率と膜厚を実施例1と同様に測定したところ、屈
折率n2=1.65で、膜厚t2=375nm のZnO-SiO2系薄膜であ
った。
【0061】続いて、第1層膜の上に、第2層膜として
ZrO2-SiO2 系薄膜用溶液〔日板研究所製,Zr-20, ZrO2:
SiO2=20:80mol%〕を酢酸イソブチルなどのエステル化
合物とブタノ−ルなどの高沸点アルコ−ル化合物との混
合溶剤を希釈溶剤として希釈することで粘度が1.3cP で
ある保護膜用コ−ティング溶液とし、スピンコ−ト法に
より前記膜付きガラス基板を30〜60rpm で適宜調整しつ
つ回転させながらノズルから50〜150ml /m2の該保護膜
用コ−ティング溶液を該ガラス基板中央部に供給して塗
布し、さらに80〜200rpmに適宜調整回転させて余分の該
コ−ティング溶液を振り落とし塗膜を平滑化と固定化し
た後、約200 ℃で約30分間乾燥させて第2層膜とした。
【0062】該第2層膜の屈折率と膜厚を実施例1と同
様に測定したところ、屈折率n2=1.70で、膜厚t2=120n
m のZrO2-SiO2 系薄膜であった。次に、約670 ℃の電気
炉で約5分間程度焼成、曲げ強化をした。
【0063】得られた2層膜付きガラスについて実施例
1と同様にして各項を評価した。その結果、Tvが約72.4
%、Tsが約64.1%、Tuv が12%等実施例1と同様に優れ
た光学特性を示すとともに、反射刺激純度Peが約2.1 %
程度であり、D65 光源による積層薄膜の透過色ならびに
反射色がニュートラル系色調、反射によるギラツキもな
く、当社のブロンズ色系色調ガラス(5mm厚み)のTv約
74.2%程度、Ts約67.1%程度、紫外線透過率約32.8%程
度、透過色の色調と比較して紫外線透過率を除けばほぼ
同等であり、紫外線透過率を格段に低減することができ
た。
【0064】さらに、ヘイズ値Hが約0.2 %程度とな
り、テーバー試験によるヘイズ値△Hが3.3 %程度であ
り、しかも耐酸性ならびに耐アルカリ性試験後での外
観、紫外線透過率における変化は実施例1と同様に認め
られなかった。
【0065】さらに、実施例1と同様に、充分優れた紫
外線遮蔽性や熱線遮蔽性等の光学特性に加えて、高い表
面抵抗率で通常単板ガラスと同等の電波透過性を示し、
かつ充分安定な優れた接着性と耐熱性ならびに耐湿性を
示しいずれも合格であり、優れた居住性をもちかつ環境
に優しく安全性が高くしかもAM帯をはじめ各種電波を快
適に受信することができ、単板ガラスとして建築用窓ガ
ラス等で充分採用でき、また自動車用窓ガラスにも使用
可能である等期待に充分答えることができるものであっ
た。なお、前記耐候性等の種々の特性をも評価したとこ
ろ、いずれも合格するものであった。
【0066】実施例3 実施例1と同様のガラス基板上に、酸化亜鉛微粒子含有
シリカバインダ−〔ZnO /SiO2=約52/48重量比;ZnO
平均粒径約2〜4nm:住友大阪セメント(株)製〕を固
形分濃度約10.2重量%になるようヘキシレングリコ−ル
を希釈剤として希釈することで粘度が18cPである紫外線
吸収膜用コ−ティング溶液とし、フレキソ印刷法によっ
て前記ガラス基板に塗布した後、約300 ℃で約30分間乾
燥させて第1層膜とした。
【0067】該第1層膜の屈折率と膜厚を実施例1と同
様に測定したところ、屈折率n2=1.58で、膜厚t2=500n
m のZnO-SiO2系薄膜であった。続いて、第1層薄膜の上
に、TiO2-SiO2 系薄膜用溶液〔大八化学工業(株)製,
MTS-Ti3 )を第1層膜と同様にヘキシレングリコ−ルを
希釈剤として希釈することで粘度が16cPである保護膜用
コ−ティング溶液とし、第1層膜と同様にフレキソ印刷
法によって塗布した後、約300 ℃で約30分間乾燥させて
第2層膜とした。
【0068】該第2層膜の屈折率と膜厚を実施例1と同
様に測定したところ、屈折率n2=1.58で、膜厚t2=150n
m のTiO2-SiO2 系薄膜であった。次に、約620 ℃の電気
炉で約5分間程度焼成した。
【0069】得られた2層膜付きガラスについて実施例
1と同様にして各項を評価した。その結果、Tvが約75.3
%、Tsが約65.7%、Tuv が11%等実施例1と同様に優れ
た光学特性を示すとともに、反射刺激純度Peが約1.2 %
程度であり、D65 光源による積層薄膜の透過色ならびに
反射色がニュートラル系色調、反射によるギラツキもな
く、実施例1と同様の当社ブロンズ色系色調ガラス(5
mm厚み)のTv約74.2%程度、Ts約67.1%程度、紫外線透
過率約32.7%程度、透過色の色調と比較して紫外線透過
率を除けばほぼ同等であり、紫外線透過率を格段に低減
することができた。
【0070】さらに、ヘイズ値Hが約0.2 %程度とな
り、テーバー試験によるヘイズ値△Hが3.3 %程度であ
り、しかも耐酸性ならびに耐アルカリ性試験後での外
観、紫外線透過率における変化は実施例1と同様に認め
られなかった。
【0071】さらに、実施例1と同様に、充分優れた紫
外線遮蔽性や熱線遮蔽性等の光学特性に加えて、高い表
面抵抗率で通常単板ガラスと同等の電波透過性を示し、
かつ充分安定な優れた接着性と耐熱性ならびに耐湿性を
示しいずれも合格であり、優れた居住性をもちかつ環境
に優しく安全性が高くしかもAM帯をはじめ各種電波を快
適に受信することができ、単板ガラスとして建築用窓ガ
ラス等で充分採用でき、また自動車用窓ガラスにも使用
可能である等期待に充分答えることができるものであっ
た。なお、前記耐候性等の種々の特性をも評価したとこ
ろ、いずれも合格するものであった。
【0072】実施例4 実施例1において、ガラス基板を厚さ3.5mm の着色フロ
−トガラス(例えばノ−マルグリ−ンガラス)基板のみ
変え、他は変えることなく、第1層膜ならびに第2層膜
は実施例1と同様の膜を同様にして得た。
【0073】得られた2層膜付きガラスについて実施例
1と同様にして各項を評価した。その結果、Tvが約72.5
%、Tsが約55.5%、Tuv が10%等実施例1と同様に優れ
た光学特性を示すとともに、反射刺激純度Peが約5.3 %
程度であり、D65 光源による積層薄膜の透過色ならびに
反射色がニュートラル系色調、反射によるギラツキもな
く、当社の上記グリ−ン色系色調ガラス(3.5mm 厚み)
のTv約79.6%程度、Ts約59.3%程度、紫外線透過率約30
%程度、透過色の色調と比較して紫外線透過率を除けば
ほぼ同等であり、紫外線透過率を格段に低減することが
できた。
【0074】さらに、ヘイズ値Hが約0.4 %程度とな
り、テーバー試験によるヘイズ値△Hが4.2 %程度であ
り、しかも耐酸性ならびに耐アルカリ性試験後での外
観、紫外線透過率における変化は実施例1と同様に認め
られなかった。
【0075】さらに、実施例1と同様に、充分優れた紫
外線遮蔽性や熱線遮蔽性等の光学特性に加えて、高い表
面抵抗率で通常単板ガラスと同等の電波透過性を示し、
かつ充分安定な優れた接着性と耐熱性ならびに耐湿性を
示しいずれも合格であり、優れた居住性をもちかつ環境
に優しく安全性が高くしかもAM帯をはじめ各種電波を快
適に受信することができ、単板ガラスとして建築用窓ガ
ラス等で充分採用でき、また自動車用窓ガラスにも使用
可能である等期待に充分答えることができるものであっ
た。なお、前記耐候性等の種々の特性をも評価したとこ
ろ、いずれも合格するものであった。
【0076】実施例5 実施例2において実施例4と同様の厚さ3.5mm の着色フ
ロ−トガラス(ノ−マルグリ−ンガラス)基板、ならび
に成膜法をスピンコ−ト法からリバ−スコ−ト法に変
え、第1層膜ならびに第2層膜は実施例1と同様の膜を
得た。
【0077】リバ−スコ−ト法の成膜条件としては、三
和精機(株)製MCT-520Gを用い、第1層および第2層と
も固形分濃度10%とし、膜厚は送り速度で調節した。得
られた2層膜付きガラスについて実施例1と同様にして
各項を評価した。
【0078】その結果、Tvが約72.1%、Tsが約56.2%、
Tuv が10.2%等実施例1と同様に優れた光学特性を示す
とともに、反射刺激純度Peが約5.0 %程度であり、D65
光源による積層薄膜の透過色ならびに反射色がニュート
ラル系色調、反射によるギラツキもなく、実施例4と同
様の当社ノ−マルグリ−ン色系色調ガラス(3.5mm 厚
み)のTv約79.6%程度、Ts約59.4%程度、紫外線透過率
約29.7%程度、透過色の色調と比較して紫外線透過率を
除けばほぼ同等であり、紫外線透過率を格段に低減する
ことができた。
【0079】さらに、ヘイズ値Hが約0.3 %程度とな
り、テーバー試験によるヘイズ値△Hが4.5 %程度であ
り、しかも耐酸性ならびに耐アルカリ性試験後での外
観、紫外線透過率における変化は実施例1と同様に認め
られなかった。
【0080】さらに、実施例1と同様に、充分優れた紫
外線遮蔽性や熱線遮蔽性等の光学特性に加えて、高い表
面抵抗率で通常単板ガラスと同等の電波透過性を示し、
かつ充分安定な優れた接着性と耐熱性ならびに耐湿性を
示しいずれも合格であり、優れた居住性をもちかつ環境
に優しく安全性が高くしかもAM帯をはじめ各種電波を快
適に受信することができ、単板ガラスとして建築用窓ガ
ラス等で充分採用でき、また自動車用窓ガラスにも使用
可能である等期待に充分答えることができるものであっ
た。なお、前記耐候性等の種々の特性をも評価したとこ
ろ、いずれも合格するものであった。
【0081】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
冷暖房効果を高め居住性を向上せしめるような優れた断
熱性能、環境や人に優しくなる格段の紫外線遮断等を付
与し、ヘイズ値が極めて低く優れた透視性の確保ならび
に反射性とぎらつき感の防止等をバランスよくもたらし
め、各種放送における受信障害などの低減をすることが
でき、通常のフロ−トガラス並の電波透過性能でガラス
アンテナの受信性能を低下させることもなく、またゴ−
スト現象等の電波障害を低減することができ、車輌内外
での快適な環境を確保することができ、ガラス基板の色
調をほぼ維持することができ、しかも耐摩耗性や耐薬品
性に優れる等、単板でも建築用窓材としてはもちろん、
自動車用窓材等に充分適用できる有用な紫外線遮蔽ガラ
ス及びその製法を安価にかつ容易に提供するものであ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板表面に、第1層目として屈折
    率n1が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t1が600nm 以下であるZnO-
    SiO2系薄膜を形成し、該第1層目上に第2層目として屈
    折率n2が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t2が300nm 以下であるTi
    O2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜を被覆積層する
    ことで成ることを特徴とする紫外線遮蔽ガラス。
  2. 【請求項2】 前記紫外線遮蔽ガラスにおいて、該ガラ
    スの可視光透過率Tvが65%以上、紫外線透過率Tuv が14
    %以下ならびに反射刺激純度Peが8%以下であることを
    特徴とする請求項1記載の紫外線遮蔽ガラス。
  3. 【請求項3】 前記膜厚としては、第1層目が300 〜60
    0nm 、第2層目が100 〜300nm であることを特徴とする
    請求項1乃至2記載の紫外線遮蔽ガラス。
  4. 【請求項4】 前記屈折率としては、第1層目の屈折率
    n1ならびに第2層目の屈折率n2の両者とも1.68〜1.72も
    しくは1.56〜1.60であることを特徴とする請求項1乃至
    3記載の紫外線遮蔽ガラス。
  5. 【請求項5】 テ−バ−摩耗性試験に対して、前記積層
    薄膜におけるヘイズ値の変化が5%以下であることを特
    徴とする請求項1乃至4記載の紫外線遮蔽ガラス。
  6. 【請求項6】 ガラス基板表面に、第1層目として屈折
    率n1が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t1が600nm 以下であるZnO-
    SiO2系薄膜溶液を塗布して被膜し、該第1層目上に第2
    層目として屈折率n2が1.5 〜1.8 でかつ膜厚t2が300nm
    以下であるTiO2-SiO2 系薄膜またはZrO2-SiO2 系薄膜溶
    液を塗布して被膜した後、500 〜700℃で1〜30分間焼
    成することを特徴とする紫外線遮蔽ガラスの製法。
  7. 【請求項7】 前記ZnO-SiO2系薄膜溶液としては、酸化
    亜鉛微粒子含有シリカバインダ−を主成分とした溶液で
    あることを特徴とする請求項6記載の紫外線吸収膜の製
    造法。
  8. 【請求項8】 前記溶液を塗布する方法としては、スピ
    ンコ−ト法、ディッピング法、リバ−スコ−ト法あるい
    はフレキソ印刷法で行うことを特徴とする請求項6乃至
    7記載の紫外線遮蔽ガラスの製法。
  9. 【請求項9】 前記被膜の際における乾燥処理として、
    乾燥温度が常温〜300 ℃で乾燥時間が10〜60分間行うこ
    とを特徴とする請求項6乃至8記載の紫外線遮蔽ガラス
    の製法。
  10. 【請求項10】 前記乾燥温度が200 〜300 ℃で乾燥時間
    が10〜60分間行うことを特徴とする請求項6乃至9記載
    の紫外線遮蔽ガラスの製法。
  11. 【請求項11】 前記積層薄膜の焼成として、前記ガラス
    の熱強化または/および熱曲げ加工時に同時に行うこと
    を特徴とする請求項6乃至10記載の紫外線遮蔽ガラスの
    製法。
  12. 【請求項12】 前記ガラスの熱強化または/および熱曲
    げ加工は、温度が600 〜700 ℃で時間が1.5 〜6分間行
    うことを特徴とする請求項6乃至11記載の紫外線遮蔽ガ
    ラスの製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009208542A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Toyota Infotechnology Center Co Ltd 電磁波遮蔽装置及び電磁波遮蔽体の制御方法
US9140836B2 (en) 2010-07-26 2015-09-22 Yutaka Tsujiuchi Method of shielding ultraviolet light and increasing visible light, and ultraviolet-light-shielding and visible-light-increasing material which enables implementation of the method

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