JPH09109662A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JPH09109662A
JPH09109662A JP7271599A JP27159995A JPH09109662A JP H09109662 A JPH09109662 A JP H09109662A JP 7271599 A JP7271599 A JP 7271599A JP 27159995 A JP27159995 A JP 27159995A JP H09109662 A JPH09109662 A JP H09109662A
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博幸 嬉野
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栄二 高橋
Hiroharu Iwahashi
弘治 岩橋
Takashi Matsumoto
松本  孝
Yoshinori Sato
義則 佐藤
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    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00642Control systems or circuits; Control members or indication devices for heating, cooling or ventilating devices
    • B60H1/00814Control systems or circuits characterised by their output, for controlling particular components of the heating, cooling or ventilating installation
    • B60H1/00821Control systems or circuits characterised by their output, for controlling particular components of the heating, cooling or ventilating installation the components being ventilating, air admitting or air distributing devices
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーネス本数の削減とシステムコストの低減
を図りうるアクチュエータ制御システムを備えた「自動
車用空調装置」を得る。 【解決手段】 ドアを駆動するアクチュエータをすべて
カスタムIC11を内蔵したPBR方式のモータアクチ
ュエータ10に統一する。オートアンプ15と各アクチ
ュエータ10a〜10cの間を1本の電源線16と1本
の通信線17で接続する。オートアンプ15により1線
式のシリアル通信を使って各アクチュエータ10a〜1
0cを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用空調装置
に係り、特に、ハーネス本数の削減とシステムコストの
低減を図りうるアクチュエータ制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空調装置は、一般に、その空調
ユニット内に各種のドア(モードドア、エアミックスド
ア、インテークドアなど)が配設されており、それぞれ
のドアは対応するアクチュエータ(モードドアアクチュ
エータ、エアミックスドアアクチュエータ、インテーク
ドアアクチュエータなど)によって開閉されるようにな
っている。各アクチュエータは、通常、モータを内蔵し
たモータアクチュエータで構成されている。
【0003】図9はそうした従来の自動車用空調装置の
一般的なアクチュエータ制御システムを示す構成図であ
る。
【0004】このシステムは、アクチュエータとして、
モードドアを開閉するモードドアアクチュエータ1と、
エアミックスドアを開閉するエアミックスドアアクチュ
エータ2と、インテークドアを開閉するインテークドア
アクチュエータ3を有しており、これらはオートアンプ
4によって総合的に制御される。オートアンプ4にはス
イッチ類やディスプレイを備えた操作/表示部5が接続
されている。
【0005】上記の各アクチュエータ1〜3はそれぞれ
モータ6を内蔵したモータアクチュエータであるが、そ
れぞれドア位置の検出機構が異なるため、すべて別種の
アクチュエータによって構成されている。すなわち、モ
ードドアアクチュエータ1は、アクチュエータのシャフ
トに連動して切り替わるパターンスイッチからなる位置
検出スイッチ7を内蔵しており、図9の例では、5つの
吹出口モードの設定が可能であり、モータ6に電力を供
給するための電力線と位置検出スイッチ7からの信号線
およびアース線とを合わせて、合計9本のハーネスを使
用している。エアミックスドアアクチュエータ2は、ア
クチュエータのシャフトと連動して移動しエアミックス
ドア開度を電圧値に変換する可変抵抗であるPBR(ポ
テンショ・バランス・レジスタ)8を内蔵しており、図
9の例では、モータ6とPBR8とで合計5本のハーネ
スを使用している。インテークドアアクチュエータ3
は、アクチュエータのシャフトに連動して切り替わるパ
ターンスイッチからなる位置検出スイッチ9を内蔵して
おり、図9の例では、3つの吸込口モードの設定が可能
であり、モータ6と位置検出スイッチ7とで合計7本の
ハーネスを使用している。すなわち、この構成では、オ
ートアンプ4と各アクチュエータ1〜3の間で合計21
(=9+5+7)本のハーネスを使用している。オート
アンプ4はこれらのハーネスを使ってパラレル通信によ
り信号(駆動信号や制御信号)の送受信を行い、各アク
チュエータ1〜3を総合制御する。なお、オートアンプ
4は各アクチュエータ1〜3内のモータ6に駆動信号を
送るモータ駆動回路を内蔵している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のアクチュエータ制御システムにあっては、各
アクチュエータ1〜3はすべて別種のアクチュエータで
あり、しかも、オートアンプ4はそうした別種の各アク
チュエータ1〜3をパラレル通信を使って制御する構成
となっているためオートアンプ4と各アクチュエータ1
〜3の間のハーネスの本数が多く(図9の例では21
本)、したがってシステム全体のコスト(システムコス
ト)の低減には一定の限界がある。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、ハーネス本数の削減とシス
テムコストの低減を図りうるアクチュエータ制御システ
ムを備えた自動車用空調装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、空調ユニット内に配設され
た各種のドアに対してそれぞれ設けられ、前記ドアを駆
動するモータと、前記ドアの現在位置を電圧として出力
する位置検出手段と、与えられた目標位置データと前記
位置検出手段の出力とに基づいて前記モータを制御する
制御回路とを備えた同種の複数のアクチュエータと、前
記同種の複数のアクチュエータとの間でシリアル通信を
行い、当該各アクチュエータを総合制御する制御手段と
を有することを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、前記位置検出手段は可変抵抗で構成さ
れていることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載の発明において、前記制御回路は、前記制御手
段から送信されたシリアル信号を受信し、目標位置デー
タを抽出する通信処理回路と、前記通信処理回路の出力
と前記位置検出手段の出力により、前記モータを正転さ
せるか、逆転させるか、または停止させるかを決定する
制御決定回路と、前記制御決定回路の出力に応じて前記
モータを正転、逆転、または停止させるモータ駆動回路
とを有することを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の発明において、前記制御回路は1つのICで構成され
ていることを特徴とする。
【0012】以上のように構成した請求項1記載の発明
にあっては、各種のドアを駆動する各アクチュエータは
1種類に統合化されている。このアクチュエータは、内
蔵された位置検出手段によってドアの現在位置を電圧と
して検出し、同じく内蔵された制御回路によって、与え
られた目標位置データと位置検出手段の出力(現在位
置)とに基づいてモータを制御し、モータを目標位置に
停止させる。つまり、モータの停止制御はアクチュエー
タ自身によって行なわれる。制御手段は、各アクチュエ
ータとの間でシリアル通信を行って目標位置データを所
望のアクチュエータに送り、各アクチュエータを総合的
に制御する。このとき、制御手段と各アクチュエータの
間のデータの送受信はシリアル通信で行うため、制御手
段と各アクチュエータの間の通信線は1本で足りる。
【0013】請求項2記載の発明にあっては、位置検出
手段は可変抵抗(PBR)で構成されており、ドアの現
在位置はその可変抵抗によって電圧値に変換されて出力
される。
【0014】請求項3記載の発明にあっては、制御回路
によってモータを制御する際に、まず、通信処理回路
で、制御手段から送信されたシリアル信号を受信し、目
標位置データを抽出する。制御決定回路は、通信処理回
路の出力(目標位置)と位置検出手段の出力(現在位
置)により、モータを正転させるか、逆転させるか、ま
たは停止させるかを決定する。モータ駆動回路は、その
制御決定回路の出力に応じて実際にモータを正転、逆
転、または停止させる。すなわち、制御回路は、外部の
制御手段と通信する機能と、モータの制御信号を作る機
能と、モータの駆動信号を出力する機能とを備えてい
る。
【0015】請求項4記載の発明にあっては、制御回路
は1つのICで構成されており、たとえば、アクチュエ
ータの回路基板上に装填される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の自動車用空調装置
の一実施形態によるアクチュエータ制御システムを示す
概略図、図2はその外観図である。なお、図9と共通す
る部分には同一の符号を付している。図1においては、
図9の場合と同様、3つのアクチュエータ、すなわち、
吹出口を選択するモードドアを開閉するモードドアアク
チュエータ10aと、冷風と温風の割合を調節するエア
ミックスドアを開閉するエアミックスドアアクチュエー
タ10bと、ファンが吸入する外気と内気の割合を調節
するインテークドアを開閉するインテークドアアクチュ
エータ10cとを用いたシステムを例示している。
【0017】各アクチュエータ10a〜10cはすべて
同じ1種類のアクチュエータで構成されている。このア
クチュエータ10は、ドアを駆動するモータ6とドアの
現在位置を電圧として検出するPBR8を内蔵したいわ
ゆるPBR方式のモータアクチュエータであり、本シス
テムに専用のIC(カスタムIC)11を内蔵してい
る。位置検出手段はPBR8で構成され、制御回路はカ
スタムIC11で構成されている。カスタムIC11
は、少なくとも3つの機能、すなわち、外部と通信する
機能、モータ6の制御信号を作る機能、モータ6の駆動
信号を出力する機能を備えている。カスタムIC11は
通信処理回路および制御決定回路として機能する通信制
御回路12とモータ駆動回路13とで構成されている。
通信制御回路12はPBR8と接続されており、外部と
通信する機能とモータ6の制御信号を作る機能を有して
いる。また、モータ駆動回路13はモータ6と接続され
ており、通信制御回路12で作られた制御信号に応じて
モータ6を駆動する機能を有している。カスタムIC1
1は、たとえば、図2に示すように、アクチュエータ1
0内に設けられた回路基板14上に装填される。
【0018】各アクチュエータ10a〜10cはマイコ
ンを内蔵したオートアンプ15によって総合的に制御さ
れる。制御手段はオートアンプ15で構成されている。
オートアンプ15と各アクチュエータ10a〜10cと
は1本の電源線16と1本の通信線17とで接続されて
いる。より詳細には、オートアンプ15にはアクチュエ
ータ用に1本の電源線16と1本の通信線17とが接続
されており、それぞれが途中で分岐して各アクチュエー
タ10a〜10cに接続されている。また、アクチュエ
ータ10には1本のアース線18が設けられている。し
たがって、各アクチュエータ10a〜10cはそれぞれ
1本の電源線16と1本の通信線17と1本のアース線
18を持つことになり、図1の例では、オートアンプ1
5と各アクチュエータ10a〜10cの間のハーネスの
数は、合計で、3(アクチュエータの個数)×3(本/
個数)=9本となる。
【0019】本実施形態では、オートアンプ15と各ア
クチュエータ10a〜10cの間でやり取りされる通信
信号は1本の通信線17のみで伝送され(1線式)、双
方向の通信が行われるようになっている。通信信号は1
本の通信線17を使って送受信するため、本システムで
は情報を直列伝送するシリアル通信を用いている。すな
わち、本システムでは、オートアンプ15は各アクチュ
エータ10a〜10cをシリアル通信を使って制御する
ように構成されている。この点については後で詳細に説
明する。
【0020】オートアンプ15にはスイッチ類やディス
プレイを備えた操作/表示部5が接続されている。これ
らオートアンプ15と操作/表示部5は、たとえば、一
体化されて1台のコントローラ19を構成している(図
2参照)。コントローラ19には電源である車載のバッ
テリ20が接続されている。図示しないが、オートアン
プ15には各種センサ(車室内空気の温度を検出する内
気センサ、外気温度を検出する外気センサ、日射量を検
出する日射センサなど)も接続されている。オートアン
プ15は、これら各センサや各スイッチなどの信号を演
算処理して、各アクチュエータ10a〜10cを作動さ
せるための情報(ドア目標停止位置など)を1本の通信
線17を介して送信する。なお、従来は、前述したとお
り、モータ6に駆動信号を提供するモータ駆動回路はオ
ートアンプ4の中に設けられていたが、本システムで
は、それぞれのアクチュエータ10にモータ駆動回路1
3を備えたカスタムIC11を取り付けているので、オ
ートアンプ15(具体的にはマイコン)にモータ駆動回
路を設ける必要はない。
【0021】図3は本実施形態のシステム回路図であ
る。オートアンプ15内にはマイコン(CPU)21が
あり、このCPU21にはクロック信号を出力するクロ
ック端子(CLK)と、データ信号を出力する送信端子
(Tx )と、アクチュエータ10からの信号を受信する
受信端子(Rx )が設けられている。本実施形態では、
1本の通信線17しかないため、後で詳述するように、
オートアンプ15からアクチュエータ10への情報の伝
達に際し、クロック信号とデータ信号を同時に送受信す
るように構成されている。クロック端子(CLK)と通
信線17の間には順に抵抗R1 、トランジスタT1 、抵
抗R2が接続され、送信端子(Tx )と通信線17の間
には順に抵抗R3 、トランジスタT2 、抵抗R4 が接続
され、受信端子(Rx )と通信線17の間には抵抗R5
と抵抗R6 が接続されている。外部の電源20はダイオ
ードD1 を介してオートアンプ15の中に取り入れら
れ、抵抗R7 を介してCPU21に電力を供給するとと
もに、電源線16を介してアクチュエータ10に電力を
供給するようになっている。
【0022】一方、アクチュエータ10の内部にはモー
タ6とPBR8とカスタムIC11が設けられている。
カスタムIC11の受信端子(Rx )は抵抗R8 を介し
て通信線17と接続され、その送信端子(Tx )は抵抗
R9 を介して通信線17と接続されている。カスタムI
C11への電力供給は電源線16を介して行われる。抵
抗R10は保護抵抗である。モータ6はカスタムIC11
の所定の端子に接続されている。カスタムIC11のア
ース端子はアース線18に接続されている。PBR8の
一端はカスタムIC11のPBR電源端子(たとえば、
5V)に接続され他端はアース線18に接続されてい
る。よって、PBR8の出力範囲は0〜5Vとなる。ド
アの現在位置はブラシ22とPBR8との摺動位置に応
じた電圧値として検出され、その電圧値はカスタムIC
11の所定の端子に入力される。なお、ブラシ22はア
クチュエータ10のシャフトと連動して移動する。
【0023】本実施形態では、パターン形状の可変抵抗
であるPBR8は回路基板14上にプリントされてお
り、そのプリントされたPBR8の上をシャフトに固定
されたブラシ22が摺動するように構成されている。こ
れにより、部品点数が削減され、コストの低下が図れ
る。
【0024】また、本実施形態では、カスタムIC11
が故障したときなどの異常時にモータ6が限界位置を超
えてオーバーランしないよう、一定の位置に到達したら
モータ6を強制的に停止させるため、PBR8の両端の
外側にそれぞれ強制パターン23aと23bを設けてい
る。一方の強制パターン23aはPBR電源(5V)に
接続され、他方の強制パターン23bはアース線18に
接続されている。
【0025】次に、本システムにおける通信のやり方を
説明する。図4は本システムの通信に関係する部分を示
すシステム回路図である。なお、図3と共通する部分に
は同一の符号を付し、その説明は一部省略する。本シス
テムでは、上記したように、オートアンプ15からアク
チュエータ10への情報の伝達に際して、クロック信号
とデータ信号を1本の通信線17を使って同時に送受信
するように構成されている。送信側となるオートアンプ
15の基本構成は図3と図4に示したとおりである。受
信側となるアクチュエータ10のカスタムIC11は、
その通信制御回路12内に、通信信号を非反転入力とし
データしきい値を反転入力として比較を行うコンパレー
タ24と、通信信号を非反転入力としクロックしきい値
を反転入力として比較を行うコンパレータ25と、送信
用のトランジスタT3 とを備えている。データしきい値
はメモリ26に記憶され、また、クロックしきい値はメ
モリ27に記憶されている。
【0026】オートアンプ15からアクチュエータ10
にデータを送信する場合、CPU21のクロック端子
(CLK)から出力されるクロック信号(図5(A)参
照)と送信端子(Tx )から出力されるデータ信号(図
5(B)参照)は重ね合わされて合成され、両者を含む
3値式符号の通信信号(図5(C)参照)が通信線17
上を伝送され、アクチュエータ10内のカスタムIC1
1の通信制御回路12で受信される。この通信信号は、
図5(C)に示すように、パルスの振幅で3つの状態
(ハイ(H)、ロー(L)、オフ)を表現している。ハ
イ(H)の状態はデータ信号とクロック信号の両者を含
み、ロー(L)の状態はクロック信号のみを含んでい
る。したがって、あらかじめ、データしきい値をハイ
(H)のレベルとロー(L)のレベルの中間値に設定
し、クロックしきい値をロー(L)のレベルとオフ状態
のレベルの中間値に設定しておけば、通信信号をデータ
しきい値およびクロックしきい値とそれぞれ比較するこ
とによって、元のデータ信号とクロック信号をそれぞれ
抽出することができる。すなわち、通信制御回路12に
入力された通信信号は、一方でコンパレータ24におい
てデータしきい値と比較され、他方でコンパレータ25
においてクロックしきい値と比較される(図5(C)参
照)。コンパレータ24は、通信信号の値がデータしき
い値よりも大きいときにオンの出力を出し、これによっ
てデータ信号が抽出される(図5(D)参照)。また、
コンパレータ25は、通信信号の値がクロックしきい値
よりも大きいときにオンの出力を出し、これによってク
ロック信号が抽出される(図5(E)参照)。このよう
な受信動作を経て、オートアンプ15から送信されたク
ロックとデータがアクチュエータ10に受信される。こ
うして、受信側に発振源を必要としない自己同期式通信
が実現される。アクチュエータ10は通信信号から抽出
したクロックによって全動作を行う。なお、受信データ
のサンプリングは、抽出クロックを遅延させその立ち上
がりで行うようにしてもよい。
【0027】このように、クロック信号にデータ信号を
重畳して3値式符号の通信信号を形成し、この通信信号
をオートアンプ15とアクチュエータ15の間で送受信
するので、クロック信号とデータ信号を1本の通信線1
7で同時に伝送することができ(1線式)、コストの点
で有利である。
【0028】通信信号は、上記のように、2種類のパル
ス振幅によりハイ(H)とロー(L)が定義されている
が、ここでは、3つのパルスを組み合わせて2ビットの
バイナリデータを表わすようにしている(符号化)。具
体的には、たとえば、波形がHLLLのときはSOMと
し、HHHのときは「00」とし、HLHのときは「0
1」とし、HHLのときは「10」とし、HLLのとき
は「11」とする。
【0029】また、通信信号(シリアル信号)は、たと
えば、図6に示すように構成されている。信号名がSO
M(Start Of Message)は、ビット数が8/3ビットで、
送信開始を表わす符号である。ADR(アドレス)は、
3ビットで、送信対象とするアクチュエータのアドレス
を表わす信号である。つまり、本システムでは、オート
アンプ15からすべてのアクチュエータ10a〜10c
に共通の信号が同時に送信されるため、どのアクチュエ
ータに向けた通信信号であるかをこのADRの信号によ
って表わしている。ENA(イネーブル)は、1ビット
で、モータ駆動許可かモータ駆動禁止かを表わす信号で
ある。これにより、異常時にはモータを強制的に停止さ
せる。DATA(データ)は、7ビットで、各アクチュ
エータ10a〜10cに対応した制御データ、つまりオ
ートアンプ15の演算結果としてのドア目標停止位置を
表わす信号である。PRTY(パリティ)は、1ビット
で、ADR、ENA、DATAに対する奇数パリティを
表わす信号である。奇数であれば正常、偶数であれば異
常があったと判断される。以上は、オートアンプ15か
らアクチュエータ10に送られる情報である。POS
(モータ位置)は、1ビットで、アクチュエータからの
送信信号であり、目標位置に到達したか未到達かを表わ
す信号である。
【0030】すなわち、通信線17上を送受信される通
信信号(シリアル信号)は、オートアンプ15から各ア
クチュエータ10a〜10cへの情報として、アクチュ
エータの識別情報(アドレス)(ADR)、モータの作
動・停止信号(ENA)、目標位置停止信号(DAT
A)、およびエラー検知情報(PRTY)、また、各ア
クチュエータ10a〜10cからオートアンプ15への
情報として、目標位置到達情報からなっている。
【0031】アクチュエータ10は、オートアンプ15
から送信されてきたデータ(目標位置)により、ドアの
現在位置を電圧で示すPBR8の出力を監視しながらモ
ータ6を駆動し、ドアを回動させて目標停止位置に近づ
けるように構成されている。特に、本システムでは、各
アクチュエータをすべてPBR方式のアクチュエータ1
0で統一しているため、少なくとも従来パターンスイッ
チで停止制御を行っていたモードドアアクチュエータ1
0a(およびインテークドアアクチュエータ10c)に
ついては、少なくともそれと同程度の停止位置制度を実
現しなければならない。
【0032】図7はそのための停止制御系のブロック図
である。この制御系は、通信信号(シリアル信号)から
抽出した受信データに含まれている目標停止位置(目標
値)のデジタルデータを一時格納する目標値受信レジス
タ28と、目標値に対して2を加算する加算器29と、
通信信号(シリアル信号)から抽出したクロックに同期
して出力を2段階交互に切り替える切換回路30と、加
算器29の出力である目標値+2(上限値)と目標値受
信レジスタ28の出力である目標値そのもの(下限値)
を入力とし切換回路30の出力に応じて上限値と下限値
のどちらか一方を出力するセレクタ31と、セレクタ3
1の出力をアナログ値に変換するD/A変換器32、と
PBR8の出力を非反転入力としD/A変換器32の出
力を反転入力として比較を行うコンパレータ33と、コ
ンパレータ33の出力と切換回路30の出力によりモー
タ6の正転、逆転、または停止を決定するON/OFF
決定回路34と、ON/OFF決定回路34の出力に基
づいて実際にモータ6を駆動するモータ駆動回路13と
を備えている。
【0033】ここでは、一般にPBR8の両端5%程度
は精度(リニアリティ)が落ちるので、D/A変換器3
2の参照電圧をPBR電圧(5V)とし、その両端5%
を除く範囲、すなわち0.05V〜4.95VをD/A
変換器32の出力範囲として、PBR8の両端を使用し
ない構成としている。目標値は7ビット(0.05V〜
4.95Vを128分割)で与えられる。
【0034】この制御系においては、1つのD/A変換
器32に対するデジタル入力を、クロックに同期して上
限値(目標値+2)と下限値(目標値そのもの)を交互
に切り替えて、ドアの現在位置と上限値および下限値の
大小関係を判定して、モータ6の正転、逆転、停止を決
定し、ドアが上限値と下限値の間の範囲に入るように制
御する。この場合、上限値と下限値の中間値は受信され
た目標値に1を加えた値となり、これを最終目標値とし
て制御が行われる。
【0035】図8はこのような停止制御方式におけるD
/A変換器32の出力のばらつきと停止範囲の関係を示
す図である。この方式では、D/A変換器32とコンパ
レータ33それぞれ1つずつで制御を行うことができる
ので、誤差を小さくすることができる。すなわち、たと
えば、D/A変換器32の精度を例にとって説明する
と、上限値と下限値のばらつき幅をそれぞれA、Bとし
た場合、1つのD/A変換器32で上限値と下限値を出
力するため、上限値と下限値が単独でばらつくことはな
く、上限値と下限値の相対的なばらつきはきわめて小さ
い。つまり、上限値と下限値はその間隔(停止範囲)が
一定に保たれたまま、同じような誤差を生じることにな
る。これは、停止範囲のばらつきがきわめて小さいこと
を意味し、従来よりも狭い停止範囲Cでハンチングが防
止される。その結果、停止位置精度Dも従来より向上す
る。なお、この構成では、目標値に対して加算回路のみ
で制御を行うため、加算回路と減算回路の双方を用いる
構成に比べて、回路規模が小さくなり、コスト的にも有
利である。
【0036】したがって、本実施形態によれば、ドアを
駆動するアクチュエータをすべてカスタムIC11を内
蔵したPBR方式のモータアクチュエータ10に統一
し、オートアンプ15と各アクチュエータ10a〜10
cの間を1本の電源線16と1本の通信線17で接続
し、シリアル通信を使って各アクチュエータ10a〜1
0cを制御するようにしたので、オートアンプ15と各
アクチュエータ10a〜10cの間のハーネス本数が大
幅に削減される。たとえば、図9に示す従来の構成では
21本のハーネスが必要であったが、図1に示す本実施
形態では9本で済み、21−9=12本の節約となって
いる。
【0037】また、上記のようにアクチュエータの統合
化を図ったので、従来のようにドアごとに別種のアクチ
ュエータを用意する必要がなくなり、1種類のアクチュ
エータのみを用意すれば足りるようになり、統合化のマ
スメリットによってアクチュエータの製造コストの低減
を図ることができる。
【0038】また、アクチュエータ10にカスタムIC
11を内蔵し、従来オートアンプが行っていたモータの
駆動制御をアクチュエータ10自身によって行わせるよ
うにしたので、オートアンプ15内のマイコン21の負
荷が低減される。これにより、アクチュエータ制御のロ
ジックが簡単になり、ソフトウェアの負荷が低減される
とともに、ハードウェアの面でもアクチュエータ用の制
御回路やモータ駆動回路をなくすことができる。したが
って、上記のハーネス削減に伴うI/Oの削減と相俟っ
て、廉価なマイコンを採用することができるようにな
る。
【0039】さらに、アクチュエータ用の回路を削減で
きることから、オートアンプ15の小型化が容易にな
り、操作/表示部5との一体化や、アクチュエータとの
一体化(機電一体)が可能となる。
【0040】また、アクチュエータはすべてPBR方式
のアクチュエータ10となるため、サイドリンクの開発
が容易になり、開発工数の削減が図られる。
【0041】そして、上記のように、ハーネス本数の削
減、アクチュエータの統合化、オートアンプの簡素化な
どを図ることによって、全体としてシステムのコスト
(システムコスト)を削減することができる。
【0042】なお、本実施形態では、モードドアアクチ
ュエータ10a、エアミックスドアアクチュエータ10
b、インテークドアアクチュエータ10cの3つのアク
チュエータを用いたシステムについて説明したが、これ
に限定されないことはもちろんである。たとえば、本実
施形態のように、ADR(アドレス)信号が3ビットで
ある場合には、合計8台までのアクチュエータを1台の
オートアンプ15に接続することができる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、ドアを駆動するアクチュエータを自身でモー
タ停止制御を実行しうる1種類に統合し、各アクチュエ
ータをシリアル通信を使って制御するので、ハーネスの
削減とともに、オートアンプのソフトウェアとハードウ
ェア両面での簡素化が図られ、システムコストが低減さ
れる。
【0044】請求項2記載の発明によれば、位置検出手
段を可変抵抗で構成したので、サイドリンクの開発が容
易になり、開発工数の低減が図られる。
【0045】請求項3記載の発明によれば、制御回路に
通信機能とモータ制御機能とモータ駆動機能を持たせた
ので、オートアンプから目標位置データを受信すればア
クチュエータ自身でドアの停止制御が行われるようにな
り、オートアンプの負荷が低減され、コストの低減につ
ながる。
【0046】請求項4記載の発明によれば、制御回路を
1つのICで構成したので、アクチュエータの小型化が
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車用空調装置の一実施形態によ
るアクチュエータ制御システムを示す構成図
【図2】 図1のシステムの外観図
【図3】 本実施形態のシステム回路図
【図4】 本実施形態の通信処理系を示すシステム回路
【図5】 通信方式を説明するための信号波形図
【図6】 通信信号の構成を示す図
【図7】 本実施形態の停止制御系のブロック図
【図8】 図7の停止制御系におけるD/A変換器の出
力ばらつきと停止範囲の関係を示す図
【図9】 従来のアクチュエータ制御システムを示す構
成図
【符号の説明】
6…モータ 8…PBR(位置検出手段) 10…アクチュエータ 11…カスタムIC(制御回路) 12…通信制御回路(通信処理回路、制御決定回路) 13…モータ駆動回路 15…オートアンプ(制御手段) 16…電源線 17…通信線 18…アース線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩橋 弘治 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 松本 孝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 佐藤 義則 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調ユニット内に配設された各種のドア
    に対してそれぞれ設けられ、前記ドアを駆動するモータ
    (6)と、前記ドアの現在位置を電圧として出力する位
    置検出手段(8)と、与えられた目標位置データと前記
    位置検出手段(8)の出力とに基づいて前記モータ
    (6)を制御する制御回路(11)とを備えた同種の複
    数のアクチュエータ(10)と、 前記同種の複数のアクチュエータ(10)との間でシリ
    アル通信を行い、当該各アクチュエータ(10)を総合
    制御する制御手段(15)と、 を有することを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記位置検出手段(8)は可変抵抗で構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用
    空調装置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路(11)は、 前記制御手段(15)から送信されたシリアル信号を受
    信し、目標位置データを抽出する通信処理回路(12)
    と、 前記通信処理回路(12)の出力と前記位置検出手段
    (8)の出力により、前記モータ(6)を正転させる
    か、逆転させるか、または停止させるかを決定する制御
    決定回路(12)と、 前記制御決定回路(12)の出力に応じて前記モータ
    (6)を正転、逆転、または停止させるモータ駆動回路
    (13)と、 を有することを特徴とする請求項1または2記載の自動
    車用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記制御回路(11)は1つのICで構
    成されていることを特徴とする請求項3記載の自動車用
    空調装置。
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