JPH09109206A - 射出成形用型締装置 - Google Patents

射出成形用型締装置

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Publication number
JPH09109206A
JPH09109206A JP7269998A JP26999895A JPH09109206A JP H09109206 A JPH09109206 A JP H09109206A JP 7269998 A JP7269998 A JP 7269998A JP 26999895 A JP26999895 A JP 26999895A JP H09109206 A JPH09109206 A JP H09109206A
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JP
Japan
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mold
fixed
mold clamping
platen
injection molding
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Application number
JP7269998A
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English (en)
Inventor
Naomichi Yamamoto
直道 山本
Tatsuo Sakamoto
達雄 阪本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09109206A publication Critical patent/JPH09109206A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油漏れを完全防止した状態で型締時における
金型の湾曲を少なくできる。 【解決手段】 複数個の隅部にタイロッドが設けられて
いる固定プラテンに金型取付部を重ね合わせて支持させ
るとともに、前記金型取付板側へ開口したシリンダ孔を
前記固定プラテンに設け、さらに前記シリンダ孔と摺動
自在に嵌合するラムを設け、油圧を封入した密閉袋を内
蔵させ、前記密閉袋内の油圧の増圧によりラムを介して
前記金型取付板を固定金型側へ押圧する押圧力を付加可
能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイカストマシンや
射出成形機などの射出成形装置に付設され可動金型を固
定金型に対して進退させて型締を行なう射出成形用型締
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ダイカストマシンや射出成形機
などの射出成形装置は、その型締方向によって竪型締型
と横型締型とに分類され、また溶融物や可塑物の射出方
向によって竪射出型と横射出型とに分類されており、こ
のうちの例えば竪型締竪射出型のダイカストマシンは概
ね次のように構成されている。すなわち、マシンベース
上に固定された固定プラテンの4隅には、タイロッドが
立設されていて、これらタイロッドの上端段部には、平
面を固定プラテンの平面に対向させたシリンダプラテン
が支持されており、このシリンダプラテンはタイロッド
のねじ部に螺合されたナットで固定されている。また4
本のタイロッドには、可動プラテンが孔を摺動自在に嵌
合されており、この可動プラテンには、シリンダプラテ
ンの中心部に設けられたラム孔内の油圧で進退するメイ
ンラムの作用端が固定されている。
【0003】そして、固定プラテンと可動プラテンの対
向面には、平面を互いに対向させた固定金型と可動金型
とがそれぞれ装着されている。さらに、固定プラテンの
下方に配設された射出シリンダ側のプランジュチップ
は、射出シリンダ側に支持された射出スリーブに進退自
在に嵌合されていて、この射出スリーブは、固定プラテ
ン側の固定スリーブに着脱自在に接合されており、固定
スリーブの内孔は固定金型の湯道を介して金型のキャビ
ティに連通されている。
【0004】このように構成されていることにより、メ
インラムが油圧で前進すると、これと一体の可動プラテ
ンが可動金型を伴って移動し、固定金型に対し型締され
る。そこで、射出スリーブに溶湯を注入して固定スリー
ブに接合し、射出シリンダの油圧でプランジャチップを
前進させると、射出スリーブ内の溶湯が固定スリーブと
湯道を通って金型のキャビティ内に射出される。そし
て、キャビティ内の溶湯が固化したのち、型締シリンダ
のピストンロッドを後退させると、可動金型が後退して
型開が行われるので、可動金型に保持された溶湯固化物
である製品を取出すことにより、1回の成形サイクルが
完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の射出成形用型締装置においては、型締シリン
ダで可動プラテンを移動させて型締すると、可動金型を
保持する可動プラテンおよび固定金型を保持する固定プ
ラテンが、4周部よりも中心部を強く押されることにな
るので、可動プラテンおよび固定プラテンが、中心を4
周部よりも大きく離間させるように撓むことになる。特
に、可動金型よりも剛性が小さい固定金型が装着された
固定プラテンが可動プラテンよりも大きく撓むことにな
り、この固定プラテンの撓み量は、型締力が2500〜
4000トンというような大型の射出成形装置の場合、
固定プラテンの上面中心部が1〜2mm変形するように
湾曲する。
【0006】この結果、固定金型も湾曲し、金型キャビ
ティの形状が変わって正確な形状寸法の成形品が得られ
ないばかりでなく、固定金型と可動金型との合わせ面か
ら溶融物が噴出することになる。特に、金型の合わせ面
部の外周近くに小さな異物が付着したり、傷ができたり
すると、金型のすき間から溶融物が勢良く漏れ、危険で
あるとともに、漏れた溶融物の固化により成形品にばり
ができて製品取出後の作業能率が低下するという問題が
ある。
【0007】こうした問題点を解決するために、例え
ば、特開平04−262848号には、図10に示す如
く固定プラテン2と可動プラテンとの両方か、または固
定プラテン2のみに金型側へ開口するシリンダ孔2bを
設けた。このシリンダ孔2b内に、流体圧でシリンダ孔
2bから突出するラム29を備えたラムシリンダ24を
埋設したことにより、ラムシリンダ24の作動により、
型締時に湾曲しようとする可動金型と固定金型の面が水
平面になるようにしたものが開示してある。しかしなが
ら、特開平04−262848号のものは、型締時に可
動金型よりも剛性が小さい固定金型が撓むと、シリンダ
孔2bとラム29間に隙間が生じるために、ラム29を
押圧する油圧がこの隙間から漏れてしまうといった問題
が新たに惹起される。
【0008】また、特開平04−262848号には、
図11に示す如く交流サーボモータ70にてナット部材
64を回転させ、雄ネジ部材57を矢印R方向に沿って
移動させると、液圧作動盤58とともに可動盤59が同
方向に移動させられて、固定金型61と可動金型62か
ら構成される成形金型60が型閉される。割クランプ6
3にて液圧作動盤58をタイバ64に固定し、雄ネジ部
材57を矢印R方向に沿って移動させ、封入液押圧部6
5を閉鎖室66内に突出させる。封入液押圧部65の突
出により、封入液67が大径部68によって押圧され
る。封入液67はわずかに圧縮され、大径部68の押圧
力に応じた圧力が発生する。この圧力は、ピストン69
および可動盤59を介して成形金型60に型締力として
作用するようになっているものが開示されている。
【0009】しかしながら、封入液押圧部65が閉鎖室
66内に繰返し突出して密封袋70の封入液67を押圧
することになり、このような密封袋70への繰返し動作
によって封入液押圧部65によって押圧される密封袋7
0の局部的な部分が脆くなり破損して密封袋70の封入
液67が外部へ漏洩しやすいといった問題がある。
【0010】本発明は以上のような点に鑑みてなされた
もので、型締、射出時においてプラテンが少し湾曲して
も金型が湾曲しないようにした射出成形用型締装置を提
供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、複数個の隅部にタイ
ロッドが設けられている固定プラテンに金型取付板を重
ね合わせて支持させるとともに、前記金型取付板側へ開
口したシリンダ孔を前記固定プラテンに設け、さらに前
記シリンダ孔と摺動自在に嵌合するラムを設け、油圧を
封入した密閉袋を内蔵させ、前記密閉袋内の油圧の増圧
によりラムを介して前記金型取付板を固定金型側へ押圧
する押圧力を付加可能とし、第1の発明を主体とする第
2の発明では、密閉袋をドーナツ状の縁底部を有したア
ーチ形状とし、前記ドーナツ状の縁底部を保持部材で保
持するとともに前記縁底部側に油圧源に通じる油圧導入
口を配設した。また、第1の発明を主体とする第3の発
明では、密閉袋を平坦な平板形状の底部を有したアーチ
形状とするとともに、前記底部に密閉袋と一体的に形成
された導入管を有し、前記導入管を油圧源と連通した。
さらに、第1の発明を主体とする第4の発明では、密閉
袋を伸縮自在な可撓性材で形成し、第3の発明を主体と
する第5の発明では、密閉袋および導入管が一体的に成
形された伸縮自在な可撓性材を用いた。
【0012】
【発明の実施の形態】可動金型が固定されている可動プ
ラテンを移動させて可動金型と固定金型とを型合わせし
たのち、固定プラテン側のシリンダ孔に設けた密閉袋に
圧油を導入して密閉袋を膨張させると、この膨張による
押圧力はラムに伝播されて固定金型の湾曲が修正されて
金型が真っ直ぐになるので、この後金型のキャビティに
溶湯を射出しても、固定金型と可動金型との間から溶湯
が漏れることがなく、また、金型キャビティ部の変形も
ないので、形状、寸法の正確な成形品が確実かつ容易に
得られる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係る射出成形用型締装置の
具体的実施例を図1ないし図9を用いて詳細に説明す
る。
【0014】本実施例は本発明を横型締横射出型のダイ
カストマシンに実施した例を示し、図1はこれを実施し
たダイカストマシンの一部破断正面図、図2は同じダイ
カストマシンの平面図、図3は図1のA側側面図、図4
は図1のB側側面図、図5は型締シリンダの断面図、図
6は型締シリンダの密閉袋の要部拡大図、図7は本発明
に類する型締シリンダの断面図、図8は図7の型締シリ
ンダの密閉袋の要部拡大図、図9は図3のC〜C拡大断
面図である。
【0015】図において、マシンベース1に基部を固定
されて立設された固定プラテン2の4隅には、図9に示
す段付きのロッド孔2aが穿設されていて、これらのロ
ッド孔2aにはタイロッド3の一端が挿入されており、
タイロッド3の先端ねじ部には、ロッド孔2aに挿入さ
れたナット4が螺合されている。さらに、タイロッド3
の先端部にくさび状のシュパンリング5によって固定さ
れた押え板6は、ボルト7によってタイロッド3の端面
に固定されており、こうすることにより、タイロッド3
は回動を規制されて固定プラテン2に強固に固定されて
いる。
【0016】一方、マシンベース1の反固定プラテン2
側の端部には、ほぼ正方形の枠状に形成された連結板8
が、マシンベース1に設けた板状のレール1aに脚部を
摺動自在に嵌合させて立設されていて、この連結板8の
枠部4隅に穿設された各ロッド孔2aには、固定プラテ
ン2から水平方向に延びる前記4隅のタイロッド3の他
端がシュパンリング9を介して挿入されており、こうす
ることにより、タイロッド3は回動を規制されて連結板
8に強固に固定されるように構成されている。
【0017】符号10で示すものは、固定プラテン2と
連結板8との間に位置し垂直平面を固定プラテン2の垂
直平面に対向させて立設された可動プラテンであって、
その下端部には、水平部材10aが一体形成されてお
り、この水平部材10aの下方には、前記レール1a上
に摺動自在に乗っているガイドシュ11がボルト止めさ
れている。こうすることにより、可動プラテン10はガ
イドシュ11と一体となって固定プラテン2に対する遠
近方向へ進退可能に形成されるとともに、水平部材10
aとガイドブッシュ11とを固定する水平状ボルトを調
整することにより、可動プラテン10とガイドシュ11
とに設けた傾斜面10b、11aの作用によって可動プ
ラテン10の高さが微調整されるように構成されてい
る。
【0018】さらに、4個の各タイロッド3は可動プラ
テン10の4隅に設けた凹孔10cに係入されており、
この凹孔10cとタイロッド3との間には、円筒状に形
成されたボールねじナット12が、ニードルベアリング
13を介して回転可能かつ軸線方向へ移動可能に形成さ
れて介装されている。タイロッド3の可動プラテン10
側のほぼ半分には、断面半円形のねじ溝3bが設けられ
ており、このねじ溝3bには、ボールねじナット12の
半球状凹孔に保持された複数個のボール14が転動自在
に係合されている。こうすることにより、後述する駆動
装置でボールねじナット12を回転させると、ねじ作用
で可動プラテン10がタイロッド3に沿って進退するよ
うに構成されている。
【0019】なお、凹孔10c内の型合わせ方向の内端
面部において可動プラテン10に一体に固定されている
ニードルベアリング13の取付部材13aの内壁面13
bとボールねじナット12の型合わせ方向側の先端部1
2aとの間には、通常はボールねじナット12が回転し
やすいように、例えば0.5mm程度の隙間が設けられ
ている。
【0020】このように構成された可動プラテン10の
垂直平面には、可動金型15が着脱自在に取付けられて
おり、また前記固定プラテン2に重ねられて支持された
金型取付板45(後述)の垂直平面には、固定金型16
が着脱自在に取付けられている。こうすることにより、
可動プラテン10をタイロッド3に沿って進退させる
と、可動金型15が固定金型16に対して型合わせされ
たり型閉されたりするように構成されている。
【0021】そこで前記ボールねじナット12の回転駆
動装置について説明する。図3および図9において、可
動プラテン10の連結板8側垂直端面には、ほぼ正方形
で立縁を有する枠状に形成された軸受板17がボルト止
めされており、前記4個の各ボールねじナット12の一
端は、この軸受板17の軸受孔に嵌着された軸受18に
回転自在に軸支されている。19は軸受板17にボルト
止めされて軸受18を固定する軸受押えであり、また、
20は油溜め21に入れられる油が漏れないようにする
シール部材である。
【0022】上記各ボールねじナット12の端面には、
3条のスプロケット22、23、24、25が、中心孔
に各タイロッド3を貫通させてそれぞれ固定されてお
り、上側のスプロケット22、23間には、電磁ブレー
キ26を備えた2条のスプロケット27が、軸受板17
に回転自在に軸支された軸28に固定されて設けられて
いる。また、スプロケット22、27間およびスプロケ
ット23、27間には、アイドルスプロケット29、3
0がそれぞれ軸受板17に枢着されて配設されており、
これらのスプロケット22、23、30、27、29間
には、チェーン31が張架されている。
【0023】さらに、下側のスプロケット24、25間
には、2条のスプロケット32が軸受板17に回転自在
に支持されて設けられている。また、スプロケット2
4、32間およびスプロケット25、32間には、アイ
ドルスプロケット33、34がそれぞれ軸受板17に枢
着されて配設されており、これらのスプロケット24、
25、34、32、33間には、チェーン35が張架さ
れている。
【0024】さらに、上下のスプロケット22、24間
には、アイドルスプロケット36と電磁ブレーキ付きの
スプロケット37とが軸受板17に支持されて設けられ
ており、これらのスプロケット22、24、36、37
間には、1条のチェーン38が張架されている。また、
上下のスプロケット23、25間には、アイドルスプロ
ケット39と電磁ブレーキ40付きのスプロケット41
とが軸受板17に支持されて設けられており、これらの
スプロケット23、25、41、39間には、1条のチ
ェーン42が張架されている。こうすることにより、後
述する移動シリンダ43で可動プラテン10を移動させ
て型開閉させると、ボールねじナット12が型開閉方向
に移動しながら回転し、それにつれてスプロケット2
2、23、24、25が同時に回転するので、可動プラ
テン10は円滑に移動する。また、移動シリンダ43の
作用を停止させることにより、電磁ブレーキ26、40
等を作動させて4個のボールねじナット12がいっせい
に急停止するように構成されている。
【0025】前記固定プラテン2の一方の側面上端部と
他方の側面下端部とには、可動プラテン10用の移動シ
リンダ43がそれぞれ固定されており、そのピストンロ
ッド44の作用端は、前記軸受板17の両側面に固定さ
れている。こうすることにより、型合わせ、型開時には
ピストンロッド44の作用で軸受板17と可動プラテン
10とが進退し、型締時にはピストンロッド44の後退
により軸受板17と可動プラテン10との間に設けた僅
かな隙間を無くして軸受板17を可動プラテン10に圧
接させるように構成されている。
【0026】そして、本装置においては、型締時におけ
る固定金型16の湾曲を修正する型締シリンダが固定プ
ラテン2側に設けられている。すなわち、固定プラテン
2の垂直平面には、4隅のロッド孔をタイロッド3に摺
動自在に嵌合させた方形板状の金型取付板45が重ねら
れており、固定プラテン2の金型取付板45との対向面
には、この対向面の中心周りの円を円周方向に3等分す
る点を中心とする3個の円形凹孔であるシリンダ孔46
が、金型取付板45側へ開口して設けられている。
【0027】これら各シリンダ孔46内には、全体を符
号47aで示すラムシリンダが埋設されている。図5に
示すように、このラムシリンダ47aは、シリンダ孔4
6に嵌着されてボルト止めされた円筒状のシリンダ71
と、シリンダ71の内孔下端部に底板72と、シリンダ
71の内孔に摺動自在に嵌合されたラム47とを備え、
このラム47の下方は前記密閉袋73の膨張時にラム4
7に十分当接するように略半円球状の凹部47bを有
し、ここにドーナツ状の縁底部75を有した略半円球部
(アーチ状)73aの密閉袋73が介設されている。こ
の密閉袋73の縁底部75は、底板72に穿設された油
圧導入口76を介して密閉袋73の内部に圧油を導入し
密閉袋73を膨張させて押圧力Fをラム47に伝播し、
固定金型16の湾曲が修正されて固定金型16が真っ直
ぐになるように矯正するようになっている。符号74は
密閉袋押え板を示し、密閉袋73の内部に圧油を導入し
膨張させた時にドーナツ状の縁底部75が浮き上がらな
いように縁底部75を底板72とボルト止めされた密閉
袋押え板74で挟持されている。
【0028】また、前記密閉袋73の外周面とラム47
の内周面間には例えばグリースのような高粘度の油が図
示しない手段によって塗布可能になっており、密閉袋7
3の内部に圧油を導入し密閉袋73を膨張させて押圧力
をラム47にスムースに伝播されるように構成されてい
る。なお、本実施例に用いた密閉袋73としては、例え
ば、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴムのような耐油性に優れた可撓性材のものが好ま
しく、厚みはラム47径の大小によって変わるが例えば
1〜5mmが望ましい。本実施例では、密閉袋73内に
圧油を封入した形になっているため、型締時に固定金型
16が湾曲しても油圧が漏洩することはなく、従来のよ
うにシリンダ71とラム47の間に油漏れを防止するO
リングやラビリンス溝等を複数配設する必要はないので
ある。
【0029】図7は図5に示す型締シリンダに類する他
の実施例であり、密閉袋73を構成するアーチ部73a
と平板形状の底部73bおよび油圧導入口76を有する
管状部73cから構成されており、図5の型締シリンダ
と同様の効果が得られる。
【0030】図4に符号53で示すものは固定プラテン
2の外側平面に装着された射出シリンダであって、油圧
により図示しない射出スリーブ内で進退するプランジャ
チップを備えており、射出スリーブ内へ供給した溶湯を
プランジャチップの前進で押すことにより、金型15、
16に形成されたキャビティ内へ溶湯が射出されるよう
に構成されている。なお、図4において2点鎖線54で
示すものは、固定プラテン2に設けた射出スリーブ取付
孔であり、53aは射出シリンダ取付用フレームの取付
部である。また、図9において可動プラテン10には、
押出シリンダ55が埋設されており、型開された可動金
型15のキャビティから溶湯の固化による製品を押出す
ように構成されている。
【0031】以上のように構成されたダイカストマシン
の動作を説明する。
【0032】図1に示す型開状態から可動プラテン10
用の移動シリンダ43を作動させて軸受板17と可動プ
ラテン10を移動させると、ボールねじナット12が回
転する。このときチェーン31、35、38、42が張
架されている4個のボールねじナット12が同期して回
転する。ボールねじナット12が回転すると、そのねじ
作用によってボールねじナット12が、静止しているタ
イロッド3上を軸受板17を伴って移動し、可動金型1
5が固定金型16に接触すると、移動シリンダ43の作
動を停止させるとともに、電磁ブレーキ26が作動し、
可動金型15が急停止して型合わせが行われる。このと
き移動シリンダ43のヘッドエンド室から油が抜かれて
いるので、ピストンロッド44は可動プラテン10の移
動に伴って後退する。
【0033】このようにして可動金型15が固定金型1
6に対し型合わせされたときには、ピストンロッド44
の作用端が固定された軸受板17に対してボールねじナ
ット12が内蔵されている可動プラテン10が後方へ僅
かに移動する。そして、強い型合わせにより可動プラテ
ン10が相対的に後方へ押される形となり、ニードルベ
アリング13が取付けられた取付部材13aの内壁面1
3bが、電磁ブレーキ26の作用で回転を規制されてい
るボールねじナット12の先端面12aに押付けられ、
ボールねじナット12の先端面12aと取付部材13a
の内壁面13bとの間に形成されていた僅かな隙間が無
くなり、可動金型15と可動プラテン10の移動は、ボ
ールねじ装置によってガタ無く制動される。また、タイ
ロッド3は両端部をシュパンリング5、9を介して固定
されているので、捩じれることがない。
【0034】このようにして型合わせしたのち、油圧導
入口76から密閉袋73内に圧油を導入すると密閉袋7
3は膨張し、密閉袋73の外周面はラム47の凹部47
bに当接して増圧された油圧による押圧力Fはラム47
へ伝播され、この押圧力Fは金型取付板45を介して湾
曲した固定金型16を真っ直ぐになるように矯正が行な
われ、ラム47の移動による押圧力に抗して固定金型1
6を伴って僅かに移動し型締が行われる。この型締に際
しては、ラム47の移動によって金型取付板45が中央
部をシリンダ孔46とラム47とから成る型締シリンダ
によって押圧されるので、可動プラテン10が電磁ブレ
ーキ26とボールねじ装置との両方で強固に制動されて
いることと相まって可動金型15と固定金型16とが湾
曲することがなく、可動金型15と固定金型16との接
合面に隙間ができない。
【0035】このようにして型締したのち、射出スリー
ブ内へ溶湯を注入し、油圧によってプランジャチップを
射出スリーブ内で前進させると、溶湯が金型キャビティ
内へ射出される。この射出に際しては、上記のように可
動金型15と固定金型16との接合面に隙間ができてお
らず、溶湯をキャビティ内へ射出しても、両金型15、
16の接合面から溶湯が噴出することがないので、安全
性が向上するとともに形状、寸法の正確な鋳造品が確実
かつ容易に得られる。
【0036】このようにして金型キャビティ内に射出し
た溶湯が固化したのち、シリンダ孔46内の油を抜き、
また電磁ブレーキ26による制動を解くとともに、移動
シリンダ43を作動させて型開を行なう。このとき、ボ
ールねじ装置の作用で型開は円滑に行われる。溶湯が固
化することによって得られた製品は、可動金型15に保
持されて移動するので、この製品を押出シリンダ54で
金型キャビティから押出した状態にして製品取出装置で
機外へ取出すことにより、鋳込サイクルが完了する。
【0037】なお、型締力や射出力が分かっていれば、
固定金型16や固定プラテン2の軸線中央部の変形寸法
を予め計算や実験で知ることができるので、その値に応
じ各ラム47の前進量や圧力を予め定めておくこともで
きる。勿論、固定金型16の面の変形量を例えば超音波
や光電管、圧電素子等を利用して検知しその検知量に応
じて各ラム47の前進量等を制動することにより、固定
金型16が変形しないようにすることもできる。
【0038】なお、本実施例においては、シリンダ孔4
6と密閉袋 およびラム47とからなる型締シリンダを
3個設けたものを例示したが、個数を限定するものでな
く、4個以上設けたり、固定プラテン2の中央部に1個
のみ設けてもよい。また、本実施例においては本発明を
横型締横射出型のダイカストマシンに実施した例を示し
たが、型締方向や射出方向を限定するものでなく、さら
にプラスチック用の射出成形機にも同様に実施すること
ができ、同様の効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明ではつぎのような利点がある。すなわち、 密閉袋をアーチ状の伸縮自在な可撓性材で形成した
ことにより、油圧導入に伴なって押圧力がラムにスムー
スに伝達されるとともに、油シール部分がないために型
締時に固定プラテンが湾曲してラムとシリンダ部分に隙
間が生じても圧油が外部に漏洩することがない。 密閉袋をアーチ状に形成したことにより、油圧によ
る押圧力の伝達面が広くとれ、かつ均等に伝達されるた
めに局部的な損傷が無くなり長期の使用に耐える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したダイカストマシンの一部破断
正面図である。
【図2】本発明を実施したダイカストマシンの平面図で
ある。
【図3】図1のA側側面図である。
【図4】図1のB側側面図である。
【図5】型締シリンダの断面図である。
【図6】型締シリンダの密閉袋の要部拡大図である。
【図7】本発明に類する型締シリンダの断面図である。
【図8】図7の型締シリンダの密閉袋の要部拡大図図で
ある。
【図9】図3のC〜C拡大断面図である。
【図10】従来の型締シリンダの断面図である。
【図11】従来の密閉袋の断面図である。
【符号の説明】
2 固定プラテン 3 タイロッド 10 可動プラテン 15 可動金型 16 固定金型 26 電磁ブレーキ 45 金型取付板 46 シリンダ孔 47 ラム 47a ラムシリンダ 47b 凹部 71 シリンダ 72 底部 73 密閉袋 73a アーチ部 73b 底部 73c 管状部 74 密閉袋押え材 75 縁底部 76 油圧導入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の隅部にタイロッドが設けられて
    いる固定プラテンに金型取付板を重ね合わせて支持させ
    るとともに、前記金型取付板側へ開口したシリンダ孔を
    前記固定プラテンに設け、さらに前記シリンダ孔と摺動
    自在に嵌合するラムを設け、油圧を封入した密閉袋を内
    蔵させ、前記密閉袋内の油圧の増圧によりラムを介して
    前記金型取付板を固定金型側へ押圧する押圧力を付加可
    能としたことを特徴とする射出成形用型締装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の密閉袋をドーナツ状の縁
    底部を有したアーチ形状とし、前記ドーナツ状の縁底部
    を保持部材で保持するとともに前記縁底部側に油圧源に
    通じる油圧導入口を配設したことを特徴とする射出成形
    用型締装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の密閉袋を平坦な平板形状
    の底部を有したアーチ形状とするとともに、前記底部に
    密閉袋と一体的に形成された導入管を有し、前記導入管
    を油圧源と連通したことを特徴とする射出成形用型締装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の密閉袋を伸縮自在な可撓
    性材で形成したことを特徴とする射出成形用型締装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の密閉袋および導入管を一
    体的に形成された伸縮自在な可撓性材を用いたことを特
    徴とする射出成形用型締装置。
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