JPH09109145A - シリコン切断廃液からの砥粒回収装置 - Google Patents

シリコン切断廃液からの砥粒回収装置

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JPH09109145A
JPH09109145A JP29372995A JP29372995A JPH09109145A JP H09109145 A JPH09109145 A JP H09109145A JP 29372995 A JP29372995 A JP 29372995A JP 29372995 A JP29372995 A JP 29372995A JP H09109145 A JPH09109145 A JP H09109145A
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tank
liquid
classifier
extractant
oil
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JP29372995A
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Inventor
Katayuki Takahashi
堅之 高橋
Hajime Negishi
一 根岸
Hideyuki Kadowaki
秀行 門脇
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D5/00Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor
    • B28D5/0058Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material
    • B28D5/007Use, recovery or regeneration of abrasive mediums

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン単結晶のワイヤーソー切断において
生じる廃砥粒調合油から再利用可能な砥粒を回収する。 【解決手段】 a)砥粒調合油に含まれる油分と相溶す
る低粘度の抽出剤を、廃砥粒調合油に添加して混合・撹
拌する希釈槽と、b)この希釈槽に連続して配され、前
記希釈槽から抽出剤を添加した廃砥粒調合油を被処理液
として沈降分離槽の上部より連続的に供給する流路と、
一方前記と同様の抽出剤を沈降分離槽の下部より上向き
に注入する流路を備え、所定粒径未満の固形物を含有す
る溢流液と、所定の粒径以上の固形物を含有する底部排
出流とに分離する分級器とを有することを特徴とするシ
リコン切断廃液からの砥粒回収装置である。さらに、上
記分級器を粗選分級器とし、この粗選分級器より得られ
る底部排出流を被処理液としてさらに沈降分離処理する
ための、上記粗選分級器と同様の構成を有する分級器を
精選分級器としてさらに有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン切断廃液
からの砥粒回収装置に係り、詳しく述べると、ワイヤー
ソー切断機などを用いて、例えば、シリコン単結晶イン
ゴットを切断しシリコンウェハを作製する場合におけ
る、廃砥粒調合油からの砥粒回収技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン単結晶インゴットを切断
し、シリコンウェハを作製する場合、内周刃切断機が一
般に用いられている。しかしながら、インゴットの大口
径化に伴ない、例えば直径8インチ以上のインゴットを
切断可能な内周刃切断機の製作が困難となってきてい
る。また、カーフロス(切代)の減少による収率の向
上、切断作業の無人運転化等の作業効率の観点からワイ
ヤーソー方式の切断機の使用が着目されている。
【0003】このワイヤーソー切断機は、例えば図9に
示すように、互いにその軸線が平行となるように離間配
置された複数の溝車52(例えば3つの溝車52の各軸
線が正三角柱の各側辺を形成するように配置する)を有
する。駆動装置(図示せず)によって摺動可能とされた
ワイヤ51が、これらの溝車52間に複数回巻装されて
いる。従って、溝車52に平行に設置される、シリコン
単結晶インゴット等のワーク53に対し、軸線と垂直な
方向からワイヤ51が定間隔毎に当接し、ワーク53と
溝車52との相対位置を変動させることによって、同時
に複数枚のウェハが切断できるようになっている。な
お、切断部位においてワイヤ51には、砥液供給部54
から砥粒を高粘性油に配合してなる砥粒調合油が供給さ
れる。
【0004】しかしながら、このようなワイヤーソーに
よる切断の欠点の1つとして、上記砥粒調合油の寿命が
約1カ月と短いことが挙げられる。すなわち、シリコン
単結晶の切断処理を継続していくと、砥粒調合油中にシ
リコン切粉等の混入量が増加し切断効率が短期間で低下
してしまう。
【0005】このため経済的観点から、廃砥粒調合油の
再生技術の開発が要望されていた。本出願人は、先にこ
のような廃砥粒調合油の回収方法として、砥粒調合油に
含まれる油分と相溶する低粘度の抽出剤を廃砥粒調合油
に添加する工程と、この抽出剤を添加した廃砥粒調合油
を遠心分離にかけて、所定の粒径以上の固形物を含有す
る固相と、所定の粒径未満の固形残渣を含有する液相と
に分離する工程とを有する方法を提案した(特願平06
−192042号)。
【0006】しかしながら、このように遠心処理を利用
した回収方法では、装置が大型なものとなり、また処理
が連続的に行なえないために回収コストが高くなってし
まうといった問題が残るものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、シリ
コン単結晶のワイヤーソー切断において生じる廃砥粒調
合油の、効率のよいかつ設備的にもコンパクトなものと
なる再生技術を提供することを目的とする。本発明はま
た、廃砥粒調合油からの砥粒回収装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、ワ
イヤーソー切断機を用いて、シリコン単結晶インゴット
を切断した際に用いられた砥粒調合油の廃液中に含まれ
るSiC砥粒の粒子径分布を検討した結果、使用前の砥
粒調合油中の砥粒の形状および粒子径分布と、廃液中の
砥粒の形状および粒子径分布を比較すると、廃液中には
使用前の砥粒と実質的に遜色のない大きさおよび形状の
砥粒が数多く含まれており、これらを回収分級すること
ができれば、再利用可能であるとの知見を得た。
【0009】ここで、シリコンの切断に用いられる砥粒
調合油は、SiC粒を砥粒として、これを粘性の高い重
質油に添加分散させたものであり、さらに分散安定剤、
非イオン界面活性剤、酸化防止剤等の添加剤が配合され
ているものであることから、廃液の油分から砥粒等の固
形分を直接的に分離することが困難である。また砥粒と
シリコン切粉との比重差は1以上あり、比重選鉱による
砥粒回収が有力な方法であると考えられるが、上記した
ように調合油の粘性が高く処理不能であり、また調合油
による希釈程度では処理不能である。さらに廃砥粒調合
油においては機械油の混入あるいは調合油の劣化により
鉱物油の分離が起っており、油分抽出処理が困難であ
る。そこで本発明者らは、砥粒調合油に含まれる油分と
相溶する例えば灯油などといった低粘度の抽出剤を、廃
砥粒調合油に添加し、この抽出剤を添加した廃砥粒調合
油を分離処理にかけることを想到した。さらに、その分
離処理として、いわゆる水力分級器におけるように、沈
降分級器の分級室の底部から上向きに低粘度抽出剤を供
給し、微粒を槽外に溢流させ、上昇流に抗して沈降した
粗粒(砥粒)は底部から回収すれば、連続的にかつ効率
よく廃砥粒調合油から砥粒を回収でき、しかも遠心分離
を用いるよりも装置的に小型でかつ省エネルギーである
有効な回収方法となることを見い出し、これに使用され
る好適な装置構成を開発したものである。
【0010】すなわち、本第1発明は、シリコン結晶の
切断の際に使用される砥粒調合油の廃液からの砥粒の回
収装置であって、 a)砥粒調合油に含まれる油分と相溶する低粘度の抽出
剤を、廃砥粒調合油に添加して混合・撹拌する希釈槽
と、 b)この希釈槽に連続して配され、前記希釈槽から抽出
剤を添加した廃砥粒調合油を被処理液として沈降分離槽
の上部より連続的に供給する流路と、一方前記と同様の
抽出剤を沈降分離槽の下部より上向きに注入する流路を
備え、所定粒径未満の固形物を含有する溢流液と、所定
の粒径以上の固形物を含有する底部排出流とに分離する
分級器とを有する。
【0011】また本第2発明は、シリコン結晶の切断の
際に使用される砥粒調合油の廃液からの砥粒の回収装置
であって、上記分級器を粗選分級器とし、この粗選分級
器より得られる底部排出流を被処理液として、さらに沈
降分離処理するための、上記粗選分級器と同様の構成を
有する分級器を精選分級器としてさらに有する。
【0012】さらに本第3発明は、シリコン結晶の切断
の際に使用される砥粒調合油の廃液からの砥粒の回収装
置であって、上記分級器への被処理液の供給流路が、同
流路内の閉塞が起きないような流速を確保し、かつ分級
器の沈降分離槽への供給液量を調整することができるよ
うに、この被処理液の供給源から被処理液を分級器側へ
と圧送する供給ポンプの後方に、沈降分離槽への被処理
液供給流路と前記供給源への返戻流路とを有する分配槽
を備えている。
【0013】また本第4発明は、シリコン結晶の切断の
際に使用される砥粒調合油の廃液からの砥粒の回収装置
であって、前記精選分級器より導出される底部排出流の
瀘液、および前記精選分級器より導出される溢流液を、
前記希釈槽および/または粗選分級器へと循環使用する
ための流路をさらに有する。
【0014】このように本発明においては、廃砥粒調合
油に灯油等の抽出剤を添加することで、沈降分離による
固液分離を容易なものとする。さらに第1発明において
は、このように抽出剤を添加した廃砥粒調合油を沈降分
離にかける際に、分離槽内に抽出剤による上昇流を形成
することにより所定粒径以上の固形物(砥粒)と所定粒
径未満の固形物(シリコン切粉等)との分離を促進さ
せ、所定粒径未満の固形物は溢流液に乗せ、上昇流に抗
して槽内を沈降する所定粒径以上の固形物と分離するも
のである。さらにこのように分離槽内において抽出剤の
上昇流にさらされることで、砥粒の洗浄化も同時に行な
えるものである。
【0015】また第2発明においては、このように抽出
剤を添加した廃砥粒調合油を沈降分離(粗選)にかけた
後、得られた所定粒径以上の固形物を含む底部排出流
を、さらに上記と同様な沈降分離操作に1ないし複数回
かけること(精選)により、より確実にかつ品位高く所
定粒径以上の砥粒を回収する。
【0016】さらに第3発明においては、分級器への被
処理液の供給流路に分配槽を設けることにより、管路閉
塞といったトラブルを発生することなく安定して連続処
理が行なえるようになる。加えて第4発明においては、
抽出剤の循環使用が可能となり、処理に必要とされる新
鮮抽出剤の使用量を抑制することができ、経済的に有利
な砥粒回収処理が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づき、より
詳細に説明する。図1は、本発明に係わる廃砥粒調合油
からの砥粒の回収装置の一実施形態を模式的に示す図面
である。
【0018】シリコン結晶のワイヤーソー切断機での切
断の際に使用される砥粒調合油は、粒径6〜20μm程
度のSiC砥粒を、15mp・S(20℃)程度の高粘
性の調合油に分散させたものである。砥粒調合油のより
具体的な組成の一例を例示すると、最大径20.2μ
m、50%径12.1μmのSiC砥粒(嵩比重1.0
52(真比重4))を、精製鉱油(粘度5cSt(40
℃))43%、石油系溶剤(粘度2cSt(40℃))
35%、分散安定剤10%、高分子活性剤(非イオン界
面活性剤)10%および酸化防止剤(脂肪酸誘導体)2
%からなる調合油(D4 15:0.821、粘度:14.
5mp・S(20℃))に、1.6:1の割合(砥粒:
調合油の重量比)で、配合したものなどが挙げられる。
【0019】このような砥粒調合油を、ワイヤーソー切
断機において例えば1ケ月程度使用すると、砥粒調合油
中には、粒径1〜5μm程度のシリコン切粉が多量に混
入し、切断効率が低下してしまうために使用に絶えられ
ないものとなる。なお、砥粒調合油には、使用によりワ
イヤー鉄粉、ワイヤーメッキ粉、ガラス成分、接着剤成
分、機械油なども混入する虞れがあるが、その量は、多
くてもシリコン切粉の数%程度と微量である。
【0020】このようにしてシリコン切粉が混入した砥
粒調合油の廃液は、例えば、廃液100リットル(18
0kg)当り、砥粒95kg、潤滑油60kg、シリコ
ン切粉25kgを含有する。もちろん、本発明において
対象とする砥粒調合油の組成および処理される廃砥粒調
合油の組成としてはそれぞれ上記に例示したものに何ら
限定されるものではない。
【0021】このような廃液は、本発明の装置にかけら
れる前に、必要に応じて、セットリングを行ない上層浮
上油分を除去することが可能である。本発明の装置にお
いて、このような廃液(原液)は、まず撹拌機1を備え
た希釈槽2に供給され、ここで抽出剤槽6より定量ポン
プ7aを介して送られる抽出剤としての灯油を添加さ
れ、撹拌混合されて油分抽出処理が行なわれる。抽出剤
としては、砥粒調合油に含まれる油分と相溶する低粘度
のもので特に限定されるものではなく、灯油以外にも例
えば、ガソリン、軽油等が使用され得るが、経済性およ
び安全性の面から灯油が好ましい。また、抽出剤の添加
量としては、廃液に対し容量比(抽出油/廃液)で少な
くとも1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以
上となるようにする。すなわち、容量比が1未満では廃
液の十分な希釈が行なえず後続する沈降分離による固液
分離が困難となるためである。なお、容量比が5を越え
る程に過度に抽出剤を添加することは、操作効率および
経済的な面から好ましくない。
【0022】このように抽出剤(灯油)を添加された廃
液(以下、希釈廃液と称する。)は、定量ポンプ3によ
り分配槽4へと送られ、分配槽より所定流量、例えば3
5〜40ml/分が、分級器の沈降分離槽5へと供給さ
れる。なお、定量ポンプ3での揚液量は、配管の閉塞が
起きないような管内流速になる量、例えば70〜100
ml/分とされ、余分量は、分配槽より希釈槽へと返戻
される。なお、この実施形態においては、第3発明に係
る分配槽を有する流路構成としたが、もちろんこのよう
な分配槽を有せず、圧送ポンプ等のみを有する単純な流
路構成とすることも可能である。
【0023】沈降槽5においては、上部より希釈廃液が
前記所定流量で供給される一方で、底部側からは、抽出
剤槽6より定量ポンプ7bを介して所定流量で送られて
きた抽出剤が、沈降槽5内において上昇流を形成するよ
うに上向きに注入される。ここで、この上昇流を形成す
るに導入される抽出剤の量は、先の希釈槽における廃液
の抽出剤による希釈割合、沈降槽の大きさおよび形状等
によっても左右されるが、希釈廃液に含まれる廃液量に
対する抽出剤の量(容量比:抽出剤/廃液)が、1〜3
倍、好ましくは2倍程度となるように流量を調節する。
すなわち、容量比が1倍未満では十分な上昇流分級が行
なえず、一方、容量比が3倍を越えるものとなると、上
昇流が強くなりすぎて所望粒径の固形物まで溢流に同伴
されてしまう可能性が高くなり、かつ抽出剤の消費量が
大きくなり経済的でなくなる虞れもあるためである。
【0024】なお、このような沈降分離を行なう沈降槽
5を有する分級器としては、特に限定されるものではな
く、一般に水力分級器として知られる、例えば、単純な
コーン型の選別筒(沈降槽)を有する分級器、渦動分級
器などといった自由沈降水力分級器、あるいはファーレ
ンワルドサイザー、ドルコサイザーなどといった干渉沈
降水力分級器、さらには液体サイクロンの底部付近に抽
出剤導入口を設けて改良したような遠心力を併用するも
の、さらにはシックナーなどのように排泥機構(レー
キ)を有し、所定の粒径以上の固形物を含有する底部排
出流の排出能を高めたものなどが採用可能である。
【0025】沈降槽5において前記抽出剤による上昇流
の上昇速度より大きい沈降速度をもつ所定粒径以上の固
形物は、沈降槽内を下降し底部排出口5aよりアンダフ
ロー受槽8へと導出され、一方、所定粒径未満の固形物
は前記上昇流に搬送されて溢流として沈降槽上部より取
出されオーバフロー受槽9へと送られる。
【0026】第1発明においては、アンダーフロー受槽
8に得られた所定粒径以上の固形物を含むアンダーフロ
ー液は、例えば加圧フィルター等を用いて固液分離さ
れ、回収された固相は回収砥粒として再利用される。な
お、固相と分離された液相は、再使用抽出剤として使用
することも可能であり、この場合、再使用抽出剤は不足
分を新鮮な抽出剤により補われ、希釈槽2における廃液
の油分抽出処理へと循環利用され、抽出剤の消費量を抑
えることができる。
【0027】なお、必要に応じて、このように回収され
た固相に対し、さらに砥粒/切粉分離操作を行なっても
よい。この分離操作は、SiC砥粒とSi切粉との比重
差が1以上あること、また水等に対する濡れ性が相違す
ることから、比重分離または水ないし水系媒体等の適当
な媒体を使用しての浮遊分離により行なうことが適当で
ある。この操作により、主として所望径以上の砥粒を含
有する回収砥粒と、切粉および所望径未満の砥粒を含有
する残渣とに分離され、回収砥粒は再利用される。な
お、このような分離操作に代えて、湿式分級あるいはふ
るい、サイクロンなどによる乾式分級を採用することも
可能であり、またこのような分級操作を前記したような
分離操作と併用することも可能である。また、本発明に
おいて、回収された固相中に含まれる鉄粉の割合が比較
的多い場合には、必要に応じて磁気選鉱により、鉄分を
除去する操作を付加することも可能である。
【0028】なお、オーバフロー液は、一端オーバーフ
ロー受槽9に貯溜した後、廃棄処分される。図2は、本
発明に係わる廃砥粒調合油からの砥粒の回収装置の別の
実施形態を模式的に示す図面である。
【0029】すなわち、図2に示す装置構成は、第2発
明に係るものであって、上記図1に基づき説明した油分
抽出処理および沈降分離処理という一連の操作を粗選処
理とし、さらにこの粗選処理により得られたアンダーフ
ロー液を精選処理にかけるためのものである。なお、図
2において図1と同一の符号を付したものは、図1の装
置構成におけるものと同様の部材を表す。また、図2に
おける装置において、第1の分級器(粗選分級器)の沈
降槽5における沈降分離処理までは、図1における装置
における沈降槽5における沈降分離処理とほぼ同一であ
るため、便宜上説明を省略するが、希釈槽2および第1
の分級器の沈降槽5へと供給される抽出剤(灯油)は、
図1におけるものとは異なり、後述するように再使用抽
出剤を一部に含むものであり、循環抽出剤槽16より供
給される構成とされている。
【0030】第2発明においては、粗選分級器の沈降槽
5による沈降分離の結果、撹拌機11を有してなる粗選
アンダーフロー受槽8に得られた所定粒径以上の固形物
を含むアンダーフロー液を、被処理液として、前記と同
様の沈降分離操作を繰返し、回収砥粒の品位を高める。
このために、粗選アンダーフロー受槽8には、前記希釈
槽2に対すると同様に、定量ポンプ13および分配槽1
4を有する管路が接続されており、分配槽より所定流
量、例えば35〜40ml/分の粗選アンダーフロー液
が、精選のための第2の分級器の沈降槽15へと供給さ
れる構成とされている。なお、必要に応じて、粗選アン
ダーフロー受槽8には、抽出剤(灯油)を供給する構成
としておき、粗選アンダーフロー液をさらに希釈しても
よい。
【0031】第2の分級器としては、前述したものと同
様のものが用いられ得、粗選のための第1の分級器と全
く同一のものであっても、あるいは形状、種類等を適宜
変更したものとすることもできる。第2の分級器の沈降
槽15においては、上部より粗選アンダーフロー液が前
記所定流量で供給される一方で、底部側からは、新鮮抽
出剤槽6より定量ポンプ17cを介して所定流量で送ら
れてきた新鮮な抽出剤が、沈降槽15内において上昇流
を形成するように上向きに注入される。ここで、この上
昇流を形成するに導入される抽出剤の上部より供給され
る粗選オーバフロー液に対する割合(容量比:抽出剤/
粗選オーバーフロー液)が、1〜3倍、好ましくは2倍
程度となるように流量を調節する。すなわち、容量比が
1倍未満では十分な上昇流分級が行なえず、一方、容量
比が3倍を越えるものとなると、上昇流が強くなりすぎ
て所望粒径の固形物まで溢流に同伴されてしまう可能性
が高くなり、かつ抽出剤の消費量が大きくなり経済的で
なくなる虞れもあるためである。
【0032】この第2の分級器の沈降槽15において前
記抽出剤による上昇流の上昇速度より大きい沈降速度を
もつ所定粒径以上の固形物は、沈降槽内を下降し底部排
出口15aより精選アンダーフロー受槽18へと導出さ
れ、一方、沈降槽上部より取出された溢流(オーバーフ
ロー液)は、循環抽出剤槽16へと送られる。
【0033】精選アンダーフロー受槽18に得られた所
定粒径以上の固形物を含むアンダーフロー液は、定量ポ
ンプ19により加圧フィルター20へと送られ、ここで
固液分離され、回収された固相は回収砥粒として再利用
される。なお、固相と分離された液相は、循環抽出剤槽
16へと送られる。
【0034】次に図2に示す装置例における抽出剤の供
給・回収系について説明する。図2に示す装置例におい
ては、第4発明に基づく抽出剤の供給・回収系が形成さ
れている。すなわち、精選アンダーフロー液を瀘過にか
け固相と分離された液相は、再使用抽出剤として使用す
ることが可能であり、さらに精選沈降槽工程におけるオ
ーバフロー液は、固形分含有量が非常に少ないものであ
るためそのまま再使用抽出剤として使用することが可能
であるとの知見から、この例においては、新鮮な抽出剤
を収容する新鮮抽出剤槽6と循環抽出剤槽16とを有し
ており、循環抽出剤槽16には、前記したように加圧フ
ィルター20からの瀘液および精選分級器の沈降槽15
からのオーバーフロー液が回収され、また粗選分級器の
沈降槽5からのオーバーフロー液として消耗される分に
見合った液量が、新鮮抽出剤槽6より定量ポンプ17d
を介して循環抽出剤槽16へと補給される構成とされて
いる。そして、この循環抽出剤槽16より、粗選工程に
係る希釈槽2および粗選分級器の沈降槽5への抽出剤供
給が行なわれ、効率的な抽出剤の循環利用が図られてい
る。なお、精選工程に係る精選分級器の沈降槽15への
抽出剤供給は、精選精度を高めるために、新鮮抽出剤槽
6よりの新鮮抽出剤の供給がなされている。
【0035】図3は、本発明に係わる廃砥粒調合油から
の砥粒の回収装置のさらに別の実施形態を模式的に示す
図面である。図3に示す装置構成は、上記したような精
選処理を、1つの分級器を用いて行なうためのものであ
る。すなわち、図3に示す装置例は、図1に示すような
装置構成に若干の変更を加えたものであり、分配槽4に
導入される流体管路と、沈降槽5の底部排出口5aより
導出される流体管路とに、それぞれ切替弁(三方弁)3
1,32を配し、さらにアンダーフロー槽8より定量ポ
ンプ33を介し切換弁31(分配槽前方に位置する)を
通じて分配槽4へと連通する流体管路と、前記切換弁3
2(底部排出口5a後方に位置する)を通じて別途設け
た精選アンダーフロー槽38へと連通する流体管路とを
有するものである。なお、図3において図1と同一の符
号を付したものは、図1の装置構成におけるものと同様
の部材を表す。
【0036】この装置例においては、希釈槽2からの所
定量の被処理液の沈降槽5による処理が終了した時点
で、前記切換弁31,32を作用させることにより、管
路を切替え、アンダーフロー槽8からの被処理液を沈降
槽5へと流し、精選アンダーフロー槽38へと回収する
精選処理を行なうものであり、1つの分級器を有するの
みで精選まで行なうことができるために、装置としてコ
ンパクトなものとなるという利点を有する。
【0037】しかしながら、好ましくは、上記図2に例
示したように粗選用の沈降槽5とは別途に精選処理用の
沈降槽15を、前記沈降槽5より下流側に配置し、アン
ダーフロー槽8からの被処理液をこの下流側に配された
第2の沈降槽に対し供給する、さらには、この第2の沈
降槽からのアンダーフロー液を第3の沈降槽へ、第3の
沈降槽からのアンダーフロー液を第4の沈降槽へ…とい
った構成を取ることが、連続処理が可能となり、操作管
理等も容易となるといった面から好ましい。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。図1に示すような構成を有する試験装置によ
り、ワイヤーソー廃液の連続沈降分離試験を行なった。
【0039】まず、粗選では、ワイヤーソー廃液と灯油
を容量比1:2に混合したもの(3倍希釈液)を沈降槽
5上部から35〜40ml/分の流量で供給した。ま
た、ワイヤーソー廃液の容量比2倍分の灯油を沈降槽5
下部から上向きに供給した。また、精選では、同じ装置
を用いて、前記粗選におけるアンダーフロー液を沈降槽
5上部から35〜40ml/分の流量で供給した。ま
た、沈降槽上部からの供液量の2/3相当分の灯油を沈
降槽5下部から上向きに供給した。
【0040】なお、その他の条件、例えば沈降槽、分配
槽の形状等は図1に示す通りであった。表1に、ワイヤ
ーソ廃液(原液)と、粗選の結果得られた粗選オーバフ
ロー液(粗選Of)および粗選アンダーフロー液(粗選
Uf)と、精選の結果得られた精選オーバフロー液(精
選Of)および精選アンダーフロー液(精選Uf)との
成分割合を示す。
【0041】表1に示すように、回収SiCは、粗選の
みでも品位約88%、回収率約87%に達し、さらに精
選まで行なうと品位約92%となり、また最終回収率
(粗選回収率×精選回収率)約82%となり、有効な砥
粒回収ができることが確認された。
【0042】また、精選後回収された砥粒は、図6およ
び図7に示すように、図4および図5に示す廃液中に含
まれる微細粉が実質的に除去され、使用前の砥粒調合油
に含まれる砥粒の形状と何ら遜色のないものであり、ま
た図8に示すように精選後の産物(上記連続試験の累計
として表わした。)の粒径分布も、廃液(原液)中の微
細粉がきれいに除去された良好なものとなり、使用前の
砥粒調合油に含まれる砥粒の粒径分布と遜色なく、本発
明により回収された砥粒が再利用可能であることが実証
された。なお図8において、参考のために回分試験の結
果得られた粒径分布を併せて示すが、連続処理によって
も回分処理と遜色ない良好な粒径分布が得られ、処理効
果を低下させることなく連続処理により処理効率を高め
ることができることが明らかとなった。
【0043】なお、回分試験は、次のようにして行っ
た。ワイヤーソ廃液に灯油を添加し、回分的に自然沈降
分離試験を行った。5倍希釈となるように、ワイヤーソ
廃液600mlに灯油を2400ml添加し、撹拌、静
置後、サイフォンで洗浄灯油分の上相、不溶解油分相、
沈降した固相に分離する。その後は固相に最初の廃液量
と同量の600mlの灯油を添加し、撹拌、静置、分離
を5回繰り返して洗浄を行った。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、シリ
コン結晶の切断の際に使用された砥粒調合油の廃液から
の砥粒再生技術が確立でき、シリコンウェーハ製造にお
いて、有効なコスト削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係わる廃砥粒調合油からの砥粒
の回収装置の一実施形態における装置構成例を模式的に
示す図面である。
【図2】図2は本発明に係わる廃砥粒調合油からの砥粒
の回収装置の別の実施形態における装置構成例を模式的
に示す図面である。
【図3】図3は本発明に係わる廃砥粒調合油からの砥粒
の回収装置のさらに別の実施形態における装置構成例を
模式的に示す図面である。
【図4】図4は廃液中のSiC砥粒とSi切粉の形状を
示す顕微鏡写真(倍率500倍)である。
【図5】図5は廃液中のSiC砥粒とSi切粉の形状を
示す顕微鏡写真(倍率1000倍)である。
【図6】図6は本発明方法により回収されたSiC砥粒
の形状を示す顕微鏡写真(倍率500倍)である。
【図7】図7は本発明方法により回収されたSiC砥粒
の形状を示す顕微鏡写真(倍率1000倍)である。
【図8】図8は廃液中のSiC砥粒、および本発明方法
により回収されたSiC砥粒の累積粒径分布を示すグラ
フである。
【図9】図9はワイヤーソー切断機の構成を模式的に示
す斜視図である。
【符号の説明】
1…撹拌機、 2…希釈槽、 3,7,13,17,33…定量ポンプ、 4,14…分配槽、 5,15…沈降槽、 6…新鮮抽出剤槽、 8,18…アンダーフロー受槽、 9…オーバーフロー受槽、 16…循環抽出剤槽、 31,32…切換弁、 51…ワイヤ、 52…溝車、 53…ワーク、 54…砥液供給部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン結晶の切断の際に使用される砥
    粒調合油の廃液からの砥粒の回収に用いられる装置であ
    って、 a)砥粒調合油に含まれる油分と相溶する低粘度の抽出
    剤を、廃砥粒調合油に添加して混合・撹拌する希釈槽
    と、 b)この希釈槽に連続して配され、前記希釈槽から抽出
    剤を添加した廃砥粒調合油を被処理液として沈降分離槽
    の上部より連続的に供給する流路と、一方前記と同様の
    抽出剤を沈降分離槽の下部より上向きに注入する流路を
    備え、所定粒径未満の固形物を含有する溢流液と、所定
    の粒径以上の固形物を含有する底部排出流とに分離する
    分級器と、 を有することを特徴とするシリコン切断廃液からの砥粒
    回収装置。
  2. 【請求項2】 上記分級器を粗選分級器とし、この粗選
    分級器より得られる底部排出流を被処理液として、さら
    に沈降分離処理するための、上記粗選分級器と同様の構
    成を有する分級器を精選分級器としてさらに有すること
    を特徴とする請求項1に記載のシリコン切断廃液からの
    砥粒回収装置。
  3. 【請求項3】 上記分級器への被処理液の供給流路が、
    同流路内の閉塞が起きないような流速を確保し、かつ分
    級器の沈降分離槽への供給液量を調整することができる
    ように、この被処理液の供給源から被処理液を分級器側
    へと圧送する供給ポンプの後方に、沈降分離槽への被処
    理液供給流路と前記供給源への返戻流路とを有する分配
    槽を備えていることを特徴とする請求項1または2に記
    載のシリコン切断廃液からの砥粒回収装置。
  4. 【請求項4】 前記精選分級器より導出される底部排出
    流の瀘液、および前記精選分級器より導出される溢流液
    を、前記希釈槽および/または粗選分級器へと循環使用
    するための流路をさらに有することを特徴とする請求項
    2または3に記載のシリコン切断廃液からの砥粒回収装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001043933A1 (de) * 1999-12-14 2001-06-21 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zum fraktionieren einer zerspanungssuspension
JP2011509187A (ja) * 2007-12-27 2011-03-24 ガルボ・エッセ・エッレ・エッレ シリコンの機械加工により排出されたスラリー中に含まれる懸濁流体を分離及び回収する方法

Cited By (2)

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WO2001043933A1 (de) * 1999-12-14 2001-06-21 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zum fraktionieren einer zerspanungssuspension
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