JPH09108304A - 医療用容器及びその製造方法 - Google Patents

医療用容器及びその製造方法

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JPH09108304A
JPH09108304A JP8080786A JP8078696A JPH09108304A JP H09108304 A JPH09108304 A JP H09108304A JP 8080786 A JP8080786 A JP 8080786A JP 8078696 A JP8078696 A JP 8078696A JP H09108304 A JPH09108304 A JP H09108304A
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啓之介 磯野
Hiroyuki Shichi
宏幸 志知
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重炭酸濃度を安定に維持し長期間の保存が可
能で、滅菌処理も十分になされた医療用容器及びその製
造方法を提供。 【構成】 本発明の医療用容器は、電解質溶液が収容さ
れる医療用容器において、上記容器は柔軟な可撓性樹脂
容器からなり、また該容器は複数の室を有して、該室と
室との隔離壁は使用時に容器の外側から開放可能に形成
され、上記一の室には重炭酸塩が固体状態で隔離収容さ
れ、上記容器はオートクレーブ滅菌されていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輸液又は透析液を収容
するコンテナ、或いはバック等の医療用容器及びその製
造方法に関するものであり、より詳細には、患者におい
てアルカローシス又はアシドーシス等の電解質異常のな
い液及びその医療用容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体の血漿中の重炭酸濃度は、通常24
mEq/L程度である。輸液により重炭酸を直接体内に
投与する場合、また血液透析や腹膜透析により間接的に
投与する場合等には、それぞれの溶液の重炭酸濃度を血
漿中の濃度に合わせて調合することが望ましい。しか
し、輸液や透析液はプラスチックの医療用容器内に充填
されて、通常高圧蒸気滅菌等により完全に滅菌した状態
で病院に提供される。このため、予め重炭酸を容器内の
液に調合しておくと、重炭酸は高圧蒸気滅菌時に殆ど炭
酸ガスに分解する。また、従来のプラスチックの医療用
容器に重炭酸を充填して高圧蒸気滅菌をしなくても、希
釈された溶液内では、重炭酸は炭酸ガスに分解して消失
する。このため、透析液等には重炭酸が使用されず、体
内でこれに代わるものが添加されている。血漿中等の重
炭酸濃度を一定に保つためには、重炭酸に代わるものと
してアセテート又はラクテート等が調合される。例え
ば、腹膜透析液では、以下の組成を有している。
【0003】電解質濃度(mEq/L)は、ナトリウム
(Na+ )を50〜150mEq/Lの濃度範囲で、カ
ルシウム(Ca2+)を0〜6mEq/Lの濃度範囲で、
マグネシウム(Mg2+)を0〜3mEq/Lの濃度範囲
で、塩素(Cl-)を40〜135mEq/Lの濃度範
囲で、アセテート(H3CCOO-)又はラクテート(H
3CCH(OH)COO-)を30〜45mEq/Lの濃
度範囲で、ブドウ糖(g/dl)を1〜8w/v%の濃
度範囲で含み、浸透圧(mOsm/l)は300〜68
0の範囲にあり、pH値は約5.5である。アセテート
又はラクテートは、体内で重炭酸を造り、透析時に消失
する重炭酸を補う働きをする。このため、現在、腎臓透
析等における透析液にアセテート又はラクテート等が頻
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
腹膜透析等の透析液にアセテート等を用いた場合、アセ
テート等は直ぐに体内で分解されない患者がいるため、
患者の体内は一時的にアシドーシスの傾向が見られる。
また、腎蔵病患者は、最初から代謝が悪く重炭酸濃度が
健常人より低い傾向にあるため、より重篤な疾患とな
る。また、透析開始後、時間が進むにつれて体内のアセ
テート等の分解が進むと、今度は、逆にアルカローシス
が生じる。このため、アシドーシスでは嘔吐や頭痛が生
じ、重炭酸濃度が増加したアルカローシスにあっては、
悪心、傾眠、不整脈等が見られる。このような問題は、
輸液においてもある。また特に、腹膜透析(CAPD)
にあっては、透析液中にブドウ糖が調合されるため、高
圧蒸気滅菌時にブドウ糖の変質をできるだけ避ける理由
から容器内の透析液のpHは約5.5に設定される。こ
のため、かかる透析液の酸性状態で腹膜透析を行うと、
腹痛を生じたり、また白血球障害により容易に感染症を
起こす場合がある。更に、病院内であれば滅菌重炭酸を
容器内の溶液に投与することは可能であるが、腹膜透析
は家庭内での治療であるため、かかる処置もできない。
更に、輸液の場合においても、同様にアセテート及びラ
クテートの使用により、同様に電解質異常を生じること
がある。このような輸液及び透析液等の不都合を解決す
るため、乳酸の代わりに重炭酸を使用した医療用容器が
提案されている(特開昭61−22865号公報)。こ
れは、重炭酸溶液と溶解液との2剤を別々の容器に無菌
分注して収容され、使用時に無菌混合操作を行う。ま
た、特開平6−105905号公報には、少なくとも二
室を有する通気性プラスチック容器に血液アルカリ化剤
としての重炭酸溶液と、カルシウムイオン又はこれとマ
グネシウムイオンとを含む電解質溶液とが別々に収容さ
れており、更に還元糖が必要に応じて上記電解質溶液と
同室に収容されているか、又は上記各室とは個別の第三
室に収容された医療用容器が提案され、医療用容器はガ
スバリア性の包装材で包装されている。しかし、これら
の構成の医療用容器では、重炭酸が溶液として存在する
ため長期間の保存が難しく、重炭酸が容易に分解して炭
酸ガスを放出し、その成分量が変わってしまう。また、
複数室に分けた医療用容器では蒸気滅菌時の加温により
容易に分解してしまう。
【0005】従って、本発明の目的は、重炭酸濃度を安
定に維持し長期間の保存が可能で、滅菌処理も十分にな
された医療用容器及びその製造方法を提案することにあ
る。本発明の目的はまた、アルカローシスもアシドーシ
スも生じることがない、電解質異常のない輸液、透析
液、及び臓器保存剤等の医療用容器及びその製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解質溶液が
収容される医療用容器において、上記容器は柔軟な可撓
性樹脂容器からなり、また該容器は複数の室を有して、
該室と室との隔離壁は使用時に容器の外側から開放可能
に形成され、上記一の室には重炭酸塩が固体状態で隔離
収容され、上記容器はオートクレーブ滅菌されているこ
とを特徴とする医療用容器を提供することにより、上記
目的を達成したものである。本発明に係る医療用容器に
おいて、上記隔離壁は全部又は一部が上記容器外から剥
離可能なピールシール部で形成されていることが望まし
い。本発明に係る医療用容器において、上記隔離壁を用
時に開放して上記重炭酸塩を混合した電解質溶液は、重
炭酸(HCO3 -)を4〜40mEq/Lの濃度範囲で含
む輸液剤である。上記医療用容器において、上記重炭酸
塩の混合前の上記電解質溶液は5〜50w/v%の濃度
範囲で糖を含み、PH値が3.0〜5.5である。本発
明に係る医療用容器において、上記隔離壁を用時に開放
して上記重炭酸塩を混合した電解質溶液は、重炭酸(H
CO3 -)を4〜40mEq/Lの濃度範囲で、ナトリウ
ム(Na+ )を50〜150mEq/Lの濃度範囲で、
塩素(Cl- )を40〜135mEq/Lの濃度範囲で
含み、液浸透圧が300〜680mOsm/lである透
析液である。本発明に係る医療用容器の製造方法におい
て、上記電解質溶液及び重炭酸塩を別々の室に収容密封
した後、温度100℃〜135℃の範囲で蒸気滅菌して
製造することを特徴とする医療用容器の製造方法を提供
することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【作用】上記医療用容器にあっては、重炭酸塩が粉末、
顆粒、打錠等の固体状態で収容され、電解質溶液と分け
られる。このため、重炭酸塩は溶液状態と異なり炭酸ガ
スを発生させて分解することが殆どない。特に、オート
クレーブ滅菌処理の際の高温時においてもその分解が殆
ど抑制される。また上記医療用容器にあっては、重炭酸
塩の室と電解質溶液の室との間の隔離壁はその使用時に
容器外から開放が可能なため、重炭酸塩は無菌的に電解
質溶液に混合され、容器内には重炭酸を含む輸液剤、透
析液或いは臓器保存液ができる。外側から開放可能な隔
離壁としては、剥離可能なピールシール、一端が閉止さ
れた連通管からなりその管の一部を破壊することにより
開放するクリックチップ、隔離壁のシート同士を挟む挟
持手段等が既に存在するが、特に、隔離等をピールシー
ル部で形成すれば、その隔離壁のために容器壁シート以
外の部材を必要とせずその製造が大量生産に好適であ
り、またピールシール部の開放後は連通開口を広く取る
ことができるため、重炭酸塩と電解質溶液との混合がス
ムーズに行われる。また重炭酸を含む輸液剤、透析液、
或いは臓器保存液はPH値も5.7〜7.5の間に維持
することができるため、適用者に腹痛や悪寒等を起こさ
せる虞がない。またラクテート或いはアセテートに代え
て、重炭酸イオンが4〜40mEq/L、特に15〜3
0mEq/Lに輸液剤等を調製するため、適用者の電解
質異常は生じない。
【0008】上記輸液剤にあって、栄養輸液や高カロリ
ー輸液に糖を含ませる場合がある。糖はPH値が6.0
以上の高値の電解質溶液に含まれて高圧蒸気滅菌される
と、変色、変質などを起こす虞がある。しかし、上記医
療用容器にあっては、重炭酸塩を別の室に分離するた
め、重炭酸に用いるナトリウム塩、カリウム塩等が電解
質溶液中から差し引かれ、その結果、電解質溶液のPH
値を5.5以下、特に5.0〜3.0の範囲に設定でき
る。このため、医療用容器を高圧蒸気滅菌した場合にお
いても、糖を含む電解質溶液に変色、変質を起こすおそ
れがない。また、上記透析液においても、糖類が含まれ
るが、上記輸液剤と同様に電解質溶液の変色、変質が防
止できる。また重炭酸と一度反応すると容易に溶解しな
いカルシウム塩等も酸性状態に維持されたので、混合時
も沈殿等は生じない。従って、使用に際して無菌状態
で、主要な母液と混合され、透析液又は輸液として提供
される。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器及びその製造
方法の好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述す
る。図1は本発明に係る医療用容器の第一実施例の平断
面図である。
【0010】図1に示す如く、第一実施例の医療用容器
71は、電解質溶液72が収容される輸液容器であり、
容器71は柔軟な可撓性樹脂容器からなり、また容器7
1は複数の室74、75を有して、室74と室75との
隔離壁76は使用時に容器71の外側から開放可能に形
成され、室75には重炭酸塩73が固体状態で隔離収容
され、容器71はオートクレーブ滅菌されている。医療
用容器71において、隔離壁76は容器71外から剥離
可能なピールシール部で形成され、また隔離壁76を用
時に開放して重炭酸塩73を混合した電解質溶液79
(輸液剤)は、重炭酸(HCO3 -)を4〜40mEq/
Lの濃度範囲で含む。更に、医療用容器71において、
重炭酸塩73の混合前の電解質溶液72は5〜50w/
v%の濃度範囲で糖を含み、PH値が3.0〜5.5で
ある。
【0011】第一実施例を更に詳しく説明すると、医療
用容器71は低張電解質輸液の容器であり、低張電解質
輸液は主に水分、電解質を維持し、栄養を補給する目的
で行う維持輸液である。医療用容器71はインフレーシ
ョン成形した筒状シートが所定の長さに裁断され、両端
部71A、71Bが熱溶着により固着シールされてい
る。シートは厚みが10〜2000μmのものが用いら
れ、医療用容器1は柔軟な可撓性樹脂容器となってい
る。シートの厚みが10μmを下回ると、その強度に支
障があり、シートの厚みが2000μmを上回ると、柔
軟性に欠け経済的に好ましくない。シートは直鎖状ポリ
エチレンとポリプロピレンとの混練り物である。医療用
容器71の端部71Aには筒状の口部材78が固着シー
ル時に取付られ、口部材78は樹脂成形物からなる。ま
た口部材78にはゴム栓79が取付られ、口部材78は
内容物の充填口及び使用時に点滴針が刺通される排出口
となっている。医療用容器71の中間部には隔離壁76
が形成され、隔離壁76は容器71内を電解質溶液72
の収容室74と重炭酸塩73の収容室75に分割してい
る。隔離壁76は外側からの開放・剥離が可能なピール
シール部で形成され、隔離壁76は滅菌時、及び保存時
において収容室74と収容室75とを液密に隔離するシ
ール力を有する一方、使用時には容器71外からの破壊
開封可能なシール力となっている。従って、収容室74
と収容室75とを使用時に無菌連通させることができ
る。尚、第一実施例の医療用容器71では隔離壁76の
全体をピールシール部で形成したが、隔離壁76の一部
に形成しても良い。
【0012】収容室74の電解質溶液72は、ナトリウ
ム(Na+ )を20〜45mEq/Lの濃度範囲で、塩
素(Cl- )を50mEq/Lで、カリウム(K−)を
20mEq/Lで、燐酸イオンを3mEq/Lで、ブド
ウ糖を5w/v%で含んでいる。ナトリウム(Na+
量は重炭酸塩73で用いられる分が差し引かれ、その結
果、ナトリウム(Na+ )量は収容室75に収容される
重炭酸塩73量により変動し、電解質溶液72のPH値
が3.0〜5.5の範囲に設定される。電解質溶液72
のPH値が上記範囲を上回ると、電解質溶液は高圧蒸気
滅菌時に変色、変質を起こす虞がある。一方、上記範囲
内にあれば、電解質溶液72は100℃以上の高圧蒸気
滅菌時に変色や変質を起こす虞がない。尚、第一実施例
では、電解質溶液72のナトリウム(Na+)量は20
mEq/Lとなっている。
【0013】重炭酸塩73は、電解質溶液72に混合し
たときの重炭酸(HCO3 -)が5〜40mEq/Lの濃
度範囲になるように収容室75に収容される。重炭酸塩
73は、電解質溶液72に添加されるアセテート及びラ
クテートに代えて、その収容量が決定される。重炭酸塩
73の収容量が上記範囲を下回ると、重炭酸による電解
質異常を抑制する効果が十分でなく、また上記範囲を上
回ると、アルカリローシスの虞がある。重炭酸塩73は
固体状態の粉末、顆粒、錠剤等であり、第一実施例にお
いては日本薬局方の重曹が収容室75に収容される。収
容量は電解質溶液72に混合したときの重炭酸(HCO
3 -)が25mEq/Lとなる。
【0014】次に、第一実施例の医療用容器71の製造
方法について説明する。直鎖状低密度ポリエチレン(密
度:0.916g/cm3、MI:2)とポリプロピレ
ン(密度:0.90g/cm3、MI:0.7)を6:
4の割合で2本のロール(ロール温度が175℃)によ
り混練りし、これを肉厚200μm、幅200mmにイ
ンフレーション成形する。成形した筒状シートを長さ5
00mmに裁断し、インパルスシーラー(富士インパル
ス株式会社製オートシーラFA−300−5W)で一端
部71Aを熱溶着により固着シールして口部材77を取
り付ける。シール条件はシール時間1.5秒間、冷却時
間5秒間である。次に図2に示す如く、シートの所定の
中間部に隔離壁(ピールシール部)76を外部から剥離
可能となるように形成する。隔離壁76は、上下から1
30℃乃至150℃の加熱金型で10mm幅、長さ20
0mmの区間を12秒間プレス状態に置いた。尚、プレ
スによりシール面が完全に潰れないようにストッパーを
設けて過大なプレス圧が及ばないように調整する。
【0015】次に、電解質溶液72を口部材77から収
容部74内に充填し、口部材77をゴム栓78で密栓す
る。次に図2の状態から、医療用容器71の他端部71
Bの開放開口から重炭酸塩3を充填し、他端部71Bを
インパルスシーラーで上述の一端部71Aと同様に熱溶
着により固着シールし、収容部75を密封する。次に、
医療用容器71を高圧蒸気滅菌処理する。高圧蒸気滅菌
処理は日本薬局方の蒸気滅菌の基準に基づいて行われ、
本実施例では100〜130℃の温度でオートクレーブ
等で行われる。特に、滅菌温度は105℃〜125℃の
範囲であることが望ましい。上記範囲内であれば、容器
71の変形がなく、確実な滅菌が可能となっている。
【0016】次に、第一実施例の医療用容器71につい
て説明する。医療用容器71を通常の包装体に包装し、
これを温度30℃及び60℃の環境に70日置いたとき
の重炭酸塩73が変質したか否かを調べた。変量は以下
の方法によって測定し、その結果を表1に示した。測定
はウィンクラー法に従って行った。先ず、医療用容器7
1の収容部75のみを開放して重炭酸ナトリウムを取り
出し、これを適宜精秤して試料粉末とする。精秤量の試
料粉末を蒸留水に溶かして定容したものを試料液とす
る。試料液の一部を取り、メチルオレンジ指示薬を加
え、塩酸標準液で滴定して、水酸化ナトリウムと炭酸水
素ナトリウムの合量を求める。別に同量の試料液を取
り、過剰の水酸化ナトリウム液を加え、次に塩化バリウ
ム液を過剰に加えて炭酸塩を沈殿させた後、沈殿を濾過
することなくフェノールフタレンを指示薬として塩酸標
準液で逆滴定する。水酸化ナトリウムを変量として求め
た。尚、重炭酸塩の標準品から測定誤差範囲は±2%で
あった。
【0017】
【表1】
【0018】このように構成された医療用容器1にあっ
ては、表1に示す如く長期間、重炭酸塩73を安定に維
持することができる。そして、その使用に際しては、図
3に示す如く、隔離壁76を容器71の外側から剥離
し、収容部4と収容部75とを連通して一室とする。隔
離壁76はピールシール部であることから、電解質溶液
72と重炭酸塩73とは無菌的に確実に混合することが
でき、重炭酸イオンを含む輸液剤79を提供することが
できる。外側から開放可能な隔離壁としては、剥離可能
なピールシール、一端が閉止された連通管からなりその
管の一部を破壊することにより開放するクリックチッ
プ、隔離壁のシート同士を挟む挟持手段等が既に存在す
るが、特に、隔離等をピールシール部で形成すれば、容
器71壁シート以外の部材を必要とせずその製造が大量
生産に好適であり、またピールシール部の開放後は連通
開口を広く取ることができるため、重炭酸塩73と電解
質溶液72との混合がスムーズに行われる。混合された
輸液剤79は、そのPH値が6.0〜7.5の範囲に維
持される。このため、過剰酸性状態での輸液時の腹痛、
嘔吐等を生じさせる虞がない。また、血漿中の重炭酸イ
オン量と同等を維持するため、肝障害の患者に投与した
場合でもアシドーシス等の電解質異常を生じさせる虞も
ない。
【0019】上記実施例において、重炭酸塩73はナト
リウム塩である。本発明では、ナトリウム塩以外にカリ
ウム塩、リチウム塩等の他の塩を適用しても良い。また
重炭酸塩73の収容室75には、重炭酸塩以外に水酸化
物、炭酸塩等を必要により共存させても良い。上記実施
例において、糖類をブドウ糖とした。本発明では、ブド
ウ糖以外の糖類の使用をしても良い。上記実施例におい
て、医療用容器71を低張電解質維持液の容器とした。
本発明では、細胞外液補充液、点滴開始液、脱水補給
液、術後回復液等の電解質輸液剤、糖液剤、アミノ酸
液、脂肪乳剤、高カロリー輸液剤、血漿増量液、浸透圧
利尿剤等の容器としても良い。また、糖液とアミノ酸液
とを隔離して保存するような医療用容器にあっては、重
炭酸塩の収容室以外に、それぞれの各室を分けるために
3室〜5室等に分けた医療用容器を用いても良い。
【0020】次に、本発明に係る医療用容器の第二実施
例について詳説する。図4及び図5に示す如く、第二実
施例の医療用容器である腹膜透析用容器1は、プラスチ
ック容器本体2に糖及び電解質を含み、使用時に腹腔内
に注入される腹膜透析液が充填されてなる。腹膜透析液
用容器1の容器本体2は複数の室5、6を有し、室5と
室6との隔離壁の全部又は一部は容器本体2外から剥離
し室5と室6とを連通可能にするピールシール部4で形
成され、少なくとも一の室5には、重炭酸塩9がアルカ
リ性を維持して充填されている。
【0021】本実施例に係る腹膜透析用容器1を更に詳
しく説明すると、容器1は、急性或いは慢性腹膜透析用
の透析液を含む腹膜透析用容器である。腹膜透析用容器
1の容器本体2は、壁面が撓む不定容積性の樹脂容器か
らなる。本実施例において具体的には、容器本体2は、
直鎖状低密度ポリエチレン及びポリプロピレンの混合組
成物を押出し成形して作製したシートを延伸し、所定の
大きさに裁断して形成される。裁断したシートは2枚に
重ねられ、2枚のシートは熱溶着により所定の四方が完
全に固着シールされ、固着シール部3内が透析液の充填
室となる。容器本体2には固着シール部3の他に、外側
から互いのシート内壁同士の剥離可能なピールシール部
4が形成される。そして、ピールシール部4により容器
本体2は第一充填室5と第二充填室6に分割される。従
って、容器本体2は完全な固着シール部3とピールシー
ル部4とが形成され、このような異なるシール部の形成
については、それ自体公知の完全固着シール部と剥離可
能なシール部を有する医療用容器の製造方法などを参照
して作製することができる。
【0022】直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレ
ンを6:4の割合で2本ロール(ロール温度は175
℃)により混練りし、これを熱プレスにより肉厚200
μm、長さ500mm、幅400mmのシートを作製す
る。次に2枚の樹脂シートを重ねてその所定の周端を容
器の形態とするためインパルスシーラーでシールする。
シール条件はシール時間1.5秒間、冷却時間5秒間で
ある。一方、ピールシール部4は、上下から加熱金型で
10mm幅、長さ50mmの区間を押さえシールする。
かかるシール条件は、130℃〜150℃の間で、12
秒間プレス状態に置いた。尚、プレスによりシール面が
完全に潰れないようにストッパーを設け過大なプレス圧
が及ばないように調整する。尚、容器本体2には、固着
シール部3の形成と同時に、透析液等の充填及び排出を
行う排出ポート7、7及び吊下げ部8が形成される。排
出ポート7は詳述しないが先端にルアーの嵌合部位が設
けられている。
【0023】容器本体2の全体に充填される本発明に係
る電解質異常のない透析液の組成は、持続性自己管理腹
膜透析用透析液(CAPD)、間歇的腹膜透析用透析液
(IPD)、低Ca−CAPD用透析液等の種類によっ
てその組成に若干差が見られ、以下の範囲で使用され
る。 ・電解質濃度(mEq/L) Na+ ・・・・50〜155 K+ ・・・・必要により Ca2+ ・・・・0〜6 Mg2+ ・・・・0〜3 Cl- ・・・・40〜155 アセテート又はラクテート-・・0〜40 HCO3 -・・4〜40 ・ブドウ糖(g/dl)・・・1〜8 ・浸透圧(mOsm/l)・・300〜680 ・pH ・・・・5.7〜7.5
【0024】透析液中の重炭酸は、4〜40、更には2
0〜30mEq/Lの範囲であることが望ましい。上記
範囲を下回ると、電解質異常を十分に防止することがで
きず、また上記範囲を上回ればアルカローシスとなるお
それがある。従って、本実施例では、容器本体2に透析
液が2L収納されることから、重炭酸塩としての炭酸水
素ナトリウムは、0.168〜6.52gの範囲で用い
られる。また重炭酸塩9の添加により、アセテート又は
ラクテートの量は重炭酸塩の添加量に反比例して添加量
を減少させることが望ましい。例えば、重炭酸濃度を2
4mEq/Lとすれば、ラクテートは0〜30mEq/
Lの範囲であることが望ましい。また、透析液は、pH
が5.7〜7.5、特に6.2〜7.2であることが望
ましい。透析液がこのようなpH範囲にあると、透析時
に腹痛等を生じるおそれがない。
【0025】透析液は、重炭酸塩9と母液10に分けて
容器本体2に充填され、重炭酸塩9は、容器本体2の第
一充填室5に充填される。そして、第一充填室5内はア
ルカリ性状態に維持される。即ち、重炭酸はアルカリ塩
の状態で第一充填室5に充填される。かかるアルカリ塩
は、第二充填室6に充填されるべき塩の一部が割り当て
られる。塩としては重炭酸が母液10に混合されたとき
に容易に溶解される塩が好ましく、このような塩として
はナトリウム塩が望ましい。従って、本実施例では、第
一充填室5には、炭酸水素ナトリウム或いは炭酸ナトリ
ウムが充填され、PHが7以上、特に7.9〜9.0で
あることが望ましい(1:30の水溶液としてのpHを
いう。)。また、第一充填室5で使用された量のナトリ
ウム塩は、母液10中のナトリウム塩が差し引かれる。
第一充填室5に充填される重炭酸塩9としては、日本薬
局方に基づく重曹等の粉末が充填される。
【0026】母液10は、容器本体2の大部分をしめる
第二充填室6に充填され、重炭酸塩9が分離して第一充
填室5に充填される関係から、透析液からラクテート及
びナトリウム塩の理論量を差し引いた組成液として充填
される。また、第二充填室6に充填される母液10は、
重炭酸塩9と混合される前に、そのpHが5.5以下で
あることが望ましく、特に5.3、更には5.0以下で
あることが望ましい。このような母液10の酸性化は、
第一充填室5に重炭酸塩9を分離しナトリウムを奪った
ことにより容易に達成され、上記範囲のpHに母液10
が維持された場合には、高圧蒸気滅菌により母液10を
加熱しても、母液10内のブドウ糖等が変質を起こすお
それが極めて少なくなる。
【0027】容器本体2のシール口から第一充填室5に
上述の重炭酸塩9が無菌的に充填され、ピールシール部
4が形成され、次に、排出ポート7から第二充填室6に
上述の母液10が充填される。その後、排出ポート7が
密封され、容器本体2は高圧蒸気滅菌される。これによ
り、第一充填室5及び第二充填室6内が滅菌される。高
圧蒸気滅菌は、局方の高圧蒸気滅菌方法に基づいて行わ
れ、高圧蒸気滅菌には一般的なオートクレーブが使用さ
れ、オートクレーブ内は、例えば、不活性ガスで置換し
た後に100乃至130℃の温度で行う。
【0028】このように構成された電解質異常がない腹
膜透析用容器1は、滅菌時に、重炭酸塩9が第一充填室
5内で分解を起こさないため、充填状態のままで容器本
体2に保持される。また容器1の保存時にあっては、重
炭酸塩9の分解も起こさずに容器本体2内に維持される
ため、病院だけでなく家庭内にもそのまま提供すること
ができる。腹膜透析用容器1の使用に際しては、容器本
体2の外側からピールシール部4を剥離し、第一充填室
5と第二充填室6とを連通させる。そして、母液10と
重炭酸塩9とが混合され、容器本体2内で透析液ができ
る。この場合に母液10内のカルシウム等は極めて低濃
度の状態で存在するため、重炭酸塩9との混合時に炭酸
カルシウム等の沈殿を起こすおそれが少ない。また、重
炭酸塩9はアルカリ性状態で存在するため、母液10と
混合したとき、母液10のpHを上昇させ、結局、透析
液のPH調整の役割も果たす。従って、容器本体2内
に、無菌的にPH調整された透析液が家庭内でも提供さ
れることとなる。
【0029】図5に示す如く、ピールシール部4の剥離
後、患者20に適用する場合は、容器1の排出ポート7
に連通針21を介して接続管22が容器本体2内と連通
される。また接続管22はカテーテル23に接続され、
カテーテル23は患者20の腹腔24内に接続される。
これにより、容器本体2内の透析液が腹腔24内に流入
して透析が行われる。この場合、透析液中の重炭酸の濃
度が、患者20側の体液中の濃度と変わりがないため、
体液から重炭酸が透析液中に流出して、アシドーシスを
起こすことがない。また、重炭酸の濃度を調整すること
により、アルカローシス等も防止し、電解質異常を起こ
すことがない。上記実施例では、排出ポート7を第二充
填室6側にのみ設けたが、これに限ることはなく、第一
充填室5側にも設けても良い。上記実施例では、第一充
填室5と第二充填室6との隔壁シールを固着シール部3
とピールシール部4で形成したが、ピールシール部4を
隔壁シールの全体としても良い。上記実施例では、第一
充填室5を極めて大きい室としたが、必要量の重炭酸塩
5が充填できる限り、小さい室であっても良い。
【0030】・ 試験評価 本実施例品を以下のように評価した。尚、本実施例品
は、容器本体2の第一充填室5に5.00gの炭酸水素
ナトリウムの粉末を充填したものを用い、母液10は上
記電解質及び糖量の範囲内で作製して第二充填室に2L
充填し、上記方法でピールシール部4を形成し、121
℃の高圧蒸気滅菌を行って作製した。その結果、第一充
填室5を開放して、炭酸水素ナトリウムを日本薬局方に
基づいて定量した結果、実施例品の炭酸水素ナトリウム
の作製前後の量の変化は±3%重量であった。
【0031】次に、本発明に係る医療用容器の第三実施
例を説明する。図6に示す如く、第三実施例の医療用容
器としての腹膜透析用容器31は、第二実施例の腹膜透
析液用容器1とほぼ同様に構成されるが、以下の点が相
違する。尚、第二実施例と類似する部分や構成について
は図4と同一の符号を付してその詳しい説明を省略す
る。本実施例に係る腹膜透析用容器31を更に詳しく説
明すると、腹膜透析用容器31の容器本体32は、壁面
が撓む不定容積性の樹脂容器からなる。具体的には、容
器本体32は、直鎖状低密度ポリエチレンをブロー成形
して作製される。そして、ブロー成形口33は透析液の
充填口又は排出口として形成される。成形口33には、
連通針等の刺針が可能なゴム栓34か設けられると共
に、ゴム栓34の止め材35が設けられる。成形口33
はゴム栓34で液密に封止され、止め材35はリング状
で成形口33に熱溶着されて、ゴム栓34を成形口33
に密着させている。また、容器本体32は、ピールシー
ル部36、37、38が形成され、ピールシール部3
6、27、38を境に重炭酸塩9の第一充填室39、第
二充填室40、及び第三充填室41が形成され、更に、
容器本体32の大部分を占める母液10の充填室42が
形成される。
【0032】容器本体32をブロー成形することは、従
来のように2枚のシートを裁断しその周縁を完全シール
してバックを形成する手間、及び排出部材等の取り付け
の手間が省け、特に製造上好ましい。ゴム栓体34は、
成形口33を液密に密封する弾性部材であり、かかる開
口の密封が可能である限り、熱可塑性エラストマーから
なる栓体であってもよく、またシリコンゴム栓体等の非
腐食性のものを用いても良い。また、止め材35は成形
口33に熱溶着されることから、溶着性を高めるため、
容器本体32の樹脂と同種の樹脂成形物からなる。
【0033】容器本体32に形成されるピールシール部
36、37、38は、熱シールにより形成され、容器本
体32外からの操作により、内壁同士の剥離が可能で、
かかる剥離により室同士が連通される。ピールシール部
の形成方法は、例えば特開昭63−19149号公報に
記載のシール形成方法を参照することができる。即ち、
第一、第二、及び第三充填室39、40、41には重炭
酸塩9が順次所定量を小分けして充填され、形成されう
るピールシール部39、40、41を、セラミックで作
製した挟持体で内層同士が密着するように挟持し、かか
る状態で高圧蒸気滅菌等の加熱雰囲気に晒される。これ
により、挟持部にピールシール部が形成される。尚、上
記以外のそれ自体公知な方法によりピールシール部を形
成しても良い。
【0034】更に、容器本体32は、包装材45で覆わ
れ、包装材45は炭酸ガスの難透過性シートから形成さ
れる。かかるシートの炭酸ガスの透過性は、300(cc
*mm/cm2*sec*cmHg*1010)以下、特に100(cc*mm/cm2
*sec*cmHg*1010)以下であることが望ましい。特に、こ
のようなシート樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ナイロン等のポリアミドなどが挙
げられる。本実施例に於ける包装材45はポリエチレン
テレフタレートが用いられ、包装材45内には、炭酸ガ
スを発生させる脱酸素剤46が収納され、より炭酸ガス
が容器本体2からでないようにしてある。
【0035】このように構成された腹膜透析用容器31
にあっては、アルカローシス〜アシドーシス患者でも電
解質異常による障害を防止することができる。即ち、ア
ルカローシスの患者に腹膜透析を使用する場合は、ピー
ルシール部38のみを剥離開放して第三充填室41と母
液充填室42を連通させ、少量の重炭酸塩9と母液10
とを混合して用いる。また、通常の患者に対しては、第
二及び第三充填室40、41及び母液充填室42を連通
させ、通常量の重炭酸塩9と母液10とを混合して適用
する。更に、アシドーシスの患者に対しては、第一、第
二、及び第三充填室39、40、41と母液充填室42
の全てが連通され、多めの重炭酸塩9と母液10とを混
合して用いる。これにより、種々の電解質異常の患者に
対しても適宜適用することができる。また、容器本体3
2は炭酸ガスの難透過性の包装体45で包装され、また
脱酸素剤46により、かなりの長期保存なども保証され
る。
【0036】上記各実施例において、樹脂容器に直鎖状
ポリエチレン及びプロピレンの混練り物のシートを用い
た。このようなポリオレフィン系樹脂は、官能基を持た
ない点などで電子線に影響され難く、母液3に影響を与
えない点で好ましい。しかし、本発明においては、これ
に限る必要はない。例えば、低密度ポリエチレン樹脂、
高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、軟質ポ
リエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の可撓性に富ん
だ材料を用いることができる。また樹脂シートは、異な
る樹脂の多層ラミネートであっても良い。この場合、特
に、外層或いは中間層等に炭酸ガスの難透過性の高い樹
脂を用いても良い。炭酸ガスのバリア性の高い樹脂とし
ては、高密度ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリエス
テル、ナイロン、ビニロン等がある。上記各実施例にお
いて、樹脂容器に筒状のインフレーション成形物或いは
ブロー成形物を用いた。本発明において、樹脂容器は、
押出し成形物、真空成形物、射出成形物等でも良い。上
記各実施例において、重炭酸塩3を粉末とした。本発明
においては、固体形態であれば、顆粒、打錠等の形態で
あっても良い。上記各実施例において、重炭酸塩3をナ
トリウム塩とした。本発明において、ナトリウム塩以外
に、カリウム塩、リチウム塩等に適用しても良い。上記
各実施例において、重炭酸塩3のみを収容した。本発明
において、重炭酸塩以外に、炭酸塩、水酸塩を適宜添加
しても良い。上記実施例において、無菌連通する隔離壁
6をピールシール部とした。かかる外部から開放可能な
隔離壁は輸液容器においては特に望ましい。本発明にお
いては、外部からの開放可能な手段に、クリックチック
等の破壊開放可能な連通管や室と室とを分ける挟持体等
のそれ自体公知の開放可能な手段を設けても良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器によれば、上記容器は柔軟な可撓性樹脂容器からな
り、また該容器は複数の室を有して、該室と室との隔離
壁は使用時に容器の外側から開放可能に形成され、上記
一の室には重炭酸塩が固体状態で隔離収容され、上記容
器はオートクレーブ滅菌されているので、重炭酸濃度を
安定に維持し長期間の保存が可能で、滅菌処理も十分に
なされる。また、アルカローシスもアシドーシスも生じ
ることがない、電解質異常のない輸液、透析液、及び臓
器保存剤等の医療用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例における医療用容器の平断面図であ
る。
【図2】第一実施例における医療用容器の製造過程の平
断面図である。
【図3】第一実施例における医療用容器の使用の際の平
断面図である。
【図4】第二実施例における腹膜透析液用容器の平断面
図である。
【図5】第二実施例の容器の使用時の概略図である。
【図6】第三実施例における腹膜透析用容器の半断面図
である。
【符号の説明】
1、31 腹膜透析液用容器 2 容器本体 3 固着シール部 4 ピールシール部 5 第一充填室 6 第二充填室 7 排出ポート 8 吊り下げ部 9 重炭酸塩 10 母液 20 患者 21 連結針 22 連結管 23 カテーテル 24 腹腔 32 容器本体 33 成形口部 34 ゴム栓 35 止め材 36、37、38 ピールシール部 39、40、41 充填室 42 母液充填室 45 包装材 46 脱酸素剤 71 医療用容器 72 電解質溶液 73 重炭酸塩 74 収容室 75 収容室 76 隔離壁 77 口部材 78 ゴム栓 79 輸液剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 33/14 A61J 1/00 351A A61M 1/28 3/00 314B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質溶液が収容される医療用容器におい
    て、上記容器は柔軟な可撓性樹脂容器からなり、また該
    容器は複数の室を有して、該室と室との隔離壁は使用時
    に容器の外側から開放可能に形成され、上記一の室には
    重炭酸塩が固体状態で隔離収容され、上記容器はオート
    クレーブ滅菌されていることを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】上記隔離壁は全部又は一部が上記容器外か
    ら剥離可能なピールシール部で形成されている請求項1
    記載の医療用容器。
  3. 【請求項3】上記隔離壁を用時に開放して上記重炭酸塩
    を混合した電解質溶液は、重炭酸(HCO3 -)を4〜4
    0mEq/Lの濃度範囲で含む輸液剤であることを特徴
    とする請求項2記載の医療用容器。
  4. 【請求項4】上記重炭酸塩の混合前の上記電解質溶液は
    5〜50w/v%の濃度範囲で糖を含み、PH値が3.
    0〜5.5である請求項3記載の医療用容器。
  5. 【請求項5】上記隔離壁を用時に開放して上記重炭酸塩
    を混合した電解質溶液は、 重炭酸(HCO3 -)を4〜40mEq/Lの濃度範囲
    で、ナトリウム(Na+)を50〜150mEq/Lの
    濃度範囲で、塩素(Cl- )を40〜135mEq/L
    の濃度範囲で含み、液浸透圧が300〜680mOsm
    /lである透析液である請求項1記載の医療用容器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の医療用容
    器の製造方法において、上記電解質溶液及び重炭酸塩を
    別々の室に収容密封した後、温度100℃〜135℃の
    範囲で蒸気滅菌して製造することを特徴とする医療用容
    器の製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63317481A (ja) * 1987-05-29 1988-12-26 ヴィフォール メディカル アクチェンゲゼルシャフト 活性組成物を別々に貯蔵し、使用する直前にそれらを混合するための容器
JPH05337167A (ja) * 1992-02-14 1993-12-21 Jean-Jacques Lascombes 医療用溶液の調製用装置
JP3122840U (ja) * 2006-02-13 2006-06-29 廣 山上 段ボールパット

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