JPH09106637A - スライド移動装置 - Google Patents

スライド移動装置

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JPH09106637A
JPH09106637A JP28445295A JP28445295A JPH09106637A JP H09106637 A JPH09106637 A JP H09106637A JP 28445295 A JP28445295 A JP 28445295A JP 28445295 A JP28445295 A JP 28445295A JP H09106637 A JPH09106637 A JP H09106637A
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JP
Japan
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time
movement
slide
sled
moving
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JP28445295A
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Hiroshi Otsu
博 大津
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な制御処理で迅速なスライド移動を実現
するとともに、リミットスイッチのような機構を不要と
する。 【解決手段】 スライド移動の際には、ヘッド機構の現
在位置データと、移動目的位置となる位置データを用い
て、スライド移動としての所要時間tmを算出し、算出
された所要時間だけスライド機構によるスライド動作を
実行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光学式の記
録再生装置などで、記録媒体と、記録媒体に対する記録
又は再生用のヘッド機構との相対位置をスライド移動さ
せるスライド移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばCD(コンパクトディスク)プレ
ーヤなどの光学再生装置では、記録媒体であるCDに対
して情報を読み取るための光学ヘッドが、ディスク半径
方向にスライド移動されるように構成されている。一般
に、光学ヘッドをスライド移動させる機構はスレッド機
構といわれている。このスレッド機構によって光学ヘッ
ドが移動されることで、ディスク最内周から最外周まで
の全領域に対して光ビームを照射し、情報を読み取るこ
とができるようにされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スレッド機
構による移動は、再生時においてはトラッキング追従が
限界になった場合毎に少量のスライド移動が段階的に行
なわれたり、またアクセスの際には比較的長い距離で行
なわれることになる。このスレッド移動動作のための制
御方式は次のようなものが実施されているが、それぞれ
以下に述べる問題があった。
【0004】まず、移動目標となる位置の記録媒体のア
ドレス(CDの場合、サブコードとして記録される絶対
時間情報)と、現在位置のアドレスからジャンプすべき
トラック数を決め、スレッド移動によりトラックジャン
プを行なっていく。そしてその際に記録媒体のアドレス
を随時読み込んでいき、読み込まれるアドレスが目標ア
ドレスと一致するまでトラックジャンプを繰り返すよう
にする方式がある。
【0005】ところが、この方式の場合、ディスクから
随時サブコードデータなどで記録されているアドレスを
読み込んでいく必要があるため、その際にフォーカスサ
ーチ、フーカスサーボ、トラッキングサーボなどの各種
サーボ動作を実行させてデータ読取可能状態としなけれ
ばならず、処理が複雑になるとともに、結果としてアク
セス時間が長くなってしまうという問題がある。
【0006】次に、光学ヘッドをディスク最内周側に移
動させるような場合の方式としては、光学ヘッドの位置
がディスク最内周側となる位置に機械的な検出スイッチ
(リミットスイッチ)を設けておく。そしてスレッド機
構により光学ヘッドを内周側に移動させている際にリミ
ットスイッチを監視する。このリミットスイッチは光学
ヘッドが最内周位置まで来て当接することによりオンと
されるように配されており、従って、リミットスイッチ
がオンとなった時点でスレッド移動を終了させるように
する方式である。
【0007】ところがこの方式では、リミットスイッチ
を用いることによるコストアップが生じ、また取り付け
スペースの確保の必要性から機器の小型化に不都合であ
る。さらにメカニカルスイッチ機構であるため、耐久
性、信頼性の面でも好適とはいえない。
【0008】このようなリミットスイッチを用いない方
式としては、予め光学ヘッドが最外周位置から最内周位
置まで移動するためのスレッド駆動時間を設定してお
き、光学ヘッドをディスク最内周に移動させたい場合
は、常にその設定した時間だけスレッド機構を駆動する
ようにする方式もある。
【0009】この場合リミットスイッチの搭載に伴う問
題点は解消されるが、光学ヘッドが最外周側ではない位
置にあったときは、光学ヘッドが最内周側に到達した後
もスレッド機構が駆動されている期間が生じることにな
り、この場合光学ヘッドはそれ以上移動できないため、
スレッド機構が空回りすることになる。このためスレッ
ド機構としては空回りによっても破壊されないだけの機
構や強度が必要とされることになり、コストアップが生
じる。また空回りに対して十分な強度を持ったとして
も、空回り時には機械的なストレスを加えることになる
ことはかわらないため、機械的な寿命が短くなるという
問題がある。さらに空回りの際にノイズが発生するとい
う欠点もある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑みて、簡単な制御処理で迅速なスライド移動を実
現するとともに、リミットスイッチのような機構を不要
とするスライド移動装置を提供することを目的とする。
【0011】このため記録媒体と、記録媒体に対する記
録又は再生用のヘッド機構との相対位置をスライド機構
によってスライド移動させるスライド移動装置におい
て、スライド移動の際には、ヘッド機構の現在位置デー
タと、移動目的位置となる位置データを用いて、スライ
ド移動としての所要時間を算出し、算出された所要時間
だけスライド機構によるスライド動作を実行させる制御
手段を設ける。
【0012】必要なスライド移動を実現するためのスラ
イド所要時間を計算し、スライド移動時にタイムカウン
トを行なえば、アドレス読取や機械的スイッチによらず
に目的位置に達したことを判別でき、スライド移動を適
切な位置で終了させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。ここでは本発明のスライド移動装置をCDプレー
ヤに搭載されるスレッド装置として適用した例をあげ
る。説明は次の順序で行なう。 1.CDプレーヤの構成 2.スレッド移動制御動作 3.スレッド移動制御における所要時間計算例 4.温度変化に対応可能な制御動作 5.学習能力を付加した場合のスレッド移動制御動作
【0014】1.CDプレーヤの構成 図1はCDプレーヤのブロック図である。CD(コンパ
クトディスク)1は、このCDプレーヤに装填される
と、再生動作時においてスピンドルモータ2によって一
定線速度(CLV)で回転駆動される。そして光学ヘッ
ド3によってCD1にレーザ光が照射され、ピット形態
で記録されているデータが読み出される。
【0015】光学ヘッド3にはレーザ出力手段としての
レーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ
等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテ
クタが搭載されている。対物レンズは図示しない2軸機
構によってディスク半径方向(トラッキング方向)及び
ディスクに接離する方向(フォーカス方向)に変位可能
に保持されている。
【0016】また光学ヘッド3はスレッド軸4aとギア
接続された状態で支持され、スレッドモータ4によりス
レッド軸4aが回転されることで、CD1に対して半径
方向にスライド移動可能とされている。
【0017】再生動作によって、光学ヘッド3によりC
D1から検出された情報はRFアンプ5に供給される。
RFアンプ5は供給された情報の演算処理により、再生
RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー
信号を抽出する。抽出された再生RF信号はデジタル信
号処理回路7に供給される。また、トラッキングエラー
信号、フォーカスエラー信号はサーボ信号処理回路6に
供給される。
【0018】サーボ信号処理回路6は供給されたトラッ
キングエラー信号、フォーカスエラー信号や、マイクロ
コンピュータにより構成されるコントローラ10からの
トラックジャンプ指令、アクセス指令、スピンドルモー
タ2の回転速度検出情報等により各種サーボ駆動信号を
発生させる。即ちトラッキングエラー信号、フォーカス
エラー信号から生成されるトラッキング駆動信号、フォ
ーカス駆動信号は光学ヘッド内の2軸機構におけるトラ
ッキングコイル、フォーカスコイルに印加され、2軸機
構の動作によりトラッキングサーボ動作及びフォーカス
サーボ動作を実行させる。
【0019】またトラッキングエラー信号の低域成分か
ら生成されるスレッド駆動信号によりスレッドモータ4
を駆動して、再生動作時に光学ヘッド3の位置を段階的
に移動させる。さらにトラックジャンプ指令、アクセス
指令に応じてスレッドモータ4を所要量駆動させ、光学
ヘッド3のアクセス動作を実行させる。またスピンドル
モータ2に対しては、スピンドル駆動信号により一定線
速度(CLV)の回転動作を制御する。
【0020】RFアンプ5で得られた再生RF信号は2
値化されていわゆるEFM信号とされ、デジタル信号処
理回路7でデコーダ処理される。即ちEFM復調,CI
RCデコード、デインターリーブ等の処理を行なってC
D1から読み取られた情報を16ビット量子化、44.1KH
z サンプリングのデジタル音声データ形態にデコードす
る。また、CD1上でのアドレスが絶対時間情報として
記録されているサブコードデータを抽出し、コントロー
ラ10に供給する。
【0021】デジタル信号処理回路7から出力されるデ
ジタル音声データはD/A変換器8でアナログ音声信号
とされ、オーディオ回路9に供給される。オーディオ回
路9では例えば音量調節、増幅等が行なわれる。そして
スピーカ又はヘッドホンに対して音声信号を供給し、音
声出力を実行させる。
【0022】再生時の各種動作はマイクロコンピュータ
によって形成されたコントローラ10により制御され
る。例えば再生開始、終了、トラックアクセス、早送り
再生、早戻し再生などの動作は、コントローラ10がサ
ーボ信号処理回路6や光学ヘッド3の動作を制御するこ
とで実現される。
【0023】操作部11には、ユーザーが各種操作を行
なうための操作キーが設けられている。例えば再生キ
ー、トラックアクセスキー、停止キーなどが形成され
る。コントローラ10は操作部11からの操作情報と、
内部ROMに記憶された制御プログラムに応じて各部の
制御を行なうことになる。表示部12は例えば液晶ディ
スプレイなどによって形成されるもので、再生時にトラ
ックナンバ、再生進行時間、動作状態などをシステムコ
ントローラ10の制御に基づいて表示する。トラックナ
ンバ、再生進行時間等の表示は読み出されてくるサブコ
ード情報に基づいて行なわれる。
【0024】温度検出部13は例えばサーミスタ等を用
いた、周囲温度を検出する回路部として形成されてい
る。温度検出部13による温度情報はコントローラ10
に供給される。
【0025】2.スレッド移動制御動作 このようなCDプレーヤにおけるスレッド移動制御動作
を図2で説明する。図2はスレッド移動を行なう際のコ
ントローラ10の処理を示したものである。例えばユー
ザーが操作部11でトラックアクセス操作を行なった
り、あるいはCD1の最内周側に記録されているTOC
情報を読み込むためなどに光学ヘッド3を最内周側まで
移動させる必要が生じたときなどは、コントローラ10
はスレッドモータ4の駆動を実行させることになる。こ
のように、何らかの事情によりスレッド移動命令が発生
した場合は、コントローラ10は処理をステップF101か
らステップF102に進める。
【0026】ステップF102では、スレッド移動のための
所要時間tmを算出する。この算出は、現在位置データ
tp、即ち現在の光学ヘッド3による再生位置でサブコ
ードから読み取られるアドレスとしての絶対時間情報
と、目的位置データto、つまり、アクセスの移動目的
とされる位置におけるアドレスとしての絶対時間情報を
用いた関数演算f(to,tp)により求められる。
【0027】所要時間tmの具体的な計算例については
後述するが、所要時間tmとは、現在位置データtpか
ら目的位置データtoにより把握できる移動距離に応じ
て、スレッドモータ4を駆動すべき時間であり、つまり
光学ヘッド3を現在位置から目的位置までスライド移動
させるために必要なスレッド駆動時間である。
【0028】所要時間tmを算出したら、ステップF103
で、内部タイマーに時間tmをセットし、ステップF104
でタイマーをスタートさせる。このタイマーは例えばダ
ウンカウントタイマーとされ、セットされた時間tmか
らダウンカウントしていき、時間tmが経過した後にタ
イムカウント値が0となるものである。コントローラ1
0は、ステップF104でタイマーをスタートさせたら、ス
テップF105で同時にスレッドモータ4の駆動を開始させ
る。つまり、サーボ信号処理回路6に対して光学ヘッド
3が目的位置に向かう方向へのスレッド駆動を指示す
る。
【0029】スレッド移動中はステップF106でタイマー
を監視しており、タイムカウント値が0となった時点で
ステップF107に進んで、スレッド駆動の停止制御を行な
う。この時点で光学ヘッド3は目的位置に達しており、
そこでスレッド駆動が停止されることになる。
【0030】つまり本例では、所要時間tmに基づいて
スレッド停止タイミングを制御することにより、スレッ
ド停止のためにアドレス(サブコード)を読み込んだ
り、最内周側への移動完了の検出のためにリミットスイ
ッチを設けるという必要はなくなる。そして、アドレス
読込等の処理が不要であることからスレッド移動を迅速
に終了させ、ひいてはアクセス動作の短時間化も実現で
きる。また、所要時間tmの算出を適切に行なうことに
より、高精度なスレッド移動が可能になるものである。
【0031】なお、図1の構成例では光学ヘッド3がス
レッドモータ4により移動されることで、光学ヘッド3
とCD1の相対位置がスライド移動されるものとした
が、光学ヘッドが固定され、スピンドルモータ及びディ
スクが移動されることで、光学ヘッドとディスクの相対
位置がスライド移動されるものもある。このようなもの
でも、図2の処理をスピンドルモータ及びディスクの移
動機構に対して適用すれば同様の効果を得ることができ
る。
【0032】また、CDプレーヤ以外の光学記録再生装
置、例えば光磁気ディスクを用いたミニディスク記録再
生装置などのスライド移動装置としても本発明は適用で
きる。さらに、光学式でない磁気記録再生装置におい
て、ヘッドと記録媒体の相対位置のスライド移動機構と
して適用することも可能である。
【0033】3.スレッド移動制御における所要時間計
算例 上記例のようなスライド移動制御を実現する際の所要時
間tmの算出方法としては各種考えられ、いずれにして
も、現在位置から目的位置までの距離に応じたスライド
移動所要時間が算出できればよいものであるが、ここで
は、その所要時間tmの算出処理の一例を説明する。
【0034】この場合光学ヘッド3を現在位置データt
pから目的位置データtoの位置までスレッドモータ4
により移動させるための所要時間tmを二次曲線近似に
より算出する例をあげる。なお、ここでは目的位置をデ
ィスク最内周側と仮定し、従って目的位置データto=
0とした場合を例にあげる。
【0035】各種条件は次のとおりであるとする。 CDの最内周位置の半径・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.3 ×10-2[m] トラックピッチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.6 ×10-6[m] 線速度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.3 [m/秒] 最外周から最内周までの移動所要時間・・・・・・・・2.0 ×103 [m秒] CDの最大再生時間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4440秒(=74分)
【0036】このような条件において、CD1における
アドレス(分/秒/フレームによる絶対時間位置)とス
レッド駆動時間の関係は図3のようになる。つまり、ア
ドレスで示すCD上の各位置から最内周までの移動に要
する時間を示しているものである。
【0037】図3の実線は、上記条件において1分毎の
アドレスに対してプロットしたグラフであり、このグラ
フを二次曲線で近似したグラフを破線で示している。破
線グラフのように近似した曲線の式を整数式で計算する
ために係数を決めた式をg(tp)とすると、 g(tp)=a0 +a1 ・tp+a2 ・tp2 ・・・・・・・(式1) とすることができる。
【0038】ここで、CDの最大再生時間が74分であ
るため、現在位置データtp(分)の範囲はそれをカバ
ーできるように0<tp<80とすればよいが、マイク
ロコンピュータ(コントローラ10)による計算を考慮
して、計算途中で216=655536を越えないように
設定することが好ましい。このため、上記(式1)を、 g(tp)=(1589+1062tp−4tp2 )/29 ・・・・・(式2) とする。
【0039】より具体的には、 g(tp)=(1589+(1062−4tp)tp)/29 ・・・・(式3) とする。そして、 4tp 1062−4tp (1062−4tp)tp 1589+(1062−4tp)tp (1589+(1062−4tp)tp)/29 の順の計算する。
【0040】このような計算で得られた値は、現在位置
データtpに基づいて算出される最内周までのスレッド
移動所要時間tmとなる。つまり図2のステップF102で
は、以上のように2次曲線近似に基づく計算で所要時間
tmを算出すればよい。
【0041】なお、この例は目的位置をディスク最内周
側とし、to=0とした場合の例で説明したが、目的位
置toが最内周側でない場合は、目的位置toも考慮し
た関数演算で行なえばよい。上記のように近似二次曲線
を用いる場合の一例としては、現在位置tpを用いた
(式3)の演算により現在位置tpから最内周側までの
移動所要時間tm1 を計算するとともに、同様に(式
3)に、現在位置tpの値として目的位置toを代入し
て目的位置toから最内周側までの移動所要時間tm2
を計算する。そして現在位置tpから最内周側までの移
動所要時間tm1 と、目的位置toから最内周側までの
移動所要時間tm2 の差を求めれば、現在位置tpから
目的位置toまでの所要時間tmを算出することができ
る。
【0042】4.温度変化に対応可能な制御動作 ところで、周囲の環境温度が変化すると、スレッド機構
における摩擦力が変化し、これによってスレッド移動時
間も変化してしまうことがある。従って、より正確にス
レッド移動のための所要時間tmを算出するためには、
周囲の温度状態も考慮する必要がある。このため、図1
の構成では温度検出部13が設けられ、コントローラ1
0は温度を検知できるようにしている。そしてコントロ
ーラ10は所要時間tmの算出のために温度データも用
いるようにしている。
【0043】図4に、複数台のサンプルを用いて、−2
0°C、25°C、70°Cの各温度状態での移動時間
を測定した結果を示す。図中『■』で示す値が各温度状
態での測定結果の平均値である。この測定結果を、20
°Cの時を1として規格化した値が『●』で示され、さ
らに、この規格化した値における2次曲線が破線で示さ
れている。この規格化されたグラフとなる曲線は、温度
をd[°C]とした場合、 f(d)= 0.7778497d2 − 3.875d+5.638601 ・・・・・・(式4) として表わすことができる。
【0044】従って、前述の(式1)〜(式3)に示し
たように近似2次曲線式g(tp)により所要時間tm
を計算する場合において、温度状態を考慮する場合は、 tm=g(tp)・f(d) として計算すればよい。このようにして所要時間tmを
算出することで、スレッドモータ4の駆動制御を、周囲
の温度変化に関わらず常に正確に行なうことができる。
【0045】5.学習能力を付加した場合のスレッド移
動制御動作 次に、スレッド機構が経時変化などの何らかの原因で移
動時間が変化した場合にも対応できるようにするために
学習能力を付加する例を説明する。これは、スレッド移
動のための目的位置データとされたアドレスと、実際に
スレッド移動終了後に取り込まれるアドレスを比較し、
その差から、移動時間の誤差、つまり移動所要時間の変
化が発生したことが検出されたら、次のスレッド移動か
ら、誤差分を補正した所要時間tmを計算して正確なス
レッド移動を実行させるようにするものである。
【0046】このためのコントローラ10の処理は図5
に示される。まずスレッド移動を実行する場合は、コン
トローラ10はステップF200において所要時間tmを算
出し、ステップF201において目的位置toまでのスレッ
ド移動のために、時間tmだけスレッド駆動制御を行な
う。これは即ち図2に示した処理のことであり、ステッ
プF200は図2のステップF101,F102 の処理に、またステ
ップF201は図2のステップF103〜F107の処理に相当す
る。
【0047】なお、ステップF200では所要時間tmの算
出についてtm=Kfと示しているが、tm=fが図2
の処理における関数演算を表わすものとしている。そし
て所要時間tmの算出について学習能力を付加する場合
は、補正係数Kを乗算するtm=Kfとするものであ
る。補正係数Kの初期値は『1』とするため、ステップ
F200での演算は実質的に図2の処理と同様となる。
【0048】ステップF200,F201 の処理によるスレッド
移動終了に伴って、フォーカスサーボ、トラッキングサ
ーボをオンとし、情報の読出を行なうわけであるが(F20
2)、このときサブコードデータとして取り込まれたアド
レス(絶対時間情報)を移動終了位置アドレスtrとし
て取り込む(F203)。
【0049】次にステップF204として、移動前の位置デ
ータ(アドレス)tp、移動終了位置データ(アドレ
ス)tr、及び、その実行したスレッド移動について目
的位置とされていた目的位置データ(アドレス)toか
ら、まず、次の(式5)により値Δtを算出する。 Δt=(tr−to)/(tp−to) ・・・・・・・(式5) この値Δtは、CD1に記録されているアドレス上の単
位時間あたりの誤差となる。
【0050】本来、移動終了位置データtrと、目的位
置データtoは一致しているはずであり、ステップF204
における最初の演算処理として(式5)により計算され
る誤差Δtは0となるはずである。ところが、何らかの
原因でスレッド移動速度が変化してしまった際には、移
動終了位置データtrと目的位置データtoは一致しな
いことが発生する。そしてそのアドレス差(tr−t
o)を、本来移動すべきアドレス差(tp−to)で割
ることで、算出される値Δtは、CD1に記録されてい
るアドレス上の単位時間あたりの誤差となる。このよう
にCD1に記録されているアドレス上の単位時間当たり
の誤差Δtを算出し、保持しておく。
【0051】アドレスはディスク内周側に行くほど小さ
い数値となる。前回のスレッド移動が内周側へ向かう動
作であった場合は、移動前の位置データ(アドレス)t
pが、目的位置とされていた目的位置データ(アドレ
ス)toより大きいため、tp−to>0となる。逆
に、前回のスレッド移動が外周側へ向かう動作であった
場合は、移動前の位置データ(アドレス)tpが、目的
位置とされていた目的位置データ(アドレス)toより
小さいため、tp−to<0となる。
【0052】前回のスレッド移動において、何らかの原
因で内周側へのスレッド移動速度が速くなった場合は、
移動終了位置データ(アドレス)trは、目的位置デー
タ(アドレス)toより小さくなるため、tr−to<
0となる。従って(式5)で算出された値Δtは、Δt
<0となる。逆に内周側へのスレッド移動速度が遅くな
った場合は、tr−to>0であるため、Δt>0とな
る。
【0053】前回のスレッド移動において、何らかの原
因で外周側へのスレッド移動速度が速くなった場合は、
移動終了位置データ(アドレス)trは、目的位置デー
タ(アドレス)toより大きくなるため、tr−to>
0となる。従って(式5)で算出された値Δtは、Δt
<0となる。逆に外周側へのスレッド移動速度が遅くな
った場合は、tr−to<0であるため、Δt>0とな
る。
【0054】即ち、スレッド移動方向に関係なく、前回
の移動で移動速度が速くなった場合にはΔt<0、遅く
なった場合にはΔt>0となる。ステップF204におい
て、まず(式5)によりΔtが算出されたら、それまで
の補正係数Kを用いて、{{(tr−to)/(tp−
to)}+1}K、つまり、 (Δt+1)K ・・・・・・・(式6) の演算を行ない、この結果を新たな補正係数Kとする。
【0055】この新たな補正係数Kの算出が最終的にス
テップF204で実行される処理となる。そして算出される
補正係数Kとしては、前回のスレッド移動方向に関係な
く、前回の移動で移動速度が速くなった場合には、それ
までの補正係数KΔより小さい値となり、逆に前回の移
動で移動速度が遅くなった場合には、それまでの補正係
数KΔより大きい値となる。
【0056】そして次にスレッド移動命令が発生した際
には、コントローラ10はステップF205からF206に進
む。そしてステップF200と同様に、その際の現在位置デ
ータtpと目的位置データtoから所要時間tmを算出
する。ただし、このときに、ステップF204で算出された
新たな補正係数Kを用いることで、速度変化を考慮して
補正されたスレッド移動所要時間tmを得ることができ
る。
【0057】このように補正された所要時間tmが得ら
れたら、ステップF201以降の処理でスレッド移動が実行
される。なお、スレッド移動に際して速度変動がなかっ
た場合は、その際の誤差Δt=0となり、ステップF204
で算出される補正係数Kは、それまでの補正係数Kの値
のままとなり、補正は行なわれない。
【0058】以上のようにスレッド移動毎に所要時間の
誤差を検出していき、もし誤差が発生したら、次回のス
レッド移動からはその誤差分を考慮して所要時間tmを
補正することで、経時変化等の影響にも対応した正確な
スレッド移動が実現されることになる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスライド移
動装置は、スライド移動の際には、ヘッド機構の現在位
置データと、移動目的位置となる位置データを用いて、
スライド移動としての所要時間を算出し、算出された所
要時間だけスライド機構によるスライド動作を実行させ
るようにしているため、スライド移動停止のためにアド
レスを読み込んだり、最内周側への移動完了の検出のた
めにリミットスイッチを設けるという必要はなくなる。
そしてアドレス読込等の処理が不要であることからスラ
イド移動を迅速に終了させ、ひいてはアクセス動作の短
時間化も実現できるという効果がある。そして所要時間
の算出を適切に行なうことにより、高精度なスライド移
動が可能になる。さらに、最内周側への移動完了の検出
のためにリミットスイッチを設けるという必要はなくな
るため、小型化、低コスト化も実現でき、もちろんスラ
イド機構の空回り及びそれに伴う問題も発生しない。
【0060】また所要時間の算出処理に、温度検出手段
によって検出された温度データも用いるようにすること
で、周囲の温度状況によってスライド移動の所要時間が
変化する場合でも、正確な移動制御を行なうことができ
る。
【0061】また、スライド移動終了時点での位置デー
タと、そのスライド動作で目的位置とされていた位置デ
ータの差分から補正データを生成し、次回のスライド移
動時には、算出される所要時間を補正データにより補正
することで、何らかの事情でスライド移動の所要時間が
変化してしまうような場合にも対応して正確な移動制御
を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のスライド移動装置を搭載
したCDプレーヤのブロック図である。
【図2】実施の形態のスライド移動装置の移動制御処理
のフローチャートである。
【図3】実施の形態の移動制御処理において所要時間を
2次関数近似で算出する例の説明図である。
【図4】実施の形態の移動制御処理において所要時間を
温度状態を考慮して算出する例の説明図である。
【図5】実施の形態の移動制御において学習機能を付加
したフローチャートである。
【符号の説明】
1 CD 2 スピンドルモータ 3 光学ヘッド 4 スレッドモータ 4a スレッド軸 5 RFアンプ 6 サーボ信号処理回路 7 デジタル信号処理回路 10 コントローラ 11 操作部 13 温度検出部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体と、記録媒体に対する記録又は
    再生用のヘッド機構との相対位置をスライド機構によっ
    てスライド移動させるスライド移動装置において、 記録媒体に対するヘッド機構の現在位置データと、移動
    目的位置となる位置データを用いて、スライド移動とし
    ての所要時間を算出し、算出された所要時間だけスライ
    ド機構によるスライド動作を実行させる制御手段を備え
    たことを特徴とするスライド移動装置。
  2. 【請求項2】 温度検出手段を備え、前記制御手段は前
    記所要時間の算出処理に、温度検出手段によって検出さ
    れた温度データも用いるようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のスライド移動装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記スライド機構によ
    るスライド移動終了時点での位置データと、そのスライ
    ド動作で目的位置とされていた位置データの差分から補
    正データを生成し、次回のスライド移動時には、算出さ
    れる所要時間を前記補正データにより補正するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のスライド移動装
    置。
JP28445295A 1995-10-06 1995-10-06 スライド移動装置 Withdrawn JPH09106637A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001054120A1 (de) * 2000-01-21 2001-07-26 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur durchführung eines spursprungs und abspielgerät
KR100706474B1 (ko) * 2005-12-07 2007-04-10 주식회사 대우일렉트로닉스 광디스크 재생 시스템의 슬레드 이동 방법

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WO2001054120A1 (de) * 2000-01-21 2001-07-26 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur durchführung eines spursprungs und abspielgerät
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