JPH09106488A - 煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法 - Google Patents

煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法

Info

Publication number
JPH09106488A
JPH09106488A JP26400995A JP26400995A JPH09106488A JP H09106488 A JPH09106488 A JP H09106488A JP 26400995 A JP26400995 A JP 26400995A JP 26400995 A JP26400995 A JP 26400995A JP H09106488 A JPH09106488 A JP H09106488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smoke
concentration
density
measured
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26400995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3113937B2 (ja
Inventor
Masafumi Fukuda
雅史 福田
Shigeki Shimomura
茂樹 下村
Taketsugu Wada
剛嗣 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP07264009A priority Critical patent/JP3113937B2/ja
Publication of JPH09106488A publication Critical patent/JPH09106488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3113937B2 publication Critical patent/JP3113937B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Alarm Systems (AREA)
  • Fire Alarms (AREA)
  • Fire-Detection Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】汚れによる測定濃度の誤差を補償して、誤報の
発生を防止するとともに、電源投入時の光学室内に煙が
存在する場合であっても、火災発報の失報を防止する煙
感知器を提供することを一つの目的とする。また、煙感
知器の光学室内の汚れ有無だけでなく、その程度をも検
知することにより、清掃作業の作業効率を向上させた煙
感知器を提供すること他の目的とする。 【解決手段】投光素子から発せられた光線のうち、煙粒
子よって散乱された光を光検出素子により検出して煙濃
度Dを測定し、測定された煙濃度Dを基準濃度D0と比
較して、火災の発生を検知する煙感知器において、上記
基準濃度D0は、電源投入時に測定された濃度Dx
(1)を予め測定され保持されている無煙時の濃度Da
により補正して求められる濃度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学式の煙感知器
に係り、更に詳しくは、煙粒子による光の散乱を利用し
て煙濃度を測定し、測定された煙濃度を基準濃度と比較
して火災の発生を検知する煙感知器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】光学式の煙感知器は、煙粒子による光の
散乱を利用して、煙の発生を検知して、火災の発生を知
らせるためのものである。この様な煙感知器は、光学室
内に投光素子及び受光素子を備えて構成され、この光学
室は外部の光を遮断して、煙のみをその中に入れるラビ
リンス構造により形成されている。また、投光素子及び
受光素子は、投光素子から照射された光線を受光素子が
直接受光しない様に配置されている。
【0003】このため、煙が光学室内に流入した場合に
は、投光素子から照射された光が煙粒子により散乱され
て、この散乱光を受光素子が受光することになるため、
受光素子の検出結果に基づいて煙濃度を測定することが
できる。この煙濃度を監視し、予め定められた一定レベ
ル(火災発生レベル)に達すれば、火災が発生したと判
断することができる。
【0004】しかしながら、この様な煙感知器は、光学
室内に堆積したほこり等の汚れの増加によっても散乱光
が増加する。このため、光学室の汚れに起因する測定値
の増加も煙の検出によるものと判断されて、実際の煙の
濃度よりも高い煙濃度が測定されることになる。即ち、
光学室の汚れによって、正確な煙濃度を測定できず、煙
感知器の感度が鋭敏化して、誤って火災の発生を発報し
てしまう可能性が高くなる。
【0005】この様な問題を解決するために、従来の煙
感知器には、光学室の汚れを検出して煙感知器の感度を
補正して、正確な煙濃度を測定する方法が採用されてい
る。即ち、光学室の汚れを補償するための基準濃度を設
定し、測定された煙濃度からこの基準濃度を引いた値が
一定レベルに達れば、火災が発生したと判断する。この
様な従来の煙感知器の動作について図4を用いて説明す
る。図4は、煙感知器内に保持されている煙濃度に関す
るデータを示した図である。図中のDx(1)は、現在
から時間T前までに測定された煙濃度の平均値であり、
Dx(2)は、時間T前から時間T×2前までの測定濃
度の平均値であり、以下、同様にして、Dx(n)は、
時間T×(n−1)前から時間T×n前までの測定濃度
の平均値である。また、D0は基準濃度である。
【0006】まず、電源投入直後から時間Tが経過する
までの期間に測定された煙濃度Dの平均値を求めて、D
x(1)に格納する。この時点では、Dx(2)からD
x(n)に格納すべき濃度平均値が測定されていないの
で、測定濃度の平均値Dx(1)の状態が、電源投入前
から継続していたと仮定して、Dx(2)からDx
(n)にも、Dx(1)と同じ値を格納する。そして、
電源投入時は無煙状態であると仮定すれば、このDx
(1)が煙のない状態における測定値、即ち、光学室の
汚れによる煙濃度である考えられる。このため、測定濃
度の平均値Dx(1)を基準濃度D0とすることができ
る。
【0007】次に、さらに一定時間Tが経過した後に、
その時点から時間T前までの期間に測定された煙濃度の
平均値をDx(1)に格納するとともに、Dx(1)に
保持されていた値をDx(2)に格納し、Dx(2)に
保持されていた値をDx(3)に格納し、以下同様にし
て格納場所をシフトさせていき、Dx(n)に保持され
ていた値は廃棄する。煙が発生した状態で測定された煙
濃度の平均値は、無煙状態下で測定された値よりも大き
くなるため、更新されたDx(1)からDx(n)の最
小値を煙のない状態における測定値とみなして、基準濃
度D0とする。以後も時間Tが経過するごとに、同様に
してDx(1)からDx(n)を更新して、その最小値
をD0とする。
【0008】この様にして光学室の汚れによって測定さ
れる濃度を基準濃度とし、測定された煙濃度からこの基
準濃度を引いた値が一定レベル(火災判断レベル)に達
すれば、火災が発生したと判断することによって、光学
室内にほこりが堆積した場合等であっても、正確な煙濃
度を測定することができ、誤報の発生を防止することが
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような煙感知器の基準濃度の設定方法においては、電
源投入時に無煙状態であると仮定しているため、煙が煙
感知器の光学室内に存在する状態において、煙感知器に
電源が投入された場合には、この煙を検知したことによ
って測定された煙濃度の平均値Dx(1)を無煙状態に
おける煙濃度としてみなして基準濃度D0に設定してし
まうという問題があった。
【0010】この様子を図5の(a)、(b)に示す。
これらの図は、煙が発生した場合において、測定される
煙濃度の変化を示した図であり、(a)は、電源投入時
において無煙状態の場合の様子を示し、(b)は、電源
投入時において煙が存在する場合の様子を示す。なお、
いずれの場合にも煙感知器の光学室の汚れは同じである
としている。
【0011】(a)の場合には、基準濃度D0が電源投
入直後の時間Tにおける測定濃度平均値Dx(1)であ
り、測定される煙濃度Dと基準濃度D0との差が、火災
判断レベル△Djudgeに達すると火災の発生を発報
する。即ち、基準濃度D0が汚れによる測定濃度を補償
して、真の煙濃度が火災判断レベル△Djudgeに相
当する値に達したときに火災の発報が行われる。
【0012】ところが、(b)の場合には、電源投入時
に光学室内に煙が存在するために、電源投入直後の測定
濃度平均値Dx(1)は、汚れによる測定濃度よりも濃
度△D0だけ高い値となり、この煙濃度がそのまま基準
濃度D0とされる。このため、測定される煙濃度Dと基
準濃度D0との差が火災判断レベル△Djudgeに達
するには、測定濃度Dが図示したレベルDjudge2
以上となることが必要であり、(a)において火災発報
が行われるレベルDjudge1に達しても発報は行わ
れない。従って、(b)に示した様に、測定濃度Dがレ
ベルDjudge2に達しない場合には、火災発報を失
報してしまうことになる。
【0013】さらに、煙感知器の光学室の汚れが顕著に
なった場合には、汚れが測定濃度Dに与える影響が大き
くなり過ぎて、上記の方法によっても煙の濃度を正確に
測定することが困難になる場合があり、この様な場合に
は、光学室の清掃を行うことが必要となる。このため、
従来の煙感知器には、基準濃度D0がある一定値(補償
限界レベル)Dlimit以上となると、故障信号を出
力して、光学室を清掃する時期がきたことを知らせるも
のがあった。
【0014】しかしながら、この様な方法による場合に
は、故障信号を出力するまでは、煙感知器の光学室の汚
れの状態を知ることはできない。このため、同一建物内
に複数の煙感知器が設置されている場合等において、1
つの煙感知器が故障信号を出力すればその煙感知器を清
掃し、さらに、他の煙感知器が故障信号を出力すれば当
該他の煙感知器を清掃するとすれば、頻繁に清掃作業を
行う必要が生じる。一方、いずれかの煙感知器が故障信
号を出力した場合には、全ての煙感知器の清掃をすると
すれば、清掃作業の回数は減少するが、ほとんど汚れる
ことのない煙感知器についても毎回清掃することになっ
て清掃作業の効率が悪い。
【0015】この様子を図6に示す。図6は、複数の煙
感知器についての汚れ検出の様子の一例を示した図であ
る。この図は、横軸上に複数の煙感知器S1〜Snをと
り、縦軸に煙濃度をとって、各煙感知器S1〜Snの基
準濃度D0を示したものである。煙感知器S5の基準濃
度が、補償限界レベルDlimitに達しているため、
煙感知器S5から故障信号が出力されて、煙感知器S5
の清掃が行われる。ところが、煙感知器S3及びS4の
基準電圧D0も補償限界レベルDlimitに達しない
が、このレベルに近づいている。このため、煙感知器S
5の清掃から短期間のうちに、煙感知器S3又はS4が
故障信号を出力して、再び清掃作業を行う必要が生じ
る。
【0016】また、頻繁に清掃作業を行うことが煩雑で
あるため、一時に全ての煙感知器S1〜Snを清掃する
ことも考えられるが、この場合には、ほとんど汚ない煙
感知器S1についても毎回清掃することになる。本発明
は、上記の事情に鑑みてなされたもので、汚れによる測
定濃度の誤差を補償して、誤報の発生を防止するととも
に、電源投入時の光学室内に煙が存在する場合であって
も、火災発報の失報を防止する煙感知器を提供すること
を一つの目的とする。
【0017】また、煙感知器の光学室内の汚れ有無だけ
でなく、その程度をも検知することにより、清掃作業の
作業効率を向上させた煙感知器を提供すること他の目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した本発
明による煙感知器の基準濃度の設定方法は、投光素子か
ら発せられた光線のうち、煙粒子よって散乱された光を
光検出素子により検出して煙濃度を測定し、測定された
煙濃度を基準濃度と比較して、火災の発生を検知する煙
感知器において使用される基準濃度の設定方法であっ
て、上記基準濃度として、電源投入時に測定された濃度
を予め測定され保持されている無煙時の濃度により補正
して求められる濃度を設定する。
【0019】請求項2に記載した本発明による煙感知器
の基準濃度の設定方法は、請求項1に記載の基準濃度の
設定方法であって、電源投入後の一定期間において測定
される煙濃度を監視して、煙濃度の変化が所定の範囲を
越えない場合には、電源投入時に測定された濃度を基準
濃度として設定する一方、煙濃度の変化が所定の範囲を
越える場合には、予め測定され保持されている無煙時の
濃度を基準濃度として設定する。
【0020】請求項3に記載した本発明による煙感知器
の基準濃度の設定方法は、請求項1に記載の基準濃度の
設定方法であって、上記基準濃度として、電源投入時に
測定される濃度と、予め測定され保持されている無煙時
の濃度との演算によって求められる濃度に設定する。請
求項4に記載した本発明による煙感知器の汚れ検出方法
は、請求項1から3のいずれかに記載の設定方法により
設定された基準濃度を、予め定められた汚れレベルと比
較する汚れ検出方法であって、上記汚れレベルが、複数
の異なる濃度レベルとして予め定められ、上記基準濃度
を上記の複数の汚れレベルのそれぞれと比較して、上記
基準濃度がいずれの汚れレベルに達しているのかを検出
して、煙感知器の汚れの程度を検出する。
【0021】
【発明の実施の態様】まず、請求項1及び2に記載した
本発明による煙感知器の基準濃度の設定方法について以
下に説明する。図1の(a)、(b)は、この煙感知器
の基準濃度の設定方法による火災発報の様子の一例を、
従来の方法による場合と対比して示した図である。
【0022】(a)は、従来の基準濃度の設定方法によ
る場合を示したものであり、図5の(b)と同じもので
ある。即ち、電源投入時に光学室内に煙が存在するため
に、この煙を測定した煙濃度の平均値Dx(1)を基準
濃度D0に設定したために、煙濃度DがレベルDjud
ge2(測定濃度平均値Dx(1)から火災判断レベル
△Djudgeだけ高いレベル)に達しない限り、火災
警報を発報することができず、失報が生じている。
【0023】(b)は、本発明による基準濃度の設定方
法による場合であり、煙感知器は、予め無煙状態におけ
る無煙濃度初期値Daを測定しておいて、EEPROM
等の記憶手段に記憶しておく。例えば、工場出荷時の測
定濃度Daを記憶手段に書き込んでおく。そして、電源
投入時には、電源投入時から時間Tの期間内おいて測定
された煙濃度Dの平均値Dx(1)を求めるとともに、
測定濃度Dの変化を監視して、この監視結果に基づい
て、測定濃度平均値Dx(1)又は無煙濃度初期値Da
のいずれかの値を選択し、基準濃度D0として設定す
る。
【0024】即ち、電源投入後からの一定時間、例え
ば、1分間に測定される煙濃度Dを監視して、この測定
濃度Dに変化がなければ、無煙状態であると判断して、
測定濃度の平均値Dx(1)を基準濃度D0とする。一
方、電源投入後からの1分間に測定濃度Dが大きく変化
すれば、煙が検出されていると判断して、無煙濃度初期
値Daを基準濃度D0とする。
【0025】ここで、光学室の汚れは、ほこりの堆積等
が原因となるものであるため、一般に、光学室の汚れに
より受光素子に入射する散乱光の増加は、その変化が穏
やかであり、1日程度以上の期間において監視しなけれ
ば検出することはできない。ところが、煙による散乱光
の変化は、これに比べて極めて短期的であり、1分程度
の短い時間内においても大きく変化する。
【0026】図中の(b)の場合には、電源投入後から
の1分間に測定濃度Dが大きく変化しているため、基準
濃度D0が無煙濃度初期値Daに設定されている。この
ため、測定濃度Dが、レベルDjudge1(無煙濃度
初期値Daから火災判断レベル△Djudgeだけ高い
レベル)に達した時点で、火災警報が発報される。この
様にして、電源投入直後の一定時間内に測定される煙濃
度Dの変化を監視して、煙が存在するか否かを判断し、
その結果、無煙状態であれば、従来の方法と同様、測定
濃度平均値Dx(1)を基準濃度D0とする一方、煙が
存在する状態であれば、記憶手段に保持された無煙濃度
初期値Daを基準濃度D0とすることによって、電源投
入時に煙が存在する場合に、火災発報を失報してしまう
ことを防止する。
【0027】なお、図1の(b)においては、測定濃度
Dの変化を1分間の変化量△Dにより監視し、この変化
量△Dを予め定められた値と比較することによって、電
源投入時の煙の有無を判断している。次に、請求項3に
記載した本発明による煙感知器の基準濃度の設定方法に
ついて以下に説明する。図2の(a)、(b)は、この
煙感知器の基準濃度の設定方法による火災発報の様子の
一例を、従来の方法による場合と対比して示した図であ
る。(a)は、従来の基準濃度の設定方法による場合を
示したものであり、図5の(b)と同じものである。
【0028】(b)は、本発明による基準濃度の設定方
法による場合であり、煙感知器は、上記の実施例と同
様、予め無煙状態における無煙濃度初期値Daを測定し
ておいて、EEPROM等の記憶手段に記憶しておく。
そして、電源投入時には、電源投入時から時間Tの期間
内おいて測定された煙濃度Dの平均値Dx(1)を求
め、この測定濃度平均値Dx(1)と上記無煙濃度初期
値Daとの演算によって基準濃度D0を求める。この演
算は、例えば、測定濃度平均値Dx(1)と無煙濃度初
期値Daとの平均値を求める演算とすることができる。
【0029】この様にして求められた基準濃度D0は、
光学室の汚れによる測定濃度の誤差をある程度補償する
ことができる一方、電源投入時に煙が存在する状態であ
っても、従来の方法に比べて失報の可能性を低減するこ
とができる。即ち、測定濃度平均値Dx(1)には、光
学室の汚れによって測定される煙濃度が含まれ、さら
に、電源投入時に煙が存在している場合には、煙を測定
したことによる煙濃度とが含まれているため、この測定
濃度平均値Dx(1)と無煙濃度初期値Daとの平均演
算等を行うことによって、電源投入時に煙が存在してい
る場合には、火災発報するために必要な測定濃度Dのレ
ベルDjudge3は、上記実施例のレベルDjudg
e2よりも高い値となってしまうが、図2の(a)に示
した従来例のレベルDjudge1よりも低い値とする
ことができる。このため、従来の方法に比べて失報のお
それが低減することができる。
【0030】さらに、請求項4に記載した本発明による
煙感知器の汚れ検出方法について以下に説明する。図3
は、複数の煙感知器についての汚れ検出の様子の一例を
示した図である。この図は、横軸上に複数の煙感知器S
1〜Snをとり、縦軸に煙濃度をとって、各煙感知器S
1〜Snの基準濃度D0を示したものである。この汚れ
検出方法は、基準濃度D0を所定のレベルと比較するこ
とにより、煙感知器の光学室の汚れを検知するものであ
って、比較するレベルとして補償限界レベルDlimi
t及び汚れレベルL3〜L1を使用する。
【0031】基準濃度D0は、上述した方法により求め
られる煙濃度であり、この基準濃度を光学室の汚れを表
す値として使用する。補償限界レベルDlimitは、
従来の検知方法と同様、故障信号出力用の汚れレベルで
あり、上記基準濃度D0が、補償限界レベルDlimi
tに達すると、煙感知器は故障信号を出力する。汚れレ
ベルL3〜L1は、補償限界レベルDlimitよりも
低いレベルであって、それぞれ異なるレベルとして与え
られる。
【0032】具体的には、図3においては、補償限界レ
ベルDlimitが10(%/m)、汚れレベルL3が
9(%/m)、汚れレベルL2が6(%/m)、汚れレ
ベルL1が3(%/m)となっている。本発明による煙
感知器の汚れ検出方法は、基準濃度D0が補償限界レベ
ルDlimit以上となれば、故障信号を出力するが、
基準濃度D0が補償限界レベルDlimit未満であっ
ても、汚れレベルL3〜L1により光学室の汚れの状態
を検出することにより、光学室の清掃作業を効率化する
ものである。
【0033】即ち、基準濃度D0と汚れレベルL3〜L
1のそれぞれとを比較することによって、汚れの程度を
検出すれば、基準濃度D0が補償限界レベルDlimi
t未満で故障信号を出力していない場合に、その煙感知
器の基準濃度D0の補償限界レベルDlimitに対す
る余裕を知ることができる。従って、同一建物内に複数
の煙感知器S1〜Snが設置されている場合に、そのう
ちの一つの煙感知器S5の基準濃度D0が、補償限界レ
ベルDlimitを越えて故障信号を出力すれば、煙感
知器の清掃作業が行われるが、このときの清掃作業の対
象は、故障信号を出力した煙感知器S5だけでなく、基
準濃度D0が汚れレベルL3を越え、補償限界レベルD
limitに対して余裕のない煙感知器S3及びS4も
含められる。
【0034】汚れレベルL3を越えている煙感知器は、
短期間のうちに補償限界レベルDlimitに達して、
故障信号を出力すると考えられるため、煙感知器S5と
同時に清掃を行うことが効率的である一方、それ以外の
汚れレベルL3にも達していない煙感知器S1、S2等
については、補償限界レベルDlimitに達するまで
に相当長い期間を要すると考えられるため、これらの煙
感知器は清掃の対象外とすることができる。
【0035】この様にして、基準濃度を複数の異なる汚
れレベルと比較して、煙感知器の汚れの程度を検出する
ことにより、光学室の清掃作業を効率化することができ
る。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載した本発明による煙感知
器の基準濃度の設定方法によって、光学式の煙感知にお
ける基準濃度が、電源投入時の測定濃度を予め測定され
保持されている無煙時の濃度により補正して求められ
る。即ち、光学室の汚れ及び電源投入時の煙の有無によ
って影響を受ける電源投入時の測定濃度を、これらの影
響が排除されている無煙時濃度初期値によって補正して
基準濃度とし、この値を基準として、その後の測定濃度
に基づいて火災発生の有無を判断する。
【0037】このため、光学室の汚れの検出により感度
を補正して、正確な煙濃度を測定するとともに、電源投
入直後の火災発報を失報するのを防止する。請求項2に
記載した本発明による煙感知器の基準濃度の設定方法
は、電源投入後の一定期間における測定濃度の変化を監
視し、この変化が小さい場合には、電源投入時に測定さ
れた濃度を基準濃度とする一方、この変化が大きい場合
には、予め測定され保持されている無煙時の濃度を基準
濃度とする。
【0038】即ち、電源投入時の煙の有無を測定濃度の
変化に基づいて検出し、煙が存在すると判断された場合
にのみ、基準濃度として無煙時濃度初期値を使用するこ
とによって、電源投入時の測定濃度を使用したために、
電源投入直後の火災発報を失報するのを防止する。請求
項3に記載した本発明による煙感知器の基準濃度の設定
方法により、基準濃度が、電源投入時に測定される濃度
と、予め測定され保持されている無煙時の濃度との演算
によって求められる。
【0039】このため、求められた基準濃度は、汚れに
よる測定濃度の誤差をある程度補償することができる一
方、従来の方法に比べて、電源投入直後の失報の可能性
を低減することができる。請求項4に記載した本発明に
よる煙感知器の基準濃度の設定方法は、上記基準濃度を
予め定められた複数の汚れレベルと比較して、上記基準
濃度がいずれの汚れレベルに達しているのかを検出し
て、煙感知器の汚れの程度を検出する。
【0040】従って、複数の煙感知器が設置されている
場合には、一つの煙感知器の清掃が必要となったとき
に、清掃を必要とする汚れレベルに達していなくても、
そのレベルに近い煙感知器については、同時に清掃作業
を行うことにより、各煙感知器から頻繁に故障信号が出
力されることがなく、清掃作業の回数を減少させること
ができる。また、光学室がほとんど汚れていない煙感知
器については、清掃作業を省略することができるため、
清掃作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び2に記載した本発明による煙感知
器の基準濃度の設定方法による火災発報の様子の一例を
従来の方法による場合と対比して示した図である。
【図2】請求項3に記載した本発明による煙感知器の基
準濃度の設定方法による火災発報の様子の一例を従来の
方法による場合と対比して示した図である。
【図3】複数の煙感知器についての汚れ検出の様子の一
例を示した図である。
【図4】煙感知器内に保持されている煙濃度に関するデ
ータを示した図である。
【図5】火災発報の様子を、電源投入時に煙がある場合
と煙がない場合とを比較して示した図である。
【図6】複数の煙感知器についての汚れ検出の様子を示
した図である。
【符号の説明】
D ・・・測定される煙濃度 Dx(1)・・・電源投入時に測定された濃度 Da ・・・予め保持されている無煙時の濃度 D0 ・・・基準濃度 L3〜L1・・・汚れレベル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投光素子から発せられた光線のうち、煙粒
    子よって散乱された光を光検出素子により検出して煙濃
    度を測定し、測定された煙濃度を基準濃度と比較して、
    火災の発生を検知する煙感知器において、 上記基準濃度は、電源投入時に測定された濃度を予め測
    定され保持されている無煙時の濃度により補正して求め
    られる濃度とすることを特徴とする煙感知器の基準濃度
    の設定方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の基準濃度の設定方法にお
    いて、 電源投入後の一定期間において測定される煙濃度を監視
    して、 煙濃度の変化が所定の範囲を越えない場合には、電源投
    入時に測定された濃度を基準濃度とする一方、 煙濃度の変化が所定の範囲を越える場合には、予め測定
    され保持されている無煙時の濃度を基準濃度とすること
    を特徴とする煙感知器の基準濃度の設定方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の基準濃度の設定方法にお
    いて、 上記基準濃度は、電源投入時に測定される濃度と、予め
    測定され保持されている無煙時の濃度との演算によって
    求められる濃度としたことを特徴とする煙感知器の基準
    濃度の設定方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の設定方
    法により設定された基準濃度を、予め定められた汚れレ
    ベルと比較する汚れ検出方法であって、 上記汚れレベルが、複数の異なる濃度レベルとして予め
    定められ、 上記基準濃度を上記の複数の汚れレベルのそれぞれと比
    較して、上記基準濃度がいずれの汚れレベルに達してい
    るのかを検出して、煙感知器の汚れの程度を検出するこ
    とを特徴とする煙感知器の汚れ検出方法。
JP07264009A 1995-10-12 1995-10-12 煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法 Expired - Lifetime JP3113937B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07264009A JP3113937B2 (ja) 1995-10-12 1995-10-12 煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07264009A JP3113937B2 (ja) 1995-10-12 1995-10-12 煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09106488A true JPH09106488A (ja) 1997-04-22
JP3113937B2 JP3113937B2 (ja) 2000-12-04

Family

ID=17397287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07264009A Expired - Lifetime JP3113937B2 (ja) 1995-10-12 1995-10-12 煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3113937B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009131119A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 パナソニック電工株式会社 煙感知器
JP2010123004A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Panasonic Electric Works Co Ltd 煙感知器
JP2010176611A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Sharp Corp 煙センサ装置および煙検知方法
JP2018060439A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 住友電気工業株式会社 管理装置、管理方法および管理プログラム
JP2018163675A (ja) * 2018-05-30 2018-10-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 感知器、感知方法、感知システム、プログラム
JP2019185466A (ja) * 2018-04-12 2019-10-24 ホーチキ株式会社 管理システム
CN114495409A (zh) * 2021-12-20 2022-05-13 哲弗智能系统(上海)有限公司 烟雾传感器灵敏度补偿方法、装置、系统及存储介质

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009131119A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 パナソニック電工株式会社 煙感知器
AU2009239074B2 (en) * 2008-04-24 2013-03-21 Panasonic Corporation Smoke sensor
US8552355B2 (en) 2008-04-24 2013-10-08 Panasonic Corporation Smoke sensor including a current to voltage circuit having a low frequency correction means to produce a correction current
JP2010123004A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Panasonic Electric Works Co Ltd 煙感知器
JP2010176611A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Sharp Corp 煙センサ装置および煙検知方法
JP2018060439A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 住友電気工業株式会社 管理装置、管理方法および管理プログラム
JP2019185466A (ja) * 2018-04-12 2019-10-24 ホーチキ株式会社 管理システム
JP2018163675A (ja) * 2018-05-30 2018-10-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 感知器、感知方法、感知システム、プログラム
CN114495409A (zh) * 2021-12-20 2022-05-13 哲弗智能系统(上海)有限公司 烟雾传感器灵敏度补偿方法、装置、系统及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP3113937B2 (ja) 2000-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9396637B2 (en) Photoelectric smoke detector with drift compensation
JP4096020B2 (ja) 火災報知器
US20170249819A1 (en) Fire Monitoring System and Smoke Detector
JPH0244385B2 (ja)
JP3113937B2 (ja) 煙感知器の基準濃度の設定方法及び煙感知器の汚れ検出方法
US7948628B2 (en) Window cleanliness detection system
EP3289574B1 (en) Fire detector drift compensation
JPH0218695A (ja) 火災警報装置
JP2592698B2 (ja) 火災警報装置
JP2746920B2 (ja) 火災警報装置
JP2625471B2 (ja) 汚れ補正機能付き火災警報装置
JP5416391B2 (ja) 煙感知器
JP2735567B2 (ja) 汚れ度合表示装置
JPH09115075A (ja) 煙感知器の警報送信レベル補正方法
JP3336164B2 (ja) 火災感知器
JPH023892A (ja) 火災警報装置の汚れ補正方法とその装置
JP4650914B2 (ja) 防災受信盤及び光学式火災検知器
JP2002109652A (ja) 炎検知器および火災報知設備
WO2023238849A1 (ja) 煙検知装置
JPH0652464A (ja) 複合型火災感知器
JPH05325058A (ja) 自火報システム
JP3307824B2 (ja) 火災警報システム
JPH10334363A (ja) 光電式煙感知器
JP3093035B2 (ja) 光電式分離型煙感知器
JP2612292B2 (ja) 火災警報装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000801

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term