JPH09104840A - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JPH09104840A
JPH09104840A JP28631795A JP28631795A JPH09104840A JP H09104840 A JPH09104840 A JP H09104840A JP 28631795 A JP28631795 A JP 28631795A JP 28631795 A JP28631795 A JP 28631795A JP H09104840 A JPH09104840 A JP H09104840A
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遵生子 鏑木
Toshiki Sakagami
俊規 阪上
Kinji Yamada
欣司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性、乾燥性に優れ、重ね塗りによるリフ
ティングを起こすことなく塗装できるため、汎用性が高
く、かつ高光沢で鮮映感のある仕上がりのよい塗膜であ
り、かつ保存安定性に優れ、透明で、耐有機薬品性、耐
候性、耐汚染性などの物性に優れ、しかも硬度の高い塗
膜を形成させることができるコーティング用組成物を提
供すること。 【解決手段】 (a)オルガノシランの加水分解物およ
び/またはその部分縮合物、(b)SP値が11〜15
である単独あるいは混合溶剤を用いて重合された、シリ
ル基含有ビニル系樹脂溶液、(c)有機金属化合物、お
よび(d)β−ジケトン類および/またはβ−ケトエス
テル類を含有してなるコーティング用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング用組
成物に関し、さらに詳細には、優れた硬化性、乾燥性を
有するため、厚膜の重ね塗りを行ってもリフティング
(塗膜の縮み、ふくれ)を起こすことがなく、作業性、
成膜性が良好であり、かつ保存安定性に優れ、ステンレ
ス、アルミニウム、セラミックス、セメント、紙、ガラ
ス、プラスチック、無機窯業基板、布帛などの表面に、
優れた性能を有する塗膜を形成するために好適なコーテ
ィング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性、耐水性、耐汚染性、耐有
機薬品性、耐酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、耐摩耗性、
耐候性、耐湿性、密着性などに優れ、硬度の高い塗膜を
形成させることのできるコーティング用組成物が求めら
れている。このような要求の一部を満たすコーティング
用組成物として、オルガノシランの部分的縮合物とコロ
イダルシリカの分散液およびシリコーン変性アクリル樹
脂からなる組成物(特開昭60−135465号公
報)、あるいはオルガノシランの縮合物とジルコニウム
アルコキシドのキレート化合物および加水分解性シリル
基含有ビニル系樹脂とからなる組成物(特開昭64−1
769号公報)、あるいはオルガノシランの縮合物とコ
ロイド状アルミナおよび加水分解性シリル基含有ビニル
系樹脂とからなる組成物(米国特許第4,904,72
1号明細書)、あるいはオルガノシランの加水分解物と
金属キレート化合物および加水分解性または部分縮合性
シリル基含有ビニル系樹脂とからなる組成物などが提案
されている。
【0003】しかしながら、上記特開昭60−1354
65号公報および米国特許第4,904,721号明細
書に記載されているコーティング用組成物を使用して塗
膜を形成させても、長時間の紫外線照射により該塗膜の
光沢が低下する。また、特開昭64−1769号公報に
記載されている組成物は、オルガノシランの縮合物とジ
ルコニウムアルコキシドのキレート化合物および加水分
解性シリル基含有ビニル系樹脂を親水性有機溶媒に含有
させてなるが、保存安定性が充分ではなく、固形分濃度
を高くすると短期間でゲル化し易い。また、この組成物
は、オルガノシランの縮合物(オルガノポリシロキサ
ン)とキレート化合物との縮合反応により生成するアル
コール、エステルと、シリル基含有ビニル系樹脂のSP
値の違いによりミクロ層分離が起こり、オルガノポリシ
ロキサンとシリル基含有ビニル系樹脂との共縮合が不充
分なため、硬化性、乾燥性が乏しく、限定された用途、
例えば乾燥温度、塗装膜厚、塗装方法などに制限があ
る。また、成膜後の光沢が、従来の有機塗装板に比べ鮮
映感が得られないという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたもので、1種あるいは2種
以上混合された溶剤で、かつSP値が11〜15であ
る、単独あるいは混合溶媒中で合成されたシリル基含有
ビニル系樹脂を用いることにより、上記オルガノシラン
の縮合物、キレート化合物、および加水分解性シリル基
含有ビニル系樹脂の共縮合性が良く、ミクロ層分離を防
ぎ、均一反応ができ、これにより、硬化性、乾燥性に優
れるため、乾燥温度、塗装膜厚、塗装方法などを制限さ
れることなく、汎用品として常温で刷毛やローラー塗り
でも使用可能であり、塗り継ぎ部分や重ね塗りを行って
もリフティングすることなく、作業性、成膜性に非常に
優れ、従って広範囲の用途に対応でき、かつ従来の有機
塗膜に匹敵する鮮映感のある高光沢の塗膜で、かつ透
明、耐候性、耐汚染性、耐熱性、耐水性、耐海水性、耐
有機薬品性、耐酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、耐摩耗
性、耐候性、耐湿性、密着性などに優れ、しかも硬度の
高い塗膜を形成させることのできるコーティング用組成
物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)一般式
1 n Si(OR24-n (式中、R1 は炭素数1〜8
の有機基、R2 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素
数1〜4のアシル基を示し、nは0〜2である)で表さ
れるオルガノシランの加水分解物および/またはその部
分縮合物をオルガノシラン換算で100重量部、(b)
SP値が11〜15である、単独または混合溶剤を用い
て重合された、加水分解性基および/または水酸基と結
合したケイ素原子を有するシリル基を末端あるいは側鎖
に重合体1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有
ビニル系樹脂溶液を固形分換算で4〜500重量部、
(c)一般式M(OR3 p (R4 COCH2 CO
5 q (式中、Mは金属原子、R3 およびR4 は同一
または異なり、炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素
数1〜6のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキ
シ基を示し、p,qは0〜4の整数である)で表される
有機金属化合物を0.01〜100重量部、ならびに
(d)一般式R4 COCH2 COR5 (式中、R4 〜R
5 は上記に同じ)で表されるβ−ジケトン類および/ま
たはβ−ケトエステル類を、(c)有機金属化合物1モ
ルに対し2モル以上、含有してなるコーティング用組成
物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の組成物を構成要件
別に詳述する。(a)成分 (a)成分は、一般式R1 n Si(OR24-n で表さ
れるオルガノシランを加水分解、縮合して得られる加水
分解物および/または部分縮合物であり、本発明で得ら
れる組成物中においては結合剤としての働きをするもの
である。このオルガノシラン中のR1 は、炭素数1〜8
の有機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ
−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロ
ロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタ
クリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、
フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基
などが挙げられる。また、オルガノシラン中のR2 は、
炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル
基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられ
る。
【0007】これらのオルガノシランの具体例として
は、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルト
リエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、
i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシ
シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメ
チルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジ
エトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、
ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどを挙げる
ことができるが、好ましくはメチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシランである。
【0008】これらのオルガノシランは、1種単独で使
用することも、または2種以上を併用することもでき
る。また、上記オルガノシランのうち、好ましくは40
モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上が、CH
3 Si(OR23 である場合が好ましい。なお、
(a)成分の重量平均分子量は、好ましくは800〜1
00,000、さらに好ましくは1,000〜50,0
00である。
【0009】(b)シリル基含有ビニル系樹脂 (b)シリル基含有ビニル系樹脂は、主鎖がビニル系重
合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および
/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基
を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以
上含有するもので、1種あるいは2種以上混合された溶
剤で、かつSP値が11〜15である単独あるいは混合
溶剤を用いて重合されたものであり、該シリル基の多く
は、下記一般式で表される。 (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、
アミノ基などの加水分解性基および/または水酸基、R
6 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭
素数1〜10のアラルキル基、mは1〜3の整数であ
る。)
【0010】(b)シリル基含有ビニル系樹脂は、
(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有す
るビニル系樹脂と反応させることにより製造してもよ
く、また(ロ)下記一般式で表される加水分解性基およ
び/または水酸基含有ビニル化合物と、各種ビニル系化
合物とを重合することにより製造してもよく、その製造
方法は限定されるものではない。 (ただし、X、R6 、mは上記に同じ、R7 は重合性二
重結合を有する有機基である。)
【0011】ここで、上記(イ)で示される製造方法で
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0012】また、(イ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系樹脂としては、水酸基を含むビニル系樹脂
を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの
酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;
(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エ
チルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジア
ミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニト
リル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル
系化合物を共重合したビニル系樹脂が好ましい。
【0013】一方、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れる加水分解性基および/または水酸基含有ビニル化合
物としては、例えば
【0014】
【0015】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0016】などが挙げられる。また、(ロ)で示され
る製造方法で使用されるビニル系化合物としては、上記
(イ)の製造方法でビニル系樹脂の重合時に用いられる
ビニル系化合物を使用することが可能であるが、この
(イ)の製造方法に記載された以外に、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテ
ル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含む
ビニル系化合物を挙げることもできる。
【0017】以上のような(b)シリル基含有ビニル系
樹脂の具体的な例としては、例えば下記一般式で表され
るトリアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げる
ことができる。 〔式中、R8 は水素原子またはメチル基、R9 はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数
1〜6のアルキル基、R10はR8 と同様であり、R11
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基な
どの炭素数1〜4のアルキレン基、R12はR9 と同様で
あり、t/(s+t)=0.01〜0.4、好ましくは
0.02〜0.2である。〕この(b)シリル基含有ビ
ニル系樹脂の数平均分子量は、好ましくは2,000〜
100,000、さらに好ましくは4,000〜50,
000である。
【0018】また、この(b)シリル基含有ビニル系樹
脂は、1種あるいは2種以上混合された溶剤で、かつS
P値が11〜15、好ましくは11〜14である単独あ
るいは混合溶剤中で重合して得られたものである。重合
に用いられる溶剤として、好ましくはSP値が11〜1
5のアルコール類を単独、あるいはエーテル類、ケトン
類、エステル類、芳香族炭化水素類などとの2種以上と
混合して使用することもできる。混合溶剤のSP値δ
は、次式で求められる。式は、溶剤ハンドブックから引
用したものを用いる。また、各溶剤のδ値は、25℃の
ときの値を用いる。 δmix =(x11 δ1 +x22 δ2 +・・・xn
n δn )/(x11+x22 ・・・+xn n ) ここで、xはモル分率、Vは混合成分の分子容である。
【0019】単独、あるいは混合溶剤のSP値が11未
満である場合、オルガノシロキサンの加水分解、縮合反
応により生成するアルコール、エステルとシリル基含有
ビニル系樹脂溶液とのSP値の違いが大きく、共縮合が
不充分である。また、SP値11未満の溶剤は、塗装
時、塗り継ぎ部分や重ね塗りを行った場合、ポリマーを
溶解させ易く、リフティングを起こす。さらに、硬化
性、乾燥性が乏しく、光沢が従来の有機塗装板に比べ鮮
映感が得られない。一方、SP値が15を超える溶剤
は、一般的な塗料用、コーティング用の溶剤として使用
されず、また水を用いた場合、乳化重合により得られた
シリル基含有ビニル系樹脂は、(a)〜(c)成分を用
いた反応ではオルガノシロキサンとの合成はできず、不
適当である。
【0020】なお、本発明において、(b)成分は、S
P値11〜15の溶剤を用いて重合されたのち、溶剤を
分離せずに使用する。ここで、(b)成分中の溶剤の割
合は、50重量%以上である。
【0021】溶剤のうち、アルコール類としては、例え
ば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることが
でき、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の
飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール
類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどを挙げることができる。
【0022】また、エーテル類の具体例としては、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の
具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、炭酸プロピレンなどを、芳香族炭化水素類の具体例
としては、キシレン、トルエンなどを挙げることができ
る。
【0023】(b)シリル基含有ビニル系樹脂(固形
分)の組成物中の割合は、(a)成分の原料であるオル
ガノシラン100重量部に対し、4〜500重量部、好
ましくは7〜250重量部、さらに好ましくは10〜1
00重量部であり、4重量部未満では、得られる塗膜の
耐アルカリ性が低く、一方500重量部を超えると得ら
れる塗膜の耐候性の悪化を招く。
【0024】(c)有機金属化合物 本発明の(c)有機金属化合物は、(a)成分と(b)
成分との共縮合体を形成する作用をなすものと考えられ
る。
【0025】(c)有機金属化合物中のR3 およびR4
は、同一または異なり炭素数1〜6のアルキル基、具体
的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペ
ンチル基、フェニル基などである。また、R5 は、上記
と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜
16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル
基、ステアリル基などである。また、(c)有機金属化
合物中のp〜qは、0〜4の整数を示す。
【0026】これらの(c)有機金属化合物の具体例と
しては、テトラブトキシジルコニウム、トリ−n−ブト
キシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブ
トキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、
n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)
ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;ジイソプ
ロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウ
ム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チ
タニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテー
ト)チタニウム、テトラ−i−プロポキシチタン、テト
ラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタ
ン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンな
どのチタン化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセ
テートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセト
ナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(ア
セチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルア
セトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセ
トナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・
ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのア
ルミニウム化合物などが挙げられる。これらの(c)有
機金属化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキ
シエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポ
キシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソ
プロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリ
ス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。こ
れらの(c)有機金属化合物は、1種単独であるいは2
種以上混合して使用することができる。また、(c)成
分としては、これらの有機金属化合物の部分加水分解物
を使用することもできる。
【0027】(c)有機金属化合物の組成物中の割合
は、(a)成分の原料であるオルガノシラン100重量
部に対し、0.01〜100重量部、好ましくは0.1
〜80重量部、さらに好ましくは0.5〜50重量部で
あり、0.01重量部未満では、(a)成分と(c)成
分との共縮合体の生成が不充分であり、塗膜の耐候性が
悪化し、一方100重量部を超えると、組成物の保存安
定性が悪化し、また得られる塗膜にクラックが発生する
場合があり好ましくない。
【0028】(d)成分 本発明で使用される(d)成分は、一般式R4 COCH
2 COR5 で表されるβ−ジケトン類および/またはβ
−ケトエステル類であり、本発明の組成物の安定性向上
剤として作用するものである。すなわち、上記(a)〜
(b)成分を主成分とする組成物中に存在する(c)有
機金属化合物(ジルコニウム、チタニウムおよび/また
はアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することに
より、これらの金属キレート化合物による(a)成分お
よび/または(b)成分の縮合反応をコントロールする
作用をし、得られる組成物の保存安定性を向上させる作
用をなすものと考えられる。(d)成分を構成するR4
およびR5 は、上記(c)有機金属化合物を構成するR
4 およびR5 と同様である。
【0029】この(d)β−ジケトン類および/または
β−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセト
ン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢
酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト
酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4
−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,
4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−
メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。
これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセト
ンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これ
らのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類
は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用すること
もできる。この(d)β−ジケトン類および/またはβ
−ケトエステル類は、(c)有機金属化合物1モルに対
し2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、2モル
未満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとな
る。
【0030】(e)成分 なお、本発明の組成物は、上記(a)〜(d)成分を主
成分とするが、通常、(a)〜(d)成分を含有する組
成物を調製する際に、(e)水が、(a)成分を構成す
るオルガノシランに添加される。(e)水の使用量は、
オルガノシラン1モルに対し、通常、0.5〜3.0モ
ル、好ましくは0.7〜2.0モル程度である。
【0031】(f)成分 本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは50重量
%以下であり、使用目的に応じてその全固形分濃度を調
整して用いられる。その際、必要に応じて(f)有機溶
剤の添加が行われる。(f)有機溶媒は、主として
(a)〜(d)成分を均一に混合させるものであれば特
に限定されないが、例えばアルコール類、芳香族炭化水
素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが添加で
き、好ましくは1種類あるいは2種類以上混合してな
る、SP値11〜15の有機溶剤である。薄膜形成基材
への含浸を目的とするときには、通常、全固形分濃度は
5〜30重量%である。また、厚膜形成や、後述の
(g)充填材を分散させる目的で使用するときには、通
常、全固形分濃度は20〜50重量%、好ましくは30
〜45重量%であり、50重量%を超えると、組成物の
保存安定性が悪化して好ましくない。
【0032】なお、本発明の組成物には、得られる塗膜
の硬度向上を目的として、必要に応じて金属酸化物ゾル
を添加することも可能である。この金属酸化物ゾルとし
ては、例えばオルガノシリカゾル、アルミナゾル、スズ
ゾル、ジルコニウムゾル、五酸化アンチモンゾルなどが
挙げられ、これら金属酸化物ゾルの存在下で共縮合反応
を行っても良く、また反応後に混合してもよい。
【0033】また、本発明の組成物には、得られる塗膜
の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付
与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、
(g)充填材を添加・分散させることも可能である。こ
の(g)充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料な
どの非水溶性の顔料または顔料以外の、粒子状、繊維状
もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化
物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられ
る。この(g)充填材の具体例としては、粒子状、繊維
状もしくは鱗片状の、鉄、銅、アルミニウム、ニッケ
ル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステン
レス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニ
ウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウ
ム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、
クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト
緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェー
レ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、
紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セル
リアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバ
ルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレッ
ト、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化
鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム
黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化
銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベ
ンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン
白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン
白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン
白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、
サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィス
カー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
【0034】これらの(g)充填材の平均粒径または平
均長さは、通常、50〜50,000nm、好ましくは
100〜5,000nmである。(g)成分の組成物中
の割合は、(a)〜(d)成分の全固形分100重量部
に対し、10〜300重量部程度である。また、本発明
の組成物をより速く硬化させるにあたっては、硬化条件
により硬化促進剤を使用してもよく、比較的低い温度で
硬化させるためには、硬化促進剤を併用する方が効果的
である。
【0035】この硬化促進剤としては、ナフテン酸、オ
クチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのア
ルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−
トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチ
レンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミン系化合物、(C492 Sn(OCOC1123
2 、(C492 Sn(OCOCH=CHCOOCH
32 、(C492 Sn(OCOCH=CHCOO
492 、(C8172 Sn(OCOC1123
2 、(C8172 Sn(OCOCH=CHCOOCH
32 、(C8172 Sn(OCOCH=CHCOO
492 、(C8172 Sn(OCOCH=CH
COOC8172 、Sn(OCOCC8172 など
のカルボン酸型有機スズ化合物;(C492 Sn
(SCH2 COOC8172 、(C492 Sn
(SCH2 COOC8172 、(C8172 Sn
(SCH2 COOC8172 、(C8172 Sn
(SCH2 CH2COOC8172 、(C8172
Sn(SCH2 COOC8172 、(C8172
n(SCH2 COOC12252
【0036】 などのメルカプチド型有機スズ化合物; などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0037】(C492 SnO、(C8172
nO、または(C492 SnO、(C8172
nOなどの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオ
クチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機
スズ化合物などが使用される。これらの硬化促進剤の組
成物中における割合は、本発明の組成物の固形分100
重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましく
は0.5〜10重量部用いられる。
【0038】なお、本発明の組成物には、そのほかオル
トギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシラ
ンなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、上記以外の、
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、
分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加する
こともできる。
【0039】さらに、本発明の組成物中には、上記
(f)有機溶媒以外の有機溶剤を含有させることがで
き、この有機溶剤としては、上記組成物を混合した際
に、沈澱を生起しない溶剤であればどのようなものでも
よく、一般の塗料、コーティング剤などに用いられるも
のであれば特に限定はなく、例えばアルコール類、芳香
族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類など
を挙げることができる。これらの有機溶剤は、上記同
様、1種類あるいは2種類以上混合してなるSP値11
〜15の有機溶剤が好ましい。これらの有機溶剤は、本
発明の組成物100重量部に対し、通常、100重量部
以下程度使用される。
【0040】本発明の組成物を調製するに際しては、上
記(a)〜(d)成分を含有する組成物を調製すればよ
いが、例えば下記〜の調製方法が好ましい。 (a)成分を構成するオルガノシラン、(b)シリル
基含有ビニル系樹脂、および(c)有機金属化合物から
なる溶液に、オルガノシラン1モルに対し0.1〜3モ
ルの水を加えて、(a)〜(c)成分からなる組成物を
形成させたのち、(d)β−ジケトン類および/または
β−ケトエステル類を添加する方法。
【0041】(a)成分を構成するオルガノシラン1
モルに対し0.1〜3モルの水を加えて加水分解・縮合
反応を行い、次いで(b)シリル基含有ビニル系樹脂、
(c)有機金属化合物を加えて混合し、さらに縮合反応
を行い、(a)〜(c)成分からなる組成物を形成した
のち、(d)成分を添加する方法。
【0042】(a)成分を構成するオルガノシラン、
(c)有機金属化合物、(d)成分を添加してなる溶液
に、オルガノシラン1モルに対して、0.01〜3モル
の水を加えて、加水分解・縮合反応を行い、(a)〜
(c)成分からなる組成物を形成したのち、(d)成分
を添加する方法。
【0043】本発明の組成物は、対象物である基材の表
面に、刷毛、ローラー、スプレー、ディッピング、バー
コード、アプリケーターなどの塗装手段により、1回塗
りで厚さ10〜100μm程度、2〜3回の塗装で厚さ
2〜200μm程度の塗膜を形成することができ、通常
の環境下、約5〜40℃の常温での乾燥、あるいは30
〜200℃程度の温度で10分〜1日程度、放置あるい
は加熱し、乾燥することにより塗膜を形成することが可
能である。本発明の組成物がコーティングされる基材と
しては、例えばステンレス、アルミニウム、セラミック
ス、セメント、コンクリート、ALC、紙、ガラス、プ
ラスチック、無機窯業系基板、布帛などが挙げられる。
【0044】この基材にコーティングするに際し、基材
との密着性向上、あるいは多孔質基材の目止め、平滑
化、膜様付けなどを目的として、従来公知のアクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂系
などのプライマーをあらかじめ形成した基材を用いるこ
とも可能である。また、(g)充填材を含有する本発明
の組成物を用いて形成した塗膜の耐摩耗性、光沢を高め
るために、本組成物のクリアー層を形成してもよく、米
国特許第3,986,997号明細書、米国特許第4,
027,073号明細書に記載のコロイダルシリカとシ
ロキサン樹脂の安定な分散液などのようなシロキサン樹
脂を必須成分とするクリア層を形成することも可能であ
る。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り
重量基準である。また、実施例中における各種の測定
は、下記のとおりである。
【0046】(ポリマー、組成物)保存安定性は、ガラ
ス製ビン中で硬化促進剤を添加せずに常温で組成物を密
栓保存し、目視によりゲル化の有無を判定した。ゲル化
を生じていないものについては、共軸二重円筒型高せん
断粘度計、Rheomat115〔contrabes
社製〕による粘度測定を行い、変化率が20%以内のも
のを変化なし(○)、20%を超えるもの、ゲル化した
ものを×と判定した。ここで、ポリマー(組成物)粘度
は、上記共軸二重円筒型高せん断粘度計、Rheoma
t115〔contrabes社製〕による粘度測定を
行い、せん断速度が500sec-1の粘度を測定した。
【0047】塗膜物性は、以下の項目を行った。光沢
は、JIS K5400による60度鏡面光沢度を変角
光沢計〔東京電色(株)製〕により評価した。外観の判
定は、塗膜を蛍光灯でみたときに、鏡面のように蛍光灯
がはっきり映るものを鮮映感ありとし、蛍光灯が薄く映
るものを艶ボケとし、蛍光灯が全く映らないものを艶引
けと判定した。耐有機薬品性(耐溶剤性)は、塗膜上に
i−プロパノールを2cc滴下して5分後に布で拭き取
り塗膜の状態を観察した。塗膜に滴下跡のないものを○
と判定した。
【0048】耐候性は、JIS K5400に準拠し、
ウェザーメーターで3,000時間照射試験を実施し、
塗膜の状態を観察した。艶あり塗膜で光沢を維持し、色
に変化がなく、塗膜表面がチョーキングしていないもの
を良好、光沢面に変化が生じたものを不良、艶なし塗膜
で、光沢色差に変化のないものを変化なしと判定した。
汚染回復性(耐汚染性)は、塗膜上にカーボンブラック
/灯油(重量比)=1/2で混合したペーストを塗り付
け、室温で24時間放置したのち、スポンジを用いて水
洗し、塗膜の汚染回復状態を観察した。汚染がない場合
を○、少し汚染されている場合を△、汚染が著しい場合
を×と判定した。
【0049】リフティングは、5〜40℃の雰囲気中
で、アプリケーターにて2回重ね塗り塗装を行い、塗膜
の膨れ、縮みを目視により確認した。乾燥性は、指触に
よるタック試験後、塗膜表面を観察し、指紋跡がつか
ず、ベト付かないものをOK、指紋跡が付き、ベト付く
ものをNGと判定した。
【0050】参考例1〔シリル基含有ビニル系樹脂の調
製〜〕 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、i−プロパノ
ール90部を80℃に加温し、これにメチルメタクリレ
ート70部、2−エチルヘキシルメタクリレート15
部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1
5部を滴下し、よく混合した。この混合物に、アゾビス
イソバレロニトリル4部をi−プロパノール10部に溶
解したものを30分間かけて滴下し、さらに80℃で5
時間反応させて、固形分濃度50%のシリル基含有ビニ
ル系樹脂溶液(イ)を得た。このときの溶剤のSP値
は、12.0であった。
【0051】同様に、i−プロパノール50部を80
℃に加温し、メチルメタクリレート70部、2−エチル
ヘキシルメタクリレート15部、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン15部、メチルエチルケトン
40部を滴下し、よく混合したのち、この混合物にアゾ
ビスイソバレロニトリル4部をi−プロパノール5部に
溶解したものを30分間かけて滴下し、さらに80℃で
5時間反応させて固形分濃度50%のシリル基含有ビニ
ル系樹脂溶液(ロ)を得た。このときの溶剤のSP値
は、11.1であった。
【0052】同様に、酢酸ブチル60部、i−プロパ
ノール30部を80℃に加温し、メチルメタクリレート
58部、n−ブチルアクリレート30部、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン12部を滴下し、よ
く混合した。この混合物に、アゾビスイソバレロニトリ
ル4部を酢酸ブチル10部に溶解したものを30分間か
けて滴下し、さらに80℃で5時間反応させて、固形分
濃度50%のシリル基含有ビニル系樹脂溶液(ハ)を得
た。このときの溶剤のSP値は、10.0であった。
【0053】同様に、キシレン65部、酢酸ブチル2
5部を80℃に加温し、メチルメタクリレート70部、
2−エチルヘキシルメタクリレート15部、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン15部を滴下し、
よく混合したのち、この混合物にアゾビスイソバレロニ
トリル4部をキシレン10部に溶解したものを、30分
間かけて滴下し、さらに80℃で5時間反応させて固形
分濃度50%のシリル基含有ビニル系樹脂(ニ)を得
た。このときの溶剤のSP値は、8.7であった。
【0054】実施例1〜7、比較例1〜5 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン80部、ジメチルジメトキシシラン20部、
(b)ポリアクリルシリコン〔固形分濃度50%、参考
例1の(イ)〕を40部、(c)エチルアセトアセテー
トアルミニウムジイソプロピレート8部、(f)i−プ
ロパノール5部を加え混合したのち、(e)イオン交換
水20部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温
まで冷却し、(d)アセチルアセトン30部を添加し、
コーティング用組成物Aを得た。同様の反応器を用い、
表1〜2に示す組成物B〜Lを得た。結果を表1〜2に
示す。
【0055】また、上記組成物A〜Jに、充填材、添加
剤、顔料を、表3〜4の割合で添加し、ガラスビーズを
加えて、サンドミルを用いて練合し、組成物a〜jを得
た。スレート板(JIS A5043F)に、汎用エポ
キシ樹脂、次いで汎用アクリル樹脂を乾燥重量で各々5
0g/m2 塗布し乾燥した基材に、上記組成物a〜jに
硬化剤としてジブチルスズジラウレートを15%含むi
−プロパノール溶液を10%添加、よく混合した塗料
を、乾燥重量で50g/m2 塗布し、室温で7日間放置
し、試験片を作製した。これらの試験片を用いて、各種
の試験を行った結果を表3〜4に示す。なお、上記組成
物KおよびLは、ゲル化してしまったので、塗料を作製
することができなかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】*)表3中、酸化チタンは、酸化チタン
(白)である。
【0061】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、硬化
性、乾燥性に優れ、重ね塗りによるリフティングを起こ
すことなく塗装できるため、汎用性が高く、かつ高光沢
で鮮映感のある仕上がりのよい塗膜であり、かつ保存安
定性に優れ、透明で、耐有機薬品性、耐候性、耐汚染性
などの物性に優れ、しかも硬度の高い塗膜を形成させる
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式R1 n Si(OR24-n
    (式中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素数1
    〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示
    し、nは0〜2である)で表されるオルガノシランの加
    水分解物および/またはその部分縮合物をオルガノシラ
    ン換算で100重量部、(b)SP値が11〜15であ
    る、単独または混合溶剤を用いて重合された、加水分解
    性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有す
    るシリル基を末端あるいは側鎖に重合体1分子中に少な
    くとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂溶液を固形
    分換算で4〜500重量部、(c)一般式M(OR3
    p (R4 COCH2 COR5 q (式中、Mは金属原
    子、R3 およびR4 は同一または異なり、炭素数1〜6
    のアルキル基、R5 は炭素数1〜6のアルキル基または
    炭素数1〜16のアルコキシ基を示し、p,qは0〜4
    の整数である)で表される有機金属化合物を0.01〜
    100重量部、ならびに(d)一般式R4 COCH2
    OR5 (式中、R4 〜R5 は上記に同じ)で表されるβ
    −ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を、
    (c)有機金属化合物1モルに対し2モル以上、含有し
    てなるコーティング用組成物。
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