JPH09104816A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

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JPH09104816A
JPH09104816A JP28440495A JP28440495A JPH09104816A JP H09104816 A JPH09104816 A JP H09104816A JP 28440495 A JP28440495 A JP 28440495A JP 28440495 A JP28440495 A JP 28440495A JP H09104816 A JPH09104816 A JP H09104816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる分岐型PASにおいて、引張強度等
の機械的強度を低下させることなく、結晶化温度及び白
色度を高めたPAS樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ESRにより測定したラジカル発
生量が2.5×1016spin/g以下であり、かつ非
ニュートン指数Nが1.35以上であるポリアリーレン
スルフィド100重量部、及び(B)ゼオライト0.1
〜15重量部を含む樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子機器部品、自動車機器
部品、あるいは化学機器部品用等の材料として、高い耐
熱性を有し、かつ耐化学薬品性を有する熱可塑性樹脂が
要求されてきている。ポリフェニレンスルフィド(以下
ではPPSと略すことがある)に代表されるポリアリー
レンスルフィド(以下ではPASと略すことがある)が
この要求に応える樹脂の一つとして、近年注目されてき
ている。
【0003】しかし、PASは他のエンジニアリングプ
ラスチックと比べて結晶化速度が遅い。そのため、射出
成形に際して、120℃以上の高い金型温度で比較的長
い成形サイクルで成形する必要があった。
【0004】かかる問題を解決すべく、種々の試みがな
されている。例えば、特開昭61‐204267号公報
には、PASに高沸点若しくは高融点を有する有機酸若
しくは有機酸無水物を添加し、PASの融点以上の温度
に加熱する樹脂組成物の製造法、特開昭63‐2454
63号公報には、PASに平均粒径0.05〜2μのカ
オリンを配合し、半結晶化時間を低減させた組成物、及
び特開昭64‐54066号公報には、PASに有機リ
ン酸アルカリ金属塩化合物を配合した樹脂組成物が開示
されている。しかし、これらはいわゆる分岐型PASに
対しては、成形サイクルの改善効果が低い。なお、上記
特開昭64‐54066号公報には、任意的な充填剤の
長大なリスト中にゼオライトが例示されているが、ゼオ
ライトと分岐型PASとの組合わせの記載はない(これ
は、上記有機リン酸塩が分岐型PASに対して効果が低
いので、当然のことである)。
【0005】特開平3‐146556号公報には、硬化
前に事実上線状であるPASを硬化したPAS、ガラス
繊維、結晶性ゼオライト及びオルガノシロキサンを夫々
所定量含む成形材料が開示されている。しかし、該成形
材料は、熱酸化処理により硬化した架橋PASの成形サ
イクル時間を短縮するためのものであり、本発明で使用
するようないわゆる分岐型PAS(熱酸化処理を施して
いない)に向けられるものではない。このような架橋P
ASは、成形時に著しく増粘し流動性の制御が困難であ
り成形性が悪いという欠点がある。また、結晶化温度の
向上の効果も低く成形サイクル時間の短縮は不十分であ
った。特公平6‐57137号公報には、PAS及びゼ
オライトから成る樹脂組成物が開示されている。その発
明は、ゼオライトの組成を特徴とするものである。該明
細書中に、任意的なモノマーの一つとして特殊な分岐構
造のモノマーが記載されてはいるが、そのようなPAS
を用いた具体的な開示及び効果の記載はない。
【0006】特公平6‐11864号公報には、PPS
を主成分とし、これにゼオライトが添加されてなる樹脂
組成物が開示されている。該樹脂組成物は、金属部の腐
食を低減することを目的としている。任意的共重合成分
として分岐構造であってもよい旨の一文はあるが、分岐
型PASを用いた具体例及びその効果について記載がな
い。
【0007】また、PASは通常淡黄色である場合が多
く、白度の高いPASを得ても溶融成形時に着色が起り
やすい。従って、白度の高いPAS成形品を得るために
は、特別の手段が必要である。例えば、特開昭62‐9
7821号公報には、ポリハロ芳香族化合物等のハロ置
換有機化合物を重合後期に重合系に添加して、ポリマー
鎖末端を安定化する方法が開示されている。しかし、溶
融粘度が小さくなりがちであるという欠点が判明してい
る。特開昭60‐8359号公報には、白色顔料をPP
S樹脂に混入して白色化し、かつ白色顔料添加に起因す
る機械的強度の低下をエポキシ樹脂の添加により補償す
ることが提案されている。しかし、これはコスト高を招
く。白色顔料として酸化チタンと硫化亜鉛が記載されて
いる。また、特開平3‐229760号公報には、PA
Sと無機充填剤より成る組成物において、無機充填剤に
起因する変色を防止するために、これの表面に予め有機
系安定剤を付着させる方法、及び該方法により得られた
組成物が開示され、また特開平3‐28267号及び同
3‐28268号公報には、PASに有機リン化合物を
添加した組成物が開示されている。しかし、溶融成形中
に溶融粘度が小さくなると共に、分解ガスが発生すると
いう欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、いわゆる分
岐型PASにおいて、引張強度等の機械的強度を低下さ
せることなく、結晶化温度及び白色度を高めたPAS樹
脂組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、線状のP
ASに比して結晶性が悪く、従来、結晶化速度の向上が
困難とされていたいわゆる分岐型PASの結晶化速度の
向上を図るべく種々検討した。その結果、ゼオライト
は、線状PASの結晶化速度の向上にその効果が小さい
にもかかわらず、予期されざることに、所定のラジカル
発生量及び非ニュートン指数Nを持つ分岐型PASに対
しては結晶化温度を高めて結晶化速度を著しく速めるこ
とができることを見出した。同時に、該樹脂組成物から
製造した成形品の白色度をも高めることができ、更に
は、引張強度等の機械的強度の低下が少ないことをも見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、 (1)(A)ESRにより測定したラジカル発生量が
2.5×1016spin/g以下であり、かつ非ニュー
トン指数Nが1.35以上であるポリアリーレンスルフ
ィド 100重量部、及び(B)ゼオライト 0.1〜
15重量部を含む樹脂組成物である。
【0011】好ましい態様として、 (2)(A)ポリアリーレンスルフィドにおいて、非ニ
ュートン指数Nが1.45〜2.00である上記(1)
記載の樹脂組成物、 (3)(A)ポリアリーレンスルフィドにおいて、溶融
粘度V6 が500〜4800ポイズである上記(1)又
は(2)記載の樹脂組成物、 (4)(A)ポリアリーレンスルフィドが、有機アミド
系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物と
ポリハロ芳香族化合物を反応させ、ここでアルカリ金属
硫化物とジハロ芳香族化合物とのモル比を0.940〜
1.000とし、ポリハロ芳香族化合物とアルカリ金属
硫化物とのモル比を0.0035〜0.010として反
応系に仕込み、かつ反応中に反応缶の気相部分を冷却す
ることにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを
液相に還流せしめて製造したものである上記(1)〜
(3)のいずれか一つに記載の樹脂組成物、 (5)(A)ポリアリーレンスルフィドが、極性溶媒中
で(a)アルカリ金属硫化物と(b)ジハロ芳香族化合
物と(c)官能基を3個以上有する芳香族化合物を反応
させ、ここで(a)/(b)のモル比が0.970〜
1.020であり、(c)/(a)のモル比が0.00
2〜0.015であるように上記(a)、(b)及び
(c)を反応系に仕込み、かつ反応系内の(b)の反応
率が50〜95%の時点で、仕込み(a)アルカリ金属
硫化物に対してモル比で0.001〜0.02の(d)
分子量調節剤を反応系に添加することにより製造したも
のである上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の樹
脂組成物を挙げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物において使用
する成分(A)PASは、アリーレンスルフィド繰り返
し単位を有する公知のポリマーであり、特に好ましくは
PPSである。本発明においては、成分(A)PAS
は、非ニュートン指数Nが1.35以上であることが必
要であり、好ましくは1.45以上、特に好ましくは
1.50以上である。上記値未満では、ゼオライト添加
による結晶化温度の向上効果が小さく、成形サイクルの
短縮化を図ることができない。なお上限値は特に限定さ
れないが、好ましくは2.00以下である。ここで、上
記非ニュートン指数Nは、キャピログラフを用いて30
0℃、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力
を測定し、下記式(I)を用いて算出した値である。N
値が1に近いほどPASは線状に近い構造であり、N値
が高いほど分岐が進んだ構造であることを示す。
【0013】
【数1】SR=K・SSN (I) [ここで、SRは剪断速度(秒-1)、SSは剪断応力
(ダイン/cm2 )、そしてKは定数を示す。] 成分(A)PASは、ESRにより測定したラジカル発
生量の上限が2.5×1016spin/g、好ましくは
2.0×1016spin/g、特に好ましくは1.5×
1016spin/gである。上記上限を超えると、成形
時に著しく増粘し流動性の制御が困難となり成形性が悪
くなると共に、PAS樹脂組成物の結晶化温度の向上効
果が小さくなり成形サイクルの短縮も十分ではない。下
限値は特に限定されないが、好ましくは0.1×1016
spin/gである。ここで、上記ラジカル発生量は、
n 2+を標準物質として、30℃から300℃まで5℃
/分で昇温し、次いで300℃で30分間保持した後に
得られるESRスペクトルから求めた値(spin/
g)である。
【0014】上記のようなラジカル発生量を有する本発
明のPASは、いわゆる分岐型のPASである。下記に
示すような方法で製造されるPASが好ましく、例え
ば、アリーレンスルフィド繰り返し単位中に下記式(I
I)で示されるような分岐構造を好ましく0.2モル%
以上含むものである。
【0015】
【化1】 酸素含有雰囲気下でPASを熱酸化処理して得られる酸
化架橋PASは、ESRにより測定したラジカル発生量
が本発明の範囲を超えるものであり、本発明のPASと
は異なる。
【0016】本発明においては、成分(A)PASの溶
融粘度V6 は、その上限が好ましくは4800ポイズ、
特に好ましくは4000ポイズであり、下限が好ましく
は500ポイズ、特に好ましくは800ポイズである。
溶融粘度V6 が上記下限未満では樹脂組成物の引張強度
等の機械的強度が低下する。上記上限を超えては流動性
が低下し成形加工性が悪化するため好ましくない。ここ
で、溶融粘度V6 は、フローテスターを用いて300
℃、荷重20kgf/cm2 、L/D=10で6分間保
持した後に測定した粘度(ポイズ)である。
【0017】上記の(A)PASは、好ましくは下記の
方法により製造することができる。即ち、有機アミド系
溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを
反応させてPASを製造する方法において、アルカリ金
属硫化物とジハロ芳香族化合物とのモル比を0.940
〜1.000とし、更に仕込アルカリ金属硫化物に対し
て0.35〜1.0モル%のポリハロ芳香族化合物を重
合反応系内に添加し、かつ反応中に反応缶の気相部分を
冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、
これを液相に還流せしめる方法である。
【0018】上記製造方法において、アルカリ金属硫化
物とジハロ芳香族化合物とのモル比は、上限が1.00
0、好ましくは0.980であり、下限が0.940、
好ましくは0.950である。上記下限未満では、PA
Sの溶融粘度V6 が低くなり成形性が悪化する。上記上
限を超えては、成形時の加工性が劣るため好ましくな
い。
【0019】また、上記製造方法において、重合反応系
内に添加するポリハロ芳香族化合物は、仕込アルカリ金
属硫化物に対して、上限が1.00モル%、好ましくは
0.80モル%であり、下限が0.35モル%、好まし
くは0.40モル%である。上記下限未満では、生成し
たPASにおいて、上記非ニュートン指数Nが小さく、
上記上限を超えては、成形時の加工性が劣るため好まし
くない。
【0020】ポリハロ芳香族化合物の重合反応系内への
添加方法は、特に限定されるものではない。例えばアル
カリ金属硫化物及びジハロ芳香族化合物と同時に添加し
てもよいし、あるいは反応途中の任意の時点で、ポリハ
ロ芳香族化合物を有機溶媒例えばN‐メチルピロリドン
に溶解させて、高圧ポンプで反応缶内に圧入してもよ
い。
【0021】上記の反応缶の気相部分を冷却することに
より反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還
流せしめてPASを製造する方法としては、特開平5‐
222196号公報に記載の方法を使用することができ
る。
【0022】還流される液体は、水とアミド系溶媒の蒸
気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。
この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率
の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫
化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例
えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有さ
れるようになる。従来法においては230℃以上の高温
下で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物
とが均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが
得られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解
重合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。し
かし、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却し
て、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやるこ
とによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害
するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PA
Sを得ることができるものと思われる。但し、本発明は
上記現象による効果のみにより限定されるものではな
く、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響
によって、高分子量のPASが得られるのである。
【0023】この方法においては、反応の途中で水を添
加することを要しない。しかし、水を添加することを全
く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行
えば、この方法の利点のいくつかは失われる。従って、
好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定
である。
【0024】反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも
内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行
える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイル
に冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外
部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶
上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方
法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒
素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に
缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いず
れの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら
(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保
温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可
能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/
アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入
る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、
そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、
冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応
缶壁を伝わって液相中に入る。
【0025】一方、液相バルクの温度は、所定の一定温
度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従って
コントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275
℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。よ
り好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間であ
る。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の
反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2
段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で
行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さす
ぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速す
ぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみなら
ず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、
重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40
モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で
行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジ
ハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分
子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%
を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じ
やすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量P
ASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反
応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うこと
が好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPAS
を得ることができず、また 270℃より高い温度では解重
合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を
得難くなる。
【0026】実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲
気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分
量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添
加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1
モル当り0.5 〜2.5 モル、特に0.8 〜1.2 モルとする。
2.5 モルを超えては、反応速度が小さくなり、しかも反
応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大
し、重合度も上がらない。0.5 モル未満では、反応速度
が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができない。
【0027】反応時の気相部分の冷却は、一定温度での
1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望まし
いが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなけれ
ばならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却
を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了
後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合
いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力
の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水
分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモ
ル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却
しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液
量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下し
ていることを意味しており、その相対的な低下の度合い
が水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合
いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内
圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行う
のが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運
転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0028】ここで使用する有機アミド系溶媒は、PA
S重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロ
リドン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメ
チルアセトアミド、N‐メチルカプロラクタム等、及び
これらの混合物を使用でき、N‐メチルピロリドンが好
ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。ア
ルカリ金属硫化物も公知であり、たとえば、硫化リチウ
ム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、
硫化セシウム及びこれらの混合物である。これらの水和
物及び水溶液であっても良い。又、これらにそれぞれ対
応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸
化物で中和して用いることができる。安価な硫化ナトリ
ウムが好ましい。
【0029】ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭4
5‐3368号公報記載のものから選ぶことができる
が、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量
(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニル
スルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ
物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例
えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、
p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジ
クロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェ
ニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホ
ン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´
‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビ
フェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐
ジクロロビフェニルである。
【0030】ポリハロ芳香族化合物は、1分子に3個以
上のハロゲン置換基を有する化合物であり、例えば1,
2,3‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐トリクロロ
ベンゼン、1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,3‐
ジクロロ‐5‐ブロモベンゼン、2,4,6‐トリクロ
ロトルエン、1,2,3,5‐テトラブロモベンゼン、
ヘキサクロロベンゼン、1,3,5‐トリクロロ‐2,
4,6‐トリメチルベンゼン、2,2´,4,4´‐テ
トラクロロビフェニル、2,2´,6,6´‐テトラブ
ロモ‐3,3´,5,5´‐テトラメチルビフェニル、
1,4,6‐トリクロロナフタレン、1,2,3,4‐
テトラクロロナフタレン、1,2,4‐トリブロモ‐6
‐メチルナフタレン等及びそれらの混合物が挙げられ、
1,2,4‐トリクロロベンゼン、1,3,5‐トリク
ロロベンゼンが好ましい。
【0031】また、他の少量添加物として、末端停止
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
【0032】また、本発明の(A)PASは、好ましく
は下記の方法によっても製造することができる。
【0033】即ち、極性溶媒中で(a)アルカリ金属硫
化物と(b)ジハロ芳香族化合物と(c)官能基を3個
以上有する芳香族化合物を反応させてポリアリーレンス
ルフィドを製造する方法において、(a)/(b)のモ
ル比が0.970〜1.020であり、(c)/(a)
のモル比が0.002〜0.015であるように上記
(a)、(b)及び(c)を反応系に仕込み、かつ反応
系内の(b)の反応率が50〜95%の時点で、仕込み
(a)アルカリ金属硫化物に対してモル比で0.001
〜0.02の(d)分子量調節剤を反応系に添加するこ
とを特徴とする方法である。
【0034】上記のPAS製造法において、(a)アル
カリ金属硫化物/(b)ジハロ芳香族化合物のモル比
は、下限が0.970、好ましくは0.980であり、
上限が1.020、好ましくは1.000である。上記
下限未満では、PASの非ニュートン指数Nが低く、ま
た、PASの溶融粘度V6 が著しく低くなり成形性が悪
化する。上記上限を超えては、PASが解重合を起こす
ので好ましくない。(c)官能基を3個以上有する芳香
族化合物/(a)アルカリ金属硫化物のモル比は、下限
が0.002、好ましくは0.003であり、上限が
0.015、好ましくは0.01である。上記下限未満
では、PASの非ニュートン指数Nが低く、また、PA
Sの溶融粘度V6 が著しく低くなり成形性が悪化する。
上記上限を超えては、PASの分岐、架橋が進行し過ぎ
て成形時においてPASのゲル化が生じ成形性が悪化す
るため好ましくない。
【0035】該方法において、(d)分子量調節剤は、
反応系内の(b)ジハロ芳香族化合物の反応率の上限が
95%、好ましくは90%、下限が50%、好ましくは
70%、特に好ましくは80%の時点で添加される。添
加時の(b)ジハロ芳香族化合物の反応率が上記下限未
満では、分岐構造の導入が不十分であり、非ニュートン
指数Nが低くなる。上記上限を超えると、極度に溶融粘
度V6 が高くなりゲル化して成形不能となる。重合反応
系に添加する(d)分子量調節剤は、(a)アルカリ金
属硫化物に対してモル比で、下限が0.001、好まし
くは0.002、特に好ましくは0.004であり、上
限が0.02、好ましくは0.01、特に好ましくは
0.008である。上記範囲外では、非ニュートン指数
Nが低くなると共に、成形性も悪化する。(d)の添加
は、上記の反応率の範囲内であれば、1回で全量をまと
めて添加してもよいし、あるいは数回に分けて添加して
もよい。該添加は、(d)をそのまま、あるいは使用す
る極性溶媒(例えば、N‐メチル‐2‐ピロリドン)に
溶解して、加圧注入機を用いて反応缶内に圧入すること
により行うことができる。
【0036】本発明の(d)分子量調節剤としては、以
下に掲げるものを使用することができる。例えば、モノ
又はジハロ芳香族化合物例えばモノクロロベンゼン、モ
ノブロモベンゼン、m‐ジクロロベンゼン等;メルカプ
ト基を1又は2個有する芳香族化合物例えばチオフェノ
ール、1,4‐ジチオフェノール、モノクロロチオフェ
ノール等;ジスルフィド化合物例えばジフェニルジスル
フィド、p,p´‐ジトリルジスルフィド、ジベンジル
ジスルフィド、ジベンゾイルジスルフィド、ジチオベン
ゾイルジスルフィド等;電子吸引基(例えばカルボキシ
ル基、ニトロ基、スルホニル基、カルボニル基等)を有
するハロ置換芳香族化合物例えばニトロクロロベンゼ
ン、ジクロロジフェニルスルホン、4,4´‐ジクロロ
ベンゾフェノン等が挙げられる。好ましくは、(d)分
子量調節剤として、チオフェノール、ジフェニルジスル
フィド又はm‐ジクロロベンゼンから成る群から選ばれ
た少なくとも一つのものを使用し得る。
【0037】(a)アルカリ金属硫化物及び(b)ジハ
ロ芳香族化合物はいずれも上記記載のものを使用するこ
とができる。
【0038】(c)官能基を3個以上有する芳香族化合
物は、例えば特公平6‐45693号公報に記載されて
いるものを使用することができる。(c)官能基を3個
以上有する芳香族化合物とは、芳香族環に結合した反応
性官能基を3個以上、好ましくは3〜4個、特に好まし
くは3個有する芳香族化合物である。該反応性官能基と
しては、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト
基、カルボキシル基、スルホニル基、スルフィノ基、ス
ルファモイル基、ヒドラジノ基及びカルバモイル基等の
活性水素含有基、ハロゲン原子、並びにニトロ基等を挙
げることができる。上記反応性官能基中、アミノ基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基が好ましい。ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の各原子が挙げら
れ、塩素原子が好ましい。芳香族環に結合する上記反応
性官能基は夫々同一であっても異なっていてもよい。ま
た、上記(c)の芳香族化合物としては、ベンゼン類、
ビフェニル類、ジフェニルエーテル類、ジフェニルスル
フィド類、ナフタレン類等を挙げることができ、ベンゼ
ン類が好ましい。
【0039】(c)官能基を3個以上有する芳香族化合
物としては、好ましくは活性水素含有ハロゲン芳香族化
合物、ポリハロ芳香族化合物及びハロゲン芳香族ニトロ
化合物等を使用することができる。
【0040】活性水素含有ハロゲン芳香族化合物として
は、例えば、2,6‐ジクロロアニリン、2,5‐ジク
ロロアニリン、2,4‐ジクロロアニリン、2,3‐ジ
クロロアニリン等のジハロアニリン類;2,3,4‐ト
リクロロアニリン、2,4,6‐トリクロロアニリン、
3,4,5‐トリクロロアニリン等のトリハロアニリン
類;2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニ
ルエーテル、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロ
ジフェニルエーテル等のジハロアミノジフェニルエーテ
ル類等のアミノ基含有ハロゲン芳香族化合物、及びこれ
ら化合物中のアミノ基がメルカプト基やヒドロキシル基
に置き換えられた化合物等が挙げられる。また、これら
の活性水素含有ハロゲン芳香族化合物中の芳香族環を形
成する炭素原子に結合した水素原子が、他の不活性基例
えばアルキル基等の炭化水素基に置換しているアミノ基
含有ハロゲン芳香族化合物も使用することができる。上
記の活性水素含有ハロゲン芳香族化合物中、活性水素含
有ジハロ芳香族化合物を好適に使用することができ、な
かでもアミノ基含有ジハロ芳香族化合物が好ましく、特
に好ましいのはジクロロアニリンである。
【0041】ポリハロ芳香族化合物としては、上記に記
載したと同じものを使用し得る。
【0042】ハロゲン芳香族ニトロ化合物としては、例
えば2,4‐ジニトロクロロベンゼン、2,5‐ジクロ
ロニトロベンゼン等のモノ又はジハロニトロベンゼン
類;2‐ニトロ‐4,4´‐ジクロロジフェニルエーテ
ル等のジハロニトロジフェニルエーテル類;3,3´‐
ジニトロ‐4,4´‐ジクロロジフェニルスルホン等の
ジハロニトロジフェニルスルホン類;2,5‐ジクロロ
‐3‐ニトロピリジン、2‐クロロ‐3,5‐ジニトロ
ピリジン等のモノ又はジハロニトロピリジン類、あるい
は各種ジハロニトロナフタレン類等が挙げられる。
【0043】本発明の方法において、上記(c)官能基
を3個以上有する芳香族化合物は、一種単独で使用して
もよく、また二種以上を併用してもよい。
【0044】本発明の方法で使用する極性溶媒は、PA
S重合のために知られており、例えば特公平6‐456
93号公報に記載されているもの、例えば有機アミド化
合物、ラクタム化合物、尿素化合物、環式有機リン化合
物等を使用することができる。該極性溶媒としては、例
えば、上記に掲げた有機アミド系溶媒、N,N‐ジエチ
ルアセトアミド、N,N‐ジプロピルアセトアミド、
N,N‐ジメチル安息香酸アミド、カプロラクタム、N
‐エチルカプロラクタム、N‐イソプロピルカプロラク
タム、N‐イソブチルカプロラクタム、N‐ノルマルプ
ロピルカプロラクタム、N‐ノルマルブチルカプロラク
タム、N‐シクロヘキシルカプロラクタム、N‐エチル
‐2‐ピロリドン、N‐イソプロピル‐2‐ピロリド
ン、N‐イソブチル‐2‐ピロリドン、N‐ノルマルプ
ロピル‐2‐ピロリドン、N‐ノルマルブチル‐2‐ピ
ロリドン、N‐シクロヘキシル‐2‐ピロリドン、N‐
メチル‐3‐メチル‐2‐ピロリドン、N‐エチル‐3
‐メチル‐2‐ピロリドン、N‐メチル‐3,4,5‐
トリメチル‐2‐ピロリドン、N‐メチル‐2‐ピペリ
ドン、N‐イソプロピル‐2‐ピペリドン、N‐エチル
‐2‐ピペリドン、N‐メチル‐6‐メチル‐2‐ピペ
リドン、N‐メチル‐3‐エチル‐2‐ピペリドン、テ
トラメチル尿素、N,N´‐ジメチルエチレン尿素、
N,N´‐ジメチルプロピレン尿素、1‐メチル‐1‐
オキソスルホラン、1‐エチル‐1‐オキソスルホラ
ン、1‐フェニル‐1‐オキソスルホラン、1‐メチル
‐1‐オキソホスホラン、1‐ノルマルプロピル‐1‐
オキソホスホラン及び1‐フェニル‐1‐オキソホスホ
ラン等が挙げられる。これらの溶媒は、夫々単独でもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。上記極性溶媒
中、非プロトン性の有機アミド若しくはラクタム類が好
ましく、そのなかでもN‐アルキルラクタム及びN‐ア
ルキルピロリドンが好ましく、N‐メチルピロリドンが
特に好ましい。
【0045】極性溶媒中で(a)アルカリ金属硫化物と
(b)ジハロ芳香族化合物と(c)官能基を3個以上有
する芳香族化合物を反応させてPASを製造する方法に
おいて、好ましくは上記と同じく、反応中、反応缶の気
相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝
縮させ、これを液相に還流せしめる方法(特開平5‐2
22196号公報)を用いることができる。
【0046】いずれの方法においても得られたPAS
は、当業者にとって公知の後処理法によって副生物から
分離することができる。
【0047】(B)ゼオライトは、結晶性のアルミノケ
イ酸塩であり、下記の一般式で示される公知の物質であ
る。 (MI 2 ,MII)O・Al2 3 ・ nSiO2 ・ mH2
O ここで、MI は1価の金属、例えばLi、Na、K等の
アルカリ金属、あるいはアンモニウム、アルキルアンモ
ニウム、ピリジニウム、アニリニウム、水素イオン等を
示し、MIIは2価の金属、例えばCa、Mg、Ba、S
r等のアルカリ土類金属を示す。MI とMIIは、一方若
しくは両方存在してよい。好ましくはMIIがCaであ
り、MI が実質上存在しない。
【0048】本発明で使用する(B)ゼオライトとして
は天然または合成品の何れのゼオライトも使用可能であ
る。天然ゼオライトとしては、例えば、ホウふっ石、ワ
イラカイト、ソーダふっ石、メソふっ石、トムソンふっ
石、ゴナルドふっ石、スコレふっ石、エジングトふっ
石、ギスモンふっ石、ダクふっ石、モルデンふっ石、ニ
ガワラふっ石、エリオナイト、アシュクロフティン、キ
ふっ石、クリノプチロライト、タバふっ石、ハクふっ
石、ダキアルドふっ石、カイジュウジふっ石、ジュウジ
ふっ石、グメリンふっ石、リョウふっ石、フォージャサ
イト等を挙げることができる。合成ゼオライトとして
は、例えば、A型、X型、Y型、L型、モルデナイト、
チャバサイト等を挙げることができる。上記ゼオライト
中、好ましくは合成ゼオライトが用いられる。合成ゼオ
ライトとしては、市販のものを使用することができ、例
えば、CS‐100、CS‐100S(いずれも商標、
株式会社耕正製)、AMT‐25(商標、水澤化学工業
株式会社製)、ミズカライザーES(商標、水澤化学工
業株式会社製)等が挙げられる。
【0049】(B)ゼオライトの形状は粉末粒子状が好
ましく、平均粒径の上限が好ましくは3μm、特に好ま
しくは2μmである。上記上限を超えると樹脂組成物の
流動性の低下や成形品の引張強度の低下等をもたらすた
め好ましくない。ここで、平均粒径はコールターカウン
ター法により求めた値である(D50)。
【0050】本発明において成分(A)PASと成分
(B)ゼオライトの配合比は、(A)100重量部に対
して、(B)の上限が15重量部、好ましくは10重量
部、特に好ましくは5重量部であり、下限が0.1重量
部、好ましくは0.5重量部、特に好ましくは1重量部
である。上記上限を超えると、加工性の低下及び引張強
度等の機械的強度の低下が生じ、また結晶化温度及び成
形品の白色度の更なる顕著な向上は認められない。上記
下限未満では、結晶化温度及び成形品の白色度を高める
ことができない。
【0051】本発明の樹脂組成物には更に、任意成分と
して無機充填剤を配合することができる。無機充填剤と
しては特に限定されないが、例えば粉末状/リン片状の
充填剤、繊維状充填剤などが使用できる。粉末状/リン
片状の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、タル
ク、マイカ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸
マグネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイ
ト、酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、カーボンブラッ
ク等が挙げられる。また、繊維状充填剤としては、例え
ばガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊
維、シリカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊維、ポリア
ラミド繊維等が挙げられる。また、この他にZnOテト
ラポット、金属塩(例えば塩化亜鉛、硫酸鉛など)、酸
化物(例えば酸化鉄、二酸化モリブデンなど)、金属
(例えばアルミニウム、ステンレスなど)等の充填剤を
使用することもできる。これらを1種単独でまたは2種
以上組合せて使用できる。また、無機充填剤は、その表
面が、シランカップリング剤やチタネートカップリング
剤で処理してあってもよい。無機充填剤は、(A)10
0重量部に対して400重量部以下の量で、好ましくは
300重量部以下の量で使用される。無機充填剤の量が
上記値を超えると粘度変化が大きくなって成形不能とな
ることがある。また機械的強度を高めるためには、0.
01重量部以上配合するのが好ましい。
【0052】本発明の樹脂組成物には、上記の成分の他
に、必要に応じて公知の添加剤及び充填剤、例えば酸化
防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、熱安定剤、滑剤、着色
剤等を配合することができる。
【0053】本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定
されない。例えば、上記の各成分を予めヘンシェルミキ
サー等の混合機で混合後、押出機等の慣用の装置にて溶
融混練し、押出し、ペレット化することができる。
【0054】本発明の樹脂組成物は、例えば射出成形し
て所望の形状に成形され、特に外観の美しさが要求され
る成形品、例えば電子部品、家電部品、あるいはカメ
ラ、時計等の精密機器部品等に使用され得る。
【0055】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0056】
【実施例】実施例において、PPSの溶融粘度V6 測定
の際に用いたフローテスターは、島津製作所製フローテ
スターCFT‐500Cである。
【0057】非ニュートン指数Nの測定に用いたキャピ
ログラフは、東洋精機製作所製キャピログラフ1B P
‐Cである。
【0058】ラジカル発生量の測定に用いたESRは、
日本電子製JES‐FE2XGである。
【0059】合成例1 150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソー
ダ(60.3重量%Na2 S)19.413kgとN‐
メチル‐2‐ピロリドン(以下ではNMPと略すことが
ある)45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しなが
ら液温204℃まで昇温して、水4.872kgを留出
させた。その後、オートクレーブを密閉して180℃ま
で冷却し、p‐ジクロロベンゼン(以下ではp‐DCB
と略すことがある)22.850kg、1,2,4‐ト
リクロロベンゼン(以下では1,2,4‐TCBと略す
ことがある)122.48g(仕込硫化ソーダに対し
て、約0.55モル%)及びNMP18.0kgを仕込
んだ。液温150℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2
Gまで加圧して昇温を開始した。液温220℃で3時間
攪拌しつつ、オートクレーブ上部の外側に取り付けた散
水装置により散水し、オートクレーブ上部を冷却した。
その後、昇温して液温を255℃とし、次いで該温度で
3時間攪拌し反応を進めた。次に、降温させると共にオ
ートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部
を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。
【0060】得られたスラリーに対し常法により濾過、
温水洗を繰り返し、120℃で5時間熱風循環乾燥機中
で乾燥し、白色粉末状のPPSを得た。得られたPPS
(P‐01)の溶融粘度V6 は1850ポイズであり、
非ニュートン指数Nは1.49であり、ラジカル発生量
は1.7×1016spin/gであった。
【0061】合成例2(比較成分) 150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソー
ダ(60.3重量%Na2 S)19.413kgとNM
P45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら液
温204℃まで昇温して、水5.072kgを留出させ
た。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷
却し、p‐DCB22.273kg、1,2,4‐TC
B54.44g(仕込硫化ソーダに対して、約0.20
モル%)及びNMP18.0kgを仕込んだ。液温15
0℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gまで加圧して
昇温を開始した。液温215℃で5時間攪拌しつつ、オ
ートクレーブ上部の外側に取り付けた散水装置により散
水し、オートクレーブ上部を冷却した。その後、昇温し
て液温を260℃とし、次いで該温度で2時間攪拌し反
応を進めた。次に、降温させると共にオートクレーブ上
部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温
が下がらないように一定に保持した。
【0062】得られたスラリーに対し常法により濾過、
温水洗を繰り返し、120℃で5時間熱風循環乾燥機中
で乾燥し、白色粉末状のPPSを得た。得られたPPS
(P‐C1)の溶融粘度V6 は2030ポイズであり、
非ニュートン指数Nは1.25であり、ラジカル発生量
は1.4×1016spin/gであった。
【0063】合成例3(比較成分) 150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソー
ダ(60.7重量%Na2 S)19.222kgとNM
P45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら液
温204℃まで昇温して、水4.600kgを留出させ
た。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷
却し、p‐DCB22.894kg及びNMP18.0
kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いて1k
g/cm2 Gまで加圧して昇温を開始した。液温250
℃になったところで昇温をやめ、そのまま3時間攪拌し
反応を進めた。
【0064】得られたスラリーに対し常法により濾過、
温水洗を繰り返し、120℃で約5時間熱風循環乾燥機
中で乾燥し、白色粉末状のPPSを得た。得られたPP
Sの溶融粘度V6 は130ポイズであった。
【0065】該PPSを230℃で47時間、熱酸化処
理した。得られたPPS(P‐C2)の溶融粘度V6
1320ポイズであり、非ニュートン指数Nは1.43
であり、ラジカル発生量は4.2×1016spin/g
であった。
【0066】
【実施例1〜7及び比較例1〜11】実施例及び比較例
で使用したゼオライト及び他の添加物は下記の通りであ
る。 <ゼオライト> ・CS‐100、商標、株式会社耕正製(A型ゼオライ
トのNaをCaで置換したもの) ・CS‐100S、商標、株式会社耕正製(CS‐10
0の細粒品である) ・AMT‐25、商標、水澤化学工業株式会社製(A型
ゼオライト) ・ミズカライザーES、商標、水澤化学工業株式会社製
(A型ゼオライトのNaをCaで置換したもの) <他の添加物(比較成分)> ・リン化合物:PEP36、商標、旭電化株式会社製
(下記の化学式(III) で示される物質)
【0067】
【化2】 ・白色顔料:ドライカラー HS‐D 921285、
商標、大日精化株式会社製 ・タルク ・カオリン 各実施例及び比較例とも、各成分を表1に示す量(重量
部)でヘンシェルミキサーを使用して5分間予備混合し
た後、更に溶融混練して、白色度(ホットプレスL値)
及び結晶化温度(Tc)の測定に供した。
【0068】白色度(ホットプレスL値)は下記の如く
測定した。 <白色度(ホットプレスL値)>試料を320℃で1.
5分間、30kg/cm2 の圧力でホットプレスにより
加圧成形して円盤状プレートを作り、これについて、色
彩色差計(東京電色株式会社製、Color Ace)
を用いて測定した。
【0069】結晶化温度(Tc)は下記の如く測定し
た。 <結晶化温度(Tc)>DSCにより測定した。装置と
しては、セイコー電子製示差走査熱量計SSC/520
0を用い、以下のようにして測定した。試料10mgを
窒素気流中、昇温速度20℃/分で室温から320℃ま
で昇温した後、320℃で5分間保持して溶融した。次
いで、10℃/分の速度で冷却した。この時の発熱ピー
ク温度を結晶化温度Tcとした。
【0070】引張強度は、下記の如く測定した。 <引張強度>各実施例及び比較例とも、表1に示す量
(重量部)の各成分及びガラス繊維(3J961S、商
標、日東紡績株式会社製)67重量部を加えて、ヘンシ
ェルミキサーを使用して、5分間予備混合し均一化し
た。次いで、20mmφ二軸異方向回転押出機を用いて
バレル設定温度300℃、回転数400rpmで溶融混
練して押出し、ペレットを作成した。得られたペレット
から、シリンダー温度320℃、金型温度130℃に設
定した射出成形機により、ASTM D638に従うダ
ンベル片を作成した。該ダンベル片を用い、ASTM
D638に準拠して引張強度を測定した。
【0071】以上の結果を表1及び2に示す。表中の
「ΔTc」は、ゼオライト又は比較成分を用いた実施例
又は比較例のTcと、これらを含まない比較例(ブラン
ク)のTcとの差を意味す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】 実施例1〜4は、本発明の(A)PPSに(B)ゼオラ
イトを種々の量で配合したものである。ゼオライトを配
合していない比較例1と比べて、いずれも結晶化温度T
c 及び白色度L値は非常に高く、著しく良好な改善効果
を示した。また、引張強度も増加する傾向にあった。
(B)ゼオライトの配合量を増加すると、Tc 、L値及
び引張強度は、いずれも増加した。実施例5〜7は、い
ずれも実施例3と同一配合比の下、(B)ゼオライトの
種類を代えたものである。Tc 、L値及び引張強度は、
いずれも実施例3とほぼ同等であり、良好な改善効果を
示した。
【0074】一方、比較例2は、(B)ゼオライトの配
合量が本発明の範囲を超えたものである。引張強度が著
しく低下した。また、成形性が悪化し実用性に乏しいも
のであった。比較例3〜6は、いずれも実施例3と同一
配合比の下、(B)ゼオライトに代えて、夫々リン化合
物、白色顔料、タルク、カオリンを配合したものであ
る。リン化合物を配合した比較例3では、Tc が比較例
1より低く、逆効果であり、また成形時にガスの発生が
認められた。白色顔料を配合した比較例4においても、
Tc が低下し、また、引張強度が大幅に低下した。比較
例5はタルクを配合したものであり、また比較例6はカ
オリンを配合したものであるが、Tc 及びL値のいずれ
にも殆ど改善効果が認められなかった。比較例7は、非
ニュートン指数が本発明の範囲未満のPPS(P‐C
1)、つまり比較的線状のPPSのブランクテストであ
り、比較例8は、このP‐C1に(B)ゼオライトを配
合したものである。比較例8においてはTc は僅かしか
増加しない。比較例9は、比較例5と同一配合比の下、
P‐01(分岐状)をP‐C1(比較的線状)に代えた
ものであり、ΔTc は20である。一方、比較例5では
ΔTc は1である。つまり、従来技術に従い、タルクを
線状PPSに用いると結晶化温度が著しく増大する(但
し、白色度は向上しない)が、分岐状PPSに用いたの
では効果がない。一方、本発明に従いゼオライトを分岐
状PPSに用いると結晶化温度及び白色度ともに著しく
改善され(実施例3)、しかし、線状PPSに用いたの
では結晶化温度は僅かしか改善されない(比較例8)。
比較例10は、ラジカル発生量が本発明の範囲を超える
PPS(P‐C2)、つまり熱酸化処理して得られた架
橋PPSのブランクテストであり、比較例11は、この
P‐C2に(B)ゼオライトを配合したものである。比
較例11においてはTc は殆ど増加せず、ゼオライトの
添加効果が殆どない。即ち、実施例3、比較例5、8、
9、10及び11から、本発明に従うPPSとゼオライ
トの組合せの特異な挙動が判る。
【0075】
【発明の効果】本発明は、いわゆる分岐型PASにおい
て、引張強度等の機械的強度を低下させることなく、結
晶化温度及び白色度を高めたPAS樹脂組成物を提供す
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ESRにより測定したラジカル発生
    量が2.5×1016spin/g以下であり、かつ非ニ
    ュートン指数Nが1.35以上であるポリアリーレンス
    ルフィド 100重量部、及び(B)ゼオライト 0.
    1〜15重量部を含む樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリアリーレンスルフィドにおい
    て、非ニュートン指数Nが1.45〜2.00である請
    求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ポリアリーレンスルフィドにおい
    て、溶融粘度V6 が500〜4800ポイズである請求
    項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)ポリアリーレンスルフィドが、有
    機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族
    化合物とポリハロ芳香族化合物を反応させ、ここでアル
    カリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とのモル比を0.
    940〜1.000とし、ポリハロ芳香族化合物とアル
    カリ金属硫化物とのモル比を0.0035〜0.010
    として反応系に仕込み、かつ反応中に反応缶の気相部分
    を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮さ
    せ、これを液相に還流せしめて製造したものである請求
    項1〜3のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)ポリアリーレンスルフィドが、極
    性溶媒中で(a)アルカリ金属硫化物と(b)ジハロ芳
    香族化合物と(c)官能基を3個以上有する芳香族化合
    物を反応させ、ここで(a)/(b)のモル比が0.9
    70〜1.020であり、(c)/(a)のモル比が
    0.002〜0.015であるように上記(a)、
    (b)及び(c)を反応系に仕込み、かつ反応系内の
    (b)の反応率が50〜95%の時点で、仕込み(a)
    アルカリ金属硫化物に対してモル比で0.001〜0.
    02の(d)分子量調節剤を反応系に添加することによ
    り製造したものである請求項1〜3のいずれか一つに記
    載の樹脂組成物。
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