JPH09104742A - 水性アルキド樹脂の製造法 - Google Patents
水性アルキド樹脂の製造法Info
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- JPH09104742A JPH09104742A JP26283395A JP26283395A JPH09104742A JP H09104742 A JPH09104742 A JP H09104742A JP 26283395 A JP26283395 A JP 26283395A JP 26283395 A JP26283395 A JP 26283395A JP H09104742 A JPH09104742 A JP H09104742A
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Abstract
であっても、塗料液の状態であっても、共に、分散安定
性が良好であるという処から、とりわけ、貯蔵安定性な
どに優れるという、極めて実用性の高い、水性アルキド
樹脂の製造法を提供するにある。 【解決手段】 不飽和脂肪酸と、カルボキシル基含有ビ
ニル系単量体と、スチレン(誘導体)と、その他のビニ
ル系単量体とを重合せしめて得られる特定のビニル化脂
肪酸を用いるということによって始めて、該ビニル化脂
肪酸とポリオール化合物との縮合・中和物が、有機溶剤
量も少なくて、水性樹脂単独でも、塗料液の状態でも、
分散安定性が良好であるという効果が、就中、上記のス
チレン(誘導体)の量が、該スチレン(誘導体)と上記
した、その他のビニル系単量体との合計量に対し、少な
くとも20重量%という割合で含まれている場合に限
り、貯蔵安定性などに優れるという、最大の効果が発現
される。
Description
少なく、しかも、とりわけ、貯蔵安定性などに優れた水
性アルキド樹脂の、新規にして有用なる、製造法に関す
る。さらに詳細には、本発明は、不飽和脂肪酸と、それ
ぞれ、カルボキシル基含有ビニル系単量体と、スチレン
(誘導体)と、その他のビニル系単量体という、特定の
ビニル系単量体との重合により得られるビニル化脂肪酸
と、ポリオール化合物とを縮合せしめ、次いで、中和せ
しめることから成る、水性アルキド樹脂の製造法に関す
る。
生の観点から、溶剤型塗料から、水性塗料への転換が求
められつつある。とりわけ、アルキド樹脂は、その低価
格性、良好なる皮膜表面の光沢性、独特の肉持ち感、そ
して、耐水性が良好なることなどの理由で、工業用途か
ら汎用用途に至るまで、今なお、多く使用されている。
研究されてはいるけれども、アルキド樹脂の水性化にお
いて、最も大きな課題の一つは、貯蔵安定性を向上化せ
しめるということである。
塗料化してから、塗装するまでの期間は、比較的、短い
というのが一般的ではあるが、使用期間の長い一般家庭
用の塗料にあっては、とりわけ、高皮膜外観ならびに刷
毛での塗り易さなどの観点からも、長油系のアルキド樹
脂が多く用いられており、これには、二年から三年の貯
蔵安定性が要求される。
て貯蔵するという場合があることを考えると、さらに、
ハイレベルの安定性が、是非とも必要である。アルキド
樹脂というものは、それ自体が、加水分解され易いエス
テル結合を多く含んでおり、したがって、加水分解によ
り、皮膜の性能が著しく低下したり、あるいは塗料の粘
度が低下したりして、折角の最適なる塗料配合を設定化
せしめてみても、往々にして、塗装時の流動特性が損な
われて仕舞ったりするものである。
るいは界面活性剤を用いて樹脂を分散化せしめるという
試みも為されたが、とりわけ、乾燥性が著しく悪いこ
と、乾燥皮膜中に多量に残存する乳化剤・界面活性剤に
起因する耐水性の悪さなどの理由から、未だに、実用化
されるには到っていないというのが、実状である。
であるカルボキシル基を、ハーフエステル化させること
によって残存せしめ、親水性有機溶剤と共に、水に希釈
化せしめるという方法が、よく、行われて来たが、アル
キド樹脂それ自体の加水分解が著しく、したがって、経
時的なる皮膜性能の低下が著しいということである。
水性有機溶剤で以て希釈化せしめることによって製品化
するという場合があるが、こうした場合には、どうして
も、多量の溶剤で以て希釈せしめるというようにしない
と、樹脂粘度が高いゆえに、作業者による樹脂の取り扱
いが容易ではなくなるようになって、斯かる有機溶剤を
低減化させづらいというのが、実状である。
アルキド樹脂として、たとえば、ビニル系単量体が重合
した部分が、加水分解され易いアルキド樹脂部を包囲す
る形のものを得るという技術が、特開昭50−1152
97号公報や、特開昭58−38748号公報などに開
示されてはいる。
れる、いわゆる複合エマルジョンというものは、加水分
解され易いアルキド部が、加水分解されにくいビニル部
により包囲されているという処から、概して、分散安定
性こそ良好ではあるものの、そのビニル部の量が少ない
という場合には、どうしても、分散安定性の良好なるも
のが得難い処となる。
系アルキドは、必然的に、ビニル量が少なくなって仕舞
うので、上掲したような、公報開示技術に従う方法は、
少なくとも、長油系には不向きである、と言い得よう。
たアルキド樹脂を得る方法として、たとえば、無水マレ
イン酸を、不飽和脂肪酸に、ディールズ・アルダー付加
反応せしめ、次いで、此の付加反応物と、多価アルコー
ルとをエステル化反応せしめるということによって、水
性アルキド樹脂を得るという方法が、英国特許第1,0
32,364号明細書に開示されている。
カルボキシル基が、エステル結合によらずに、不飽和脂
肪酸に結合されているというために、此の親水性基なる
ものは、加水分解によっては脱離し得ないという代物で
はある。
れるものは、どうしても、顔料との親和性の不足によ
る、とりわけ、皮膜の光沢性が低いという問題点の存在
が明らかとなっている。
して、特公平6−104770号公報には、不飽和脂肪
酸と、アリルアルコールおよび芳香族ビニル単量体の共
重合体とを縮合せしめたものに、さらに、マレイン化と
いう手段を施すことによって得られる水性アルキド樹脂
が、非水性アルキド樹脂を包囲しているという形のアル
キド・エマルジョン組成物が開示されている。
ば、長油系のアルキドでも、安定的に分散するけれど
も、高温環境下での分散粒子の会合、あるいは高温環境
下でのエマルジョンの減粘(粘度低下)は避けられな
く、塗装時の流動特性の変化に繋がって仕舞うという問
題があった。
つとしては、樹脂それ自体の親水性基を増加せしめると
いう方法もあるにはあるが、勿論ながら、斯かる親水性
基の増大化が、とりわけ、皮膜の耐水性ならびに耐食性
などを低下させ、加えて、乾燥皮膜の諸物性をも低下さ
せるということは、よく知られている処である。
術に従う限りは、どうしても、低溶剤量などの、いわゆ
る環境対策条件下において、樹脂安定性ならびに塗料安
定性の双方が良好であって、しかも、高い皮膜諸物性を
有するという、まさしく、水性塗料に最適の樹脂得るこ
とは、頗る、困難であって、現に、こうした、有機溶剤
量が少なくて、しかも、樹脂安定性ならびに塗料安定性
に優れた水性アルキド樹脂の製造方法の開発が、切に望
まれている。
従来型技術における種々の欠点の存在に鑑み、しかも、
溶剤型塗料から水性塗料への転換が強く求められつつあ
るという時代の要求に鑑みて、先ずは、有機溶剤含有量
が少ないという、次いで、水性樹脂単独の状態でも、は
たまた、塗料液の状態でも、貯蔵安定性に優れていると
いう、極めて実用性の高い水性アルキド樹脂の、斬新な
る製造法を求めて、鋭意、研究を開始した。
題は、一にかかって、有機溶剤量が少なくて、しかも、
樹脂安定性ならびに塗料安定性に優れれるという、水性
アルキド樹脂の、新規にして有用なる製造方法を提供す
ることにある。
こうした現状の認識と、従来型技術における種々の未解
決の問題点の抜本的なる解決と、当業界における切なる
要望との上に立って、鋭意、検討を重ねた結果、不飽和
脂肪酸と、カルボキシル基含有ビニル系単量体と、スチ
レン(誘導体)と、その他のビニル系単量体とを重合せ
しめることにより得られるものであり、
チレン(誘導体)成分が、該スチレン(誘導体)成分
と、その他のビニル系単量体なる成分との合計量に対
し、少なくとも20重量%含まれているというビニル化
脂肪酸と、ポリオール化合物とを縮合せしめ、次いで、
かくして得られる縮合生成物を、塩基性化合物により中
和せしめることによって、
もとより、加えて、比較的少ない親水基量でも、水中で
溶解ないしは微分散化されるというものであって、常温
での分散安定性が良好なるということは勿論のこと、約
50℃という高温環境下においても、優れた分散安定性
を有するという、極めて実用性の高い水性アルキド樹脂
が得られるということを見出すに及んで、ここに、本発
明を完成するに到った。
不飽和脂肪酸(a−1)と、カルボキシル基含有ビニル
系単量体(a−2)と、スチレンおよび/またはスチレ
ン誘導体(a−3)と、その他のビニル系単量体(a−
4)とを重合せしめることから成るというものであり、
スチレン誘導体(a−3)なる原料成分が、該(a−
3)成分と、上記した、その他のビニル系単量体(a−
4)なる原料成分との合計量に対して、少なくとも20
重量%含まれているビニル化脂肪酸と、ポリオール化合
物とを縮合せしめることから成るというものであり、
塩基性化合物で以て中和せしめることから成るという、
水性アルキド樹脂の、斬新にして有用なる製造法を請求
しているものである。
れ、上記した縮合生成物が、特に、上記したカルボキシ
ル基含有ビニル系単量体(a−2)に由来するカルボキ
シル基のモル数として、特に、該単量体(a−2)成分
と、上記したスチレンおよび/またはスチレン誘導体
(a−3)成分と、上記した、その他のビニル系単量体
(a−4)との合計モル数に対して、約10〜約60モ
ル%なる範囲内に入るものであるという、水性アルキド
樹脂の、斬新にして有用なる製造法をも請求しているも
のであるし、
ル系単量体(a−2)が、特に、メタクリル酸であると
いう、水性アルキド樹脂の、斬新にして有用なる製造法
をも請求しているものであるし、
該ビニル化脂肪酸を基準として、上記した不飽和脂肪酸
(a−1)を、約20〜約70重量%なる範囲内で以て
含むものであるという、水性アルキド樹脂の、斬新にし
て、かつ、有用なる製造法をも請求しているものである
し、
に、多価アルコールと、多価カルボン酸および/または
モノカルボン酸とを縮合せしめることにより得られるも
のであるという、斬新にして有用なる製造法をも請求し
ているものであるし、
が、特に、動物油、植物油および/またはその脂肪酸
と、多価アルコールと、多価カルボン酸および/または
モノカルボン酸とを縮合させることにより得られるもの
であるという、斬新にして有用なる製造法をも請求して
いるものであるし、
なわち、目的とする水性アルキド樹脂のトリグリセライ
ド換算油長が、特に、約20〜約70%なる範囲内のも
のであるという、斬新にして有用なる製造法をも請求し
ているものである。
に係る水性アルキド樹脂の製造法というものを、一層、
詳細に説明することにする。
肪酸とは、たとえば、不飽和脂肪酸(a−1)と、特定
のビニル系単量体混合物との重合反応によって得られる
というものを指称しているが、斯かる特定のビニル系単
量体混合物とは、とりわけ、それぞれ、カルボキシル基
含有ビニル系単量体(a−2)と、スチレンおよび/ま
たはスチレン誘導体(a−3)と、さらに、その他のビ
ニル系単量体(a−4)とからなるものを指称してい
る。
は、たとえば、動物油あるいは植物油から合成される部
類の、すべての脂肪酸が用いられるが、それらのうちで
も特に望ましいもののみを例示するにとどめれば、亜麻
仁油、大豆油、サフラワー油、支那桐油、トール油、あ
さみ油、えの油の如き、各種の脂肪酸などであるし、
ン脂肪酸などのような、とりわけ、ヨウ素価が約130
以上なる化合物などであるが、こうした化合物の中から
選ばれる、少なくとも1種のものが、該不飽和脂肪酸
(a−1)として使用される。さらには、米糠油、綿実
油、ひまし油、なたね油の如き、各種の脂肪酸なども、
上掲したような脂肪酸と組み合わせて使用し得ること
も、勿論、可能である。
合される成分の一つである、前記したカルボキシル基含
有ビニル系単量体(a−2)として特に代表的なるもの
のみを例示するにとどめれば、アクリル酸、メタクリル
酸もしくはクロトン酸の如き、各種の、いわゆるα,β
−エチレン性不飽和モノカルボン酸;
コン酸の如き、各種のα,β−エチレン性不飽和ジカル
ボン酸などをはじめ、さらには、無水マレイン酸もしく
は無水イタコン酸の如き、各種のα,β−エチレン性不
飽和ジカルボン酸無水物などであるし、
酸無水物のモノエステル化物などであるが、これらの中
から選ばれる、少なくとも1種の化合物が使用されると
いうものである。
ル系単量体(a−2)の使用量としては、該単量体(a
−2)成分それ自体に由来するカルボキシル基のモル数
が、該単量体(a−2)成分と、それぞれ、後述するよ
うな、スチレン(誘導体)なる(a−3)成分と、その
他のビニル系単量体なる(a−4)成分との合計モル数
に対して、約10〜約60モル%なる範囲内が、好まし
くは、15〜55モル%なる範囲内が適切である。
たものが得られて仕舞う。一方、60モル%より多い
と、アルキド樹脂とビニル部との相溶性が悪くなり乾燥
皮膜が白化して仕舞う。皮膜物性面からはメタクリル酸
の使用が特に好ましい。
はスチレン誘導体(a−3)として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、スチレン、tert−ブチ
ルスチレン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエ
ンなどであるが、斯かるスチレン(誘導体)なる(a−
3)成分の使用量としては、該スチレンおよび/または
その誘導体(a−3)と、その他のビニル系単量体(a
−4)との合計量に対して、少なくとも約20重量%な
る範囲内が、好ましくは、30〜70重量%なる範囲内
が適切である。
分の使用量が、約20重量%よりも少ないという場合に
は、約40℃あるいは約50℃という高温環境下で以
て、分散安定性の良好なものは得られ難く、ひいては、
水分散体それ自体の顕著なる粘度減少(粘度低下)が起
こり易くなり、特に、約50℃の雰囲気下においては、
1ヵ月程度で以て、不均一状態になって仕舞うというよ
うにもなるし、一方、約70重量%を超えて余りに多く
なる場合には、どうしても、水分散体の水希釈性が悪く
なり易くなるという場合もあるので、いずれの場合も好
ましくない。
体(a−4)とは、たとえば、それぞれ、前述した、カ
ルボキシル基含有ビニル系単量体(a−2)成分および
スチレン(誘導体)なる(a−3)成分以外の、重合性
を有する化合物の総称であって、それらのうちでも特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸ter
t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルま
たは(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのような、
(メタ)アクリル酸の、種々のアルキルエステル類など
である。
エチルまたは(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ルなどのような、(メタ)アクリル酸の種々のヒドロキ
シアルキルエステル類の使用も、後続する縮合工程(縮
合反応工程)でのゲル化を起こさないような範囲の量で
あれば、勿論、可能である。
のモノ(メタ)アクリレートの使用もまた、安定なる水
分散体を得るという上で望ましいことであり、ポリエチ
レングリコールのモノ(メタ)アクリレートの使用もま
た、皮膜の諸物性を考慮した上での使用は、勿論、可能
である。
和脂肪酸(a−1)と、カルボキシル基含有ビニル系単
量体(a−2)と、スチレンおよび/またはスチレン誘
導体(a−3)と、その他のビニル系単量体(a−4)
との重合反応は、公知慣用の種々の方法に従って行われ
る。
一例のみを挙げるにとどめれば、トルエンもしくはキシ
レンの如き、各種の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン
もしくはメチルイソブチルケトンの如き、各種のケトン
系溶剤;または酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如き、
各種のエステル系溶剤などのような、種々の有機溶剤の
存在下において、不活性ガス雰囲気中で以て、約70〜
約150℃なる温度範囲で、重合開始剤の使用により、
此の重合反応が行われるというものである。
ぼさないような範囲の使用量で以て用い、あるいは適切
なる処置をこそ行えば、イソプロパノールもしくはn−
ブタノールの如き、各種のアルコール系溶剤;またはエ
チルセロソルブもしくはブチルセロソルブの如き、各種
のグルコールエーテル系溶剤の使用も、勿論ながら、可
能である。
形での、いわゆる塊状重合反応で行ってもよいし、アル
キド樹脂などのようなポリマーの存在下において、此の
重合反応を行ってもよいことは、勿論である。
(a−3)成分および(a−4)成分という、いわゆる
ビニル系単量体と、前述した不飽和脂肪酸(a−1)と
の共重合反応工程において、これらの、(a−2)成分
と、(a−3)成分と、(a−4)成分との、いわゆる
混合単量体(単量体混合物)の総使用量が多く、発熱が
顕著なる場合には、斯かる混合単量体(単量体混合物)
の添加は、間欠的滴下ないしは連続滴下で以て行っても
よいし、
物)の総使用量が少ないという場合には、混合単量体
(単量体混合物)の添加は、一括で以て行ってもよい
し、また、必要があれば、公知慣用の種々の連鎖移動剤
などを添加してもよいことは、勿論である。
特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、te
rt−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−
ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシ2−
エチルヘキサノエートまたはベンゾイルパーオキシドの
如き、各種の有機過酸化物などであるが、
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチ
ルブチロニトリルなどのような、各種のアゾ化合物の使
用ならびに併用も、可能である。
的なるもののみを例示するにとどめれば、tert−ド
デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンもしく
はn−オクチルメルカプタンの如き、各種のアルキルメ
ルカプタン類;またはα−メチルスチレン・ダイマーな
どであり、上掲した、これらの化合物の使用は、特に望
ましい。
り、前記したビニル化脂肪酸中における不飽和脂肪酸
(a−1)の存在量としては、約20〜約70重量%、
好ましくは30〜60重量%という範囲内の割合(存在
率ないしは占有率)に該当する存在量が適切である。
20重量%未満である場合には、どうしても、此の不飽
和脂肪酸(a−1)と共重合していないビニル部が増え
るという処からも、分散安定性に欠けたものしか得られ
ないようになるし、一方、約70重量%を超えて余りに
多くなる場合には、どうしても、とりわけ、耐水性なら
びに耐食性などの皮膜諸物性が、著しく、低下して仕舞
うというようになり易く、いずれの場合も好ましくな
い。
に引き続き、斯かるビニル化脂肪酸と、前記したポリオ
ール化合物とを、エステル化反応を通して、結合せしめ
るというわけであるが、此のポリオール化合物として
は、特に、その水酸基価が約50〜約300KOHmg
/g(以下、斯かるKOHmg/gなる単位の記載は省
略するものとする。)なる範囲内のものを、好ましく
は、100〜250なる範囲内のものを使用するのが望
ましい。
未満であるという場合には、どうしても、此のエステル
化反応が円滑に進みにくくなり易いし、その結果は、当
該ポリオール化合物と、ビニル化脂肪酸との結合部位が
少なくなるということになってしまい、ひいては、分散
化の不可能なるものしか得られないということになって
仕舞う。
約300を超えて余りに多くなるという場合には、どう
しても、水中における、分散粒子中の核(コア)となる
部分の分子量の大きさが充分でないということに起因す
る、乳化作用を有する部分のコアからの脱離によって、
後続する、塩基性化合物による中和・水性化の際に、非
分散(化)状態となって仕舞うということである。
もののみを例示するにとどめれば、アルキド樹脂、ビニ
ル変性アルキド樹脂、ポリイソシアネート変性アルキド
樹脂またはシリコン変性アルキド樹脂などである。
ば、ビニル−、ポリイソシアネート−あるいはシリコン
変性される以前のアルキド樹脂とは、たとえば、多価ア
ルコールと、多価カルボン酸および/またはモノカルボ
ン酸(ただし、脂肪酸を含まない。)とを縮合反応せし
めることによって得られるというようなもの、つまり、
通常、オイル・フリー・アルキド樹脂と呼ばれる部類の
ものであるとか、
れ等の脂肪酸と、多価アルコールと、多価カルボン酸お
よび/またはモノカルボン酸(ただし、脂肪酸は含まな
い。)とを縮合反応せしめることによって得られるとい
うもの、つまり、通常、油あるいは脂肪酸変性アルキド
樹脂と呼ばれる部類のものを指称する。
ン酸とは、たとえば、一分子中に2〜4個のカルボキシ
ル基を有するという化合物を指称するものであり、それ
らのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、
コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラ
ヒドロプタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸または「ハイミック酸」[日立化成工業(株)の製品
であり、該「ハイミック酸」は、同上社の登録商標であ
る。]などをはじめ、
ヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸などであ
るし、あるいは此等の無水物などであるし、他方、上記
したモノカルボン酸として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、安息香酸またはp−tert−ブチ
ル安息香酸などである。
分子中に2〜6個の水酸基を有するという化合物を指称
するものであり、それらのうちでも特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、
ル、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタ
ンジオールまたは1.4−シクロヘキサンジメタノール
などをはじめ、さらには、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、トリスイソシアヌレ
ートまたはペンタエリスリトールなどである。
合成法に従って得られるというものであるが、それらの
うちでも特に代表的なる一例を挙げるにとどめれば、上
掲した、それぞれ、脂肪酸と、多価カルボン酸および/
またはモノカルボン酸と、多価アルコールとを、一緒に
加えて、エステル化反応せしめるという、通常、脂肪酸
法と呼ばれる部類の合成法や、
せしめてから、多価カルボン酸および/またはモノカル
ボン酸と、残りの多価アルコールとをエステル化反応せ
しめるという、通常、モノグリセリド法と呼ばれる部類
の方法などである。
っては、キシレンなどのように、水と共沸する部類の不
活性有機溶剤を添加せしめるというようにしてもよいこ
とは、勿論である。
ル・フリー・アルキド樹脂として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、大日本インキ化学工業(株)
製の「M−6205−50」などであるし、油−ないし
は脂肪酸変性アルキド樹脂として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、同上社製の「ベッコゾールE
Z−3020−60」などである。
としてもまた、公知慣用の種々の合成法に従って得られ
るというような部類のものであればよく、それらのうち
でも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ア
ルキド樹脂の存在下に、重合開始剤を用いて、スチレン
(系)−および/またはアクリル系モノマーをビニル重
合せしめるというような方法などである。
変性アルキド樹脂としても、公知慣用の種々の合成法に
従って得られるというような部類のものであればよく、
たとえば、アルキド樹脂の生成後において、トリレンジ
イソシアネートやメチレンビスフェニルイソシアネート
などのような、場合によっては、ヘキサメチレンジイソ
シアネートトリメチロールプロパンのアダクト体(TM
P変性のHDI)の如き、各種のポリイソシアネート化
合物を重付加反応せしめるというような部類の方法など
である。
キド樹脂としても、公知慣用の種々の合成法に従って得
られるというようなものであればよく、それらのうちで
も特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、大
日本インキ化学工業(株)製の、それぞれ、「ベッコゾ
ール M−9201」や、「ベッコゾール M−920
2」などである。
ポリオール化合物との縮合反応、いわゆるエステル化反
応は、これらのビニル化脂肪酸と、ポリオール化合物と
を混合して加熱するということによって行われる。
または多価カルボン酸を、新たに、これらのビニル化脂
肪酸およびポリオール化合物に添加しても、何等、問題
が無いということである。
常、約170〜約210℃なる範囲内が適切ではある
が、反応速度の観点からすれば、とりわけ、カルボキシ
ル基含有ビニル系単量体(a−2)の種類によって、適
切なるエステル化反応の温度を選定するのが、特に望ま
しいことである。
系単量体(a−2)として、特に、アクリル酸を用いる
というような場合には、上掲したような温度範囲のうち
の、比較的低めの温度で以て、当該反応を行うというの
がよく、一方、此のカルボキシル基含有ビニル系単量体
(a−2)として、特に、メタクリル酸を用いるという
ような場合には、上掲したような温度範囲でさえあれ
ば、いずれの温度においても、当該反応は円滑に進むと
いうものである。
いうものは、得られるアルキド樹脂の、とりわけ、諸安
定性ならびに塗膜諸物性などを考慮すれば、好ましく
は、固形分のアルキド樹脂の酸価が、カルボキシル基含
有ビニル系単量体(a−2)のカルボキシル基に由来す
る酸価を基準にして、±5程度に達した処で、さらに好
ましくは、±2程度に達した処で、終了せしめるという
ようにするのが適切である。
のち、さらに、此の反応生成物に、不飽和脂肪酸(a−
1)を添加し、混合せしめ、必要ならば、少量の不活性
有機溶剤をも添加せしめて、前述した、それぞれ、(a
−2)成分、(a−3)成分ならびに(a−4)成分と
いう全ビニル系単量体を付加重合せしめてから、
反応を行わしめる、という一段合成法でも、本発明に係
る水性アルキド樹脂の調製は、まさしく、可能である
し、斯かる一段合成法に従う場合には、ビニル化脂肪酸
の合成それ自体を、上掲したポリオール化合物の存在下
において行うということもまた、何等、問題が無いとい
うことである。
たって、アルキド樹脂を水性化せしめる際に、該アルキ
ド樹脂と共存させるべき親水性の有機溶剤として特に代
表的なもののみを挙げるにとどめれば、エチレングリコ
ールと、メタノール、エタノール、プロパノールもしく
はブタノールの如き、各種の1価アルコールとのモノエ
ーテル化物であるとか、
タノール、プロパノールもしくはブタノールの如き、各
種の1価アルコールとのモノエーテル化物であるとか、
ジエチレングリコールとメタノール、エタノール、プロ
パノールもしくはブタノールの如き、各種の1価アルコ
ールとのモノエーテル化物であるとか、
タノール、プロパノールもしくはブタノールの如き、各
種の1価アルコールとのモノエーテル化物であるとか、
あるいは1,3−ブチレングリコール−3−モノメチル
エーテル(一般名:3−メトキシブタノール)もしくは
3−メチル−3−メトキシブタノール〔一般には、「ソ
ルフィット」という名称で用いられるが、此の「ソルフ
ィット」は(株)クラレの登録商標である。〕の如き、
各種のエーテルアルコール類などであり、
20℃の温度で、水に対して無限に可溶なるエーテルエ
ステル類などもまた、使用することが出来る。
での安定的な分散という観点から、目的水性アルキド樹
脂中に、約10重量%以下の割合で以て含まれていると
いうことが望ましい。約10重量%を超えて余りにも多
くなるという場合には、どうしても、当該水性アルキド
樹脂の、分散媒相への溶解性が増すようになり易いとい
う処から、分散(化)形態ないしは水溶(化)形態を維
持しづらくなるという場合があるので、約10重量%を
超えて、余りにも多くなるというような量での使用は、
現に、慎むべきであろう。
しめるという際に、該アルキド樹脂中のカルボキシル基
の一部ないしは全部が、塩基性化合物によって中和され
る処となる。
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アンモ
ニア;有機アミン;アルカリ金属の水酸化物などである
が、ここにおいて、上記した有機アミンとして特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピ
ルアミンまたはジプロピルアミンなどをはじめ、
ノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチ
ル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノール
アミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミンまたはトリイソプロパノールアミンの如
き、各種のアミノアルコール類などである。
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
などである。
の観点から、これらのうちでも特に望ましいものとして
特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、アン
モニアであるとか、トリエチルアミンまたはジメチルエ
タノールアミンなどであるとか、あるいは20℃という
温度で以て、水に完全に溶解するような部類の、いわゆ
る親水性の有機アミンなどであるが、
しめるというためには、上掲したような各種の化合物
を、適宜、組み合わせるという形で用いることも出来る
ことは、勿論である。
たっての中和当量としては、通常、約0.4〜約1.2
当量なる範囲内が、好ましくは、0.6〜1.0当量な
る範囲内が適切である。
まり、本発明に係る、水性アルキド樹脂の製造法に従っ
て得られる水性アルキド樹脂には、さらに、無機顔料な
いしは有機顔料、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、レベリ
ング剤またはドライヤーなどのような、公知慣用の種々
の添加剤を、適宜、配合せしめることが出来るし、
ック・ポリイソシアネート化合物の如き、各種の硬化剤
をも併用することが出来るという処から、それぞれ、い
わゆる常温乾燥型、強制乾燥あるいは焼き付け型などと
しての、いずれのタイプの、特に、塗料用樹脂として用
いることが出来るというものである。
れる、つまり、本発明に係る、水性アルキド樹脂の製造
法に従って得られる水性アルキド樹脂は、たとえば、紙
化工用としても、繊維化工用としても、あるいは接着剤
としても使用することが出来るというものである。
わけ、自動車、鉄道車両、機械、家具、缶または建築材
料の如き、各種の金属素材ないしは金属製品への用途で
もあるし、自動車部品または家電製品の如き、各種のプ
ラスチック素材ないしは製品への用途でもあるし、家具
または建築材料の如き、各種の木工素材ないしは製品へ
の用途でもあるし、さらには、建築材料またはガラスの
如き、各種の無機素材あるいは製品への用途でもある
が、本発明は、決して、これら上掲の用途のみに限定さ
れるというようなものではない。
り、さらに具体的に示すことにするが、本発明は、決し
て、これらの例示例のみに限定されるものではない。な
お、以下において、部および%は、特に断りの無い限
り、すべて、重量基準であるとする。
流管を備えたガラス製反応容器に、脱水ヒマシ油脂肪酸
の100部、キシレンの124部を初期仕込み分として
仕込んで、窒素ガスを導入しながら、130℃にまで昇
温した。
メタクリレートの89部、スチレンの59部およびメタ
クリル酸の33部と、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエートの9部とからなる混合物を、3時間かけて連続
滴下せしめた。
超える時点まで、130℃に保持して反応せしめること
によって、固形分酸価が143なる、透明な外観を持っ
た、ビニル化脂肪酸という、目的樹脂が得られた。
精留塔を備えたガラス製反応容器に、大豆油脂肪酸の1
00部を仕込んで、窒素ガスを導入しながら昇温した。
部、ネオペンチルグリコールの47部、イソフタル酸の
170部およびアジピン酸の23部を、順次に、仕込ん
だ。170℃に達した時点で、ジブチル錫オキシドの
0.06部を添加せしめ、さらに180℃にまで昇温さ
せ、此の温度で、2時間のあいだ反応を継続せしめた。
まで昇温し、固形分酸価が6になるまで反応を続行せし
めた。かくして得られたアルキド樹脂の水酸基価は14
7であった。
および亜麻仁油脂肪酸の201部と、キシレンの180
部とを、初期仕込み分として仕込んで、窒素ガスを導入
しながら、130℃にまで昇温した。
メタクリレートの72部、スチレンの48部およびメタ
クリル酸の60部と、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエートの9部とからなる混合物を、3時間かけて、連
続滴下せしめた。
超えるまでは、130℃に保持して反応せしめた処、固
形分酸価が142なる、透明な外観を持った、ビニル化
脂肪酸という、目的樹脂が得られた。
うに変更した以外は、参考例2と同様の反応容器に、ト
ール油脂肪酸の200部を仕込んで、窒素ガスを導入し
ながら昇温し、ペンタエリスリトールの94部、トリメ
チロールプロパンの23部およびイソフタル酸の84部
を、順次に、仕込んだ。
チル錫オキシドを添加し、さらに、200℃にまで昇温
させて、此の温度を1.5時間のあいだ保持した。次い
で、2時間をかけて、240℃にまで昇温し、固形分酸
価が6になるまで反応を続行せしめた。かくして得られ
た樹脂の水酸基価は234であった。
部を仕込んで、窒素ガスを導入しながら昇温した。
の54部と、tert−ブチルパーオキシベンゾエート
の8部とからなる混合物を、1時間に亘って連続滴下せ
しめた。滴下終了後は、モノマー転化率が90%を超え
るまで、130℃に保持して反応を続行せしめた。
却せしめて、80℃以下になった時点で以て、メチルエ
チルケトンの145部を添加せしめた。引き続いて、8
0℃に保持したまま、予め調製しておいたイソブチルメ
タクリレートの56部、ビニルトルエンの14部および
メタクリル酸の47部と、tert−ブチルパーオキシ
2−エチルヘキサノエートの6部と、α−メチルスチレ
ンダイマーの4部とからなる混合物を、3時間かけて連
続滴下せしめた。
エチルヘキサノエートの1部を添加し、モノマー転化率
が95%を超えるまで、80℃に保持して反応を続行せ
しめた処、固形分酸価が178なる、透明な外観を持っ
た、ビニル化脂肪酸という、目的樹脂が得られた。
部および亜麻仁油脂肪酸の38部を仕込んで、窒素ガス
を導入しながら昇温した処へ、さらに、ペンタエリスリ
トールの109部と、イソフタル酸の85部とを、順次
に、仕込んだ。
チル錫オキシドを添加して、さらに200℃にまで昇温
させ、此の温度を、1.5時間のあいだ保持した。次い
で、2時間をかけて240℃にまで昇温し、固形分酸価
が6となるまで反応を続行せしめた。かくして得られた
樹脂の水酸基価は185であった。
と、キシレンの127部とを、初期仕込み分として仕込
んで、窒素ガスを導入しながら、130℃にまで昇温し
た。
メタクリレートの70部、スチレンの47部およびアク
リル酸の23部と、tert−ブチルパーオキシベンゾ
エートの7部とからなる混合物を、3時間かけて連続滴
下せしめた。
超えるまでは、この130℃に保持して反応せしめた
処、固形分酸価が161なる、透明な外観を持った、ビ
ニル化脂肪酸という、目的樹脂が得られた。
部と、キシレンの134部とを、初期仕込み分として仕
込んで、窒素ガスを導入しながら、130℃にまで昇温
した。
メタクリレートの119部およびメタクリル酸の60部
と、tert−ブチルペロキシベンゾエートの9部とか
らなる混合物を、3時間かけて連続滴下せしめた。
超えるまでは、この130℃に保持して反応せしめた
処、固形分酸価が204なる、透明な外観を持った、ビ
ニル化脂肪酸という、目的樹脂が得られた。
部と、亜麻仁油脂肪酸の90部とを仕込んで、窒素ガス
を導入しながら昇温した処へ、ペンタエリスリトールの
108部と、イソフタル酸の84部とを、順次に、仕込
んだ。
チル錫オキシドを添加せしめた。さらに200℃にまで
昇温させて、此の温度を、1.5時間のあいだ保持し
た。次に、2時間をかけて240℃にまで昇温し、固形
分酸価が6になるまで反応を続行せしめた処、固形分酸
価が147なる、透明な外観を持った、ビニル化脂肪酸
という、目的樹脂が得られた。
ものである。
びに揮発溶剤を捕集するためのガラス製キャッチャータ
ンクを備えたガラス製反応容器に、参考例1で得られた
ビニル化脂肪酸溶液の100部と、参考例2で得られた
アルキド樹脂の103部とを仕込んで、200℃にまで
昇温した。
れども、温度が200℃に達した時点で以て、此の溶融
混合液は透明になった。次いで、固形分酸価が32とな
るまで、同温度で以て、エステル化反応を行ってから、
揮発分を減圧除去せしめたのち、ブチルセロソルブの2
6部を添加せしめた。
であり、25℃におけるガードナー気泡粘度計(ガード
ナー・ホルツ粘度計;以下同様)による溶液粘度がTで
あった。なお、斯かる粘度の測定は、ブチルセロソルブ
の50%溶液として、その樹脂固形分が50%なる状態
で行ったものである。
を添加し、60℃なる温度で以て、よく混合せしめたの
ち、この60℃を保持しながら、イオン交換水の244
部を、間欠的に添加せしめた処、不揮発分が38%で、
pHが8.9なる、半透明状の水性樹脂が得られた。此
の水性樹脂は、トリグリセライド換算油長が30%なる
ものであった。
剤量は5〜6%なる範囲内にあり、かつ、此の水性樹脂
の平均分散粒子径は、「レーザー粒径解析システム P
AR−III」[大塚電子(株)製品]により測定した
結果、重量平均で以て、22ナノ・メーター(nm)で
あった。
示すものである。
得られたビニル変性脂肪酸溶液の150部と、参考例4
で得られたアルキド樹脂の64部とを仕込んで、200
℃にまで昇温した。
明となった。固形分酸価が56となるまで、此の温度を
保持して、エステル化反応を行ってから、揮発分を減圧
除去せしめたのち、ブチルセロソルブの25部を添加せ
しめた。
であり、ガードナー気泡粘度計による樹脂溶液(キシレ
ンの30%溶液として、その樹脂固形分が70%なる状
態のもの)の粘度はZ7 であった。
5%アンモニア水溶液と、240部のイオン交換水とか
らなる混合物を、60℃なる温度で以て、間欠添加せし
めた処、不揮発分が38%で、pHが8.3なる、透明
状の水性樹脂が得られた。此の水性樹脂は、トリグリセ
ライド換算油長が58%なるものであった。
剤量は5〜6%なる範囲内にあり、かつ、実施例1と同
様の方法で測定した平均分散粒子径は、重量平均で以
て、20nm以下であった。
示すものである。
得られたアルキド樹脂の100部と、n−ブタノールの
54部とを、初期仕込み分として仕込んで、窒素ガスを
導入しながら、120℃にまで昇温した。
15部およびシクロヘキシルメタクリレートの10部
と、tert−ブチルパーオキシベンゾエートの1.3
部とからなる混合物を、2時間かけて連続滴下せしめ
た。
超えるまでは、この120℃に保持して反応せしめ、引
き続いて、この反応容器を、実施例1と同様の仕様に設
定し直し、参考例3で得られたビニル化脂肪酸溶液の2
08部を添加せしめ、200℃にまで昇温した。
保持して、エステル化反応を行ってから、揮発分を減圧
除去せしめたのち、ブチルセロソルブの40部を添加せ
しめた。かくして得られた樹脂の不揮発分は86%であ
り、ガードナー気泡粘度計による樹脂溶液(キシレンの
30%溶液として、その樹脂固形分が70%なる状態の
もの)の粘度はZ7 〜Z8 であった。
5%アンモニア水溶液と、384部のイオン交換水とか
らなる混合物を、60℃で、間欠添加せしめた処、不揮
発分が38%で、pHが8.2なる透明状の水性樹脂が
得られた。此の水性樹脂は、トリグリセライド換算油長
が52%なるものであった。
剤量は5〜6%なる範囲内にあり、実施例1と同様の方
法で測定した平均分散粒子径は、重量平均で以て、20
nm以下であった。
示すものである。
肪酸の150部と、亜麻仁油脂肪酸の27部とを仕込ん
で、窒素ガスを導入しながら昇温して、ペンタエリスリ
トールの81部およびイソフタル酸の64部を、順次
に、仕込んだ。
ドを0.06部を添加せしめた。さらに、200℃にま
で昇温し、此の温度を、1.5時間のあいだ保持したの
ち、2時間をかけて、240℃にまで昇温して、反王を
続行せしめた。
70℃以下の温度で、亜麻仁油脂肪酸の144部を添加
せしめて、充分に混合せしめたのち、140℃にまで冷
却した。この時点での樹脂の固形分酸価は72であり、
かつ、固形分水酸基価は190であった。
例1と同様の仕様に設定し直して、キシレンの40部を
添加せしめ、この140℃なる温度で以て、予め調製し
ておいた、イソブチルメタクリレートの72部、スチレ
ンの48部およびメタクリル酸の51部と、ジ−ter
t−ブチルパーオキシドの8部とからなる混合物を、3
時間かけて連続滴下せしめた。
保持して反応せしめたのち、反応容器を、実施例1と同
様の仕様に設定し直して、180℃に昇温した。酸価が
57となるまで、此の温度を保持して、エステル化反応
を行った処、ガードナー気泡粘度計による樹脂溶液(キ
シレンの30%溶液として、その樹脂固形分が70%な
る状態のもの)の粘度がZ7 という樹脂溶液が得られ
た。
ブチルセロソルブの93部と、トリエチルアミンの13
部とで以て希釈せしめた。さらに、予め調製しておい
た、34部の25%アンモニア水溶液と、877部のイ
オン交換水とからなる混合物を、60℃なる温度で、間
欠添加せしめた処、pHが8.4なり、透明状の水性樹
脂が得られた。此の水性樹脂は、トリグリセライド換算
油長が59というものであった。
剤量は5〜6%なる範囲内にあり、実施例1と同様の方
法で測定した平均分散粒子径は、重量平均で以て、20
nm以下であった。
示すものである。
得られたビニル変性脂肪酸溶液の150部と、参考例6
で得られたアルキド樹脂の74部とを仕込んで、200
℃にまで昇温した。
固形分酸価が52となるまで、此の温度を保持して、エ
ステル化反応を行ってから、揮発分を減圧除去せしめた
のち、ブチルセロソルブの27部を添加せしめた。
であり、ガードナー気泡粘度計による樹脂溶液(キシレ
ンの30%溶液として、樹脂固形分が70%なる状態の
もの)の粘度はZ8 〜Z9 であった。
5%アンモニア水溶液と、251部のイオン交換水とか
らなる混合物を、60℃なる温度で、間欠添加せしめた
処、不揮発分が38%で、pHが7.8なる、透明状の
水性樹脂が得られた。此の水性樹脂は、トリグリセライ
ド換算油長が55%なるものであった。
剤量は5〜6%なる範囲内にあり、実施例1と同様の方
法で測定した平均分散粒子径は、重量平均で以て、20
nm以下であった。
示すものである。
得られたビニル化脂肪酸溶液の150部と、参考例6で
得られたアルキド樹脂の82部とを仕込んで、180℃
にまで昇温した。
固形分酸価が35となるまで、此の温度を保持して、エ
ステル化反応を行ってから、揮発分を減圧除去せしめた
のち、ブチルセロソルブの28部を添加せしめた。
であり、ガードナー気泡粘度計による、キシレンの30
%溶液として、樹脂固形分が70%なる状態のものの粘
度はZ4 であった。
%アンモニア水溶液と、268部のイオン交換水とから
なる混合物を、60℃なる温度で、間欠添加せしめた
処、不揮発分が38%で、かつ。pHが8.7なる、透
明状の水性樹脂が得られた。此の水性樹脂は、トリグリ
セライド換算油長が57%なるものであった。
剤の含有率は、5〜6%なる範囲内にあったし、しか
も、実施例1と同様の方法で以て測定した平均分散粒子
径は、重量平均で以て、20nm以下であった。
するための例を示すものである。
肪酸の150部と、亜麻仁油脂肪酸の171部とを仕込
んで、窒素ガスを導入しながら昇温し、ペンタエリスリ
トールの78部およびイソフタル酸の67部を順次仕込
んだ。
ドの0.06部を添加せしめ、さらに、200℃にまで
昇温し、此の温度を、1.5時間のあいだ保持した。
し、固形分酸価が6に達するまで反応せしめた処、水酸
基価が50で、かつ、ガードナー気泡粘度計による粘度
がZ4なる樹脂が得られた。
を、参考例1と同様の反応容器に取り出して、此の樹脂
を、116部のブチルセロソルブで以て希釈せしめ、引
き続いて、130℃に昇温したのち、同温度で、予め調
製しておいた、イソブチルメタクリレートの114部お
よびアクリル酸の56部と、tert−ブチルパーオキ
シベンゾエートの9部とからなる混合物を、3時間かけ
て連続滴下せしめた。
超えるまでは、130℃に保持して反応せしめた処、不
揮発分が87%で、固形分酸価が58で、かつ、ガード
ナー気泡粘度計による粘度がZ7 なる樹脂が得られた。
200部を、別の容器に取り出し、これに、12部の2
5%アンモニア水溶液と、246部のイオン交換水とか
らなる混合物を、60℃で以て、間欠添加せしめた処、
不揮発分が38%で、かつ、pHが8.1なる、若干な
がら、外観上、ヘイズのある水性樹脂が得られた。此の
水性樹脂は、トリグリセライド換算油長が61%なるも
のであった。
剤の含有率は5〜6%の範囲内にあり、しかも、実施例
1と同様の方法で測定した平均分散粒子径は、重量平均
で以て、45nmなるものであった。
調製するというための例を示すものである。
得られたビニル変性脂肪酸溶液の115部と、参考例9
で得られたアルキド樹脂の93部とを仕込んで、200
℃にまで昇温させた。
保持して、エステル化反応を行ってから、揮発分を減圧
除去せしめたのち、ブチルセロソルブの26部を添加せ
しめた。かくして得られた樹脂の不揮発分は86%であ
り、ガードナー気泡粘度計による、キシレンの30%な
る溶液として、樹脂固形分が70%なる粘度はZ6 〜Z
7 であった。
5%アンモニア水溶液と、243部のイオン交換水とか
らなる混合物を、60℃なる温度で以て、間欠添加せし
めた処、不揮発分が38%で、かつ、pHが7.8な
る、若干ながら、外観上、ヘイズのある水性樹脂が得ら
れた。此の水性樹脂は、トリグリセライド換算が57%
なるものであった。
剤の含有率は5〜6%なる範囲内にあり、実施例1と同
様の方法で測定した平均分散粒子径は、重量平均で以
て、43nmなるものであった。
調製するというための例を示すものである。
6部を添加する代わりに、3−メトキシブタノールの2
6部を添加せしめた。かくして得られた水性樹脂に含ま
れている有機溶剤量は5〜6%なる範囲内にあり、実施
例1と同様の方法で測定した平均分散粒子径は25nm
であった。
らびに比較例1〜3なる各例において得られた、各種の
水性樹脂それ自体の、それぞれ、40℃と、50℃とで
の貯蔵安定性と、塗料配合したのちの塗料液の、それぞ
れ、25℃と、40℃とでの貯蔵安定性とについての評
価判定を行った。それらの結果は、まとめて、第1表に
示す。
要領で以て行ったものである。
は、「水性樹脂単独の安定性」と略記している。)は、
水性樹脂それ自体(つまり、溶剤;あるいは中和のため
の塩基性化合物以外、一切の添加剤などを含んではいな
いという形でのもの)をガラス瓶に入れて密閉した、各
種の検体水性樹脂を、
いて貯蔵せしめ、一週間後、二週間後および四週間後に
取り出して、それぞれの該検体の外観を、目視により判
定するという一方で、それぞれの該検体の粘度を、東京
計器(株)製のB型粘度計で以て測定した。なお、その
際の測定条件としては、No.4ローターによる、30
rpmなる回転数を採用している。
し、白色顔料としては、タイペークR−930」[石原
産業(株)製の、酸価チタンの商品名]の75部を、体
質顔料としては、「ホモカル D」[白石工業(株)製
の、炭酸カルシウムの商品名]の25部を、そして、消
泡剤としては、「BYK−080」[BYK社製品の、
商品名]の1部を用いて、サンドミルにより、30分間
のあいだ顔料分散を行うというようにして行ったもので
ある。
の水性樹脂の62部でレット・ダウンせしめ、「ディッ
クネート 3111」[大日本インキ化学工業(株)製
の、水性ドライヤーの商品名]の2部を添加せしめた。
ーマー粘度計で以て、75〜80KUなる範囲内になる
ように、初期の塗料液粘度を調整せしめた。
製条件で作製した、それぞれの塗料液をガラス瓶に入れ
て密閉したものを、35℃に設定した温風循環型乾燥器
に貯蔵せしめ、それぞれ、二週間後と、四週間後とに取
り出して、よく、かき混ぜたのち、ストーマー粘度計を
用いて、それぞれの塗料液の粘度を測定した。
OH/g」である。
た時点での粘度測定値)/(初期の粘度測定値)×10
0」で以て表したものである。上段の数値は40℃で貯
蔵したものであって、下段の数値は、50℃で貯蔵した
ものの数値である。
た時点での粘度測定値)/(初期の粘度測定値)×10
0」で以て表したものである。上段の数値は25℃で貯
蔵したものであって、下段の数値は40℃で貯蔵したも
のの数値である。
れ、次のような分散状態を意味している。
かし、沈降物は生じていない。
沈降物が生じている。
を意味している。
物が堆積して、固化してしまっている。
明らかなように、本発明に係る、水性アルキド樹脂の製
造法により得られる、此の水性アルキド樹脂は、とりわ
け、樹脂の安定性にも、さらには、塗料の安定性にも優
れるというものである。したがって、本発明は、極めて
実用性の高い水性アルキド樹脂の製造法であると言い得
よう。
Claims (7)
- 【請求項1】 不飽和脂肪酸(a−1)と、カルボキシ
ル基含有ビニル系単量体(a−2)と、スチレンおよび
/またはスチレン誘導体(a−3)と、その他のビニル
系単量体(a−4)とを重合せしめること、上記したス
チレンおよび/またはスチレン誘導体(a−3)なる原
料成分が、該(a−3)成分と、上記した、その他のビ
ニル系単量体(a−4)なる原料成分との合計量に対し
て、少なくとも20重量%含まれているビニル化脂肪酸
と、ポリオール化合物とを縮合せしめること、次いで、
かくして得られる縮合生成物を、塩基性化合物で以て中
和せしめることを特徴とする、水性アルキド樹脂の製造
法。 - 【請求項2】 前記した縮合生成物が、前記したカルボ
キシル基含有ビニル系単量体(a−2)に由来するカル
ボキシル基のモル数として、該(a−2)成分と、前記
したスチレンおよび/またはスチレン誘導体(a−3)
成分と、前記した、その他のビニル系単量体(a−4)
成分との合計モル数に対して、約10〜約60モル%と
いう範囲内にあるものである、請求項1に記載の製造
法。 - 【請求項3】 前記したカルボキシル基含有ビニル系単
量体(a−2)がメタクリル酸である、請求項1または
2に記載の製造法。 - 【請求項4】 前記したビニル化脂肪酸が、該ビニル化
脂肪酸を基準として、前記した不飽和脂肪酸(a−1)
を、約20〜約70重量%なる範囲内で以て含むもので
ある、請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項5】 前記したポリオール化合物が、多価アル
コールと、多価カルボン酸および/またはモノカルボン
酸とを縮合させることにより得られるものである、請求
項1〜4のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項6】 前記したポリオール化合物が、動物油、
植物油および/またはその脂肪酸と、多価アルコール
と、多価カルボン酸および/またはモノカルボン酸とを
縮合させることにより得られるものである、請求項1〜
5のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項7】 前記した水性アルキド樹脂のトリグリセ
ライド換算油長が約20〜約70%なる範囲内である、
請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
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---|---|---|---|
JP26283395A JP3564825B2 (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | 水性アルキド樹脂の製造法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100598069B1 (ko) * | 2003-12-23 | 2006-07-07 | (주)캡스톤엔지니어링 | 수용성 알키드 수지 조성물 및 이를 이용한 도료 |
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EP4122974A4 (en) * | 2020-03-19 | 2024-04-17 | DIC Corporation | AQUEOUS RESIN COMPOSITION, AQUEOUS COATING MATERIAL AND COATED ARTICLE |
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- 1995-10-11 JP JP26283395A patent/JP3564825B2/ja not_active Expired - Lifetime
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