JPH09104473A - バッグインボックス用内装袋 - Google Patents

バッグインボックス用内装袋

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JPH09104473A
JPH09104473A JP28932995A JP28932995A JPH09104473A JP H09104473 A JPH09104473 A JP H09104473A JP 28932995 A JP28932995 A JP 28932995A JP 28932995 A JP28932995 A JP 28932995A JP H09104473 A JPH09104473 A JP H09104473A
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JP
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bag
inner bag
box
ethylene
film
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JP28932995A
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English (en)
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Takeo Tomatsuri
丈夫 戸祭
Norimasa Sekine
徳政 関根
Nobuo Furusawa
伸夫 古沢
Shunichi Kato
俊一 加藤
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ピンホール性、滑り性に優れたバッグ
インボックス用内装袋の提供。 【解決手段】 シングルサイト触媒で重合して得られた
エチレン−αオレフィン共重合体からなるバッグインボ
ックス用内装袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバッグインボックス用内
装袋に関し、特に、バッグインボックスの内装袋にシン
グルサイト触媒で重合して得られたエチレン−αオレフ
ィン共重合体を用いたバッグインボックス用内装袋に関
する。
【0002】
【従来の技術】液体包装容器の一つとしてバッグインボ
ックス(bag in box)がある。バッグインボックスは、注
出口を有した薄肉成形容器またはフィルム袋の内装と段
ボール箱の外装とから構成される複合形態の液体容器で
あり、軽量、強くて丈夫、持ち運びに便利、廃棄処理が
容易、流通コストが安価、化学的に安定、無菌包装に優
れた衛生性、容器回収が不要、商品性があるなど多くの
優れた性質から広く利用されている。
【0003】従来、バッグインボックスの内装袋には、
成形あるいはヒートシールが容易である等の理由で、低
密度ポリエチレンやエチレン−αオレフィン共重合体か
らなる薄肉成形容器あるいはフィルム袋が用いられてい
る。また、保存中に液体状内容物が漏れないように、薄
肉成形容器では容器の肉厚を厚くしたり、フィルム袋で
は2重袋、あるいは3重袋にして使用されている。
【0004】内装袋の主な内容物としては、液体状のも
ので、具体的には、水、ジュース、牛乳、コーヒー、ウ
ーロン茶、だしつゆ、醤油、ミルクシェイク、クリー
ム、食用油、シロップなどの食料品やシャンプー、リン
ス、写真現像液、農薬などの食料品以外のものがあり、
その容量としては2リットルから1000リットルまで
の主に業務用まで広く利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バッグ
インボックスの内装袋として、低密度ポリエチレンを使
用した場合、フィルム強度が弱く、輸送中などのストレ
スや衝撃、屈曲疲労により、ピンホールが生じやすく、
内容物の液漏れが発生するという問題があった。また、
活性点が複数のマルチサイト触媒(従来の触媒)である
チグラー触媒で重合して得られるエチレン−αオレフィ
ンにおいて、コモノマー成分を多くし、柔軟性を高めて
耐ピンホール性を向上させることはできるが、反面、コ
モノマー成分の増大と共に低分子量成分が多くなり、そ
の結果、フィルムの滑り性が低下し、そのままではフィ
ルム成形あるいは製袋時に支障をきたしてしまう。
【0006】そこで滑り性を向上させるため滑剤を添加
すると滑剤が内容物に移行して内容物の味覚や成分を変
化させたり、あるいはフィルム表面へ移行した滑剤によ
り、ヒートシール強度が低下するという問題がある。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、耐ピンホール性、滑り性に優れたバッグインボック
ス用内装袋を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するべく考えられたもので、請求項1の発明はシングル
サイト触媒で重合して得られたエチレン−αオレフィン
共重合体からなることを特徴とするバッグインボックス
用内装袋である。
【0009】請求項2の発明はバックインボックス用内
装袋が薄肉成形容器またはフィルム袋から構成されてい
ることを特徴とする請求項1記載のバッグインボックス
用内装袋である。
【0010】請求項3の発明はバックインボックス用内
装袋が少なくとも1層の薄肉成形容器から構成され、そ
のうちの少なくとも1層がシングルサイト触媒で重合し
て得られたエチレン−αオレフィン共重合体からなるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のバックインボッ
クス用内装袋である。
【0011】請求項4の発明はバックインボックス用内
装袋が内袋および外袋からなるフィルム袋から構成さ
れ、該内袋および外袋の少なくとも1つがシングルサイ
ト触媒で重合して得られたエチレン−αオレフィン共重
合体からなることを特徴とする請求項1または2記載の
バッグインボックス用内装袋である。
【0012】請求項5の発明は薄肉成形容器の少なくと
も1層はシングルサイト触媒で重合して得られたエチレ
ン−αオレフィン共重合体と酸素バリア性材料、水蒸気
バリア性材料、耐衝撃性材料および保香バリア性材料か
らなる群から選ばれる少なくとも1つの材料との積層体
から構成されていることを特徴とする請求項1、2また
は3記載のバッグインボックス用内装袋である。
【0013】請求項6の発明はフィルム袋の内袋および
外袋の少なくとも1つがシングルサイト触媒で重合して
得られたエチレン−αオレフィン共重合体と酸素バリア
性材料、水蒸気バリア性材料、耐衝撃性材料および保香
バリア性材料からなる群から選ばれる少なくとも1つの
材料との積層体から構成されていることを特徴とする請
求項1、2または4記載のバッグインボックス用内装袋
である。
【0014】請求項7の発明はαオレフィンの少なくと
も1つがブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1、オクテン−1からなる群から選ばれることを特
徴とする請求項1記載のバッグインボックス用内装袋で
ある。
【0015】請求項8の発明はシングルサイト触媒で重
合して得られたエチレン−αオレフィン共重合体の密度
が0.88〜0.92g/cm3であることを特徴とす
る請求項1記載のバッグインボックス用内装袋である。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明のバッグインボックス用内装袋には
シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−αオレ
フィン共重合体が用いられている。
【0018】シングルサイト触媒は重合活性点が単一
(シングルサイト)であることを特徴とし、この触媒を
用いて重合したエチレン−αオレフィン共重合体は従来
のチーグラー触媒に見られるマルチサイト触媒を用いて
得られるエチレン−αオレフィン共重合体では得られな
い優れた特性を有している。
【0019】シングルサイト触媒の代表的なものとして
は、メタロセン触媒、いわゆるカミンスキー触媒があ
る。このシングルサイト触媒はメタロセン系遷移金属化
合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒であり、メ
タロセン系遷移金属化合物としては、例えば、ジルコニ
ウム系化合物、チタニウム系化合物、シリカ系化合物等
が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】また、有機アルミニウム化合物としてはア
ルキルアルミニウム、鎖状あるいは環状アルミノキサン
等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0021】重合方法としては液状重合法、気相重合
法、スラリー重合法などがあるが、何れも特に限定され
ない。
【0022】エチレンと共重合されるコモノマーである
αオレフィンとしては、ブテン−1、ヘキセン−1、4
−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙げられる。
これらのαオレフィンは単独で使用してもよく、2以上
を混合して使用してもよい。
【0023】エチレンとαオレフィンの混合比率は5〜
20重量%が好ましく、重合されたエチレン−αオレフ
ィン共重合体の密度としては、0.88〜0.92g/
cm3が望ましい。また、分子量としては1×103〜1
×106、メルトフローレイト(MFR)としては0.
1〜20g/10minである。なお、エチレン−αオ
レフィン共重合体には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無
機および有機充填剤、染料、顔料などの各種の添加剤を
適宜添加しても良い。
【0024】これらシングルサイト触媒を用いて重合さ
れたエチレン−αオレフィン共重合体からなるバッグイ
ンボックス用内装袋の成形方法として、薄肉成形容器で
は、2枚のシートを真空成形して溶着する真空成形法
や、押出機から押出されたパリソンを予めブローしなが
ら切断し、金型で型締めして成形するブロー成形法があ
る。また、フィルム袋では、Tダイ成形、インフレーシ
ョン成形によってフィルムを成形し、製袋機にて2重袋
あるいは3重袋に重ねて4方をヒートシールあるいはイ
ンパルスシールにて熱融着し、袋状にする方法がある。
【0025】本発明のバッグインボックス用内装袋の製
造には、上記成形方法の何れも使用でき、又これらの成
形方法に限定されない。これらの成形方法のうち、フィ
ルムを重ねて熱融着し袋状にする方法に、本発明のシン
グルサイト触媒で重合されたエチレン−αオレフィン共
重合体を用いると、融解熱量が小さく、少ない熱量でフ
ィルムをシールすることができるので製袋スピードを速
くすることができる利点があるので特に好ましい。
【0026】本発明のバッグインボックス用内装袋は、
先ず、薄肉成形容器の内装袋ではシングルサイト触媒で
重合したエチレン−αオレフィン共重合体からなる単独
使用が主であるが、内容物の用途によっては、酸素、水
蒸気、保香などの各種バリア性や耐衝撃性などの機能を
付加させるため、酸素バリア性材料としてエチレン−酢
ビ共重合体ケン化物(EVOH)、水蒸気バリア性材料
としてポリオレフォン(環状ポリオレフィンも含む)、
保香バリア性材料としてPAN、耐衝撃性材料としてポ
リアミドなどの樹脂と2種類以上で共押出法で成形した
容器を使用しても良い。これら2種類の樹脂を接着させ
るため、無水マレイン酸グラフト変性ポリオレフィン等
を用いることができる。
【0027】これらに使用される容器の肉厚としては、
100〜300μmが好ましく、150〜200μmが
特に好ましい。
【0028】一方、フィルム袋では2重袋あるいは3重
袋、さらにはそれ以上から構成されるが、内容物に接触
する側のフィルムを内袋、それより外側のフィルムを外
袋とすると、本発明のバッグインボックス用内装袋は、
内袋、外袋が何れもシングルサイト触媒で重合して得ら
れたエチレン−αオレフィン共重合体からなるもの、あ
るいは、内袋、外袋の何れかがシングルサイト触媒で重
合して得られたエチレン−αオレフィン共重合体からな
るものである。
【0029】これら内袋、外袋に使用されるフィルム
は、シングルサイト触媒で重合したエチレン−αオレフ
ィン共重合体からなるものを単独で使用することが基本
であるが、内容物の種類によっては、酸素、水蒸気、保
香などの各種バリア性や耐衝撃性などの機能を付与させ
るため、酸素バリア性材料としてEVOH、ポリ塩化ビ
ニリデン(PVDC)、アルミ箔、アルミニウムや珪素
酸化物などを蒸着した二軸延伸ポリアミドフィルムや二
軸延伸ポリエステルフィルム、水蒸気バリア性材料とし
てはポリオレフィン(環状ポリオレフィンも含む)、保
香バリア性材料としてはPAN、耐衝撃性材料としては
二軸延伸ポリアミドなどの樹脂を二種類以上積層したフ
ィルムを使用しても良い。
【0030】積層方法としては、共押出法、ニーラム
法、押出ラミ法、ドライラミネート法があるが、これら
に特に制約されるものではない。
【0031】これらに使用されるフィルムの膜厚は40
〜200μmが好ましく、50〜150μmが特に好ま
しい。
【0032】
【作用】本発明のシングルサイト触媒で重合したエチレ
ン−αオレフィン共重合体は、従来のマルチサイト触媒
で重合したエチレン−αオレフィン共重合体に比べ、分
子量分布が狭く(Mw/Mn=3以下)、均一な組成分
布を示し、分子構造的に整ったポリマーである。これら
分子構造的な面から、これらのポリマーから成形した容
器あるいはフィルムは、引張強度、衝撃強度、引裂強度
がいずれも高い特長があり、特に重合体の密度が小さい
ほど柔軟性があり、耐ピンホール性が優れる。従って、
輸送時におけるストレスや衝撃、屈曲疲労に対する耐性
が高く、このためピンホールによる液漏れが生じない優
れたバッグインボックス用内装袋が得られる。
【0033】また、シングルサイト触媒で重合したエチ
レン−αオレフィン共重合体は、従来のマルチサイト触
媒で重合したポリマーに比べ、低分子量成分が少なく、
そのため、フィルム同士のブロッキングが小さい。ま
た、滑り性が良いので、滑剤の添加量を少なくすること
ができ、従って、内容物の味覚や成分への影響が小さ
く、かつ、滑剤の影響によるヒートシール強度の低下は
起こりにくいので、フィルム成形あるいは製袋時の機械
適性に優れ、かつ、輸送時の内容物保護性を損なうこと
がない優れたバッグインボックス用内装袋が得られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0035】〈実施例1〉シングルサイト触媒を用い
て、溶液重合法で得られた密度0.902g/cm3
エチレン−オクテン−1共重合体(MI=3)をTダイ
成形法にて、押出温度240℃に溶融し、膜厚75μm
の本発明のバッグインボックス用内装袋のフィルムを作
成した。
【0036】〈実施例2〉実施例1と同様にシングルサ
イト触媒を用いて、溶液重合法で得られた密度0.90
8g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体(MI
=1.0)をインフレーション法により、押出温度20
0℃に溶融し、膜厚75μmの本発明のバッグインボッ
クス用内装袋のフィルムを作成した。
【0037】〈実施例3〉シングルサイト触媒を用い
て、気相重合法で得られた密度0.910g/cm3
エチレン−ヘキセン−1共重合体(MI=3.5)をT
ダイ成形法にて、押出温度240℃に溶融し、膜厚75
μmの本発明びバッグインボックス用内装袋のフィルム
を作成した。
【0038】〈実施例4〉図1に示すようにTダイ共押
出法にて、2種2層構成で、実施例1の密度0.902
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体(膜厚5
0μm)とシングルサイト触媒を用いて、溶液重合法で
得られた密度0.935g/cm3のエチレン−オクテ
ン−1共重合体(MI=2.5、膜厚25μm)とを積
層した膜厚75μmの本発明のバッグインボックス用内
装袋のフィルムを作成した。
【0039】〈実施例5〉図2に示すようにTダイ共押
出法にて2種3層構成で、外側の両側が実施例1の密度
0.902g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合
体(各膜厚25μm)で、中間層がシングルサイト触媒
を用いて、溶液重合法で得られた密度0.935g/c
3のエチレン−オクテン−1共重合体(MI=2.
5、膜厚25μm)である本発明のバッグインボックス
用内装袋のフィルムを作成した。
【0040】〈実施例6〉図3に示すように、実施例1
の密度0.902g/cm3のエチレン−オクテン−1
共重合体をPVDCコートされた膜厚15μmの二軸延
伸ナイロンフィルム上にウレタン系接着剤を用い、ラミ
ネート部にオゾン処理を行い、押出温度270℃にて膜
厚35μmを押出コーティングし、さらに、その押出コ
ーティング面と反対側に実施例1と同じ密度0.902
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体をウレタ
ン系接着剤を用い、押出温度240℃にて、コロナ処理
を用いてニーラム法で膜厚55μmのフィルムを積層し
た本発明のバッグインボックス用内装袋の積層フィルム
を作成した。
【0041】〈実施例7〉実施例6において、PVDC
のコートの代わりに珪素酸化物を膜厚400オングスト
ロームで蒸着した膜厚15μmの二軸延伸ナイロンフィ
ルムを用い、以下、実施例6と同様に行って積層した本
発明のバッグインボックス用内装袋のフィルムを作成し
た。
【0042】〈比較例1〉マルチサイト触媒(チグラー
触媒)を用いて、溶液重合法で得られた密度0.917
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体(MI=
2.3)を実施例1と同様に膜厚75μmのフィルムを
作成した。
【0043】〈比較例2〉マルチサイト触媒(チグラー
触媒)を用いて、溶液重合法で得られた密度0.915
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体(MI=
1)を実施例2と同様に膜厚75μmのフィルムを作成
した。
【0044】〈比較例3〉マルチサイト触媒(チグラー
触媒)を用いて、気相重合法で得られた密度0.912
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体(MI=
3.3)を実施例2と同様に膜厚75μmのフィルムを
作成した。
【0045】〈比較例4〉図1に示すようにTダイ共押
出法にて、2種2層構成で、比較例1の密度0.917
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体(膜厚5
0μm)とマルチサイト触媒(チグラー触媒)を用い
て、溶液重合法で得られた密度0.935g/cm3
エチレン−オクテン−1共重合体(MI=2.5、膜厚
25μm)とを積層した膜厚75μmのフィルムを作成
した。
【0046】〈比較例5〉図2に示すようにTダイ共押
出法にて2種3層構成で、外側の両側が比較例1の密度
0.917g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合
体(各膜厚25μm)で、中間層がマルチサイト触媒
(チグラー触媒)を用いて、溶液重合法で得られた密度
0.935g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合
体(MI=2.5、膜厚25μm)である膜厚75μm
のフィルムを作成した。
【0047】〈比較例6〉図3に示すように、比較例1
の密度0.917g/cm3のエチレン−オクテン−1
共重合体を実施例6と同様にPVDCコートされた膜厚
15μmの二軸延伸ナイロンフィルム上にウレタン系接
着剤を用い、ラミネート部にオゾン処理を行い、押出温
度270℃にて膜厚35μmを押出コーティングし、さ
らに、その押出コーティング面と反対側に比較例1と同
じ密度0.917g/cm3のエチレン−オクテン−1
共重合体をウレタン系接着剤を用い、押出温度240℃
にて、コロナ処理を用いてニーラム法で膜厚55μm積
層したフィルムを作成した。
【0048】〈比較例7〉比較例6において、PVDC
コートの代わりに珪素酸化物を膜厚400オングストロ
ームで蒸着した膜厚15μmの二軸延伸ナイロンフィル
ムを用い、以下、比較例6と同様に行って積層したフィ
ルムを作成した。
【0049】実施例1〜7及び比較例1〜7について、
各々作成したフィルムの耐ピンホール性を評価した。
【0050】耐ピンホール性の評価についてはMIL規
格(B131C)に基づき、屈曲試験(ゲルボフレック
ステスター:理学工業(株)製)を行った。
【0051】具体的な方法としては、各試作したフィル
ムを幅203mm、長さ305mmにカットし、試験装
置にセットする。雰囲気温度−10℃にて1000回揉
む。揉む動作としては440゜×3.5インチ−ネジリ
と2.5インチ−直線で1分間に40回の速さ(40サ
イクル/min)で行い、揉んだフィルムの四方をセロ
ハンテープで白い厚紙(坪量340g/m2)に貼り付
け、フィルムの上から赤い色の浸透液(ミクロチェック
液:日本工材(株)製)を塗布し、厚紙へ浸透した数を
数え、これをピンホール数とした。n数を3とし、平均
のピンホールを表1に示す。
【0052】次に耐衝撃性を評価するため、バッグイン
ボックスの容器を作成し、落下テストを行った。
【0053】〈実施例8〉実施例1のフィルムを製袋機
にて、注ぎ口が付いた大きさ530mm×570mmの
四方ヒートシールした2重袋の内装袋を作成し、水20
リットルを充填し、密封した本発明のバッグインボック
ス用内装袋を作成した。
【0054】〈実施例9〉実施例2のフィルムを行い、
以下、実施例8と同様に行い、本発明のバッグインボッ
クス用内装袋を作成した。
【0055】〈実施例10〉実施例3のフィルムを用
い、以下、実施例8と同様に行い、本発明のバッグイン
ボックス用内装袋を作成した。
【0056】〈実施例11〉実施例5のフィルムを用
い、以下、実施例8と同様に行い、本発明のバッグイン
ボックス用内装袋を作成した。
【0057】〈実施例12〉内袋に実施例1のフィルム
を、外袋に実施例6のフィルムをそれぞれ用い、以下、
実施例8と同様に行い、本発明のバッグインボックス用
内装袋を作成した。
【0058】〈実施例13〉内袋を実施例7のフィルム
を、外袋を実施例1のフィルムとして、以下、実施例8
と同様に行い、本発明になるバッグインボックス用内装
袋を作成した。
【0059】〈比較例8〉比較例1のフィルムを製袋機
にて、注ぎ口が付いた大きさ530mm×570mmの
四方をヒートシールした2重袋の内装袋を作成し、水2
0リットルを充填し、密封した本発明のバッグインボッ
クス用内装袋を作成した。
【0060】〈比較例9〉比較例2のフィルムを用い、
以下、比較例8と同様に行い、バッグインボックス用内
装袋を作成した。
【0061】〈比較例10〉比較例3のフィルムを用
い、以下、比較例8と同様に行い、バッグインボックス
用内装袋を作成した。
【0062】〈比較例11〉比較例5のフィルムを用
い、以下、比較例8と同様に行い、バッグインボックス
用内装袋を作成した。
【0063】〈比較例12〉内袋に比較例1のフィルム
を、外袋に比較例6のフィルムをそれぞれ用い、以下、
実施例8と同様にして、バッグインボックス用内装袋を
作成した。
【0064】〈比較例13〉内袋に比較例7のフィルム
を、外袋を比較例1のフィルムをそれぞれ用い、以下、
実施例8と同様にして、バッグインボックス用内装袋を
作成した。
【0065】実施例8〜13及び比較例8〜13につい
て、各々作成したバッグインボックスの落下テストを行
った。
【0066】落下テストの評価は、先ず、各々に水20
リットルを充填密封したバッグインボックス用内装袋を
雰囲気温度5℃下に一昼夜保存後、コンクリート床面に
落下させた。落下方法は、内装袋のボトム、サイド、水
平の3方向から、いずれも高さ50cmより落下させ、破
袋するまで5回の落下を繰り返した。表2に落下テスト
の結果を示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】 表1、表2から明らかのように本発明に係る実施例1〜
7のフィルム、実施例8〜13のバッグインボックス用
内装袋は、屈曲疲労によるピンホール性に優れ、落下テ
ストから耐衝撃性に優れていることがわかる。
【0069】
【発明の効果】本発明のバッグインボックス用内装袋は
上記の構成になっているため、このシングルサイト触媒
で重合したエチレン−αオレフィン共重合体は、分子量
分布が狭く、均一な組成分布を示し、分子構造的に整っ
たポリマーが得られ、耐衝撃性や屈曲疲労に対する耐性
が高く、ピンホールによる液漏れが生じない優れたバッ
グインボックス用内装袋が得られる。
【0070】また、シングルサイト触媒で重合したエチ
レン−αオレフィン共重合体は、滑り性が良いので、滑
剤の添加量を少なくすることができ、従って、内容物の
味覚や成分への影響が小さく、かつ、滑剤の影響による
ヒートシール強度の低下は起こりにくいので、フィルム
成形あるいは製袋時の機械適性に優れ、かつ、輸送時の
内容物保護性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッグインボックス用内装袋において
構成する積層体の部分断面図である。
【図2】本発明のバッグインボックス用内装袋において
構成する積層体の他の例を示す部分断面図である。
【図3】本発明のバッグインボックス用内装袋において
構成する積層体の他の例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1、2・・・シングルサイト触媒で重合して得られたエ
チレン−αオレフィン共重合体 3・・・ウレタン系接着剤 4・・二軸延伸ナイロン 5・・・PVDCコート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 俊一 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルサイト触媒で重合して得られた
    エチレン−αオレフィン共重合体からなることを特徴と
    するバッグインボックス用内装袋。
  2. 【請求項2】 バックインボックス用内装袋が薄肉成形
    容器またはフィルム袋から構成されていることを特徴と
    する請求項1記載のバッグインボックス用内装袋。
  3. 【請求項3】 バックインボックス用内装袋が少なくと
    も1層の薄肉成形容器から構成され、そのうちの少なく
    とも1層がシングルサイト触媒で重合して得られたエチ
    レン−αオレフィン共重合体からなることを特徴とする
    請求項1または2記載のバックインボックス用内装袋。
  4. 【請求項4】 バックインボックス用内装袋が内袋およ
    び外袋からなるフィルム袋から構成され、該内袋および
    外袋の少なくとも1つがシングルサイト触媒で重合して
    得られたエチレン−αオレフィン共重合体からなること
    を特徴とする請求項1または2記載のバッグインボック
    ス用内装袋。
  5. 【請求項5】 薄肉成形容器の少なくとも1層はシング
    ルサイト触媒で重合して得られたエチレン−αオレフィ
    ン共重合体と酸素バリア性材料、水蒸気バリア性材料、
    耐衝撃性材料および保香バリア性材料からなる群から選
    ばれる少なくとも1つの材料との積層体から構成されて
    いることを特徴とする請求項1、2または3記載のバッ
    グインボックス用内装袋。
  6. 【請求項6】 フィルム袋の内袋および外袋の少なくと
    も1つがシングルサイト触媒で重合して得られたエチレ
    ン−αオレフィン共重合体と酸素バリア性材料、水蒸気
    バリア性材料、耐衝撃性材料および保香バリア性材料か
    らなる群から選ばれる少なくとも1つの材料との積層体
    から構成されていることを特徴とする請求項1、2また
    は4記載のバッグインボックス用内装袋。
  7. 【請求項7】 αオレフィンの少なくとも1つがブテン
    −1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテ
    ン−1からなる群から選ばれることを特徴とする請求項
    1記載のバッグインボックス用内装袋。
  8. 【請求項8】 シングルサイト触媒で重合して得られた
    エチレン−αオレフィン共重合体の密度が0.88〜
    0.92g/cm3であることを特徴とする請求項1記
    載のバッグインボックス用内装袋。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347838A (ja) * 2001-05-23 2002-12-04 Dainippon Printing Co Ltd バッグインボックス
JP2004255775A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Toppan Printing Co Ltd 耐ピンホール性を有するガスバリア性積層体
JP2012030866A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Kyoraku Co Ltd 包装袋入り食用油の製造方法

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