JPH09103850A - 薄鋳片鋳造機用冷却ドラムの窪み形成方法 - Google Patents
薄鋳片鋳造機用冷却ドラムの窪み形成方法Info
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- JPH09103850A JPH09103850A JP26275295A JP26275295A JPH09103850A JP H09103850 A JPH09103850 A JP H09103850A JP 26275295 A JP26275295 A JP 26275295A JP 26275295 A JP26275295 A JP 26275295A JP H09103850 A JPH09103850 A JP H09103850A
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- Japan
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- casting machine
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- cooling drum
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 薄鋳片を製造する連続鋳造機の冷却ドラム周
面に所定深さの窪みを効率良く設けるとともに、窪みの
変形や磨滅を防止してドラム寿命の延長および鋳片の割
れ発生防止を図る。 【解決手段】 薄鋳片を製造する連続鋳造機用冷却ドラ
ムの外筒部1Aの周面にNi層6を形成し、Ni層6に
ショットブラスト処理を施して平均深さ10〜50μm
の窪みdを形成する。ショットブラスト処理を施した表
面に電気メッキ処理を施すと、ショットブラスト処理表
面の凸部tに電位が集中するため、凸部tのメッキ厚み
が窪み部dのそれと比べて厚くなる。このとき電気メッ
キ厚みを10〜500μmにすると、窪みdの平均深さ
を目的とする30〜150μmにすることができる。
面に所定深さの窪みを効率良く設けるとともに、窪みの
変形や磨滅を防止してドラム寿命の延長および鋳片の割
れ発生防止を図る。 【解決手段】 薄鋳片を製造する連続鋳造機用冷却ドラ
ムの外筒部1Aの周面にNi層6を形成し、Ni層6に
ショットブラスト処理を施して平均深さ10〜50μm
の窪みdを形成する。ショットブラスト処理を施した表
面に電気メッキ処理を施すと、ショットブラスト処理表
面の凸部tに電位が集中するため、凸部tのメッキ厚み
が窪み部dのそれと比べて厚くなる。このとき電気メッ
キ厚みを10〜500μmにすると、窪みdの平均深さ
を目的とする30〜150μmにすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、普通鋼、ステンレ
ス鋼、合金鋼、珪素鋼およびその他の金属の溶湯から直
接に薄鋳片を製造する、単ドラム式や双ドラム式の連続
鋳造機用冷却ドラムの周面に、窪みを形成する方法に関
するものである。
ス鋼、合金鋼、珪素鋼およびその他の金属の溶湯から直
接に薄鋳片を製造する、単ドラム式や双ドラム式の連続
鋳造機用冷却ドラムの周面に、窪みを形成する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】金属溶湯から直接に薄鋳片(板厚約1〜
10mm)を製造する装置として、金属溶湯を回転する冷
却ドラムの周面に供給して冷却凝固する連続鋳造機が知
られている。このような連続鋳造機として冷却ドラムを
1つ用いる単ドラム式連続鋳造機と、冷却ドラムを2つ
用いる双ドラム式連続鋳造機とがある。
10mm)を製造する装置として、金属溶湯を回転する冷
却ドラムの周面に供給して冷却凝固する連続鋳造機が知
られている。このような連続鋳造機として冷却ドラムを
1つ用いる単ドラム式連続鋳造機と、冷却ドラムを2つ
用いる双ドラム式連続鋳造機とがある。
【0003】そのうちの双ドラム式連続鋳造機について
は、図1に示すように、互いに反対方向へ回転する一対
の冷却ドラム1,1が、水平にかつ所定の間隙を置いて
互いに平行になるように対向設置されており、冷却ドラ
ム1,1の両端面には一対のサイド堰2(一点鎖線で示
す)が押し当てられて冷却ドラム1,1の間隙の上部に
湯溜まり部3が形成されている。
は、図1に示すように、互いに反対方向へ回転する一対
の冷却ドラム1,1が、水平にかつ所定の間隙を置いて
互いに平行になるように対向設置されており、冷却ドラ
ム1,1の両端面には一対のサイド堰2(一点鎖線で示
す)が押し当てられて冷却ドラム1,1の間隙の上部に
湯溜まり部3が形成されている。
【0004】タンディッシュ4内の金属溶湯R(以下、
単に溶湯という)を注湯ノズル5を介して湯溜まり部3
に供給すると、供給された溶湯は冷却ドラム1,1の周
面で冷却して凝固シェルg,gを形成し、凝固シェル
g,gは矢印方向へ回転する冷却ドラム1,1の間隙で
圧着されて一体化し薄鋳片Sとなる。
単に溶湯という)を注湯ノズル5を介して湯溜まり部3
に供給すると、供給された溶湯は冷却ドラム1,1の周
面で冷却して凝固シェルg,gを形成し、凝固シェル
g,gは矢印方向へ回転する冷却ドラム1,1の間隙で
圧着されて一体化し薄鋳片Sとなる。
【0005】冷却ドラムの周面で冷却して形成される凝
固シェルは、急冷によって凝固収縮応力を受けることに
より鋳片表面に割れが発生する。そこで、冷却ドラムの
周面に深さ30〜150μm、円相当径0.5〜2.0
mm程度の窪みを面積率20〜60%程度で設け、窪みと
凝固シェルの間にエアーギャップを形成させることによ
り凝固収縮応力を分散および緩和する方法が知られてい
る。
固シェルは、急冷によって凝固収縮応力を受けることに
より鋳片表面に割れが発生する。そこで、冷却ドラムの
周面に深さ30〜150μm、円相当径0.5〜2.0
mm程度の窪みを面積率20〜60%程度で設け、窪みと
凝固シェルの間にエアーギャップを形成させることによ
り凝固収縮応力を分散および緩和する方法が知られてい
る。
【0006】ところが冷却ドラムの周面に設けた窪みは
磨滅し易いという問題がある。例えば、鋳造中における
冷却ドラム1,1の周面には酸化物等の異物が付着し、
付着した異物によって凝固シェルの不均一冷却を招き、
その結果、鋳片に表面割れが発生する。そこで、通常は
冷却ドラム1,1の周面に付着した異物をブラッシング
により除去しているが、このブラッシングによって窪み
の磨滅が顕著になる。したがって冷却ドラムの周面には
耐磨耗性に優れた硬度が高い材料を用いることが望まし
い。
磨滅し易いという問題がある。例えば、鋳造中における
冷却ドラム1,1の周面には酸化物等の異物が付着し、
付着した異物によって凝固シェルの不均一冷却を招き、
その結果、鋳片に表面割れが発生する。そこで、通常は
冷却ドラム1,1の周面に付着した異物をブラッシング
により除去しているが、このブラッシングによって窪み
の磨滅が顕著になる。したがって冷却ドラムの周面には
耐磨耗性に優れた硬度が高い材料を用いることが望まし
い。
【0007】一方、冷却ドラム1,1の周面に窪みを設
ける手段としては、フォトエッチやレーザーによる方法
とショットブラストによる方法等が知られている。前者
は冷却ドラム周面の硬度が高くても目的とする深さの窪
みを設けることができるが、処理に長時間を要し且つコ
スト高である。一方、後者は短時間で且つ低コストで処
理できるがドラム周面の硬度が高い場合は、目的とする
深さの窪みを設けることが困難である。例えば、目的と
する深さの窪みを設けるために大粒径のショット粒を用
いると、窪み深さのバラツキが大きくなる。その結果、
ドラム寿命延長のために深目の窪みを設けると、窪みの
平均深さは前記範囲である30〜150μmを外れる。
ける手段としては、フォトエッチやレーザーによる方法
とショットブラストによる方法等が知られている。前者
は冷却ドラム周面の硬度が高くても目的とする深さの窪
みを設けることができるが、処理に長時間を要し且つコ
スト高である。一方、後者は短時間で且つ低コストで処
理できるがドラム周面の硬度が高い場合は、目的とする
深さの窪みを設けることが困難である。例えば、目的と
する深さの窪みを設けるために大粒径のショット粒を用
いると、窪み深さのバラツキが大きくなる。その結果、
ドラム寿命延長のために深目の窪みを設けると、窪みの
平均深さは前記範囲である30〜150μmを外れる。
【0008】従来、冷却ドラムの周面に厚み0.01〜
0.05mmのCrメッキ層を設けた冷却ドラムが、例え
ば特開平1−254357号公報によって知られてい
る。Crメッキ層は硬度が高いため窪みは磨滅し難い
が、微細割れによりドラム寿命が短く、またショットブ
ラストによる窪みの加工が難しいため、目的とする深さ
の窪みを形成できないという問題がある。
0.05mmのCrメッキ層を設けた冷却ドラムが、例え
ば特開平1−254357号公報によって知られてい
る。Crメッキ層は硬度が高いため窪みは磨滅し難い
が、微細割れによりドラム寿命が短く、またショットブ
ラストによる窪みの加工が難しいため、目的とする深さ
の窪みを形成できないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却ドラム
周面に目的とする深さの窪みを効率良く設けるととも
に、冷却ドラムの周面および周面に設けた窪みの磨滅を
防止してドラム寿命の延長および鋳片の割れ発生防止を
図ることを課題とする。
周面に目的とする深さの窪みを効率良く設けるととも
に、冷却ドラムの周面および周面に設けた窪みの磨滅を
防止してドラム寿命の延長および鋳片の割れ発生防止を
図ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】冷却ドラムの周面にショ
ットブラスト処理によって窪みを設ける場合、ドラム寿
命延長のために深目の窪みを設けると、窪み深さはバラ
ツキが大きくなって所定範囲を外れる。そこで本発明で
は、ショットブラスト処理による窪みの深さは、目的と
する深さよりも浅いものとし、ショットブラスト処理後
の表面に電気メッキ処理を施すことにより窪みの深さを
バラツキを抑えて目的とする深さにする。
ットブラスト処理によって窪みを設ける場合、ドラム寿
命延長のために深目の窪みを設けると、窪み深さはバラ
ツキが大きくなって所定範囲を外れる。そこで本発明で
は、ショットブラスト処理による窪みの深さは、目的と
する深さよりも浅いものとし、ショットブラスト処理後
の表面に電気メッキ処理を施すことにより窪みの深さを
バラツキを抑えて目的とする深さにする。
【0011】ショットブラスト処理を施した表面に電気
メッキ処理を施すと、ショットブラスト処理表面の凸部
に電位が集中するため、凸部のメッキ厚みが窪み部のそ
れと比べて厚くなる。その結果、窪みの深さが深くなり
窪みは目的とする深さになり、また、窪みの深さは深目
であっても、そのバラツキは小さい。
メッキ処理を施すと、ショットブラスト処理表面の凸部
に電位が集中するため、凸部のメッキ厚みが窪み部のそ
れと比べて厚くなる。その結果、窪みの深さが深くなり
窪みは目的とする深さになり、また、窪みの深さは深目
であっても、そのバラツキは小さい。
【0012】即ち、本発明による薄鋳片鋳造機用冷却ド
ラムの周面に窪みを設ける方法は、冷却ドラムの周面に
ショットブラスト処理を施して目的とする深さよりも浅
い窪みを設けた後、電気メッキ処理を施すことにより前
記窪みの深さを目的とする深さにすることを特徴とす
る。
ラムの周面に窪みを設ける方法は、冷却ドラムの周面に
ショットブラスト処理を施して目的とする深さよりも浅
い窪みを設けた後、電気メッキ処理を施すことにより前
記窪みの深さを目的とする深さにすることを特徴とす
る。
【0013】また、冷却ドラムの周面に平均深さ3〜1
50μmの窪みを設ける場合は、ショットブラスト処理
を施して平均深さ5〜50μmの窪みを設けた後、厚み
10〜500μmの電気メッキ処理を施すことを特徴と
する。
50μmの窪みを設ける場合は、ショットブラスト処理
を施して平均深さ5〜50μmの窪みを設けた後、厚み
10〜500μmの電気メッキ処理を施すことを特徴と
する。
【0014】ショットブラスト処理による窪みの平均深
さが、10μm未満では電気メッキ処理によって目的と
する窪み深さの下限である30μmを達成することが困
難であり、一方、窪みの平均深さが50μmを超えると
電気メッキ処理後の窪み深さのバラツキが大きくなって
適切な深さの窪みにならない場合がある。従って、ショ
ットブラスト処理による窪みの平均深さは10〜50μ
mが望ましい。また、電気メッキ処理によって窪みの平
均深さを30〜150μmにするためには、電気メッキ
層の厚みを10〜500μmにすることが望ましい。
さが、10μm未満では電気メッキ処理によって目的と
する窪み深さの下限である30μmを達成することが困
難であり、一方、窪みの平均深さが50μmを超えると
電気メッキ処理後の窪み深さのバラツキが大きくなって
適切な深さの窪みにならない場合がある。従って、ショ
ットブラスト処理による窪みの平均深さは10〜50μ
mが望ましい。また、電気メッキ処理によって窪みの平
均深さを30〜150μmにするためには、電気メッキ
層の厚みを10〜500μmにすることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図2に示す冷却ドラムの外筒部1
Aは、凝固シェルを速やかに形成させるために、熱伝導
性の良い銅あるいは銅合金の材料が用いられている。銅
あるいは銅合金の外筒部1Aは高温の溶湯と接触する度
に急速加熱され、熱応力により微細割れが発生し易いた
め、外筒部1Aの周面には熱伝導度を調整するために、
第1層としてメッキや溶射等によって厚み500μm程
度のNi層6を設ける。Ni層6の表面には、ショット
ブラスト処理によって目的とする平均深さよりも浅い1
0〜50μm程度の窪みdを設ける。
Aは、凝固シェルを速やかに形成させるために、熱伝導
性の良い銅あるいは銅合金の材料が用いられている。銅
あるいは銅合金の外筒部1Aは高温の溶湯と接触する度
に急速加熱され、熱応力により微細割れが発生し易いた
め、外筒部1Aの周面には熱伝導度を調整するために、
第1層としてメッキや溶射等によって厚み500μm程
度のNi層6を設ける。Ni層6の表面には、ショット
ブラスト処理によって目的とする平均深さよりも浅い1
0〜50μm程度の窪みdを設ける。
【0016】次に図3に示すように、Ni層6の表面に
はNi層6よりも硬質の、例えばCoやCoを母体とす
る合金を第2層として電気メッキすることにより硬質層
7を設ける。この電気メッキ処理においてショットブラ
スト表面の凸部tに電位が集中するため、凸部tのメッ
キ厚みが窪みd(凹部)のそれと比べて厚くなる。この
とき電気メッキの厚みを10〜500μmにすると、窪
みdの平均深さを30〜150μmにすることができ
る。なお、窪みdの磨滅を防止するために電気メッキに
用いる金属は、硬度がHvで200以上が望ましい。ま
た、第2層のCo合金としては、例えばCo;90%,
Ni;10%、Co;99%,W;1%、等を用いるこ
とができる。
はNi層6よりも硬質の、例えばCoやCoを母体とす
る合金を第2層として電気メッキすることにより硬質層
7を設ける。この電気メッキ処理においてショットブラ
スト表面の凸部tに電位が集中するため、凸部tのメッ
キ厚みが窪みd(凹部)のそれと比べて厚くなる。この
とき電気メッキの厚みを10〜500μmにすると、窪
みdの平均深さを30〜150μmにすることができ
る。なお、窪みdの磨滅を防止するために電気メッキに
用いる金属は、硬度がHvで200以上が望ましい。ま
た、第2層のCo合金としては、例えばCo;90%,
Ni;10%、Co;99%,W;1%、等を用いるこ
とができる。
【0017】
【実施例】図1に示した双ドラム式連続鋳造機を用いて
SUS304ステンレス鋼を厚み2.0mm、幅1200
mmの薄鋳片に鋳造した。冷却ドラムとしては、銅製の外
筒部に厚み500μmのNiメッキを施した冷却ドラム
に、本発明例ではショットブラスト処理を施した後に電
気メッキ処理を施し、比較例では電気メッキ処理を施し
た後にショットブラスト処理を施した。表1に処理条件
を示す。
SUS304ステンレス鋼を厚み2.0mm、幅1200
mmの薄鋳片に鋳造した。冷却ドラムとしては、銅製の外
筒部に厚み500μmのNiメッキを施した冷却ドラム
に、本発明例ではショットブラスト処理を施した後に電
気メッキ処理を施し、比較例では電気メッキ処理を施し
た後にショットブラスト処理を施した。表1に処理条件
を示す。
【0018】鋳造した溶鋼重量が約300Ton に達した
とき、冷却ドラム周面の窪みの損耗量(損耗深さ)を測
定し、またそのとき鋳造した薄鋳片の長さ1m当たりの
表面割れ個数を測定した。表1に鋳造の条件及び結果を
示す。
とき、冷却ドラム周面の窪みの損耗量(損耗深さ)を測
定し、またそのとき鋳造した薄鋳片の長さ1m当たりの
表面割れ個数を測定した。表1に鋳造の条件及び結果を
示す。
【0019】
【表1】
【0020】比較例の鋳造No.8では、第1層(Ni
層)にショットブラストにより窪みを設け、そのままの
状態で鋳造したものであるが、Ni層の軟化により窪み
深さが大きく低減したため、薄鋳片表面に割れが発生し
た。
層)にショットブラストにより窪みを設け、そのままの
状態で鋳造したものであるが、Ni層の軟化により窪み
深さが大きく低減したため、薄鋳片表面に割れが発生し
た。
【0021】比較例の鋳造No.9では、第1層(Ni
層)に窪みを設けない状態で、第2層にCoメッキを施
し、その表面にショットブラストにより窪みを設けたも
のであるが、Coの硬度が高いため適正深さの窪みを施
工できず、薄鋳片表面に割れが発生した。
層)に窪みを設けない状態で、第2層にCoメッキを施
し、その表面にショットブラストにより窪みを設けたも
のであるが、Coの硬度が高いため適正深さの窪みを施
工できず、薄鋳片表面に割れが発生した。
【0022】比較例の鋳造No.10,11では、第1層
(Ni層)に極浅い窪みを設け、その表面にCoメッキ
を施したものであるが、第1層(Ni層)の窪みが浅過
ぎるため、メッキを施した後の第2層の表面の窪み深さ
が適正な深さにならなかった。その結果、薄鋳片表面に
割れが発生した。
(Ni層)に極浅い窪みを設け、その表面にCoメッキ
を施したものであるが、第1層(Ni層)の窪みが浅過
ぎるため、メッキを施した後の第2層の表面の窪み深さ
が適正な深さにならなかった。その結果、薄鋳片表面に
割れが発生した。
【0023】比較例の鋳造No.12,13では、第1層
(Ni層)に設けた窪みの深さが深過ぎるため、隣接す
る凸部分のメッキ層(第2層)同士が連なって(ブリッ
ジッグ)、その部分の窪みが浅くなり、浅い窪みと深い
窪みが混在し、浅い窪みに対応する薄鋳片表面に割れが
発生した。
(Ni層)に設けた窪みの深さが深過ぎるため、隣接す
る凸部分のメッキ層(第2層)同士が連なって(ブリッ
ジッグ)、その部分の窪みが浅くなり、浅い窪みと深い
窪みが混在し、浅い窪みに対応する薄鋳片表面に割れが
発生した。
【0024】比較例の鋳造No.14では、第2層(Co
層)の厚みが薄過ぎて、第1層(Ni層)が熱影響によ
り軟化し、窪み深さが浅くなったため、薄鋳片表面に割
れが発生した。比較例の鋳造No.15では、第2層(C
o層)の厚みが厚過ぎたため、熱歪みにより亀裂が生じ
て一部で剥離し、その部分に対応する薄鋳片表面に割れ
が発生した。
層)の厚みが薄過ぎて、第1層(Ni層)が熱影響によ
り軟化し、窪み深さが浅くなったため、薄鋳片表面に割
れが発生した。比較例の鋳造No.15では、第2層(C
o層)の厚みが厚過ぎたため、熱歪みにより亀裂が生じ
て一部で剥離し、その部分に対応する薄鋳片表面に割れ
が発生した。
【0025】これに対して本発明例の鋳造No.1〜7で
は、ドラム周面にはCoやCo合金等の硬質層で被覆さ
れているため、ドラム周面の損耗量が少なく、また所定
深さの窪みが形成されているため薄鋳片の表面割れの発
生を防止できた。また、窪み深さのバラツキが小さいた
め、深い目の窪みを設けることでドラム寿命の延長を図
ることができる。
は、ドラム周面にはCoやCo合金等の硬質層で被覆さ
れているため、ドラム周面の損耗量が少なく、また所定
深さの窪みが形成されているため薄鋳片の表面割れの発
生を防止できた。また、窪み深さのバラツキが小さいた
め、深い目の窪みを設けることでドラム寿命の延長を図
ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば冷却ドラムの周面にショ
ットブラスト処理を施した後、ショットブラスト処理面
に電気メッキ処理を施すことにより所定深さの窪みを持
つ硬質の被覆層を形成することができる。その結果、薄
鋳片の表面割れ発生を防止して表面性状の優れた薄鋳片
を製造することができる。
ットブラスト処理を施した後、ショットブラスト処理面
に電気メッキ処理を施すことにより所定深さの窪みを持
つ硬質の被覆層を形成することができる。その結果、薄
鋳片の表面割れ発生を防止して表面性状の優れた薄鋳片
を製造することができる。
【0027】また、従来法では、ショットブラスト処理
によって深い窪みを設けようとすると窪み深さのバラツ
キが大きくなるが、本発明ではショットブラスト処理に
よる窪みの深さは10〜50μm程度と浅くてよいの
で、窪み深さのバラツキを小さくすることができる。そ
の結果、深目の窪みを設けることによりドラム寿命の延
長を図ることができる。
によって深い窪みを設けようとすると窪み深さのバラツ
キが大きくなるが、本発明ではショットブラスト処理に
よる窪みの深さは10〜50μm程度と浅くてよいの
で、窪み深さのバラツキを小さくすることができる。そ
の結果、深目の窪みを設けることによりドラム寿命の延
長を図ることができる。
【図1】本発明が適用される装置例としての双ドラム式
連続鋳造機の一部断面側面図である。
連続鋳造機の一部断面側面図である。
【図2】本発明により冷却ドラム表面にショットブラス
ト処理を施した後の冷却ドラム表面の断面部分図であ
る。
ト処理を施した後の冷却ドラム表面の断面部分図であ
る。
【図3】図2に示した冷却ドラム表面に電気メッキ処理
を施した後の冷却ドラム表面の断面部分図である。
を施した後の冷却ドラム表面の断面部分図である。
1…冷却ドラム 1A…冷却ドラムの外筒部 2…サイド堰 3…湯溜まり部 4…タンディッシュ 5…注湯ノズル 6…第1層(Ni層) 7…第2層(硬質層) g…凝固シェル R…金属溶湯 S…薄鋳片 d…冷却ドラム周面の窪み
フロントページの続き (72)発明者 桐原 端史 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 竜口 得 福岡県北九州市八幡東区枝光2丁目1番15 号 三島光産株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 薄鋳片を製造する連続鋳造機用冷却ドラ
ムの周面に窪みを設ける際に、前記冷却ドラムの周面に
ショットブラスト処理を施して目的とする深さよりも浅
い窪みを設けた後、電気メッキ処理を施すことにより前
記窪みの深さを目的とする深さにすることを特徴とする
薄鋳片鋳造機用冷却ドラムの窪み形成方法。 - 【請求項2】 薄鋳片を製造する連続鋳造機用冷却ドラ
ムの周面に窪みを設ける際に、前記冷却ドラムの周面に
ショットブラスト処理を施して平均深さ10〜50μm
の窪みを設けた後、厚み10〜500μmの電気メッキ
処理を施すことにより、前記窪みの平均深さを30〜1
50μmにすることを特徴とする薄鋳片鋳造機用冷却ド
ラムの窪み形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26275295A JPH09103850A (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | 薄鋳片鋳造機用冷却ドラムの窪み形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26275295A JPH09103850A (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | 薄鋳片鋳造機用冷却ドラムの窪み形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09103850A true JPH09103850A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17380100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26275295A Withdrawn JPH09103850A (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | 薄鋳片鋳造機用冷却ドラムの窪み形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09103850A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1281458A1 (en) * | 2000-05-12 | 2003-02-05 | Nippon Steel Corporation | Cooling drum for continuously casting thin cast piece and fabricating method and device therefor and thin cast piece and continuous casting method therefor |
KR100423417B1 (ko) * | 1999-12-07 | 2004-03-19 | 주식회사 포스코 | 쌍롤식 박판주조기 주조롤의 표면처리방법 |
JP4734496B2 (ja) * | 1999-02-05 | 2011-07-27 | キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 鋼ストリップ連続鋳造方法 |
CN110000350A (zh) * | 2019-05-21 | 2019-07-12 | 一重集团大连工程技术有限公司 | 一种铸轧结晶辊 |
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1995
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