JPH09327753A - 薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラム - Google Patents
薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラムInfo
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- JPH09327753A JPH09327753A JP14728596A JP14728596A JPH09327753A JP H09327753 A JPH09327753 A JP H09327753A JP 14728596 A JP14728596 A JP 14728596A JP 14728596 A JP14728596 A JP 14728596A JP H09327753 A JPH09327753 A JP H09327753A
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Abstract
おいて、良好な性状の薄肉鋳片を製造する。 【解決手段】 外周面8に鼓状のクラウンと窪み10が
形成されている冷却ドラムであって、窪み10の寸法や
密度を、ドラム回転軸方向の中央部で大きく両端部で小
さくなるように調節することによって、冷却能力をドラ
ム回転軸方向の中央部で小さく両端部で大きくする。
Description
鋳片を連続鋳造する装置の冷却ドラムに関するものであ
る。
連続鋳造する装置として、一対の冷却ドラムを備えた双
ドラム式連続鋳造装置や、1本の冷却ドラムを備えた単
ドラム式連続鋳造装置や、冷却ドラムとベルトを備えた
ドラム−ベルト式連続鋳造装置などが知られている。
を示す。冷却ドラム1の胴部はスリーブ3と基部4から
なっており、基部4の両サイドには回転軸2が連結され
ている。スリーブ3にはドラム回転軸方向の冷却水路5
が冷却ドラムの周面8の全域にわたって多数配設されて
おり、冷却水Cは導入口部6から導入され冷却水路5を
経由して排出口部7から排出されるように圧送される。
冷却ドラムの周面8に接触した溶融金属の熱量はスリー
ブ3を介して冷却水Cに吸収され系外に排出される。
速やかにするため、例えば銅や銅合金のような熱伝導の
良い金属が選択されることが多い。さらに、特公平04
−13053号公報に開示されているように、冷却ドラ
ムの外周面に多数の窪みを設けることによって凝固シェ
ルと窪みの間にエアギャップを形成させて冷却速度を調
節する方法が知られている。
における問題のひとつは、冷却ドラム1が溶融金属によ
って加熱され熱膨脹し樽状に膨らむことによって、薄肉
鋳片の形状が不良になるとともに、薄肉鋳片の幅方向に
わたる冷却速度が不均一になって、薄肉鋳片の表面に割
れやしわなどの欠陥が発生することである。
を解決するため、冷却ドラム1に中央が凹んだ鼓状のド
ラムクラウンを付与することによって熱膨脹を相殺する
方法が、特開昭61−37354号公報に開示されてい
る。この方法によるとドラムクラウン量を調節すること
によって薄肉鋳片のクラウン量の調整が可能となり、ま
た、この方法以外ではクラウン量の調整が不十分なため
鋳造後の圧延工程が極めて煩雑となりコスト増となる。
そのため、冷却ドラムを用いる連続鋳造装置において、
冷却ドラムに鼓状のドラムクラウンを付与することが必
要である。
冷却ドラムを使用して薄肉鋳片を鋳造した場合であって
も、薄肉鋳片の幅方向にわたる冷却速度を充分に均一化
するには至らず、薄肉鋳片の表面に割れやしわが発生す
る場合があった。薄肉鋳片の表面割れやしわなどは製品
品質を著しく損ねるため、それらを回避するためには多
量のトリミングや表面研削などが必要となり、工程が複
雑になるとともに歩留りが悪化するなどの問題が生じ
る。
度をより均一化することが必要であるが、それに関する
従来の方法としては、冷却水路を冷却ドラムの回転軸方
向で複数の区画に区分し、各区画毎で冷却能力を調整す
る方法が知られている。例えば、特開平6−29710
8号公報には、該区画毎で冷却水路の冷却ドラム周面か
らの距離を調整する方法が開示されている。また、特開
平6−328205号公報には、該区画毎で冷却水路配
管の密度を調整する方法が開示されている。また別法と
して、特開平4−344852号公報には、冷却ドラム
内部に複数のスプレーノズルを設けて、スプレーノズル
から噴射する冷却水量を冷却ドラムの幅方向で調整する
方法が開示されている。
する前記3つの方法は装置が複雑になってコスト増とな
る上に、冷却ドラム回転軸方向での冷却能力の安定性や
調整代に課題があり、薄肉鋳片の幅方向での冷却速度を
充分に均一化できない。
は、スリーブの内面を加工して、その厚みを中央で厚
く、中央から両側方向へ漸次薄くなるように形成する方
法が開示されている。また、特開平4−253551号
公報には、スリーブコーナー近傍の内面を加工してスリ
ーブコーナー近傍の肉厚を薄くする方法、および、スリ
ーブ外周面に形成した保護層の厚みをスリーブコーナー
近傍で薄くする方法が開示されている。
は、加工方法が煩雑になる上に加工精度に問題があり、
また保護層の厚みをスリーブコーナー近傍で調整する方
法では、冷却ドラム回転軸方向での冷却能力の調整代に
限界があるため、薄肉鋳片の幅方向での冷却速度を充分
に均一化できない。
のクラウンが付与された冷却ドラムを使用して薄肉鋳片
を連続的鋳造する際に、薄肉鋳片の冷却速度を幅方向に
わたって均一化することを課題とする。
ドラムの周面8には鼓状のドラムクラウンが付与されて
いるが、通常、図中に点線で囲った部分9に示すよう
に、ドラムクラウン量は冷却ドラム1の両端に近づくに
従って大きくなるように付与されている。以下、この部
分をドラムクラウンの弧状部9と称する。
固シェル11の成長を冷却ドラム1の幅W方向にわたっ
て調査した結果、ドラムクラウンの弧状部9において薄
肉鋳片の凝固が遅滞することが判明した。
却ドラムの周面8で形成され成長するが、このとき凝固
シェル11は温度低下に伴って矢印Sの方向に収縮す
る。この収縮力によって、凝固シェル11の両端部は冷
却ドラムの周面8から浮き上がる。薄肉鋳片を鋳造する
場合、凝固シェル11は厚さが薄くかつ温度が高いた
め、強度が低く容易に変形する。また、冷却ドラム1に
溶融金属が直接に触れるため、凝固シェル11は急冷さ
れ、冷却に伴う収縮力が著しく大きい。このため、薄肉
鋳片を鋳造する場合には凝固シェル11の浮き上がりは
顕著に現れる。この浮き上がりは冷却ドラム1の幅Wす
なわち薄肉鋳片の幅の増加に伴って増大し、またドラム
クラウン量の増加に伴って増大する。
から浮き上がると、冷却ドラム1と凝固シェル11の間
にガスギャップGが生じる。ガスギャップGの大きさは
高々数十μm以内と微小であるが、それによる伝熱抵抗
の増大は無視できない。その結果、冷却ドラム1の両端
部では幅中央部に比べて冷却速度が小さくなる。
ウンの弧状部9において顕著に現れるため、ドラムクラ
ウンの弧状部9で凝固シェル11の成長が特に遅滞し、
薄肉鋳片の表面割れやしわなどの欠陥が発生する。
わたって均一化するためには、冷却ドラム1と凝固シェ
ル11の間に生じたガスギャップGによる伝熱抵抗の増
大を補償するように、冷却ドラムの冷却能力がドラム回
転軸方向の中央部で小さく両端部で大きくなるように調
整することが肝要となる。また、ドラムクラウンの変化
にならって冷却ドラム1の幅方向にわたる冷却能力を滑
らかに調整することが肝要となる。
幅方向にわたる冷却能力を調整するために、冷却ドラム
の外周面8に多数の窪みを形成し、窪みの密度や窪みの
深さまたは上縁の径を調整することにより、冷却ドラム
の冷却能力がドラム回転軸方向の中央部で小さく両端部
で大きくなるように構成したものである。即ち、窪みの
密度を調整する場合には、冷却ドラム回転軸方向の中央
部で数多く両端部で数少なくなるように窪みを形成し、
窪みの深さを調整する場合には、冷却ドラム回転軸方向
の中央部で深く両端部で浅くなるように窪みを形成し、
窪みの径を調整する場合には、冷却ドラム回転軸方向の
中央部で大きく両端部で小さくなるように窪みを形成す
ることを特徴とする。
実施形態を示している。冷却ドラム1の外周面8には多
数の窪み10が形成されている。窪み10は深さが5〜
100μmで直径が0.1〜1.2mmの範囲になるよう
に形成されている。
1との間にエアギャップが生じて断熱されるため、窪み
10の深さや径または密度が増大すると冷却能力が低下
する。従って、窪み10の深さや径または密度を、冷却
ドラム1の中央部で大きく、両端部で小さく形成するこ
とにより、冷却ドラム1の冷却能力を中央部で小さく、
両端部で大きくすることができる。このようにして、図
3に示すドラムクラウンの弧状部9における凝固シェル
成長の遅滞を解消することができ、薄肉鋳片の表面割れ
やしわの発生を防止することができる。
みの密度分布を調整した一例を示す。ドラムクラウンの
弧状部におけるガスギャップによる伝熱抵抗の増大を補
償するために、窪みの密度は冷却ドラム回転軸方向の中
央部で大きく、両端に近づくにつれて小さくなってい
る。
整する方法としては、窪みの密度を調整する他に、窪み
の深さあるいは径を調整してもよい。なお、窪みの深さ
あるいは径を調整する方法は施工の手間が複雑になるた
め、窪みの密度を調整する方法が簡単であり望ましい。
ると、煩雑な冷却機構や冷却水量の調整を必要としない
で、冷却ドラムの幅方向にわたる冷却能力を均一化でき
るため、良好な性状の薄肉鋳片を容易に得る事ができ
る。
する。薄肉鋳片は双ドラム式連続鋳造装置を用いて鋳造
した。用いた冷却ドラムの幅は1000mmであり、冷却
ドラムの外直径は、鋳造中において両端部で1200.
14mm、幅中央部で1200.00mmとなるように調整
した。
トブラスト粒を冷却ドラムの外周面に打刻して窪みを形
成させた。窪みの1ケ当たりの直径は0.57±0.2
3mmであり、深さは79±25μmであった。ショット
ブラスト粒の打刻は1回あたり冷却ドラム周面上で幅3
cmとし、重ね打つ回数を調整して窪みの密度を図2に示
す値になるように調整して鋳造試験に供した。
成分とするSUS304鋼であって、65m/分の鋳造
速度で厚さ3mmの薄肉鋳片を鋳造した。得られた薄肉鋳
片には割れやしわなどの欠陥は全く見られなかった。
均等な密度でショットブラスト打刻を行った以外は前記
と同じ条件で鋳造した場合、得られた薄肉鋳片の両端か
ら125mmの部分に全長にわたって縦割れが発生した。
ドラムの外周面に形成させる窪みの寸法や密度を調整す
るという簡単な手段によって、冷却ドラムの幅方向にわ
たる冷却能力を均一化でき、それによって良好な性状の
薄肉鋳片を安定して得ることが可能になる。そのため鋳
造が安定するとともに、薄肉鋳片の表面研削などの手入
れが不要となり工程省略および歩留向上の効果が図れ
る。
図。
布と冷却ドラム軸方向の距離との関係を示す図。
ェルの圧着状態を示す一部断面模式図。
Claims (3)
- 【請求項1】 周面に鼓状のクラウンが形成されている
薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラムであって、該冷却ド
ラムの外周面に、ドラム回転軸方向の中央部で数多く、
その両端部で数少なくなるように多数の窪みが形成され
ることによって、前記冷却ドラムの冷却能力がドラム回
転軸方向の中央部で小さく両端部で大きくなるように調
整されたことを特徴とする薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却
ドラム。 - 【請求項2】 周面に鼓状のクラウンが形成されている
薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラムであって、該冷却ド
ラムの外周面に、ドラム回転軸方向の中央部で深く、そ
の両端部で浅い多数の窪みが形成されることによって、
前記冷却ドラムの冷却能力がドラム回転軸方向の中央部
で小さく両端部で大きくなるように調整されたことを特
徴とする薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラム。 - 【請求項3】 周面に鼓状のクラウンが形成されている
薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラムであって、該冷却ド
ラムの外周面に、ドラム回転軸方向の中央部で径が大き
く、その両端部で径が小さい多数の窪みが形成されるこ
とによって、前記冷却ドラムの冷却能力がドラム回転軸
方向の中央部で小さく両端部で大きくなるように調整さ
れたことを特徴とする薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラ
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08147285A JP3090188B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08147285A JP3090188B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09327753A true JPH09327753A (ja) | 1997-12-22 |
JP3090188B2 JP3090188B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=15426753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08147285A Expired - Lifetime JP3090188B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 薄肉鋳片連続鋳造装置の冷却ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3090188B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003509220A (ja) * | 1999-09-17 | 2003-03-11 | キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | ストリップ鋳造 |
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-
1996
- 1996-06-10 JP JP08147285A patent/JP3090188B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
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EP2293893A4 (en) * | 2008-06-24 | 2015-04-15 | Nucor Corp | THIN-BAND CASTING METHOD FOR CONTROLLING EDGE QUALITY AND APPARATUS FOR ITS IMPLEMENTATION |
KR101372692B1 (ko) * | 2012-05-08 | 2014-03-10 | 주식회사 포스코 | 고질소 스테인레스 강판을 제조하기 위한 박판주조롤 및 이를 이용한 고질소 스테인레스 강판의 제조방법 |
KR101449178B1 (ko) * | 2012-12-20 | 2014-10-08 | 주식회사 포스코 | 에지부 품질이 우수한 고질소 스테인레스 강판을 제조하기 위한 박판주조롤 및 이를 이용한 고질소 스테인레스 강판의 제조방법 |
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---|---|
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