JP2017024025A - 双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム、双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法 - Google Patents

双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム、双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却ドラムの周面に形成される凹凸部の全体形状を規定することにより、確実に凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図って割れの発生を抑制できるとともに、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制可能な双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを提供する。【解決手段】回転する一対の冷却ドラム11と一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム11であって、前記凝固シェルが形成される前記周面には、径方向に出没する凹凸部20が形成されており、その算術平均粗さRaが10μm以上100μm以下の範囲内とされるとともに、凹凸部20の尖り度Kuが0.2以上1.0以下とされている。【選択図】図2

Description

本発明は、一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に、溶融金属を供給して薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム、この双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを備えた双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法に関するものである。
金属の薄肉鋳片を製造する方法として、例えば、特許文献1〜7に示すように、内部に水冷構造を有する冷却ドラムを備え、回転する一対の冷却ドラム間に形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させ、一対の冷却ドラムの外周面にそれぞれ形成された凝固シェル同士をドラムキス点で接合し、圧下して所定の厚さの薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造方法が提供されている。このような双ドラム式連続鋳造方法は、各種金属において適用されている。
上述の双ドラム式連続鋳造方法においては、冷却ドラムの周面が平滑であると、周面に形成された凝固シェルが移動し、割れが発生するといった問題があった。また、凝固シェルと冷却ドラムとが密着して強冷却となり、熱ひずみによって割れが発生するといった問題があった。
そこで、特許文献1〜7に示すように、冷却ドラムの周面に凹凸を付与することにより、凹部で凝固シェルとの間にガスギャップを形成して緩冷却化を図るとともに、凸部で凝固シェルを拘束することによって凝固収縮の均等分散を図り、凝固時の割れの発生を抑制する技術が提案されている。
なお、特許文献7には、冷却ドラムの周面に凹凸部を形成した場合、薄肉鋳片の表面にその凹凸部が転写されることがある。薄肉鋳片に転写された凹みが深く急峻な場合には、その後の圧延工程において、被さり疵(ヘゲ欠陥)が形成されてしまうといった問題が指摘されている。
そこで、特許文献7においては、冷却ドラムに形成される凸部の傾斜角度を規定することによって、ヘゲ欠陥の発生防止を図っている。
特開昭60−184449号公報 特開昭62−254953号公報 特開平03−128149号公報 特表平08−505811号公報 特開平06−328204号公報 特表2002−522226号公報 特開平11−010288号公報
ところで、薄肉鋳片の割れの発生を抑制するためには、冷却ドラムの周面において、凝固シェルを均等に拘束するとともに、均等な緩冷却化を図る必要がある。特許文献1〜7に記載された冷却ドラムにおいては、各種指標によって凹凸部の形状を規定しているが、これらの規定のみでは、凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を十分に図ることができなかった。
特に、双ドラム式連続鋳造装置における鋳造速度を速くした場合には、割れの発生を十分に抑制できないおそれがあった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、冷却ドラムの周面に形成される凹凸部の全体形状を規定することにより、確実に凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図って割れの発生を抑制できるとともに、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制可能な双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム、この双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを備えた双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者ら鋭意検討した結果、凹凸部の算術平均粗さRa、及び、凹凸部の尖り度Kuを規定することにより、凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図ることが可能となるとの知見を得た。
ここで、尖り度Kuは、形成された凸部の裾部がどの範囲までどのように広がっているかを規定したものであり、凸部の先端から凹部の底へ向かう断面形状での凹部の広がりを示す指標となる。このため、尖り度Kuを規定することで、凸部の先端で凝固シェルを拘束した際に、この凸部に連接する凹部において凝固シェルと冷却ドラムとのガスギャップを確保することができ、凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図ることが可能となるのである。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明に係る双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムは、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムであって、前記凝固シェルが形成される前記周面には、径方向に出没する凹凸部が形成されており、その算術平均粗さRaが10μm以上100μm以下の範囲内とされるとともに、前記凹凸部の尖り度Kuが0.2以上1.0以下とされていることを特徴としている。
この構成の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムによれば、凝固シェルが形成される前記周面には径方向に出没する凹凸部が形成されており、その算術平均粗さRaが10μm以上とされているので、凝固シェルと冷却ドラムとの間にガスギャップを形成する空間を確保することができる。また、算術平均粗さRaが100μm以下とされているので、薄肉鋳片の表面に深い凹みが形成されることを抑制でき、圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制することができる。
さらに、前記凹凸部の尖り度Kuが0.2以上とされているので、凸部によって凝固シェルを確実に拘束することができるとともに、この凸部に連接する凹部においてガスギャップを確保することができ、ガスギャップ不足による局部的に過剰な冷却に起因する割れを防止することができる。また、前記凹凸部の尖り度Kuが1.0以下とされているので、薄肉鋳片の表面に急峻な凹みが形成されることを抑制でき、圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制することができる。
また、本発明の双ドラム式連続鋳造装置は、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置であって、前記冷却ドラムとして、前述の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを備えることを特徴としている。
この構成の双ドラム式連続鋳造装置によれば、上述の構成の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを備えているので、確実に凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図ることができ、割れの発生を抑制することが可能となる。また、圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制することができる。
また、本発明の薄肉鋳片の製造方法は、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、前記冷却ドラムとして、前述の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを用いることを特徴としている。
この構成の薄肉鋳片の製造方法によれば、上述の構成の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを用いているので、確実に凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図ることができ、割れの少ない高品質な薄肉鋳片を得ることができる。また、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制可能な薄肉鋳片を得ることができる。
上述のように、本発明によれば、冷却ドラムの周面に形成される凹凸部の全体形状を規定することにより、確実に凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図って割れの発生を抑制できるとともに、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制可能な双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム、この双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを備えた双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置を示す説明図である。 本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムの周面の拡大説明図である。 凹凸部の尖り度を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム及び双ドラム式連続鋳造装置について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、溶融金属として溶鋼を用いており、鋼材からなる薄肉鋳片1を製造するものとされている。なお、鋼種としては、例えば0.001〜0.01%C極低炭鋼、0.02〜0.05%C低炭鋼、0.06〜0.4%C中炭鋼、0.5〜1.2%C高炭鋼、SUS304鋼、SUS430鋼、3.0〜3.5%Si方向性電磁鋼、0.1〜6.5%Si無方向性電磁鋼等(なお、%は、質量%)が挙げられる。
本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置10は、図1に示すように、一対の冷却ドラム11、11と、薄肉鋳片1を曲げるベンダーロール12、12と、薄肉鋳片1を支持するピンチロール13、13と、一対の冷却ドラム11、11の幅方向端部に配設されたサイド堰15と、これら一対の冷却ドラム11、11とサイド堰15とによって画成された溶鋼溜まり部16に対して溶鋼3を供給するタンディッシュ18及び浸漬ノズル19と、を備えている。
この双ドラム式連続鋳造装置10においては、溶鋼3が回転する冷却ドラム11,11に接触して冷却されることにより、冷却ドラム11,11の周面の上で凝固シェル5、5が成長し、一対の冷却ドラム11,11にそれぞれ形成された凝固シェル5、5同士がドラムキス点で圧着されることによって、所定厚みの薄肉鋳片1が鋳造される。
ここで、上述の冷却ドラム11として、本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムが用いられている。
この冷却ドラム11においては、その周面に、後述するショット加工によって、図2に示すように、凹凸部20(凹部21及び凸部22)が形成されている。
本実施形態においては、冷却ドラム11の周面における算術平均粗さRa(JIS B 0601:2013)が10μm以上100μm以下の範囲内に設定されている。
この算術平均粗さRaは、以下の式によって算出される。ここで、Z:凹凸部高さ方向変位、x:鋳型表面変位、l:測定長さ、とする。
なお、本実施形態では、凹凸部20の高さ方向変位は、冷却ドラム11の軸方向で測定した。また、薄肉鋳片1においてヘゲ欠陥や割れが発生する場合には、発生箇所におけるこれらの欠陥の間隔が5cm以内であることから、測定長さlを5cm以上とした。
Figure 2017024025
そして、本実施形態では、凹凸部20の尖り度Ku(JIS B 0601:2013)が0.2以上1.0以下の範囲内とされている。
この尖り度Kuは、以下の式によって算出される。ここで、Z:凹凸部高さ方向変位、x:鋳型表面変位、l:測定長さ、σ:凹凸部高さ標準偏差、とする。なお、尖り度Kuの測定においても、上述の理由から、測定長さlを5cm以上とした。
Figure 2017024025
Figure 2017024025
ここで、尖り度Kuについて、図3を参照にして説明する。尖り度Kuは、形成された凸部22に対して裾部がどの範囲までどのように広がっているかを規定したものであり、凸部22の先端から凹部21の底へ向かう断面形状での凹部21の広がりを示す指標となる。ここで、本実施形態では、図3に示すように、凹凸部20の底部(凹部21の底部)を基準位置として、高さ分布を得ており、この尖り度Kuにより、凸部22の裾部(凹部の立ち上がり部)の形状が規定されることになる。
すなわち、尖り度Kuが大きいものは、図3(b)に示すように、凸部22の裾部が狭く凹部21の底部が大きく広がっている。一方、尖り度Kuが小さいものは、図3(c)に示すように、凸部22の裾部が広く凹部21の底部が狭くなっている。このように、尖り度Kuを規定することで、凹凸部20(凹部21及び凸部22)の全体形状を特定することが可能となるのである。
なお、凹凸部20の高さ分布が正規分布となるとき、上述の尖り度Kuは0となる。
次に、本実施形態である冷却ドラム11において、上述の凹凸部20を形成する方法について説明する。なお、本実施形態においては、冷却ドラム11の周面は、鋼材の表面にCr−Niめっき膜が形成された構造とされている。
本実施形態においては、冷却ドラム11の周面にショット加工を行うことにより、凹凸部20を形成している。なお、ショット粒としてはベアリング鋼球を用いている。
ここで、本実施形態においては、上述の算術平均粗さRa、及び、尖り度Kuを得るために、冷却ドラムの熱処理条件、ショット粒の粒径、ショット射出圧力を調整している。
具体的には、冷却ドラムの周面を、赤外線セラミックヒータなどを用いて加熱処理することにより、冷却ドラムの表面のビッカース硬さを450Hv以下としている。
また、ショット粒径は、1.0mm以上2.0mm以下の範囲内に設定している。
さらに、ショット射出圧力は、0.5MPa以上1.0MPa以下の範囲内に設定している。
なお、ショット加工は複数回重ねて行っており、1回のショット加工で形成されたショット痕(球状の凹部)を崩すことで、上述の尖り度Kuを得ることが可能となる。
次に、上述した双ドラム式連続鋳造装置10を用いた本実施形態である薄肉鋳片の製造方法について説明する。
一対の冷却ドラム11、11とサイド堰15によって形成された溶鋼溜まり部16に、タンディッシュ18から浸漬ノズル19を介して溶鋼3を供給するとともに、一対の冷却ドラム11、11を回転方向Rに向けて、すなわち、一対の冷却ドラム11、11同士が近接する領域が薄肉鋳片1の引抜方向(図1においては下方向)に向かうように、それぞれの冷却ドラム11、11を回転させる。
すると、冷却ドラム11の周面には、凝固シェル5が形成される。ここで、本実施形態では、図2に示すように、冷却ドラム11の周面に凹凸部20が形成されていることから、凝固シェル5が凸部22の先端で拘束されるとともに、凹部21によって冷却ドラム11と凝固シェル5との間にガスギャップGが形成される。
ここで、本実施形態では、算術平均粗さRaならび尖り度Kuが後述のとおりに設定されていることから、凝固シェル5が、冷却ドラム11の周面になじんでおり、したがって、凝固シェル5と冷却ドラム11の接触の仕方が各凸部22において均等であるので、凝固シェル5が凸部22によって均等に拘束されるとともに、凹部21によって冷却ドラム11と凝固シェル5との間に均等にガスギャップGが形成されることになる。
そして、冷却ドラム11の周面の上で凝固シェル5が成長し、一対の冷却ドラム11、11にそれぞれ形成された凝固シェル5、5同士がドラムキス点で圧着されることにより、所定厚みの薄肉鋳片1が鋳造される。
以上のような構成とされた本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置10、及び、冷却ドラム11(双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム)によれば、冷却ドラム11の周面に凹凸部20が形成され、その算術平均粗さRaが10μm以上とされているので、凝固シェル5と冷却ドラム11との間にガスギャップGを形成する空間を確保することができる。また、算術平均粗さRaが100μm以下とされているので、薄肉鋳片1の表面に深い凹みが形成されることを抑制でき、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制することができる。
なお、ガスギャップGの空間を確実に確保するためには、冷却ドラム11の周面の算術平均粗さRaの下限を35μm以上とすることが好ましく、40μm以上とすることがさらに好ましい。一方、薄肉鋳片1の表面に深い凹みが形成されることを確実に抑制するためには、冷却ドラム11の周面の算術平均粗さRaの上限を90μm以下とすることが好ましく、70μm以下とすることがさらに好ましい。
さらに、凹凸部20の尖り度Kuが0.2以上とされているので、凸部22によって凝固シェル5を確実に拘束することができるとともに、この凸部22に連接する凹部21においてガスギャップGを確保することができる。また、凹凸部20の尖り度Kuが1.0以下とされているので、薄肉鋳片1の表面に傾斜が急峻な凹みが形成されることを抑制でき、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制することができる。
なお、凝固シェル5を凸部22で確実に拘束するとともに凹部21においてガスギャップGを確実確保するためには、凹凸部20の尖り度Kuの下限を0.3以上とすることが好ましく、0.5以上とすることがさらに好ましい。一方、薄肉鋳片1の表面に傾斜が急峻な凹みが形成されることを確実に抑制するためには、凹凸部20の尖り度Kuの上限を0.9以下とすることが好ましく、0.8以下とすることがさらに好ましい。
また、本実施形態では、冷却ドラム11の周面を熱処理し、ビッカース硬度を450Hv以下とするとともに、ショット粒径を1.0mm以上2.0mm以下の範囲内、ショット射出圧力を0.5MPa以上1.0MPa以下の範囲内とし、ショット加工を重ねて実施しているので、上述の算術平均粗さRa及び尖り度Kuを有する凹凸部20を確実に形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、確実に凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図ることができ、割れの発生を抑制することができる。また、薄肉鋳片1の表面に転写される凹みの深さ及び傾斜を抑制することができ、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム、双ドラム式連続鋳造装置、薄肉鋳片の製造方法について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、鋼の薄肉鋳片を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、アルミニウムや他の金属の薄肉鋳片を対象としてもよい。
また、本実施形態では、ベンダーロール及びピンチロールを配設したもので説明したが、これらのロール等の配置に限定はなく、適宜設計変更してもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。
図1に示す双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラムの周面にショット加工によって凹凸部を形成した。このとき、ショット加工条件等を変更することにより、周面の算術平均粗さRa,凹凸部の尖り度Kuを、表1に示すように調整した。なお、冷却ドラムとしては、直径1200mm,幅800mmのサイズのものを準備し、周面にCr−Ni合金めっき膜を形成した。
なお、冷却ドラムの周面の算術平均粗さRa、及び、凹凸部の尖り度Kuは、冷却ドラムの表面をレプリカ転写し、2次元粗度計によって、冷却ドラムの軸線方向において、凹凸部高さ方向変位Zを測定し、算出した。なお、測定長さlを5cmとした。
そして、0.05%C鋼からなる3.5mm厚の薄肉鋳片を、鋳造速度55m/分で鋳造し、得られた薄肉鋳片を冷間圧延により0.4mm厚の製品板を製出した。
得られた製品板の割れ、ヘゲ欠陥について、目視で確認した。単位面積当たりの割れ、ヘゲ欠陥個数を表1に示す。
Figure 2017024025
周面の算術平均粗さRaが本発明の範囲よりも小さく、かつ、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲よりも小さいNo.7においては、製品表面の割れの個数が非常に多かった。凝固シェルの拘束が不十分であるとともにガスギャップが確保できず、不均等な冷却となって熱歪が生じたためと推測される。
また、周面の算出平均粗さRaが本発明の範囲よりも小さく、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲内とされたNo.8においては、製品表面の割れの個数が多かった。ガスギャップが確保できず、不均等な冷却となって熱歪が生じたためと推測される。
さらに、周面の算出平均粗さRaが本発明の範囲内とされ、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲よりも小さいNo.9,10,11においては、製品表面の割れの個数が多かった。凝固シェルの拘束が不十分となり、不均等な冷却となって熱歪が生じたためと推測される。
周面の算術平均粗さRaが本発明の範囲よりも大きく、かつ、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲よりも大きいNo.12においては、ヘゲ欠陥の個数が非常に多かった。薄肉鋳片の表面に、凹凸部が転写されることで形成された凹みの深さが深く、傾斜が急峻であったためと推測される。
また、周面の算出平均粗さRaが本発明の範囲よりも大きく、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲内とされたNo.13においては、ヘゲ欠陥の個数が多かった。薄肉鋳片の表面に、凹凸部が転写されることで形成された凹みの深さが深くなったためと推測される。
さらに、周面の算出平均粗さRaが本発明の範囲内とされ、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲よりも大きいNo.14、15においては、ヘゲ欠陥の個数が多かった。薄肉鋳片の表面に、凹凸部が転写されることで形成された凹みの傾斜が急峻であったためと推測される。
これに対して、周面の算術平均粗さRa、凹凸部の尖り度Kuが本発明の範囲内とされたNo.1−6においては、製品の割れ欠陥、ヘゲ欠陥の発生を抑制することができた。凸部によって凝固シェルが十分に拘束されるとともに、凹部によってガスギャップが確保され、均等な冷却を行うことができたためと推測される。
以上のように、本発明によれば、凝固シェルの均等な拘束及び均等な緩冷却化を図ることにより、割れの発生を抑制することが可能であるとともに、その後の圧延工程におけるヘゲ欠陥の発生を抑制可能であることが確認された。
1 薄肉鋳片
3 溶鋼(溶融金属)
5 凝固シェル
10 双ドラム式連続鋳造装置
11 冷却ドラム
20 凹凸部
21 凹部
22 凸部

Claims (3)

  1. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムであって、
    前記凝固シェルが形成される前記周面には、径方向に出没する凹凸部が形成されており、その算術平均粗さRaが10μm以上100μm以下の範囲内とされるとともに、前記凹凸部の尖り度Kuが0.2以上1.0以下とされていることを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラム。
  2. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置であって、
    前記冷却ドラムとして、請求項1に記載の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを備えることを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。
  3. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、
    前記冷却ドラムとして、請求項1に記載の双ドラム式連続鋳造装置用冷却ドラムを用いることを特徴とする薄肉鋳片の製造方法。
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