JPH09103375A - 加熱調理プレート - Google Patents
加熱調理プレートInfo
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- JPH09103375A JPH09103375A JP26506395A JP26506395A JPH09103375A JP H09103375 A JPH09103375 A JP H09103375A JP 26506395 A JP26506395 A JP 26506395A JP 26506395 A JP26506395 A JP 26506395A JP H09103375 A JPH09103375 A JP H09103375A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】調理面の均熱性が良く、調理面以外の部分の温
度が上昇しにくく、被調理物が調理面上に置かれても調
理面の温度が低下しにくい加熱調理プレートを提供す
る。 【解決手段】調理面1a上に置かれた被調理物を加熱調
理するための加熱調理プレートであって、上面が調理面
1aであるカーボン板1と、調理面1a以外の部分を被
うようにカーボン板1と一体化された低熱伝導性セラミ
ックス基板1とから成る。カーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3とは、接着層2で貼り合わされてい
る。
度が上昇しにくく、被調理物が調理面上に置かれても調
理面の温度が低下しにくい加熱調理プレートを提供す
る。 【解決手段】調理面1a上に置かれた被調理物を加熱調
理するための加熱調理プレートであって、上面が調理面
1aであるカーボン板1と、調理面1a以外の部分を被
うようにカーボン板1と一体化された低熱伝導性セラミ
ックス基板1とから成る。カーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3とは、接着層2で貼り合わされてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱調理プレート
に関するものである。更に詳しくは、ホットプレート等
の加熱用調理機器に用いられる加熱調理プレートに関す
るものである。
に関するものである。更に詳しくは、ホットプレート等
の加熱用調理機器に用いられる加熱調理プレートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱調理プレートとして、アルミ
ニウム製プレートや鉄製プレートが知られており、最近
ではカーボン製プレートも提案されている(特開平2-849
10号,特開平6-327568号,特公平7-14373号)。さらに、
熱源を備えた加熱調理プレートも知られており、例え
ば、プレート下部にシーズヒータが設置された加熱調理
プレートやプレート内にシーズヒータが埋め込まれた加
熱調理プレートが既に商品化されている。また、加熱調
理プレートに応用可能な面状発熱体も提案されている
(特開昭62-31983号)。この面状発熱体は、耐熱ガラス基
板に導体ペーストを印刷し焼成することによって耐熱ガ
ラス基板上に発熱皮膜を形成した構造を有している。
ニウム製プレートや鉄製プレートが知られており、最近
ではカーボン製プレートも提案されている(特開平2-849
10号,特開平6-327568号,特公平7-14373号)。さらに、
熱源を備えた加熱調理プレートも知られており、例え
ば、プレート下部にシーズヒータが設置された加熱調理
プレートやプレート内にシーズヒータが埋め込まれた加
熱調理プレートが既に商品化されている。また、加熱調
理プレートに応用可能な面状発熱体も提案されている
(特開昭62-31983号)。この面状発熱体は、耐熱ガラス基
板に導体ペーストを印刷し焼成することによって耐熱ガ
ラス基板上に発熱皮膜を形成した構造を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記アルミニウム製プ
レートや鉄製プレートには、調理面の均熱性が悪いとい
う問題がある。加熱調理プレートを厚くすることにより
熱容量を大きくすれば均熱性は良くなるが、その分重量
が増大するため重くなってしまう。また、加熱調理プレ
ートが薄いほど、食材等の被調理物を調理面上に置いた
ときに調理面の温度が大きく低下してしまうため、薄い
加熱調理プレートを使用する場合には調理面の温度を予
め200℃以上の高温にしておかなければならない。しか
し、調理面の温度を予め高くしておくと、被調理物が調
理面に載った直後に油が飛散したり油煙が発生したりし
てしまう。
レートや鉄製プレートには、調理面の均熱性が悪いとい
う問題がある。加熱調理プレートを厚くすることにより
熱容量を大きくすれば均熱性は良くなるが、その分重量
が増大するため重くなってしまう。また、加熱調理プレ
ートが薄いほど、食材等の被調理物を調理面上に置いた
ときに調理面の温度が大きく低下してしまうため、薄い
加熱調理プレートを使用する場合には調理面の温度を予
め200℃以上の高温にしておかなければならない。しか
し、調理面の温度を予め高くしておくと、被調理物が調
理面に載った直後に油が飛散したり油煙が発生したりし
てしまう。
【0004】カーボン製プレートには重量が軽いという
メリットはあるが、調理面以外の部分(例えば、調理面
の外周部)も熱くなりやすいので、火傷の危険性が大き
いという問題がある。アルミニウム製プレートにもこの
問題はあるが、カーボン製プレートは熱伝導率が良い
分、調理面の外周部に触れて火傷する危険性が大きいと
いえる。
メリットはあるが、調理面以外の部分(例えば、調理面
の外周部)も熱くなりやすいので、火傷の危険性が大き
いという問題がある。アルミニウム製プレートにもこの
問題はあるが、カーボン製プレートは熱伝導率が良い
分、調理面の外周部に触れて火傷する危険性が大きいと
いえる。
【0005】耐熱ガラス基板に発熱皮膜が形成された面
状発熱体を加熱調理プレートに応用した場合、加熱調理
プレートを直接面状に発熱させて調理面全体を均熱化さ
せることができる。しかし、初期の均熱性は良くても、
耐熱ガラス基板の熱伝導性が悪いため、一旦調理面の温
度が低下すると温度復帰に時間がかかってしまう。従っ
て、食材等の調理物を調理面上に置くと調理面の温度低
下した状態が長く続いてしまうため、調理性が悪くなる
という問題がある。
状発熱体を加熱調理プレートに応用した場合、加熱調理
プレートを直接面状に発熱させて調理面全体を均熱化さ
せることができる。しかし、初期の均熱性は良くても、
耐熱ガラス基板の熱伝導性が悪いため、一旦調理面の温
度が低下すると温度復帰に時間がかかってしまう。従っ
て、食材等の調理物を調理面上に置くと調理面の温度低
下した状態が長く続いてしまうため、調理性が悪くなる
という問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、調理面の均熱性が良く、調理面以外の部分
の温度が上昇しにくく、被調理物が調理面上に置かれて
も調理面の温度が低下しにくい加熱調理プレートを提供
することを目的とする。
のであって、調理面の均熱性が良く、調理面以外の部分
の温度が上昇しにくく、被調理物が調理面上に置かれて
も調理面の温度が低下しにくい加熱調理プレートを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の加熱調理プレートは、調理面上に置か
れた被調理物を加熱調理するための加熱調理プレートで
あって、前記調理面となる面を有するカーボン板と、前
記調理面以外の部分を被うように前記カーボン板と一体
化された低熱伝導性セラミックス基板と、を備えたこと
を特徴する。
め、第1の発明の加熱調理プレートは、調理面上に置か
れた被調理物を加熱調理するための加熱調理プレートで
あって、前記調理面となる面を有するカーボン板と、前
記調理面以外の部分を被うように前記カーボン板と一体
化された低熱伝導性セラミックス基板と、を備えたこと
を特徴する。
【0008】調理面を有するカーボン板は熱伝導性が良
く、低熱伝導性セラミックス基板は蓄熱性及び断熱性が
良いので、調理面上に被調理物を置いたときに被調理物
が載った部分の調理面の温度が低下しても、低熱伝導性
セラミックス基板に蓄えられた熱が調理面の温度低下し
た部分に迅速に伝えられて、調理面は速やかに均熱化さ
れる。また、蓄熱性及び断熱性に優れた低熱伝導性セラ
ミックス基板が、調理面以外の部分を被うようにカーボ
ン板と一体化されているため、カーボン板が加熱されて
も、調理面以外の部分には熱が伝わりにくい。従って、
例えば、調理面の外周部分のカーボン板及び低熱伝導性
セラミックス基板の温度は、火傷するほどは高くならな
い。
く、低熱伝導性セラミックス基板は蓄熱性及び断熱性が
良いので、調理面上に被調理物を置いたときに被調理物
が載った部分の調理面の温度が低下しても、低熱伝導性
セラミックス基板に蓄えられた熱が調理面の温度低下し
た部分に迅速に伝えられて、調理面は速やかに均熱化さ
れる。また、蓄熱性及び断熱性に優れた低熱伝導性セラ
ミックス基板が、調理面以外の部分を被うようにカーボ
ン板と一体化されているため、カーボン板が加熱されて
も、調理面以外の部分には熱が伝わりにくい。従って、
例えば、調理面の外周部分のカーボン板及び低熱伝導性
セラミックス基板の温度は、火傷するほどは高くならな
い。
【0009】第2の発明の加熱調理プレートは、前記第
1の発明の構成において、前記カーボン板と前記低熱伝
導性セラミックス基板との間に、ガラスフリット、耐熱
樹脂又はシリコーン樹脂から成る接着層を有することを
特徴とする。
1の発明の構成において、前記カーボン板と前記低熱伝
導性セラミックス基板との間に、ガラスフリット、耐熱
樹脂又はシリコーン樹脂から成る接着層を有することを
特徴とする。
【0010】カーボン板と低熱伝導性セラミックス基板
とをガラスフリットで貼り合わせることにより接着層を
構成した場合、接着層の耐熱性が高いため加熱調理プレ
ート自体の耐熱性も高くなる。カーボン板と低熱伝導性
セラミックス基板とをポリイミド等の耐熱樹脂で貼り合
わせることにより接着層を構成した場合、300℃以下の
低い温度の熱処理で高い耐熱性の接着層が得られ、これ
により加熱調理プレート自体の耐熱性も高くなる。カー
ボン板と低熱伝導性セラミックス基板とをシリコーン樹
脂で貼り合わせることにより接着層を構成した場合、接
着層を構成するシリコーン樹脂がゴム弾性を有している
ため、カーボン板と低熱伝導性セラミックス基板との間
に多少の熱膨張率差があっても、加熱調理プレート全体
の温度が高くなったときの熱膨張率差に起因する歪み
は、接着層によって大幅に緩和される。
とをガラスフリットで貼り合わせることにより接着層を
構成した場合、接着層の耐熱性が高いため加熱調理プレ
ート自体の耐熱性も高くなる。カーボン板と低熱伝導性
セラミックス基板とをポリイミド等の耐熱樹脂で貼り合
わせることにより接着層を構成した場合、300℃以下の
低い温度の熱処理で高い耐熱性の接着層が得られ、これ
により加熱調理プレート自体の耐熱性も高くなる。カー
ボン板と低熱伝導性セラミックス基板とをシリコーン樹
脂で貼り合わせることにより接着層を構成した場合、接
着層を構成するシリコーン樹脂がゴム弾性を有している
ため、カーボン板と低熱伝導性セラミックス基板との間
に多少の熱膨張率差があっても、加熱調理プレート全体
の温度が高くなったときの熱膨張率差に起因する歪み
は、接着層によって大幅に緩和される。
【0011】第3の発明の加熱調理プレートは、前記第
1の発明の構成において、前記低熱伝導性セラミックス
基板の前記カーボン板が設けられている側と反対側の
面、又は前記カーボン板と前記低熱伝導性セラミックス
基板との間に、発熱皮膜を有することを特徴とする。
1の発明の構成において、前記低熱伝導性セラミックス
基板の前記カーボン板が設けられている側と反対側の
面、又は前記カーボン板と前記低熱伝導性セラミックス
基板との間に、発熱皮膜を有することを特徴とする。
【0012】低熱伝導性セラミックス基板の前記カーボ
ン板が設けられている側と反対側の面に、例えば、導体
ペーストを印刷し焼成することにより発熱皮膜を形成し
た場合、発熱皮膜が低熱伝導性セラミックス基板を直接
加熱するため、発熱皮膜で発生した熱は、低熱伝導性セ
ラミックス基板からカーボン板へと迅速に伝えられて、
調理面は速やかに目的温度に達し均熱化される。調理面
の温度が低下しても、低熱伝導性セラミックス基板に蓄
えられた熱が、発熱皮膜の影響を受けることなくカーボ
ン板に伝わる。これに対し、カーボン板と低熱伝導性セ
ラミックス基板との間に、例えば、導体ペーストを印刷
し焼成することにより発熱皮膜を形成した場合、調理面
が目的温度に達するまでの時間は更に短くなり、発熱皮
膜がカーボン板と低熱伝導性セラミックス基板との間に
挟まれた状態にあるため、発熱皮膜が外部からの衝撃に
よって傷つくことは少なくなる。
ン板が設けられている側と反対側の面に、例えば、導体
ペーストを印刷し焼成することにより発熱皮膜を形成し
た場合、発熱皮膜が低熱伝導性セラミックス基板を直接
加熱するため、発熱皮膜で発生した熱は、低熱伝導性セ
ラミックス基板からカーボン板へと迅速に伝えられて、
調理面は速やかに目的温度に達し均熱化される。調理面
の温度が低下しても、低熱伝導性セラミックス基板に蓄
えられた熱が、発熱皮膜の影響を受けることなくカーボ
ン板に伝わる。これに対し、カーボン板と低熱伝導性セ
ラミックス基板との間に、例えば、導体ペーストを印刷
し焼成することにより発熱皮膜を形成した場合、調理面
が目的温度に達するまでの時間は更に短くなり、発熱皮
膜がカーボン板と低熱伝導性セラミックス基板との間に
挟まれた状態にあるため、発熱皮膜が外部からの衝撃に
よって傷つくことは少なくなる。
【0013】第4の発明の加熱調理プレートは、前記第
3の発明の構成において、前記発熱皮膜が正の抵抗温度
特性を有することを特徴とする。
3の発明の構成において、前記発熱皮膜が正の抵抗温度
特性を有することを特徴とする。
【0014】正の抵抗温度特性を有する発熱皮膜は、そ
の抵抗値を温度の変化と同方向に変化させる。従って、
この発熱皮膜を用いると、カーボン板の温度が低い場合
には、発熱皮膜の温度も低くなるため、発熱皮膜の抵抗
値は小さくなる。その結果、発熱皮膜に流れる電流が増
大して発熱皮膜の発熱量が増大するため、カーボン板の
温度が上昇することになる。反対に、カーボン板の温度
が高い場合には、発熱皮膜の温度も高くなるため、発熱
皮膜の抵抗値は大きくなる。その結果、発熱皮膜に流れ
る電流が減少して発熱皮膜の発熱量が減少するため、カ
ーボン板の温度が低下することになる。この自己温度制
御機能により、立ち上がり時間が速くなり、被調理物が
置かれて調理面の温度が低下した場合でもバックアップ
の電流が流れて速やかに温度が回復する。
の抵抗値を温度の変化と同方向に変化させる。従って、
この発熱皮膜を用いると、カーボン板の温度が低い場合
には、発熱皮膜の温度も低くなるため、発熱皮膜の抵抗
値は小さくなる。その結果、発熱皮膜に流れる電流が増
大して発熱皮膜の発熱量が増大するため、カーボン板の
温度が上昇することになる。反対に、カーボン板の温度
が高い場合には、発熱皮膜の温度も高くなるため、発熱
皮膜の抵抗値は大きくなる。その結果、発熱皮膜に流れ
る電流が減少して発熱皮膜の発熱量が減少するため、カ
ーボン板の温度が低下することになる。この自己温度制
御機能により、立ち上がり時間が速くなり、被調理物が
置かれて調理面の温度が低下した場合でもバックアップ
の電流が流れて速やかに温度が回復する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した加熱調理
プレートを図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態
相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付し
て重複説明を省略する。
プレートを図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態
相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付し
て重複説明を省略する。
【0016】《第1の実施形態(図1,図2)》図1は第
1の実施形態に係る加熱調理プレートの縦断面図であ
り、図2はその要部縦断面図である。この加熱調理プレ
ートは、カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3
とが接着層2を介して一体化された構造を有している。
カーボン板1の上面は、その上に被調理物(不図示)を置
いて加熱調理するために使われる調理面1aである。そ
して、低熱伝導性セラミックス基板3は、この調理面1
a以外の部分(即ち、カーボン板1の底面及び側面)を被
うように、カーボン板1と一体化されている。この加熱
調理プレートには、熱源が一体化されていないので、加
熱調理を行うには低熱伝導性セラミックス基板3の底面
を加熱する必要がある。そのための熱源としては、ガ
ス,誘電加熱装置,シーズヒータ等を使用することがで
きる。カーボン板1は熱伝導性が良いので、いずれの熱
源を用いた場合でも調理面1aを均熱化することができ
る。
1の実施形態に係る加熱調理プレートの縦断面図であ
り、図2はその要部縦断面図である。この加熱調理プレ
ートは、カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3
とが接着層2を介して一体化された構造を有している。
カーボン板1の上面は、その上に被調理物(不図示)を置
いて加熱調理するために使われる調理面1aである。そ
して、低熱伝導性セラミックス基板3は、この調理面1
a以外の部分(即ち、カーボン板1の底面及び側面)を被
うように、カーボン板1と一体化されている。この加熱
調理プレートには、熱源が一体化されていないので、加
熱調理を行うには低熱伝導性セラミックス基板3の底面
を加熱する必要がある。そのための熱源としては、ガ
ス,誘電加熱装置,シーズヒータ等を使用することがで
きる。カーボン板1は熱伝導性が良いので、いずれの熱
源を用いた場合でも調理面1aを均熱化することができ
る。
【0017】上記のように調理面1aを有するカーボン
板1は熱伝導性が良く、一方、低熱伝導性セラミックス
基板3は蓄熱性及び断熱性が良いので、調理面1a上に
食材等の被調理物を置いたときに被調理物が載った部分
の調理面の温度が低下しても、低熱伝導性セラミックス
基板3に蓄えられた熱がカーボン板1の調理面1aに迅
速に伝えられて、調理面1aは速やかに均熱化される。
従って、本実施形態の構成により、従来の加熱調理プレ
ートと比べて、調理面1aの均熱性は良くなり、被調理
物が調理面1a上に置かれても調理面1aの温度が低下
しにくくなる。また、調理中の調理面1aの温度変化を
小さくすることができるため、調理面1aの温度低下を
考慮に入れて予め調理面1aを高温にしておく必要がな
い。従って、調理面1aを予め高温にすることにより生
じる油の飛散や油煙の発生を抑えることができる。
板1は熱伝導性が良く、一方、低熱伝導性セラミックス
基板3は蓄熱性及び断熱性が良いので、調理面1a上に
食材等の被調理物を置いたときに被調理物が載った部分
の調理面の温度が低下しても、低熱伝導性セラミックス
基板3に蓄えられた熱がカーボン板1の調理面1aに迅
速に伝えられて、調理面1aは速やかに均熱化される。
従って、本実施形態の構成により、従来の加熱調理プレ
ートと比べて、調理面1aの均熱性は良くなり、被調理
物が調理面1a上に置かれても調理面1aの温度が低下
しにくくなる。また、調理中の調理面1aの温度変化を
小さくすることができるため、調理面1aの温度低下を
考慮に入れて予め調理面1aを高温にしておく必要がな
い。従って、調理面1aを予め高温にすることにより生
じる油の飛散や油煙の発生を抑えることができる。
【0018】また、蓄熱性及び断熱性に優れた低熱伝導
性セラミックス基板3が、調理面1a以外の部分を被う
ようにカーボン板1と一体化されているため、カーボン
板1が加熱されても、調理面1a以外の部分には熱が伝
わりにくい。従って、調理面1a以外の部分の温度(例
えば、調理面1aの外周部分のカーボン板1及び低熱伝
導性セラミックス基板3の温度)が上昇しにくいため、
本実施形態の加熱調理プレートは、安全性,使用性に優
れたものとなっている。
性セラミックス基板3が、調理面1a以外の部分を被う
ようにカーボン板1と一体化されているため、カーボン
板1が加熱されても、調理面1a以外の部分には熱が伝
わりにくい。従って、調理面1a以外の部分の温度(例
えば、調理面1aの外周部分のカーボン板1及び低熱伝
導性セラミックス基板3の温度)が上昇しにくいため、
本実施形態の加熱調理プレートは、安全性,使用性に優
れたものとなっている。
【0019】低熱伝導性セラミックス基板3としては、
結晶化ガラス,リチア系セラミックス,コーディエライ
ト系セラミックス等の材料から成る基板が用いられる。
これらの材料は耐熱性が高いため、これらの材料から成
る低熱伝導性セラミックス基板3を用いれば、加熱調理
プレート自体の耐熱性も向上する。従って、前記ガス等
の高温熱源を使用することも可能である。また、これら
の材料はカーボンと同様に熱膨張率が小さいため、一体
化されたカーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3
とは、近似した小さい熱膨張率を有したものとなる。従
って、加熱調理プレート全体の温度が高くなったとき、
カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3との間の
熱膨張率差に起因して生じる歪みも小さいものとなる。
このため、これらの材料から成る低熱伝導性セラミック
ス基板3を加熱調理プレートに用いれば、加熱が繰り返
されるような熱変化に対する耐久性が向上する。
結晶化ガラス,リチア系セラミックス,コーディエライ
ト系セラミックス等の材料から成る基板が用いられる。
これらの材料は耐熱性が高いため、これらの材料から成
る低熱伝導性セラミックス基板3を用いれば、加熱調理
プレート自体の耐熱性も向上する。従って、前記ガス等
の高温熱源を使用することも可能である。また、これら
の材料はカーボンと同様に熱膨張率が小さいため、一体
化されたカーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3
とは、近似した小さい熱膨張率を有したものとなる。従
って、加熱調理プレート全体の温度が高くなったとき、
カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3との間の
熱膨張率差に起因して生じる歪みも小さいものとなる。
このため、これらの材料から成る低熱伝導性セラミック
ス基板3を加熱調理プレートに用いれば、加熱が繰り返
されるような熱変化に対する耐久性が向上する。
【0020】カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基
板3との間に設けられている接着層2は、ガラスフリッ
ト、耐熱樹脂,シリコーン樹脂等の材料で構成されてい
る。この接着層2の性質によって、加熱調理プレートに
高い性能・機能を付与することができる。例えば、ガラ
スフリットを用いた場合、接着層2の耐熱性が高いた
め、加熱調理プレート自体の耐熱性も高くなり、加熱調
理プレートの使用可能温度は500℃にまで向上する。従
って、上記のようにガス等の高温の熱源を使用すること
ができる。
板3との間に設けられている接着層2は、ガラスフリッ
ト、耐熱樹脂,シリコーン樹脂等の材料で構成されてい
る。この接着層2の性質によって、加熱調理プレートに
高い性能・機能を付与することができる。例えば、ガラ
スフリットを用いた場合、接着層2の耐熱性が高いた
め、加熱調理プレート自体の耐熱性も高くなり、加熱調
理プレートの使用可能温度は500℃にまで向上する。従
って、上記のようにガス等の高温の熱源を使用すること
ができる。
【0021】ポリイミド等の耐熱樹脂を用いた場合、30
0℃以下の低い温度の熱処理で高い耐熱性の接着層2が
得られ、これにより加熱調理プレート自体の耐熱性も高
くなり、加熱調理プレートの使用可能温度は300℃にま
で向上する。また、耐熱樹脂は300℃以下の硬化温度で
の熱処理が可能であるため、接着を比較的容易に行うこ
とができる。シリコーン樹脂を用いた場合、シリコーン
樹脂がゴム弾性を有しているため、カーボン板1と低熱
伝導性セラミックス基板3との間に多少の熱膨張率差が
あっても、加熱調理プレート全体の温度が高くなったと
きの熱膨張率差に起因する歪みは、接着層2によって大
幅に緩和される。このため、加熱調理プレートの耐久性
が向上する。また、シリコーン樹脂は150℃以下の硬化
温度での熱処理が可能であるため、接着を比較的容易に
行うことができる。
0℃以下の低い温度の熱処理で高い耐熱性の接着層2が
得られ、これにより加熱調理プレート自体の耐熱性も高
くなり、加熱調理プレートの使用可能温度は300℃にま
で向上する。また、耐熱樹脂は300℃以下の硬化温度で
の熱処理が可能であるため、接着を比較的容易に行うこ
とができる。シリコーン樹脂を用いた場合、シリコーン
樹脂がゴム弾性を有しているため、カーボン板1と低熱
伝導性セラミックス基板3との間に多少の熱膨張率差が
あっても、加熱調理プレート全体の温度が高くなったと
きの熱膨張率差に起因する歪みは、接着層2によって大
幅に緩和される。このため、加熱調理プレートの耐久性
が向上する。また、シリコーン樹脂は150℃以下の硬化
温度での熱処理が可能であるため、接着を比較的容易に
行うことができる。
【0022】《第2の実施形態(図3)》図3は、第2の
実施形態に係る加熱調理プレートの要部縦断面図であ
る。この加熱調理プレートは、接着層2が設けられてい
ないほかは、上記第1の実施形態に係る加熱調理プレー
トと同一の構造を有している。接着層2がないため、カ
ーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3との間の熱
移動は迅速に行われる。
実施形態に係る加熱調理プレートの要部縦断面図であ
る。この加熱調理プレートは、接着層2が設けられてい
ないほかは、上記第1の実施形態に係る加熱調理プレー
トと同一の構造を有している。接着層2がないため、カ
ーボン板1と低熱伝導性セラミックス基板3との間の熱
移動は迅速に行われる。
【0023】《第3の実施形態(図4)》図4は、第3の
実施形態に係る加熱調理プレートの要部縦断面図であ
る。この加熱調理プレートは、第1の実施形態に係る加
熱調理プレートの底面(即ち、低熱伝導性セラミックス
基板3のカーボン板1が接着層2を介して設けられてい
る側と反対側の面)に、導体ペーストの印刷・焼成等に
よって発熱皮膜4が形成されたものである。
実施形態に係る加熱調理プレートの要部縦断面図であ
る。この加熱調理プレートは、第1の実施形態に係る加
熱調理プレートの底面(即ち、低熱伝導性セラミックス
基板3のカーボン板1が接着層2を介して設けられてい
る側と反対側の面)に、導体ペーストの印刷・焼成等に
よって発熱皮膜4が形成されたものである。
【0024】図4に示すように、発熱皮膜4は低熱伝導
性セラミックス基板3のカーボン板1が設けられている
側と反対側の面に形成されているので、発熱皮膜4が低
熱伝導性セラミックス基板3を直接加熱することにな
る。このため、発熱皮膜4から発生した熱は、低熱伝導
性セラミックス基板3からカーボン板1へと迅速に伝え
られて、調理面1aは速やかに目的温度に達し均熱化さ
れる。調理面1aの温度が低下しても、低熱伝導性セラ
ミックス基板3に蓄えられた熱が、発熱皮膜4の影響を
受けることなくカーボン板1に伝わるので、第3の実施
形態の構成によれば、調理面1a上に被調理物を置いて
も調理面1aの温度は低下しにくいという効果が得られ
る。
性セラミックス基板3のカーボン板1が設けられている
側と反対側の面に形成されているので、発熱皮膜4が低
熱伝導性セラミックス基板3を直接加熱することにな
る。このため、発熱皮膜4から発生した熱は、低熱伝導
性セラミックス基板3からカーボン板1へと迅速に伝え
られて、調理面1aは速やかに目的温度に達し均熱化さ
れる。調理面1aの温度が低下しても、低熱伝導性セラ
ミックス基板3に蓄えられた熱が、発熱皮膜4の影響を
受けることなくカーボン板1に伝わるので、第3の実施
形態の構成によれば、調理面1a上に被調理物を置いて
も調理面1aの温度は低下しにくいという効果が得られ
る。
【0025】《第4の実施形態(図5)》図5は、第4の
実施形態に係る加熱調理プレートの要部縦断面図であ
る。この加熱調理プレートは、第1の実施形態に係る加
熱調理プレートの内部(即ち、カーボン板1と低熱伝導
性セラミックス基板3との間)に、導体ペーストの印刷
・焼成等によって発熱皮膜4が形成されたものである。
実施形態に係る加熱調理プレートの要部縦断面図であ
る。この加熱調理プレートは、第1の実施形態に係る加
熱調理プレートの内部(即ち、カーボン板1と低熱伝導
性セラミックス基板3との間)に、導体ペーストの印刷
・焼成等によって発熱皮膜4が形成されたものである。
【0026】低熱伝導性セラミックス基板3上に形成さ
れた発熱皮膜4とカーボン板1との間には接着層2が設
けられているので、発熱皮膜4から発生した熱は、接着
層2を介してカーボン板1へと迅速に伝えられて、調理
面1aは速やかに目的温度に達し均熱化される。接着層
2は低熱伝導性セラミックス基板3よりも熱伝導性が良
いので、調理面が目的温度に達するまでの時間は、上記
第3の実施形態の場合よりも更に短くなる。従って、第
4の実施形態の構成によれば、調理面1aの立ち上がり
温度の昇温スピードが速くなると共に、温度低下した調
理面1aの温度復帰が速くなるという効果が得られる。
また、発熱皮膜4がカーボン板1と低熱伝導性セラミッ
クス基板3との間に挟まれた状態にあるため、このよう
な構造にすれば、発熱皮膜4が外部からの衝撃によって
傷つくことは少なくなり、これにより加熱調理プレート
の耐久性は向上する。
れた発熱皮膜4とカーボン板1との間には接着層2が設
けられているので、発熱皮膜4から発生した熱は、接着
層2を介してカーボン板1へと迅速に伝えられて、調理
面1aは速やかに目的温度に達し均熱化される。接着層
2は低熱伝導性セラミックス基板3よりも熱伝導性が良
いので、調理面が目的温度に達するまでの時間は、上記
第3の実施形態の場合よりも更に短くなる。従って、第
4の実施形態の構成によれば、調理面1aの立ち上がり
温度の昇温スピードが速くなると共に、温度低下した調
理面1aの温度復帰が速くなるという効果が得られる。
また、発熱皮膜4がカーボン板1と低熱伝導性セラミッ
クス基板3との間に挟まれた状態にあるため、このよう
な構造にすれば、発熱皮膜4が外部からの衝撃によって
傷つくことは少なくなり、これにより加熱調理プレート
の耐久性は向上する。
【0027】第3,第4の実施形態において形成されて
いる発熱皮膜4は、正の抵抗温度特性を有している。従
って、カーボン板1の温度が低い場合には、発熱皮膜4
の温度も低くなるため、発熱皮膜の抵抗値は小さくな
る。その結果、発熱皮膜4に流れる電流が増大して発熱
皮膜の発熱量が増大するため、カーボン板1の温度が上
昇することになる。反対に、カーボン板1の温度が高い
場合には、発熱皮膜4の温度も高くなるため、発熱皮膜
の抵抗値は大きくなる。その結果、発熱皮膜4に流れる
電流が減少して発熱皮膜の発熱量が減少するため、カー
ボン板1の温度が低下することになる。この自己温度制
御機能により、立ち上がり時間が速くなり、食材が置か
れて調理面1aの温度が低下した場合でもバックアップ
の電流が流れて速やかに温度が回復する。このように、
正の抵抗温度特性を有する発熱皮膜4を用いれば、制御
回路なしで、調理面1aの立ち上がり温度の昇温スピー
ド及び温度低下した調理面1aの温度復帰を速くするこ
とができるので、調理時間は大幅に短縮化される。
いる発熱皮膜4は、正の抵抗温度特性を有している。従
って、カーボン板1の温度が低い場合には、発熱皮膜4
の温度も低くなるため、発熱皮膜の抵抗値は小さくな
る。その結果、発熱皮膜4に流れる電流が増大して発熱
皮膜の発熱量が増大するため、カーボン板1の温度が上
昇することになる。反対に、カーボン板1の温度が高い
場合には、発熱皮膜4の温度も高くなるため、発熱皮膜
の抵抗値は大きくなる。その結果、発熱皮膜4に流れる
電流が減少して発熱皮膜の発熱量が減少するため、カー
ボン板1の温度が低下することになる。この自己温度制
御機能により、立ち上がり時間が速くなり、食材が置か
れて調理面1aの温度が低下した場合でもバックアップ
の電流が流れて速やかに温度が回復する。このように、
正の抵抗温度特性を有する発熱皮膜4を用いれば、制御
回路なしで、調理面1aの立ち上がり温度の昇温スピー
ド及び温度低下した調理面1aの温度復帰を速くするこ
とができるので、調理時間は大幅に短縮化される。
【0028】上記第1〜第4の実施形態において、カー
ボン板1にシリコンアルコキシドポリマーを含浸させ、
焼き付けるのが好ましい。カーボン板1をシリコンアル
コキシドポリマーでの含浸・焼き付け処理すると、脆い
カーボンがシリカで焼き固められて、カーボン板1の脆
さが補われる。従って、カーボン板1の調理面1aが摩
耗するのを防止することができる。さらに、シリコンア
ルコキシドポリマー含浸・焼き付け処理された調理面1
aに対し、ブラスト処理を施した後、フッ素コートを行
うのが好ましい。これにより、調理面1aの耐摩耗性が
更に向上し、食品の離型性も向上する。
ボン板1にシリコンアルコキシドポリマーを含浸させ、
焼き付けるのが好ましい。カーボン板1をシリコンアル
コキシドポリマーでの含浸・焼き付け処理すると、脆い
カーボンがシリカで焼き固められて、カーボン板1の脆
さが補われる。従って、カーボン板1の調理面1aが摩
耗するのを防止することができる。さらに、シリコンア
ルコキシドポリマー含浸・焼き付け処理された調理面1
aに対し、ブラスト処理を施した後、フッ素コートを行
うのが好ましい。これにより、調理面1aの耐摩耗性が
更に向上し、食品の離型性も向上する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施した加熱調理プレートに
関し、実施例を挙げて更に具体的に説明を行う。なお、
前述した実施形態と同一の部分や相当する部分には同一
の符号を用いて説明する。
関し、実施例を挙げて更に具体的に説明を行う。なお、
前述した実施形態と同一の部分や相当する部分には同一
の符号を用いて説明する。
【0030】《実施例1》実施例1は、前述した第2の
実施形態(図3)に対応する加熱調理プレートであり、等
方性高密度黒鉛(東洋炭素製IG-11,かさ密度:1.77g/cm
3)から成るカーボン板1が結晶化ガラスから成る低熱伝
導性セラミックス基板3に密着するように、低熱伝導性
セラミックス基板3上にカーボン板1を載せた構造を有
している。実施例1では、カーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3とが前述の接着層2なしに一体化され
ているため、カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基
板3との間の熱移動は迅速に行われる。
実施形態(図3)に対応する加熱調理プレートであり、等
方性高密度黒鉛(東洋炭素製IG-11,かさ密度:1.77g/cm
3)から成るカーボン板1が結晶化ガラスから成る低熱伝
導性セラミックス基板3に密着するように、低熱伝導性
セラミックス基板3上にカーボン板1を載せた構造を有
している。実施例1では、カーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3とが前述の接着層2なしに一体化され
ているため、カーボン板1と低熱伝導性セラミックス基
板3との間の熱移動は迅速に行われる。
【0031】《実施例2》実施例2は、前述した第1の
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例1で用いられるカーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3との間に、硼珪酸ガラス系フリットか
ら成る接着層2が設けられた構造を有している。この加
熱調理プレートは、ペースト化された硼珪酸ガラス系フ
リットを低熱伝導性セラミックス基板3に塗布した後、
100℃,30分乾燥;400℃,30分脱脂処理を行った後、そ
の上にカーボン板1を貼り付け、窒素雰囲気中、約900
℃で10分間焼成して接着を行うことにより製造される。
このように接着層2を硼珪酸ガラス系フリットで構成し
た場合、約500℃までの耐熱性を有する加熱調理プレー
トを得ることができる。また、接着層2の熱膨張率は、
7.0×10-6/℃以下であるのが望ましい。熱膨張率がそ
れ以上であると、上記焼成の際の熱衝撃によってクラッ
クが入りやすくなるからである。
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例1で用いられるカーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3との間に、硼珪酸ガラス系フリットか
ら成る接着層2が設けられた構造を有している。この加
熱調理プレートは、ペースト化された硼珪酸ガラス系フ
リットを低熱伝導性セラミックス基板3に塗布した後、
100℃,30分乾燥;400℃,30分脱脂処理を行った後、そ
の上にカーボン板1を貼り付け、窒素雰囲気中、約900
℃で10分間焼成して接着を行うことにより製造される。
このように接着層2を硼珪酸ガラス系フリットで構成し
た場合、約500℃までの耐熱性を有する加熱調理プレー
トを得ることができる。また、接着層2の熱膨張率は、
7.0×10-6/℃以下であるのが望ましい。熱膨張率がそ
れ以上であると、上記焼成の際の熱衝撃によってクラッ
クが入りやすくなるからである。
【0032】《実施例3》実施例3は、前述した第1の
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例1で用いられるカーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3との間に、ポリイミドワニス(東レ製
トレニース)から成る接着層2が設けられた構造を有し
ている。この加熱調理プレートは、上記ポリイミドワニ
スを低熱伝導性セラミックス基板3に塗布した後、その
上にカーボン板1を貼り付け、100℃,30分;150℃,30
分;300℃,30分の条件で加熱硬化させて接着を行うこ
とにより製造される。このように接着層2をポリイミド
ワニスで構成した場合、300℃以下の温度範囲で使用可
能な加熱調理プレートを得ることができる。
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例1で用いられるカーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3との間に、ポリイミドワニス(東レ製
トレニース)から成る接着層2が設けられた構造を有し
ている。この加熱調理プレートは、上記ポリイミドワニ
スを低熱伝導性セラミックス基板3に塗布した後、その
上にカーボン板1を貼り付け、100℃,30分;150℃,30
分;300℃,30分の条件で加熱硬化させて接着を行うこ
とにより製造される。このように接着層2をポリイミド
ワニスで構成した場合、300℃以下の温度範囲で使用可
能な加熱調理プレートを得ることができる。
【0033】《実施例4》実施例4は、前述した第1の
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例1で用いられるカーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3との間に、シリコーン樹脂(東芝シリ
コーン製TSE-3260)から成る接着層2が設けられた構造
を有している。この加熱調理プレートは、上記シリコー
ン樹脂を低熱伝導性セラミックス基板3に塗布した後、
その上にカーボン板1を貼り付け、150℃30分の条件で
加熱硬化させて接着を行うことにより製造される。この
ように接着層2をシリコーン樹脂で構成した場合、250
℃以下の温度範囲で使用可能な加熱調理プレートを得る
ことができる。また、硬化したシリコーン樹脂はゴム弾
性を有しているので、接着層2に発生する歪みが緩和さ
れる。従って、実施例4の加熱調理プレートは、繰り返
し加熱されるような温度変化に対して高い耐久性を有し
たものとなる。
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例1で用いられるカーボン板1と低熱伝導性セ
ラミックス基板3との間に、シリコーン樹脂(東芝シリ
コーン製TSE-3260)から成る接着層2が設けられた構造
を有している。この加熱調理プレートは、上記シリコー
ン樹脂を低熱伝導性セラミックス基板3に塗布した後、
その上にカーボン板1を貼り付け、150℃30分の条件で
加熱硬化させて接着を行うことにより製造される。この
ように接着層2をシリコーン樹脂で構成した場合、250
℃以下の温度範囲で使用可能な加熱調理プレートを得る
ことができる。また、硬化したシリコーン樹脂はゴム弾
性を有しているので、接着層2に発生する歪みが緩和さ
れる。従って、実施例4の加熱調理プレートは、繰り返
し加熱されるような温度変化に対して高い耐久性を有し
たものとなる。
【0034】上記実施例1〜実施例4において、熱源と
して面状ヒータを用いて低熱伝導性セラミックス基板3
を加熱したところ、いずれの場合も、調理面1aの温度
設定200℃で±15℃の均熱性を示した。また、熱源から4
0mm離れた調理面1aの温度は90℃であった。ちなみ
に、従来のアルミニウム製プレートでは、調理面の温度
設定270℃で±30℃の均熱性を示し、熱源から40mm離れ
た調理面1aの温度は234℃であった。
して面状ヒータを用いて低熱伝導性セラミックス基板3
を加熱したところ、いずれの場合も、調理面1aの温度
設定200℃で±15℃の均熱性を示した。また、熱源から4
0mm離れた調理面1aの温度は90℃であった。ちなみ
に、従来のアルミニウム製プレートでは、調理面の温度
設定270℃で±30℃の均熱性を示し、熱源から40mm離れ
た調理面1aの温度は234℃であった。
【0035】《発熱皮膜4の抵抗温度特性TCR(図
8)》図8に、各種導電材から成る発熱皮膜4の表面温
度(℃)と抵抗変化率との関係をグラフ化して示す。ま
た、各発熱皮膜4の抵抗温度特性TCR{即ち、温度に
よる抵抗変化率(%/℃)}は、ニッケル(Ni)系皮膜では
0.65%/℃、銀(Ag)系皮膜では0.35%/℃、ニクロムヒ
ータでは0.02%/℃である。図8から、発熱皮膜4の導
電材として、ニッケル(後記実施例5の場合)や銀(後記
実施例6の場合)を用いれば、ニクロムヒータよりもは
るかに大きな正の抵抗温度特性を有する発熱皮膜4が得
られることが分かる。
8)》図8に、各種導電材から成る発熱皮膜4の表面温
度(℃)と抵抗変化率との関係をグラフ化して示す。ま
た、各発熱皮膜4の抵抗温度特性TCR{即ち、温度に
よる抵抗変化率(%/℃)}は、ニッケル(Ni)系皮膜では
0.65%/℃、銀(Ag)系皮膜では0.35%/℃、ニクロムヒ
ータでは0.02%/℃である。図8から、発熱皮膜4の導
電材として、ニッケル(後記実施例5の場合)や銀(後記
実施例6の場合)を用いれば、ニクロムヒータよりもは
るかに大きな正の抵抗温度特性を有する発熱皮膜4が得
られることが分かる。
【0036】《実施例5》実施例5は、前述した第3の
実施形態(図4)に対応する加熱調理プレートであり、実
施例4における低熱伝導性セラミックス基板3の底面
(つまり、カーボン板1貼り付け面の裏面)に、発熱皮膜
4が設けられた構造を有している。この加熱調理プレー
トは、銀(Ag)粉末を導電材としガラスフリットをバイン
ダーとしたペースト状のインキ(銀95%,硼珪酸ガラス
系フリット5%)を、図6に示すように低熱伝導性セラミ
ックス基板3に印刷し、100℃で乾燥した後、約850℃で
焼成して発熱皮膜4,電極部5及び端子部6を形成する
ことにより製造される。このようにして形成された発熱
皮膜4の抵抗値は、膜厚20μmで約5Ωであった。
実施形態(図4)に対応する加熱調理プレートであり、実
施例4における低熱伝導性セラミックス基板3の底面
(つまり、カーボン板1貼り付け面の裏面)に、発熱皮膜
4が設けられた構造を有している。この加熱調理プレー
トは、銀(Ag)粉末を導電材としガラスフリットをバイン
ダーとしたペースト状のインキ(銀95%,硼珪酸ガラス
系フリット5%)を、図6に示すように低熱伝導性セラミ
ックス基板3に印刷し、100℃で乾燥した後、約850℃で
焼成して発熱皮膜4,電極部5及び端子部6を形成する
ことにより製造される。このようにして形成された発熱
皮膜4の抵抗値は、膜厚20μmで約5Ωであった。
【0037】上記実施例5に係る加熱調理プレートと従
来例(アルミニウム製プレートをプレート下部に設置さ
れたシーズヒータで加熱するタイプの加熱調理プレー
ト)の調理性能を、次のようにして調べた。実施例5の
発熱皮膜4と従来例のシーズヒータに、80Vの電圧を印
加して消費電力433Wで調理面1aを加熱した。そし
て、調理面1a上に40×40×20mmの肉片を置いてから90
秒後の調理面1aの温度{プレート表面温度(℃)}を測定
した。
来例(アルミニウム製プレートをプレート下部に設置さ
れたシーズヒータで加熱するタイプの加熱調理プレー
ト)の調理性能を、次のようにして調べた。実施例5の
発熱皮膜4と従来例のシーズヒータに、80Vの電圧を印
加して消費電力433Wで調理面1aを加熱した。そし
て、調理面1a上に40×40×20mmの肉片を置いてから90
秒後の調理面1aの温度{プレート表面温度(℃)}を測定
した。
【0038】上記温度測定の結果、実施例5では、200
℃の温度に設定された調理面1aの温度が158℃になっ
た。また、従来例では、270℃の温度に設定された調理
面1aの温度が168℃になり、230℃の温度に設定された
調理面1aの温度が141℃になった。この測定結果か
ら、従来例では調理面1a上に食材を置いたときの温度
低下が大きく、実施例5では調理面1a上に食材を置い
たときの温度低下が小さいことが分かった。
℃の温度に設定された調理面1aの温度が158℃になっ
た。また、従来例では、270℃の温度に設定された調理
面1aの温度が168℃になり、230℃の温度に設定された
調理面1aの温度が141℃になった。この測定結果か
ら、従来例では調理面1a上に食材を置いたときの温度
低下が大きく、実施例5では調理面1a上に食材を置い
たときの温度低下が小さいことが分かった。
【0039】肉の焦げ具合等に特徴が要求される焼き肉
の調理においては、調理面1aの温度が150℃未満にな
ることは好ましくない。さらに、調理面1aの温度が20
0℃を超えると、油煙や油飛散の量が多くなるのでやは
り好ましくない。そこで、調理面1aの温度設定を、前
記肉片によって調理面1aの温度が150℃まで低下する
ように行い、その場合の温度変化を実施例5と前記従来
例について測定した。
の調理においては、調理面1aの温度が150℃未満にな
ることは好ましくない。さらに、調理面1aの温度が20
0℃を超えると、油煙や油飛散の量が多くなるのでやは
り好ましくない。そこで、調理面1aの温度設定を、前
記肉片によって調理面1aの温度が150℃まで低下する
ように行い、その場合の温度変化を実施例5と前記従来
例について測定した。
【0040】図7に、その結果を示す。図7中、t1は
肉片を調理面1a上に置いた時、t2は調理終了した時
(即ち、電源OFF時)である。図7から、実施例5にお
いて設定温度を200℃にすれば、上記肉片を調理面1a
上に置いたときの温度低下を150℃で止めることがで
き、また、従来例において設定温度を290℃にしなけれ
ば、上記肉片を調理面1a上に置いたときの温度低下を
150℃で止めることができないことが分かる。従って、
実施例5によれば、調理面1aの温度を加熱調理に適し
た温度150〜200℃にすることができるため、油煙の発生
量及び油の飛散量が少ない調理を実現することができ
る。
肉片を調理面1a上に置いた時、t2は調理終了した時
(即ち、電源OFF時)である。図7から、実施例5にお
いて設定温度を200℃にすれば、上記肉片を調理面1a
上に置いたときの温度低下を150℃で止めることがで
き、また、従来例において設定温度を290℃にしなけれ
ば、上記肉片を調理面1a上に置いたときの温度低下を
150℃で止めることができないことが分かる。従って、
実施例5によれば、調理面1aの温度を加熱調理に適し
た温度150〜200℃にすることができるため、油煙の発生
量及び油の飛散量が少ない調理を実現することができ
る。
【0041】また、図7から、最初に電圧を印加した直
後は調理面1aの温度が低いため大きな電力が消費され
てその温度上昇が促進されるが、調理面1aの温度が上
昇すると自動的に消費電力が抑えられることが分かる。
このように立ち上がり温度の昇温スピードが速くなるの
は、発熱皮膜4が正の抵抗温度特性TCRを有している
からである。従って、実施例5の加熱調理プレートを用
いれば、調理を速やかに開始することができるのであ
る。
後は調理面1aの温度が低いため大きな電力が消費され
てその温度上昇が促進されるが、調理面1aの温度が上
昇すると自動的に消費電力が抑えられることが分かる。
このように立ち上がり温度の昇温スピードが速くなるの
は、発熱皮膜4が正の抵抗温度特性TCRを有している
からである。従って、実施例5の加熱調理プレートを用
いれば、調理を速やかに開始することができるのであ
る。
【0042】さらに、図7から、調理面1a上に肉片を
置いた時t1、調理面1aの温度低下(即ち、発熱皮膜4
の温度低下)によって、発熱皮膜4の抵抗値が下がり、
電力が自動的に上昇して調理面1aの温度上昇が促進さ
れることが分かる。実施例5において、温度低下した調
理面1aの温度復帰が速いのは、発熱皮膜4が正の抵抗
温度特性TCRを有しているからである。従って、この
発熱皮膜4の自己温度制御性によって、調理が容易にな
り、かつ、調理時間が短縮される。
置いた時t1、調理面1aの温度低下(即ち、発熱皮膜4
の温度低下)によって、発熱皮膜4の抵抗値が下がり、
電力が自動的に上昇して調理面1aの温度上昇が促進さ
れることが分かる。実施例5において、温度低下した調
理面1aの温度復帰が速いのは、発熱皮膜4が正の抵抗
温度特性TCRを有しているからである。従って、この
発熱皮膜4の自己温度制御性によって、調理が容易にな
り、かつ、調理時間が短縮される。
【0043】《実施例6》実施例6は、前述した第3の
実施形態(図4)に対応する加熱調理プレートであり、ニ
ッケル(Ni)から成る発熱皮膜4が用いられているほかは
上記実施例5と同様の構造を有してる。ニッケルの方が
銀よりも抵抗温度特性TCRが大きいので(図8参照)、
実施例6によれば実施例5よりも調理面1aの立ち上が
り温度の昇温スピード及び温度低下した調理面1aの温
度復帰を速くすることができる。しかも、低コストでの
実現が可能である。
実施形態(図4)に対応する加熱調理プレートであり、ニ
ッケル(Ni)から成る発熱皮膜4が用いられているほかは
上記実施例5と同様の構造を有してる。ニッケルの方が
銀よりも抵抗温度特性TCRが大きいので(図8参照)、
実施例6によれば実施例5よりも調理面1aの立ち上が
り温度の昇温スピード及び温度低下した調理面1aの温
度復帰を速くすることができる。しかも、低コストでの
実現が可能である。
【0044】《実施例7》実施例7は、前述した第1の
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例2〜4におけるカーボン板1がシリカで焼き
固められた構造を有している。この加熱調理プレート
は、カーボン板1をシリコンアルコキシドポリマーのア
ルコール溶液に10分間浸漬し、230℃,30分の焼き付け
を行って焼結させることにより製造される。このシリコ
ンアルコキシドポリマー含浸・焼き付け処理によって、
カーボン板1の表面、即ち調理面1aの耐摩耗性が向上
する。
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例2〜4におけるカーボン板1がシリカで焼き
固められた構造を有している。この加熱調理プレート
は、カーボン板1をシリコンアルコキシドポリマーのア
ルコール溶液に10分間浸漬し、230℃,30分の焼き付け
を行って焼結させることにより製造される。このシリコ
ンアルコキシドポリマー含浸・焼き付け処理によって、
カーボン板1の表面、即ち調理面1aの耐摩耗性が向上
する。
【0045】《実施例8》実施例8は、前述した第1の
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例7の調理面1aがフッ素皮膜でコートされた
構造を有している。この加熱調理プレートは、実施例7
のシリコンアルコキシドポリマー含浸・焼き付け処理さ
れた調理面1aに対して、ブラスト処理を施した後、フ
ッ素のプライマーコートを行い、120℃,30分の乾燥
後、380℃,30分の焼き付けを行い、室温に冷却した
後、フッ素のトップコートを行い、160℃,30分の乾燥
後、380℃,30分の焼き付けを行ってフッ素皮膜を形成
することにより製造される。このフッ素皮膜によって、
カーボン板1の調理面1aの耐摩耗性が更に大幅に向上
し、食品の離型性も向上する。
実施形態(図1,図2)に対応する加熱調理プレートであ
り、実施例7の調理面1aがフッ素皮膜でコートされた
構造を有している。この加熱調理プレートは、実施例7
のシリコンアルコキシドポリマー含浸・焼き付け処理さ
れた調理面1aに対して、ブラスト処理を施した後、フ
ッ素のプライマーコートを行い、120℃,30分の乾燥
後、380℃,30分の焼き付けを行い、室温に冷却した
後、フッ素のトップコートを行い、160℃,30分の乾燥
後、380℃,30分の焼き付けを行ってフッ素皮膜を形成
することにより製造される。このフッ素皮膜によって、
カーボン板1の調理面1aの耐摩耗性が更に大幅に向上
し、食品の離型性も向上する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように第1〜第4の発明に
よれば、調理面を有するカーボン板は熱伝導性が良く、
低熱伝導性セラミックス基板は蓄熱性及び断熱性が良い
ので、調理面の均熱性が良く、被調理物が調理面上に置
かれても調理面の温度が低下しにくいという効果があ
る。調理中の調理面の温度変化を小さくすることができ
るため、調理面の温度低下を考慮に入れて予め調理面を
高温にしておく必要がない。従って、調理面を予め高温
にすることにより生じる油の飛散や油煙の発生を抑える
ことができる。
よれば、調理面を有するカーボン板は熱伝導性が良く、
低熱伝導性セラミックス基板は蓄熱性及び断熱性が良い
ので、調理面の均熱性が良く、被調理物が調理面上に置
かれても調理面の温度が低下しにくいという効果があ
る。調理中の調理面の温度変化を小さくすることができ
るため、調理面の温度低下を考慮に入れて予め調理面を
高温にしておく必要がない。従って、調理面を予め高温
にすることにより生じる油の飛散や油煙の発生を抑える
ことができる。
【0047】また、蓄熱性及び断熱性に優れた低熱伝導
性セラミックス基板が、調理面以外の部分を被うように
カーボン板と一体化されているため、調理面以外の部分
の温度が上昇しにくいという効果がある。従って、安全
性,使用性に優れた加熱調理プレートを実現することが
できる。
性セラミックス基板が、調理面以外の部分を被うように
カーボン板と一体化されているため、調理面以外の部分
の温度が上昇しにくいという効果がある。従って、安全
性,使用性に優れた加熱調理プレートを実現することが
できる。
【0048】第2の発明によれば、カーボン板と低熱伝
導性セラミックス基板との間に設けられた接着層の性質
によって、加熱調理プレートに高い性能・機能を付与す
ることができる。例えば、接着層をガラスフリットで構
成した場合、接着層の高い耐熱性により、加熱調理プレ
ートの使用可能温度は500℃にまで向上する。従って、
熱源としてガス等の高温熱源を使用することができる。
接着層を耐熱樹脂で構成した場合、接着層の高い耐熱性
により、加熱調理プレートの使用可能温度は300℃にま
で向上する。また、耐熱樹脂は300℃以下の硬化温度で
の熱処理が可能であるため、接着を比較的容易に行うこ
とができるという効果もある。接着層をシリコーン樹脂
で構成した場合、ゴム弾性を有する接着層がカーボン板
と低熱伝導性セラミックス基板との間の熱膨張率差に起
因する歪みを大幅に緩和するため、加熱調理プレートの
耐久性が向上する。また、シリコーン樹脂は150℃以下
の硬化温度での熱処理が可能であるため、接着を比較的
容易に行うことができるという効果もある。
導性セラミックス基板との間に設けられた接着層の性質
によって、加熱調理プレートに高い性能・機能を付与す
ることができる。例えば、接着層をガラスフリットで構
成した場合、接着層の高い耐熱性により、加熱調理プレ
ートの使用可能温度は500℃にまで向上する。従って、
熱源としてガス等の高温熱源を使用することができる。
接着層を耐熱樹脂で構成した場合、接着層の高い耐熱性
により、加熱調理プレートの使用可能温度は300℃にま
で向上する。また、耐熱樹脂は300℃以下の硬化温度で
の熱処理が可能であるため、接着を比較的容易に行うこ
とができるという効果もある。接着層をシリコーン樹脂
で構成した場合、ゴム弾性を有する接着層がカーボン板
と低熱伝導性セラミックス基板との間の熱膨張率差に起
因する歪みを大幅に緩和するため、加熱調理プレートの
耐久性が向上する。また、シリコーン樹脂は150℃以下
の硬化温度での熱処理が可能であるため、接着を比較的
容易に行うことができるという効果もある。
【0049】第3の発明によれば、熱源である発熱皮膜
が加熱調理プレートに密着して直接加熱するので高い熱
効率で調理面を温度を上げることができる。さらに、低
熱伝導性セラミックス基板のカーボン板が設けられてい
る側と反対側の面に発熱皮膜が形成されている場合、低
熱伝導性セラミックス基板に蓄えられた熱が発熱皮膜の
影響を受けることなくカーボン板に伝わるため、調理面
上に被調理物を置いても調理面の温度は低下しにくいと
いう効果がある。カーボン板と低熱伝導性セラミックス
基板との間に発熱皮膜が形成されている場合、調理面の
立ち上がり温度の昇温スピードが速くなると共に、温度
低下した調理面の温度復帰が速くなるという効果があ
る。さらに、外部の衝撃によって発熱皮膜が傷つきにく
くなるため、耐久性が向上するという効果がある。
が加熱調理プレートに密着して直接加熱するので高い熱
効率で調理面を温度を上げることができる。さらに、低
熱伝導性セラミックス基板のカーボン板が設けられてい
る側と反対側の面に発熱皮膜が形成されている場合、低
熱伝導性セラミックス基板に蓄えられた熱が発熱皮膜の
影響を受けることなくカーボン板に伝わるため、調理面
上に被調理物を置いても調理面の温度は低下しにくいと
いう効果がある。カーボン板と低熱伝導性セラミックス
基板との間に発熱皮膜が形成されている場合、調理面の
立ち上がり温度の昇温スピードが速くなると共に、温度
低下した調理面の温度復帰が速くなるという効果があ
る。さらに、外部の衝撃によって発熱皮膜が傷つきにく
くなるため、耐久性が向上するという効果がある。
【0050】第4の発明によれば、発熱皮膜が有してい
る正の抵抗温度特性によって自己温度制御が行われるた
め、制御回路なしで、調理面の立ち上がり温度の昇温ス
ピード及び温度低下した調理面の温度復帰を速くするこ
とができる。従って、調理時間を短縮することができ
る。
る正の抵抗温度特性によって自己温度制御が行われるた
め、制御回路なしで、調理面の立ち上がり温度の昇温ス
ピード及び温度低下した調理面の温度復帰を速くするこ
とができる。従って、調理時間を短縮することができ
る。
【図1】第1の実施形態に係る加熱調理プレートを示す
縦断面図。
縦断面図。
【図2】第1の実施形態に係る加熱調理プレートを示す
要部縦断面図。
要部縦断面図。
【図3】第2の実施形態に係る加熱調理プレートを示す
要部縦断面図。
要部縦断面図。
【図4】第3の実施形態に係る加熱調理プレートを示す
要部縦断面図。
要部縦断面図。
【図5】第4の実施形態に係る加熱調理プレートを示す
要部縦断面図。
要部縦断面図。
【図6】実施例5の加熱調理プレートを示す底面図。
【図7】実施例5と従来例の温度特性等を比較して示す
グラフ。
グラフ。
【図8】実施例5,実施例6の加熱調理プレートを構成
する発熱皮膜の抵抗温度特性を示すグラフ。
する発熱皮膜の抵抗温度特性を示すグラフ。
1 カーボン板 2 接着層 3 低熱伝導性セラミックス基板 4 発熱皮膜
Claims (4)
- 【請求項1】 調理面上に置かれた被調理物を加熱調理
するための加熱調理プレートであって、前記調理面とな
る面を有するカーボン板と、前記調理面以外の部分を被
うように前記カーボン板と一体化された低熱伝導性セラ
ミックス基板と、を備えたことを特徴とする加熱調理プ
レート。 - 【請求項2】 前記カーボン板と前記低熱伝導性セラミ
ックス基板との間に、ガラスフリット、耐熱樹脂又はシ
リコーン樹脂から成る接着層を有することを特徴とする
請求項1に記載の加熱調理プレート。 - 【請求項3】 前記低熱伝導性セラミックス基板の前記
カーボン板が設けられている側と反対側の面、又は前記
カーボン板と前記低熱伝導性セラミックス基板との間
に、発熱皮膜を有することを特徴とする請求項1に記載
の加熱調理プレート。 - 【請求項4】 前記発熱皮膜が正の抵抗温度特性を有す
ることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理プレー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26506395A JPH09103375A (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 加熱調理プレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26506395A JPH09103375A (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 加熱調理プレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09103375A true JPH09103375A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17412077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26506395A Pending JPH09103375A (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 加熱調理プレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09103375A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030021605A (ko) * | 2001-09-07 | 2003-03-15 | 김은희 | 탄소를 이용한 불고기판 제조방법 |
JP2006167157A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Ih調理器用鍋 |
KR100823837B1 (ko) * | 2007-10-31 | 2008-04-21 | 김진일 | 발열판 및 이를 포함하는 전자렌지용 용기 |
JP2008183052A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-14 | Takehiko Oki | 電子レンジ用の調理方法及び調理器具 |
JP2016054916A (ja) * | 2014-09-09 | 2016-04-21 | 東京瓦斯株式会社 | 加熱調理器 |
-
1995
- 1995-10-13 JP JP26506395A patent/JPH09103375A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030021605A (ko) * | 2001-09-07 | 2003-03-15 | 김은희 | 탄소를 이용한 불고기판 제조방법 |
JP2006167157A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Ih調理器用鍋 |
JP2008183052A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-14 | Takehiko Oki | 電子レンジ用の調理方法及び調理器具 |
KR100823837B1 (ko) * | 2007-10-31 | 2008-04-21 | 김진일 | 발열판 및 이를 포함하는 전자렌지용 용기 |
JP2016054916A (ja) * | 2014-09-09 | 2016-04-21 | 東京瓦斯株式会社 | 加熱調理器 |
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