JPH0910288A - 含水性ソフトコンタクトレンズの洗浄および消毒用組成物 - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズの洗浄および消毒用組成物

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JPH0910288A
JPH0910288A JP7188428A JP18842895A JPH0910288A JP H0910288 A JPH0910288 A JP H0910288A JP 7188428 A JP7188428 A JP 7188428A JP 18842895 A JP18842895 A JP 18842895A JP H0910288 A JPH0910288 A JP H0910288A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含水性ソフトコンタクトレンズの洗浄および
消毒を同時に実施できる安全で取扱易い組成物を提供す
る。 【構成】 pH緩衝剤、微生物の細胞壁に作用する酵素、
微生物の細胞膜に作用する酵素、抗菌性タンパク質およ
びピマリシンを含有する組成物である。この組成物は、
水性の液体組成物とし、その中に含水性ソフトコンタク
トレンズを浸漬放置するだけで、含水性ソフトコンタク
トレンズの洗浄および消毒を酵素的に効率よく実施でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンタクトレンズの洗
浄および消毒の分野に関するものであり、さらに詳しく
は、酵素反応を利用した含水性ソフトコンタクトレンズ
の洗浄および消毒用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズは、ハードコンタクト
レンズとソフトコンタクトレンズに大別される。更に、
ハードコンタクトレンズには、ポリメタクリル酸メチル
を主成分とする非酵素透過性ハードコンタクトレンズと
種々のジメチルシロキサングループやフッ素原子を含有
する材料を用いた酵素透過性ハードコンタクトレンズに
分類される。一方、ソフトコンタクトレンズには、ポリ
ヒドロキシメタクリレートを主成分とする含水性ソフト
コンタクトレンズとケイ素やフッ素を含有した合成ゴ
ム、アクリルゴムを用いた非含水性ソフトコンタクトレ
ンズがある。
【0003】こららのコンタクトレンズの使用上の共通
した問題は、コンタクトレンズの汚れである。一般的な
この種の汚れは、涙液由来のタンパク質、粘性多糖類、
脂質などの有機物やカルシウムなどの無機物が蓄積し固
着したものである。その中の涙液由来タンパク質がとく
に問題となる。この涙液由来タンパク質がコンタクトレ
ンズ表面に蓄積し固着すると、コンタクトレンズに曇り
が生じ、光学的透明度が失われ装用者に不快感をもたら
す。最悪の場合には、コンタクトレンズ表面の固着物で
角膜を傷つけ、充血、炎症等の眼障害を引き起こし、そ
の装用を中止しなければならない事態となる。
【0004】そのため、コンタクトレンズの種類に関係
なく、その汚れを取り除く共通した方法が開発されてい
る。代表的な方法は、界面活性剤を含む洗浄剤で「こす
り洗い」することである。この「こすり洗い」は日常の
手入れには有効であるが、コンタクトレンズ表面に固着
した涙液由来タンパク質を取り除くには適当でない。し
かも、「こすり洗い」の際にコンタクトレンズの紛失や
破損を起こす危険性がある。最近では、このコンタクト
レンズの汚れをより安全で確実に取り除くため、酵素を
利用した洗浄方法が開発された。例えば、特開平1−1
67726号公報には、微生物由来のプロテアーゼを利
用した保存液が開示されているが、このようにコンタク
トレンズの汚れを酵素で取り除く方法は、業界で一般的
に広く普及している。
【0005】コンタクトレンズの中でも含水性の素材か
らなる含水性ソフトコンタクトレンズは、約30〜約8
0%の水を含むヒドロゲルで良好な装用感を有してい
る。しかしながら、レンズ内部に水を含むため微生物が
成育する温床となる。そのため、微生物学的な汚染防止
を目的とする消毒が義務づけられている。このような日
常的な消毒の義務は、含水性ソフトコンタクトレンズに
限定されている。
【0006】含水性ソフトコンタクトレンズの消毒に
は、熱による煮沸消毒法と化学薬品による化学消毒法が
ある。煮沸消毒法は、一般に電気による加熱手段が採ら
れている。一方、化学薬剤を使った化学消毒法は、過酸
化水素を利用したものが開発されている。例えば、特開
昭63−286158号公報には、過酸化水素による消
毒と過酸化水素の分解に固定化酸素を利用した方法が開
示されており、特開昭63−199799号公報には、
過酸化水素発生化合物と還元剤と緩衝液を含有する錠剤
を組み合わせたものが開示されている。また、特開平4
−226666号公報には、過酸化水素をアルカリ条件
下で用いる消毒工程および還元剤と緩衝液を含有する液
状中和剤を用いた中和工程とからなる方法が開示されて
いる。
【0007】過酸化水素以外の薬剤を利用したものも開
発されている。例えば、特開昭61−59420号公報
には、消毒剤としてトリメトプリムとベンジルアルコー
ルを組み合わせた方法が開示されている。特開昭63−
131124号公報には、ジアミン類とジハロゲン化合
物を主成分とする縮合体による洗浄、保存または消毒の
ために使用する液剤が開示されている。更に、特開平4
−234723号公報には、二酸化塩素前駆物質を含有
する電解液に電流を通して二酸化塩素を発生させて消毒
する方法が開示されている。
【0008】また、コンタクトレンズの洗浄と消毒を同
時に実施するために提案された幾つかの方法がある。例
えば、特開平2−289255号公報には、タンパク質
分解酵素と重合体型抗菌剤および約200〜約600m
Osm/kg水の浸透圧値を有する組成物と方法が開示
されている。この使用条件では、ヒドロゲルレンズを装
用する時の浸透圧が配慮されておらず、生理食塩水の浸
透圧に戻す工程が必要である。更に、ヒドロゲルレンズ
に対する抗菌剤の取り込みに関しては何ら触れられてい
ない。特開平4−231054号公報には、第4級アン
モニウム塩やビグアナイドの重合体型抗菌剤と錯化剤お
よび酵素からなる組成物、並びに同組成物を用いる洗浄
・殺菌方法が開示されているが、ここには、第4級アン
モニウム塩やビグアニドの重合体型抗菌剤の殺菌力は、
C.albicansとA.fumigatusに対し
て有効でないことが記載されている。また、重合体型抗
菌剤と酵素の間の結合を錯化剤によって抑制している
が、不十分であり、洗浄と消毒を同時に実施することは
難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】熱を利用したコンタク
トレンズの煮沸消毒は、電源が必要であり、使用範囲が
限定される。しかも、熱によるタンパク質の変性物がレ
ンズ表面に蓄積される可能性がある。一方、前述した化
学薬剤を利用した過酸化水素に代表される消毒は、過酸
化水素が眼にとって危険なものであるため、消毒が完了
した時点で、過酸化水素を分解して中和しなければなら
ない。その中和操作は、使用者にとって極めて煩わしい
ものであった。
【0010】本発明は、従来存在しなかった、一液で含
水性ソフトコンタクトレンズの洗浄と消毒を同時に実施
できる組成物、特に、電源等の熱源を必要とせず、洗浄
成分や消毒成分が含水性ソフトコンタクトレンズ内部に
取り込まれず、取扱が容易で、しかも安全かつ短時間で
洗浄と消毒を同時に実施できる含水性ソフトコンタクト
レンズの洗浄および消毒用組成物を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、pH緩衝剤、微
生物の細胞壁に作用する酵素、微生物の細胞膜に作用す
る酵素、抗菌性タンパク質およびピマリシンを含有する
ことを特徴とする含水性ソフトコンタクトレンズの洗浄
および消毒用組成物に関するものである。
【0012】我々は、一般的に普及した酵素洗浄を発展
させ、安全性の高い酵素反応を利用した消毒用組成物に
ついて鋭意研究した結果、微生物の細胞壁に作用する酵
素と微生物の細胞膜に作用する酵素を用いて、微生物の
うち病原性のあるものを感染力価以下にまで低減させて
感染の危険性を除く条件を見いだし、本発明を完成し
た。
【0013】本発明は、微生物の溶菌現象に関与するあ
る種の酵素、いわゆる溶菌酵素による酵素反応を利用し
たものである。ただし、溶菌酵素には溶菌現象に関与す
る酵素反応のほかにも、解明されていない非酵素的な因
子による溶菌作用も含まれる。この溶菌酵素は、種々の
微生物をある程度溶菌することができるが、消毒効果に
匹敵する作用を得ることは難しい。意外にも、抗菌性タ
ンパク質およびピマリシンをこの酵素反応中に共存させ
ると、それらの協同作用によって格段の消毒効果が得ら
れることがわかった。しかしながら、これらの作用機構
は必ずしも完全に解明されているわけではない。
【0014】本発明における酵素的な消毒作用は、微生
物の細胞壁に作用する酵素と微生物の細胞膜に作用する
酵素によって達成される。微生物の細胞壁を溶解するた
めには、微生物の細胞壁を構成する主要成分であるペプ
チドグリカン、キチン、グリカン、キトサンに作用する
酵素が有効である。このような酵素は、動物起源のリゾ
チームまたはその塩、微生物起源のN−アセチルムラミ
ダーゼ、N−アセチルグルコサミニダーゼ、ペプチダー
ゼ、アミダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、キチナー
ゼおよびキトサナーゼからなる群から選択できるもの
で、これらは1種で使用されても2種以上併用されても
よい。この群において、特に実用性ある酵素は、動物起
源のリゾチームまたはその塩、微生物起源のN−アセチ
ルグルコサミニダーゼ、ペプチダーゼ、アミダーゼを有
するリソスタフィン(シグマ社製)、β−1,3−グル
カナーゼを主とするキタラーゼ(和光純薬工業社製)、
β−1,3−グルカナーゼやキチナーゼを有するファン
セラーゼ(ヤクルト社製)、β−1,3−グルカナーゼ
やキチナーゼ、N−アセチルグルコサミニダーゼを有す
るナカノザイム−LE01(中埜酢店製)などである。
これらの溶菌酵素の使用量は、酵素の起源と種類、反応
pH、作用時間などによって変化する。通常は、使用状態
の水性液体組成物中、0.001〜5重量%となるように
使用するのがよい。
【0015】微生物の細胞膜に作用する酵素としては、
微生物の細胞膜を構成する成分であるタンパク質や脂質
の加水分解酵素が有効である。このような酵素は、動物
起源または微生物起源のプロテアーゼ、リパーゼ、アミ
ラーゼ、微生物起源のセルラーゼ、ペクチナーゼからな
る群から選択でき、これらは1種で使用されても、2種
以上併用されてもよい。特に好ましい酵素は、微生物起
源のバチルスおよびストレプトマイセス並びにアスペル
ギルス属から誘導されるプロテアーゼや微生物起源のシ
ュードモナスおよびアスペルギルス属から誘導されるリ
パーゼである。このような酵素は、通常の市販品として
入手可能であり、例えばプロレザー(天野製薬社製)、
ビオプラーゼ(ナガセ生化学工業社製)、リパーゼP
(天野製薬社製)、リリパーゼ(ナガセ生化学工業社
製)などが使用できる。粉末、錠剤あるいはグリセリン
等の酵素安定剤を含む液状のもの等、いずれが使用され
てもよい。
【0016】プロテアーゼやリパーゼは、溶菌反応に関
与するほか、含水性ソフトコンタクトレンズのタンパク
質汚れや脂質汚れに対する洗浄作用が期待できる。これ
らの酵素の使用量は、酵素の起源と種類、反応pH、洗浄
時間、使用頻度などによって変化するが、通常は、使用
状態の水性液体組成物中、0.001〜10重量%となる
ように使用されるのがよい。
【0017】本発明における抗菌性タンパク質は、天然
物や微生物による醗酵生成物から得られるもので、通常
は食品の保存料として利用されている。この抗菌性タン
パク質は、微生物に対して広範な増殖抑制効果が確認さ
れている。しかし、その作用は、消毒作用とは明らかに
異なる。ところが、意外にも、この抗菌性タンパク質を
微生物の細胞壁に作用する酵素および微生物の細胞膜に
作用する酵素と共存させると、一般の細菌や糸状菌に対
する消毒作用が増強される。このような抗菌性タンパク
質は、プロタミンまたはその塩、ポリアルギニンおよび
ポリリジンの群から選ばれる。その使用量は、特に限定
されないが、通常、使用状態の水性液体組成物中、0.0
001〜10重量%となるように使用されるのがよい。
【0018】本発明におけるピマリシンは、抗真菌剤で
あり、眼科領域で問題となるフザリウム、カンジダ、ア
スペルギルス属に有効とされている。カビなどの胞子形
成した部分は、特に細胞壁に胞子特有の壁素材物質が細
胞壁の表面被覆物質として既存の壁層内に取り込まれ溶
菌酵素が容易に作用しにくい状況を作りだしている。こ
のような特殊なカビの胞子に対しては溶菌酵素の作用に
加えてピマリシンを併用することが有効である。ピマリ
シンは、通常、使用状態の水性液体組成物中、0.05〜
5重量%、特に0.1〜2重量%となるような割合で使用
するのが好ましい。
【0019】これらの酵素反応はpH5〜8の範囲で行わ
れる。これを制御し調整するための緩衝剤は、酵素活性
を阻害せず、酵素活性の最適pHを維持するもので、眼科
生理学的に許容されるものであれば特に制限はない。こ
のような緩衝剤には、リン酸、クエン酸、ホウ酸または
それらのナトリウム塩が挙げられる。これらは1種で使
用されても2種以上併用されてもよい。また、その使用
量は、使用状態の水性液体組成物中、0.01重量%〜1
0重量%、特に0.1〜5重量%となるような割合である
のが好ましい。
【0020】これにより、眼科領域で問題となる病原性
微生物を少なくとも感染力価以下にまで低減させて感染
の危険を除くことができる。しかも、プロテアーゼやリ
パーゼを併用しているので、含水性ソフトコンタクトレ
ンズのタンパク質あるいは脂質汚れを取り除く洗浄効果
も期待できる。
【0021】本発明には、必要に応じて、金属キレート
剤、等張調整剤、界面活性剤、親水性高分子等のその他
の成分を含有することができる。例えば、金属キレート
剤は、タンパク質汚れに含まれるカルシウムイオンなど
の作用を弱めるために使用される。このような作用を得
るには、エチレンジアミン四酢酸の四ナトリウム塩およ
び二ナトリウム塩などを、使用状態の水性液体組成物
中、0.01〜0.5重量%となる割合で使用するのが好ま
しい。
【0022】前述の如き、本発明の組成物は、そのまま
使用可能な水性の液体組成物として提供されてもよい
が、水で希釈又は溶解して使用できる濃厚な液体組成
物、あるいは錠剤、顆粒、粉末又は凍結乾燥物等の如き
固体組成物で提供されてもよい。なお、本発明の組成物
における微生物の細胞壁に作用する酵素と微生物の細胞
膜に作用する酵素の配合比率は、重量割合で15:85
〜65:35であるのが好ましく、また、抗菌性タンパ
ク質の使用量は、微生物の細胞壁に作用する酵素と微生
物の細胞膜に作用する酵素の合計量に対して5〜85重
量%であるのが好ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳しく説
明する。なお、実施例において%とあるのが、特に断ら
ない限り、重量%を示す。実施例1 50mM pH7.5ホウ酸緩衝液 70 ml リソスタフィン(シグマ社) 0.01g キタラーゼ(和光純薬工業) 0.02g 硫酸プロタミン(ナカライテスク) 0.10g プロレザー(天野製薬) 0.05g リリパーゼ(ナガセ生化学工業) 0.05g 塩化ナトリウム 0.35g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05g 上記試薬を順次溶解後、水酸化ナトリウムの適量でpH
を7.5に調整し、精製水で、全量を75mlとする。これ
を濾過滅菌して、滅菌済の2.5%ピマリシン懸濁液(シ
グマ社)25mlを加えた。
【0024】実施例2 50mM pH6.5クエン酸緩衝液 70 ml 塩化リゾチーム(ナカライテスク) 0.10g キチナーゼ(和光純薬工業) 0.02g ポリリジン(チッソ) 0.10g ビオプラーゼ(ナガセ生化学工業) 0.03g 塩化ナトリウム 0.35g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05g 上記試薬を順次溶解後、水酸化ナトリウムの適量でpH
を6.5に調整し、精製水で、全量を75mlとする。これ
を濾過滅菌して、滅菌済の2.5%ピマリシン懸濁液(シ
グマ社)25mlを加えた。
【0025】比較例1 この例は、眼科領域で使用される化学消毒剤と溶菌酵素
を組み合わせた、消毒効果を確認するための比較処方で
ある。 ホウ酸 1.0 g クエン酸 0.05g 塩化リゾチーム(ナカライテスク) 0.10g 塩化ナトリウム 0.40g 5%グルコン酸クロルヘキシジン 0.2g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05g 上記試薬を順次溶解後、水酸化ナトリウムの適量でpH
を5.5に調整し、精製水で、全量を100mlとし、これ
を濾過滅菌した。
【0026】比較例2 この例は、微生物の細胞膜に作用する酵素の効果を確認
するための比較処方である。 50mM pH6.5リン酸緩衝液 75 ml リソスタフィン(シグマ社) 0.01g キチナーゼ(和光純薬工業) 0.02g ポリリジン(チッソ) 0.10g 塩化ナトリウム 0.35g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05g 上記試薬を順次溶解後、水酸化ナトリウムの適量でpH
を6.5に調整し、これを濾過滅菌して、滅菌済の2.5%
ピマリシン懸濁液(シグマ社)25mlを加えた。
【0027】比較例3 この例は、ピマリシンの効果を確認するための比較処方
である。 50mM pH7.5クエン酸緩衝液 90 ml 塩化リゾチーム(ナカライテクス) 0.1 g キチナーゼ(和光純薬工業) 0.02g 硫酸プロタミン(ナカライテクス) 0.05g ビオプラーゼ(ナガセ生化学工業) 0.05g リパーゼP(天野製薬) 0.05g 塩化ナトリウム 0.35g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05g 上記試薬を順次溶解後、水酸化ナトリウムの適量でpH
を7.5に調整し、精製水で全量を100mlとし、これを
濾過滅菌した。
【0028】実施例および比較例における殺菌効果およ
び洗浄効果は、下記の方法で測定した。 〔大腸菌の殺菌効果の試験方法〕試験菌株として、大腸
菌IFO3301をミューラー・ヒントン培地(Dif
co)に接種し、37℃で24時間培養する。これを滅
菌生理食塩水で菌数を約107 cells/mlとなるように調
整し、試験菌液とした。次に、実施例1〜2および比較
例1〜3の溶液10mlに、この試験菌液を100μl 接
種し、試験液とした。これを20℃に保存し、保存2時
間後に試験液中の生菌数をミューター・ヒントン寒天培
地を用いた混釈平板培養法(培養温度37℃、培養期間
7日)により測定した。対照として、滅菌生理食塩水を
用いて同様に試験した。
【0029】〔黒こうじカビの殺菌効果の試験方法〕試
験菌株として黒こうじカビIFO4414をポテトデキ
ストロース寒天培地(日水製薬)に接種し、37℃で7
日間培養する。この胞子部分を0.05%Tween80
含有滅菌生理食塩水に採取して胞子懸濁液を作り、菌数
を約106 cells/mlとなるように調整し、試験菌液とし
た。次に、実施例1〜2および比較例1〜3の溶液10
mlに、この試験菌液を100μl 接種し、試験液とし
た。これを20℃に保存し、保存2時間後に試験液中の
生菌数をポテトデキストロース寒天培地を用いた混釈平
板培養法(培養温度37℃、培養期間7日)により測定
した。対照として、滅菌生理食塩水を用いて同様に試験
した。
【0030】〔洗浄効果の試験方法〕涙液とほぼ同様の
下記組成からなる人工汚れ液を調製する。 アルブミン(牛血清) 1.44g γ−グロブリン(牛血清) 0.42g リゾチーム(卵白製) 0.36g 牛脂 1.00g 塩化ナトリウム 0.90g 精製水 全量 100ml
【0031】この人工汚れ液に含水ゲル(約10×50
×1mm、含水率39%)を室温で一昼夜浸漬する。浸漬
後、この含水ゲルを取り出して20℃で一昼夜乾燥す
る。これを3回繰り返して含水ゲル表面に人工汚れを付
着させた。この汚れの付着した含水ゲルの285nmで
の吸光度を分光光度計(島津製UV−160A)で測定
した。この時の吸光度をAとする。この汚れの付着した
含水ゲルを実施例1〜2および比較例1〜3の溶液に所
定時間浸漬し、その後、含水ゲルを各溶液から取り出し
て軽く水洗して、再び285nmでの吸光度を分光光度
計で測定した。この時の吸光度をBとする。この測定結
果から、汚れ除去率を次式で求めた。 人工汚れ除去率(%)=〔(A−B)/A〕×100 殺菌効果試験および洗浄効果試験の結果を表1および表
2に示す。
【0032】 表1─試験液1ml当たりの生菌数測定結果 大腸菌の生菌数 黒こうじカビの生菌数 対照 8.16×105 3.01×103 実施例1 10以下 10以下 実施例2 10以下 10以下 比較例1 10以下 4.67×101 比較例2 8.62×102 1.22×101 比較例3 10以下 2.60×102
【0033】 表2─洗浄効果の試験結果 人工汚れの除去率(%) 平均 実施例1 98.2 97.3 97.4 97.6 実施例2 96.7 95.2 96.1 96.3 比較例1 1.9 0.9 5.0 2.6 比較例2 0.7 3.1 2.6 2.1 比較例3 93.8 98.8 98.2 96.9
【0034】表1および表2の結果から次のことが明ら
かとなる。 a)比較例1は、黒こうじカビに対する殺菌力が低く、
洗浄効果がない。しかも殺菌剤が含水性ソフトコンタク
トレンズに取り込まれる危険性が高い。 b)比較例2は、微生物の細胞膜に作用する酵素が存在
しないため、完全に溶菌せず、洗浄効果も全くない。 c)比較例3は、洗浄効果は認められるものの、黒こう
じカビに対する殺菌力が弱い。 つまり、比較例1〜3は、殺菌効果および洗浄効果がと
もに満足できない。一方、本発明の実施例1〜2は、殺
菌効果および洗浄効果のいずれも満足できる結果が得ら
れた。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、含水性ソフトコンタク
トレンズを、pH緩衝剤、微生物の細胞壁および細胞壁が
溶解して露出した細胞膜に作用する酵素、抗菌性タンパ
ク質およびピマリシンの存在する溶液に浸漬処理するだ
けで、酵素的に洗浄と消毒を同時に効果的に実施でき
る。このような酵素的な洗浄および消毒組成物は、化学
薬剤が含水性ソフトコンタクトレンズの内部に取り込ま
れる心配がなく、操作性及び取扱上、安全である。
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】実施例および比較例における殺菌効果およ
び洗浄効果は、下記の方法で測定した。 〔大腸菌の殺菌効果の試験方法〕試験菌株として、大腸
菌IFO3301をミューラー・ヒントン培地(Dif
co)に接種し、37℃で24時間培養する。これを滅
菌生理食塩水で菌数を約10cells/mlとなる
ように調整し、試験菌液とした。次に、実施例1〜2お
よび比較例1〜3の溶液10mlに、この試験菌液を1
00μl接種し、試験液とした。これを20℃に保存
し、保存2時間後に試験液中の生菌数をミューー・ヒ
ントン寒天培地を用いた混釈平板培養法(培養温度37
℃、培養期間7日)により測定した。対照として、滅菌
生理食塩水を用いて同様に試験した。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH緩衝剤、微生物の細胞壁に作用する酵
    素、微生物の細胞膜に作用する酵素、抗菌性タンパク質
    およびピマリシンを含有することを特徴とする含水性ソ
    フトコンタクトレンズの洗浄および消毒用組成物。
  2. 【請求項2】 微生物の細胞壁に作用する酵素が、動物
    起源のリゾチームまたはその塩、微生物起源のN−アセ
    チルムラミダーゼ、N−アセチルグルコサミニダーゼ、
    ペプチダーゼ、アミダーゼ、β−1,3−グルカナー
    ゼ、キチナーゼおよびキトサナーゼからなる群から選ば
    れる少なくとも1種を含有する請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 微生物の細胞膜に作用する酵素が、プロ
    テアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼからな
    る群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1ま
    たは2の組成物。
  4. 【請求項4】 上記抗菌性タンパク質が、プロタミンま
    たはその塩、ポリアルギニンおよびポリリジンからなる
    群から選ばれるものである請求項1〜3いずれか1項の
    組成物。
  5. 【請求項5】 上記組成物が水性の液体組成物である請
    求項1〜4いずれか1項の組成物。
  6. 【請求項6】 上記組成物が、錠剤、顆粒、粉末又は凍
    結乾燥した固体組成物である請求項1〜4いずれか1項
    の組成物。
  7. 【請求項7】 金属キレート剤、等張調整剤、界面活性
    剤および親水性高分子からなる群から選ばれる少なくと
    も1種の成分を含有し、使用時の水性液体組成物とした
    際のpHが5〜8となるように調整されている請求項1〜
    6いずれか1項の組成物。
  8. 【請求項8】 微生物の細胞壁に作用する酵素と微生物
    の細胞膜に作用する酵素の配合比率が重量割合で15:
    85〜65:35である請求項1〜7いずれか1項の組
    成物。
  9. 【請求項9】 抗菌性タンパク質が、微生物の細胞壁に
    作用する酵素と微生物の細胞膜に作用する酵素の合計量
    に対して5〜85重量%である請求項1〜8いずれか1
    項の組成物。
  10. 【請求項10】微生物の細胞壁に作用する酵素を0.00
    1〜5重量%、微生物の細胞膜に作用する酵素を0.00
    1〜5重量%、抗菌性タンパク質を0.0001〜10重
    量%、ピマリシンを0.05〜5重量%、緩衝剤を0.01
    〜10重量%の割合で含有する請求項5の組成物。
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