JPH0910267A - 歩行補助具 - Google Patents

歩行補助具

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JPH0910267A
JPH0910267A JP7164062A JP16406295A JPH0910267A JP H0910267 A JPH0910267 A JP H0910267A JP 7164062 A JP7164062 A JP 7164062A JP 16406295 A JP16406295 A JP 16406295A JP H0910267 A JPH0910267 A JP H0910267A
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frames
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Kenzo Nakanishi
健三 中西
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KEN CORP KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 折り畳み及び開成が容易な歩行補助具を提供
する。 【構成】 前輪25とそれぞれの後輪26,27とを結
ぶべく左右独立して形成された左右フレーム5,6と、
この左右フレーム5,6の前端部を互いに連結すると共
に後輪部26,27を左右方向に展開移動自在に支持す
るための枢支部材7と、フレーム5,6に互いに連結
し、展開移動角度を一定に固定するためのロック機構1
8と、枢支部材7下に首振り自在に取り付けられた前輪
25と、夫々のフレーム5,6の後端部に取り付けら
れ、ロック機構18によってフレーム5,6が一定の展
開移動角度に固定されたときにその展開移動角度の中心
線49と平行になるように支持された後輪26,27
と、夫々のフレーム5,6に高さ方向に調整自在に取り
付けられたハンドル8a,8bとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歩行が困難な老人、身
体障害者等の体を支えて歩行を補助する歩行補助具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化の波が押し寄せ、老人福祉
の重要度が増しつつある。そのなかで、足の弱った高齢
者の歩行を補助するための歩行補助具が種々開発されて
おり、その中には、実開平7−9339号(実願平5−
40077号)公報や実開昭63−195838号(実
願昭62−85646号)公報に示されるように折り畳
み式の収納性の高い歩行補助具もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
折り畳み式の歩行補助具は、使用者自身の力で、折り畳
んだり開いたりすることは、困難であり他人の力をかり
なければ、実質的に開閉することが困難であった。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、折り畳みが容易かつ折り畳み状態からの開成が容易
な歩行補助具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、一つの前輪と該前輪の左右後方に
それぞれ配置される後輪とを備える歩行補助具におい
て、上記前輪とそれぞれの後輪とを結ぶべく左右独立し
て形成された左右フレームと、該左右フレームの前端部
を互いに連結すると共に後輪部を左右方向に展開移動自
在に支持するための枢支部材と、上記左右フレームに互
いに連結し、展開移動角度を一定に固定するためのロッ
ク機構と、上記枢支部材下に首振り自在に取り付けられ
た前輪と、上記それぞれの左右フレームの後端部に取り
付けられ、上記ロック機構によって左右フレームが一定
の展開移動角度に固定されたときにその展開移動角度の
中心線と平行になるように支持された後輪と、上記それ
ぞれの左右フレームに高さ方向に調整自在に取り付けら
れたハンドルとを備えたものである。
【0006】請求項2の発明は、上記前輪が上記枢支部
材に緩衝手段を介して取り付けられた請求項1に記載の
歩行補助具である。
【0007】請求項3の発明は、上記左右フレームが、
その底辺部が前輪と後輪とを結び上辺部が所定の長さ平
坦に結んだ略台形状を呈して形成され、その上辺部の後
端部に位置されて上記ハンドルが起立して設けられると
共に該ハンドルの前方部に買物かご等を載置する載置台
を形成した請求項1又は2に記載の歩行補助具である。
【0008】請求項4の発明は、上記後輪にはそれぞれ
制動ブレーキが設けられ、これら制動ブレーキにはそれ
ぞれ左右のハンドルの把手部と結ぶ操作レバー部材が連
結された請求項1乃至3いずれかに記載の歩行補助具で
ある。
【0009】請求項5の発明は、上記左右フレームに設
けられる後輪は、左右フレームを閉じた時に前方に開い
た状態から閉じたフレームと平行になる位置まで閉じら
れるように、左右フレームに対して回転可能に取り付け
られ、その後輪の開閉位置で後輪を固定する固定手段が
左右フレームに設けられる請求項1乃至4いずれかに記
載の歩行補助具である。
【0010】
【作用】上記構成によれば、使用時には、左右フレーム
を展開させ、使用者が左右の把手部を握って歩行するこ
とで、歩行補助具としての機能を発揮する。この際、使
用者が左右いずれかに方向転換したい場合には、所望の
方向に力を加えると前輪がその方向に首を振り、使用者
に追従した旋回を行う。
【0011】左右フレームを閉じる場合、左右のハンド
ルを閉じれば、左右フレームは、前端部を中心として簡
単に閉じることができる。また閉じた状態から左右フレ
ームを開く場合には、両後輪が前方に開くようになって
いるため、後輪の進行力で自動的に左右フレームを開く
ことができ、使用者は、単に把手を持って前方に押して
いくだけで簡単に開くことができる。また、開状態では
後輪が、その展開中心線と平行になるようになっている
ので、進行に支障は全く生じない。
【0012】車輪が段差等に乗り上げた場合、緩衝手段
がその震動及び衝撃を概ね吸収し、使用者に負担をかけ
ない。
【0013】買物かご等の荷物を載置台に置いた場合、
載置台が荷物を支持する。このため、載置台上に置かれ
た荷物は容易に落下しない。
【0014】左右それぞれの操作レバー部材を引くと、
操作レバー部材に連結された制動ブレーキが作動し、そ
れぞれの後輪が制動される。これにより、歩行補助具
は、減速乃至停止する。また、閉状態で歩行補助具を移
動する場合には、両後輪の向きを変えて、フレームと平
行になる位置で固定することで、前後輪が同じ向きとな
り、支障なく搬送することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0016】図1乃至図8に示すように、歩行補助具1
は、主にパイプにて形成された本体2と、本体2の下部
にそれぞれ取り付けられた車輪4とからなる。
【0017】本体2は、左右に分割されており、進行方
向に向かって左側の左フレーム5と、右側の右フレーム
6と、連結具(枢支部材)7と、ロックバー(ロック機
構)18とからなる。
【0018】左フレーム5の前端部と右フレーム6の前
端部は、連結具7により回動自在に連結され、左フレー
ム5及び右フレーム6の後部が左右に開閉可能なように
形成されている。左フレーム5及び右フレーム6は、そ
れぞれ歩行補助具1の左右側部を形成するメインフレー
ム9a,9bと、メインフレーム9a,9bの上端から
それぞれ昇降自在に取り付けられるハンドル8a,8b
とからなる。
【0019】メインフレーム9a,9bは、上端から下
方の後端にかけてパイプを掛け渡されてなる後部支持部
15a,15bと、後部支持部15a,15bの管面か
ら下方の前端にかけてパイプを掛け渡されてなる前部支
持部16a,16bと、前端から下方の後端にかけてパ
イプを掛け渡されてなる底部支持部17a,17bとか
らなるフレームである。
【0020】これら前部支持部16a,16b及び底部
支持部17a,17bは、1本のパイプを折り曲げて形
成されたものであり、このパイプの両端は後部支持部1
5a,15bの上端近傍及び下端近傍にそれぞれ溶接に
より一体的に取り付けられている。前部支持部16a,
16bの上部は、車輪4の接地面と平行となるように平
坦に形成され、メインフレーム9a,9bは、この平坦
に形成された前部支持部16a,16bの上部を上辺部
とし、底部支持部17a,17bを底辺部とする略台形
状を呈している。そして、図8に示すように、この平坦
に形成された前部支持部16a,16bの上には買物か
ご等の荷物を載置できるようにかご状の載置台80が設
けられている。載置台80は、メインフレーム9a,9
bの上端に設けられた締付け金具10,10にフック8
1,82にて着脱自在に取り付けられている。このフッ
ク81,82は、載置台80の後部上端から上方に伸び
て締付け金具10,10に引っ掛かるように形成された
ものである。
【0021】前部支持部16a,16bには、左右フレ
ーム5,6を展開した時にその展開移動角度に制限を課
し、その展開移動角度を保持するためのロックバー18
が設けられている。このロックバー18は、図3及び図
5に示すように、左部ロックバー19と右部ロックバー
20とをピン18aで連結したもので、それぞれ前部支
持部16a,16bにピン19a,20aで、前部支持
部16a,16bの下面に沿って回動するように連結さ
れ、左右フレーム5,6が一定角度以上開かないように
設けられている。
【0022】このロックバー18は、左右フレーム5,
6の最大開度を規制して一直線状になる。左右フレーム
5,6を閉じるとき、ロックバー18は、直線のため、
斜め前後両方向に屈曲するため、ロックバー18を斜め
後方向にのみ屈曲移動するように左部ロックバー19に
は、前方への回動を規制する突起21が設けられてい
る。
【0023】メインフレーム9a,9bの上端には、そ
れぞれハンドル8a,8bの下部が、その内部に摺動自
在に起立して挿入され、そのハンドル8a,8bを外部
から締め付けて固定するための締付け金具10,10が
設けられる。メインフレーム9a,9bの上端は縮径可
能なように、その管面に縦方向にスリット11が設けら
れている。
【0024】締付け金具10は、スリット11が形成さ
れた管面を巻き付け、両端が前方に向い合せに突出した
ベルト部12と、このベルト部12の両端を締め付ける
ためのボルト13及びナット14とからなる。そして、
このボルト13・ナット14でベルト部12を締め付け
ることで、ハンドル8a,8bを使用者の体格に応じた
任意の高さで固定できるようになっている。
【0025】ナット14は、ベルト部12に固定的に取
り付けられており、ボルト13を回しても回らないよう
に形成されている。
【0026】ハンドル8a,8bは、鉛直なパイプの上
部を後方に折り曲げてなるフレームの上部に、使用者が
握るための把手3,3をそれぞれ取り付けてなる。
【0027】これら把手3,3の下方には、ブレーキレ
バー(操作レバー部材)24,24がそれぞれ設けられ
ている。具体的には、ブレーキレバー24は、レバー支
持金具37を介してハンドル8a,8bに取り付けら
れ、使用者が把手3と共にブレーキレバー24を握って
上方に引くことによりブレーキがかかるようになってい
る。
【0028】連結具7は、主に開閉軸22と、左右フレ
ーム5,6の前端にそれぞれ一体的に取り付けられる連
結部材23a,23bとからなる。この連結部材23
a,23bは、それぞれ平板をコ字形に折り曲げてなる
形状をした部材である。左フレーム5に取り付けられる
連結部材23aは、右フレーム6に取り付けられる連結
部材23bの折り曲げられた上下両端の面を上下から挾
んで取り付けられるように連結部材23bよりも縦長に
形成されている。また、連結部材23a,23bの折り
曲げられた上下両端の面には開閉軸22を挿通させるた
めの軸孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。
【0029】連結部材23a,23bは、円筒状の軸受
46を介して開閉軸22にその軸孔を摺動自在かつ回転
自在に挿通されており、開閉軸22を中心に回転すると
共に上下に摺動するようになっている。そして、左側に
位置する連結部材23aの左端面は、左フレーム5の前
端右側面に溶接にて一体的に取り付けられ、右側に位置
する連結部材23bの右端面は、右フレーム6の前端左
側面に溶接にて一体的に取り付けられている。
【0030】連結部材23aの下方には、連結部材23
a,23bを上方に付勢し、地面から伝わる震動を和ら
げるための緩衝バネ(緩衝手段)47が設けられてい
る。この緩衝バネ47は、連結部材23aの下端から下
方に突き出た開閉軸22下部の外周に沿って設けられた
コイルバネであり、ワッシャ48を介して連結部材23
a,23bを支持している。緩衝バネ47の下端は、開
閉軸22の下端に取り付けられた車輪支持アーム28の
上面にワッシャ48を介して支持されている。
【0031】車輪4は、連結具7の下部に設けられた前
輪25と、左フレーム5の下部後端に設けられた左後輪
26と、右フレーム6の下部後端に設けられた右後輪2
7とからなる。
【0032】前輪25は、連結具7の下部に車輪支持ア
ーム28及び第1車軸29を介して回動自在かつ左右に
首振り自在に取り付けられている。車輪支持アーム28
は、第1車軸29の両端を支持すべく下方に開口したコ
字状に形成され、その上端を開閉軸22の下端に左右に
首振り自在に取り付けられている。第1車軸29は、そ
れぞれの車輪支持アーム28の下部に水平に掛け渡され
ており、前輪25を回動自在に支持している。
【0033】なお、車輪支持アーム28の下部は、前輪
25の向きを安定させるために車輪の走行方向の後方に
後退して形成されている。
【0034】左後輪26は、左フレーム5の下部後端の
左側に第2車軸30を介して回転自在に取り付けられて
いる。左後輪26は、左右フレーム5,6を展開したと
きに、その展開中心線49と平行となり、左右フレーム
5,6を閉成したときに前方左側に開くように取り付け
られている。左後輪26の上方には、左後輪26の回転
を規制するための左輪制動ブレーキ装置31が設けられ
ている。この左輪制動ブレーキ装置31は、左後輪26
の上面に当たってその回転を規制するブレーキパット3
2と、左後輪26にブレーキパット32を押し当てるた
めのブレーキワイヤ34と、ブレーキパット32を上方
に付勢するためのバネ33とからなる。ブレーキパット
32は板状のブレーキパットであり、その一端は、左フ
レーム5の管面を挾むべく鰐口状に形成されている。こ
の鰐口状の端部は、左フレーム5の管面を挾むと共に上
下に回動自在に取り付けられている。ブレーキワイヤ3
4は、ワイヤ35と、ワイヤ35を囲繞するワイヤチュ
ーブ36とからなる。ワイヤ35は、その一端をブレー
キレバー24に連結され、他端を第2車軸30に連結さ
れて設けられている。ワイヤチューブ36は、その一端
をレバー支持金具37に連結され、他端をブレーキパッ
ト32の上面に連結されている。バネ33は、第2車軸
30の上面とブレーキパット32の下面との間のワイヤ
35を囲んで設けられたコイルバネであり、ブレーキパ
ット32を常に上方に付勢している。
【0035】右後輪27は、右フレーム6の右側に第3
車軸38を介して回転自在に取り付けられている。右後
輪27は、左右フレーム5,6を展開したときにその展
開中心線と平行となり、左右フレーム5,6を閉成した
ときに前方右側に開くように取り付けられている。右後
輪27の上方には、右後輪27の回転を規制するための
右輪制動ブレーキ装置39が設けられている。この右輪
制動ブレーキ装置39は、左輪制動ブレーキ装置31と
同様のものであり、右側のブレーキレバー24を引くこ
とにより右後輪27の回転を規制するようになってい
る。
【0036】次に実施例の作用を述べる。
【0037】左右フレーム5,6を開成した状態で、使
用者が把手3,3を握り、左右均等に前方に押すと各車
輪4が回転し、歩行補助具1が前方に移動する。使用者
が左右いずれか所望の方向に歩きたいときには、その方
向に力を加えると前輪25がその方向に向き、左右後輪
26,27が追従して歩行補助具1が旋回する。前輪2
5が段差等に乗り上げた場合、その震動及び衝撃は、緩
衝バネ47が縮むことで概ね吸収され、連結部材23
a,23bに伝わる震動及び衝撃は、相当に弱められ
る。よって、把手3,3に伝わる震動及び衝撃は相当に
弱く、使用者に負担をかけない。
【0038】把手3,3の下方にそれぞれ設けられたブ
レーキレバー24,24を把手3,3と共に強く握り、
上方に引くと、ブレーキレバー24,24は、左右のワ
イヤチューブ36からワイヤ35を引っ張り出す。ワイ
ヤ35はその他端が第2車軸30乃至第3車軸38に連
結されているため、ワイヤチューブ36は、相対的に押
出され、左右のブレーキパット32,32を押下する。
ブレーキパット32,32は、その一端が左右フレーム
5,6の管面に上下に回動自在に取り付けられているた
め、他端が押し下げられ、左右後輪26,27に接触す
る。左右後輪26,27は、ブレーキパット32,32
と接触することにより、その回転を規制され、減速乃至
停止する。
【0039】買物かご等の荷物を載置台80に置いた場
合、かご状の載置台80が荷物を支持する。このため、
載置台80上に置かれた荷物は容易に落下しない。
【0040】歩行補助具1を折り畳む場合、載置台80
を上方に持ち上げて締付け金具10,10からフック8
1,82を外す。ロックバー18の中央付近を前部支持
部16a,16bの下面に沿って後方に引くと、左部ロ
ックバー19及び右部ロックバー20の中央側の端部が
それぞれ後方に回動し、左右フレーム5,6の開閉が自
由となる。この状態で左右の把手3,3をそれぞれ展開
中心線49の方向に移動させ、左右フレーム5,6を閉
じると、歩行補助具1の折り畳みは完了する。このと
き、左右の連結部材23a,23bは、開閉軸22を中
心にして回動し、歩行補助具1の折り畳みは滑らかに行
われる。
【0041】折り畳まれた状態の歩行補助具1を使用で
きる状態に戻す場合、左右の把手3,3を握り、そのま
ま前方に押す。このとき、左右フレーム5,6を閉じた
状態で左後輪26は前方左側を向くように取り付けられ
ているため、左後輪26には前方に向かう第1分力40
と左方に向かう第2分力41が生じ、第1分力40と第
2分力41の合成力である第1合成力42が作用する。
【0042】右後輪27は前方右側を向くように取り付
けられているため、右後輪27には前方に向かう第3分
力43と右方に向かう第4分力44が生じ、第3分力4
3と第4分力44の合成力である第2合成力45が作用
する。
【0043】従って、左右後輪26,27は、第1合成
力42及び第2合成力45の方向に移動し始め、左右フ
レーム5,6は、その移動する力で、開閉軸22を中心
として開き始める。また、左右の連結部材23a,23
bは、開閉軸22を中心にして回動し始めると共に、左
部ロックバー19及び右部ロックバー20は、その中央
側の端部がそれぞれ前方に回動し始める。そして、左右
フレーム5,6が開くにつれて左右後輪26,27も、
次第に前方に向きを変える。左部ロックバー19及び右
部ロックバー20が一直線状になり、右部ロックバー2
0の後面に左部ロックバー19の突起21が当たると
き、左右後輪26,27は完全に前を向き、左右フレー
ム5,6の位置も固定される。載置台80を、フック8
1,82が締付け金具10,10に掛かるように上方か
らハンドルの前方部に載置すれば、歩行補助具1は使用
できる状態に戻る。
【0044】把手3の高さを調節する場合、まず左右い
ずれかの締付け金具10のボルト13を回転させて弛め
る。例えば左側のボルト13を弛めた場合、ベルト部1
2の両端の距離が広がると共にメインフレーム9aのス
リット11の幅が広がり、メインフレーム9aの上端が
拡径してハンドル8aへの締め付けがなくなる。
【0045】次にハンドル8aの高さを調節して把手3
を所望の高さに調節する。このとき、ハンドル8aの高
さ調節は、メインフレーム9a内部にハンドル8aを摺
動させて行う。そして、再びボルト13を回転させて締
め、ハンドル8aを固定させる。このとき、ベルト部1
2の両端の距離が狭まると共にメインフレーム9aのス
リット11の幅が狭まり、メインフレーム9aの上端が
縮径してハンドル8aの管面を締め付ける。更に他方の
ハンドル8bの高さも同様にして調節し、把手3の高さ
調節は完了する。
【0046】このように、左右フレーム5,6の前端部
を開閉自在に連結したため、折り畳みの構造を簡易化で
きる。また、左右フレーム5,6の前端部を開閉自在に
連結し、左右フレーム5,6の後方下部に左右フレーム
5,6を閉じたとき前方に開く左右後輪26,27を取
り付けたため、左右の把手3,3をそのまま前方に押す
だけで左右フレーム5,6を展開させることができる。
【0047】左右フレーム5,6にロックバー18を設
けたため、左右フレーム5,6の展開状態を保持するこ
とができる。さらに、ロックバー18を左部ロックバー
19と、右部ロックバー20とからなるものとし、左右
フレーム5,6の間にリンク状に取り付けたため、左右
フレーム5,6を展開させるだけでその展開状態をロッ
クさせることができる。
【0048】連結部材23a,23bを開閉軸22に摺
動自在に設け、連結部材23aと車輪支持アーム28の
間に、緩衝バネ47を設けたため、地面から伝わる震動
を和らげることができ、使用者の体にかかる負担を軽減
することができる。
【0049】前部支持部16a,16bの上部を車輪4
の接地面と平行となるように形成し、ハンドル8a,8
bの前方部に買物かご等の荷物を載置する載置台80を
形成したため、載置台80に荷物を載置することができ
る。
【0050】また、左右後輪26にのみ制動ブレーキ装
置31,39を設けたため、ブレーキをかけたときに前
方に突っ込んで倒れることを防ぐことができ、歩行補助
具を安全に制動することができる。そして、把手3,3
を有するハンドル8a,8bを昇降自在に設け、ハンド
ル8a,8bを締付け金具10で固定するようにしたた
め、把手3,3を任意の高さに調節することができる。
【0051】なお、本実施例では締付け金具10,10
にフック81,82を掛けて載置台80をハンドル8
a,8bの前方部に載置したが、ハンドル8a,8b又
はメインフレーム9a,9bに掛かるフックで載置台8
0をハンドル8a,8bの前方部に載置してもよく、着
脱自在なベルトで載置台80をハンドル8a,8bの前
方部に固定してもよい。
【0052】次に本発明の他の実施例を述べる。
【0053】図9乃至図10に示すように、歩行補助具
63左側の後部支持部51は、上下2つの部材に分割さ
れ、上方の固定支持部52と、下方の回動支持部53と
からなる。
【0054】固定支持部52は、底部支持部17aと一
体的に形成され、その下端は開口している。前部支持部
16の上方に位置する固定支持部52の管面には、外方
に筒状に突出したガイド孔55が設けられ、ガイド孔5
5の位置には回動支持部53の回動を阻止するためのス
トッパ(固定手段)56が設けられている。ストッパ5
6は、ストッパピン57と、引張バネ58と、バネ固定
金具59とからなる。ストッパピン57は、棒状のピン
であり、その一端にリング状の取っ手60が設けられて
いる。そして、他端は、ガイド孔55から固定支持部5
2の管内に挿入され、ストッパピン57は、固定支持部
52にバネ固定金具59及び引張バネ58を介して取り
付けられている。
【0055】バネ固定金具59は、ストッパピン57に
取り付けられる円盤状の金具であり、取っ手60の近傍
に取り付けられている。引張バネ58は、ストッパピン
57を固定支持部52側に付勢するためのコイルバネで
ある。引張バネ58の一端は、バネ固定金具59に取り
付けられ、他端は、固定支持部52の管面に取り付けら
れている。そして、この引張バネ58の付勢力によりバ
ネ固定金具59は、ガイド孔55の突端に、押しつけら
れている。
【0056】回動支持部53は、固定支持部52の下端
に回動自在に設けられるパイプであり、固定支持部52
と同じ外径を有する。回動支持部53の下部には左後輪
26が回動自在に取り付けられており、その上部には左
後輪26の回転を規制するための左輪制動ブレーキ装置
31が設けられている。回動支持部53の上端には、固
定支持部52の内部に回動自在に嵌め合わされる嵌合軸
54が一体的に設けられている。嵌合軸54の外周面に
は、ガイド孔55から挿入されたストッパピン57の先
端を収めて嵌合軸54の回転を阻止するための第1係止
孔61及び第2係止孔62が設けられている。
【0057】第1係止孔61は、歩行補助具63を開成
させ、左後輪26を前方に向かせたときにガイド孔55
からストッパピン57を挿通させ、このストッパピン5
7の先端を収めることができる位置に設けられている。
第2係止孔62は、歩行補助具63を閉成させ、左後輪
26を前方に向かせたときにガイド孔55からストッパ
ピン57を挿通させ、このストッパピン57の先端を収
めることができる位置に設けられている。
【0058】なお、歩行補助具62右側の後部支持部
(図示せず)についても同様に形成されており、歩行補
助具63を開成乃至閉成させたときに右後輪27の向き
を前方に変えることができるようになっている。
【0059】次にこの実施例の作用を述べる。
【0060】歩行補助具63を収納するときは、歩行補
助具63を折り畳んだ後、更に左右後輪26,27の向
きを前方に向かせる。具体的には、左側の取っ手60を
前方に引く。このとき、ストッパピン57の先端は、第
1係止孔61から離れ、回動支持部53の回転が自由と
なる。
【0061】この状態のまま回動支持部53を回転させ
て左後輪26の向きを展開中心線(図示せず)と平行に
向かせ、第2係止孔62の位置をガイド孔55の位置に
合わせる。取っ手60を手放すと、ストッパピン57は
引張バネ58によって回動支持部53の方向に戻る。こ
のとき、ストッパピン57の先端は第2係止孔62の中
に収まり、回動支持部53aの回転は阻止される。
【0062】その後、右側の取っ手(図示せず)も同様
に前方に引きながら右後輪27を前方に向かせ、次いで
取っ手を手放す。なお、この作業は右側から行っても左
右同時に行ってもよい。
【0063】以上により、歩行補助具63は、左右後輪
26,27前部の左右への出っ張りがなくなり、コンパ
クトになる。この状態で把手3を押して歩行補助具63
を移動させても左右後輪26,27は前方を向いている
ため開くことはなく、そのままの状態で移動する。
【0064】左右後輪26,27の向きを再び前方に開
いた状態に戻すには、左側の取っ手60を前方に引き、
ストッパピン57の先端を第2係止孔62から離す。こ
のことのより、回動支持部53の回転が自由となる。こ
の状態のまま回動支持部53を回転させて左後輪26の
向きを左側に向け、第1係止孔61の位置をガイド孔5
5の位置に合わせる。取っ手60を手放すと、ストッパ
ピン57は引張バネ58によって回動支持部53の方向
に戻る。このとき、ストッパピン57の先端は第1係止
孔61の中に収まり、回動支持部53の回転は阻止され
る。
【0065】その後、右側の取っ手も同様に前方に引き
ながら右後輪27を右側に向け、次いで取っ手を手放
す。なお、この作業は右側から行っても左右同時に行っ
てもよい。
【0066】このように、左右後輪26,27を首振り
可能に設け、歩行補助具63を開成乃至閉成させたと
き、展開中心線と平行となる向きで左右後輪26,27
を固定させるストッパ56を設けたため、左右後輪2
6,27前部の左右への出っ張りをなくすことができ、
コンパクトにできると共に歩行補助具63を閉成させた
状態で把手3を押して歩行補助具63を移動させること
ができる。
【0067】さらに本発明の他の実施例を述べる。
【0068】図11に示すように、歩行補助具70の左
フレーム78のハンドル71の下部は、左側のメインフ
レーム72の内部に摺動自在に起立して嵌め入れられ、
係止ピン73にて径方向に貫通されて係止されている。
【0069】具体的には、メインフレーム72の上部に
は係止ピン73を径方向に貫通させるための一対の基準
係止孔74が設けられており、ハンドル71の下部には
基準係止孔74と共に係止ピン73に貫通させるための
一対の選択係止孔75が設けられている。この選択係止
孔75は、把手(図示せず)の高さを調節可能とするた
めに高さ方向に複数設けられており、使用者の体格およ
び好みにあわせて自由に選択できるようになっている。
【0070】係止ピン73の一端は、扱いやすいように
リング状に形成されている。このリング状の一端は、係
止ピン73の紛失を防止するため、メインフレーム72
の側面に鎖等の索76でつながれている。メインフレー
ム72と索76とは、メインフレーム72の側面に一体
的に設けられた半リング状の索連結部77を介して連結
されている。
【0071】なお、歩行補助具70の右フレーム(図示
せず)についても同様に形成されており、係止ピン(図
示せず)を貫通させる選択係止孔(図示せず)を選択す
ることで把手の高さを調節できるようになっている。
【0072】次にこの実施例の作用を述べる。
【0073】把手の高さを変える場合、係止ピン73を
基準係止孔74及び選択係止孔75から抜き取り、把手
を任意の高さに合わせる。基準係止孔74に最も近い選
択係止孔75を合わせ、係止ピン73を嵌め入れる。
【0074】このようにメインフレーム72の上部に基
準係止孔74を設け、ハンドル71の下部に基準係止孔
74と向き合う選択係止孔75を高さ方向に複数設け、
これら基準係止孔74及び選択係止孔75に係止ピン7
3を貫通させてハンドル71を係止させるようにしたの
で、把手3の高さを使用者の体格および好みにあわせて
自由に選択できる。
【0075】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を奏する。
【0076】(1) 請求項1に記載の構成によれば、
ハンドルをそのまま前方に押すだけで左右フレームを展
開させることができる。
【0077】(2) 請求項2に記載の構成によれば、
地面から伝わる震動を和らげることができ、使用者の体
にかかる負担を軽減することができる。
【0078】(3) 請求項3に記載の構成によれば、
買物かご等を載置台に載置することができる。
【0079】(4) 請求項4に記載の構成によれば、
歩行補助具を安全に制動することができる。
【0080】(5) 請求項5に記載の構成によれば、
両後輪前部の左右への出っ張りをなくすことができ、コ
ンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる歩行補助具の一実施例を示した
斜視図である。
【図2】図1に係る歩行補助具の拡大図である。
【図3】図1に係る歩行補助具の拡大図である。
【図4】図2に係る歩行補助具を閉じた斜視図である。
【図5】図3に係る歩行補助具を閉じた斜視図である。
【図6】図1に係る歩行補助具の平面図である。
【図7】図1に係る歩行補助具の拡大図である。
【図8】載置台を載置した図1に係る歩行補助具の斜視
図である。
【図9】歩行補助具の他の実施例を示した拡大図であ
る。
【図10】図9に係る歩行補助具の背面図である。
【図11】歩行補助具の他の実施例を示した拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 歩行補助具 3 把手(把手部) 5 左フレーム 6 右フレーム 7 連結具(枢支部材) 8a ハンドル 8b ハンドル 18 ロックバー(ロック機構) 24 ブレーキレバー(操作レバー部材) 25 前輪 26 左後輪(後輪) 27 右後輪(後輪) 31 左輪制動ブレーキ装置(制動ブレーキ) 39 右輪制動ブレーキ装置(制動ブレーキ) 47 緩衝バネ(緩衝手段) 49 展開中心線(中心線) 56 ストッパ(固定手段) 63 歩行補助具 80 載置台
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】請求項2の発明は、上記前輪上記枢支部
材に緩衝手段を介して取り付けたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】請求項3の発明は、上記左右フレーム
その底辺部が前輪と後輪とを結び上辺部が所定の長さ平
坦に結んだ略台形状を呈するように形成、その上辺部
の後端部に上記ハンドル起立して設けると共にこの
ンドルの前方部に買物かご等を載置する載置台を形成し
ものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】請求項4の発明は、上記後輪にはそれぞれ
制動ブレーキけ、これら制動ブレーキにそれぞれ左
右のハンドルの把手部と結ぶ操作レバー部材連結した
ものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項5の発明は、上記左右フレームに設
けられる後輪を、左右フレームを閉じた時に前方に開い
た状態から閉じたフレームと平行になる位置まで閉じら
れるように、左右フレームに対して回転可能に取り付
け、その後輪の開閉位置で後輪を固定する固定手段
右フレームに設けるものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる歩行補助具の一実施例を示した
斜視図である。
【図2】図1に係る歩行補助具の要部拡大図である。
【図3】図1に係る歩行補助具の要部拡大図である。
【図4】図2に係る歩行補助具を閉じた斜視図である。
【図5】図3に係る歩行補助具を閉じた斜視図である。
【図6】図1に係る歩行補助具の平面図である。
【図7】図1に係る歩行補助具の要部拡大図である。
【図8】載置台を載置した図1に係る歩行補助具の斜視
図である。
【図9】他の歩行補助具の実施例を示した要部拡大図で
ある。
【図10】図9の背面図である。
【図11】他の歩行補助具の実施例を示した要部拡大図
である。
【符号の説明】 1 歩行補助具 3 把手(把手部) 5 左フレーム 6 右フレーム 7 連結具(枢支部材) 8a ハンドル 8b ハンドル 18 ロックバー(ロック機構) 24 ブレーキレバー(操作レバー部材) 25 前輪 26 左後輪(後輪) 27 右後輪(後輪) 31 左輪制動ブレーキ装置(制動ブレーキ) 39 右輪制動ブレーキ装置(制動ブレーキ) 47 緩衝バネ(緩衝手段) 49 展開中心線(中心線) 56 ストッパ(固定手段) 63 歩行補助具 80 載置台

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの前輪と該前輪の左右後方にそれぞ
    れ配置される後輪とを備える歩行補助具において、上記
    前輪とそれぞれの後輪とを結ぶべく左右独立して形成さ
    れた左右フレームと、該左右フレームの前端部を互いに
    連結すると共に後輪部を左右方向に展開移動自在に支持
    するための枢支部材と、上記左右フレームに互いに連結
    し、展開移動角度を一定に固定するためのロック機構
    と、上記枢支部材下に首振り自在に取り付けられた前輪
    と、上記それぞれの左右フレームの後端部に取り付けら
    れ、上記ロック機構によって左右フレームが一定の展開
    移動角度に固定されたときにその展開移動角度の中心線
    と平行になるように支持された後輪と、上記それぞれの
    左右フレームに高さ方向に調整自在に取り付けられたハ
    ンドルとを備えたことを特徴とする歩行補助具。
  2. 【請求項2】 上記前輪が上記枢支部材に緩衝手段を介
    して取り付けられた請求項1に記載の歩行補助具。
  3. 【請求項3】 上記左右フレームが、その底辺部が前輪
    と後輪とを結び上辺部が所定の長さ平坦に結んだ略台形
    状を呈して形成され、その上辺部の後端部に位置されて
    上記ハンドルが起立して設けられると共に該ハンドルの
    前方部に買物かご等を載置する載置台を形成した請求項
    1又は請求項2に記載の歩行補助具。
  4. 【請求項4】 上記後輪にはそれぞれ制動ブレーキが設
    けられ、これら制動ブレーキにはそれぞれ左右のハンド
    ルの把手部と結ぶ操作レバー部材が連結された請求項1
    乃至3いずれかに記載の歩行補助具。
  5. 【請求項5】 上記左右フレームに設けられる後輪は、
    左右フレームを閉じた時に前方に開いた状態から閉じた
    フレームと平行になる位置まで閉じられるように、左右
    フレームに対して回転可能に取り付けられ、その後輪の
    開閉位置で後輪を固定する固定手段が左右フレームに設
    けられる請求項1乃至4いずれかに記載の歩行補助具。
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