JPH09102434A - コンデンサ - Google Patents

コンデンサ

Info

Publication number
JPH09102434A
JPH09102434A JP7260130A JP26013095A JPH09102434A JP H09102434 A JPH09102434 A JP H09102434A JP 7260130 A JP7260130 A JP 7260130A JP 26013095 A JP26013095 A JP 26013095A JP H09102434 A JPH09102434 A JP H09102434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
vapor deposition
capacitor
deposition film
resistance value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7260130A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3328477B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Unami
潔 宇波
Hidekazu Wada
英一 和田
Kiyuuji Suzuki
逑二 鈴木
Masanori Tsuda
雅典 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17343723&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH09102434(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP26013095A priority Critical patent/JP3328477B2/ja
Priority to US08/724,098 priority patent/US5696663A/en
Priority to DE19641249A priority patent/DE19641249C2/de
Publication of JPH09102434A publication Critical patent/JPH09102434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3328477B2 publication Critical patent/JP3328477B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/015Special provisions for self-healing
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/14Organic dielectrics
    • H01G4/18Organic dielectrics of synthetic material, e.g. derivatives of cellulose
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/32Wound capacitors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム上の絶縁欠陥部をより良好に回復さ
せ、フィルム本来の耐圧性能を十分に引き出し、フィル
ムの電位傾度を更に向上し、信頼性が高くかつ小型化が
図れるコンデンサを実現する。 【解決手段】 プラスチックフィルムとしてポリエチレ
ンテレフタレートフィルム1を用い、その上に、電極と
して、主電極部分を構成するアルミニウム蒸着膜2を形
成するとともに、電極引き出し用メタリコンとの接触部
を含む近傍のアルミニウム蒸着膜2上に亜鉛蒸着膜3を
形成し、金属化フィルムとする。この金属化フィルムを
2枚重ねて巻回している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力用コンデン
サ・電気機器コンデンサなどに使用するエネルギー充放
電用のコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エネルギー充放電用のコンデンサ
の用途としては、フラッシュランプ電源などのインパル
ス電圧・インパルス電流発生装置や、電力機器などのア
ース間絶縁耐力試験などに用いられるインパルス試験装
置などがある。これらの電源や装置に用いられるコンデ
ンサは、誘電体としては、紙またはプラスチックフィル
ムもしくはこれらの複合体を用い、電極としては、アル
ミニウム箔もしくは紙に亜鉛などを蒸着した金属化紙を
用いている。これらの誘電体・電極を巻回してコンデン
サ素子とし、これらの素子を1個、もしくは必要な電圧
・容量に応じて複数個直列・並列接続した集合コンデン
サ素子を、外装ケース内に収納・密閉してコンデンサを
構成していた。
【0003】また、最近では、誘電体のプラスチックフ
ィルムに電極として金属を蒸着した金属化フィルムを使
用したコンデンサも多く提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近では、これらのコ
ンデンサを使用する装置・設備においても小型・軽量化
の要望が大きくなってきている。これらのコンデンサの
体積の大部分しめるのは、誘電体および電極を巻回した
コンデンサ素子であり、誘電体の電位傾度を大きくし、
フィルム厚みを薄くすることが、コンデンサ素子の小型
化に大きく寄与するものである。
【0005】誘電体の電位傾度を大きくするためにはフ
ィルム厚みを薄くすることが必要であるが、当然、フィ
ルム厚みを薄くすると耐圧的に、寿命的にその信頼性は
落ちてくる。そこで、薄いフィルムでより高い耐圧性能
・寿命特性を確保するために様々な提案がなされてき
た。その一つとして、金属化フィルムの蒸着膜を、電極
引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍部分がその
他の主電極部分よりも厚くなるように、厚さに差をつけ
ること(段付き蒸着)が提案されている。
【0006】この提案は、フィルムに存在する絶縁欠陥
が自己回復(セルフヒーリング)によって回復すること
をより高めることによって、フィルムの電位傾度をより
向上させようとするものである。自己回復(セルフヒー
リング)とは、絶縁欠陥部分の短絡電流により絶縁欠陥
部分周辺の蒸着膜を飛散させて絶縁欠陥の絶縁耐力を回
復させることである。この自己回復が不完全な場合、絶
縁欠陥部分の絶縁耐力がフィルム全体の絶縁耐力とな
り、その最低絶縁耐力以下でコンデンサの設計を行わな
くてはならない。この自己回復が良好に行われれば、フ
ィルムの絶縁耐力はフィルム本来の絶縁耐力を示すこと
ができ、すなわちフィルムの電位傾度を向上することが
できる。
【0007】良好な自己回復を行うためには、蒸着膜の
厚みを薄くすることによって蒸着膜の飛散性を高める方
法、絶縁欠陥部分に流れ込む短絡電流を少なくする方法
等によって、自己回復をより良好にすることができる。
この提案は、自己回復をより完全なものとするため、主
電極部分の蒸着膜をより薄くすることにより自己回復性
を向上しようとするものであり、また、電極引き出し用
メタリコンとのコンタクト性を良好にするために、電極
引き出し用メタリコン近傍の蒸着膜の厚みを主電極部分
より厚くした、いわゆるヘビーエッジ構造であり、段付
き蒸着を行っている。この段付き蒸着を行うためには、
一般的に亜鉛を蒸着金属として使用し、アルミニウムを
使うことは少ない。これは蒸着金属の厚みをフィルム幅
方向で変化させる段付き蒸着において、亜鉛のほうがア
ルミニウムよりその段付き状態を良好に形成することが
できるためである。なお、アルミニウムにおいても可能
であるがその段付きの形成状態が良好でない場合、メタ
リコンとヘビーエッジとのコンタクト性が悪化し、耐電
流性能が低下してしまう。また、主電極部分の亜鉛を薄
くして使用する段付き蒸着においても、その蒸着膜の薄
さは現在の状態で限界であり、抵抗値の管理を含めてこ
れ以上の電位傾度の向上につながる改善を求めることは
困難である。
【0008】この発明は、上記従来の問題点を解決する
もので、フィルム上の絶縁欠陥部をより良好に回復さ
せ、フィルム本来の耐圧性能を十分に引き出し、フィル
ムの電位傾度を更に向上し、信頼性が高くかつ小型化が
図れるコンデンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のコンデン
サは、プラスチックフィルム上に電極となる蒸着膜を形
成した金属化フィルムを2枚重ねて巻回したコンデンサ
であって、金属化フィルムは、プラスチックフィルム上
にアルミニウム蒸着膜を形成し、電極引き出し用メタリ
コンとの接触部を含む近傍のアルミニウム蒸着膜上に亜
鉛蒸着膜を形成したことを特徴とする。このように、電
極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍にはアル
ミニウム蒸着膜上に亜鉛蒸着膜を形成した電極構成と
し、その他の主電極部分はアルミニウム蒸着膜とするこ
とにより、金属化フィルム内に存在する絶縁欠陥部分の
自己回復による蒸着膜の飛散部分をより小さくし、良好
な自己回復を行うことができ、プラスチックフィルムが
持っている本来の絶縁耐力を引き出し、より高電位傾度
においてフィルムを使用、コンデンサの設計を行うこと
ができ、また良好なヘビーエッジを形成することが可能
なため、より耐電流強度を強くすることができる。
【0010】請求項2記載のコンデンサは、請求項1記
載のコンデンサにおいて、金属化フィルムは、アルミニ
ウム蒸着膜をプラスチックフィルムの長手方向に間隙を
設けて複数に分離形成し、アルミニウム蒸着膜に設けた
間隙が重ならないように2枚の金属化フィルムを巻回し
ている。このように、アルミニウム蒸着膜をプラスチッ
クフィルムの長手方向に間隙を設けて複数に分離形成
し、その間隙が重ならないように2枚の金属化フィルム
を巻回して、1個の素子内に多段直列構成のコンデンサ
を設けることができ、定格電圧が高くても小型化を図る
ことができる。
【0011】請求項3記載のコンデンサは、請求項1ま
たは2記載のコンデンサにおいて、2枚のうち少なくと
も一方の金属化フィルムは、アルミニウム蒸着膜および
亜鉛蒸着膜をプラスチックフィルムの幅方向に間隙を設
けて複数に分離形成している。このように、アルミニウ
ム蒸着膜および亜鉛蒸着膜をプラスチックフィルムの幅
方向に間隙を設けて複数に分離形成することにより、自
己回復が発生したときに流れ込む電流を抑制し、自己回
復部分の大きさをより小さくし、絶縁耐力をより高める
ことができる。
【0012】請求項4記載のコンデンサは、請求項1,
2または3記載のコンデンサにおいて、アルミニウム蒸
着膜の膜抵抗値を8〜30Ω/□とし、電極引き出し用
メタリコンとの接触部を含む近傍の亜鉛蒸着膜の膜抵抗
値を1.5〜7Ω/□としている。このように、電極引
き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の亜鉛蒸着膜
の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□とすることにより、自己
回復時の電極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近
傍の蒸着膜の飛散を防ぎ、耐電流性能の低下を防止し、
その他の主電極部分のアルミニウム蒸着膜の膜抵抗値を
8〜30Ω/□とすることにより、自己回復部分の大き
さをより小さくし、絶縁耐力をより高めることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。 〔第1の実施の形態〕図1〜図3はこの発明の第1の実
施の形態のコンデンサの製造工程を順に示す図である。
【0014】まず、ポリエチレンテレフタレート(以下
「PET」という)フィルム1の片面に、図1に示すパ
ターンのアルミニウム蒸着膜2を形成し、その後、マス
キングにより図2に示すパターンの亜鉛蒸着膜3を、電
極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍のアルミ
ニウム蒸着膜2上に形成して、金属化フィルムを得る。
アルミニウム蒸着膜2と亜鉛蒸着膜3の蒸着は同一蒸着
工程内で実施しても良いし、同一蒸着工程内で実施する
ことができないなら、2回にわけて行っても良い。すな
わち、この実施の形態における金属化フィルムは、誘電
体としてPETフィルム1を用い、このPETフィルム
1上に電極として、アルミニウム蒸着膜2と、電極引き
出し用メタリコンとの接触部を含む近傍のアルミニウム
蒸着膜2上に亜鉛蒸着膜3とを形成している。この金属
化フィルムを、図3のように、2枚組み合わせて巻回
し、電極引き出し用メタリコン(図示せず)を溶射し
て、コンデンサとする。
【0015】〔第2の実施の形態〕図9,図10はこの
発明の第2の実施の形態のコンデンサの製造工程を示す
断面図である。なお、図9,図10は、2枚組み合わせ
る金属化フィルムの配置がわかりやすいように図示した
ものであり、製造中に2枚上下に配置されていることを
意味するものではない。
【0016】まず、PETフィルム1の片面に、図9に
示すパターンのアルミニウム蒸着膜2を形成する。この
アルミニウム蒸着膜2はPETフィルム1の長手方向に
長いストライプ状に4本形成され、各アルミニウム蒸着
膜2間が絶縁層となる。その後、マスキングにより図1
0に示すパターンの亜鉛蒸着膜3を、電極引き出し用メ
タリコンとの接触部を含む近傍のアルミニウム蒸着膜2
上に形成して、金属化フィルムを得る。この金属化フィ
ルムを、第1の実施の形態と同様に、図10のように2
枚配置して巻回し、電極引き出し用メタリコン(図示せ
ず)を溶射して、コンデンサとする。
【0017】この第2の実施の形態のコンデンサ内に
は、4本のストライプ状にアルミニウム蒸着膜2を形成
した金属化フィルムを、図9,図10に示すように、2
つ重ねることにより、7個の直列コンデンサが形成され
ている。 〔第3の実施の形態〕図11はこの発明の第3の実施の
形態のコンデンサに用いる金属化フィルムの斜視図であ
る。
【0018】図10に示す第2の実施の形態の金属化フ
ィルムを、レーザ加工,オイル転写蒸着等により非蒸着
部8を形成して、アルミニウム蒸着膜2,亜鉛蒸着膜3
をPETフィルム1の幅方向に複数に分割し、図11に
示すパターンの金属化フィルムを形成する。この金属化
フィルムを2枚組み合わせるうちの少なくとも一方に用
い、第2の実施の形態と同様に、図10のように配置し
て巻回し、電極引き出し用メタリコン(図示せず)を溶
射して、コンデンサとする。このコンデンサは、第2の
実施の形態と同様、7個の直列コンデンサの構成とな
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例について説明する。まず、第1
の実施例について説明する。第1の実施例は、図1〜図
3に示す第1の実施の形態のコンデンサにおいて、アル
ミニウム蒸着膜2の膜抵抗値を8〜30Ω/□とし、電
極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍に形成す
る亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□としたも
のである。
【0020】つぎに、第1,第2,第3の比較例につい
て説明する。第1の比較例では、PETフィルム1の片
面に、図1に示すパターンのアルミニウム蒸着膜2を形
成して、金属化フィルムとする。ここでは、アルミニウ
ム蒸着膜2の膜抵抗値を8〜30Ω/□とした。したが
って、電極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍
のアルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値も8〜30Ω/□で
ある。このPETフィルム1上にアルミニウム蒸着膜2
を形成した金属化フィルムを、図3と同様に、2枚組み
合わせて巻回し、電極引き出し用メタリコンを溶射し
て、コンデンサとする。
【0021】第2の比較例では、PETフィルム1の片
面に、図1に示すパターンのアルミニウム蒸着膜2を形
成して、金属化フィルムとする。ここでは、アルミニウ
ム蒸着膜2の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□とした。した
がって、電極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近
傍のアルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値も1.5〜7Ω/
□である。このPETフィルム1上にアルミニウム蒸着
膜2を形成した金属化フィルムを、図3と同様に、2枚
組み合わせて巻回し、電極引き出し用メタリコンを溶射
して、コンデンサとする。
【0022】第3の比較例では、PETフィルム1の片
面に、図4に示すパターンの亜鉛蒸着膜3aを形成し
て、金属化フィルムとする。ここでは、亜鉛蒸着膜3a
の薄い部分の膜抵抗値を8〜30Ω/□とし、亜鉛蒸着
膜3aの厚い部分である電極引き出し用メタリコンとの
接触部を含む近傍の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□とし
て、第1の実施例に合わせた。このPETフィルム1上
に亜鉛蒸着膜3aを形成した金属化フィルムを、図3と
同様に、2枚組み合わせて巻回し、電極引き出し用メタ
リコンを溶射して、コンデンサとする。すなわち、この
第3の比較例は、従来の段付き蒸着によるいわゆるヘビ
ーエッジ構造のフィルムを使用したコンデンサである。
【0023】ここで、第1の実施例と第3の比較例とを
比較すると、外観状態はほぼ同等の構成を有している
が、電極の主電極部分が、第1の実施例ではアルミニウ
ム蒸着膜2であり、第3の比較例は亜鉛蒸着膜3aであ
り、異なる。また、電極の電極引き出し用メタリコンと
の接触部を含む近傍部分において、第1の実施例はアル
ミニウム蒸着膜2の上に亜鉛蒸着膜3を形成した2層蒸
着構成となっているが、第3の比較例では亜鉛蒸着膜3
aであり、異なる。
【0024】これらのコンデンサ素子を、内部圧力検出
装置を金属容器に取り付けた外装容器内に収納し、ポリ
ブテンオイルを用いて充填し、電極引き出し用メタリコ
ンから外部電極引き出し用端子と接続した。これらのコ
ンデンサに使用したPETフィルム1の厚みは10μm
であり、コンデンサ容量は30μFである。
【0025】第1の実施例のコンデンサの効果を検証す
るために、第1〜第3の比較例のコンデンサとともに、
電圧印加による破壊試験を実施し、その破壊電圧レベル
を評価した。その試験結果を図5に示す。図5の縦軸は
破壊電圧であり、この時の試験条件は常温・常湿であ
り、電圧昇圧スピードは1分間に100Vである。図5
から、第1の実施例のコンデンサの方が第3の比較例の
コンデンサより、破壊電圧が700V〜1000V上回
っていることがわかる。第1の比較例は、第1の実施例
とほぼ同様な破壊水準を示しているが若干バラツキが見
られる。第2の比較例は、第1の実施例・第1の比較例
のコンデンサより破壊水準が低いが、第3の比較例より
は若干高いことがわかる。
【0026】つぎに、電圧破壊試験実施後のコンデンサ
素子を分解し、金属化フィルムの状態を確認したとこ
ろ、図6,図7に示すような自己回復(セルフヒーリン
グ)が確認できた。図6は電圧破壊試験実施後に分解し
た第1の実施例の金属化フィルムの状態を示し、(a)
はその斜視図、(b)はそのA−A′断面図である。図
6において、4は絶縁欠陥部、5はアルミニウム蒸着膜
2が飛散した自己回復部である。図7は電圧破壊試験実
施後に分解した第3の比較例の金属化フィルムの状態を
示し、(a)はその斜視図、(b)はそのB−B′断面
図である。図7において、6は絶縁欠陥部、7は亜鉛蒸
着膜3aが飛散した自己回復部である。
【0027】図6の第1の実施例における自己回復部5
の形状は、図7に示す第3の比較例の自己回復部7より
はるかに小さく、良好に自己回復が行われている。した
がってPETフィルム1に与えるダメージも小さく、絶
縁耐力もPETフィルム1が本来持っている絶縁耐力に
より近づいているものと考えられる。これに対し、図7
に示す第3の比較例では、自己回復部7の形状が大き
く、ところによっては自己回復が上手く行われず、次の
層のPETフィルム1に破壊が進行していることが伺え
た。段付き蒸着を実施することにより段付き蒸着を実施
しない場合よりは自己回復は良好に行われているが、そ
れでも不完全な自己回復によってPETフィルム1にダ
メージを与え、絶縁耐力を低下させていることがわか
る。亜鉛の飛散性による自己回復では、PETフィルム
1が本来持っている絶縁耐力にまで回復できないことが
伺える。
【0028】第1の比較例においても、第1の実施例と
同様に、自己回復部の形状は第3の比較例の場合よりは
るかに小さく、良好に自己回復が行われているが、電極
引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍においてア
ルミニウム蒸着膜2の飛散が発生し、電極引き出し用メ
タリコンとのコンタクトが失われ、コンデンサ容量を失
っていた。これは電極引き出し用メタリコンとの接触部
を含む近傍の膜抵抗値が高いため、自己回復時の電流に
よりコンタクト部近傍の蒸着膜が飛散し、失われたため
である。結果として、耐電圧性能は高くなったが、耐電
流性能は低くなっていると考えられる。
【0029】第2の比較例においては、第3の比較例の
場合と同様に、大きな自己回復部が見られ、アルミニウ
ム蒸着膜2の飛散性において、蒸着膜抵抗値が低い場合
には高い耐電圧性能が得られないことがわかる。つぎ
に、第1の実施例のコンデンサおよび第1〜第3の比較
例のコンデンサの充放電試験における試験結果を図8に
示す。これは耐電流破壊レベルを評価したものであり、
図8は、縦軸に容量減少率をプロットし、横軸に充放電
回数をプロットしたグラフである。この時の試験条件は
常温・常湿であり、印加電圧は2500Vである。ま
た、充放電電流はピーク電流200A、放電時間200
μsである。
【0030】図8から、第1の実施例のコンデンサの容
量減少率が最も少なく、続いて、第2の比較例・第3の
比較例・第1の比較例のコンデンサの順で容量減少率が
少ないことがわかる。そしてこの傾向は充放電回数の増
加に伴いより顕著になっている。つぎに、電圧破壊試験
の時と同様、充放電試験後にコンデンサ素子を分解し、
金属化フィルムの状態を確認した。
【0031】第1の比較例のコンデンサにおいては、電
圧破壊試験の時と同様に、良好な自己回復を示していた
が、その発生個数が少ないにもかかわらず、電極引き出
し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜の飛散が
発生し、電極引き出し用メタリコンとのコンタクトが失
われ、コンデンサ容量を失っていた。これは、電圧破壊
試験の時と同様な理由によるものと考えられる。
【0032】第2の比較例・第3の比較例においては、
多数自己回復が発生していたが、第1の比較例のような
電極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着
膜の飛散の発生は少なく、容量減少は第1の比較例より
大幅に少ない。しかしながら自己回復状態は思わしくな
く、その形状も大きく理想的状態とは言いがたい。第1
の実施例においては、若干の自己回復が見られるが、他
のサンプルよりは自己回復状態は良好であり、望ましい
状態にあると言える。
【0033】これらの結果を基に、例として定格電圧2
400V、定格電流100A、容量30μFのコンデン
サを設計した場合のコンデンサの体積を算定すると、第
1の実施例のコンデンサが、第1〜第3の比較例のコン
デンサに比べて、25〜30%小さくなる結果となっ
た。以上のことから、第1の実施例によれば、電極引き
出し用メタリコンとの接触部を含む近傍にはアルミニウ
ム蒸着膜2上に膜抵抗値が1.5〜7Ω/□の亜鉛蒸着
膜3を形成した電極構成とし、その他の主電極部分は膜
抵抗値が8〜30Ω/□のアルミニウム蒸着膜2とする
ことにより、金属化フィルム内に存在する絶縁欠陥部分
の自己回復による蒸着膜の飛散部分をより小さくし、良
好な自己回復を行うことができ、PETフィルム1が持
っている本来の絶縁耐力を引き出し、より高電位傾度に
おいてフィルムを使用、コンデンサの設計を行うことが
でき、また良好なヘビーエッジを形成することが可能な
ため、より耐電流強度を強くすることができる。結果と
して、より小型・軽量で寿命特性の優れたコンデンサを
実現することができる。
【0034】つぎに、第2,第3の実施例について説明
する。第2の実施例は、図9,図10に示す第2の実施
の形態のコンデンサにおいて、アルミニウム蒸着膜2お
よび亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値を、第1の実施例と同様に
したものである。また、第3の実施例は、図11に示す
第3の実施の形態のコンデンサにおいて、アルミニウム
蒸着膜2および亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値を、第1の実施
例と同様にしたものである。
【0035】さらに、第4の比較例として、第1の実施
例のコンデンサを7個直列に接続したコンデンサを用意
した。これら第2,第3の実施例および第4の比較例の
コンデンサに使用したPETフィルム1の厚みは10μ
mであり、コンデンサ容量は4.3μFであり、定格電
圧は17000Vである。
【0036】これらのコンデンサの体積を算定し比較し
た結果を図12に示す。図12では、第4の比較例のコ
ンデンサの体積を100%とした場合に、第2の実施例
では約80%、第3の実施例では約75%となってい
る。すなわち、第2,第3の実施例では、第4の比較例
より20〜25%小さくなる結果となった。これは定格
電圧が高くなり多段直列構成を必要とする場合、第4の
比較例のように1直のコンデンサ素子を多段に接続する
より、第2,第3の実施例のように1個のコンデンサ素
子内に多段直列構成を設ける方がスペースファクターが
良いためである。すなわち、1直のコンデンサ素子を多
段に接続する場合においては、接続のためのリード線や
ハンダ付け部分において余分なスペースが発生し、体積
的に不利となる。
【0037】つぎに、第1の実施例の場合と同様、耐電
圧試験として、第2,第3の実施例および第4の比較例
のコンデンサの電圧印加による破壊試験を実施し、その
破壊電圧レベルを評価した。その試験結果を図13に示
す。また、同様に耐電流試験としてコンデンサの充放電
試験における試験結果を図14に示す。第2,第3の実
施例および第4の比較例の各コンデンサは、図13,図
14からわかるように、いずれの場合の試験においても
満足できる特性を示しているが、特に第3の実施例のコ
ンデンサがより良好な特性を示している。これは、コン
デンサの少なくとも一方の電極のアルミニウム蒸着膜2
および亜鉛蒸着膜3を、PETフィルム1の幅方向に複
数に分割したことにより、自己回復が発生した時に流れ
込む電流が抑制され、蒸着膜が飛散した自己回復部の大
きさをより小さくしているためと考えられる。
【0038】なお、上記第1〜第3の実施例では、アル
ミニウム蒸着膜2の膜抵抗値を8〜30Ω/□とし、電
極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍に形成す
る亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□とした構
成について説明したが、このように膜抵抗値を設定した
理由および効果について、以下に説明する。まず、図1
〜図3に示す第1の実施の形態と同様にして複数のコン
デンサ素子(A)を作製した。この複数のコンデンサ素
子(A)は、電極引き出し用メタリコンとの接触部を含
む近傍に形成する亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値を3Ω/□と
し、アルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値をそれぞれのコン
デンサで異なる値(3Ω/□,5Ω/□,8Ω/□,1
0Ω/□,12Ω/□,20Ω/□,30Ω/□,35
Ω/□,40Ω/□)として作製したものである。そし
て、これらのコンデンサ素子を、内部圧力検出装置を金
属容器に取り付けた外装容器内に収納し、ポリブテンオ
イルを用いて充填し、電極引き出し用メタリコンから外
部電極引き出し用端子と接続した。
【0039】これらのコンデンサに使用したPETフィ
ルム1の厚みは10μmであり、コンデンサ容量は30
μFである。そして、これらの複数のコンデンサに電圧
印加による破壊試験を実施し、その破壊電圧レベルを評
価した。その試験結果を図15に示す。図15の横軸は
アルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値であり、縦軸は破壊電
圧であり、この時の試験条件は常温・常湿であり、電圧
昇圧スピードは1分間に100Vである。
【0040】図15に示すように、アルミニウム蒸着膜
2の膜抵抗値により破壊電圧が変化する。膜抵抗値が8
Ω/□未満のものでは、破壊電圧が低く、膜抵抗値の上
昇とともに破壊電圧は上昇していく。膜抵抗値が8Ω/
□〜12Ω/□の間において、そのカーブは緩やかにな
り、12Ω/□〜40Ω/□の間において、破壊電圧は
ほぼ一定となる。この図15から、安定的に高い破壊水
準を得るためには、アルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値を
8Ω/□以上にする必要があることがわかる。
【0041】また、亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値が3Ω/□
で、アルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値がそれぞれ異なる
上記の複数のコンデンサ素子(A)の充放電試験におけ
る試験結果を図16に示す。これは耐電流破壊レベルを
評価したものであり、図16の横軸はアルミニウム蒸着
膜2の膜抵抗値であり、縦軸は容量減少率をプロットし
ている。この容量減少率は充放電回数が2500回時の
ものである。印加電圧は2500V、充放電電流はピー
ク電流200A、放電時間200μsである。
【0042】図16に示すように、アルミニウム蒸着膜
2の膜抵抗値が8Ω/□未満のものでは、容量減少が少
し見られるが、膜抵抗値が8Ω/□〜30Ω/□の間に
おいては、1〜2%の容量減少ですみ安定している。膜
抵抗値が30Ω/□を超えると、容量減少が膜抵抗値と
ともに大きくなり、耐電流性能が低下していることが伺
える。
【0043】また、充放電試験後にコンデンサ素子を分
解し、蒸着膜の状態を確認したところ、アルミニウム蒸
着膜2の膜抵抗値が8Ω/□〜30Ω/□の間のコンデ
ンサは良好な自己回復を示しており、蒸着膜にも変化は
少ないが、膜抵抗値が8Ω/□未満のコンデンサでは自
己回復の大きさが大きくなり、蒸着膜の飛散も大きくな
っている。一方、膜抵抗値が30Ω/□を超えたコンデ
ンサでは自己回復は良好であるが、その自己回復の周り
の蒸着膜に蒸着膜の更なる後退が見られた。これは、蒸
着膜金属が非常に薄いため、電流を印加することによっ
て自己回復をした場所をトリガーとしてコロナ放電等に
より蒸着膜が除々に飛散していき、大きな容量減少とな
ったものと推定できる。
【0044】すなわち、上記の検証結果より、アルミニ
ウム蒸着膜2の膜抵抗値は、8Ω/□〜30Ω/□の間
において、その耐圧性能および耐電流性能の両方を十分
に満足する結果を得ることができると言える。つぎに、
図1〜図3に示す第1の実施の形態と同様にして複数の
コンデンサ素子(B)を作製した。この複数のコンデン
サ素子(B)は、アルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値を1
5Ω/□とし、電極引き出し用メタリコンとの接触部を
含む近傍に形成する亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値をそれぞれ
のコンデンサで異なる値(1Ω/□,1.5Ω/□,2
Ω/□,3Ω/□,5Ω/□,7Ω/□,8Ω/□,9
Ω/□)として作製したものである。そして、これらの
コンデンサ素子を、内部圧力検出装置を金属容器に取り
付けた外装容器内に収納し、ポリブテンオイルを用いて
充填し、電極引き出し用メタリコンから外部電極引き出
し用端子と接続した。
【0045】これらのコンデンサに使用したPETフィ
ルム1の厚みは10μmであり、コンデンサ容量は30
μFである。そして、これらの複数のコンデンサに電圧
印加による破壊試験を実施し、その破壊電圧レベルを評
価した。その試験結果を図17に示す。図17の横軸は
亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値であり、縦軸は破壊電圧であ
り、この時の試験条件は常温・常湿であり、電圧昇圧ス
ピードは1分間に100Vである。
【0046】図17に示すように、亜鉛蒸着膜3の膜抵
抗値が1Ω/□前後のコンデンサにおいては破壊電圧レ
ベルが他のものより数百V低下し、亜鉛蒸着膜3の膜抵
抗値が1.5Ω/□以上であれば、高い破壊電圧レベル
で差はなく安定している。破壊試験後にコンデンサ素子
を分解し、蒸着膜の状態を確認したところ、亜鉛蒸着膜
3の膜抵抗値が1Ω/□前後では、亜鉛蒸着膜3上に大
きな破壊跡があったが、これは、1Ω/□前後まで膜抵
抗値を低下させると、蒸着膜が厚くなりすぎ、良好な自
己回復が行えないためと推定される。なお、亜鉛蒸着膜
3の膜抵抗値が1.5Ω/□以上のコンデンサでは、良
好な自己回復が行われていた。
【0047】また、アルミニウム蒸着膜2の膜抵抗値が
15Ω/□で、亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値がそれぞれ異な
る上記の複数のコンデンサ素子(B)の充放電試験にお
ける試験結果を図18に示す。これは耐電流破壊レベル
を評価したものであり、図18の横軸は亜鉛蒸着膜3の
膜抵抗値であり、縦軸は容量減少率をプロットしてい
る。この容量減少率は充放電回数が2500回時のもの
である。印加電圧は2500V、充放電電流はピーク電
流200A、放電時間200μsである。
【0048】図18に示すように、亜鉛蒸着膜3の膜抵
抗値が1Ω/□〜7Ω/□の間においては、容量減少が
少なく安定しているが、膜抵抗値が7Ω/□を超える
と、容量減少率が大きくなっていることがわかる。充放
電試験後にコンデンサ素子を分解し、蒸着膜の状態を確
認したところ、亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値が7Ω/□を超
えるものについては、亜鉛蒸着膜3上に蒸着膜の飛散跡
が見られた。これは、亜鉛蒸着膜3の膜抵抗値が高いた
め、蒸着膜の耐電流性能が低下し、繰り返し突入される
電流により蒸着膜が飛散したものと推定される。
【0049】すなわち、上記の検証結果より、亜鉛蒸着
膜3の膜抵抗値は、1.5Ω/□〜7Ω/□の間におい
て、その耐圧性能および耐電流性能の両方を十分に満足
する結果を得ることができると言える。以上のように、
複数のコンデンサ素子(A),(B)の検証結果より、
第1〜第3の実施例のように、アルミニウム蒸着膜2の
膜抵抗値を8Ω/□〜30Ω/□とし、亜鉛蒸着膜3の
膜抵抗値を1.5Ω/□〜7Ω/□とすることによっ
て、優れた耐圧性能および耐電流性能を発揮するコンデ
ンサを得られることが確認できた。
【0050】なお、上記の発明の実施の形態および実施
例では、プラスチックフィルムとしてPETフィルムを
用いたが、PETの他に、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネイト、ポリスチレン、ポリエチレン、等を単独または
組み合わせて用いることができる。また、上記の発明の
実施の形態および実施例において、金属化フィルムを巻
回したコンデンサ素子の形状を、丸形または小判形とし
ても、また、このコンデンサ素子を金属容器に収納し、
内部圧力検出装置を金属容器に取付けた構造としても、
さらに内部圧力検出装置を金属容器に取り付けた外装容
器内にコンデンサ素子を収納する際、ポリブテンオイル
を用いて充填した構造としても、上述した効果の得られ
ることは明らかである。
【0051】なお、従来、蒸着金属に亜鉛とアルミニウ
ムを混合した混合蒸着フィルム(アロイ蒸着フィルム)
の提案が多数なされているが、その目的は主に蒸着膜の
耐湿性の向上にあり、この発明の意図するところとは意
味合いが異なる。また、この発明は混合蒸着ではなく、
アルミニウム蒸着の上に電極取り出し用メタリコンとの
接触部を含む近傍にだけ亜鉛を蒸着する、いわゆる2層
蒸着とでも呼ぶべき構成を有し、上記混合蒸着フィルム
とは全く違うものである。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載のコンデンサは、金属化フ
ィルムを2枚重ねて巻回したコンデンサであって、電極
引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍にはアルミ
ニウム蒸着膜上に亜鉛蒸着膜を形成した電極構成とし、
その他の主電極部分はアルミニウム蒸着膜とすることに
より、金属化フィルム内に存在する絶縁欠陥部分の自己
回復による蒸着膜の飛散部分をより小さくし、良好な自
己回復を行うことができ、プラスチックフィルムが持っ
ている本来の絶縁耐力を引き出し、より高電位傾度にお
いてフィルムを使用、コンデンサの設計を行うことがで
き、また良好なヘビーエッジを形成することが可能なた
め、より耐電流強度を強くすることができる。結果とし
て、より小型・軽量で寿命特性の優れたコンデンサを実
現することができる。
【0053】さらに、請求項2記載のコンデンサは、ア
ルミニウム蒸着膜をプラスチックフィルムの長手方向に
間隙を設けて複数に分離形成し、その間隙が重ならない
ように2枚の金属化フィルムを巻回して、1個の素子内
に多段直列構成のコンデンサを設けることができ、定格
電圧が高くても小型化を図ることができる。さらに、請
求項3記載のコンデンサは、アルミニウム蒸着膜および
亜鉛蒸着膜をプラスチックフィルムの幅方向に間隙を設
けて複数に分離形成することにより、自己回復が発生し
たときに流れ込む電流を抑制し、自己回復部分の大きさ
をより小さくし、絶縁耐力をより高めることができる。
【0054】さらに、請求項4記載のコンデンサは、電
極引き出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の亜鉛蒸
着膜の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□とすることにより、
自己回復時の電極引き出し用メタリコンとの接触部を含
む近傍の蒸着膜の飛散を防ぎ、耐電流性能の低下を防止
し、その他の主電極部分のアルミニウム蒸着膜の膜抵抗
値を8〜30Ω/□とすることにより、自己回復部分の
大きさをより小さくし、絶縁耐力をより高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のコンデンサの製
造工程を示す断面図。
【図2】この発明の第1の実施の形態のコンデンサの製
造工程を示す断面図。
【図3】この発明の第1の実施の形態のコンデンサの製
造工程を示す斜視図。
【図4】第3の比較例に用いる金属化フィルムの断面
図。
【図5】この発明の第1の実施例および第1〜第3の比
較例のコンデンサの電圧破壊試験結果を示す図。
【図6】電圧破壊試験実施後に分解した第1の実施例に
おける金属化フィルムの状態を示す図。
【図7】電圧破壊試験実施後に分解した第3の比較例に
おける金属化フィルムの状態を示す図。
【図8】この発明の第1の実施例および第1〜第3の比
較例のコンデンサの充放電試験結果を示す図。
【図9】この発明の第2の実施の形態のコンデンサの製
造工程を示す断面図。
【図10】この発明の第2の実施の形態のコンデンサの
製造工程を示す断面図。
【図11】この発明の第3の実施の形態のコンデンサに
用いる金属化フィルムの斜視図。
【図12】この発明の第2,第3の実施例および第4の
比較例のコンデンサの体積の比較結果を示す図。
【図13】この発明の第2,第3の実施例および第4の
比較例のコンデンサの電圧破壊試験結果を示す図。
【図14】この発明の第2,第3の実施例および第4の
比較例のコンデンサの充放電試験結果を示す図。
【図15】第1の実施の形態におけるコンデンサのアル
ミニウム蒸着膜の膜抵抗値に対する電圧破壊試験結果を
示す図。
【図16】第1の実施の形態におけるコンデンサのアル
ミニウム蒸着膜の膜抵抗値に対する充放電試験結果を示
す図。
【図17】第1の実施の形態におけるコンデンサの亜鉛
蒸着膜の膜抵抗値に対する電圧破壊試験結果を示す図。
【図18】第1の実施の形態におけるコンデンサの亜鉛
蒸着膜の膜抵抗値に対する充放電試験結果を示す図。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム(プラスチ
ックフィルム) 2 アルミニウム蒸着膜 3 亜鉛蒸着膜 4 絶縁欠陥部 5 自己回復部 6 絶縁欠陥部 7 自己回復部 8 非蒸着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 雅典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム上に電極となる蒸
    着膜を形成した金属化フィルムを2枚重ねて巻回したコ
    ンデンサであって、 前記金属化フィルムは、前記プラスチックフィルム上に
    アルミニウム蒸着膜を形成し、電極引き出し用メタリコ
    ンとの接触部を含む近傍の前記アルミニウム蒸着膜上に
    亜鉛蒸着膜を形成したことを特徴とするコンデンサ。
  2. 【請求項2】 金属化フィルムは、アルミニウム蒸着膜
    をプラスチックフィルムの長手方向に間隙を設けて複数
    に分離形成し、前記アルミニウム蒸着膜に設けた前記間
    隙が重ならないように2枚の前記金属化フィルムを巻回
    した請求項1記載のコンデンサ。
  3. 【請求項3】 2枚のうち少なくとも一方の金属化フィ
    ルムは、アルミニウム蒸着膜および亜鉛蒸着膜をプラス
    チックフィルムの幅方向に間隙を設けて複数に分離形成
    した請求項1または2記載のコンデンサ。
  4. 【請求項4】 アルミニウム蒸着膜の膜抵抗値を8〜3
    0Ω/□とし、電極引き出し用メタリコンとの接触部を
    含む近傍の亜鉛蒸着膜の膜抵抗値を1.5〜7Ω/□と
    した請求項1,2または3記載のコンデンサ。
JP26013095A 1995-10-06 1995-10-06 コンデンサ Expired - Lifetime JP3328477B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26013095A JP3328477B2 (ja) 1995-10-06 1995-10-06 コンデンサ
US08/724,098 US5696663A (en) 1995-10-06 1996-09-30 Capacitor having a band of zinc and an aluminum film formed on a plastic film
DE19641249A DE19641249C2 (de) 1995-10-06 1996-10-07 Kondensator

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26013095A JP3328477B2 (ja) 1995-10-06 1995-10-06 コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09102434A true JPH09102434A (ja) 1997-04-15
JP3328477B2 JP3328477B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=17343723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26013095A Expired - Lifetime JP3328477B2 (ja) 1995-10-06 1995-10-06 コンデンサ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5696663A (ja)
JP (1) JP3328477B2 (ja)
DE (1) DE19641249C2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263172A (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Toray Ind Inc 金属化フィルム、およびそれを用いたコンデンサ
JP2013222825A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Panasonic Corp 金属化フィルムコンデンサ
JP2015070035A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 株式会社日立メディコ 高電圧コンデンサ及びその高電圧コンデンサを用いた高電圧発生装置
US9640324B2 (en) 2012-06-01 2017-05-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Metallized film capacitor
WO2023054294A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 ルビコン株式会社 コンデンサの製造方法および製造システム

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19734477B4 (de) * 1996-08-09 2005-11-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd., Kadoma Metallisierter Filmkondensator und Vorrichtung und Verfahren für die Herstellung eines metallisierten Films für den metallisierten Filmkondensator
DE19856457A1 (de) * 1998-12-03 2000-06-08 Abb Research Ltd Folie für einen Folienkondensator und Folienkondensator
US20030129425A1 (en) * 2002-01-04 2003-07-10 Toray Plastics (America), Inc. High ohm capacitor film
US7008838B1 (en) 2003-04-29 2006-03-07 Sbe, Inc. Configuring a capacitor with enhanced pulse reliability
DE102004039290B3 (de) * 2004-08-13 2006-01-05 F & T Fischer & Tausche Holding Gmbh & Co. Kg Verfahren zur Metallisierung von Kondensatorfolien aus Kunststoff
EP1801825A1 (en) * 2005-12-23 2007-06-27 Abb Research Ltd. A film, a capacitor, a voltage transformer and a method of using a capacitor
US7911761B2 (en) * 2006-12-14 2011-03-22 Bayer Materialscience Ag Fault-tolerant materials and methods of fabricating the same
EP2174360A4 (en) 2007-06-29 2013-12-11 Artificial Muscle Inc CONVERTER WITH ELECTROACTIVE POLYMER FOR SENSOR REVIEW APPLICATIONS
JP4390001B2 (ja) * 2008-01-17 2009-12-24 トヨタ自動車株式会社 コンデンサ
JP5370363B2 (ja) * 2008-07-08 2013-12-18 パナソニック株式会社 金属化フィルムコンデンサ
EP2239793A1 (de) 2009-04-11 2010-10-13 Bayer MaterialScience AG Elektrisch schaltbarer Polymerfilmaufbau und dessen Verwendung
US20120287554A1 (en) * 2011-02-16 2012-11-15 S B E, Inc. Patterned metallized film with enhanced underlayer for metallized capacitor applications
WO2012118916A2 (en) 2011-03-01 2012-09-07 Bayer Materialscience Ag Automated manufacturing processes for producing deformable polymer devices and films
CN103703404A (zh) 2011-03-22 2014-04-02 拜耳知识产权有限责任公司 电活化聚合物致动器双凸透镜系统
EP2828901B1 (en) 2012-03-21 2017-01-04 Parker Hannifin Corporation Roll-to-roll manufacturing processes for producing self-healing electroactive polymer devices
KR20150031285A (ko) 2012-06-18 2015-03-23 바이엘 인텔렉쳐 프로퍼티 게엠베하 연신 공정을 위한 연신 프레임
WO2014066576A1 (en) 2012-10-24 2014-05-01 Bayer Intellectual Property Gmbh Polymer diode
JP6938662B2 (ja) * 2017-10-27 2021-09-22 京セラ株式会社 フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌
JP7193070B2 (ja) * 2018-02-05 2022-12-20 株式会社指月電機製作所 フィルムコンデンサ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE867889C (de) * 1944-05-16 1953-02-19 Bosch Gmbh Robert Elektrischer Kondensator aus metallisierten Isolierstoffbaendern
DE3273861D1 (en) * 1982-03-06 1986-11-20 Steiner Kg Self restoring electric capacitor
FR2605140B1 (fr) * 1987-07-15 1989-03-24 Prelyo Condensateur Feuille dielectrique metallisee pour la realisation de condensateurs du type bobine, ainsi que condensateurs obtenus
FR2701158B1 (fr) * 1993-01-29 1995-03-10 Lcc Cie Euro Composants Electr Condensateur de puissance.
US5610796A (en) * 1993-02-19 1997-03-11 Electronic Concepts, Inc. Metallized capacitor having increased dielectric breakdown voltage and method for making the same
DE4328615C2 (de) * 1993-08-25 2002-11-28 Epcos Ag Elektrischer Kondensator

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263172A (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Toray Ind Inc 金属化フィルム、およびそれを用いたコンデンサ
JP2013222825A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Panasonic Corp 金属化フィルムコンデンサ
US9640324B2 (en) 2012-06-01 2017-05-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Metallized film capacitor
DE112013002736B4 (de) 2012-06-01 2024-05-29 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Metall-Kunststoff-Kondensatoren
JP2015070035A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 株式会社日立メディコ 高電圧コンデンサ及びその高電圧コンデンサを用いた高電圧発生装置
WO2023054294A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 ルビコン株式会社 コンデンサの製造方法および製造システム

Also Published As

Publication number Publication date
US5696663A (en) 1997-12-09
DE19641249A1 (de) 1997-04-10
JP3328477B2 (ja) 2002-09-24
DE19641249C2 (de) 2003-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09102434A (ja) コンデンサ
JP2004087648A (ja) 蒸着フィルムとそのフィルムを用いたフィルムコンデンサとそのコンデンサを用いたインバータ装置
JP2013219094A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP2006286988A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JPH09199371A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
CN112366082A (zh) 一种直流支撑电容器用元件
JP2004095604A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
CN215377227U (zh) 一种直流支撑电容器电极结构
CN2482202Y (zh) 一种电容器元件
JPH08288171A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
CN102084444A (zh) 箔膜自愈式有感电容器
JP3446523B2 (ja) コンデンサおよびその製造方法
CN113496819A (zh) 一种直流支撑电容器电极结构
KR20230012242A (ko) 유전체 3매권 방식의 2직렬 패턴 필름 커패시터
JPH02285618A (ja) 金属化プラスチックフィルムコンデンサ
JP5647402B2 (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP3284384B2 (ja) 高圧コンデンサ
JPH09283366A (ja) コンデンサ
JP2798611B2 (ja) 電力用高圧コンデンサ
CN217333847U (zh) 内串式防爆薄膜电容器
JPH06310368A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP4296532B2 (ja) コンデンサ用蒸着フィルム及びそれを用いたコンデンサ
JP2001035742A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JPH1126281A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
KR200367488Y1 (ko) 금속화 필름콘덴서용 증착필름

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070712

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080712

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090712

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090712

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100712

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110712

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110712

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120712

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120712

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130712

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term