JP6938662B2 - フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌 - Google Patents

フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌 Download PDF

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Description

本開示は、フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌に関するものである。
フィルムコンデンサは、例えば、ポリプロピレン樹脂をフィルム化した誘電体フィルムと、当該誘電体フィルムの表面に蒸着によって形成された金属膜と、を有している。金属膜は電極として用いられる。このような構成により、フィルムコンデンサでは、誘電体フィルムの絶縁欠陥部で短絡が生じた場合にも、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属膜が蒸発、飛散し、誘電体フィルムの絶縁欠陥部が絶縁化される。フィルムコンデンサは、このような自己回復性を有し、絶縁破壊し難い。
このように、フィルムコンデンサは電気回路が短絡した際の発火や感電を発生させ難い。そのため、近年、フィルムコンデンサの用途は、LED(Light Emitting Diode)照明等の電源回路、ハイブリッド自動車のモータ駆動、太陽光発電のインバータシステム等に拡大しつつある。
フィルムコンデンサにおいて、上述のような自己回復性を有する容量発現部の金属膜の厚さに対し、外部電極と接続する部位の金属膜の厚さを厚くし、金属膜と外部電極との接続強度をあげる技術が、例えば特許文献1に開示されている。
特開2005−085870号公報
本開示のフィルムコンデンサは、第1誘電体フィルム、および該第1誘電体フィルムの第1面上に配置された第1金属膜を有する第1金属化フィルムと、第2誘電体フィルム、および第2誘電体フィルムの第2面上に配置された第2金属膜を有する第2金属化フィルムと、を少なくとも備える本体部と、一対の外部電極と、を具備する。前記第1金属膜と前記第2金属膜との間には、前記第1誘電体フィルムまたは前記第2誘電体フィルムが配置されている。前記外部電極は、前記本体部の第1方向の一対の本体端部にそれぞれ配置され、前記第1金属膜および前記第2金属膜のいずれか一方に電気的に接続されている。前記外部電極と電気的に接続している前記第1金属膜および/または前記第2金属膜は、前記外部電極と電気的に接続する前記本体端部の近傍に、膜厚が20nm以上の第1部位を有するとともに、該第1部位に、前記本体端部に接し、前記第1方向に延びる複数の第1の溝を有する。なお、「Aおよび/またはB」と記載した時、これは「Aのみ」、「Bのみ」、または「AおよびB」のうちいずれかを指す。
本開示の連結型コンデンサは、複数のフィルムコンデンサと、該複数のフィルムコンデンサを接続するバスバーと、を備え、前記フィルムコンデンサが、上記のフィルムコンデンサを含む。
本開示のインバータは、スイッチング素子を有するブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備え、前記容量部が上記のフィルムコンデンサを含む。
本開示の電動車輌は、電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、前記インバータが上記のインバータである。
捲回型のフィルムコンデンサを模式的に示す展開斜視図である。 積層型のフィルムコンデンサの概略断面図である。 実施形態の一つにおける誘電体フィルムおよび金属膜の一部を示す表面の平面図である。 図3のiv−iv線断面図である。 図3のv−v線断面図である。 図3のvi−vi線断面図である。 実施形態の一つにおける誘電体フィルムおよび金属膜の一部を示す表面の平面図である。 実施形態の一つにおける誘電体フィルムおよび金属膜の一部を示す表面の平面図である。 実施形態の一つにおける誘電体フィルムおよび金属膜の一部を示す表面の平面図である。 実施形態の一つにおけるフィルムコンデンサの概略断面図である。 図10の誘電体フィルムおよび金属膜の一部を示す表面の平面図である。 連結型コンデンサを模式的に示す斜視図である。 インバータの実施形態の一つを示す概略構成図である。 電動車輌の実施形態の一つを示す概略構成図である。
フィルムコンデンサは、図1〜図3に示すように、フィルムコンデンサ本体部3(以下、単に本体部3という場合もある)と、一対の外部電極4a、4bとを具備している。本体部3は、第1誘電体フィルム1a、第2誘電体フィルム1bと、第1金属膜2a、第2金属膜2bとが積層または捲回されている。一対の外部電極4a、4bは、本体部3の対向する端部(本体端部)3a、3bにメタリコンにより設けられている。
図1に示す捲回型のフィルムコンデンサAの本体部3は、第1誘電体フィルム1aの第1面1acに第1金属膜2aを備えた第1金属化フィルム5aと、第2誘電体フィルム1bの第2面1bcに第2金属膜2bを備えた第2金属化フィルム5bとが重ねられ、捲回されている。第1金属膜2aは本体部3の一方の本体端部3aで外部電極4aに電気的に接続されている。第2金属膜2bは、本体部3の他方の本体端部3bで外部電極4bに電気的に接続されている。以下、第1誘電体フィルム1a、第1金属膜2aおよび第1金属化フィルム5aの第1を省略し、単に誘電体フィルム1a、金属膜2aおよび金属化フィルム5aという場合がある。また、第2誘電体フィルム1b、第2金属膜2bおよび第2金属化フィルム5bの第2を省略し、単に誘電体フィルム1b、金属膜2bおよび金属化フィルム5bという場合がある。
図1では、理解を容易にするために、引き出した誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの厚みを紙面の手前にくる程厚くなるように描いている。
図1では、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの幅方向を第1方向x、長さ方向を第2方向y、厚さ方向をz方向として示している。以下、第1方向xを単にx方向といい、第2方向yを単にy方向という場合がある。誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bはz方向に重ねあわされている。外部電極4a、4bは本体部3のx方向に位置する本体端部3a、3bにそれぞれ配置されている。フィルムコンデンサAでは、x方向は捲回の軸方向と一致する。
図2に示す積層型のフィルムコンデンサBの本体部3は、誘電体フィルム1aの第1面1acに金属膜2aを備えた金属化フィルム5aと、誘電体フィルム1bの第2面1bcに金属膜2bを備えた金属化フィルム5bとが交互に積層されている。金属膜2aは本体部3の一方の本体端部3aで外部電極4aに電気的に接続されている。金属膜2bは、本体部3の他方の本体端部3bで外部電極4bに電気的に接続されている。
フィルムコンデンサAおよびBの誘電体フィルム1aは、z方向に対向する第1面1acと第3面1ad、およびx方向に対向する第1側面1aeと第2側面1afを有している。誘電体フィルム1bは、z方向に対向する第2面1bcと第4面1bd、およびx方向に対向する第1側面1beと第2側面1bfを有している。
金属化フィルム5aとは、誘電体フィルム1aの第1面1ac上に金属膜2aを形成したものであり、第1面1ac上の第2側面1af近傍に、y方向に連続して延びる絶縁マージン部6aを有している。絶縁マージン部6aは、誘電体フィルム1aが露出した部分である。
金属化フィルム5bとは、誘電体フィルム1bの第2面1bc上に金属膜2bを形成したものであり、第2面1bc上の第2側面1bf近傍に、y方向に連続して延びる絶縁マージン部6bを有している。絶縁マージン部6bは、誘電体フィルム1bが露出した部分である。
図1、2に示すように、金属化フィルム5a、5bは、少し幅方向(x方向)にずれた状態で積層または捲回されている。
金属膜2aと金属膜2bとの間に電位差があると、金属膜2aと金属膜2bとが誘電体フィルム1aまたは誘電体フィルム1bを挟んで重なり合う有効領域7に、静電容量が発生する。
フィルムコンデンサAおよびBの金属化フィルム5a、5bに共通する本実施形態の特徴について説明するため、以下では、図3に示すように、a、bの符号を省略する場合がある。また、図4等の断面図においては、説明を容易にするためにフィルムの厚さ方向であるz方向を拡大して示している。
金属膜2の膜厚は、例えば20nm以下、特には5〜15nmの範囲とするのがよい。金属膜2をこのような膜厚とすることで、面積抵抗が18〜50Ω/□となり、自己回復性を発揮できる。面積抵抗をシート抵抗という場合もある。金属膜2の材料としては、たとえばアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)などの金属または合金などを用いてもよい。
金属膜2の膜厚は、たとえばイオンミリング加工をした金属化フィルム5の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)などで確認すればよい。
図3は金属化フィルム5の平面図であり、図4は図3のiv−iv線断面図、図5は図3のv−v線断面図、図6は図3のvi−vi線断面図である。金属膜2は、図3、4に示すように、少なくとも外部電極4との接続部の近傍(2e)に、いわゆるヘビーエッジ構造を有している。外部電極4との接続部の近傍とは、言い換えると誘電体フィルム1の第1側面1eの近傍である。以下、金属膜2の外部電極4との接続部の近傍2eを、ヘビーエッジ部2eまたは第1部位2eという場合もある。ヘビーエッジ構造とは、たとえば金属膜2a、2b同士が重なり合う有効領域7に対して、外部電極4との接続部の近傍2eにおける金属膜2の厚さが厚く、電気抵抗が低い構造である。外部電極4との接続部の近傍2eにおける金属膜2の膜厚は、たとえば自己回復性を発揮できる膜厚の2倍以上、具体的には20nm以上としてもよい。ヘビーエッジ部2eにおける金属膜2の膜厚は、80nm以下の範囲としてもよい。金属膜2がヘビーエッジ部2eを有することにより、金属膜2と外部電極4との電気的接続が向上する。また、抵抗の低いヘビーエッジ部2eにより外部電極4と電気的に接続されることで、フィルムコンデンサAおよびBの等価直列抵抗(ESR)を低減することができる。フィルムコンデンサAおよびBにおいて、金属化フィルム5aのヘビーエッジ部2eは、金属化フィルム5bの絶縁マージン部6bと重なりあい、金属化フィルム5bのヘビーエッジ部2eは、金属化フィルム5aの絶縁マージン部6aと重なり合っていてもよい。ヘビーエッジ部2eの第1方向xの幅は、フィルムコンデンサAおよびBのサイズに応じて、たとえば4mm以下、特には0.5mm以上、3mm以下としてもよい。
ヘビーエッジ部2eでは、金属膜2の膜厚が厚いため、金属膜2の熱収縮率と誘電体フィルム1の熱収縮率との差の影響が大きい。そのため、金属化フィルム5のx方向の端部、すなわち本体端部3では、金属膜2と誘電体フィルム1との熱収縮差に起因して金属化フィルム5に反りが発生する場合がある。本体端部3で金属化フィルム5が反りを有すると、重なり合う金属化フィルム5の間隙にメタリコンが入りにくくなる。その結果、金属膜2と外部電極4との接触面積が小さくなって、金属膜2と外部電極4との電気的接続が十分に得られない場合があった。
本開示の実施形態の一つでは、図3〜6に示すように、金属膜2が、ヘビーエッジ部2eに、第1方向xに延びる第1の溝8を有している。第1の溝8は、本体端部3に開口する開口部8eを有し、開口部8eから第1方向xに、所定の長さLを有している。第1の溝8の第1方向xの長さLは、図3のようにヘビーエッジ部2eの第1方向xの幅と同じ、または短くてもよい。金属膜2は、第2方向yに所定の間隔で複数の第1の溝8を有していてもよい。
ヘビーエッジ部2eが第1の溝8を有することにより、ヘビーエッジ部2eにおける金属膜2と誘電体フィルム1との熱収縮差の影響が第1の溝8により緩和され、金属化フィルム5の端部の反りを発生し難くすることができる。その結果、金属膜2と外部電極4との電気的接続の信頼性が向上し、フィルムコンデンサの誘電損失が低減され、充放電サイクルによる誘電損失の増大を抑えることができる。
第1の溝8の第1方向xの長さLは、ヘビーエッジ部2eすなわち第1部位2eの第1方向xの幅以下であってもよい。Lは、たとえば1.0mm以上、2.0mm以下としてもよい。Lが1.0mmより大きいことで、誘電体フィルム1との熱収縮差の影響を緩和することができる。Lが2.0mmより小さいことで、第1の溝8が有効領域7に達し難くなり、静電容量を確保することができる。すなわち、有効領域7に位置する金属膜2は、第1の溝8を有していなくてもよい。
換言すれば、フィルムコンデンサをz方向から平面視したとき、金属化フィルム5aの第1の溝8aは、金属化フィルム5bのマージン部6bと重なり、金属膜2bと重ならなくてもよい。金属化フィルム5bの第1の溝8bは、金属化フィルム5aのマージン部6aと重なり、金属膜2aとは重ならなくてもよい。すなわち、金属化フィルム5aの第1の溝8aは、金属膜2bと重なる部位を有さず、金属化フィルム5bの第1の溝8は、金属膜2aと重なる部位を有さなくてもよい。
第2方向yに隣り合う第1の溝8と第1の溝8との間隔P1は、たとえば4mm以下としてもよい。P1が4mmよりも大きいと、金属膜2と誘電体フィルム1との熱収縮差の影響を緩和できない懸念がある。ヘビーエッジ部2eの膜厚が比較的大きい場合はP1を小さくし、ヘビーエッジ部2eの膜厚が比較的小さい場合は、P1を大きくしてもよい。P1は、たとえば1mm以上としてもよいが、それより小さくてもよい。
第1の溝8の第2方向yの幅を、図6に示すようにWとする。第1の溝8の最大幅をW1とし、開口部8eの幅をW2としたとき、W1とW2は、図3に示すように同じであってもよい。また、W1がW2より大きい、すなわち、開口部8eの幅W2が狭く、第1の溝8の開口部8e以外の部位で幅Wが最大となってもよい。たとえば、第1の溝8の形状は、図3に示すように矩形状であってもよいし、図7に示すように開口部8eを短い底部とし、開口部8eに対向する辺を長い底部とする台形状であってもよい。第1の溝8の形状は、図8に示すように第1方向xに延びる溝と第2方向yに延びる溝とが交差した十字状であってもよい。この場合、第2方向yに延びる溝の第2方向yの長さを最大幅W1とする。
また、第1の溝8の壁面である金属膜2は、本体端部3で第1の溝8を挟んで接触していてもよい。本体端部3において、第1の溝8の壁面である金属膜2は、接合していなければよい。この場合、第1の溝8の形状は、本体端部3に頂点を有する三角形状であってもよい。
隣り合う第1の溝8同士の間隔P1と開口部8eの幅W2との比を、W2/P1とする。W2/P1が小さいほど、金属膜2と外部電極4との接触面積が大きくなる。W2/P1は、たとえば0.35以下としてもよい。
第1の溝8の開口部8の幅W2を、最大幅W1より小さくすることで、金属膜2と誘電体フィルム1との熱収縮差の影響を緩和して金属化フィルム5の端部の反りを発生し難くすることができると同時に、金属膜2と外部電極4との接触面積をより大きくすることができる。その結果、金属膜2と外部電極4との電気的接続をより向上することができる。W1は、たとえば0.1mm以上、1.0mm以下、特には0.3mm以上、0.5mm以下としてもよい。W2は、たとえば1.0mm以下、特には0.5mm以下としてもよい。
第1の溝8の底面は、誘電体フィルム1であってもよい。第1の溝8の底面は、金属膜2であってもよい。第1の溝8の底面が金属膜2である場合、第1の溝8の底面部の金属膜2の膜厚は、ヘビーエッジ部2eの膜厚よりも薄くなる。
金属膜2は、図9に示すように、第1の溝8以外に、有効領域7に1または複数の第2の溝9を有していてもよい。第2の溝9は、誘電体フィルム1の端面1cおよび/または絶縁マージン部6に接していてもよい。第2の溝9は、第1方向xに延び、誘電体フィルム1の端面1cと絶縁マージン部6とをつないでいてもよい。複数の第2の溝9が、それぞれ異なる方向に延びるとともに交差して、金属膜2を複数の小領域に分割していてもよい。金属膜2は、第2の溝9により分割された小領域同士をつなぐヒューズ部10を有していてもよい。第1領域2eに複数の第2の溝9がある場合、隣り合う第2の溝9と第2の溝9との間に1以上の第1の溝8が配置されてもよい。第1領域2eにおいて、第1の溝8と第1の溝8との間隔P1は、第2の溝9と第2の溝9との間隔P2よりも小さい。また、たとえば有効領域7を第1方向xに2分した時、金属膜2の絶縁マージン6に隣接する方の領域が第2の溝9を有し、金属膜2のヘビーエッジ2eを有する方の領域は第2の溝9を有していなくてもよい。第2の溝9の幅は、たとえば0.01〜0.20mmとしてもよい。
図10、11に示す積層型のフィルムコンデンサCの本体部3では、第1誘電体フィルム1aの第1面1acに第1金属膜2aを備えた第1金属化フィルム5aと、第2誘電体フィルム1bの第2面1bcに第2金属膜2bを備えた第2金属化フィルム5bとが交互に積層されている。図11においても、第1誘電体フィルム1a、第2誘電体フィルム1bおよび第1金属膜2a、第2金属膜2bの幅方向を第1方向x、長さ方向を第2方向y、厚さ方向をz方向として示している。
フィルムコンデンサCは、2つの容量部が直列接続されている。金属膜2aは、図11の左側に位置する金属膜2a1と、図11の右側に位置する金属膜2a2とを有している。すなわち、金属膜2aは、x方向に並んだ2つの金属膜2a1と2a2とを有している。金属膜2a1は、本体部3の左側に位置する本体端部3aで外部電極4aに電気的に接続され、金属膜2a2は、本体部3の右側に位置する本体端部3bで外部電極4bに電気的に接続されている。
フィルムコンデンサCの金属化フィルム5aは、第1方向xの中央部に第2方向yに連続して延びる第1絶縁マージン部6aを有している。第1絶縁マージン部6aは、金属膜2が形成されず、第1面1acが露出している。金属膜2a1と金属膜2a2とは、第1絶縁マージン部6aにより電気的に絶縁されている。
フィルムコンデンサCの金属化フィルム5bは、第1方向xの両端に第2方向yに連続して延びる第2絶縁マージン部6bを有している。第2絶縁マージン部6bには、金属膜2が形成されず、第2面1bcが露出している。金属膜2bは、外部電極4a、4bのいずれにも電気的に接続されていない。
誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bは、図11に示すようにz方向に重ねあわされ、積層されている。フィルムコンデンサCでは、第1容量部C1と第2容量部C2とが直列接続されている。第1容量部C1は、金属膜2a1と金属膜2bとが誘電体フィルム1aまたは1bを挟んでいる有効領域7aに形成され、第2容量部C2は、金属膜2a2と金属膜2bとが誘電体フィルム1aまたは1bを挟んでいる有効領域7bに形成される。
なお、有効領域7(7a、7b)では、重なり合う金属膜2a(2a1、2a2)および2bのいずれか一方が自己回復性を発揮できる膜厚であればよい。たとえば、フィルムコンデンサCの金属膜2a全体を第1部位2eと同じ膜厚とし、金属膜2b全体の厚さを20nm以下としてもよい。この場合、フィルムコンデンサCは、金属膜2bにより自己回復性を発揮できる。フィルムコンデンサCの場合、図11に示すように、金属膜2aが第1の溝8のみを有し、金属膜2bが第2の溝9を有していてもよい。
このような直列型の構造は、図10、11に示す積層型フィルムコンデンサCに適用されるだけではなく、捲回型のフィルムコンデンサに適用してもよい。
フィルムコンデンサCのような直列型の構造では、フィルムコンデンサの内部で第1容量部C1と第2容量部C2とが直列接続されており、第1容量部C1に印加される電圧および第2容量部C2に印加される電圧が、各容量部の静電容量に応じて分配される。その結果、フィルムコンデンサC全体の耐電圧を向上させることができる。以下、フィルムコンデンサA、Bを通常型のフィルムコンデンサ、フィルムコンデンサCを直列接続型のフィルムコンデンサという場合もある。
誘電体フィルム1に用いる絶縁性の樹脂の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PEI)、シクロオレフィンポリマー(COP)などが挙げられる。特にポリアリレート(PAR)は、高い絶縁破壊電圧を有する。
このようなフィルムコンデンサA、BおよびCは、例えば以下のようにして作製すればよい。まず、誘電体フィルム1を準備する。誘電体フィルム1は、例えば絶縁性の樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材フィルムの表面にシート状に成形し、乾燥して溶剤を揮発させることにより得られる。成形方法としては、ドクターブレード法、ダイコータ法およびナイフコータ法等、周知の成膜方法から適宜選択すればよい。成形に使用する溶剤としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、又は、これらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を用いるのがよい。また、溶融押し出し法で作製した樹脂のフィルムを延伸加工してもよい。
誘電体フィルム1の厚さは、例えば5μm以下としてもよい。特に0.5〜4μmの厚さの誘電体フィルム1を用いるのがよい。
誘電体フィルム1は、上述の絶縁性の樹脂のみにより構成されていてもよい。誘電体フィルム1は、上述の絶縁性樹脂以外の材料を含んでいてもよい。誘電体フィルム1に含まれる樹脂以外の構成要素としては、例えば上述の有機溶剤および無機フィラーが挙げられる。無機フィラーには、例えば、アルミナ、酸化チタン、二酸化珪素などの無機酸化物、窒化珪素など無機窒化物、ガラスなどを用いてもよい。特に、ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物など比誘電率の高い材料を無機フィラーとして用いた場合には、誘電体フィルム1全体の比誘電率が向上し、フィルムコンデンサを小型化することができる。また、無機フィラーと樹脂との相溶性を高める上で、無機フィラーにシランカップリング処理、チタネートカップリング処理等の表面処理を行ってもよい。
誘電体フィルム1にこのような無機フィラーを用いる場合、無機フィラーを50質量%未満、樹脂を50質量%以上含有する複合フィルムとすることで、樹脂の可撓性を維持したまま、無機フィラーによる比誘電率向上などの効果を得ることができる。また、無機フィラーのサイズ、たとえば平均粒径は、4〜1000nmとしてもよい。
作製した誘電体フィルム1の一方の面の、所定の部位にマスクをする。誘電体フィルム1の一方の面のマスクをしていない部分に、アルミニウム(Al)などの金属成分を蒸着して金属膜2を形成することで、絶縁マージン部6を有する金属化フィルム5が得られる。
マスクをする所定の部位とは、フィルムコンデンサAおよびBの場合、幅方向(第1方向x)の端部の一方である。フィルムコンデンサCの場合、所定の部位とは、第1誘電体フィルム1aの幅方向(第1方向x)の中央部であり、第2誘電体フィルム1bの幅方向(第1方向x)の両方の端部である。
ヘビーエッジ構造は、上述の金属化フィルム5のヘビーエッジを形成する部分以外をマスクし、上述の蒸着した金属成分のマスクの無い部分の上にさらに、たとえば亜鉛(Zn)を蒸着して形成する。ヘビーエッジ部2eを形成するために蒸着する蒸着膜の膜厚は、上述の蒸着した金属成分の膜厚の1〜3倍としてもよい。これにより、ヘビーエッジ部2eの膜厚は、他の部位の膜厚の2〜4倍となり、第1部位2eとなる。
次に、金属膜2の第1部位2eに第1の溝8を形成する。第1の溝8の形成には、レーザーパターニング法を用いてもよい。レーザーパターニング法は、レーザーにより金属膜4の一部を蒸発させる方法であり、レーザーマーカー機またはレーザートリマー機を用いる。レーザーとしては、グリーンレーザー、YAGレーザーおよびCO2レーザーのうちいずれかを用いればよい。
一方の面に金属膜2(2a、2b)を有する金属化フィルム5(5a、5b)は、2枚を一組として、図1または2に示すように、少し幅方向すなわち第1方向xにずれた状態で重ねて一組以上積層する、または捲回することで、フィルムコンデンサAまたはBの本体部3を得る。フィルムコンデンサCの本体部3は、金属化フィルム5aおよび5bを一組として、図11に示すように重ねて一組以上積層する、または巻回することで得られる。
得られた本体部3のx方向の両端面に外部電極4としてメタリコン電極を形成することで、フィルムコンデンサA、B、またはCが得られる。外部電極4の形成には、例えば、金属の溶射、スパッタ法、メッキ法などの方法を用いればよい。
外部電極4を形成した本体部3の外表面を、図示しない外装部材で覆ってもよい。
金属膜2の材料としては、例えばアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)などの金属または合金などが挙げられる。
また、メタリコン電極の材料としては、亜鉛、錫、アルミニウム、銅およびハンダから選ばれる少なくとも1種の金属材料を用いてもよい。
図12は、連結型コンデンサの実施形態の一つを模式的に示した斜視図である。図12では連結型コンデンサの構成を分かりやすくするために、ケースおよびコンデンサ表面を覆う外装樹脂の記載を省略している。連結型コンデンサDでは、複数個の捲回型のフィルムコンデンサAが一対のバスバー21、23により並列接続されている。バスバー21、23は、外部接続用の端子部21a、23aと、引出端子部21b、23bと、を有している。引出端子部21b、23bは、それぞれフィルムコンデンサAの外部電極4a、4bにそれぞれ接続される。
連結型コンデンサDが、上記のフィルムコンデンサAを含むと、誘電損失が小さく、充放電サイクルよる誘電損失の増大が少ない連結型コンデンサDを得ることができる。なお、連結型コンデンサDには、捲回型のフィルムコンデンサAにかえて、積層型のフィルムコンデンサBまたは直列接続型のフィルムコンデンサCを含んでもよい。
連結型コンデンサDは、フィルムコンデンサAを少なくとも1つ有していてもよいし、2つ以上のフィルムコンデンサAを有していてもよい。連結型コンデンサDは、フィルムコンデンサAを複数個、たとえば図12に示すように4個並べた状態で、本体部3の両端にそれぞれ形成された外部電極4a、4bに、接合材を介してバスバー21、23を取り付けることによって得られる。
連結型コンデンサDは、図12に示したようにフィルムコンデンサが平面的に配置されていてもよいし、フィルムコンデンサが積み上げられた配置としてもよい。また、フィルムコンデンサAの配置は、外部電極4の位置する方向、すなわちx方向が鉛直方向に沿った配置としてもよい。
なお、フィルムコンデンサA、B、Cおよび連結型コンデンサDは、ケースに収納したのちケース内の空隙に樹脂を充填し、樹脂モールド型(ケースモールド型)のコンデンサとすることもできる。
図13は、インバータの実施形態一つを説明するための概略構成図である。図13には、実施形態の一例として、直流から交流を作り出すインバータEを示している。インバータEは、図13に示すように、ブリッジ回路31と、容量部33とを備えている。ブリッジ回路31は、例えばIGBT(Insulated gate Bipolar Transistor)のようなスイッチング素子と、ダイオードにより構成される。容量部33は、ブリッジ回路31の入力端子間に配置され、電圧を安定化する。インバータEには、容量部33として上記のフィルムコンデンサA、B、Cまたは連結型コンデンサDが用いられる。
このインバータEは、直流電源の電圧を昇圧する昇圧回路35に接続される。ブリッジ回路31は駆動源となるモータジェネレータ(モータM)に接続される。
図14は、電動車輌の概略構成図である。図14には、実施形態の一例として、ハイブリッド自動車(HEV)を示している。
電動車輌Fは、駆動用のモータ41、エンジン43、トランスミッション45、インバータ47、電源(電池)49、前輪51aおよび後輪51bを備えている。
電動車輌Fは、駆動源としてモータ41、エンジン43、またはその両方の出力を備えている。駆動源の出力は、トランスミッション45を介して左右一対の前輪51aに伝達される。電源49は、インバータ47に接続され、インバータ47はモータ41に接続されている。
また、図14に示した電動車輌Fは、車輌ECU53、およびエンジンECU57を備えている。車輌ECU53は、電動車輌E全体の統括的な制御を行う。エンジンECU57は、エンジン43の回転数を制御し電動車輌Eを駆動する。電動車輌Eは、さらに運転者等に操作されるイグニッションキー55、図示しないアクセルペダル、およびブレーキ等の運転装置を備えている。車輌ECU53には、運転者等による運転装置の操作に応じた駆動信号が入力される。車輌ECU53は、その駆動信号に基づいて、指示信号をエンジンECU57、電源49、および負荷としてのインバータ47に出力する。エンジンECU57は、指示信号に応答してエンジン43の回転数を制御し、電動車輌Eを駆動する。
電動車輌Fのインバータ47として、インバータE、すなわち容量部33に上記のフィルムコンデンサA、B、Cまたは連結型コンデンサDを含むインバータEを用いる。このような電動車輌Fでは、フィルムコンデンサA、B、Cまたは連結型コンデンサDが、誘電損失が小さく、充放電サイクルよる誘電損失の増大が少ないものであるため、静電容量が長期間に渡り維持でき、インバータ47等で発生するスイッチング・ノイズを長期間低減することができる。
なお、本実施形態のインバータEは、上記のハイブリッド自動車(HEV)のみならず、電気自動車(EV)、燃料電池車、あるいは電動自転車、発電機、太陽電池など種々の電力変換応用製品に適用できる。
ポリアリレート(U−100、ユニチカ製)を用いて平均厚さ2.5μmの誘電体フィルムを作製した。誘電体フィルムは、ポリアリレートをトルエンに溶解し、コータを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材上に塗布し、シート状に成形した。成形後、130℃で熱処理してトルエンを除去し、誘電体フィルムを得た。得られた誘電体フィルムを基材から剥離し、130mm幅にスリット加工した。
直列接続型のフィルムコンデンサを以下のように作製した。誘電体フィルムの一方の主面に、Al(アルミニウム)金属膜を形成し、膜厚の異なる2種類の金属膜を有する金属化フィルムを得た。以下、膜厚が厚い金属膜を第1金属膜とし、膜厚が薄い金属膜を第2金属膜という。
金属膜の膜厚は、イオンミリング加工をした断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により求めた。第1金属膜の膜厚t1および第2金属膜の膜厚t2を表1に示す。シート抵抗は、マルチメータを用いて4端子抵抗測定モードにより評価した。たとえば、膜厚50nmの金属膜のシート抵抗は7Ω/□、膜厚30nmの金属膜のシート抵抗は25Ω/□であった。
グリーン・レーザーマーカーを用いて、第1金属膜の第1方向xの中央部に2mm幅の第1絶縁マージン部を形成し、第2金属膜の第1方向xの両端に第2絶縁マージン部を形成した。第1の溝は、膜厚が厚い第1金属膜の第1方向xの両端すなわち第1部位に形成した。第1の溝の形状を表1に示す。第2金属膜には、グリーン・レーザーマーカーを用いて全面に第2の溝を網目状に形成した。第2金属膜には、第2の溝により、2mm×2mmの小領域と、小領域間をつなぐ幅0.2mmのヒューズ部により構成されるパターンを形成した。レーザー照射条件は、出力4W、周波数140kHz、スキャン速度4m/秒とした。
130mm幅の金属化フィルムをさらにスリット加工し、第1金属膜を有する第1金属化フィルムは、第1方向xの中央部に幅2mmの第1絶縁マージン部を有する、全幅28mmの金属化フィルムとした。第2金属膜を有する第2金属化フィルムは、第1方向xの両端に幅1.5mmの第2絶縁マージン部を有する、全幅27mmの金属化フィルムとした。
第1金属化フィルムと第2金属化フィルムとを重ね合わせて、直径200mmのドラムに100回巻回し、複数のフィルムコンデンサが環状につながった捲回体を得た。第1金属化フィルムと第2金属化フィルムとは、第1金属膜と第2金属膜との間に1枚の誘電体フィルムを挟むように重ね合わせた。
通常型のフィルムコンデンサは、以下のように作製した。130mm幅にスリット加工した誘電体フィルムの一方の面に、オイルマスクをし、第1方向xである幅方向の中央に幅52mmのAl(アルミニウム)金属膜を形成した。Al金属膜の平均厚さは、15nmとした。次いで、形成したAl金属膜の幅方向の中央にヘビーエッジ部として、メタルマスクを用いて幅2〜8mmのZn(亜鉛)金属膜を形成した。Zn金属膜の平均厚さは、5〜65nmとした。
得られた金属化フィルムの幅方向の中央および両端をスリット加工して、幅28mmの第1金属化フィルムおよび第2金属化フィルムを得た。得られた各金属化フィルムの絶縁マージン部の幅は1mmとし、ヘビーエッジ部の幅は1〜4mmとした。
グリーン・レーザーマーカーを用いて、第1金属膜および第2金属膜のヘビーエッジ部すなわち第1部位に第1の溝を形成した。第1の溝の形状を表2に示す。また、第1金属膜および第2金属膜の第1方向の中央より絶縁マージン部に近い領域には、グリーン・レーザーマーカーを用いて第2の溝を網目状に形成し、2mm×2mmの小領域と、小領域間をつなぐ幅0.2mmのヒューズ部により構成されるパターンを形成した。レーザー照射条件は、出力4W、周波数140kHz、スキャン速度4m/秒とした。
第1金属化フィルムと第2金属化フィルムとを、それぞれのヘビーエッジ部が第1方向xの反対側に位置するとともに、それぞれのヘビーエッジ部が第1方向xに0.5mm突出するように、重ね合わせた。このように重ね合わせた1組の金属化フィルムを直径200mmのドラムに100回巻回し、複数のフィルムコンデンサが環状につながった捲回体を得た。第1金属化フィルムと第2金属化フィルムとは、第1金属膜と第2金属膜との間に1枚の誘電体フィルムを挟むように重ね合わせた。
得られた捲回体を、第2方向yの幅が15mmとなるように切断し、本体部である積層体を得た。
本体部の第1方向xの端面に、亜鉛と錫との合金を溶射し、外部電極であるメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサとした。
作製したフィルムコンデンサの誘電損失(dissipation factor:DF)を、デジタルマルチメータを用いてAC1V、1kHzの条件で測定した。この誘電損失の値を、充放電試験前の誘電損失DF1とした。
フィルムコンデンサの充放電試験を、以下のように行った。直流電圧(DC)600Vでフィルムコンデンサを充電した後、強制短絡して放電を行った。1回の充電−放電を1サイクルとした充放電サイクルを、100サイクルの充放電試験を行った。充放電試験後に再度誘電損失DFを測定し、得られた値を充放電試験後の誘電損失DF2とした。DF1、DF2およびDF2/DF1の値を表1に記載した。なお、DF2/DF1は、DF1に対するDF2の比である。
Figure 0006938662
Figure 0006938662
膜厚が厚い第1金属膜の第1方向の端部、すなわち第1部位に第1の溝を有する試料No.2、3、5〜17、19、20、およびヘビーエッジ部、すなわち第1部位に第1の溝を有する試料No.22、23、25、26、28〜36、38、40および41は、第1の溝を有さない試料No.1、4、18、21、24、27、37、39と比べて充放電試験後の誘電損失の増大が小さかった。特に、第1の溝の最大幅W1が開口部の幅W2よりも大きい試料No.3、14〜16、20、23、26、33〜35および41は、いずれも充放電試験後に誘電損失の増大が見られなかった。
A、B、C :フィルムコンデンサ
D :連結型コンデンサ
E :インバータ
F :電動車輌
1、1a、1b:誘電体フィルム
2、2a、2b:金属膜
2e :第1部位(ヘビーエッジ部)
3 :本体部
4、4a、4b:外部電極
5、5a、5b:金属化フィルム
7 :有効領域
8 :第1の溝
9 :第2の溝
10 :ヒューズ部
21、23 :バスバー
31 :ブリッジ回路
33 :容量部
35 :昇圧回路
41 :モータ
43 :エンジン
45 :トランスミッション
47 :インバータ
49 :電源
51a :前輪
51b :後輪
53 :車輌ECU
55 :イグニッションキー
57 :エンジンECU

Claims (13)

  1. 第1誘電体フィルム、および該第1誘電体フィルムの第1面上に配置された第1金属膜を有する第1金属化フィルムと、第2誘電体フィルム、および第2誘電体フィルムの第2面上に配置された第2金属膜を有する第2金属化フィルムと、を少なくとも備える本体部と、一対の外部電極と、を具備し、
    前記第1金属膜と前記第2金属膜との間には、前記第1誘電体フィルムまたは前記第2誘電体フィルムが配置され、
    前記外部電極は、前記本体部の第1方向の一対の本体端部にそれぞれ配置され、前記第1金属膜および前記第2金属膜のいずれか一方に電気的に接続され、
    前記第1金属膜および/または前記第2金属膜は、前記外部電極と電気的に接続する前記本体端部の近傍に、膜厚が20nm以上の第1部位を有するとともに、該第1部位に、前記本体端部に接し、前記第1方向に延びる第1の溝を有
    前記第1方向に直交する第2方向における前記第1の溝の幅をWとし、Wの最大値をW1とし、前記第1の溝の前記本体端部に接する部位の幅をW2としたとき、
    W1がW2よりも大きい、フィルムコンデンサ。
  2. W2が0mmである、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記第1金属膜が前記第1の溝を有し、
    前記第1金属化フィルムおよび前記第2金属化フィルムを厚さ方向に平面視した時、
    前記第1金属膜の前記第1の溝と、前記第2金属膜とが重なる部位を有さない、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記第1の溝の前記第1方向の長さが、前記第1部位の前記第1方向の幅以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記第1の溝は、前記第1金属化フィルムおよび/または前記第2金属化フィルムの厚さ方向に位置する底面を有するとともに、該底面に、前記第1金属膜または前記第2金属膜を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記第1の溝は、前記第1金属化フィルムおよび/または前記第2金属化フィルムの厚さ方向に位置する底面を有するとともに、該底面に、前記第1誘電体フィルムまたは前記第2誘電体フィルムを有する、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  7. 前記第2金属膜が前記第1の溝を有し、
    前記第1金属化フィルムおよび前記第2金属化フィルムを厚さ方向に平面視した時、
    前記第2金属膜の前記第1の溝と、前記第1金属膜とが重なる部位を有さない、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  8. 前記第1金属化フィルムは、前記第1面上の前記第1方向の中央部に第1絶縁マージン部を有し、
    前記第2金属化フィルムは、前記第2面上の前記第1方向の両端部に第2絶縁マージン部を有し、
    前記第1絶縁マージン部および第2絶縁マージン部は、前記第1金属膜および前記第2金属膜を有さない部分であり、前記第1方向に直交する第2方向に連続して延びており、
    前記第1金属膜が、前記第1絶縁マージン部の前記第1方向の両側に存在するとともに、前記本体端部でそれぞれ前記外部電極に電気的に接続され、
    前記第2金属膜が、前記外部電極のいずれにも電気的に接続されない、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  9. 前記第1金属膜の厚さをt1とし、前記第2金属膜の厚さをt2とした時、前記t1が前記t2より大きい、請求項8に記載のフィルムコンデンサ。
  10. 前記t2に対する前記t1の比率(t1/t2)が、2以上4以下である、請求項9に記載のフィルムコンデンサ。
  11. 複数のフィルムコンデンサと、該複数のフィルムコンデンサを電気的に接続するバスバーと、を備え、前記フィルムコンデンサが、請求項1〜10のいずれかに記載のフィルムコンデンサを含む、連結型コンデンサ。
  12. スイッチング素子を有するブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備 え、前記容量部が請求項1〜10のいずれかに記載のフィルムコンデンサを含む、インバータ。
  13. 電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、前記インバータが、請求項12に記載のインバータである、電動車輌。
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