JP6688876B2 - フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌 - Google Patents

フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌 Download PDF

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Description

本開示は、フィルムコンデンサ、連結型コンデンサと、これを用いたインバータおよび電動車輌に関するものである。
フィルムコンデンサは、例えば、ポリプロピレン樹脂をフィルム化した誘電体フィルムと、当該誘電体フィルムの表面に蒸着によって形成された金属膜と、を有している。金属膜は電極として用いられる。このような構成により、フィルムコンデンサでは、誘電体フィルムの絶縁欠陥部で短絡が生じた場合にも、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属膜が蒸発、飛散して、絶縁欠陥部が絶縁化され、フィルムコンデンサの絶縁破壊を防止できる(自己回復性)という利点を有している。
このように、フィルムコンデンサは電気回路が短絡した際の発火や感電を防止することができる。この点が注目され、近年、フィルムコンデンサの用途は、LED(Light Emitting Diode)照明等の電源回路への適用を始め、ハイブリッド自動車のモータ駆動や太陽光発電のインバータシステム等に用途が拡大しつつある。
フィルムコンデンサにおいて、上述のような自己回復性を機能させた場合、絶縁欠陥部周辺の金属膜が蒸発、飛散して絶縁化する。その結果、静電容量を発現させる電極の面積が減少し、フィルムコンデンサの容量が減少する。自己回復後の容量減少を抑制するため、絶縁マージン部に近接する蒸着電極を複数の小さい領域に分割し、これらの各領域をヒューズにより並列接続したフィルムコンデンサが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。このような構成を有するフィルムコンデンサでは、自己回復性を機能させた時にヒューズが溶断し、欠陥部を有する領域を電気回路から切り離すことができる。
特開2009−164328号公報
本開示のフィルムコンデンサは、誘電体フィルムと、該誘電体フィルムの対向する第1面および第2面にそれぞれ配置された第1金属膜および第2金属膜を有する本体部と、
該本体部の対向する第1端部および第2端部にそれぞれ配置された第1外部電極および第2外部電極と、を具備し、
前記第1金属膜および前記第2金属膜が、れぞれ第1部位、第2部位、および第3部位を有し、
前記第1金属膜の前記第1部位は、前記第1端部において前記第1外部電極に接続され、前記第1金属膜の前記第2部位は、前記第2端部に位置し、前記第1金属膜の前記第3部位は、前記第1部位と前記第2部位との間に位置するとともに、第1方向にのびる第1の溝により分割された複数の第1分割領域を有し、
前記第2金属膜の前記第1部位は、前記第2端部において前記第2外部電極に接続され、前記第2金属膜の前記第2部位は、前記第1端部に位置し、前記第2金属膜の前記第3部位は、前記第1部位と前記第2部位との間に位置するとともに、第2方向にのびる第2の溝により分割された複数の第2分割領域を有し、
平面視して、前記第1方向にのびる第1の溝と前記第2方向にのびる第2の溝とが、互いに交差するとともに、
前記第1金属膜の前記第1部位及び前記第2金属膜の前記第1部位は、前記第1の溝及び前記第2の溝を有さず、
前記第1金属膜の第3部位は、隣接する前記第1分割領域間をつなぐ第1ヒューズ部を有し、
前記第2金属膜の第3部位は、隣接する前記第2分割領域間をつなぐ第2ヒューズ部を有し、
前記第1ヒューズ部と前記第2ヒューズ部とは、前記誘電体フィルムを挟んで対向しない位置に配置されている。
本開示の連結型コンデンサは、複数のフィルムコンデンサと、該複数のフィルムコンデンサを接続するバスバーと、を備え、前記フィルムコンデンサが、上記のフィルムコンデンサである。
本開示のインバータは、スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備え、前記容量部が上記のフィルムコンデンサまたは連結型コンデンサである。
本開示の電動車輌は、電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、前記インバータが上記のインバータである。
積層型のフィルムコンデンサの概略断面図である。 捲回型のフィルムコンデンサの構成を模式的に示した展開斜視図である。 誘電体フィルムおよび金属膜の一部を示すもので、(a)は表面の平面図、(b)は横断面図である。 図3(a)の一部(破線部)を拡大した平面図である。 第1の金属膜付きフィルムと第2の金属膜付きフィルムとを重ね合わせた配置を示すもので、(a)は第1の金属膜付きフィルムの平面図、(b)は第2の金属膜付きィルムの平面図である。 第1の金属膜付きフィルムと第2の金属膜付きフィルムが積層または捲回された本体部の一部を示す横断面図である。 第1の金属膜付きフィルムと第2の金属膜付きフィルムとを重ね合わせた配置を示すもので、(a)は図5(a)の破線部を拡大した平面図、(b)は図5(b)の破線部を拡大した平面図、(c)は第3部位を重ね合わせた図である。 別の実施形態における金属膜付きフィルムの表面の、図5の破線部に示す部位を拡大したもので、(a)は一方の金属膜付きフィルムの平面図、(b)は他方の金属膜付きフィルムの平面図、(c)は第3部位を重ね合わせた図である。 さらに別の実施形態における金属膜付きフィルムの表面の、図5の破線部に示す部位を拡大したもので、(a)は第1の金属膜付きフィルムの平面図、(b)は第2の金属膜付きフィルムの平面図、(c)は第3部位を重ね合わせた図である。 連結型コンデンサの構成を模式的に示した斜視図である。 インバータの一実施形態の構成を説明するための概略構成図である。 電動車輌の一実施形態を示す概略構成図である。 従来のフィルムコンデンサを示すもので、(a)は一組の金属膜付きフィルムを重ね合わせた横断面図、(b)は一組の金属膜付きフィルムの配置を示す平面図である。
フィルムコンデンサは、図1、2に示すように、誘電体フィルム1a、1bと、金属膜2a、2bとが積層または捲回されたフィルムコンデンサ本体部3(以下、単に本体部3という場合もある)と、本体部3の対向する端部にメタリコンにより設けられた一対の外部電極4a、4bとにより構成される。
図1に示す積層型のフィルムコンデンサAの本体部3では、誘電体フィルム1aの第1面1acに金属膜2aを備えた金属膜付きフィルム5aと、誘電体フィルム1bの第1面1bcに金属膜2bを備えた金属膜付きフィルム5bとが交互に積層されている。金属膜2aは本体部3の一方の端部3aで外部電極4aに電気的に接続されている。金属膜2bは、本体部3の他方の端部3bで外部電極4bに電気的に接続されている。
図1においては、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの幅方向をx方向、長さ方向をy方向、厚さ方向をz方向として示している。したがって、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bはz方向に重ねあわされており、外部電極4a、4bは本体部3のx方向に位置する端部3a、3bにそれぞれ配置されている。
図2に示す捲回型のフィルムコンデンサBの本体部3では、誘電体フィルム1aの第1面1acに金属膜2aを備えた金属膜付きフィルム5aと、誘電体フィルム1bの第1面1bcに金属膜2bを備えた金属膜付きフィルム5bとが重ねられ、捲回されている。金属膜2aは本体部3の一方の端部3aで外部電極4aに電気的に接続されている。金属膜2bは、本体部3の他方の端部3bで外部電極4bに電気的に接続されている。
なお、図2においては、理解を容易にするために、引き出した誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの厚みを紙面の手前にくる程厚くなるように描いている。
図2においては、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの幅方向をx方向、長さ方向をy方向、厚さ方向をz方向として示している。したがって、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bはz方向に重ねあわされており、外部電極4a、4bは本体部3のx方向に位置する端部3a、3bにそれぞれ配置されている。フィルムコンデンサBでは、x方向は捲回の軸長方向と一致する。
フィルムコンデンサAおよびBの誘電体フィルム1aは、対向する第1面1acと第2面1adを有しており、誘電体フィルム1bは、対向する第1面1bcと第2面1bdを有している。金属膜付きフィルム5aとは、誘電体フィルム1aの第1面1ac上に金属膜2aを形成したものであり、第1面1ac上の一部には誘電体フィルム1aが露出したいわゆる絶縁マージン部6aを有している。金属膜付きフィルム5bとは、誘電体フィルム1bの第1面1bc上に金属膜2bを形成したものであり、第1面1bc上の一部には誘電体フィルム1bが露出したいわゆる絶縁マージン部6bを有している。これらの金属膜付きフィルム5a、5bは、図1、2に示すように、少し幅方向(x方向)にずれた状態で積層または捲回されている。
このように、フィルムコンデンサA、Bは、誘電体フィルム1aおよび金属膜2aにより構成される金属膜付きフィルム5aと、誘電体フィルム1bおよび金属膜2bにより構成される金属膜付きフィルム5bとが、図1、2に示すように重ねられ、積層または捲回されている。
金属膜2a、2bは、本体部3のx方向に位置する端部3a、3bに露出した接続部において、それぞれ外部電極4a、4bに接続している。
金属膜付きフィルム5a、5bに共通する本実施形態の特徴について説明するため、以下では、図3に示すように、a、bの符号を省略する場合がある。また、図3(b)の横断面図においては、説明を容易にするためにフィルムの厚さ方向(z方向)を拡大して示している。
本実施形態では、図3に示すように、金属膜2が、第1部位2l、第2部位2m、および第3部位2nにより構成される。第1部位2lは、左の端部(第1端部)側に位置し、第1外部電極4(図示せず)に接続されている。第2部位2mは、右の端部(第2端部)の近傍、すなわち絶縁マージン部6の近傍に位置しており、第2外部電極4には接続していない。第3部位2nは、x方向において、第1部位2lと第2部位2mとの間に位置している。金属膜2は、x方向の両端にそれぞれ第1部位2lおよび第2部位2mが配置され、第3部位2nは第1部位2lと第2部位2mとの間に挟まれている。
第3部位2nには、図4に示すように、複数の溝7nが所定の間隔で形成されている。すなわち、第3部位2nは、溝7nにより分割された複数の分割領域2niを有している。溝7nは、金属膜2上の第1方向OAまたは第2方向OB(図示せず)に延びている。第3部位2nは、さらに、隣接する分割領域2ni間をつなぐヒューズ部8nを有していてもよい。溝7nは、レーザー加工により形成できる。
第3部位2nと第1部位2lとの境界は、溝7nの第1部位2l側の端部をy方向に沿って繋いだ線であり、第3部位2nと第2部位2mとの境界は、溝7nの第2部位2m側の端部をy方向に沿って繋いだ線である。第1部位2lと第3部位2nとの境界において、第1部位2lに隣接する分割領域2niと、第1部位2lとは連続している。また、第2部位2mと第3部位2nとの境界において、第2部位2mに隣接する分割領域2niと、第2部位2mとは連続している。
図5〜7に、金属膜付きフィルム5a、5bを重ね合わせたときの配置を示す。図5(a)に示す金属膜付きフィルム5aと、図5(b)に示す金属膜付きフィルム5bとは、幅方向(x方向)に少しずれた状態で重ねあわされている。金属膜付きフィルム5aと5bとは、金属膜2aの第1部位2laが金属膜2bの第2部位2mbと重なり、金属膜2aの第2部位2maが金属膜2bの第1部位2lbと重なるように、配置されている。
フィルムコンデンサA、Bは、金属膜付きフィルム5a、5bがこのような配置で重ね合わされ、積層または捲回されている。図6は、フィルムコンデンサA、Bの横断面の一部を示している。一対の金属膜付きフィルム5a、5bが重ねあわされ、積層または捲回されることで、誘電体フィルム1a、金属膜2a、誘電体フィルム1b、および金属膜2bがこの順に複数重ねあわされた構成となっている。
図7(a)は、図5(a)の破線部を拡大して示したものである。図7(a)に示す金属膜2aの第3部位2naは、第1の溝7naにより分割された複数の第1分割領域2naiを有している。第1の溝7naは、金属膜2a上の第1方向OAに延びている。図7(b)は、図5(b)の破線部を拡大して示したものである。図7(b)に示す金属膜付きフィルム5bの第3部位2nbは、第2の溝7nbにより分割された複数の第2分割領域2nbiを有している。第2の溝7nbは、金属膜2b上の第2方向OBに延びている。
第1方向OAと第2方向OBとは、互いに交差する。また、第3部位2naと2nbとは、誘電体フィルム1を介して対向するように配置される。このように、第1方向OAにのびる第1の溝7naを有する第3部位2naと、第2方向OBに延びる第2の溝7nbを有する第3部位2nbとが、誘電体フィルム1を介して対向するように配置される。これにより、第1の溝7naと第2の溝7nbとが重ね合わされ、第1の溝7naと第2の溝7nbとは、誘電体フィルム1を介した状態で互いに交差する。その結果、第3部位2nでは、第1分割領域2naiと第2分割領域2nbiとが重ねあわされる。その結果、図7(c)に示すように、第1の溝7na(実線)および第2の溝7nb(破線)が、誘電体フィルム1または2を介した状態で互いに交差し、さらに分割された分割領域2njが形成される。
換言すれば、誘電体フィルム1の第1面1cに配置された第1金属膜2aと、第2面1dに配置された第2金属膜2bとは、それぞれ第1部位2l、第2部位2m、および第3部位2nをを有している。第1金属膜2aの第1部位2laは本体部3の第1端部3aで第1外部電極4aに接続され、第2部位2maは第2端部3bの近傍に配置されている。第1金属膜2aの第3部位2naは、x方向において第1部位2laと第2部位2maとの間に位置している。第2金属膜2bの第1部位2lbは本体部3の第2端部3bで第2外部電極4bに接続され、第2部位2mbは第1端部3aの近傍に配置されている。第2金属膜2bの第3部位2naは、x方向において第1部位2lbと第2部位2mbとの間に位置している。
そして、第1金属膜2aの第1部位2laと第2金属膜2bの第2部位2mbとが誘電体フィルム1を挟んで重ねあわされ、第1金属膜2aの第2部位2maと第2金属膜2bの第1部位2lbとが誘電体フィルム1を挟んで重ねあわされている。
第1金属膜2aの第3部位2naと第2金属膜2bの第3部位2nbとは誘電体フィルム1を挟んで重ねあわされている。第1金属膜2aの第3部位2naは、第1方向OAにのびる第1の溝7naにより分割された複数の第1分割領域2naiを有しており、第2金属膜2bの第3部位2nbは、第2方向OBにのびる第2の溝7nbにより分割された複数の第2分割領域2nbiを有している。第1の方向OAと第2の方向OBとは互いに交差しており、誘電体フィルム1、第1金属膜2a、および第2金属膜2bを平面視した時、第1の溝7na(実線)と第2の溝7nb(破線)とが交差する。これにより、第3部位2nには、さらに分割された分割領域2njが形成される。
特許文献1に記載された、図13に示すような従来のフィルムコンデンサでは、電気抵抗の高いヒューズ部108a、108bが本体部3のx方向の特定の部位(中央)に集中し、中央付近で発熱が集中して絶縁破壊しやすくなるという問題があった。
これに対し、本実施形態のフィルムコンデンサA、Bでは、第3部位2naと2nbとを誘電体フィルム1を挟んで重ね合わせ、それぞれ異なる方向に延びる溝7naと溝7nbとが交差することで、分割領域2njが形成される。そのため、ヒューズ部108が特定の部位に集中することがなく、自己回復による発熱の集中を抑制できる。さらに、自己回復により蒸発した成分が、第1の溝7naと第2の溝7nbとが重なりあって網目状となった溝7nを通じて、外部に蒸散しやすいという利点もある。
また、図13に示す従来のフィルムコンデンサでは、金属膜付きフィルム105a、105bの複数層にわたって、ヒューズ部108a、108bが重なり合い、これらのヒューズ部108が同時に断線する懸念がある。
これに対し、本実施形態では、図7(c)に示すように、第1金属膜2aの第3部位2naの第1ヒューズ部8naと、第2金属膜2bの第3部位2nbの第2ヒューズ部8nbとを、誘電体フィルム1を挟んで対向しない位置に配置することができる。誘電体フィルム1を挟んで重なり合った金属膜2a、2bを平面視したとき、第1ヒューズ部8naと第2ヒューズ部8nbとを、互いに重らない位置(第1ヒューズ部8naと第2ヒューズ部8nbとが、誘電体フィルム1を介して対向しない位置)に配置し、ヒューズ部8nの位置を分散させることができる。このようにヒューズ部8nの位置を分散させることにより、発熱の低減効果が向上する。なお、第3部位2na、2nbは、ヒューズ部8na、8nbを有していなくてもよい。第3部位2na、2nbがヒューズ部8na、8nbを有する場合、第1の溝7naと第2の溝7nbとは、それぞれの長さ方向の中央で交差していてもよいが、当該中央以外の箇所で交差していてもよい。
ここで、第1端部および第2端部が配置された方向であるx方向を第3方向とする。図3(b)に示すように、第3部位2n(2na、2nb)の第3方向(x方向)における長さをW3とし、誘電体フィルム1の第3方向(x方向)に位置する一対の対向する端面間の長さ(誘電体フィルム1のx方向の長さ)をW0とする。第1金属膜2a、第2金属膜2bの第3部位2na、2nbの長さW3は、W3のW0に対する比(W3/W0)にして、いずれも0.2〜0.5であればよい。W3/W0を0.2以上とすることで、発熱抑制の効果が得られ、0.5以下とすることで、容量低下を抑制する効果が得られる。
図4および図7では、第1方向OAおよび第2方向OBはいずれも第3方向(x方向)に対して45°の角度をなしており、第1方向OAと第2方向OBとは直角に交差している。以下、第1方向OAを単にOAといい、第2方向OBを単にOBという場合もある。
図8は、別の実施形態であり、OAは第3方向(x方向)に一致し、OBは第3方向と直交するy方向に一致している。図9は、さらに別の実施形態であり、OA、OBはいずれも第3方向(x方向)に対して30°の角度をなしており、OAとOBとは交差している。
なお、OAとOBとは、誘電体フィルム1、第1金属膜、および第2金属膜を平面視した時、第1の溝7naと第2の溝7nbとが互いに交差するように設定されていればよく、たとえばOAが第3方向(x方向)に対してなす角とOBが第3方向(x方向)に対してなす角とが、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1の溝7naがのびる第1方向OA、および第2の溝7nbがのびる第2方向OBは、少なくともいずれか一方が、第3方向(x方向)に対して、10〜80°の角度をなしていてもよい。OA、OBの少なくともいずれか一方が、誘電体フィルム1の長さ方向(y方向)に対して所定の角度をなすことで、金属膜付きフィルム5aおよび5bを積層または捲回して本体部3を形成するときに、空気の巻き込みを抑えることができ、シワの発生を抑制できる。
金属膜2の第2部位2mは、図3(b)、図4等に示すように、第3分割領域2miと、第3分割領域2mi間をつなぐ第3ヒューズ部8mにより構成されていてもよい。第3分割領域2miは、断続的に設けられた網目状(格子状)の第3の溝7mにより分割されている。複数の第3分割領域2miおよび第3ヒューズ部8mは、レーザー加工により形成できる。
このような第3分割領域2miを有し、これらが第3ヒューズ部8mでつながっていることにより、自己回復時の短絡電流により絶縁欠陥部周囲の第3ヒューズ部8mが溶断され、絶縁欠陥部を電気回路から切り離すことができる。また、自己回復により蒸発した成分が網目状(格子状)の第3の溝7mを通じて外部に蒸散しやすいという利点もある。
第3の溝7mがのびる方向は、OA、OBと一致していてもよいし、異なっていてもよい。たとえば、図7、図8では、第3の溝7ma、7mbがのびる方向は、OA、OBと一致している。また、図9では、第3の溝7ma、7mbがのびる方向は、OA、OBのいずれとも一致していない。
第3の溝7mがのびる方向は、誘電体フィルム1の第3方向(x方向)に対して、10〜80°の角度をなしていてもよい。第3の溝7mがのびる方向が、誘電体フィルム1の第3方向(x方向)に対して所定の角度をなすことで、金属膜付きフィルム5aおよび5bを積層または捲回して本体部3を形成するときに、空気の巻き込みを抑えることができ、シワの発生を抑制できる。
金属膜2の第1部位2lは、溝を有していなくてもよい。外部電極4と接続する第1部位2lが、溝を有さず連続していることで、フィルムコンデンサA、Bの等価直列抵抗(ESR)が低減される。なお、第1部位2lは、第3方向(x方向)に沿う溝を有していてもよい。特に捲回型のフィルムコンデンサBにおいて、第1部位2lが溝を有する場合は、y方向(捲回の周方向)に、捲回の周長よりも長い間隔で配置するのがよい。このような溝を有することにより、自己回復により蒸発した成分が外部にさらに蒸散しやすくなる。
また、金属膜2(2a、2b)は、図3(b)、図6に示すようなヘビーエッジ構造を有していてもよい。以下、金属膜2の外部電極4との接続部の近傍2fを、ヘビーエッジ部2fという場合もある。ヘビーエッジ構造とは、金属膜2a、2bが重なり合う有効領域に対して、外部電極4との接続部の近傍2fにおける金属膜2の抵抗を低くした構造である。ヘビーエッジ部2fは、第1部位2lに設けられている。
金属膜2の厚さは、有効領域(容量を形成する領域)において、例えば20nm以下、特には5〜15nmの範囲とするのがよい。金属膜2をこのような厚さとすることで、金属膜2の面積抵抗(シート抵抗)が18〜50Ω/□となり、自己回復性を発揮できる。また、外部電極4との接続部近傍2f(ヘビーエッジ部2f)における金属膜2の厚さは、有効領域の2〜4倍、すなわち10〜80nmの範囲とするのがよい。
誘電体フィルム1に用いる絶縁性の樹脂の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびシクロオレフィンポリマー(COP)などが挙げられる。特にポリアリレート(PAR)は、絶縁破壊電圧が高いことから好ましい。
このようなフィルムコンデンサは、例えば以下のようにして作製すればよい。まず、誘電体フィルム1を準備する。誘電体フィルム1は、例えば絶縁性の樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材の表面にシート状に成形し、乾燥して溶剤を揮発させることにより得られる。成形方法としては、ドクターブレード法、ダイコータ法およびナイフコータ法等、周知の成膜方法から適宜選択すればよい。成形に使用する溶剤としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、又は、これらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を用いるのがよい。また、溶融押し出し法で作製した樹脂のフィルムを延伸加工してもよい。
誘電体フィルム1の厚さは、例えば5μm以下とすればよいが、特に0.5〜4μmの厚さの誘電体フィルム1を用いることが好ましい。
誘電体フィルム1は、上述の絶縁性の樹脂のみにより構成されていてもよいが、他の材料を含んでいてもよい。誘電体フィルム1に含まれる樹脂以外の構成要素としては、例えば上述の有機溶剤や無機フィラーが挙げられる。無機フィラーには、例えば、アルミナ、酸化チタン、二酸化珪素などの無機酸化物、窒化珪素など無機窒化物、ガラスなどを用いることができる。特に、ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物など比誘電率の高い材料を無機フィラーとして用いた場合には、誘電体フィルム1全体の比誘電率が向上し、フィルムコンデンサを小型化することができる。また、無機フィラーと樹脂との相溶性を高める上で、無機フィラーにシランカップリング処理やチタネートカップリング処理等の表面処理を行っても良い。
誘電体フィルム1にこのような無機フィラーを用いる場合、無機フィラーを50質量%未満、樹脂を50質量%以上含有する複合フィルムとすることで、樹脂の可撓性を維持したまま、無機フィラーによる比誘電率向上などの効果を得ることができる。また、無機フィラーのサイズ(平均粒径)は、4〜1000nmとすることが好ましい。
作製した誘電体フィルム1の一方の面に、幅方向(x方向)の端部の一方にマスクをした後、アルミニウム(Al)などの金属成分を蒸着して金属膜2を形成し、金属膜付きフィルム5とする。
ヘビーエッジ構造を形成する場合は、上述の金属膜付きフィルム5のヘビーエッジを形成する部分(2f)以外をマスクし、上述の蒸着した金属成分のマスクの無い部分の上にさらに、たとえば亜鉛(Zn)を蒸着して形成する。このとき、ヘビーエッジ部2fとして蒸着する膜の厚さは、上述の蒸着した金属成分の1〜3倍の厚さとする。
金属膜2の第3部位2nに溝7nを形成する。このとき、必要に応じて第2部位2mに網目状(格子状)の第3の溝7mを同時に形成してもよい。溝7の形成には、金属蒸着膜を飛ばすことが可能な、レーザーマーカー機またはレーザートリマー機を用いる。レーザーとしては、グリーンレーザー、YAGレーザーおよびCOレーザーのうちいずれかを用いればよい。なお、誘電体フィルム1の第1面1cに、溝7のパターンのマスクを施し、その上に金属成分を蒸着することで溝7を形成することもできる。
一方の面に金属膜2(2a、2b)を有する金属膜付きフィルム5(5a、5b)は、2枚を一組として、図5に示すように少し幅方向(x方向)にずれた状態で重ね、図1、2に示すように積層または捲回し、本体部3を得る。
得られた本体部3の両端面に外部電極4としてメタリコン電極を形成することで、フィルムコンデンサA、Bが得られる。外部電極4の形成には、例えば、金属の溶射、スパッタ法、メッキ法などが好適である。
次いで、必要に応じ、外部電極4を形成した本体部3の表面を外装部材(図示せず)で覆うこともできる。
金属膜2の材料としては、例えばアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)などの金属や合金などが挙げられる。
また、メタリコン電極の材料としては、亜鉛、アルミニウム、銅およびハンダから選ばれる少なくとも1種の金属材料が好適である。
図10は、連結型コンデンサの一実施形態の構成を模式的に示した斜視図である。図10においては構成を分かりやすくするために、ケースならびにモールド用の樹脂の記載を省略している。本実施形態の連結型コンデンサCは、複数個のフィルムコンデンサBが一対のバスバー21、23により並列接続された構成となっている。バスバー21、23は、外部接続用の端子部21a、23aとフィルムコンデンサBの外部電極4a、4bにそれぞれ接続される引出端子部21b、23bにより構成されている。
連結型コンデンサCに上記したフィルムコンデンサBを適用すると、自己回復性に優れた連結型コンデンサCを得ることができる。なお、フィルムコンデンサBにかえてフィルムコンデンサAを適用してもよい。
連結型コンデンサCは、フィルムコンデンサBを複数個(本実施形態においては4個)並べた状態で、本体部6の両端にそれぞれ形成された外部電極4a、4bに、接合材を介してバスバー21、23を取り付けることによって得ることができる。
なお、フィルムコンデンサBや連結型コンデンサCは、ケースに収納したのちケース内の空隙に樹脂を充填し、樹脂モールド型(ケースモールド型)のコンデンサとすることもできる。
なお、図10に示した連結型コンデンサCは、フィルムコンデンサBを、その捲回軸に垂直な断面の長径の方向に並べて配置したものであるが、この他に、フィルムコンデンサBを、その捲回軸に垂直な断面の短径の方向に積み上げた構造としてもよい。
図11は、インバータの一実施形態の構成を説明するための概略構成図である。図11には、直流から交流を作り出すインバータDの例を示している。本実施形態のインバータDは、図11に示すように、スイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated gate Bipolar Transistor))とダイオードにより構成されるブリッジ回路31と、電圧安定化のためにブリッジ回路31の入力端子間に配置された容量部33とを備えた構成となっている。ここで、容量部33として上記のフィルムコンデンサA、Bまたは連結型コンデンサCが適用される。
なお、このインバータDは、直流電源の電圧を昇圧する昇圧回路35に接続されることになる。一方、ブリッジ回路31は駆動源となるモータジェネレータ(モータM)に接続されることになる。
図12は、電動車輌の一実施形態を示す概略構成図である。図12には、電動車輌Eとしてハイブリッド自動車(HEV)の例を示している。
図12における符号41は駆動用のモータ、43はエンジン、45はトランスミッション、47はインバータ、49は電源(電池)、51a、51bは前輪および後輪である。
この電動車輌Eは、駆動源としてモータ41またはエンジン43、もしくは両方の出力がトランスミッション45を介して左右一対の前輪51aに伝達される機能を備えている。電源49はインバータ47を介してモータ41に接続されている。
また、図12に示した電動車輌Eには、電動車輌E全体の統括的な制御を行う車輌ECU53が設けられている。車輌ECU53には、イグニッションキー55や図示しないアクセルペダル、ブレーキ等の電動車輌Eからの運転者等の操作に応じた駆動信号が入力される。この車輌ECU53は、その駆動信号に基づいて指示信号をエンジンECU57、電源49、および負荷としてのインバータ47に出力する。エンジンECU57は、指示信号に応答してエンジン43の回転数を制御し、電動車輌Eを駆動する。
本実施形態のフィルムコンデンサA、Bまたは連結型コンデンサCを、容量部33として適用したインバータDを、例えば、図12に示すような電動車輌Eに搭載すると、フィルムコンデンサA、Bまたは連結型コンデンサCが自己回復性に優れたものであるため、静電容量が長期間に渡り維持でき、インバータ47等で発生するスイッチング・ノイズを長期間低減することができる。
なお、本実施形態のインバータDは、上記のハイブリッド自動車(HEV)のみならず、電気自動車(EV)や燃料電池車、あるいは電動自転車、発電機、太陽電池など種々の電力変換応用製品に適用できる。
ポリアリレート(U−100、ユニチカ製)を用いて平均厚さ2.5μmの誘電体フィルムを作製した。誘電体フィルムは、ポリアリレートをトルエンに溶解し、コータを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材上に塗布し、シート状に成形した。成形後、130℃で熱処理してトルエンを除去し、誘電体フィルムを得た。
(捲回型フィルムコンデンサ)
得られた誘電体フィルムを基材から剥離し、130mm幅にスリット加工した後、誘電体フィルムの一方の主面に、97mm幅のAl(アルミニウム)金属膜を形成した。Al金属膜は、メタルマスクを用いて真空蒸着法により形成した。金属膜のシート抵抗を、マルチメータを用いて4端子抵抗測定モードにより評価した結果、金属膜のシート抵抗は50Ω/□であった。
グリーン・レーザーマーカーを用いて、金属膜の第2部位となる領域に、網目状のパターン(図4を参照)を形成し、金属膜の第3部位となる領域に、第1の溝および第2の溝となるパターンを形成した。なお、第1の溝がのびる第1方向、および第2の溝がのびる第2方向は、いずれも第2部位の網目状のパターンを形成する第3の溝がのびる方向のいずれかと一致するようにした。また、比較例として第3部位を有さず第1部位と第2部位とが直接隣接するものも作製した。
レーザー照射条件は、出力4W、周波数140kHz、スキャン速度4m/秒とした。第2部位の網目状のパターンは、2mm×2mmの第3分割領域と第3分割領域間をつなぐ幅0.4mmの第3ヒューズ部により構成されるパターンとした。
130mm幅の金属膜付きフィルムをさらにスリット加工し、1.5mmの絶縁マージン部(誘電体フィルムが露出した金属膜非形成部)を有する50mm幅の金属膜付きフィルムとした。実施例の金属膜付きフィルムには、幅方向の一方の端部に位置する第1部位と、他方の端部に位置する絶縁マージン部に隣接する第2部位と、第1部位と第2部位との間に位置する第3部位とを配置した。第3部位の幅方向の長さW3は、金属膜付きフィルム(誘電体フィルム)の幅W0に対する比率(W3/W0)が0.5、0.3、0.25となるように設定した。以下、W3/W0が0.5の場合を実施例1、0.3の場合を実施例2、0.25の場合を実施例3とする。
比較例の金属膜付きフィルムには、幅方向の一方の端部に位置する第1部位と、他方の端部に位置する絶縁マージン部に隣接する第2部位とが金属膜付きフィルムの中央で隣接するように配置した。
なお、実施例および比較例では、それぞれの第1部位の幅W1と第2部位の幅W2とが、等しくなるように設定した。
巻芯として、外径5mm、長さ50mmのポリプロピレン(PP)製の円柱を用いた。50mm幅の一対の金属膜付きフィルムを、金属膜が誘電体フィルムを介して対向するように重ね合わせて巻芯に捲回し、捲回体を作製した。なお、一対の金属膜付きフィルムは、幅方向(x方向)に互いに0.5mmずれた状態とし、絶縁マージン部を幅方向(x方向)の異なる側にそれぞれ配した状態で捲回し、捲回体(本体部)を得た。捲回数は50回とした。なお、実施例では、一対の金属膜付きフィルムのうち一方の第3部位の第1の溝と、もう一方の第3部位の第2の溝とが交差するように配置した。
捲回体(本体部)の金属膜が露出した対向する端面に亜鉛と錫との合金を溶射し、外部電極であるメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサとした。
(評価)
作製したフィルムコンデンサの静電容量を、LCRメータを用いてAC1V、1kHzの条件で測定した。静電容量は、実施例、比較例のいずれも20μFであった。
フィルムコンデンサの発熱状態および容量低下率を、以下のように評価した。発熱状態は、フィルムコンデンサに、初期温度を105℃として、ファンクションジェネレータで出力した10kHzの正弦波を、バイポーラ電源で100Aの電流に増幅した信号を印加し、表面温度が飽和する約1時間経過後の温度を測定して初期の温度(105℃)と比較した。容量低下率は、絶縁抵抗計を用いて、フィルムコンデンサに室温で1200Vの直流電圧を120秒印加したのち、LCRメータを用いてAC1V、1kHzの条件で静電容量を測定し、初期の静電容量(20μF)と比較した。
電流印加による温度上昇は、第3部位を有さない比較例では15℃であったが、実施例1(W3/W0=0.5)では8℃、実施例2(W3/W0=0.3)では10℃、実施例3(W3/W0=0.25)では12℃であり、第3部位を有することにより発熱が抑制されていることを確認した。これは、第3部位によりヒューズ部が軸長方向に分散し、発熱の集中が抑制されたためと考えられる。
直流電圧印加後の容量低下率は、第3部位を有さない比較例では15%であったが、実施例1(W3/W0=0.5)では12%、実施例2(W3/W0=0.3)では5%、実施例3(W3/W0=0.25)では8%であり、第3部位を有することにより容量低下が抑制されていることを確認した。
A:積層型のフィルムコンデンサ
B:捲回型のフィルムコンデンサ
C:連結型コンデンサ
D:インバータ
E:電動車輌
1、1a、1b:誘電体フィルム
2、2a、2b:金属膜
2l、2la、2lb:金属膜の第1部位
2m、2ma、2mb:金属膜の第2部位
2n、2na、2nb:金属膜の第3部位
3:本体部
3a:本体部の第1端部
3b:本体部の第2端部
4、4a、4b・・・・外部電極
5、5a、5b・・・・金属膜付きフィルム
7・・・・・・・・・・溝
8・・・・・・・・・・ヒューズ部
21、23・・・・・・バスバー
31・・・・・・・・・ブリッジ回路
33・・・・・・・・・容量部
35・・・・・・・・・昇圧回路
41・・・・・・・・・モータ
43・・・・・・・・・エンジン
45・・・・・・・・・トランスミッション
47・・・・・・・・・インバータ
49・・・・・・・・・電源
51a・・・・・・・・前輪
51b・・・・・・・・後輪
53・・・・・・・・・車輌ECU
55・・・・・・・・・イグニッションキー
57・・・・・・・・・エンジンECU

Claims (10)

  1. 誘電体フィルムと、該誘電体フィルムの対向する第1面および第2面にそれぞれ配置された第1金属膜および第2金属膜を有する本体部と、
    該本体部の対向する第1端部および第2端部にそれぞれ配置された第1外部電極および第2外部電極と、を具備し、
    前記第1金属膜および前記第2金属膜が、それぞれ第1部位、第2部位、および第3部位を有し、
    前記第1金属膜の前記第1部位は、前記第1端部において前記第1外部電極に接続され、前記第1金属膜の前記第2部位は、前記第2端部に位置し、前記第1金属膜の前記第3部位は、前記第1部位と前記第2部位との間に位置するとともに、第1方向にのびる第1の溝により分割された複数の第1分割領域を有し、
    前記第2金属膜の前記第1部位は、前記第2端部において前記第2外部電極に接続され、前記第2金属膜の前記第2部位は、前記第1端部に位置し、前記第2金属膜の前記第3部位は、前記第1部位と前記第2部位との間に位置するとともに、第2方向にのびる第2の溝により分割された複数の第2分割領域を有し、
    平面視して、前記第1方向にのびる第1の溝と前記第2方向にのびる第2の溝とが、互いに交差するとともに、
    前記第1金属膜の前記第1部位及び前記第2金属膜の前記第1部位は、前記第1の溝及び前記第2の溝を有さず、
    前記第1金属膜の第3部位は、隣接する前記第1分割領域間をつなぐ第1ヒューズ部を有し、
    前記第2金属膜の第3部位は、隣接する前記第2分割領域間をつなぐ第2ヒューズ部を有し、
    前記第1ヒューズ部と前記第2ヒューズ部とは、前記誘電体フィルムを挟んで対向しない位置に配置されている、フィルムコンデンサ。
  2. 前記第1端部および前記第2端部が配置された方向を第3方向とし、
    前記誘電体フィルムの前記第3方向に位置する一対の対向する端面間の距離をW0とし、
    前記第3部位の前記第3方向の長さをW3としたとき、W0に対するW3の比(W3/W0)が0.2〜0.5である、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記第1端部および前記第2端部が配置された方向を第3方向としたとき
    前記第1方向および前記第2方向は、前記第3方向に対してなす角が、いずれも10〜80°である、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記第1金属膜の前記第2部位および前記第2金属膜の前記第2部位は、いずれも断続的に設けられた網目状の第3の溝により分割された複数の第3分割領域と、該第3分割領域間をつなぐ第3ヒューズ部とにより構成されている、請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記第1端部及び前記第2端部が配置された方向を第3方向とし、該第3方向に直交する方向を第4方向としたとき、
    前記第1金属膜の前記第3部位と前記第1部位の境界は、前記第1の溝の前記第1部位側の端部を、第4方向に沿って繋いだ線で規定され、
    前記第2金属膜の前記第3部位と前記第1部位の境界は、前記第2の溝の第1部位側の端部を、第4方向に沿って繋いだ線で規定されている、請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記第1部位は、溝を有さない、または前記第1端部および前記第2端部が配置された第3方向に沿う溝を有する、請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  7. 複数のフィルムコンデンサと、該複数のフィルムコンデンサを接続するバスバーと、を備え、前記フィルムコンデンサが、請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサである、連結型コンデンサ。
  8. スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備え、前記容量部が請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサである、インバータ。
  9. スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備え、前記容量部が請求項に記載の連結型コンデンサである、インバータ。
  10. 電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、前記インバータが、請求項またはに記載のインバータである、電動車輌。
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