JP7451755B2 - フィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムコンデンサに関する。
コンデンサの一種として、可撓性を有するフィルムを誘電体フィルムとして用いながら、フィルムを挟んで互いに対向する第1金属層及び第2金属層を配置した構造のフィルムコンデンサが知られている。このようなフィルムコンデンサは、例えば、第1金属層が形成されたフィルムと第2金属層が形成されたフィルムとを巻回又は積層して積層体を作製した後、その積層体の両端面に外部電極を形成することにより製造される。
特許文献1には、少なくとも片側の表面に金属膜が形成された第1のフィルム部材と、第2のフィルム部材とを重畳して構成される金属化フィルムを備え、金属化フィルムが巻回されて形成され、かつ巻回された金属化フィルムの幅方向の両端のそれぞれに電極部材が接続されたフィルムコンデンサであって、第1のフィルム部材は、第2のフィルム部材に対して幅方向に突出するように配置されて巻回された金属化フィルムにおいて第1突出端と第1没入端とが積層方向に繰り返されるように構成され、金属膜は、第1突出端の第1没入端から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている、フィルムコンデンサが開示されている。
特開2013-4916号公報
特許文献1に記載のフィルムコンデンサでは、第1突出端と第1没入端とが繰り返されるように構成されることで、金属膜へ電極部材が接続しやすくなるため、第1のフィルム部材を加工することなく、金属化フィルムと電極部材との接触部分の機械的強度を向上させることができる、とされている。
しかしながら、特許文献1に記載されているようなフィルムコンデンサは、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されることが想定されておらず、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されると、収縮及び膨張を繰り返す。このように、フィルムコンデンサが収縮及び膨張を繰り返すと、外部電極に応力が繰り返し生じることにより、フィルムコンデンサの等価直列抵抗が増加するという問題が生じる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、等価直列抵抗の増加が抑えられたフィルムコンデンサを提供することを目的とするものである。
本発明のフィルムコンデンサは、第1誘電体フィルム、第2誘電体フィルム、第1金属層、及び、第2金属層を含み、かつ、幅方向に対向する第1端面及び第2端面を有する積層体と、上記積層体の上記第1端面に接続された第1外部電極と、上記積層体の上記第2端面に接続された第2外部電極と、を備え、上記第1誘電体フィルムは、上記幅方向に直交する厚み方向に対向する第1主面及び第2主面を有し、上記第2誘電体フィルムは、上記厚み方向に対向する第3主面及び第4主面を有し、上記積層体では、上記第1誘電体フィルムの上記第1主面と上記第2誘電体フィルムの上記第4主面とが上記厚み方向に対向し、かつ、上記第1誘電体フィルムの上記第2主面と上記第2誘電体フィルムの上記第3主面とが上記厚み方向に対向し、上記第1金属層は、上記第1誘電体フィルムの上記第1主面上に設けられているとともに、上記第1外部電極に接続され、かつ、上記第2外部電極に接続されず、上記第2金属層は、上記第1誘電体フィルムの上記第1主面、上記第1誘電体フィルムの上記第2主面、上記第2誘電体フィルムの上記第3主面のいずれかの主面上に設けられているとともに、上記第2外部電極に接続され、かつ、上記第1外部電極に接続されず、上記厚み方向に隣り合う上記第1誘電体フィルム及び上記第2誘電体フィルムにおいて、上記第1金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムは、上記第1金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムに対して上記第1外部電極側に突出し、上記厚み方向及び上記幅方向に沿う断面を見たとき、上記積層体の上記第1端面には、上記第1金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムの端部同士を結ぶ曲線を輪郭線とする第1凹凸が、上記厚み方向に連続的に存在し、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、上記第1凹凸は、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下であり、上記幅方向において、上記第1金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムと上記第1外部電極との間には、第1隙間が存在し、上記第1隙間の上記幅方向における長さは、0.3mm以上であり、上記厚み方向に隣り合う上記第1誘電体フィルム及び上記第2誘電体フィルムにおいて、上記第2金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムは、上記第2金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムに対して上記第2外部電極側に突出し、上記厚み方向及び上記幅方向に沿う断面を見たとき、上記積層体の上記第2端面には、上記第2金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムの端部同士を結ぶ曲線を輪郭線とする第2凹凸が、上記厚み方向に連続的に存在し、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、上記第2凹凸は、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下であり、上記幅方向において、上記第2金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムと上記第2外部電極との間には、第2隙間が存在し、上記第2隙間の上記幅方向における長さは、0.3mm以上である、ことを特徴とする。
本発明によれば、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、等価直列抵抗の増加が抑えられたフィルムコンデンサを提供できる。
本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの一例を示す斜視模式図である。 図1中の線分A1-A2に対応する部分の一部を示す断面模式図である。 フィルムコンデンサの仕様を定めるための試料を示す斜視模式図である。 図3中の試料の断面の一部であって、第1凹凸の高さを定める方法を説明するための断面模式図である。 図3中の試料の断面の一部であって、第1凹凸の間隔を定める方法を説明するための断面模式図である。 図3中の試料の断面の一部であって、第1隙間の幅方向における長さを定める方法を説明するための断面模式図である。 本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの製造方法の一例について、第1金属化フィルムの作製工程を示す斜視模式図である。 本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの製造方法の一例について、第2金属化フィルムの作製工程を示す斜視模式図である。 本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの製造方法の一例について、積層体の作製工程を示す断面模式図である。 図9中の第1フィルムリールから第1金属化フィルムを巻き出す様子を上面視した状態を示す模式図である。 本発明の実施形態2のフィルムコンデンサの一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態3のフィルムコンデンサの一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態4のフィルムコンデンサの一例を示す断面模式図である。
以下、本発明のフィルムコンデンサについて説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示す構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施形態2以降では、実施形態1と共通の事項についての記載は省略し、異なる点を主に説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎に逐次言及しない。以下の説明において、各実施形態を特に区別しない場合、単に「本発明のフィルムコンデンサ」と言う。
以下では、本発明のフィルムコンデンサの一例として、誘電体フィルムの主面上に金属層が設けられた金属化フィルムを含むフィルムが積層された状態で巻回されてなる、いわゆる巻回型のフィルムコンデンサについて説明する。本発明のフィルムコンデンサは、誘電体フィルムの主面上に金属層が設けられた金属化フィルムを含むフィルムが積層されてなる、いわゆる積層型のフィルムコンデンサであってもよい。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの一例を示す斜視模式図である。図2は、図1中の線分A1-A2に対応する部分の一部を示す断面模式図である。より具体的には、図2は、後述する図3に示すようなフィルムコンデンサの断面のうち、上下方向に延びる中心軸よりも右側の領域の一部を示している。
本明細書中、フィルムコンデンサにおける厚み方向及び幅方向を、図1、図2等に示すように、各々、T及びWで定められる方向とする。ここで、厚み方向Tと幅方向Wとは、互いに直交している。
図1及び図2に示すように、フィルムコンデンサ1は、積層体10Aと、第1外部電極51と、第2外部電極52と、を有している。
積層体10Aは、幅方向Wに対向する第1端面10Aa及び第2端面10Abを有している。
積層体10Aは、第1金属化フィルム21Aと第2金属化フィルム22Aとが厚み方向Tに積層された状態で巻回されてなる巻回体である。つまり、フィルムコンデンサ1は、このような巻回体でもある積層体10Aを有する巻回型のフィルムコンデンサである。
フィルムコンデンサ1では、低背化の観点から、積層体10Aの巻軸方向(図1では、幅方向W)に垂直な断面を見たときに、積層体10Aの断面形状は、扁平形状であることが好ましい。より具体的には、積層体10Aの断面形状が楕円又は長円のような扁平形状にプレスされ、積層体10Aの断面形状が真円であるときよりも厚みが小さい形状とされることが好ましい。
積層体の断面形状が扁平形状となるようにプレスされたかどうかについては、例えば、積層体にプレス痕が存在するかどうかで確認できる。
フィルムコンデンサ1は、円柱状の巻回軸を有していてもよい。巻回軸は、巻回状態の第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aの中心軸上に配置されるものであり、第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aを巻回する際の巻軸となるものである。なお、巻回状態の第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aの中心軸は、図2に示されていないが、左側に位置している。
第1金属化フィルム21Aは、第1誘電体フィルム31と、第1金属層41と、を有している。
第1誘電体フィルム31は、厚み方向Tに対向する第1主面31a及び第2主面31bを有している。
第1金属層41は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上に設けられている。より具体的には、第1金属層41は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届き、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届かないように設けられている。
第2金属化フィルム22Aは、第2誘電体フィルム32と、第2金属層42と、を有している。
第2誘電体フィルム32は、厚み方向Tに対向する第3主面32a及び第4主面32bを有している。
第2金属層42は、第2誘電体フィルム32の第3主面32a上に設けられている。より具体的には、第2金属層42は、第2誘電体フィルム32の第3主面32a上で、幅方向Wにおいて、第2誘電体フィルム32の一方の側縁に届かず、第2誘電体フィルム32の他方の側縁に届くように設けられている。
積層体10Aでは、第1金属層41における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Aの第1端面10Aaに露出し、第2金属層42における第2誘電体フィルム32の側縁に届いている側の端部が積層体10Aの第2端面10Abに露出するように、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aが幅方向Wにずれている。つまり、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aにおいて、第1金属化フィルム21Aは、第2金属化フィルム22Aに対して第1外部電極51側に突出している。また、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aにおいて、第2金属化フィルム22Aは、第1金属化フィルム21Aに対して第2外部電極52側に突出している。このような状態で、第1金属層41は、第1外部電極51に接続され、かつ、第2外部電極52に接続されていない。また、第2金属層42は、第2外部電極52に接続され、かつ、第1外部電極51に接続されていない。
積層体10Aでは、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aが上述したように幅方向Wにずれていることから、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側に突出している。また、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第2金属層42が第3主面32a上に設けられている第2誘電体フィルム32は、第2金属層42が主面上に設けられていない第1誘電体フィルム31に対して第2外部電極52側に突出している。
積層体10Aは、第1金属化フィルム21Aと第2金属化フィルム22Aとが厚み方向Tに積層された状態で巻回されてなることから、第1誘電体フィルム31、第1金属層41、第2誘電体フィルム32、及び、第2金属層42を厚み方向Tに順に含んでいる、と言える。また、積層体10Aは、第1誘電体フィルム31、第1金属層41、第2誘電体フィルム32、及び、第2金属層42が厚み方向Tに順に積層された状態で巻回されてなる巻回体である、とも言える。
積層体10Aでは、第1誘電体フィルム31の第1主面31aと第2誘電体フィルム32の第4主面32bとが厚み方向Tに対向し、かつ、第1誘電体フィルム31の第2主面31bと第2誘電体フィルム32の第3主面32aとが厚み方向Tに対向している。このように、積層体10Aでは、第1金属化フィルム21Aと第2金属化フィルム22Aとが厚み方向Tに積層された状態で巻回されている。言い換えれば、積層体10Aでは、第1金属化フィルム21Aが第2金属化フィルム22Aの内側となり、より具体的には、第1金属層41が第1誘電体フィルム31の内側となり、かつ、第2金属層42が第2誘電体フィルム32の内側となるように、第1金属化フィルム21Aと第2金属化フィルム22Aとが厚み方向Tに積層された状態で巻回されている。つまり、積層体10Aでは、第1金属層41と第2金属層42とは、第1誘電体フィルム31又は第2誘電体フィルム32を挟んで互いに対向している。
第1金属層41には、ヒューズ部が設けられていてもよい。第1金属層41に設けられるヒューズ部は、第1金属層41において、第2金属層42に対向する部分が複数に分割された分割電極部と、第2金属層42に対向しない部分である電極部とを接続する部分である。ヒューズ部が設けられた第1金属層41の電極パターンとしては、例えば、特開2004-363431号公報、特開平5-251266号公報等に開示された電極パターンが挙げられる。
第2金属層42にも、第1金属層41と同様に、ヒューズ部が設けられていてもよい。
第1誘電体フィルム31は、硬化性樹脂を主成分として含んでいてもよい。
本明細書中、主成分は、重量百分率が最も高い成分を意味し、好ましくは、重量百分率が50重量%よりも高い成分を意味する。
硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、光硬化性樹脂であってもよい。
本明細書中、熱硬化性樹脂は、熱で硬化し得る樹脂を意味しているが、その硬化方法を限定するものではない。したがって、熱硬化性樹脂には、熱で硬化し得る樹脂である限り、熱以外の方法(例えば、光、電子ビーム等)でも硬化し得る樹脂も含まれる。また、材料によっては、材料自体が有する反応性によって反応が開始する場合があり、必ずしも外部から熱等を与えなくても硬化が進む樹脂についても、熱硬化性樹脂とする。光硬化性樹脂についても同様であり、光で硬化し得る樹脂である限り、光以外の方法(例えば、熱等)でも硬化し得る樹脂も含まれる。
硬化性樹脂は、水酸基(OH基)を有する第1有機材料と、イソシアネート基(NCO基)を有する第2有機材料との硬化物からなることが好ましい。この場合、硬化性樹脂は、第1有機材料の水酸基と第2有機材料のイソシアネート基とが反応して得られるウレタン結合を有する硬化物からなる。
第1誘電体フィルム31におけるウレタン結合の存在については、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で分析することにより確認できる。
硬化性樹脂が上述した反応により得られる場合、出発材料の未硬化部分が第1誘電体フィルム31中に残留する場合がある。例えば、第1誘電体フィルム31は、水酸基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、第1誘電体フィルム31は、水酸基及びイソシアネート基の一方を含んでいてもよいし、水酸基及びイソシアネート基の両方を含んでいてもよい。
第1誘電体フィルム31における水酸基及び/又はイソシアネート基の存在については、FT-IRで分析することにより確認できる。
第1有機材料としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
第1有機材料としては、複数種類の有機材料が併用されてもよい。
第2有機材料としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。第2有機材料としては、これらのポリイソシアネートの少なくとも1種の変性体が用いられてもよいし、これらのポリイソシアネートの少なくとも1種とその変性体との混合物が用いられてもよい。
第2有機材料としては、複数種類の有機材料が併用されてもよい。
第1誘電体フィルム31は、熱可塑性樹脂を主成分として含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート等が挙げられる。
第1誘電体フィルム31は、各種機能を付加するための添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、平滑性を付与するためのレベリング剤等が挙げられる。
添加剤は、水酸基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し、硬化物の架橋構造の一部を形成するものであることが好ましい。このような添加剤としては、例えば、水酸基、エポキシ基、シラノール基、及び、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂等が挙げられる。
第2誘電体フィルム32も、第1誘電体フィルム31と同様に、硬化性樹脂を主成分として含んでいてもよいし、熱可塑性樹脂を主成分として含んでいてもよい。また、第2誘電体フィルム32も、第1誘電体フィルム31と同様に、添加剤を含んでいてもよい。
第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32の厚みは、好ましくは1μm以上、10μm以下であり、より好ましくは3μm以上、5μm以下である。
第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32の厚みは、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32の厚みについては、光学式膜厚計を用いて測定できる。
第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32は、各々、好ましくは、上述したような樹脂材料を含む樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理で硬化させることにより作製される。
第1金属層41及び第2金属層42の構成材料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属が挙げられる。
第1金属層41及び第2金属層42の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1金属層41及び第2金属層42の厚みは、好ましくは5nm以上、40nm以下である。
第1金属層41及び第2金属層42の厚みは、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1金属層41の厚みについては、第1金属化フィルム21Aの厚み方向における切断面を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより測定できる。第2金属層42の厚みについても、第1金属層41の厚みと同様に測定できる。
第1金属層41及び第2金属層42は、各々、好ましくは、上述したような金属を、第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32の主面に蒸着することにより形成される。
第1外部電極51は、積層体10Aの第1端面10Aaに接続されている。より具体的には、第1外部電極51は、積層体10Aの第1端面10Aaに露出した第1金属層41の端部に接触することで、第1金属層41に接続されている。一方、第1外部電極51は、第2金属層42に接続されていない。
第2外部電極52は、積層体10Aの第2端面10Abに接続されている。より具体的には、第2外部電極52は、積層体10Aの第2端面10Abに露出した第2金属層42の端部に接触することで、第2金属層42に接続されている。一方、第2外部電極52は、第1金属層41に接続されていない。
第1外部電極51及び第2外部電極52の構成材料としては、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属が挙げられる。
第1外部電極51及び第2外部電極52の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1外部電極51及び第2外部電極52は、各々、好ましくは、積層体10Aの第1端面10Aa及び第2端面10Abに、上述したような金属を溶射することにより形成される。
図2に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Aの第1端面10Aaには、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J1を輪郭線とする第1凹凸11aが、厚み方向Tに連続的に存在している。より具体的には、曲線J1は、第1誘電体フィルム31の端部の厚み方向Tにおける中心点同士を結ぶ曲線である。積層体10Aでは、第1端面10Aaが曲線J1で定められ、その形状が第1凹凸11aで定められる凹凸状である、と言える。
上述したように、第1外部電極51は積層体10Aの第1端面10Aaに接続されているが、より具体的には、第1外部電極51は、第1凹凸11aの凹部を埋めることにより、積層体10Aの第1端面10Aaに接続されている。このように、積層体10Aの第1端面10Aaに第1凹凸11aが存在することにより、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接触面積が増えやすくなる。
その一方で、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、等価直列抵抗の増加が抑えられた状態を実現するためには、積層体10Aの第1端面10Aaに第1凹凸11aが存在するだけでは不充分であり、フィルムコンデンサ1の仕様を以下のようにすることが重要である。
フィルムコンデンサ1では、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第1凹凸11aは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。これにより、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接触面積が充分に大きくなるため、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接合性が高まりやすくなる。よって、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、第1外部電極51に生じる引張応力に対する耐性が高まるため、その引張応力によって第1金属化フィルム21Aが第1外部電極51から剥がれにくく、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接合状態が維持されやすくなる。
第1凹凸11aの高さが0.07mmよりも小さい場合、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接触面積が不充分となるため、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接合性が高まりにくくなる。
第1凹凸11aの高さが0.25mmよりも大きい場合、第1誘電体フィルム31が倒れて第1凹凸11aの凹部を塞ぎやすくなるため、金属を溶射することにより第1外部電極51を形成する際、溶射された金属が第1凹凸11aの凹部に入り込みにくくなる。その結果、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接触面積が不充分となるため、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接合性が高まりにくくなる。
第1凹凸11aの間隔が0.07mmよりも小さい場合、金属を溶射することにより第1外部電極51を形成する際、溶射された金属が第1凹凸11aの凹部に入り込みにくくなる。その結果、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接触面積が不充分となるため、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接合性が高まりにくくなる。
第1凹凸11aの間隔が0.15mmよりも大きい場合、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接触面積が不充分となるため、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との接合性が高まりにくくなる。
フィルムコンデンサ1では、幅方向Wにおいて、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第1外部電極51との間には、第1隙間71aが存在している。つまり、フィルムコンデンサ1では、第2誘電体フィルム32と第1外部電極51とは、第1隙間71aが存在している分だけ幅方向Wに離隔して設けられている。図2に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、第1隙間71aの幅方向Wにおける両端は、第2誘電体フィルム32及び第1外部電極51で定められる。一方、第1隙間71aの厚み方向Tにおける両端は、第2誘電体フィルム32を挟んで対向する第1金属化フィルム21Aの一部で定められる。
第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。これにより、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、第1外部電極51に生じる圧縮応力が、上述した幅方向Wにおける長さを有する第1隙間71aによって緩衝されやすくなる。特に、フィルムコンデンサ1が膨張したときに、積層体10Aが第1隙間71aにおいて変形しやすくなるため、第1外部電極51に生じる圧縮応力が緩衝されやすくなる。
第1隙間71aの幅方向Wにおける長さが0.3mmよりも小さい場合、第1外部電極51に生じる圧縮応力が緩衝されにくくなる。
一方、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さが大きくなり過ぎると、フィルムコンデンサ1の幅方向Wにおける長さが大きくなり過ぎて、フィルムコンデンサ1の小型化が困難になることがある。このような観点から、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、好ましくは1.5mm以下である。
第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、好ましくは0.5mm以上、1.5mm以下である。これにより、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、第1外部電極51に生じる圧縮応力が緩衝されやすくなる。更に、フィルムコンデンサ1の小型化も容易になる。
上述したように、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第1誘電体フィルム31は、第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側に突出しているが、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、第2誘電体フィルム32に対する第1誘電体フィルム31の幅方向Wにおける突出長さ以下であればよい。より具体的には、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、第2誘電体フィルム32に対する第1誘電体フィルム31の幅方向Wにおける突出長さと同じであってもよいし、第2誘電体フィルム32に対する第1誘電体フィルム31の幅方向Wにおける突出長さよりも小さくてもよい。
以上のように、フィルムコンデンサ1では、第1凹凸11aの高さ及び間隔が上述した範囲であり、かつ、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さが上述した範囲であることにより、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、引張応力に対する耐性が高まり、かつ、圧縮応力が緩衝されやすくなるため、第1金属化フィルム21Aと第1外部電極51との境界近傍でのクラックの発生が抑制される。そのため、フィルムコンデンサ1では、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、等価直列抵抗の増加が抑えられる。
図2に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Aの第2端面10Abには、第2金属層42が第3主面32a上に設けられている第2誘電体フィルム32の端部同士を結ぶ曲線J2を輪郭線とする第2凹凸12aが、厚み方向Tに連続的に存在している。より具体的には、曲線J2は、第2誘電体フィルム32の端部の厚み方向Tにおける中心点同士を結ぶ曲線である。積層体10Aでは、第2端面10Abが曲線J2で定められ、その形状が第2凹凸12aで定められる凹凸状である、と言える。
上述したように、第2外部電極52は積層体10Aの第2端面10Abに接続されているが、より具体的には、第2外部電極52は、第2凹凸12aの凹部を埋めることにより、積層体10Aの第2端面10Abに接続されている。このように、積層体10Aの第2端面10Abに第2凹凸12aが存在することにより、第2金属化フィルム22Aと第2外部電極52との接触面積が増えやすくなる。
フィルムコンデンサ1では、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第2凹凸12aは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。これにより、第2金属化フィルム22Aと第2外部電極52との接触面積が充分に大きくなるため、第2金属化フィルム22Aと第2外部電極52との接合性が高まりやすくなる。よって、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、第2外部電極52に生じる引張応力に対する耐性が高まるため、その引張応力によって第2金属化フィルム22Aが第2外部電極52から剥がれにくく、第2金属化フィルム22Aと第2外部電極52との接合状態が維持されやすくなる。
第2凹凸12aの高さは、第1凹凸11aの高さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2凹凸12aの間隔は、第1凹凸11aの間隔と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
フィルムコンデンサ1では、幅方向Wにおいて、第2金属層42が主面上に設けられていない第1誘電体フィルム31と第2外部電極52との間には、第2隙間72aが存在している。つまり、フィルムコンデンサ1では、第1誘電体フィルム31と第2外部電極52とは、第2隙間72aが存在している分だけ幅方向Wに離隔して設けられている。図2に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、第2隙間72aの幅方向Wにおける両端は、第1誘電体フィルム31及び第2外部電極52で定められる。一方、第2隙間72aの厚み方向Tにおける両端は、第1誘電体フィルム31を挟んで対向する第2金属化フィルム22Aの一部で定められる。
第2隙間72aの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。これにより、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、第2外部電極52に生じる圧縮応力が、上述した幅方向Wにおける長さを有する第2隙間72aによって緩衝されやすくなる。特に、フィルムコンデンサ1が膨張したときに、積層体10Aが第2隙間72aにおいて変形しやすくなるため、第2外部電極52に生じる圧縮応力が緩衝されやすくなる。
第2隙間72aの幅方向Wにおける長さは、好ましくは1.5mm以下である。
第2隙間72aの幅方向Wにおける長さは、好ましくは0.5mm以上、1.5mm以下である。
第2隙間72aの幅方向Wにおける長さは、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上述したように、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第2誘電体フィルム32は、第1誘電体フィルム31に対して第2外部電極52側に突出しているが、第2隙間72aの幅方向Wにおける長さは、第1誘電体フィルム31に対する第2誘電体フィルム32の幅方向Wにおける突出長さ以下であればよい。より具体的には、第2隙間72aの幅方向Wにおける長さは、第1誘電体フィルム31に対する第2誘電体フィルム32の幅方向Wにおける突出長さと同じであってもよいし、第1誘電体フィルム31に対する第2誘電体フィルム32の幅方向Wにおける突出長さよりも小さくてもよい。
以上のように、フィルムコンデンサ1では、第2凹凸12aの高さ及び間隔が上述した範囲であり、かつ、第2隙間72aの幅方向Wにおける長さが上述した範囲であることにより、フィルムコンデンサ1が低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されたときに、引張応力に対する耐性が高まり、かつ、圧縮応力が緩衝されやすくなるため、第2金属化フィルム22Aと第2外部電極52との境界近傍でのクラックの発生が抑制される。そのため、フィルムコンデンサ1では、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、等価直列抵抗の増加が抑えられる。
上述したフィルムコンデンサ1の仕様を定める際には、以下のようにして作製された試料が用いられる。
図3は、フィルムコンデンサの仕様を定めるための試料を示す斜視模式図である。
まず、図1に示したフィルムコンデンサ1の周囲を封止樹脂で封止した後、ビューラー社製の精密切断機「ISOMET1000」を用いて切断することにより、図3に示すような断面を有する試料100を切り出す。なお、図3では、フィルムコンデンサ1の周囲を封止する際に用いた封止樹脂を省略している。
次に、試料100の断面に対して、ビューラー社製の回転式自動研磨機「ECOMET30」を用いて、封止樹脂を含めた試料100の断面に0.04N/mm以上、0.1N/mm以下の荷重を加えつつ研磨を行う。この際、試料ホルダーの回転数と研磨板の回転数とを、各々、150rpmとする。また、研磨する際に用いたSiC耐水研磨紙の番手と、その番手のSiC耐水研磨紙での研磨時間とについては、SiC耐水研磨紙の使用順に、320番で10分間、600番で3分間、1000番で3分間、1500番で3分間とする。その後、砥粒サイズが3μm及び1μmのダイヤモンドサスペンションを用いて、試料100の断面の鏡面仕上げを行う。
以上により、フィルムコンデンサ1の仕様を定めるための試料100を作製する。
第1凹凸11aの高さは、図3に示した試料100において、以下のようにして定められる。
図4は、図3中の試料の断面の一部であって、第1凹凸の高さを定める方法を説明するための断面模式図である。
まず、走査型電子顕微鏡(SEM)又は光学顕微鏡を用いて、図3に示した試料100の断面を75倍以上、200倍以下に拡大し、図4に示すような試料100の断面を観察する。その後、この観察視野で、画像解析ソフトを用いて、第1誘電体フィルム31における第1外部電極51側の端部同士を結ぶ曲線J1を描く。より具体的には、曲線J1は、第1誘電体フィルム31の上記端部の厚み方向Tにおける中心点同士を結ぶ曲線である。次に、曲線J1に対して、JIS B 0601:2001に準拠して、厚み方向Tに連続する5個の輪郭曲線要素(隣り合う山及び谷を1組にしたもの)の高さH1、高さH2、高さH3、高さH4、及び、高さH5を測定する。このような輪郭曲線要素の高さの測定については、図3に示した試料100の断面において、金属化フィルムの巻き始め位置P1から巻き終わり位置P2に向かって順に厚み方向Tに3等分する領域R1、領域R2、及び、領域R3の厚み方向Tでの各中心部で行う。これにより、領域R1、領域R2、及び、領域R3において、輪郭曲線要素の高さの測定値が合計15個得られる。そして、これら15個の測定値の平均値を算出し、この平均値を第1凹凸11aの高さと定める。
第1凹凸11aの高さを定める際、上述した方法では、輪郭曲線要素の高さの測定を、第1誘電体フィルム31における第1外部電極51側の端部同士を結ぶ曲線J1に対して行っている。その一方で、第1誘電体フィルム31における第2外部電極52側の端部同士を結ぶ曲線J1’も、第1凹凸11aと同様な凹凸状になっている。また、第1外部電極51が金属を溶射することにより形成される場合、第1誘電体フィルム31において、第2外部電極52側の端部は、第1外部電極51側の端部と比較して、金属の溶射による影響を受けにくいため、曲線J1’の方が曲線J1よりも明瞭に定めやすいことがある。このようなことから、輪郭曲線要素の高さの測定を、曲線J1’に対して行ってもよい。この場合、曲線J1’に対して、JIS B 0601:2001に準拠して、厚み方向Tに連続する5個の輪郭曲線要素の高さH1’、高さH2’、高さH3’、高さH4’、及び、高さH5’を測定することを、領域R1、領域R2、及び、領域R3の厚み方向Tでの各中心部で行うこと以外、上述した方法と同様にすればよい。
第1凹凸11aの高さを定める際、曲線J1に対して得られる輪郭曲線要素の高さの平均値と、曲線J1’に対して得られる輪郭曲線要素の高さの平均値とに、有意水準5%において有意差がある場合は、曲線J1’に対して得られる輪郭曲線要素の高さの平均値を優先する。
第2凹凸12aの高さについても、第1凹凸11aの高さと同様にして定められる。
第1凹凸11aの間隔は、図3に示した試料100において、以下のようにして定められる。
図5は、図3中の試料の断面の一部であって、第1凹凸の間隔を定める方法を説明するための断面模式図である。
まず、図4と同様な図5に示すような試料100の断面において、曲線J1に対して、JIS B 0601:2001に準拠して、厚み方向Tに連続する5個の輪郭曲線要素の長さD1、長さD2、長さD3、長さD4、及び、長さD5を測定する。このような輪郭曲線要素の長さの測定については、図3に示した試料100の断面において、領域R1、領域R2、及び、領域R3の厚み方向Tでの各中心部で行う。これにより、領域R1、領域R2、及び、領域R3において、輪郭曲線要素の長さの測定値が合計15個得られる。そして、これら15個の測定値の平均値を算出し、この平均値を第1凹凸11aの間隔と定める。
第1凹凸11aの間隔を定める際、第1凹凸11aの高さを定める際と同様に、輪郭曲線要素の長さの測定を、曲線J1’に対して行ってもよい。この場合、曲線J1’に対して、JIS B 0601:2001に準拠して、厚み方向Tに連続する5個の輪郭曲線要素の長さD1’、長さD2’、長さD3’、長さD4’、及び、長さD5’を測定することを、領域R1、領域R2、及び、領域R3の厚み方向Tでの各中心部で行うこと以外、上述した方法と同様にすればよい。
第1凹凸11aの間隔を定める際、曲線J1に対して得られる輪郭曲線要素の長さの平均値と、曲線J1’に対して得られる輪郭曲線要素の長さの平均値とに、有意水準5%において有意差がある場合は、曲線J1’に対して得られる輪郭曲線要素の長さの平均値を優先する。
第2凹凸12aの間隔についても、第1凹凸11aの間隔と同様にして定められる。
第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、図3に示した試料100において、以下のようにして定められる。
図6は、図3中の試料の断面の一部であって、第1隙間の幅方向における長さを定める方法を説明するための断面模式図である。
まず、図4と同様な図6に示すような試料100の断面で、画像解析ソフトを用いて、第1外部電極51における第1隙間71aと接触する端部同士を結ぶ曲線Kを描く。より具体的には、曲線Kは、第1外部電極51の上記端部の厚み方向Tにおける中心点同士を結ぶ曲線である。また、画像解析ソフトを用いて、第2誘電体フィルム32における第1外部電極51側の端部同士を結ぶ曲線J2’を描く。より具体的には、曲線J2’は、第2誘電体フィルム32の上記端部の厚み方向Tにおける中心点同士を結ぶ曲線である。次に、画像解析ソフトを用いて、JIS B 0601:2001に準拠して、曲線Kに対する中心線M1と、曲線J2’に対する中心線M2とを描く。その後、中心線M1と中心線M2との間の幅方向Wにおける距離である、中心線間の距離L1を測定する。このような中心線間の距離の測定については、図3に示した試料100の断面において、領域R1、領域R2、及び、領域R3の厚み方向Tでの各中心部で行う。これにより、領域R1、領域R2、及び、領域R3において、中心線間の距離の測定値が合計3個得られる。そして、これら3個の測定値の平均値を算出し、この平均値を第1隙間71aの幅方向Wにおける長さと定める。
第2隙間72aの幅方向Wにおける長さについても、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さと同様にして定められる。
フィルムコンデンサ1は、例えば、以下の方法で製造される。
<金属化フィルムの作製工程>
図7は、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの製造方法の一例について、第1金属化フィルムの作製工程を示す斜視模式図である。図8は、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの製造方法の一例について、第2金属化フィルムの作製工程を示す斜視模式図である。
まず、例えば、上述した第1有機材料、第2有機材料、添加剤等を混合することにより、樹脂溶液を作製する。そして、得られた樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理で硬化させることにより、図7及び図8に示すような、第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32を作製する。
次に、図7に示すように、第1誘電体フィルム31の第1主面31aに、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属を蒸着して第1金属層41を形成することにより、第1金属化フィルム21Aを作製する。この際、幅方向において、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届き、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届かないように、第1金属層41を形成する。
また、図8に示すように、第2誘電体フィルム32の第3主面32aに、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属を蒸着して第2金属層42を形成することにより、第2金属化フィルム22Aを作製する。この際、幅方向において、第2誘電体フィルム32の一方の側縁に届かず、第2誘電体フィルム32の他方の側縁に届くように、第2金属層42を形成する。
<積層体の作製工程>
図9は、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサの製造方法の一例について、積層体の作製工程を示す断面模式図である。
まず、図9に示すように、第1金属化フィルム21Aが第1リール軸111に巻回された第1フィルムリール101と、第2金属化フィルム22Aが第2リール軸112に巻回された第2フィルムリール102とを準備する。
次に、第1フィルムリール101から第1金属化フィルム21Aを巻き出し、第2フィルムリール102から第2金属化フィルム22Aを巻き出す。この際、第1誘電体フィルム31の第2主面31bと第2誘電体フィルム32の第3主面32aとが対向するように、第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aを巻き出す。
そして、巻き出された第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aは、幅方向にずれて重なった状態で、巻回軸200に巻回される。
ここで、第1金属化フィルム21Aを巻き出す際、第1リール軸111を巻き出し方向に直交する幅方向に周期的に揺動させる。図10は、図9中の第1フィルムリールから第1金属化フィルムを巻き出す様子を上面視した状態を示す模式図である。図10に示すように、第1リール軸111が幅方向(両矢印で示す方向)に周期的に揺動することにより、第1金属化フィルム21Aが同じ幅方向に周期的に動きつつ巻き出される。
第2金属化フィルム22Aを巻き出す際も同様に、第2リール軸112を巻き出し方向に直交する幅方向に周期的に揺動させる。これにより、第2金属化フィルム22Aが同じ幅方向に周期的に動きつつ巻き出される。
このように、第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aが幅方向に周期的に動きつつ巻き出されることにより、図2に示したような、第1凹凸11aが第1端面10Aaに存在し、かつ、第2凹凸12aが第2端面10Abに存在する積層体10Aが、巻回軸200に巻回された状態で作製される。
更に、第1リール軸111及び第2リール軸112を揺動させる際、揺動タイミング、揺動周期、揺動距離等の揺動条件を調整することにより、第1凹凸11aの高さ及び間隔、並びに、第2凹凸12aの高さ及び間隔を調整できる。
巻回軸200の巻回速度を、第1リール軸111及び第2リール軸112の揺動条件と組み合わせて調整することによっても、第1凹凸11aの高さ及び間隔、並びに、第2凹凸12aの高さ及び間隔を調整できる。
例えば、第1リール軸111と第2リール軸112との間で揺動タイミング及び揺動周期が同じであり、かつ、巻回軸200の巻回速度が一定である条件下では、第1凹凸11aの間隔、及び、第2凹凸12aの間隔が同程度になる。
また、第1リール軸111と第2リール軸112との間で揺動タイミング及び揺動周期が同じであり、かつ、巻回軸200の巻回速度が一定である条件下では、第1リール軸111及び第2リール軸112の揺動距離が大きいほど、第1凹凸11aの高さ、及び、第2凹凸12aの高さが大きくなる。
また、第1リール軸111と第2リール軸112との間で揺動タイミング、揺動周期、及び、揺動距離が同じである条件下では、巻回軸200の巻回速度が遅いほど、第1凹凸11aの間隔、及び、第2凹凸12aの間隔が小さくなる。
なお、第1リール軸111及び第2リール軸112を幅方向に揺動させる代わりに、巻回軸200を幅方向に揺動させたり、第1金属化フィルム21A及び第2金属化フィルム22Aを走行させる走行ローラを幅方向に揺動させたりしても、図2に示したような積層体10Aを、巻回軸200に巻回された状態で作製できる。
その後、必要に応じて、得られた積層体10Aを、幅方向に直交する方向から挟んで楕円円筒形状にプレスしてもよい。
<外部電極の形成工程>
積層体10Aの第1端面10Aaに、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属を溶射することにより、図2に示した第1外部電極51を、第1金属層41に接続されるように形成する。この際、溶射ノズルから積層体10Aの第1端面10Aaまでの距離、溶射ノズルのエアー圧等の溶射条件を調整することにより、図2に示した第1隙間71aを第2誘電体フィルム32と第1外部電極51との間に設けつつ、第1隙間71aの幅方向における長さを調整できる。
また、積層体10Aの第2端面10Abに、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属を溶射することにより、図2に示した第2外部電極52を、第2金属層42に接続されるように形成する。この際、溶射ノズルから積層体10Aの第2端面10Abまでの距離、溶射ノズルのエアー圧等の溶射条件を調整することにより、図2に示した第2隙間72aを第1誘電体フィルム31と第2外部電極52との間に設けつつ、第2隙間72aの幅方向における長さを調整できる。
その後、必要に応じて、得られた第1外部電極51及び第2外部電極52の各々に導体端子を接続した後、積層体10A、第1外部電極51、及び、第2外部電極52の周囲を樹脂で封止してもよい。
以上により、図1及び図2に示したフィルムコンデンサ1を製造する。
[実施形態2]
本発明の実施形態2のフィルムコンデンサでは、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサと異なり、第2金属層は、第1誘電体フィルムの第2主面上に設けられている。
図11は、本発明の実施形態2のフィルムコンデンサの一例を示す断面模式図である。
図11に示すように、フィルムコンデンサ2は、積層体10Bと、第1外部電極51と、第2外部電極52と、を有している。
積層体10Bは、幅方向Wに対向する第1端面10Ba及び第2端面10Bbを有している。
積層体10Bは、第1金属化フィルム21Bと第2誘電体フィルム32とが厚み方向Tに積層された状態で巻回されてなる巻回体である。
第1金属化フィルム21Bは、第1誘電体フィルム31と、第1金属層41と、第2金属層42と、を有している。
積層体10Bにおいて、第1金属層41は、図2に示した積層体10Aと同様に、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上に設けられている。より具体的には、第1金属層41は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届き、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届かないように設けられている。
積層体10Bにおいて、第2金属層42は、図2に示した積層体10Aと異なり、第1誘電体フィルム31の第2主面31b上に設けられている。より具体的には、第2金属層42は、第1誘電体フィルム31の第2主面31b上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届かず、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届くように設けられている。
積層体10Bにおいて、第2誘電体フィルム32の第3主面32a及び第4主面32bの両主面上には、金属層が設けられていない。
積層体10Bでは、第1誘電体フィルム31が第2誘電体フィルム32よりも幅方向Wにおいて長くなっていることで、第1金属層41における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Bの第1端面10Baに露出し、第2金属層42における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Bの第2端面10Bbに露出している。つまり、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21B及び第2誘電体フィルム32において、第1金属化フィルム21Bは、第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側及び第2外部電極52側に突出している。このような状態で、第1金属層41は、第1外部電極51に接続され、かつ、第2外部電極52に接続されていない。また、第2金属層42は、第2外部電極52に接続され、かつ、第1外部電極51に接続されていない。
積層体10Bでは、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21B及び第2誘電体フィルム32が上述したような位置関係にあることから、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側に突出している。また、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第2金属層42が第2主面31b上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第2金属層42が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第2外部電極52側に突出している。
図11に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Bの第1端面10Baには、図2に示した積層体10Aの第1端面10Aaと同様に、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J1を輪郭線とする第1凹凸11aが、厚み方向Tに連続的に存在している。
フィルムコンデンサ2では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第1凹凸11aは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。
フィルムコンデンサ2では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、幅方向Wにおいて、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第1外部電極51との間には、第1隙間71aが存在している。
フィルムコンデンサ2では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。
図11に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Bの第2端面10Bbには、第2金属層42が第2主面31b上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J3を輪郭線とする第2凹凸12bが、厚み方向Tに連続的に存在している。より具体的には、曲線J3は、第1誘電体フィルム31の端部の厚み方向Tにおける中心点同士を結ぶ曲線である。積層体10Bでは、第2端面10Bbが曲線J3で定められ、その形状が第2凹凸12bで定められる凹凸状である、と言える。
フィルムコンデンサ2では、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第2凹凸12bは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。
第2凹凸12bの高さについては、第1凹凸11aの高さと同様にして定められる。
第2凹凸12bの間隔については、第1凹凸11aの間隔と同様にして定められる。
フィルムコンデンサ2では、幅方向Wにおいて、第2金属層42が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第2外部電極52との間には、第2隙間72bが存在している。
フィルムコンデンサ2では、第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。
第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、好ましくは1.5mm以下である。
第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、好ましくは0.5mm以上、1.5mm以下である。
第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2隙間72bの幅方向Wにおける長さについては、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さと同様にして定められる。
上述したように、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第1誘電体フィルム31は、第2誘電体フィルム32に対して第2外部電極52側に突出しているが、第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、第2誘電体フィルム32に対する第1誘電体フィルム31の幅方向Wにおける突出長さ以下であればよい。より具体的には、第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、第2誘電体フィルム32に対する第1誘電体フィルム31の幅方向Wにおける突出長さと同じであってもよいし、第2誘電体フィルム32に対する第1誘電体フィルム31の幅方向Wにおける突出長さよりも小さくてもよい。
以上のように、フィルムコンデンサ2では、第1凹凸11a及び第2凹凸12bについて高さ及び間隔が上述した範囲であり、かつ、第1隙間71a及び第2隙間72bについて幅方向Wにおける長さが上述した範囲であることにより、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様の作用効果が得られる。
[実施形態3]
本発明の実施形態3のフィルムコンデンサでは、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサと異なり、第2金属層は、第1誘電体フィルムの第1主面上で、第1金属層と離隔して設けられ、第2誘電体フィルムの第3主面上には、第1外部電極及び第2外部電極に接続されていない第3金属層が設けられている。
図12は、本発明の実施形態3のフィルムコンデンサの一例を示す断面模式図である。
図12に示すように、フィルムコンデンサ3は、積層体10Cと、第1外部電極51と、第2外部電極52と、を有している。
積層体10Cは、幅方向Wに対向する第1端面10Ca及び第2端面10Cbを有している。
積層体10Cは、第1金属化フィルム21Cと第2金属化フィルム22Bとが厚み方向Tに積層された状態で巻回されてなる巻回体である。
第1金属化フィルム21Cは、第1誘電体フィルム31と、第1金属層41と、第2金属層42と、を有している。
積層体10Cにおいて、第1金属層41は、図2に示した積層体10Aと同様に、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上に設けられている。より具体的には、第1金属層41は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届き、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届かないように設けられている。
積層体10Cにおいて、第2金属層42は、図2に示した積層体10Aと異なり、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、第1金属層41と離隔して設けられている。より具体的には、第2金属層42は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届かず、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届くように設けられている。
第2金属化フィルム22Bは、第2誘電体フィルム32と、第3金属層43と、を有している。
積層体10Cにおいて、第2誘電体フィルム32の第3主面32a上には、図2に示した積層体10Aと異なり、第3金属層43が設けられている。より具体的には、第3金属層43は、第2誘電体フィルム32の第3主面32a上で、幅方向Wにおいて、第2誘電体フィルム32の一方の側縁及び他方の側縁に届かないように設けられている。
積層体10Cでは、第1誘電体フィルム31が第2誘電体フィルム32よりも幅方向Wにおいて長くなっていることで、第1金属層41における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Cの第1端面10Caに露出し、第2金属層42における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Cの第2端面10Cbに露出している。つまり、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21C及び第2金属化フィルム22Bにおいて、第1金属化フィルム21Cは、第2金属化フィルム22Bに対して第1外部電極51側及び第2外部電極52側に突出している。このような状態で、第1金属層41は、第1外部電極51に接続され、かつ、第2外部電極52に接続されていない。また、第2金属層42は、第2外部電極52に接続され、かつ、第1外部電極51に接続されていない。また、第3金属層43は、第1外部電極51及び第2外部電極52に接続されていない。このように、フィルムコンデンサ3では、第1金属層41及び第3金属層43で構成されたコンデンサと、第2金属層42及び第3金属層43で構成されたコンデンサとが、直列に接続されていることになる。
積層体10Cでは、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21C及び第2金属化フィルム22Bが上述したような位置関係にあることから、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側に突出している。また、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第2金属層42が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第2金属層42が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第2外部電極52側に突出している。
図12に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Cの第1端面10Caには、図2に示した積層体10Aの第1端面10Aaと同様に、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J1を輪郭線とする第1凹凸11aが、厚み方向Tに連続的に存在している。
フィルムコンデンサ3では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第1凹凸11aは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。
フィルムコンデンサ3では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、幅方向Wにおいて、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第1外部電極51との間には、第1隙間71aが存在している。
フィルムコンデンサ3では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。
図12に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Cの第2端面10Cbには、第2金属層42が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J3を輪郭線とする第2凹凸12bが、厚み方向Tに連続的に存在している。積層体10Cでは、第2端面10Cbが曲線J3で定められ、その形状が第2凹凸12bで定められる凹凸状である、と言える。
フィルムコンデンサ3では、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第2凹凸12bは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。
フィルムコンデンサ3では、幅方向Wにおいて、第2金属層42が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第2外部電極52との間には、第2隙間72bが存在している。
フィルムコンデンサ3では、第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。
以上のように、フィルムコンデンサ3では、第1凹凸11a及び第2凹凸12bについて高さ及び間隔が上述した範囲であり、かつ、第1隙間71a及び第2隙間72bについて幅方向Wにおける長さが上述した範囲であることにより、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様の作用効果が得られる。
[実施形態4]
本発明の実施形態4のフィルムコンデンサでは、本発明の実施形態1のフィルムコンデンサと異なり、第2金属層は、第1誘電体フィルムの第1主面上で、第1金属層と離隔して設けられ、第1誘電体フィルムの第2主面上には、第1外部電極及び第2外部電極に接続されていない第3金属層が設けられている。
図13は、本発明の実施形態4のフィルムコンデンサの一例を示す断面模式図である。
図13に示すように、フィルムコンデンサ4は、積層体10Dと、第1外部電極51と、第2外部電極52と、を有している。
積層体10Dは、幅方向Wに対向する第1端面10Da及び第2端面10Dbを有している。
積層体10Dは、第1金属化フィルム21Dと第2誘電体フィルム32とが厚み方向Tに積層された状態で巻回されてなる巻回体である。
第1金属化フィルム21Dは、第1誘電体フィルム31と、第1金属層41と、第2金属層42と、第3金属層43と、を有している。
積層体10Dにおいて、第1金属層41は、図2に示した積層体10Aと同様に、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上に設けられている。より具体的には、第1金属層41は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届き、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届かないように設けられている。
積層体10Dにおいて、第2金属層42は、図2に示した積層体10Aと異なり、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、第1金属層41と離隔して設けられている。より具体的には、第2金属層42は、第1誘電体フィルム31の第1主面31a上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁に届かず、第1誘電体フィルム31の他方の側縁に届くように設けられている。
積層体10Dにおいて、第1誘電体フィルム31の第2主面31b上には、図2に示した積層体10Aと異なり、第3金属層43が設けられている。より具体的には、第3金属層43は、第1誘電体フィルム31の第2主面31b上で、幅方向Wにおいて、第1誘電体フィルム31の一方の側縁及び他方の側縁に届かないように設けられている。
積層体10Dにおいて、第2誘電体フィルム32の第3主面32a及び第4主面32bの両主面上には、金属層が設けられていない。
積層体10Dでは、第1誘電体フィルム31が第2誘電体フィルム32よりも幅方向Wにおいて長くなっていることで、第1金属層41における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Dの第1端面10Daに露出し、第2金属層42における第1誘電体フィルム31の側縁に届いている側の端部が積層体10Dの第2端面10Dbに露出している。つまり、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21D及び第2誘電体フィルム32において、第1金属化フィルム21Dは、第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側及び第2外部電極52側に突出している。このような状態で、第1金属層41は、第1外部電極51に接続され、かつ、第2外部電極52に接続されていない。また、第2金属層42は、第2外部電極52に接続され、かつ、第1外部電極51に接続されていない。また、第3金属層43は、第1外部電極51及び第2外部電極52に接続されていない。このように、フィルムコンデンサ4では、第1金属層41及び第3金属層43で構成されたコンデンサと、第2金属層42及び第3金属層43で構成されたコンデンサとが、直列に接続されていることになる。
積層体10Dでは、厚み方向Tに隣り合う第1金属化フィルム21D及び第2誘電体フィルム32が上述したような位置関係にあることから、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第1外部電極51側に突出している。また、厚み方向Tに隣り合う第1誘電体フィルム31及び第2誘電体フィルム32において、第2金属層42が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31は、第2金属層42が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32に対して第2外部電極52側に突出している。
図13に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Dの第1端面10Daには、図2に示した積層体10Aの第1端面10Aaと同様に、第1金属層41が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J1を輪郭線とする第1凹凸11aが、厚み方向Tに連続的に存在している。
フィルムコンデンサ4では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第1凹凸11aは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。
フィルムコンデンサ4では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、幅方向Wにおいて、第1金属層41が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第1外部電極51との間には、第1隙間71aが存在している。
フィルムコンデンサ4では、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様に、第1隙間71aの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。
図13に示すような、厚み方向T及び幅方向Wに沿う断面を見たとき、積層体10Dの第2端面10Dbには、第2金属層42が第1主面31a上に設けられている第1誘電体フィルム31の端部同士を結ぶ曲線J3を輪郭線とする第2凹凸12bが、厚み方向Tに連続的に存在している。積層体10Dでは、第2端面10Dbが曲線J3で定められ、その形状が第2凹凸12bで定められる凹凸状である、と言える。
フィルムコンデンサ4では、JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、第2凹凸12bは、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下である。
フィルムコンデンサ4では、幅方向Wにおいて、第2金属層42が主面上に設けられていない第2誘電体フィルム32と第2外部電極52との間には、第2隙間72bが存在している。
フィルムコンデンサ4では、第2隙間72bの幅方向Wにおける長さは、0.3mm以上である。
以上のように、フィルムコンデンサ4では、第1凹凸11a及び第2凹凸12bについて高さ及び間隔が上述した範囲であり、かつ、第1隙間71a及び第2隙間72bについて幅方向Wにおける長さが上述した範囲であることにより、図2に示したフィルムコンデンサ1と同様の作用効果が得られる。
以下、本発明のフィルムコンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
フィルムコンデンサ試料1~45を、以下の方法で製造した。
<金属化フィルムの作製工程>
まず、第1有機材料としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂と、第2有機材料としてのMDIとを混合することにより、樹脂溶液を作製した。そして、得られた樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理で硬化させることにより、第1誘電体フィルム及び第2誘電体フィルムを作製した。第1誘電体フィルム及び第2誘電体フィルムの厚みは、3μmであった。
次に、第1誘電体フィルムの第1主面にアルミニウムを蒸着して第1金属層を形成することにより、第1金属化フィルムを作製した。この際、幅方向において、第1誘電体フィルムの一方の側縁に届き、第1誘電体フィルムの他方の側縁に届かないように、第1金属層を形成した。第1金属層の厚みは、20nmであった。
また、第2誘電体フィルムの第3主面にアルミニウムを蒸着して第2金属層を形成することにより、第2金属化フィルムを作製した。この際、幅方向において、第2誘電体フィルムの一方の側縁に届かず、第2誘電体フィルムの他方の側縁に届くように、第2金属層を形成した。第2金属層の厚みは、20nmであった。
<積層体の作製工程>
まず、第1金属化フィルムが第1リール軸に巻回された第1フィルムリールと、第2金属化フィルムが第2リール軸に巻回された第2フィルムリールとを準備した。
次に、第1フィルムリールから第1金属化フィルムを巻き出し、第2フィルムリールから第2金属化フィルムを巻き出した。この際、第1誘電体フィルムの第2主面と第2誘電体フィルムの第3主面とが対向するように、第1金属化フィルム及び第2金属化フィルムを巻き出した。
そして、巻き出された第1金属化フィルム及び第2金属化フィルムは、幅方向に1.0mmずれて重なった状態で、巻回軸に巻回された。巻回軸の巻回速度については、1m/秒とした。
ここで、第1金属化フィルムを巻き出す際、第1リール軸を巻き出し方向に直交する幅方向に周期的に揺動させた。第2金属化フィルムを巻き出す際も同様に、第2リール軸を巻き出し方向に直交する幅方向に周期的に揺動させた。これにより、第1凹凸が第1端面に存在し、かつ、第2凹凸が第2端面に存在する積層体が、巻回軸に巻回された状態で作製された。
更に、第1リール軸及び第2リール軸を揺動させる際、揺動タイミングを同じとしつつ、揺動周期及び揺動距離を調整することにより、各フィルムコンデンサ試料において、第1凹凸の高さ及び間隔、並びに、第2凹凸の高さ及び間隔が、上述した方法で測定されたときに表1に示す仕様となるようにした。なお、各フィルムコンデンサ試料では、第1凹凸の高さと第2凹凸の高さとに、有意水準5%において有意差が認められず、また、第1凹凸の間隔と第2凹凸の間隔とに、有意水準5%において有意差が認められなかったため、表1では、単に「凹凸高さH」及び「凹凸間隔D」と表記する。また、表1では、フィルムコンデンサ試料を単に「試料」と表記する。
その後、得られた積層体を、幅方向に直交する方向から挟んで楕円円筒形状にプレスした。
<外部電極の形成工程>
積層体の第1端面に亜鉛-アルミニウム合金を溶射することにより、第1外部電極を第1金属層に接続されるように形成した。
また、積層体の第2端面に亜鉛-アルミニウム合金を溶射することにより、第2外部電極を第2金属層に接続されるように形成した。
ここで、第1外部電極及び第2外部電極を形成する際、溶射ノズルから積層体の各端面までの距離、及び、溶射ノズルのエアー圧を調整することにより、各フィルムコンデンサ試料において、第1隙間を第2誘電体フィルムと第1外部電極との間に設け、かつ、第2隙間を第1誘電体フィルムと第2外部電極との間に設けつつ、第1隙間及び第2隙間の幅方向における長さが、上述した方法で測定されたときに表1に示す仕様となるようにした。なお、各フィルムコンデンサ試料では、第1隙間の幅方向における長さと第2隙間の幅方向における長さとに、有意水準5%において有意差が認められなかったため、表1では、単に「隙間長さL」と表記する。
その後、得られた第1外部電極及び第2外部電極の各々に導体端子を接続した後、積層体、第1外部電極、及び、第2外部電極の周囲を樹脂で封止した。
以上により、フィルムコンデンサ試料1~45を製造した。
[評価]
フィルムコンデンサ試料1~45に対して、最低温度-40℃でキープ時間30分、最高温度125℃でキープ時間30分とする温度サイクルを1000サイクル行う気槽式の冷熱衝撃試験(以下、単に試験とも言う)を実施した。そして、各フィルムコンデンサ試料における試験前後での等価直列抵抗(ESR)の変化を、以下の指標で評価した。評価結果を、表1に示す。
○:試験後のESRが、試験前のESRの1.5倍以下であった。
△:試験後のESRが、試験前のESRの1.5倍よりも大きく、2倍以下であった。
×:試験後のESRが、試験前のESRの2倍よりも大きかった。
Figure 0007451755000001
表1において、試料名に*を付したものは、本発明の範囲外の比較例である。
表1に示すように、凹凸高さが0.07mm以上、0.25mm以下、凹凸間隔が0.07mm以上、0.15mm以下、隙間長さが0.3mm以上である、フィルムコンデンサ試料22、23、24、37、38、39では、他のフィルムコンデンサ試料と比較して、試験後のESRの増加が抑えられていた。このことから、フィルムコンデンサ試料22、23、24、37、38、39では、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、金属化フィルムと外部電極との境界近傍でのクラックの発生が抑制されていると考えられる。なお、隙間長さと外部電極に生じる応力との関係をシミュレーションすると、隙間長さが0.3mm以上である場合は、隙間長さが0.3mm未満である場合と比較して、外部電極に生じる応力が小さくなっていることが確認された。このことからも、フィルムコンデンサ試料22、23、24、37、38、39では、金属化フィルムと外部電極との境界近傍でのクラックの発生が抑制されていると考えられる。更に、フィルムコンデンサ試料22、23、24、37、38、39では、凹凸高さが0.07mm以上、0.25mm以下、凹凸間隔が0.07mm以上、0.15mm以下であるため、金属化フィルムと外部電極との接触面積が充分に大きく、金属化フィルムと外部電極との接合性が高まりやすくなっていると考えられる。
また、隙間長さが0.5mm以上であるフィルムコンデンサ試料37、38、39では、隙間長さが0.3mm以上、0.5mm未満であるフィルムコンデンサ試料22、23、24と比較して、試験後のESRの増加が抑えられていた。これにより、隙間長さは、好ましくは0.5mm以上であると考えられる。なお、隙間長さと外部電極に生じる応力との関係をシミュレーションすると、隙間長さが0.5mm以上である場合は、隙間長さが0.3mm以上、0.5mm未満である場合と比較して、外部電極に生じる応力が小さくなっていることが確認された。このことから、フィルムコンデンサ試料37、38、39では、フィルムコンデンサ試料22、23、24と比較して、低温状態及び高温状態を繰り返すように使用されても、金属化フィルムと外部電極との境界近傍でのクラックの発生が充分に抑制されていると考えられる。
1、2、3、4 フィルムコンデンサ
10A、10B、10C、10D 積層体
10Aa、10Ba、10Ca、10Da 積層体の第1端面
10Ab、10Bb、10Cb、10Db 積層体の第2端面
11a 第1凹凸
12a、12b 第2凹凸
21A、21B、21C、21D 第1金属化フィルム
22A、22B 第2金属化フィルム
31 第1誘電体フィルム
31a 第1誘電体フィルムの第1主面
31b 第1誘電体フィルムの第2主面
32 第2誘電体フィルム
32a 第2誘電体フィルムの第3主面
32b 第2誘電体フィルムの第4主面
41 第1金属層
42 第2金属層
43 第3金属層
51 第1外部電極
52 第2外部電極
71a 第1隙間
72a、72b 第2隙間
100 試料
101 第1フィルムリール
102 第2フィルムリール
111 第1リール軸
112 第2リール軸
200 巻回軸
D1、D2、D3、D4、D5、D1’、D2’、D3’、D4’、D5’ 輪郭曲線要素の長さ
H1、H2、H3、H4、H5、H1’、H2’、H3’、H4’、H5’ 輪郭曲線要素の高さ
J1、J1’、J2、J2’、J3、K 曲線
L1 中心線間の距離
M1、M2 中心線
P1 金属化フィルムの巻き始め位置
P2 金属化フィルムの巻き終わり位置
R1、R2、R3 領域
T 厚み方向
W 幅方向

Claims (7)

  1. 第1誘電体フィルム、第2誘電体フィルム、第1金属層、及び、第2金属層を含み、かつ、幅方向に対向する第1端面及び第2端面を有する積層体と、
    前記積層体の前記第1端面に接続された第1外部電極と、
    前記積層体の前記第2端面に接続された第2外部電極と、を備え、
    前記第1誘電体フィルムは、前記幅方向に直交する厚み方向に対向する第1主面及び第2主面を有し、
    前記第2誘電体フィルムは、前記厚み方向に対向する第3主面及び第4主面を有し、
    前記積層体では、前記第1誘電体フィルムの前記第1主面と前記第2誘電体フィルムの前記第4主面とが前記厚み方向に対向し、かつ、前記第1誘電体フィルムの前記第2主面と前記第2誘電体フィルムの前記第3主面とが前記厚み方向に対向し、
    前記第1金属層は、前記第1誘電体フィルムの前記第1主面上に設けられているとともに、前記第1外部電極に接続され、かつ、前記第2外部電極に接続されず、
    前記第2金属層は、前記第1誘電体フィルムの前記第1主面、前記第1誘電体フィルムの前記第2主面、前記第2誘電体フィルムの前記第3主面のいずれかの主面上に設けられているとともに、前記第2外部電極に接続され、かつ、前記第1外部電極に接続されず、
    前記厚み方向に隣り合う前記第1誘電体フィルム及び前記第2誘電体フィルムにおいて、前記第1金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムは、前記第1金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムに対して前記第1外部電極側に突出し、
    前記厚み方向及び前記幅方向に沿う断面を見たとき、前記積層体の前記第1端面には、前記第1金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムの端部同士を結ぶ曲線を輪郭線とする第1凹凸が、前記厚み方向に連続的に存在し、
    JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、前記第1凹凸は、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下であり、
    前記幅方向において、前記第1金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムと前記第1外部電極との間には、第1隙間が存在し、
    前記第1隙間の前記幅方向における長さは、0.3mm以上であり、
    前記厚み方向に隣り合う前記第1誘電体フィルム及び前記第2誘電体フィルムにおいて、前記第2金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムは、前記第2金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムに対して前記第2外部電極側に突出し、
    前記厚み方向及び前記幅方向に沿う断面を見たとき、前記積層体の前記第2端面には、前記第2金属層が主面上に設けられている誘電体フィルムの端部同士を結ぶ曲線を輪郭線とする第2凹凸が、前記厚み方向に連続的に存在し、
    JIS B 0601:2001に準拠して測定されたとき、前記第2凹凸は、高さが0.07mm以上、0.25mm以下、間隔が0.07mm以上、0.15mm以下であり、
    前記幅方向において、前記第2金属層が主面上に設けられていない誘電体フィルムと前記第2外部電極との間には、第2隙間が存在し、
    前記第2隙間の前記幅方向における長さは、0.3mm以上である、ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 前記第1隙間の前記幅方向における長さは、0.5mm以上、1.5mm以下である、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記第2隙間の前記幅方向における長さは、0.5mm以上、1.5mm以下である、請求項1又は2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記第2金属層は、前記第2誘電体フィルムの前記第3主面上に設けられている、請求項1~3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記第2金属層は、前記第1誘電体フィルムの前記第2主面上に設けられている、請求項1~3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記第2金属層は、前記第1誘電体フィルムの前記第1主面上で、前記第1金属層と離隔して設けられ、
    前記第2誘電体フィルムの前記第3主面上には、前記第1外部電極及び前記第2外部電極に接続されていない第3金属層が設けられている、請求項1~3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  7. 前記第2金属層は、前記第1誘電体フィルムの前記第1主面上で、前記第1金属層と離隔して設けられ、
    前記第1誘電体フィルムの前記第2主面上には、前記第1外部電極及び前記第2外部電極に接続されていない第3金属層が設けられている、請求項1~3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
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