JPH09102268A

JPH09102268A - ショートアーク型放電ランプ

Info

Publication number: JPH09102268A
Application number: JP28439695A
Authority: JP
Inventors: Masamitsu Oyama; 将允大山; Mitsuo Narita; 光男成田; Kenji Imamura; 賢二今村
Original assignee: Ushio Denki KK; Ushio Inc
Current assignee: Ushio Denki KK; Ushio Inc
Priority date: 1995-10-06
Filing date: 1995-10-06
Publication date: 1997-04-15
Anticipated expiration: 2015-10-06
Also published as: JP3149748B2

Abstract

(57)【要約】【課題】トリガーワイヤーと口金が短絡せず、反射鏡
に固定されて給電端子を取り付ける際にランプ自身が回
転しないショートアーク型放電ランプを提供することに
ある。【解決手段】内部に陰極２と陽極３が対向配置された
発光部１と、その発光部１の端部に形成された封止部４
ａ，４ｂから成り、陰極封止部４ａから突出した外部リ
ード棒６に結線されたトリガーワイヤー７が陽極封止部
４ａで巻き回されて固定されるショートアーク放電ラン
プにおいて、前記陽極封止部４ａは、その端部に導電性
の口金８が取り付けられ、この口金８の発光部側に、該
口金８に嵌合された陽極側封止部４ｂを保持する絶縁部
材９を設けたことを特徴とするショートアーク型放電ラ
ンプ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、液晶プロジェク
ターなどの光学装置に利用されるショートアーク型放電
ランプに関する。

【０００２】

【従来技術】高輝度、高演色性を得るためショートアー
ク型放電ランプであるメタルハライドランプが液晶プロ
ジェクター等の光学装置のバックライトとして好適に使
用されている。このような光学装置は、メタルハライド
ランプから放出される光を制御するために、凹面反射鏡
（以下、反射鏡と呼ぶ）が用いられており、この反射鏡
の首部に、メタルハライドランプの一方の封止部を挿通
し、この首部に接着剤を充填してメタルハライドランプ
を反射鏡に固定している。そして、反射鏡の首部に固定
されるメタルハライドランプの封止部には、口金が取り
付けられており、この口金の後端部が反射鏡の首部の後
端から突出して、光学装置の給電用端子に取り付けられ
ている。一方、他方の封止部からは、外部リード棒が突
出しており、この外部リード棒に給電用のリード線が取
り付けられている。

【０００３】さらに、このメタルハライドランプは、始
動性を高めるために、反射鏡の首部に固定されていない
一方の封止部から突出する外部リード棒から他方の封止
部に耐熱金属性のトリガーワイヤーを張り渡し固定して
いる。また、交流点灯の場合、一方の封止部から突出す
る外部リード棒から他方の封止部にトリガーワイヤーを
張り渡す際、そのトリガーワイヤーは他方の封止部にお
いて、封止部と発光部の境界部分で巻き回して固定され
ることが一般的である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一方、直流点灯の場
合、陰極側封止部から突出した外部リード棒から陽極側
封止部にトリガーワイヤーを張り渡し、そのトリガーワ
イヤーを陽極側封止部において、封止部と発光部の境界
部分で巻き回して固定している。しかしながら、このよ
うな構成においては陽極を封止した封止部において、直
流電界による石英ガラスの腐食が進行し、点灯数百時間
程度で小さな孔があくことがある。この結果、発光部が
リークして、発光部内の気密性が失われ不点灯したり、
電極が酸化して発光部が黒化するという問題が発生し
た。

【０００５】一方、このような現象を改善するために、
陽極側封止部のトリガーワイヤーの固定位置を発光部と
封止部の境界部分より封止部端部の方向にずらして固定
することを試みた。しかしながら、ショートアーク型放
電ランプを、液晶プロジェクター等の光学装置のバック
ライトとして使用する場合、反射鏡の首部に挿通して固
定される陽極側封止部には、その端部において給電用の
導電性の口金が取り付けられている。そして、トリガー
ワイヤーの固定位置を封止部端部の方向にずらしていけ
ば、それだけ導電性の口金に近づくことになり、ランプ
を点灯する時、１０ｋｖ〜１５ｋｖの始動電圧をかける
ので、トリガーワイヤーと口金との絶縁距離がとれず、
短絡してしまうという問題が発生した。

【０００６】そこで、トリガーワイヤーを巻き回し固定
した封止部（この場合、陽極側封止部）を長くしてトリ
ガーワイヤーと口金との絶縁距離を大きくすることも考
えられる。しかしながら、通常、発光部の両方に伸びる
封止部の長さは、封止部加工機を簡素化するうえで同一
ピンチャーによってそれぞれの封止部が形成されるの
で、両方の封止部の長さはほぼ同じ長さである。この結
果、反射鏡の首部に一方の封止部を挿通固定し、他方の
封止部を反射鏡の開口部方向に伸びるようなショートア
ーク型放電ランプにおいては、反射鏡の開口部方向に伸
びる封止部が長くなりすぎると、反射鏡から反射される
光がこの封止部によって遮られるという問題がある。

【０００７】また、反射鏡の首部に挿通固定される封止
部だけを長くする場合は、この封止部に埋設される金属
箔が封止工程において曲がり易く、電極の軸ずれの原因
になることがある。

【０００８】さらに、液晶プロジェクター等の光学装置
のバックライトとして利用されるショートアーク型放電
ランプでは、その用途から消費電力が自ずとある範囲に
おさまり、これによって管壁負荷が定まり、発光部の大
きさがある範囲で決まるものである。そして、封止部に
埋設される金属箔が酸化しない程度の温度になるように
封止部の長さも決められている。つまり、上記説明した
ように封止部の長さや発光部の大きさは、自ずとその適
切な範囲が導き出されるものであり、反射鏡の焦点距離
等の条件から、ショートアーク型放電ランプは、封止部
の長さを極端に長くすることはできない。つまり、トリ
ガーワイヤーと口金との絶縁距離をこのような条件下で
は大きくとることはできない。

【０００９】そして、一方の封止部を反射鏡の首部に挿
通し、この首部に接着剤を充填してショートアーク型放
電ランプを反射鏡に一体に組み付けた光学装置では、こ
の首部の後端から突出した口金に、給電用の端子を接続
する。この時、口金にネジ溝が切られた突起部が形成さ
れており、この突起部に給電用の端子を嵌め込み、この
状態で、ナットを回転させることによって、端子を口金
に接続固定していた。しかし、ナットを回転して端子を
口金に固定する際、口金に回転力がかかり、接着剤で反
射鏡の首部に固定されているショートアーク放電ランプ
が回転してしまい、反射鏡とショートアーク放電ランプ
が固定されなくなってしまうという問題があった。

【００１０】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、その第１の目的は、トリガーワイヤーと封止
部端部に取り付けられた口金との絶縁距離を十分にと
り、ショートアーク型放電ランプを点灯させる際、トリ
ガーワイヤーと口金とが短絡しないショートアーク型放
電ランプを提供するものある。第２の目的は、口金及び
／または絶縁部材の側周面に平坦部を形成することによ
って、反射鏡の首部に接着剤によって固定されたショー
トアーク型放電ランプの口金に給電用端子を接続固定す
る際、ランプの回転を防止することができるショートア
ーク型放電ランプを提供するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に記載のショートアーク型放電ランプは、
内部に陰極と陽極が対向配置され発光部と、その発光部
の端部に形成された封止部から成り、陰極側封止部から
突出した外部リード棒に結線されたトリガーワイヤーが
陽極側封止部で巻き回されて固定されるショートアーク
型放電ランプにおいて、前記陽極側封止部は、その端部
に導電性の口金が取り付けられ、この口金の発光部側
に、該口金に嵌合された陽極側封止部を保持する絶縁部
材を設けたことを特徴とする。

【００１２】請求項２に記載のショートアーク型放電ラ
ンプは、請求項１に記載のショートアーク型放電ランプ
において、特に、前記口金及び／又は前記絶縁部材は、
その側周面において、平坦部を有することを特徴とす
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明のショートアーク型
放電ランプについて詳細に説明する。図１は、本発明の
ショートアーク型放電ランプの説明図である。この図に
おいて、石英ガラスよりなる発光部１は円状回転体をな
しており、その内部に陰極２と陽極３が対向して配置さ
れている。そして、発光管１の両端の封止部４ａ，４ｂ
にはモリブデン金属箔５ａ，５ｂを介して、陰極２と陽
極３がそれぞれ外部リード棒６に接続されている。な
お、陽極側の外部リード棒は不図示である。陰極側の外
部リード棒６には耐熱性を有する鉄クロム線のトリガー
ワイヤー７が巻き回しによって接続されており、そのト
リガーワイヤー７の他端は陽極側の封止部４ｂに巻き回
して固定されている。このトリガーワイヤー７の固定さ
れる位置Ａは、発光部１と封止部４ｂの境界部分Ｐより
約３ｍｍ以上発光部１と反対方向に離れた位置である。

【００１４】陽極側の封止部４ｂの端部には、導電性を
有する真鍮にニッケルメッキを施した口金８が接着剤に
より固着されている。この口金８の内部で不図示の陽極
側外部リード棒に口金８とプラズマ溶接された不図示の
ニッケル線の撚り線を電気的に接続している。そして、
口金８と発光部１との間に封止部４ｂをその内部に挿通
するように形成された絶縁部材９が形成されている。図
２に示すように、この絶縁部材９は、封止部４ｂとの隙
間に接着剤を充填して、封止部４ｂと固着されている。
つまり、口金８は後述するようにトリガーワイヤー７と
の絶縁距離を保つ必要があり、管軸方向の長さをできる
かぎり短くしている。この結果、このショートアーク放
電ランプを反射鏡に組み込んで位置調節を行う場合、口
金８を支持して調節を行うが、口金８だけでは封止部４
ｂを十分に保持することができず、口金８に嵌合された
絶縁部材９で封止部４ｂを保持している。つまり、口金
８と絶縁部材９が嵌合された状態で、接着剤によって、
封止部４ｂに固着されることになる。なお、絶縁部材９
は長期間絶縁性を良好に保つため無機耐熱性部材、例え
ばセラミック等を使用している。

【００１５】このショートアーク型放電ランプは、発光
部１の内径が８．０ｍｍになるように形成され、内表面
積が２．１ｃｍ²であり、内容積が０．３ｃｃとなって
いる。また、発光部１内には、例えば緩衝金属として水
銀と、発光物質として金属ハロゲン化物が封入されてい
る。また、電極間距離は３ｍｍ、消費電力１２５Ｗ、管
壁負荷は６０Ｗ／ｃｍ²、封止部４ａの長さは２０ｍｍ
である。なお、図中、封止部４ｂの全長は口金８と絶縁
部材９によって見えていないが、封止部４ｂの長さも４
ａと同様に２０ｍｍである。そして、始動電圧を１０ｋ
ｖ〜１５ｋｖかけてショートアーク型放電ランプを点灯
する。

【００１６】トリガーワイヤー７は、封止部４ｂに巻き
回して固定されており、トリガーワイヤー７と口金８と
の距離Ｌは１５ｍｍ離間している。この距離Ｌ（ｍｍ）
は、点灯電圧をＡ（ｋｖ）、空気の絶縁破壊の強さをＢ
（ｋｖ／ｍｍ）とすると、Ｌ≧Ａ／Ｂという関係式によ
り導きだせるものである。つまり、このショートアーク
型放電ランプは点灯電圧を１５ｋｖ、空気の絶縁破壊の
強さを１ｋｖ／ｍｍと規定して、距離Ｌを１５ｍｍと導
きだしたものである。

【００１７】従って、上記距離Ｌを１５ｍｍ以上に設定
すればトリガーワイヤー７と封止部４ｂの端部に取り付
けられた口金８との絶縁距離を十分にとることができる
ので、ショートアーク放電ランプを点灯させる際、トリ
ガーワイヤー７と口金８とが短絡することがない。

【００１８】図中、９は絶縁部材であり、口金８と絶縁
性部材９は、その側周面において、平坦部８ａ，９ａを
有している。この平坦部の機能は後述する。図３（イ）
は口金８と絶縁部材９の斜視図を示す。図３中（イ）に
示されている口金８はその側周面において平坦部８ａを
有している。絶縁部材９は側周面において対向する位置
に２ヵ所平坦部９ａを有しており、封止部を挿通して受
容するために二股状になっている。そして、この二股に
よって形成される切り欠き部９ｂで封止部を受容して接
着剤で固定されている。このように絶縁部材９が二股状
になっている理由は、絶縁部材９の径をできるだけ小さ
くするためである。つまり、封止部を受容するために絶
縁部材９が二股状ではなく円柱状にくり抜かれ孔を有し
ているような構造では、絶縁部材９の全周にわたって絶
縁部材が存在することになり、絶縁部材の径が二股状の
絶縁部材と比較して大きくなるからである。そして、反
射鏡の首部に封止部を挿通して、ランプの位置調節をす
る際、予め、首部の内径が決まっており、首部の内径と
絶縁部材の外径とのクリアランスの中でランプを動かし
位置を調節するが、絶縁部材の径が大きくなれば、この
クリアランスが小さくなり、位置調節が良好に行えなく
なる場合がある。つまり、ランプの位置調節の観点から
絶縁部材の径を小さくしなければならない。図３（ロ）
（ハ）に示されている口金と絶縁部材は他の例を示して
いる。図３（ロ）に示されている口金８は平坦部を有し
ておらず、その他の構造は図３（イ）に示されたものと
同様である。図３（ハ）に示されている口金８は、外周
面の４ヵ所に平面的に切り取られた部分を有し、この部
分が平坦部８ａとなっている。実際は、切り取られて外
周面に穴が開いているが、平坦部と同様な機能を果たす
ものである。また、絶縁部材９には平坦部を有していな
い。

【００１９】図４は、本発明のショートアーク型放電ラ
ンプを組み込んだ光学装置の説明図である。凹面反射鏡
１０は、その内面に多層膜から成る反射膜が形成された
ものであり、ショートアーク型放電ランプから放射され
た光を不図示の集光レンズに集光させて、液晶パネル等
を照明する。反射鏡１０の頂部には、首部１１が形成さ
れており、この首部１１内にショートアーク型放電ラン
プの陽極側の封止部４ｂを挿通させ、接着材により固定
されている。

【００２０】首部１１の後端部から突出した口金８の突
起部８１はネジ溝が切られており、このネジ溝に給電端
子Ｔを嵌め込みナットＮを回転させて、端子Ｔを口金８
に接続する。この時、口金８に回転力が加わるが、口金
８と絶縁部材９の側周面において平坦部８ａ，９ａを有
しているので、接着剤によって固定された場合、この平
坦部８ａ，９ａが回転防止の作用を奏するものである。
つまり、ショートアーク型放電ランプの回転を防止する
ことができる。なお、この例においては、口金８と絶縁
部材９の双方に平坦部を形成したが、少なくともどちら
か一方に平坦部を形成すれば、同様の効果が生じる。

【００２１】

【発明の効果】この発明のショートアーク型放電ランプ
によれば、陰極側の封止部から突出する外部リード棒か
ら陽極側の封止部にトリガーワイヤーを張り渡しして、
その封止部にトリガーワイヤーを固定する際、その封止
部の端部に取り付けられた導電性の口金とトリガーワイ
ヤーまでの絶縁距離が十分にとられているので、ショー
トアーク型放電ランプを点灯させる際に、トリガーワイ
ヤーと口金とが短絡しない。

【００２２】また、口金及び／または絶縁部材の側周面
に平坦部を形成することによって、反射鏡の首部に接着
剤によって固定されたショートアーク型放電ランプの口
金に給電用端子を接続固定する際、ショートアーク型放
電ランプの回転を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかるショートアーク型放電ランプ
の説明図である。

【図１】図１におけるショートアーク型放電ランプの口
金近傍のみの拡大説明図である。

【図３】この発明にかかるショートアーク型放電ランプ
の口金と絶縁部材の斜視図である。

【図４】この発明にかかるショートアーク型放電ランプ
を用いた光学装置の説明図である。

【符号の簡単な説明】

１発光部２陰極３陽極４ａ封止部４ｂ封止部５ａ金属箔５ｂ金属箔６外部リード棒７トリガーワイヤー８口金８ａ平坦部９絶縁部材９ａ平坦部９ｂ切り欠き部

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【手続補正書】

【提出日】平成８年１月２５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図２】図１におけるショートアーク型放電ランプの口
金近傍のみの拡大説明図である。

【符号の説明】１発光部２陰極３陽極４ａ封止部４ｂ封止部５ａ金属箔５ｂ金属箔６外部リード棒７トリガーワイヤー８口金８ａ平坦部９絶縁部材９ａ平坦部９ｂ切り欠き部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部に陰極と陽極が対向配置された発光
部と、その発光部の端部に形成された封止部から成り、
陰極側封止部から突出した外部リード棒に結線されたト
リガーワイヤーが陽極側封止部で巻き回されて固定され
るショートアーク型放電ランプにおいて、前記陽極側封止部は、その端部に導電性の口金が取り付
けられ、この口金の発光部側に、該口金に嵌合された陽
極側封止部を保持する絶縁部材を設けたことを特徴とす
るショートアーク型放電ランプ。
【請求項２】前記口金及び／又は前記絶縁部材は、そ
の側周面において、平坦部を有することを特徴とする請
求項１に記載のショートアーク型放電ランプ。