JPH09101249A - 材料試験機 - Google Patents

材料試験機

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JPH09101249A
JPH09101249A JP25760795A JP25760795A JPH09101249A JP H09101249 A JPH09101249 A JP H09101249A JP 25760795 A JP25760795 A JP 25760795A JP 25760795 A JP25760795 A JP 25760795A JP H09101249 A JPH09101249 A JP H09101249A
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JP
Japan
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elongation
test body
movement
test
optical system
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JP25760795A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kamegawa
正之 亀川
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフト的に2つの標点を追尾するレーザ非接
触伸び計を備え、しかも、比較的安価で簡単な構成のも
とに、伸びの大きな試験体の引張試験に際しても、その
伸びを広い範囲にわたって高精度に計測することのでき
る、材料試験機を提供する。 【解決手段】 固定側の掴み具4aに対して移動側の掴
み具4bを離反させる向きに移動することにより、試験
体Wに引張荷重を与える材料試験機において、レーザ非
接触伸び計の照射光学系11やイメージセンサ13等か
らなるカメラユニットCを、2つの標点A1,A2の中
点Cの移動に追随して移動させることにより、レーザ光
照射領域の中心を常に2つの標点間の中点上に位置さ
せ、2つの標点の追尾範囲を広げて伸びの計測範囲を広
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は材料試験機に関し、
更に詳しくは、レーザ光を用いて非接触のもとに試験体
の伸びを計測することのできる伸び計を備えた材料試験
機に関する。
【0002】
【従来の技術】試験体の引張試験を行うための材料試験
機においては、一般に、試験体の両端部をそれぞれ把持
する一対の掴み具を備えるとともに、その各掴み具のう
ち、一方はベッドに対して固定され、他方は例えばクロ
スヘッド等のベッドに対して変位自在の部材に装着さ
れ、固定された掴み具に対して接近・離反する方向に移
動可能となっている。そして、その移動側の掴み具を固
定側の掴み具に対して離反させる向きに移動させること
によって、試験体に引張負荷を与えるように構成されて
いる。
【0003】ところで、試料の表面にレーザ光を照射し
て得られるスペックルパターンを利用して、その試料の
変位情報を非接触のもとに測定する方法が知られてい
る。このようなスペックルパターンを利用して変位情報
を得る場合、基本的には、試料の測定対象面からのレー
ザ光の散乱光を、イメージセンサによって光電変換して
スペックルパターンに応じた電気信号を刻々と得るとと
もに、その刻々の信号の相互相関関数を求めることによ
り、スペックルパターンの移動量を求め、そのスペック
ルパターンの移動量から試料の変位情報を得る。また、
このような原理を用いて、試料の2箇所におけるスペッ
クルパターンの移動量を個別に求めるとともに、その差
を算出することにより、その2箇所間における試料の伸
び(または縮み)量を求めることができ、材料試験にお
ける試験体の伸びを非接触のもとに計測することのでき
る伸び計が得られる。
【0004】ここで、試験体の2箇所間における伸びを
計測する場合、スポット状のレーザ光を試験体表面に固
定的に照射し、その各箇所からの散乱光のスペックルパ
ターンの移動量からそれぞれ変位情報を得ると、計測さ
れた伸びはJISに規定された伸びの概念とは異なるも
のとなる。すなわち、試験体に対する2箇所のレーザ光
の照射位置を固定して得られた各変位量の差によって得
た伸びは、その照射位置間の距離をGLとすると、互い
に距離GLを隔てて固定された観察点を横切った試験体
の移動量の積分値となるのに対し、JISの引張試験等
に規定された伸びは、当初に設定した2つの点(標点)
間の距離が、試験後にどのように変化したかを表す距離
の変化量まはた率である。
【0005】このようなJIS準拠の伸びを非接触のも
とに計測するために、試験体上に初期設定した2つの観
察点を、試験体の伸びに追随して追尾していく必要があ
る。このような追尾を、ソフト的に行う方法として、図
1に模式的斜視図を示すように、試験体Wの表面に対
し、その伸び方向にライン状に伸びる照射面Pが得られ
るよう、レーザ光源Lからの出力光をライン状に拡張す
るためのシリンドリカルレンズ等を用いたビームエキス
パンタEを設けるとともに、そのライン状の照射面Pか
らの散乱光を結像光学系Iを介して1次元イメージセン
サSで受光し、その各チャンネルデータのうち、初期設
定された2つの観察点に対応する2領域A1,A2から
の散乱光を受光している2群の各複数チャンネル分のデ
ータを観察点データとして用い、それぞれにスペックル
パターンの移動量を算出するとともに、その各移動量が
規定量に達するごとに、観察点データ源としているチャ
ンネルを伸び方向にシフトすることにより、試験体上に
初期設定された2つの観察点(標点)A1,A2を追尾
する方法が既に提案されている。この場合、各観察点の
変位量は、それぞれ、刻々のスペックルパターンの移動
量と、チャンネルシフト量の試験体上での距離換算量と
の和となり、また、試験体の伸びは、両観察点の変位量
の差から求めることができ、得られた伸びはJIS準拠
のものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように試験体表
面に対してライン状にレーザ光を照射し、その散乱光の
なかから、2つの標点に対応する各領域からの散乱光の
光電変換信号のみを観察点データとして用い、かつ、各
標点の変位に従ってその観察点データ源としてのチャン
ネル群をシフトしていく、ソフト的な追尾方法を採用す
る場合、ライン状のレーザ光照射領域の広がりが追尾の
限界、ひいては伸びの計測範囲の限界を決定する。
【0007】ここで、例えばゴム等の軟質材料において
は、伸びが1000%にも及ぶものがあり、このような
場合、図2に模式的に示すように、当初に設定された上
下の標点A1,A2間の距離GLを20mmに設定した
とき、試験体Wの伸びに従ってその標点間距離GLは2
00mmに達し、しかも、試験体Wへの引張荷重の付与
方法は、前記したように、一方の掴み具、例えば試験体
Wの下端を把持する掴み具を固定して、上端側の掴み具
を上方に移動させることによって、試験体Wに引張負荷
を与えることから、試験体Wの伸びに伴って下方の標点
A2も上方に移動する。従って、このような試験におけ
る伸びの計測を可能とするためには、下方の標点A2の
移動量を100mmとしたとき、レーザ光の照射領域を
上下に300mmの広がりを持たせる必要がある。
【0008】このような長い照射領域を得るべく、図3
(A)に例示するように、1つの半導体レーザLからの
出力光をシリンドリカルレンズ等を用いたビームエキス
パンダEを用いて拡張する場合、大出力のレーザを用い
なければ十分な密度のレーザ光が得られないばかりでな
く、レーザ光の密度分布が一様でなくなり、得られるス
ペックルパターンは、同図(B)に示すように、その強
度が不均一なものとなってしまう。
【0009】そこで、図4に例示するように、多数の半
導体レーザL・・Lと、それぞれに対応した多数のビーム
エキスパンダE・・Eを設けて、個々の半導体レーザLの
出力光をさほど広げることなく、全体として長い照射領
域を得る対策が考えられるが、この場合には、半導体レ
ーザLとビームエキスパンダの数に比例してコストが増
大する。
【0010】ここで、図5に示すように、一方の標点、
例えば上側の標点A1がレーザ光の照射領域Pから逸脱
した後、その標点A1については追尾を停止するととも
に、レーザ照射領域Pの上端部分に固定した観察点領域
A1′を設定し、その領域A1′からのスペックルパタ
ーンの移動量を求めることにより、その観察点領域A
1′を横切った試験体の移動量から、標点A1の移動量
を推定演算し、他方の標点A2の移動量の実測値と併せ
て標点間の伸びを算出して計測を継続することができる
が、このような方式を採用した場合においても、下側の
標点A2が観察点領域A1′に近づくと、実際の標点間
距離に比して極めて短い領域Qからの情報を基に伸びが
推定演算されることになり、その精度は悪化し、実質的
に計測の継続は不可能となる。
【0011】本発明の目的は、ソフト的に各標点を追尾
するレーザ非接触伸び計を備え、しかも、比較的簡単な
構成のもとに、伸びの大きな試験体の引張試験に際して
も、その伸びを広い範囲にわたって高精度に計測するこ
とのできる、材料試験機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の材料試験機は、その実施の形態を表す図
6,図8に示すように、固定側の掴み具4aとこれに対
向して接近・離反自在の移動側の掴み具4bを備え、試
験体Wの両端部分をこれらの一対の掴み具4a,4bで
把持した状態で、移動側の掴み具4bを固定側の掴み具
4aに対して離反させる向きに移動させていくことによ
り、試験体Wに引張荷重を与える材料試験機において、
試験体Wの表面に対し、引張荷重の付与方向に所定長さ
にわたる広がりを持つレーザ光を照射する照射光学系1
1と、そのレーザ光の試験体Wの表面による散乱光を結
像光学系12を介して受光するイメージセンサ13と、
そのイメージセンサ13の出力を用いて、試験体Wの表
面上で引張荷重の付与方向に互いに所定の距離を隔てた
2つの標点に対応する領域A1,A2からの散乱光に含
まれるスペックルパターンの移動量を個別に算出し、そ
の算出結果に基づいて標点間の伸びを算出する演算部1
7とを有してなるレーザ非接触伸び計10を備えている
とともに、試験体Wの伸びに伴う2つの標点間の中点の
移動に追随して、照射光学系11、結像光学系12およ
びイメージセンサ13からなるカメラユニットCUを同
方向に移動させる移動機構(ガイド棒5、支持台6、滑
車7、ワイヤ8)を備えていることによっで特徴づけら
れる。
【0013】
【作用】試験体Wの一端を固定して他端を移動させるこ
とによって引張荷重を与える場合、試験体Wの伸びに伴
って2つの標点は互いに同じ方向に移動していく。図9
に例示するように、この2つの標点A1,A2を試験体
Wの中央部分に設定しておくと、これらの間の中点Cも
同方向に移動するが、試験体Wの伸びに伴い、この中点
Cに対して各標点A1,A2は互いに等量ずつ逆向きに
遠ざかっていく。
【0014】本発明はこの点を利用したものであり、レ
ーザ非接触伸び計10の照射光学系11を含むカメラユ
ニットCUが、引張荷重による試験体Wの伸びに伴う2
つの標点(A1,A2)間の中点Cの移動に追随して同
方向に移動していく。照射光学系11による試験体Wの
表面へのレーザ光の照射領域Pの初期位置を、その広が
りの中心が中点Cに一致するように設定しておけば、引
張試験の進行に伴う試験体Wの伸びに追随して、その照
射領域Pは常に2つの標点A1,A2間の中点Cを中心
とする広がりを持つように移動していくことになる。従
って、各標点A1,A2は、見かけ上照射領域Pの両端
に向かって移動していくことになり、レーザ光の照射領
域Pを有効に使って各標点A1,A2の追尾が可能とな
り、伸びの計測範囲が広くなる。
【0015】また、標点A1,A2がレーザ光の照射領
域Pを逸脱した後において、観察点領域を固定して推定
演算によって各標点A1,A2の移動量を求めて伸びを
算出する場合においても、各標点A1,A2は上述のよ
うに見かけ上照射領域Pの両端に向かって移動していく
から、それぞれに対応する固定観察点をレーザ光の照射
領域Pの両端部分に設定することができ、図5に示した
ような試験の進行に伴って伸びの推定演算に用いる領域
Qが次第に狭くなっていくことがなく、より高精度の推
定演算をより長期にわたって行うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】図6は本発明の実施の形態の斜視
図で、図7はその要部の正面図であり、図8はそのレー
ザ非接触伸び計10の構成図である。
【0017】ベッド1上に左右のヨーク2a,2bが鉛
直に固定されており、クロスヘッド3はその左右の両端
がこれらのヨーク2a,2bにガイドされた状態で、駆
動機構(図示せず)によって上下動される。
【0018】ベッド1およびクロスヘッド3には、それ
ぞれ互いに対向するように一対の掴み具4a,4bが設
けられており、試験体Wの両端をこれらの掴み具4a,
4bに把持した状態で、クロスヘッド3を上方に移動さ
せることによって、その試験体Wに引張荷重を与えるこ
とができる。
【0019】一方のヨーク2aに隣接して鉛直のガイド
棒5が設けられており、このガイド棒5に沿って摺動自
在に支承された支持台6の上に、後述するレーザ非接触
伸び計10のカメラユニットCUが載せられている。そ
して、その支持台6には滑車7が支承されており、その
滑車7には、一端がヨーク2a,2bの頂部を連結する
クロスビーム1aに固着され、他端がクロスヘッド3に
固着されたワイヤ8が掛け回されている。
【0020】以上の構成により、クロスヘッド3が上下
動すると、ワイヤ8が滑車7を介して支持台6を同方向
に上下動させるが、滑車7は動滑車となっているため、
図7に示すようにクロスヘッド3がΔだけ移動すると、
支持台6はΔ/2だけ移動することになる。
【0021】レーザ非接触伸び計10は、図8に示すよ
うに、試験体Wの表面に伸びの計測方向に所定長さにわ
たる広がりを持つレーザ光を照射する照射光学系11
と、そのレーザ光の試験体Wの表面による散乱光を集光
レンズ12を介して受光する複数チャンネルのイメージ
センサ13と、そのイメージセンサ13からの出力を用
いて後述するような演算によって2つの標点A1,A2
間の伸びを算出する演算部17を主たる構成要素として
おり、このうち、照射光学系11と集光レンズ12およ
びイメージセンサ13がカメラユニットCUとして1つ
のケース内に収容され、前記したようにガイド棒5に沿
って摺動変位自在の支持台6上に載せられている。
【0022】照射光学系11は、半導体レーザ11aと
その出力光を上下方向に広げるためのシリンドリカルレ
ンズを用いたビームエキスパンダ11bによって構成さ
れ、試験体Wの表面に伸びの計測方向、つまり試験体W
の引張負荷方向にライン状に広がるレーザ光の照射領域
Pを形成することができる。
【0023】照射光学系11からのレーザ光の試験体W
表面による散乱光は、集光レンズ12を介してイメージ
センサ13の受光面に結像される。イメージセンサ13
は、例えば4000個の画素が上下に配列された400
0チャンネルの1次元イメージセンサであり、試験体W
へのレーザ光の照射領域Pの全長にわたる散乱像が結像
される。
【0024】イメージセンサ13の各チャンネルからの
出力は、増幅器14で増幅された後、A−D変換器15
によってデジタル化され、メモリ16に格納される。メ
モリ16には、イメージセンサ13の各チャンネルごと
にデータの格納アドレスが設定されており、各チャンネ
ルからのデータはそれぞれ該当のアドレスに格納され
る。このメモリ16内の各チャンネルデータは、後述す
る各観察点における参照データを除いて、データが到来
するごとに演算部17に刻々と読みだされて、その一部
が後述する演算に供された後、全データが直ちに捨てら
れ、イメージセンサ13からの次のデータの到来を待つ
ようになっている。
【0025】演算部17は実際には高速演算処理回路と
CPUによって構成されており、この演算部17には、
イメージセンサ13の各チャンネルからのデータのう
ち、試験開始当初に試験体Wの2つの標点に該当する2
領域A1,A2からの散乱光データを、それぞれ観察点
データとして初期設定するための設定器18が接続され
ている。この設定器18により、イメージセンサ13の
第1〜第4000チャンネルのうち、初期観察点データ
源として、例えば第1801〜第1900チャンネルを
第1の観察点データ源、第2101〜第2200チャン
ネルを第2の観察点データ源として設定する。これらの
観察点データ源には、試験体Wの表面からの散乱光のう
ち、図8においてA1,A2で示した領域からの散乱光
が入射し、このA1およびA2が2つの標点となる。
【0026】演算部17では、設定器18によって初期
設定された上下の2領域A1,A2からの散乱光データ
である、第1801〜第1900チャンネルからのデー
タ群と、第2101〜第2200チャンネルからのデー
タ群とを、それぞれ当初の観察点における参照データと
して、以後の刻々の同チャンネル群からのデータとの相
互相関関数を算出し、領域A1,A2からのスペックル
パターンを個別に求めるとともに、その移動量が規定
量、例えば30チャンネル相当分に達するごとに、観察
点データ源としてのチャンネルを同チャンネル分ずつシ
フトしていき、また、そのシフト時点でそれまで用いて
いた参照データを捨て、シフト後の最初のデータ群を参
照データとして記憶しなおす。そして、各領域A1,A
2について、スペックルパターンの移動量と、観察点デ
ータ源としてのチャンネル群のシフト量の試験体Wの表
面での距離換算量との刻々の積算値から、各領域A1,
A2、つまり2つ標点A1,A2の刻々の移動量を算出
する。すなわち、設定器18によって初期設定された2
つの標点A1,A2は、イメージセンサ13の各チャン
ネルからの出力のうち、観察点データ源として用いるチ
ャンネル群をそれぞれ各標点A1,A2の移動に追随し
て逐次シフトすることによってソフト的に追尾されつ
つ、その各移動量が刻々と求められる。そして、2つの
標点A1,A2間の伸びは、その各移動量の差によって
算出され、伸びの計測結果として出力される。
【0027】さて、以上の本発明の実施の形態におい
て、上下の掴み具4a,4bに試験体Wの両端を把持し
た状態で、クロスヘッド3を上方に移動させることによ
って試験体Wに引張荷重を加えると、試験体Wは図9
(A)〜(C)に示すように変形していく。このとき、
一般に試験体Wはその全長にわたって一様な伸びを示す
から、試験体Wの伸び方向への中央位置の点は、移動側
の掴み具4bの移動量の1/2ずつ上方に移動してい
く。また、このクロスヘッド3の移動により、ワイヤ8
が滑車7を介して支持台6を上方に移動させるが、前記
したように滑車7が動滑車となっているため、その刻々
の移動量、つまり移動速度はクロスヘッド3の1/2と
なる。
【0028】試験開始当初に設定器18によって設定さ
れる2つの標点A1,A2を、試験体Wの中央部分に設
定するとともに、図9(A)のように、レーザ非接触伸
び計10の照射光学系11による試験体Wの表面に対す
るレーザ光の照射領域Pの広がりの中心位置が、その2
つの標点A1,A2の中点Cと一致するよう、ワイヤ8
の長さを調整して支持台6を位置決めしておく。
【0029】このような設定によると、2つの標点A
1,A2の中点Cは前記した試験体Wの中央位置の点に
一致するから、試験の進行に伴って試験体Wが図9
(B)〜(C)に示すように伸びていったとき、その中
点Cは移動側の掴み具bの移動量の1/2ずつ上方に移
動していき、また、レーザ光の照射領域Pの移動量も前
記した通りそれと同じ量だけ同じ向きに移動していくた
め、レーザ光の照射領域Pの中心位置は常に中点C上に
位置する。また、2つの標点A1,A2は、試験体Wの
中央位置を挟んで対称な位置にあるため、試験体Wの伸
びに伴って中点Cから互いに等量ずつ遠ざかっていく。
レーザ光の照射領域Pは、上記のように試験体Wの伸び
に追随して常に試験体Wの中点Cを中心として広がるよ
うに移動していくから、各標点A1,A2は試験体Wか
伸びるに従って、見かけ上照射領域Pの両端に向かって
移動していくことになる。図9(B)のようにレーザ光
の照射領域Pを有効に使って各標点A1,A2を追尾す
ることができ、図2に示した照射方法に比して追尾範囲
が囲が広くなる。
【0030】また、標点A1,A2が照射領域Pを逸脱
した後において、その追尾を停止して固定観察点を設け
てそれぞれの移動量を推定演算して伸びを算出する方式
を採用する場合、各標点A1,A2がレーザ光の照射領
域Pの両端部に向かって移動していくことから、図9
(C)に示すように、これらの各標点A1,A2にそれ
ぞれ対応する固定観察点A1′,A2′はその照射領域
Pの両端部に設定されることになる。このことは、試験
体Wがどのように伸びても、伸びの算出するために用い
る情報源領域Qが不変で、しかもレーザ光の照射領域P
の全域にわたる長さとなることを意味し、図5に示した
従来の同方式の計測の場合に比して、より広い領域から
の情報に基づいて伸びを算出することが可能となり、よ
り正確な推定演算を長期にわたって継続できることがで
きる。
【0031】ここで、以上の本発明の実施の形態におい
て、照射光学系11は、集光レンズ12およびイメージ
センサ13とともにカメラユニットCUごと移動される
ため、仮にその移動に伴うスペックルパターンの移動量
の算出値に誤差が生じたとしても、伸びは2つの標点A
1,A2に対応する2つの領域の移動量の算出結果の差
によって求められるが故に、各標点の移動量に含まれる
誤差は互いにキャンセルされ、伸びの計測結果には現れ
ない。
【0032】なお、以上の実施の形態において、試験開
始当初に、レーザ光の照射領域Pの中心を試験体Wの中
点Cに合致させるべく、ワイヤ8の長さを調整する方法
としては、例えば図10に示すように、その一端を巻き
取る機構81を、ワイヤ8のいずれかの端部の固着部に
設ける方法、あるいは、ワイヤ8のいずれかの端部の固
着部分をねじによって上下動自在とするような方法を採
用することができる。
【0033】また、このような照射領域Pの中心の位置
合わせを容易にするために、レーザ光の照射領域Pの中
心部分の微小領域は2つの標点A1,A2の間に位置す
ることになり、実質的に使用されないことを利用して、
図11(A)に示すように、その照射領域Pの中心部分
に暗い部分Pbを設けたり、あるいは同図(B)に示す
ように、照射領域Pの中心部分を横切るようなビームP
hを作る等の対策を採ることが好ましい。
【0034】ここで、以上の例では、レーザ非接触伸び
計10のカメラユニットCUを、2つの標点間の中点の
移動に追随して移動させる機構として、クロスヘッド3
の移動量の1/2の量だけ移動させる動滑車機構を用
い、クロスヘッド3の移動を利用することによってカメ
ラユニットCUの移動用のアクチュエータを不要とした
例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、他
の公知の機構を採用し得ることは勿論である。例えば、
図12に例示するように、ガイド棒5に隣接してネジ棹
71を配置するとともに、支持台6にはそのネジ棹72
にねじ込まれるナット72を固着して、ネジ棹71をモ
ータ73によって回動させることで、支持台6を上下動
させる機構を採用することができる。
【0035】この場合、モータ73の制御方法として、
上記した実施の形態に準じて、クロスヘッド3の移動量
の1/2ずつ支持台6を刻々と移動させるべくその回転
数を制御する方法のほか、レーザ光の照射領域Pの中心
が中点Cを段階的に追うように、支持台6をある一定の
距離ずつ間欠的に移動させる方法を採用することがで
き、更に、以下のようにモータ73による支持台6の移
動をよりインテリジェント化することもできる。
【0036】すなわち、演算部17において算出される
2つの標点A1,A2の刻々の移動量を用いて、その中
点Cの刻々の移動量を推定演算し、その演算結果に応じ
てモータ73を制御することにより、カメラユニットC
Uが常に2つの標点A1,A2間の中点Cを追尾するよ
うに移動させる方式を採用することができる。この方法
は特にプラスチック等の引張試験に適用して有効であ
る。何故ならば、プラスチック等においては、引張試験
の進行に伴ってある部分が局所的に大きな伸びを示す、
いわゆるネッキングと呼ばれる現象が生じることがあ
る。このようなネッキングが2つの標点A1,A2の範
囲外で発生したとき、クロスヘッド3(移動側の掴み具
4b)が移動しているにも係わらず、2つの標点A1,
A2は殆ど移動しない。このような場合、カメラユニッ
トCUをクロスヘッド3の移動量の1/2ずつ移動させ
ていく前記した実施の形態によれば、カメラユニットC
Uは標点間の中点Cからずれてしまうのに対し、2つの
標点A1,A2の各移動量からその中点Cの刻々の位置
を算出し、その結果に応じてカメラユニットCUを移動
させるべくモータ73を制御する方式ではそのようなず
れは生じず、常に正確に2つの標点間の中点Cにレーザ
光の照射領域Pの中心位置を合致させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、固定側
の掴み具に対して移動側の掴み具を離反させるように移
動させることによって、試験体に引張荷重を与える材料
試験機において、レーザ非接触伸び計のレーザ光の照射
光学系を、結像光学系並びにイメージセンサとともに、
移動側の掴み具の移動速度の1/2の速度で同方向に移
動させるように構成しているから、試験体の伸びに追随
して常にレーザ光の照射領域の中心を試験体の中点上に
位置させることが可能となり、その照射領域の全域を有
効に使って2つの標点を追尾することが可能となり、伸
びの計測範囲をより広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験体表面に対してライン状にレーザ光を照射
し、その散乱光に含まれるスペックルパターンのうち、
2つの標点に対応する部分を用いて各標点の移動量を算
出しつつ、その算出結果に応じて各標点をソフト的に追
尾する方式のレーザ非接触伸び計の光学的構成の模式的
斜視図
【図2】従来の材料試験機によって伸びの大きな試験体
の引張試験を行ったときの2つの標点の移動の状況の説
明図
【図3】1つのレーザ光源からの出力光をビームエキス
パンダで拡張して広い照射領域を得る場合の光学的構成
例(A)と、その場合に得られるスペックルパターンの
データ例の説明図(B)
【図4】多数のレーザ光源とビームエキスパンダを用い
て広い照射領域を得る場合の光学的構成の説明図
【図5】レーザ非接触伸び計において、一方の標点がレ
ーザ光の照射領域を逸脱した後に、固定観察点を設けて
その標点の移動量を推定演算する方式の説明図
【図6】本発明の実施の形態の正面図
【図7】図6の要部正面図
【図8】本発明の実施の形態のレーザ非接触伸び計10
の構成図
【図9】本発明の実施の形態の作用説明図
【図10】本発明の他の実施の形態におけるワイヤ8の
長さ調整機構の例の説明図
【図11】本発明の更にまた他の実施の形態におけるレ
ーザ光の照射パターンの例の説明図
【図12】本発明のまた更に他の実施の形態のカメラユ
ニットCUの移動機構を表す正面図
【符号の説明】
1 ベッド 1a ビーム 2a,2b ヨーク 3 クロスヘッド 4a,4b 掴み具 5 ガイド棒 6 支持台 7 滑車 8 ワイヤ 10 レーザ非接触伸び計 11 照射光学系 12 集光レンズ 13 イメージセンサ 17 演算部 CU カメラユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側の掴み具とこれに対向して接近・
    離反自在の移動側の掴み具を備え、試験体の両端部分を
    これらの一対の掴み具で把持した状態で、移動側の掴み
    具を固定側の掴み具に対して離反させる方向に移動させ
    ていくことにより、試験体に引張荷重を与える材料試験
    機において、 試験体表面に対し、引張荷重の付与方向に所定長さにわ
    たる広がりを持つレーザ光を照射する照射光学系と、そ
    のレーザ光の試験体表面による散乱光を結像光学系を介
    して受光するイメージセンサと、そのイメージセンサの
    出力を用いて、試験体表面上で引張荷重の付与方向に互
    いに所定の距離を隔てた2つの標点に対応する領域から
    の散乱光に含まれるスペックルパターンの移動量を個別
    に算出し、その算出結果に基づいて標点間の伸びを算出
    する演算部とを有してなるレーザ非接触伸び計を備える
    とともに、 試験体の伸びに伴う上記2つの標点間の中点の移動に追
    随して、上記照射光学系、結像光学系およびイメージセ
    ンサからなるカメラユニットを同方向に移動させる移動
    機構を備えていることを特徴とする、 材料試験機。
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