JP3750249B2 - ビデオ式非接触伸び計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料表面に付された2箇所のマークをビデオカメラで撮像した映像信号を用いて、そのマーク間における試料の伸びを非接触のもとに計測するビデオ式非接触伸び計に関する。
【0002】
【従来の技術】
引張試験時等における試料の伸びを非接触のもとに計測する伸び計として、ビデオカメラを用いた、いわゆるビデオ式非接触伸び計が知られている。このビデオ式非接触伸び計においては、試験の開始に先立って試料表面に2つの標点に相当する2箇所にマークを付しておき、これらのマークを試験中においてビデオカメラで撮像して得られる映像信号から各マークの刻々の位置を認識して各マークの刻々の移動量を計測して、その各移動量の差からマーク間の試料の伸びを刻々と算出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、各種材料の引張試験においては、一般に、その材料の弾性率を正確に求めることは極めて重要である。このような弾性率を求めるためには、試料に引張負荷を与えた当初から塑性変形を生じるまでの、荷重の小さい領域である弾性領域内における伸びを正確に計測する必要がある。
【0004】
ここで、このような引張試験においては、一般には材料試験機が用いられ、上下の掴み具に試料(試験片)の両端を把持した状態で、各掴み具の間隔を拡げることによって試験片に引張負荷を付与する。このような試験においては、通常、試験片の形状を極めて高精度に加工したり、精密に各掴み具の中心を通る軸線上に試験片を位置させた状態で把持するといったことには特に考慮が払われないので、試験開始直後に試験片が引張軸方向以外の方向に移動することがしばしば生じる。このようなずれを吸収するため、例えば上側の掴み具がクロスヘッドに取り付けられて、テーブルに固定された下側の掴み具に対して上方に変位することで引張負荷を与える材料試験機においては、上側の掴み具とクロスヘッドとの間にユニバーサルジョイント等の調心要素ないしは移動要素を介在させることが一般的である。
【0005】
このような構造の材料試験機を用いて、試験片の伸びを計測するに当たり、伝統的に用いられている接触式の伸び計を用いる場合には、試験片が引張軸以外の方向に移動しても、伸びの計測結果には全く影響が及ばない。しかし、ビデオ式非接触伸び計を用いた非接触の伸びの計測にあっては、このような引張軸以外の方向への試験片の移動のうち、左右方向への移動は、ビデオカメラによる2次元画像の面内移動として容易に把握して補正に供することができるが、ビデオカメラに対して前後方向への移動は、以下に示すように無視することはできない。
【0006】
すなわち、説明の簡略化のため、図10に示すように、ビデオカメラの像面12に単一のレンズ11で試験片像が結像されるものとし、試験片Wの表面からレンズ11までの距離をaとし、レンズ11から像面12までの距離をbとする。試験片Wが前方に1mm移動したとすると、aが50mmであればaは2%の変化であって、単純に倍率がb/aであれば、像面12上での物体の大きさも2%変化することになる。試験片Wの弾性領域が伸び1%程度までであれば、この領域内における試験片Wの前後方向への移動による誤差成分は実際の信号成分の2倍程度にもおよび、到底無視することはできない。このような誤差を生じさせないためには、上下の掴み具のいずれにもユニバーサルジョイント等の前後方向への移動要素を介在させず、かつ、試験片Wを厳密に上下の掴み具の中心線上に位置するようにチャッキングする必要があって、このような構造ないしは作業は簡便な操作を目的とする上では現実的ではない。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、比較的簡単な構成により、掴み具にユニバーサルジョイント等の軸方向以外の移動要素が含まれている通常の材料試験機を用いて引張試験を行う等によって、試験中に試料がカメラに対して前後方向に移動しても、その影響を受けることなく正確に試料の伸びを計測することのできるビデオ式非接触伸び計の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のビデオ式非接触伸び計は、試料表面に付された2箇所のマークをビデオカメラによって撮像して得られる映像信号から、各マークの位置を認識してその刻々の各移動量を計測し、その各移動量の差から各マーク間の刻々の伸びを求める演算手段を備えた伸び計において、上記ビデオカメラに対する各マークの前後方向への移動量を非接触のもとに計測する前後移動情報計測手段と、その前後移動情報計測手段による計測結果に基づき、上記映像信号を用いた各マークの移動量計測結果を補正する補正演算手段を有し、上記演算手段が、その補正後の各マークの移動量から伸びを算出するように構成されているとともに、上記前後移動情報計測手段が、試料の側方に配置されて当該試料の側面の像を上記ビデオカメラの視野内に導くミラーと、そのビデオカメラからの映像信号のうち、試料の側面像に対応する信号を用いて、各マーク位置での試料の前後方向への移動量を算出する前後移動量算出手段によって構成されていることを特徴としている。
【0011】
本発明は、引張試験時等において試料がビデオカメラに対して前後方向(x方向)に移動したとき、それに伴う2箇所のマークのx方向への移動情報を別途非接触のもとに計測し、その計測結果を用いて、各マークを正面から撮像した映像信号を用いた各マークの伸びの計測方向(z方向)への移動量の計測結果を補正することにより、試料のx方向への移動に伴う伸びの計測誤差を解消しようとするものである。
【0012】
すなわち、試料を正面から撮像した画像において、試料をx方向に移動させたとき、ビデオカメラの光軸上の点のz方向への移動は生じないが、対象とする点が光軸から遠ざかるほど、その点の画像上に置けるz方向への移動量が増大するとともに、その移動の向きは光軸を挟んでその両側で逆となる。従って、実際の計測に先立ち、例えば試料ないしはそれに相当する治具をx方向にのみ既知量ずつ移動させたとき、ビデオカメラの映像信号から認識されるその試料ないしは治具のz方向各位置におけるz方向への位置の移動量を求めて記憶しておくことにより、試験の進行に伴う各マークのz方向への移動に対し、ビデオカメラからの映像信号からその刻々の位置の認識結果と、上記の較正動作において記憶した内容、および、別途計測されるx方向への各マークの移動量を用いることにより、ビデオカメラの映像信号を基に計測した各マークのz方向への移動量を補正することができる。
【0013】
しかも、本発明においては、図1に例示するように、試料Wの側面像をミラー2を介してビデオカメラに導き、このビデオカメラ1により試料Wの正面像と側面像とを併せて撮像することにより、正面像から各マークM1,M2のz方向への移動量を、側面像から各マークM1,M2のx方向への移動量をそれぞれ計測することができ、ミラー2以外に各マークM1,M2の前後方向への移動量を計測するための特別な光学系等を用いることなく、所期の目的を達成できる。
【0016】
ここで、本発明における前後移動情報計測手段の具体的構成の他の例としては、請求項2におけるミラー2に代えて、試料Wの側面を撮像するためのビデオカメラを別途配置して、その側面の映像信号から各マークM1,M2の前後方向への移動量を計測する構成、および、試料Wの2箇所のマークM1,M2の初期位置に対して所定の角度をもってスポット光を照射するとともに、その各反射光をそれぞれに対応するPSD(ポジションセンシティブデテクタ)等のセンサで受け、その入射位置の変化から各スポット光の照射位置の前後方向への移動量を求める、という構成を挙げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の説明図であり、(A)はその全体構成を示す模式図で、(B)は試料Wの引張方向(z方向)に沿って上から見た状態で示す試料Wと撮像光学系との関係を表す模式図である。
【0018】
試料Wはその両端が材料試験機の上下の掴み具G1,G2に把持された状態で、上方の掴み具G1が図1(A)において上方に移動することによって、z方向への引張負荷が付与される。この試料Wには、引張方向に所定の間隔を開けた2箇所に、その正面側および一方の側面側の双方から視認可能なマークM1およびM2が付されている。このようなマークM1,M2は、例えばある程度以上の厚みのあるマーク用シール、もしくは表面側に突出する凸部を有するマーク用シール等を試料Wの正面側に貼り付けたり、あるいは通常の薄いマーク用シールを正面と側面との陵線を跨いで貼り付ける等によって形成することができる。
【0019】
試料Wの正面側にはビデオカメラ1が配設されている。また、試料Wの側面側にはミラー2が配設されている。このミラー2は、試料Wとビデオカメラ1とを結ぶ線に対して反射面が45°の角度を持つように設置されており、試料Wの側面像をビデオカメラ1に導くことができるようになっている。これにより、ビデオカメラ1は、図2にそのカメラ1からの映像信号を画像化した例を模式的に示すように、その視野内に試料Wの正面像と、ミラー2を介した試料Wの側面像の双方を入れて、これらを同時に撮像することができる。
【0020】
ビデオカメラ1からの映像信号は、アンプ3で増幅された後、A−D変換器4でデジタル化されて刻々と制御装置5に取り込まれる。
制御装置5は、実際にはコンピュータとその周辺機器によって構成され、コンピュータに書き込まれているプログラムに従った動作を行うが、図1(A)では、そのプログラムに従う機能ごとにブロック化して示している。すなわち、制御装置5は、正面像演算部51、側面像演算部52、補正演算部53および伸び演算部54を主体として構成されており、この制御装置5には、伸び演算部54による演算結果を表示するための表示装置6が接続されている。
【0021】
前記したA−D変換器4によってデジタル化されたビデオカメラ1からの映像データは、制御装置5の正面像演算部51および側面像演算部52の双方に供給される。正面像演算部51は、ビデオカメラ1からの映像データに含まれる試料Wの正面像情報から、2箇所のマークM1,M2それぞれのz方向への刻々の位置を認識し、その認識結果を刻々と補正演算部53に供給する。一方、側面像演算部52は、ビデオカメラ1からの映像データに含まれる試料Wの側面像情報から、2箇所のマークM1,M2の前後方向(x方向、ビデオカメラ1に対して接近・離隔する方向)への刻々の位置を認識し、その認識結果を同じく刻々と補正演算部53に供給する。ここで、ビデオカメラ1においては、試料Wの正面と、ミラー2を介しての側面の双方にピントを合わせることはできないが、焦点深度が十分深ければ、その映像データからこれら双方の物体を認識することが可能であるし、また、位置のないしは移動量の計算に際して、微小時間経過前後の映像データの相互相関関数などを用いれば、多少ピントが合っていなくとも像の重心の位置ないしは移動として計算できるので、コントラストさえついていれば、正面像および側面像の双方から十分に各マークM1,M2の刻々の位置の認識が可能である。
【0022】
補正演算部53では、後述する較正作業によってあらかじめ格納されている補正演算式ないしは補正テーブル等を用いて、正面像演算部51により求められたマークM1,M2のz方向への刻々の位置情報を、側面像演算部52により求められたマークM1,M2のx方向への刻々の位置情報によって補正し、その補正結果を伸び演算部54に供給する。伸び演算部54では、補正後の各マークM1,M2のz方向への刻々の位置情報に基づくそれぞれの移動量、つまり補正後のz方向への各マークM1,M2の移動量の差を算出し、その算出結果を当初のマークM1,M2間の距離で除した値に100を乗じることにより、伸び(%)を算出して、別途供給される荷重計測データとともに表示装置6に供給して、例えば荷重−伸び(%)曲線を表示させる。
【0023】
次に、補正演算部53による各マークM1,M2のz方向位置の補正演算の方法について詳述する。
計測に先立ち、例えば図3(A)に正面図を、同図(B)に側面図を示すように、z方向に直交する溝gi が互いに等間隔で形成された治具Jを用いて、システムを較正する。すなわち、図3のような治具Jを試料Wの伸びの計測位置に配置することにより、その治具Jの正面像および側面像を同時に撮像する。このときの映像データを画像化すれば図4に例示するようになるが、この映像データのうち、正面像における各溝gi のデータ領域をFi とし、そのz方向の各位置をそれぞれzi とするとともに、側面像における各溝gi のデータ領域をSi とし、そのx方向への各位置をxi として、それぞれ正面像演算部51および側面像演算部52で認識する。
【0024】
その状態から、治具Jを前後に移動させ、同様にそれぞれのデータ領域Fi およびSi の位置を認識する。治具Jをカメラ1に近づく向きに移動させたとき、Si は左方向(+x方向)に移動し、Fi はそのz方向への位置に応じた量だけ上下(±z方向)に移動する。この移動量をそれぞれΔxi ,Δzi とすると、図5にグラフで例示するように、Δzi /Δxi と、zi とから、治具Jのz方向各位置での、x方向への移動時における正面像のz方向への移動量の関係を表す式の傾きαとz軸上との交点z0 を求めることができる。すなわち、側面像から求めたz方向任意の位置zi における物体のx方向への移動量Δxi から、正面像上での位置zにおけるz方向への移動量Δzi を求めるための補正式を、
Δzi /Δxi =α(z−z0 ) ・・(1)
として求めることができる。このようにして得られた補正式は、補正演算部53に記憶される。
【0025】
さて、実際の試料Wの伸びの計測に際して、補正演算部53では、側面像演算部52からの各マークM1,M2の刻々のx方向への位置情報から求められる各マークM1,M2の移動量ΔxM1, ΔxM2と、正面像演算部51からの各マークM1,M2のz方向への位置情報zM1, zM2、並びに上記(1)式で表される補正式を用いて、試料Wの前後方向への移動に伴う正面像における各マークM1,M2のz方向への移動量(誤差成分)ΔzM1, ΔzM2を算出する。そして、その算出結果ΔzM1, ΔzM2を、正面像演算部51からの各マークM1,M2のz方向への刻々の位置情報zM1, zM2を元に算出された各マークM1,M2のz方向への見かけ上の移動量ΔZM1′, ΔZM2′から減算することにより、試料Wの前後方向への移動による誤差が除かれた各マークM1,M2のz方向への移動量ΔZM1, ΔZM2を求めることができる。
【0026】
図6は、試験の進行に伴う一方のマークM1についての移動量データを示すグラフであり、正面像演算部51からのデータのみで得られるマークのz方向への移動量データΔZM1′には、試料Wの前後方向への移動に伴う誤差成分ΔzM1が含まれており、この誤差成分ΔzM1はΔxM1を用いて算出することができ、その誤差成分ΔzM1をΔZM1′から減算することにより、真の移動量を表すデータΔZM1を求めることができる。
【0027】
以上のようにして補正された後の各マークM1,M2のz方向への移動量ΔZM1, ΔZM2は伸び演算部54に供給され、伸び演算部54では、これら両者の差(ΔZM1−ΔZM2)を伸び量として、前記した計算によって試料Wの伸び(%)を求める。このようにして求められた伸び(%)は、従って、試料の前後方向への移動に伴う誤差を含まない正確な値となる。
【0028】
次に、本発明の他の実施の形態について述べる。
図7はその全体構成図である。この例では、先の実施の形態におけるミラー2に代えて、試料Wに付された2箇所のマークM1,M2の初期位置近傍に、それぞれスポット光を照射するための2組の光源とレンズからなるスポット光照射光学系71および72を配置した点においてハード的な相違がある。各光源は、例えばLEDあるいはLDとすることができる。
【0029】
この2組のスポット光照射光学系71,72は、図8に側面図で示すように、ビデオカメラ1と共通の鉛直テーブル73に支持され、例えばマイクロメータ74の操作によってビデオカメラ1とともに既知量だけ試料Wに対して接近・離隔する方向(x方向)に移動し得るようになっている。また、鉛直テーブル73には、各照射光学系71,72からのスポット光の照射位置を試料Wの表面上で上下方向(z方向)に調整するための調整機構75、76が設けられている。
【0030】
ビデオカメラ1は、試料Wの各マークM1,M2とともに各スポット光像を撮像して、その映像信号は先の実施の形態と同様にアンプ3およびA−D変換器4を介して映像データとして制御装置8に取り込まれる。
【0031】
この例において制御装置8は、ビデオカメラ1からの映像データから各マークM1,M2の刻々のz方向位置を認識する、先の例における正面像演算部51と同等の機能を有するマーク像演算部81と、同じ映像データから2つのスポット光像の刻々のz方向位置を認識するスポット光像演算部82と、そのスポット光像演算部82からのデータを、各スポット光照射位置における試料Wのx方向移動量に伴う映像データ上でのz方向への移動量に換算する換算部83と、その換算部83からのデータを用いて、マーク像演算部81からのデータを補正する補正演算部84、および、補正後のデータを用いて試料Wの伸び(%)を算出する伸び演算部85を主たる構成要素とし、伸び演算部85からのデータは先の例と同等の表示装置6に供給される。
【0032】
換算部83は、スポット光像演算部82により求められた2つのスポット光像の刻々のz方向への位置情報を、以下の原理によってx方向への移動に伴うz方向への誤差成分量に換算する。
【0033】
図9に示すように、簡単のためにビデオカメラ1を1個のレンズ11と像面12からなる単レンズ結像系としたとき、当初のマークM1上にスポット光を照射している状態において、試料Wがビデオカメラ1側に、つまりx方向に平行移動したとき、マークM1は点AからBへ移動し、スポット光の照射位置は点AからCへ移動する。このとき、像面12上ではマークM1像はA′からB′へ、スポット光像はA′からC′へ移動する。
【0034】
A′B′間の距離をΔzM とし、スポット光の入射角度をθとし、A′C′間の距離をΔzS とすると、図7より、
【0035】
【数1】
【0036】
となる。上式から変数xを消去し、ΔzM とΔzS の関係を求めると、
【0037】
【数2】
【0038】
となる。
この関係は、他方のマークM2とその上に照射されるスポット光についても、全く同様なことが言える。
【0039】
システムの較正時において、まず、試料Wの2箇所のマークM1,M2にそれぞれスポット光を照射するように調整機構75,76を操作した後、鉛直テーブル73をx方向に移動させる。この移動前後の映像データから、前記したマーク像の移動量ΔzM と、スポット光像の移動量ΔzS を計測することができる。この計測結果から、上記(2)式の各マークM1,M2ごとの係数kを求めることができる。このようにして求められた各係数は、換算部83に記憶される。
【0040】
ここで、この実施の形態の利点は、互いに隣接配置することのできるビデオカメラ1とスポット光照射光学系71,72を用いた構成により、これらを共通の鉛直テーブル73等に支持して、試料Wに対して平行移動させることが容易である点であり、これにより、システムの較正を、先の例のような治具等を用意することなく、容易に行うことができる。
【0041】
さて、実際の計測に際しては、スポット像光演算部52からの各スポット光像の刻々のz方向位置情報に基づく各スポット光像のz方向移動量ΔzS1, ΔzS2が、換算部83に記憶されている(2)式により、それぞれ試料Wのx方向への移動に伴う映像データ上での各スポット光照射位置におけるz方向への移動量、つまり試料Wの前後動により映像データ上に現れる誤差成分量ΔzM1, ΔzM2に換算され、その各値が補正演算部84に供給される。この補正演算部84では、マーク像演算部81からの各マークM1,M2の刻々のz方向位置情報に基づく各マークM1,M2のz方向への移動量ΔZM1′,ΔZM2′から、それぞれ上記の誤差成分量ΔzM1, ΔzM2を減算することにより、試料Wの前後方向への移動に伴う誤差が除かれた各マークM1,M2のz方向への移動量ΔZM1, ΔZM2を求める。
【0042】
このようにして補正された各マークM1,M2のz方向への移動量ΔZM1, ΔZM2は伸び演算部85に供給され、先の例において示した計算によって試料Wの伸び(%)が求められる。このようにして求められた伸び(%)は、前記したように、試料Wのx方向への移動が試験開始当初において顕著に現れ、その後は殆ど移動しないこと、特に高精度の伸びの計測が求められるのは材料の弾性領域である試験開始当初であること等から、試験の進行に伴って各マークM1,M2の位置が変化しても、スポット光の照射位置である各マークM1,M2の初期位置でのx方向への移動量に基づいて得られた誤差成分量ΔzM1, ΔzM2の減算によって十分に正確な値となる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、引張試験時等において試料がビデオカメラに対して前後方向に移動したとき、それに伴う試料の2箇所のマークの動方向への移動情報をそれぞれ非接触のもとに計測し、その計測結果に応じて、ビデオカメラの映像信号に基づく各マークの引張方向への移動量を補正した上で、各マーク間の伸びを算出するから、移動要素を伴う掴み具を備えた通常の材料試験機によって、特に掴み具による把持位置を正確に位置決めしない状態で試料をチャッキングして引張負荷を与えても、試料の前後方向への移動に伴う誤差を含まない正確な伸びの計測が可能となった。
【0044】
しかも、試料の前後方向移動情報の計測に、ミラーを用いて試料の側面像を正面像とともにビデオカメラで撮像する方式を採用しているので、ハード的にはミラーのみを追加することによって、上記の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成の説明図で、(A)はその全体構成を示す模式図、(B)は試料Wの引張方向(z方向)に沿って上から見た状態で示す試料Wと撮像光学系との関係を表す模式図
【図2】図1の実施の形態におけるビデオカメラ1からの映像信号を画像化した例を示す模式図
【図3】図1の実施の形態の較正に用いられる治具Jの一例の正面図(A)および側面図(B)
【図4】図3の治具Jを装着した状態におけるビデオカメラ1からの映像信号を画像化したときの模式図
【図5】図3の治具Jを用いて得られるz方向各位置におけるx方向への移動量Δxi とそれに伴う正面像のz方向への移動量Δzi の関係を示すグラフ
【図6】図1の実施の形態における正面像演算部51により得られるマークM1の移動量ΔZM1′と、それに含まれる誤差成分ΔzM1、および補正後の移動量ΔZM1の関係を示すグラフ
【図7】本発明の他の実施の形態の全体構成図
【図8】その各照射光学系71,72とビデオカメラ1の支持状態を示す側面図
【図9】図7の実施の形態における換算部83での換算原理の説明図
【図10】ビデオカメラの映像信号から求めた伸びに及ぼす、試料の前後方向への移動の影響の説明図
【符号の説明】
1 ビデオカメラ
2 ミラー
5 制御装置
51 正面像演算部
52 側面像演算部
53 補正演算部
54 伸び演算部
71,72 スポット光照射光学系
73 鉛直テーブル
8 制御装置
81 マーク像演算部
82 スポット光像演算部
83 換算部
84 補正演算部
85 伸び演算部
W 試料
M1,M2 マーク
Claims (1)
- 試料表面に付された2箇所のマークをビデオカメラによって撮像して得られる映像信号から、各マークの位置を認識してその刻々の各移動量を計測し、その各移動量の差から各マーク間の刻々の伸びを求める演算手段を備えた伸び計において、上記ビデオカメラに対する各マークの前後方向への移動量を非接触のもとに計測する前後移動情報計測手段と、その前後移動情報計測手段による計測結果に基づき、上記映像信号を用いた各マークの移動量計測結果を補正する補正演算手段を有し、上記演算手段が、その補正後の各マークの移動量から伸びを算出するように構成されているとともに、上記前後移動情報計測手段が、試料の側方に配置されて当該試料の側面の像を上記ビデオカメラの視野内に導くミラーと、そのビデオカメラからの映像信号のうち、試料の側面像に対応する信号を用いて、各マーク位置での試料の前後方向への移動量を算出する前後移動量算出手段によって構成されていることを特徴とするビデオ式非接触伸び計。
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