JPH0996510A - レーザ非接触伸び計 - Google Patents

レーザ非接触伸び計

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JPH0996510A
JPH0996510A JP25297595A JP25297595A JPH0996510A JP H0996510 A JPH0996510 A JP H0996510A JP 25297595 A JP25297595 A JP 25297595A JP 25297595 A JP25297595 A JP 25297595A JP H0996510 A JPH0996510 A JP H0996510A
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JP
Japan
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irradiation
laser beam
elongation
test body
optical system
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JP25297595A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kamegawa
正之 亀川
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストを増大させることなく、伸びの計測範
囲を広くしてゴム等の伸びの大きな試験体に適用可能な
レーザ非接触伸び計を提供する。 【解決手段】 試験体Wの表面に設定された2つの標点
A1,A2に対応して各2組の照射ユニットU11,U12
およびU21,U22を設け、2組の照射ユニットによる照
射領域を交互に、かつ、段階的に変化させることで、各
標点に常に1つのユニットからの静止状態のレーザビー
ムを照射することで、各標点を追尾してレーザ光の照射
領域を変化させていく構成を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試験体の表面に対
してレーザ光を照射して得られるスペックルパターンを
利用して、試験体の伸びを非接触のもとに計測すること
のできる、レーザ非接触伸び計に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定試料の表面にレーザ光を照射する
ことによって得られるスペックルパターンを利用して、
その試料の変位情報を非接触のもとに計測する方法が知
られている。
【0003】このようなスペックルパターンを利用して
変位情報を得る場合、基本的には、試料の測定対象面か
らのレーザ光の散乱光を、イメージセンサによって光電
変換してスペックルパターンに応じた電気信号を刻々と
得るとともに、その刻々の信号の相互相関関数を求める
ことにより、スペックルパターンの移動量を求め、その
スペックルパターンの移動量から試料の変位情報を得
る。また、このような原理を用いて、試料の2箇所にお
けるスペックルパターンの移動量を個別に求めるととも
に、その差を算出することにより、その2箇所間におけ
る試料の伸び(または縮み)量を求めることができ、材
料試験機における試験体の伸びを非接触のもとに計測す
ることのできる伸び計が得られる。
【0004】ここで、試験体の2箇所間における伸びを
計測する場合、スポット状のレーザ光を試験体表面に固
定的に照射し、その各箇所からの散乱光のスペックルパ
ターンの移動量からそれぞれ変位情報を得ると、計測さ
れた伸びはJISに規定された伸びの概念とは異なるも
のとなる。すなわち、試験体に対する2箇所のレーザ光
の照射位置を固定して得られた各変位量の差によって得
た伸びは、その照射位置間の距離をGLとすると、互い
に距離GLを隔てて固定された観察点を横切った試験体
の移動量の積分値となるのに対し、JISの引張試験等
に規定された伸びは、当初に設定した2つの点(標点)
間の距離が、試験後にどのように変化したかを表す距離
の変化量まはた率である。
【0005】このようなJIS準拠の伸びを非接触のも
とに計測するために、試験体上に初期設定した2つの観
察点を、試験体の伸びに追随して追尾していく必要があ
る。このような追尾を、ソフト的に行う方法として、図
1に模式的斜視図を示すように、試験体Wの表面に対
し、その伸び方向にライン状に伸びる照射面Pが得られ
るよう、レーザ光源Lからの出力光をライン状に拡張す
るためのシリンドリカルレンズ等を用いたビームエキス
パンタEを設けるとともに、そのライン状の照射面Pか
らの散乱光を結像光学系Iを介して1次元イメージセン
サSで受光し、その各チャンネルデータのうち、初期設
定された2つの観察点に対応する2領域A1,A2から
の散乱光を受光している2群の各複数チャンネル分のデ
ータを観察点データとして用い、それぞれにスペックル
パターンの移動量を算出するとともに、その各移動量が
規定量に達するごとに、観察点データ源としているチャ
ンネルを伸び方向にシフトすることにより、試験体上に
初期設定された2つの観察点(標点)A1,A2を追尾
する方法が既に提案されている。この場合、各観察点の
変位量は、それぞれ、刻々のスペックルパターンの移動
量と、チャンネルシフト量の試験体上での距離換算量と
の和となり、また、試験体の伸びは、両観察点の変位量
の差から求めることができ、得られた伸びはJIS準拠
のものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
に試験体表面に対してライン状にレーザ光を照射し、そ
の散乱光のなかから、2つの標点に対応する各領域から
の散乱光の光電変換信号のみを観察点データとして用
い、かつ、各標点の変位に従ってその観察点データ源と
してのチャンネル群をシフトしていく、ソフト的な追尾
方法を採用する場合、ライン状のレーザ光照射領域の広
がりが追尾の限界、ひいては伸びの計測範囲の限界を決
定する。
【0007】ここで、例えばゴム等の軟質材料において
は、伸びが1000%にも及ぶものがあり、このような
場合、図2に模式的に示すように、当初に設定された上
下の標点A1,A2間の距離GLを20mmに設定した
とき、試験体Wの伸びに従ってその標点間距離GLは2
00mmに達し、しかも、引張試験は、通常、試験体W
の上下両端を均等に移動させるのではなく、例えば下方
の端部を固定して上方の端部のみを上方に移動させて引
張荷重を加えることから、試験体Wの伸びに伴って下方
の標点A2が上方に移動する。従って、このような試験
における伸びの計測を可能とするためには、下方の標点
A2の移動量を100mmとしたとき、レーザ光の照射
領域を上下に300mmの広がりを持たせる必要があ
る。
【0008】このような長い照射領域を得るべく、図3
(A)に例示するように、1つの半導体レーザLからの
出力光をシリンドリカルレンズ等を用いたビームエキス
パンダEを用いて拡張する場合、大出力のレーザを用い
なければ十分な密度のレーザ光が得られないばかりでな
く、レーザ光の密度分布が一様でなくなり、得られるス
ペックルパターンは、同図(B)に示すように、その強
度が不均一なものとなってしまう。
【0009】そこで、図4に例示するように、多数の半
導体レーザL・・Lと、それぞれに対応した多数のビーム
エキスパンダE・・Eを設けて、個々の半導体レーザLの
出力光をさほど広げることなく、全体として長い照射領
域を得る対策が考えられるが、この場合には、半導体レ
ーザLとビームエキスパンダの数に比例してコストが増
大する。
【0010】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、コストをさほど増大させることなく、伸びの計
測範囲を広くすることができ、もってゴム等の伸びの大
きな試験体にも対応可能なレーザ非接触伸び計の提供を
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、その実施の形態を表す図5を参照しつつ説
明すると、本発明のレーザ非接触伸び計は、試験体Wの
2つの標点に対応する2領域A1,A2に対応して、光
学系11a(12a,21a,22a)と照射位置変更
機構11b(12b,21b,22b)とからなる照射
ユニットU11〜U22をそれぞれ2組ずつ設けて、これら
によって、試験体Wの表面にレーザ光を照射する照射光
学系1を構成し、その各ユニットU11〜U22において光
学系11a(12a,21a,22a)は、伸びの計測
方向に所定の広がりを持つレーザビームを生成する一
方、照射位置変更機構11b(12b,21b,22
b)は、その光学系11a(12a,21a,22a)
からのレーザビームの試験体Wの表面に対する照射位置
を伸びの計測方向に移動させるように構成し、そして各
ユニットU11〜U22の照射位置変更機構11b(12
b,21b,22b)は、演算部7で求められた各領域
A1,A2それぞれの変位情報に基づき、各領域A1,
A2ごとに、2つのユニットU11,U12またはU21,U
22のうち一方のユニットからのレーザビームのみが該当
の領域を照射するよう、2つのユニットU11,U12また
はU21,U22からのレーザビームの照射位置を交互に試
験体の伸び方向に段階的に移動させていくことによって
特徴づけられる。
【0012】
【作用】本発明は、試験体Wの表面に対して、その伸び
の計測範囲全体をカバーするような長いライン状のレー
ザ光照射領域を定常的に設けるのではなく、2つの標点
に対応する2領域A1,A2のそれぞれに対応して、伸
びの計測方向にある程度の広がりを持つレーザビームを
生成し、かつ、そのビーム照射位置を移動させ得る2つ
のずつの照射ユニットU11,U12とU21,U22を設け
て、その2つの照射ユニットU11,U12とU21,U22
よって、該当の領域を交互に、かつ、段階的に追いかけ
ることにより、各領域の近傍に常に1つのユニットから
の静止状態のレーザビームの照射を続けつつ、その各領
域の試験体Wの伸びに伴う移動を追尾することで、所期
の目的を達成しようとするものである。
【0013】すなわち、図7に模式的に示すように、例
えば領域A1は、それに対応して設けられた2つの照射
ユニットU11,U12のうちの一方のユニットU11からの
静止状態のレーザビームB11がある時点において照射さ
れるが、領域A1は試験体Wの伸びに伴って図中矢印で
示すように上方に移動し、やがてその静止ビームB11
照射領域IR11から逸脱する。その逸脱前に、他方のユ
ニットU12からのレーザビームB12を、ビームB11の照
射領域IR11の直上に静止状態で照射しておくことによ
り、領域A1はレーザビームB12の照射領域IR12に入
る。領域A1が更に移動してビームB12の照射領域IR
12から逸脱する前に、ユニットU11からのレーザビーム
11を段階的に移動させて、照射領域IR12の直上に照
射しておけば、領域A1はそのビームB11の新たな照射
領域IR12′に入る。このような繰り返しにより、各領
域A1,2を、その移動に係わらず、常にいずれかのユ
ニットからの静止状態のレーザビームで照射することが
可能となる。
【0014】ここで、各領域A1,A2に対して、それ
ぞれに1つのスポット状のレーザビームを照射して、そ
のスポット光の照射位置をA1,A2の移動に追随させ
て移動させた場合、そのスポット照射光の移動によって
各領域A1,A2からの散乱光が乱れ、スペックルパタ
ーンの移動量の算出が不可能になるが、本発明のよにう
に2つのレーザビームを交互に段階的に移動させつつ、
常に静止状態のレーザ光のみが各領域を照射するように
構成することによって、このような問題は生じない。
【0015】また、スポット状のレーザ光をハード的に
移動させることによって各標点を追尾し、そのスポット
光の移動量とスペックルパターンの移動量とから各標点
の変位情報を得る方式では、スポット光を移動させるた
めのメカニズムの誤差がそのまま変位情報の誤差に繋が
るが、本発明では、各標点の追尾を、各標点からのスペ
ックルパターンのイメージセンサへの結像位置の変化に
対して観察点データ源としてのチャンネルをシフトする
ことによってソフト的に行うため、各ユニットからのレ
ーザビームの照射位置の移動誤差は、各標点の変位情報
の誤差には全く影響を及ぼさず、要は、各標点それぞれ
が常に静止状態のレーザビームで照射される状態として
おくことにより、ライン状の長いレーザ光照射領域を形
成した場合と全く同等のスペックルパターンが得られ、
求められる各標点の変位情報も全く同等の精度となる。
【0016】
【発明の実施の形態】図5は本発明の実施の形態の全体
構成図で、光学系並びにその付随機構の模式図と電気的
構成のブロック図とを併記して示す図である。
【0017】試験体Wは、例えば材料試験機の上下の掴
み具によってその上下両端が把持され、下方の掴み具を
固定した状態で上方の掴み具を上方に移動させることに
よって、図中上下への引張荷重が加えられる。この試験
体Wの表面には、後述する上下2組ずつの照射ユニット
11,U12およびU21,U22によって構成された照射光
学系1からのレーザ光が照射される。
【0018】照射光学系1からのレーザ光の試験体Wの
表面による散乱光は、結像光学系としての集光レンズ2
によってイメージセンサ3の受光面上に結像される。イ
メージセンサ3は、例えば上下に4000個の画素が配
列された4000チャンネルの1次元イメージセンサで
ある。
【0019】イメージセンサ3の各チャンネルからの出
力は、増幅器4で増幅された後、A−D変換器5によっ
てデジタル化され、メモリ6に格納される。メモリ6に
は、イメージセンサ3の各チャンネルごとにデータの格
納アドレスがが設定されており、各チャンネルからのデ
ータはそれぞれ該当のアドレスに格納される。このメモ
リ6内の各チャンネルデータは、後述する各観察点にお
ける参照データを除いて、データが到来するごとに演算
部7に刻々と読みだされて、その一部が後述する演算に
供された後、全データが直ちに捨てられ、イメージセン
サ3からの次のデータの到来を待つようになっている。
【0020】演算部7は実際には高速演算処理回路とC
PUによって構成されており、この演算部7には、イメ
ージセンサ3の各チャンネルからのデータのうち、試験
開始当初に試験体Wの2つの標点に該当する2領域A
1,A2からの散乱光データを、それぞれ観察点データ
として初期設定するための設定器8が接続されている。
この設定器8により、イメージセンサ3の第1〜第40
00チャンネルのうち、初期観察点データ源として、例
えば第21〜第120チャンネルを第1の観察点データ
源、第221〜第320チャンネルを第2の観察点デー
タ源として設定する。これらの観察点データ源には、試
験体Wの表面からの散乱光のうち、図中A1およびA2
で示した領域からの散乱光が入射し、このA1およびA
2が2つの標点となる。
【0021】演算部7では、設定器8によって初期設定
された上下の2領域A1,A2からの散乱光データであ
る、第21〜第120チャンネルからのデータ群と、第
221〜第320チャンネルからのデータ群とを、それ
ぞれ当初の観察点における参照データとして、以後の刻
々の同チャンネルからのデータ群との相互相関関数を算
出し、領域A1,A2からのスペックルパターンの移動
量を個別に求めるとともに、その移動量が規定量、例え
ば30チャンネル相当分に達するごとに、観察点データ
源としてのチャンネルを同チャンネル分ずつシフトして
いき、また、そのシフト時点でそれまで用いていた参照
データを捨て、シフト後の最初のデータ群を参照データ
として記憶しなおす。そして、各領域A1,A2につい
て、スペックルパターンの移動量と、観察点データ源と
してのチャンネル群のシフト量の試験体Wの表面での距
離換算量との刻々の積算値から、各領域A1,A2、つ
まり2つの標点A1,A2の刻々の移動量を算出する。
すなわち、設定器8によって初期設定された2つの標点
A1,A2は、イメージセンサ3の各チャンネルからの
出力のうち、観察点データとして用いるチャンネル群を
それぞれ各標点A1,A2の移動に追随して逐次シフト
することによってソフト的に追尾されつつ、その各移動
量が刻々と求められる。そして、2つの標点A1,A2
間の伸びは、その各点の移動量の差によって算出され、
伸びの計測結果として出力される。
【0022】さて、各標点A1,A2のそれぞれに対応
して2組ずつ設けられた照射ユニットU11,U12および
21,U22は、それぞれ、光学系11a(12a,21
a,22a)と照射位置変更機構11b(12b,21
b,22b)によって構成されている。そして、その各
光学系11a(12a,21a,22a)は、半導体レ
ーザLとその出力光を伸びの計測方向に所定広がりを持
つレーザビームに成形するビームエキスパンダEと、そ
のビームエキスパンダEを経たレーザビームを通過/遮
断するためのシャッタSHによって構成され、また、各
照射位置変更機構11b(12b,21b,22b)
は、各光学系11a(12a,21a,22a)からの
レーザビームを反射させて試験体Wの表面に導くミラー
Mと、そのミラーMの角度を変更する角度変更機構Dに
よって構成されている。なお、各角度変更機構Dは、実
際にはミラーMの角度を変更するためのアクチュエータ
としてのモータとそのドライバによって構成されてい
る。
【0023】各照射ユニットU11,U12およびU21,U
22の角度変更機構Dは、それぞれ演算部7から供給され
る各標点A1,A2の変位情報(移動量の算出結果)に
基づく信号によって制御され、以下に説明するように、
ユニットU11とU12によって標点A1を、ユニット
21,U22によって標点A2をそれぞれ段階的に追尾
し、各標点A1,A2にそれぞれ静止状態のレーザビー
ムを常に照射するよう、それぞれに対応するミラーMの
角度をステップ状に変更する。また、各光学系11a
(12a,21a,22a)内のシャッタSHは、図示
は省略しているが演算部7からの指令により開閉され、
角度変更機構Dに対して駆動指令が供給されるのと同期
して同じユニット内のものが閉じられる。
【0024】図6は一方の標点A1を例にとって、ユニ
ットU11,U12の各角度変更機構Dに対して供給される
駆動信号の例を示すタイムチャートである。演算部7に
おいてイメージセンサ3からの出力データを基に算出し
た標点A1の移動量が、一定値εに達するごとに、ユニ
ットU11とU12の角度変更機構Dに対して交互に駆動指
令が発せられる。この駆動指令が供給された角度変更機
構Dは、対応するミラーMの角度をステップ状に変更
し、光学系11aまたは12aからのレーザビームの試
験体Wの表面への照射位置を2εだけ上方、つまり試験
体Wの伸び方向に移動させる。この2εの距離は、各ユ
ニットの光学系11a,12aからのレーザビームの試
験体Wの表面への照射領域の上下方向への広がり量εの
2倍に相当する。また、各光学系11a,12aのシャ
ッタSHは、その出力ビームが静止している状態におい
ては開かれているが、その照射位置が移動される直前に
閉じられ、移動の完了後に再び開かれる。
【0025】図7は、伸びの計測中における標点A1の
移動と、それに対応する2つのユニットU11,U22の上
述の動作による試験体Wの表面へのレーザビームの照射
領域の移動状況の説明図である。
【0026】今、ある時点において標点A1の位置が図
示の通りであったとし、その標点A1が一方のユニット
11からのレーザビームB11による照射領域IR11内に
存在しているとする。この状態において、他方のユニッ
トU12からのレーザビームB 12による照射領域IR
12は、IR11の直上に位置している。引張試験の進行に
よる試験体Wの伸びにより、標点A1が矢印の通り移動
し、ユニットU12による照射領域IR12に入った時点
で、ユニットU11に対して駆動指令が発せられ、そのレ
ーザビームB11はシャッタSHによって遮られた状態
で、2εだけ段階的に上方に移動され、照射領域IR12
の直上に新たな照射領域IR11′を形成する。そして、
更なる試験の進行に伴い、標点A1がユニットU12によ
る照射領域IR12外に出て照射領域IR11′に入った時
点で、ユニットU12に対して駆動指令が発せられ、上記
と同様に、そのレーザビームB12はシャッタSHによっ
て遮られた状態で、2εだけ段階的に上方に移動され、
新たな照射領域IR12′を形成する。
【0027】このような繰り返しにより、標点A1に
は、試験の進行に伴う移動にも係わらず、常にユニット
11またはU12のいずれか一方からの静止状態のレーザ
ビームによって照射される。
【0028】このような動作は他方の標点A2に対応す
るユニットU21,U22についても全く同様であり、試験
体Wの表面に初期設定された2つの標点A1とA2は、
それぞれに対応して設けられた2つの照射ユニットU11
とU12、および、U21とU22によって実質的に追尾され
ながら、常に静止状態のレーザビームによって照射され
る。
【0029】以上の本発明の実施の形態よれば、半導体
レーザLとビームエキスパンダE等からなる光学系と、
その出力光の照射位置の変更機構とからなる照射ユニッ
トを4個設けることにより、試験体Wの伸びによって移
動する2つの標点A1とA2のそれぞれに対し、常に静
止状態のレーザビームを照射することができ、その照射
範囲は実質的に制限がなく、ゴム等の伸びの大きな試験
体に対しても、十分に使用することができる。
【0030】ここで、図7においては、2つの照射ユニ
ットU11,U12からのレーザビームによる各照射領域I
11,IR12とが互いに重ならずに接した状態で示して
いるが、これらはある程度重複していてもよい。この場
合、重複部分におけるレーザビームの強度が他の部分に
比して大きくなるが、イメージセンサ3の出力が飽和し
ない状態であれば、スペックルパターンの移動量の算出
に支障を来すことはない。また、この場合、標点A1の
位置が重複部分に存在している状態ではレーザビームの
移動を禁じる必要があることは勿論であり、一方のユニ
ットによる照射領域から重複部分を経て他方のユニット
による照射領域にA1が移動した後に、一方の照射ユニ
ットのレーザビームを遮断して移動させればよい。
【0031】また、以上の実施の形態においては、各ユ
ニットのレーザビームの移動に際して、その移動中のビ
ームが各標点を照射してスプックルパターンを乱すこと
を防止する目的で、そのビームをシャッタSHで遮蔽し
たが、シャッタSHを設けることなく、ビームを横に振
った状態で上下方向に移動させ、あるいは半導体レーザ
への給電を停止した状態でミラーMの角度を変更する等
の方式を採用することもできる。
【0032】更に、各ユニットの照射位置変更機構につ
いては、上記した例に限られることなく、ミラーを設け
ず、例えは光学系の全体をステージ上に載せ、そのステ
ージの角度を変更する機構等、他の機構を採用し得るこ
とは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試験体表面にレーザ光を照射して得られる散乱光を結像
光学系を介して複数チャンネルのイメージセンサで受光
し、そのイメージセンサの各チャンネル出力のうち、試
験体表面に初期設定された2つの標点に対応する2領域
からのレーザ散乱光を受光する2群のチャンネル群から
らのデータを観察点データとしてそれぞれのスペックル
パターンの移動量を算出するとともに、その各移動量が
所定量に達するごとに、観察点データ源としてのチャン
ネル群をシフトすることによって各標点をソフト的に追
尾する方式を採用したレーザ非接触伸び計において、各
標点に対応してそれぞれ2組の照射ユニットを設け、各
照射ユニットからのレーザビームを、各標点の移動に追
随して、交互に段階的に移動させ、各標点には常に静止
状態のレーザビームを照射するように構成したから、4
個のレーザ照射光学系とその照射位置の変更機構によっ
て、各標点を実質的に無制限に追尾することが可能とな
り、多数の光学系配置してその全体で長い照射領域を形
成する場合に比して、コストを増大させることなく、伸
びの計測範囲を広くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験体表面に対してライン状にレーザ光を照射
し、その散乱光に含まれるスペックルパターンのうち、
2つの標点に対応する部分を用いて各標点の移動量を算
出しつつ、その算出結果に応じて各標点をソフト的に追
尾する方式のレーザ非接触伸び計の光学的構成の模式的
斜視図
【図2】伸びの大きな試験体の引張試験時における2つ
の標点の移動の状況の説明図
【図3】1つのレーザ光源からの出力光をビームエキス
パンダで拡張して広い照射範囲を得る場合の光学的構成
例(A)と、その場合に得られるスペックルパターンの
データ例(B)の説明図
【図4】多数のレーザ光源とビームエキスパンダを用い
て広い照射範囲を得る場合の光学的構成例の説明図
【図5】本発明の実施の形態の全体構成図で、光学系並
びにその付随機構の模式図と電気的構成のブロック図と
を併記して示す図
【図6】図5における照射ユニットU11,U12の各角度
変更機構Dに対して供給される駆動信号の例を示すタイ
ムチャート
【図7】伸びの計測中における標点A1の移動と、それ
に対応する2つの照射ユニットU11,U22による試験体
Wの表面へのレーザビームの照射領域の移動状況の説明
【符号の説明】
1 照射光学系 U11,U12,U21,U22 照射ユニット 11a,12a,21a,22a 光学系 L 半導体レーザ E ビームエキスパンダ SH シャッタ 11b,12b,21b,22b 照射位置変更機構 M ミラー D 角度変更機構 2 集光レンズ 3 イメージセンサ 7 演算部 8 設定器 W 試験体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験体表面にレーザ光を照射する照射光
    学系と、そのレーザ光の試験体表面による散乱光を結像
    光学系を介して受光し、その散乱光に含まれるスペック
    ルパターンを検出する複数チャンネルのイメージセンサ
    と、そのイメージセンサからの出力データのうち、試験
    体上で伸びの計測方向に所定距離だけ離れた位置に初期
    設定された2つの領域に対応する各複数チャンネル分の
    データを観察点データとして用い、試験体上の上記2領
    域からのスペックルパターンの移動量を算出するととも
    に、その各領域のスペックルパターンの刻々の移動量算
    出結果に応じて、各領域を追尾すべく上記各観察点デー
    タとして用いるチャンネル群を逐次シフトしつつ、初期
    設定された2領域それぞれの刻々の変位情報を得て、そ
    の各変位情報からその2領域間の刻々の伸びを算出する
    演算部を備えた伸び計において、 上記2つの領域それぞれに対応して、光学系とその照射
    位置変更機構とからなる照射ユニットが2組ずつ設けら
    れ、これらによって上記照射光学系が構成されていると
    ともに、 その各ユニットにおいて、光学系は、伸びの計測方向に
    所定の広がりを持つレーザビームを生成する一方、照射
    位置変更機構は、その光学系からのビームの試験体表面
    に対する照射位置を伸びの計測方向に沿って移動させ、 その各ユニットの照射位置変更機構は、上記演算部で求
    められた各領域それぞれの変位情報に基づき、各領域ご
    とに、2つのユニットのうち一方のユニットからの静止
    状態のレーザビームが該当の領域を照射するよう、2つ
    のユニットからのレーザビームの照射位置を交互に試験
    体の伸び方向に段階的に移動させていくことを特徴とす
    る、 レーザ非接触伸び計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210150937A (ko) * 2020-06-03 2021-12-13 주식회사 나무가 거리측정장치 및 거리측정장치의 구동 방법
US11843221B2 (en) 2020-03-30 2023-12-12 Namuga, Co., Ltd. Light source module for emitting high density beam and method for controlling the same

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KR20210150937A (ko) * 2020-06-03 2021-12-13 주식회사 나무가 거리측정장치 및 거리측정장치의 구동 방법

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