JPH09100844A - クラッチディスク装置 - Google Patents

クラッチディスク装置

Info

Publication number
JPH09100844A
JPH09100844A JP25799395A JP25799395A JPH09100844A JP H09100844 A JPH09100844 A JP H09100844A JP 25799395 A JP25799395 A JP 25799395A JP 25799395 A JP25799395 A JP 25799395A JP H09100844 A JPH09100844 A JP H09100844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
surface pressure
spring
pressure applying
flange portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25799395A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Noguchi
裕昭 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP25799395A priority Critical patent/JPH09100844A/ja
Publication of JPH09100844A publication Critical patent/JPH09100844A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動車に多く用いられる多段式捩
り特性を有するクラッチディスク装置に関し、少ない部
品を追加することにより安価なコストで、ヒステリシス
特性を滑らかに変化させうるようにする。 【解決手段】 被駆動側のスプラインハブのフランジ部
101Aと、フランジ部101Aの両側面に対向する駆
動側のクラッチプレート102及びリテイニングプレー
ト103とを備え、フランジ部101Aとクラッチプレ
ート102との間及びフランジ部101Aとリテイニン
グプレート103との間に、相互の捩角に応じて回転ト
ルクを伝達しうる弾性部材112と、相互の捻れに関し
ヒステリシスを生じさせるための摩擦機構51とを介装
し、摩擦機構51を、フランジ部101Aに一端面を係
合する摩擦プレート109と、摩擦プレート109をフ
ランジ部101Aへ押圧し係合面圧を付与する面圧付与
機構52と、捩角に応じて面圧付与機構52による係合
面圧を変更する面圧可変機構53とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バスやトラック等
の自動車で多く用いられる多段式捩り特性をそなえた、
クラッチディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラックやバス等の大きな動力を
必要とする自動車においては、その動力の断続を行なう
べく、緩衝用の弾性を多段式でそなえたクラッチディス
ク装置を装備している。このような、クラッチディスク
装置は例えば図7〜図9に示すように構成されている。
【0003】すなわち、図8に示すように、1段目バネ
定数の弾性が、円周上3ヵ所に装備された1段目バネ1
4で発生する。また、2段目バネ定数の弾性は、円周上
3ヵ所に親子バネの状態で装備された2段目バネ15で
発生する。ここで、2段目バネ15は、クラッチプレー
ト2に対しストッパピン7により固着されたリテイニン
グプレート3により保持されるようになっており、スプ
ラインハブ1における窓内縁との間に、θ1,θ1′の
隙間が設けられている。
【0004】そして、3段目バネ定数の弾性は、円周上
3ヵ所に装備された3段目バネ16が付加されることに
より発生する。この3段目バネ16はスプラインハブ1
で保持されており、クラッチプレート2およびリテイニ
ングプレート3との間に、θ2,θ2′の遊び(隙間)
が設けられている。また、1段目ヒステリシス特性が、
低μブッシュ5および低μ材で形成されたフリクション
ワッシャ8の滑りにより発生するように構成されてい
る。
【0005】ここで、荷重はウェーブスプリング11で
与えるように構成され、ウェーブスプリング11自身が
ヒステリシスを発生しないようにするため、サブピン6
により一体となった2枚のサブプレート4と同位相とな
るように、ウェーブスプリング11がサブピン6により
位置決めされている。また、ウェーブスプリング11の
フリクションワッシャ8への食い込みによる設定荷重の
減少を防止するため、ウェーブスプリング11とフリク
ションワッシャ8との間にフリクションプレート10が
設けられている。
【0006】なお、フリクションワッシャ8およびフリ
クションプレート10は、ウェーブスプリング11と同
様に、サブプレート4と同位相にするため、サブピン6
により位置決めされている。一方、2段目ヒステリシス
特性は、高μ材で形成されたフリクションワッシャ9の
滑りにより発生するように構成されている。
【0007】ここで、荷重はコーンスプリング13で与
えるように構成され、コーンスプリング13自身がヒス
テリシスを発生しないようにするため、クラッチプレー
ト2およびリテイニングプレート3と同位相となるよう
に、コーンスプリング13がクラッチプレート2および
リテイニングプレート3と一体となったスタッドピン1
7により位置決めされている。
【0008】また、高μ材で形成されたフリクションワ
ッシャ9へのコーンスプリング13の食い込みによる設
定荷重の減少を防止するため、高μ材で形成されたフリ
クションワッシャ9とコーンスプリング13との間にフ
リクションプレート12を設けている。なお、高μ材で
形成されたフリクションワッシャ9およびフリクション
プレート12は、コーンスプリング13と同様に、クラ
ッチプレート2およびリテイニングプレート3と同位相
とするため、スタッドピン17により位置決めされてい
る。
【0009】このような構成により、次のような動作が
行なわれ、図10に示すような作動特性が得られる。す
なわち、スプラインハブ1を固定しフェージング18を
回転させた状態で説明すると、それぞれの段の動作が次
のように行なわれる。 (1)1段目 フェージング18が回転すると、リベット19を介しフ
ェージング18と一体となっているクラッチプレート
2、およびストッパピン7を介しクラッチプレート2と
一体のリテイニングプレート3が共に回転する。
【0010】2段目バネ15はスプラインハブ1との間
に隙間θ1,θ1′が存在するため、また、3段目バネ
16はクラッチプレート2およびリテイニングプレート
3との間に隙間θ2,θ2′が存在するため、クラッチ
プレート2およびリテイニングプレート3がθ1,θ
1′またはθ2,θ2′の隙間分だけ回転するまではバ
ネとして作動せずに、2段目バネ15はクラッチプレー
ト2およびリテイニングプレート3と一体となって回転
し、3段目バネ16はスプラインハブ1とともに固定さ
れている。
【0011】サブプレート4は2段目バネ15を爪部で
保持することにより2段目バネ15と一体となって回転
するため、隙間なく設置された1段目バネ14が、回転
するサブプレート4により押され、固定されたスプライ
ンハブ1によりバネとして作動し、1段目バネ定数K1
の弾性を発生する。一方、サブプレート4が2段目バネ
15と一体となって回転するため、低μブッシュ5とス
プラインハブ1、および、低μ材で形成されたフリクシ
ョンワッシャ8とスプラインハブ1との間で、ヒステリ
シス特性H1が発生する。
【0012】なお、高μ材で形成されたフリクションワ
ッシャ9,フリクションプレート12,コーンスプリン
グ13はストッパピン7を介し、クラッチプレート2お
よびリテイニングプレート3と一体となって回転するた
め、サブプレート4との間に滑りは発生しない。 (2)2段目 クラッチプレート2およびリテイニングプレート3がθ
1,θ1′回転すると、2段目バネ15がスプラインハ
ブ1に当接し、2段目バネ15がバネとして作動して、
2段目バネ定数K2の弾性を発生する。
【0013】さらに、回転がα進むと、サブピン6がス
プラインハブ1に当接し、サブプレート4の回転が止ま
り、サブプレート4はスプラインハブ1と一体となって
固定されるため、1段目バネ14はバネとして作動しな
くなる。そして、ヒステリシス特性H1を構成させるよ
うに滑っていた、低μブッシュ5と、低μ材で形成され
たフリクションワッシャ8とが固定されるため、固定さ
れたサブプレート4と、クラッチプレート2およびリテ
イニングプレート3と一体となって回転する高μ材で形
成されたフリクションワッシャ9との間の滑りにより、
ヒステリシス特性H2が発生する。
【0014】(3)3段目 クラッチプレート2およびリテイニングプレート3がθ
2,θ2′回転すると、3段目バネ16がクラッチプレ
ート2およびリテイニングプレート3に当接し、3段目
バネ16がバネとして作動して、2段目バネ15と3段
目バネ16とにより3段目バネ定数K3の弾性を発生す
る。
【0015】なお、ヒステリシス特性H2はそのまま存
在し、クラッチプレート2およびリテイニングプレート
3がθ3,θ3′回転すると、ストッパピン7がスプラ
インハブ1に当接するため、クラッチプレート2および
リテイニングプレート3の回転が停止される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構造においては、次のような課題がある。まず、2段目
バネに対する2段目ヒステリシスの発生遅れが存在する
ために、無負荷アイドル運転時における騒音を十分に低
減することができないという課題がある。
【0017】また、トランスミッションPTO(pow
er take off)オン時における微負荷アイド
ル回転での騒音が十分に低減できないという課題もあ
る。さらに、1段目、2段目それぞれが独立したヒステ
リシス特性の発生機構を必要とするため、部品点数が多
く、製造コストが高いという課題もある。ところで、ク
ラッチディスク装置についての類似技術として、次のよ
うな技術が提供されている。
【0018】実公平5−33779の技術は、流体ダン
パーをそなえたものであるが、ヒステリシス特性を実現
するに際しての技術に関するものではなく、上述の課題
を解消するものではない。本発明は、このような課題に
鑑み創案されたもので、少ない部品を追加することによ
り安価なコストで、ヒステリシス特性を滑らかに変化さ
せうるようにした、クラッチディスク装置を提供するこ
とを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のクラッチディスク装置は、被駆動側部材とし
てのスプラインハブのフランジ部と、該フランジ部の両
側面のそれぞれに対向するように設けられた駆動側部材
としてのクラッチプレートおよびリテイニングプレート
とをそなえ、該フランジ部と該クラッチプレートとの間
および該フランジ部と該リテイニングプレートとの間
に、相互の捩じれ角に応じて回転トルクを伝達しうる弾
性部材と、相互の捻じれに関してヒステリシスを生じさ
せるための摩擦機構とが介装されて、該摩擦機構が、該
フランジ部に一端面を係合する摩擦プレートと、該摩擦
プレートを該フランジ部へ押圧し係合面圧を付与する面
圧付与機構と、該捩じれ角に応じて該面圧付与機構によ
り付与される係合面圧を変更する面圧可変機構とをそな
えていることを特徴としている。
【0020】請求項2記載の本発明のクラッチディスク
装置は、請求項1記載の装置において、該面圧付与機構
が、面圧付加プレートと、該面圧付加プレートと該摩擦
プレートとの間に介装され該摩擦プレートに対する面圧
方向への弾性力を発生するスプリングとをそなえて構成
され、該面圧可変機構が、該捩じれ角に対応して該面圧
付加プレートを面圧方向へ変位させ該スプリングを押圧
変形させるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0021】請求項3記載の本発明のクラッチディスク
装置は、請求項2記載の装置において、該面圧可変機構
が、該面圧付加プレートの該フランジ部に対する回転を
該面圧付加プレートの面圧方向変位に変換する変換機構
をそなえて構成されたことを特徴としている。請求項4
記載の本発明のクラッチディスク装置は、請求項3記載
の装置において、該変換機構が、該フランジ部に固着さ
れたサブプレートをそなえ、該摩擦プレートと該スプリ
ングと該面圧付加プレートとが、該フランジ部と該サブ
プレートとの間に内設されるとともに、該サブプレート
と該面圧付加プレートとの間にボールが介装されて、該
ボールが、該サブプレートと該面圧付加プレートとのい
ずれか一方に転動および摺動を可能に保持されるととも
に、他方に滑らかに当接するように設けられて、該ボー
ルの当接する当接面が、該面圧付加プレートによる該ス
プリングの押圧変形量を小さくする第1面と、該面圧付
加プレートによる該スプリングの押圧変形量を大きくす
る第2面と、該第1面と第2面とを接続する傾斜面とを
そなえて構成されていることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としてのクラッチディスク装置について説明する
と、図1はその要部構成を示す模式的断面図、図2〜図
4はいずれもその要部の動作を説明するための要部断面
図、図5はそのコイルドウエーブスプリングを示す模式
的正面図、図6はその捩り特性を示すグラフである。
【0023】本実施形態の要部であるヒステリシス特性
発生機構は、図1〜図4に示すように構成されている
が、要部以外の部分(主として、第1〜3段の弾性発生
機構)については図7〜図9に示す従来例の構造とほぼ
同様に構成されている。このような従来例とほぼ同様な
構成の部分については、本実施形態の要部構成を説明す
るために必要な部分について説明し、その他の部分につ
いては説明を省略する。
【0024】図1に示すように、本装置には、被駆動側
部材としてのトランスミッションの入力側に連結された
スプラインハブ101が設けられ、スプラインハブ10
1にはその軸方向中間部に周方向へ延在するフランジ部
101Aが形成されている。そして、スプラインハブ1
01におけるフランジ部101Aの両側面のそれぞれに
対向するように、駆動側部材としてのクラッチプレート
102およびリテイニングプレート103とが設けられ
ている。
【0025】また、スプラインハブ101とクラッチプ
レート102およびリテイニングプレート103との間
の、相互の捻じれに関してヒステリシスを生じさせるた
めの摩擦機構51が介装されている。この摩擦機構51
は、フランジ部101Aに一端面を係合する高μ材の摩
擦プレート109(従来例の高μ材で形成されたフリク
ションワッシャ9に対応する。)と、摩擦プレート10
9をフランジ部101Aへ押圧し係合面圧を付与する面
圧付与機構52と、面圧付与機構52により付与される
係合面圧を変更する面圧可変機構53とをそなえてい
る。
【0026】すなわち、摩擦プレート109とフランジ
部101Aとの間には、面圧付与機構52で与えられた
面圧に応じて摩擦力が生じ、この摩擦力によって、ヒス
テリシス特性が実現されるように構成されている。そし
て、面圧可変機構53は、クラッチプレート102およ
びリテイニングプレート103のスプラインハブ101
に対する捩じれ角に応じて、面圧付与機構52により付
与される係合面圧を変更するように構成されている。
【0027】また、面圧付与機構52は、面圧付加プレ
ート104(従来例のサブプレート4に対応する。)を
そなえており、面圧付加プレート104と摩擦プレート
109との間には、摩擦プレート109に対し面圧方向
への弾性力を発生するスプリング(弾性部材)112が
介装されている。このスプリング112は、後述する図
5に示すようなコイルドウエーブスプリングにより構成
されるが、例えば従来例のように、ウエーブスプリング
やコーンスプリングで構成するようにしても良い。
【0028】また、スプリング112は、面圧付加プレ
ート104により押圧されると、その弾性力により摩擦
プレート109を押圧し、摩擦プレート109とフラン
ジ部101Aとの間に、所要の摩擦力を発生させるよう
に構成されている。すなわち、面圧可変機構53が、ク
ラッチプレート102およびリテイニングプレート10
3のスプラインハブ101に対する捩じれ角に対応し
て、面圧付加プレート104を面圧方向へ変位させ、ス
プリング112を押圧変形させるように構成されてい
る。
【0029】さらに、面圧可変機構53は、面圧付加プ
レート104のフランジ部101Aに対する回転を、面
圧付加プレート104の面圧方向変位に変換する変換機
構54をそなえて構成されている。この変換機構54
は、フランジ部101Aにサブピン106を介し固着さ
れたサブプレート113(従来例のサブプレート4に対
応する。)をそなえている。
【0030】一定距離Lを有するサブプレート113と
フランジ部101Aとの間には、摩擦プレート109
と、軸方向の厚みaが可変のスプリング112と、面圧
付加プレート104とが内設されており、サブプレート
113と面圧付加プレート104との間には、ボール1
14が介装されている。そして、ボール114は、サブ
プレート113に形成された凹部115に嵌装され、サ
ブプレート113に転動および摺動を可能に保持されて
いる。
【0031】また、ボール114は、面圧付加プレート
104に滑らかに当接するように装備されている。これ
により、ボール114は、サブプレート113に保持さ
れながら、面圧付加プレート104に滑らかに当接し、
ボール114が転動および摺動を行ないながら、サブプ
レート113と面圧付加プレート104との相対変位が
行なわれるようになっている。
【0032】このとき、面圧付加プレート104は、ス
プリング112による付勢力によりサブプレート113
側へ押しつけられるため、面圧付加プレート104とサ
ブプレート113との間隔が、ボール114により決定
されるようになっている。そして、面圧付加プレート1
04のボール114との当接面116は、面圧付加プレ
ート104によるスプリング112の押圧変形量を小さ
くする第1面116Aと、面圧付加プレート104によ
るスプリング112の押圧変形量を大きくする第2面1
16Bと、第1面116Aと第2面116Bとを接続す
る傾斜面116Cとをそなえている。
【0033】これにより、ボール114が面圧付加プレ
ート104の第1面116Aに当接している場合には、
図2に示すように、スプリング112の変形量が小さい
状態になり、ボール114が面圧付加プレート104の
第1面116Bに当接している場合には、図4に示すよ
うに、スプリング112の変形量が大きい状態になり、
ボール114が面圧付加プレート104の第1面116
Cに当接している場合には、図3に示すように、スプリ
ング112の変形量が中間的な状態となるように構成さ
れている。
【0034】そして、傾斜面116Cに当接する状態で
は、その傾斜に伴いスプリング112の変形量が滑らか
に変化するように構成されている。ところで、サブプレ
ート113はウエーブスプリング118により軸方向の
ガタ詰めが行なわれるように構成され、ウエーブスプリ
ング118は、フリクションワッシャ117を介しリテ
イニングプレート103により支承されている。
【0035】なお、リテイニングプレート103とクラ
ッチプレート102とはスタッドピン120により固着
され、これらのフランジ部101Aに対する相対変位
は、窓119により許容されるように構成されている。
そして、スタッドピン120には、面圧付加プレート1
04の外周部が固着されており、面圧付加プレート10
4はスタッドピン120により回転駆動され、この回転
が面圧付加プレート104の面圧方向における変位に変
換されて、図2〜4に示すような動作が行なわれるよう
に構成されている。
【0036】ところで、スプリング112としてのコイ
ルドウエーブスプリングは、図5に示すように構成され
ており、軸方向Hに対し偏平な断面形状に形成された板
部材31を、所要旋回分螺旋状に延在して構成されてい
る。また、板部材31は、その軸方向Hに対して上下に
連続的に彎曲しており、複数の山部33と谷部34とを
交互にそなえた波形状32を形成されている。
【0037】そして、このような波形状32における上
下に隣合う山部33と谷部34とが当接しており、これ
らの上下の波形状32は側面視でハニカム形状を成して
いる。このように構成されたコイルドウエーブスプリン
グによる弾性力は、板部材31の波形状32が、その彎
曲状態を本来の彎曲状態(自然の彎曲状態)へ復元させ
ようとして作用する曲げ応力により発生する。
【0038】したがって、コイルドウエーブスプリング
104,105の軸方向両端部に圧縮力や引張力が加え
られると、コイルドウエーブスプリング104,105
の軸方向両端部を相互に捩じる作動が行なわれ、板部材
31の波形状32が変形して、元の状態に復帰しようと
する付勢力が発生することになる。このような動作によ
り、摩擦プレート109をフランジ部101Aに押圧す
るのに必要な弾性力を得ることができるが、この弾性
は、板部材31の厚みや、波形状32の彎曲度合い、山
部33,谷部34の数などにより変化するため、スプリ
ングの大きさを一定にしながら、その弾性係数(バネ定
数)を極めて広い範囲で自由に設定でき、小さなスプリ
ングでも合成の高いものにすることは容易であって、軸
方向長さを小さく構成しながらも十分な付勢力を得るこ
とができる。
【0039】本発明の一実施形態としてのクラッチディ
スク装置は、このように構成されているので、次のよう
に動作する。まず、スプラインハブ101のフランジ部
101Aに対するクラッチプレート102およびリテイ
ニングプレート103の押しつけ力に対応して、従来例
と同様に、1段目から3段目における弾性における結合
が行なわれ、図6に示すように、θ1〜θ3を境界とす
る特性が実現される。
【0040】そして、そのそれぞれにおけるヒステリシ
ス特性H1,H2およびその間の滑らかに変化する特性
が、図6に示すように得られる。すなわち、クラッチプ
レート102およびリテイニングプレート103と、ス
プラインハブ101のフランジ部101Aとの捩じれ角
がθ1以下の場合には、当該角度の状態まで、スタッド
ピン120を介し面圧付加プレート104が回動され、
図2に示すように、ボール114が面圧付加プレート1
04の当接面116における第1面116Aに当接した
状態になる。
【0041】この状態では、スプリング112は、圧縮
力が小さく軸方向長さ変化の少ない状態(軸方向長さa
0)であるため、摩擦プレート109とフランジ部10
1Aとの摩擦力は小さく、ヒステリシス特性H1は小さ
いものとなる。また、クラッチプレート102およびリ
テイニングプレート103と、スプラインハブ101の
フランジ部101Aとの捩じれ角がθ2以上の場合に
は、当該角度の状態まで、スタッドピン120を介し面
圧付加プレート104が回動され、図4に示すように、
ボール114が面圧付加プレート104の当接面116
における第1面116Bに当接した状態になる。
【0042】この状態では、スプリング112は、圧縮
力が大きく軸方向長さ変化の大きい状態(軸方向長さa
2)であるため、摩擦プレート109とフランジ部10
1Aとの摩擦力は大きくなり、ヒステリシス特性H1は
大きいものとなる。さらに、クラッチプレート102お
よびリテイニングプレート103と、スプラインハブ1
01のフランジ部101Aとの捩じれ角がθ1〜θ2の
中間である場合には、当該角度の状態まで、スタッドピ
ン120を介し面圧付加プレート104が回動され、図
3に示すように、ボール114が面圧付加プレート10
4の当接面116における第1面116Cに当接した状
態になる。
【0043】この状態では、スプリング112は、圧縮
力が中間状態で、軸方向長さ変化が中間状態(軸方向長
さa1)であるため、摩擦プレート109とフランジ部
101Aとの摩擦力は中間的な捩り角に対応した大きさ
となって、ヒステリシス特性はH1からH2に至る中間
的な値の捩り角に対応した値となる。このようにして、
ヒステリシス特性が所定角度で大きく変化することが防
止され、滑らかなヒステリシス特性の切り換えが実現す
る。
【0044】また、2段階のヒステリシス特性が、スプ
リング112を中心とする1段階の構造により得られる
ようになり、構造が簡素化されるとともに、コスト削減
が実現される。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のクラッチディスク装置によれば、被駆動側部材と
してのスプラインハブのフランジ部と、該フランジ部の
両側面のそれぞれに対向するように設けられた駆動側部
材としてのクラッチプレートおよびリテイニングプレー
トとをそなえ、該フランジ部と該クラッチプレートとの
間および該フランジ部と該リテイニングプレートとの間
に、相互の捩じれ角に応じて回転トルクを伝達しうる弾
性部材と、相互の捻じれに関してヒステリシスを生じさ
せるための摩擦機構とが介装されて、該摩擦機構が、該
フランジ部に一端面を係合する摩擦プレートと、該摩擦
プレートを該フランジ部へ押圧し係合面圧を付与する面
圧付与機構と、該捩じれ角に応じて該面圧付与機構によ
り付与される係合面圧を変更する面圧可変機構とをそな
えるという構成により、ヒステリシス特性を摩擦プレー
トと面圧付加プレートとを用いた簡素な機構で実現する
ことができるようになり、コスト低減に寄与しうる。
【0046】請求項2記載の本発明のクラッチディスク
装置によれば、請求項1記載の装置において、該面圧付
与機構が、面圧付加プレートと、該面圧付加プレートと
該摩擦プレートとの間に介装され該摩擦プレートに対す
る面圧方向への弾性力を発生するスプリングとをそなえ
て構成され、該面圧可変機構が、該捩じれ角に対応して
該面圧付加プレートを面圧方向へ変位させ該スプリング
を押圧変形させるように構成されることにより、スプリ
ングを押圧変形させる面圧可変機構を用いて、ヒステリ
シス特性を簡素な機構で実現することができるようにな
り、やはりコスト低減に寄与しうる。
【0047】請求項3記載の本発明のクラッチディスク
装置によれば、請求項2記載の装置において、該面圧可
変機構が、該面圧付加プレートの該フランジ部に対する
回転を該面圧付加プレートの面圧方向変位に変換する変
換機構をそなえて構成されることにより、スプリングを
押圧変形させる面圧可変機構と変換機構とを用いて、ヒ
ステリシス特性を簡素な機構で実現することができるよ
うになり、やはりコスト低減に寄与しうる。
【0048】請求項4記載の本発明のクラッチディスク
装置によれば、請求項3記載の装置において、該変換機
構が、該フランジ部に固着されたサブプレートをそな
え、該摩擦プレートと該スプリングと該面圧付加プレー
トとが、該フランジ部と該サブプレートとの間に内設さ
れるとともに、該サブプレートと該面圧付加プレートと
の間にボールが介装されて、該ボールが、該サブプレー
トと該面圧付加プレートとのいずれか一方に転動および
摺動を可能に保持されるとともに、他方に滑らかに当接
するように設けられて、該ボールの当接する当接面が、
該面圧付加プレートによる該スプリングの押圧変形量を
小さくする第1面と、該面圧付加プレートによる該スプ
リングの押圧変形量を大きくする第2面と、該第1面と
第2面とを接続する傾斜面とをそなえて構成されること
により、ヒステリシス特性を摩擦プレートと面圧付加プ
レートとを用いた簡素な機構で実現することができるよ
うになり、スプリングを押圧変形させる面圧可変機構と
変換機構とを用いて、ヒステリシス特性を簡素な機構で
実現されるようになり、やはりコスト低減に寄与しう
る。また、ヒステリシス特性が所定の捩り角度で大きく
変化することを防止され、滑らかなヒステリシス特性の
切り換えが実現する。これにより、例えばトランスミッ
ションPTOオン時における微負荷時アイドル騒音が低
減されるとともに、低速走行時のトランスミッションの
ゴロ音を、問題とならないレベルまで低減し、かつ、通
常のアイドル騒音も十分に低減されるようになる。さら
に、2段階のヒステリシス特性が、スプリングを中心と
する1段階の構造により得られるようになり、構造が簡
素化されるとともに、コスト削減が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
装置について、その要部構成を模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
装置について、その要部の動作を説明するための要部断
面図である。
【図3】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
装置について、その要部の動作を説明するための要部断
面図である。
【図4】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
装置について、その要部の動作を説明するための要部断
面図である。
【図5】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
装置について、そのコイルドウエーブスプリングを示す
模式的な斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
装置について、その捩り特性を示すグラフである。
【図7】従来のクラッチディスク装置について、その要
部構成を示す模式的断面図である。
【図8】従来のクラッチディスク装置について、その要
部構成を示す模式的内部正面図である。
【図9】従来のクラッチディスク装置について、そのサ
ブピン結合部を示す模式的断面図である。
【図10】従来のクラッチディスク装置について、その
捩り特性を示すグラフである。
【符号の説明】
51 摩擦機構 52 面圧付与機構 53 面圧可変機構 54 変換機構 101 スプラインハブ 101A スプラインハブ101のフランジ部 102 クラッチプレート 103 リテイニングプレート 104 面圧付加プレート 105 サブピン 109 摩擦プレート 112 スプリング(弾性部材) 113 サブプレート 114 ボール 115 凹部 116 当接面 116A 第1面 116B 第2面 116C 傾斜面 117 フリクションワッシャ 118 ウエーブスプリング 119 窓 120 スタッドピン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被駆動側部材としてのスプラインハブの
    フランジ部と、 該フランジ部の両側面のそれぞれに対向するように設け
    られた駆動側部材としてのクラッチプレートおよびリテ
    イニングプレートとをそなえ、 該フランジ部と該クラッチプレートとの間および該フラ
    ンジ部と該リテイニングプレートとの間に、相互の捩じ
    れ角に応じて回転トルクを伝達しうる弾性部材と、相互
    の捻じれに関してヒステリシスを生じさせるための摩擦
    機構とが介装されて、 該摩擦機構が、該フランジ部に一端面を係合する摩擦プ
    レートと、該摩擦プレートを該フランジ部へ押圧し係合
    面圧を付与する面圧付与機構と、該捩じれ角に応じて該
    面圧付与機構により付与される係合面圧を変更する面圧
    可変機構とをそなえていることを特徴とする、クラッチ
    ディスク装置。
  2. 【請求項2】 該面圧付与機構が、面圧付加プレート
    と、該面圧付加プレートと該摩擦プレートとの間に介装
    され該摩擦プレートに対する面圧方向への弾性力を発生
    するスプリングとをそなえて構成され、 該面圧可変機構が、該捩じれ角に対応して該面圧付加プ
    レートを面圧方向へ変位させ該スプリングを押圧変形さ
    せるように構成されていることを特徴とする、請求項1
    記載のクラッチディスク装置。
  3. 【請求項3】 該面圧可変機構が、該面圧付加プレート
    の該フランジ部に対する回転を該面圧付加プレートの面
    圧方向変位に変換する変換機構をそなえて構成されたこ
    とを特徴とする、請求項2記載のクラッチディスク装
    置。
  4. 【請求項4】 該変換機構が、該フランジ部に固着され
    たサブプレートをそなえ、 該摩擦プレートと該スプリングと該面圧付加プレートと
    が、該フランジ部と該サブプレートとの間に内設される
    とともに、 該サブプレートと該面圧付加プレートとの間にボールが
    介装されて、 該ボールが、該サブプレートと該面圧付加プレートとの
    いずれか一方に転動および摺動を可能に保持されるとと
    もに、他方に滑らかに当接するように設けられて、 該ボールの当接する当接面が、該面圧付加プレートによ
    る該スプリングの押圧変形量を小さくする第1面と、該
    面圧付加プレートによる該スプリングの押圧変形量を大
    きくする第2面と、該第1面と第2面とを接続する傾斜
    面とをそなえて構成されていることを特徴とする、請求
    項3記載のクラッチディスク装置。
JP25799395A 1995-10-04 1995-10-04 クラッチディスク装置 Pending JPH09100844A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25799395A JPH09100844A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 クラッチディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25799395A JPH09100844A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 クラッチディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09100844A true JPH09100844A (ja) 1997-04-15

Family

ID=17314055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25799395A Pending JPH09100844A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 クラッチディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09100844A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149534A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Kcm:Kk ダンパー
US10393189B2 (en) 2016-06-13 2019-08-27 Hyundai Motor Company Clutch disk for vehicle
JP2019157875A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 株式会社エクセディ ダンパ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149534A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Kcm:Kk ダンパー
US10393189B2 (en) 2016-06-13 2019-08-27 Hyundai Motor Company Clutch disk for vehicle
JP2019157875A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 株式会社エクセディ ダンパ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100342282B1 (ko) 자동차용댐핑플라이휠
KR880000417B1 (ko) 댐퍼 디스크(damper disc)
US8240445B2 (en) Multiplate clutch and motor vehicle having the same
JP3685840B2 (ja) ねじり振動ダンパ
US8657693B2 (en) Torsional shock absorbing apparatus
US4485909A (en) Multiple stage vibration damper
JPS6014213B2 (ja) ダンパ−デイスク
US5163875A (en) Torsion spring type damper disc
CN103238008A (zh) 扭转振动衰减装置
JPS60136623A (ja) 広振り角型ダンパ−デイスク
JPH0545259U (ja) ダンパーデイスク
JPH09100844A (ja) クラッチディスク装置
US5816925A (en) Damper disk assembly, frictional coupling portion and clutch disk assembly
US6336867B1 (en) Damper mechanism and damper disk assembly
US20100167868A1 (en) Friction type continuously variable transmission
US4651860A (en) Clutch disk supported by a resin bushing
CN103261731A (zh) 扭转振动衰减装置
JPH09100874A (ja) ダンパーディスク組立体
JP3434389B2 (ja) 摩擦発生機構
US5569112A (en) Toroidal type continuously variable transmission
JPS58631A (ja) 多段ト−シヨンクラツチデイスク
JP3773572B2 (ja) 2マス型フライホイール
US4928805A (en) Friction device in a damper disk
WO1988005505A1 (en) Damper disc
CN102667207A (zh) 扭转缓冲装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20001031