JPH09100500A - 高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子 - Google Patents

高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子

Info

Publication number
JPH09100500A
JPH09100500A JP25606395A JP25606395A JPH09100500A JP H09100500 A JPH09100500 A JP H09100500A JP 25606395 A JP25606395 A JP 25606395A JP 25606395 A JP25606395 A JP 25606395A JP H09100500 A JPH09100500 A JP H09100500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bulk density
granular detergent
detergent
crystalline silicate
density granular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25606395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3367801B2 (ja
Inventor
Hitoshi Tanimoto
均 谷本
Hiroyuki Yamashita
博之 山下
Hiroki Yamahoshi
浩樹 山星
Shiyuuji Takana
周治 高名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP25606395A priority Critical patent/JP3367801B2/ja
Publication of JPH09100500A publication Critical patent/JPH09100500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3367801B2 publication Critical patent/JP3367801B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高嵩密度粒状洗剤に結晶性珪酸塩を安定に配
合でき、しかもその粒状洗剤を使用した際の溶残物の発
生を抑制できる高嵩密度粒状洗剤の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アニオン界面活性剤を含有する噴霧乾燥
粒子を破砕し造粒することにより嵩密度が0.65g/
cm3 以上の高嵩密度粒状洗剤を製造する際に、前記噴
霧乾燥粒子中の揮発分を1.5〜5%とし、且つ前記噴
霧乾燥粒子の破砕及び/又は造粒時に、当該噴霧乾燥粒
子にポリオキシアルキレンアルキルエーテルと結晶性珪
酸塩粉末とを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高嵩密度粒状洗剤組
成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉末洗剤は噴霧乾燥法により得ら
れる低密度品が主流であったが、近年、洗剤の輸送、持
ち運びや置き場所などの便宜性からより小型化された高
密度洗剤が上市されている。このような高密度洗剤は、
一般的には界面活性剤や洗剤ビルダーを含有する水性ス
ラリーから噴霧乾燥粒子を得てこれを高密度化すること
により得られる。この高密度化方法には各種の方法が知
られており、例えば特開昭51−67302号にはマル
メライザー(商品名)と呼ばれる特定の顆粒化装置によ
り噴霧乾燥粒子を高密度化する方法が記載されている。
【0003】また、近年では、噴霧乾燥粒子をハイスピ
ードミキサー(攪拌転動造粒機)、ヘンシェルミキサー
(高速攪拌造粒機)等のようないわゆる縦型ミキサー
や、レディゲミキサー等のようないわゆる横型ミキサー
により攪拌造粒して高密度化を達成する方法が知られて
おり、それらの例としては、特開昭61−69897号
に開示されているように噴霧乾燥粒子を攪拌造粒して高
嵩密度粒状洗剤とする方法や、特開昭62−16990
0号や特開昭62−366897号に開示されているよ
うに噴霧乾燥粒子を圧密成形化した後に粉砕造粒して高
嵩密度粒状洗剤とする方法が挙げられる。
【0004】今日ではこのようなコンパクト化された高
嵩密度粒状洗剤の使用量に関して更なる低減が図られて
おり、従来は洗濯水量30リットルに対して洗剤使用量
25g程度であった使用量が、最近では30リットルに
対して20gという、よりコンパクトなタイプが導入さ
れている。このように、より少量で洗浄効果を発揮する
高密度洗剤を得るには、従来以上に高性能の成分を安定
に配合する技術が必要とされる。
【0005】高嵩密度粒状洗剤に使用可能な高性能の洗
浄成分として、結晶性珪酸塩が挙げられる。結晶性珪酸
塩は、Caイオン補足能とアルカリ緩衝能という洗浄に
有効な2つの効果を併せ持つため、より少量で洗浄効果
を発揮する洗剤の配合組成を組む上で有効な成分であ
り、洗剤のコンパクト化に有効であると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】結晶性珪酸塩の粒状洗
剤への通常の配合方法は、粉末形態での添加による。結
晶性珪酸塩は水に溶解してしまうと一般の非晶質珪酸塩
と同じになり、Caイオン補足能が低下あるいは無くな
ってしまい、洗浄性能の低下をもたらす。そのために、
噴霧乾燥を行う際の洗剤スラリーへの結晶性珪酸塩の添
加は不都合である。また、結晶性珪酸塩は水分との接触
でも非晶質化が進行し、やはりCaイオン補足能が低下
あるいは無くなってしまい、洗浄性能の低下をもたら
す。
【0007】また、結晶性珪酸塩は粉末形態で洗剤に配
合されるため、非晶質化した場合に同じく洗剤に配合さ
れている成分、例えばゼオライトなどとともに難溶性あ
るいは不溶性化して洗濯後の衣類や洗濯機の槽内に残留
してしまう(いわゆる水不溶分の発生)。結晶性珪酸塩
を高嵩密度粒状洗剤に配合する技術としては、例えば特
開平2−178398号、特開平7−53992号、特
開平7−109490号等に開示されているが、結晶性
珪酸塩を高密度粒状洗剤に安定に配合し、その粒状洗剤
を使用する際に問題となる溶残物の発生を防止する事に
関する検討は不十分である。
【0008】一方、高嵩密度粒状洗剤は水中に投入した
際に沈むので、特に冬季に使用する場合に冷水中での溶
解性や、粒子が内部まで稠密である事による溶残物の発
生に対処しておく必要があるが、この点については未だ
十分な解決には至っていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、噴霧乾燥粒子を破砕し造粒することにより高嵩密
度粒状洗剤を製造する際に、噴霧乾燥粒子の揮発分を
1.5〜5%とし、且つ破砕及び/または造粒時に、ポ
リオキシアルキレンアルキルエーテルと結晶性珪酸塩粉
末を添加することにより、高嵩密度粒状洗剤に結晶性珪
酸塩を安定に配合でき、しかもその粒状洗剤を使用した
際の溶残物の発生を抑制できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、非せっけん性のアニオ
ン界面活性剤を含有する噴霧乾燥粒子を破砕し造粒する
ことにより嵩密度が0.65g/cm3 以上の高嵩密度
粒状洗剤を製造する方法において、前記噴霧乾燥粒子中
の揮発分が1.5〜5%であり、且つ前記噴霧乾燥粒子
の破砕及び/又は造粒時に、当該噴霧乾燥粒子にポリオ
キシアルキレンアルキルエーテルと結晶性珪酸塩粉末と
を添加することを特徴とする高嵩密度粒状洗剤の製造方
法を提供するものである。
【0011】本発明の製造方法は、結晶性珪酸塩を含有
する嵩密度0.65g/cm3 以上の高嵩密度粒状洗剤
をアニオン界面活性剤を含有する噴霧乾燥粒子を破砕し
造粒して製造するに当たって、揮発分量を1.5〜5%
と低めにした噴霧乾燥粒子を用い、破砕及び/又は造粒
時に、つまり造粒物粒子が完成する前に、結晶性珪酸塩
粉末とポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを添加
して粒状洗剤を作ることを特徴とし、この方法では、結
晶性珪酸塩の非晶質化に関与する系中の水分をできるだ
け低減するとともに、ノニオン界面活性剤を添加するこ
とで揮発分の低減により造粒が進行しにくくなった部分
を補い造粒を進行させることができる。このため、結晶
性珪酸塩の非晶質化の抑制が達成され、結晶性珪酸塩の
安定な配合が可能となる。従って、従来よりも使用量の
少ない高嵩密度洗剤が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、先ず非せっ
けん性のアニオン界面活性剤、洗剤ビルダー、更に必要
に応じて配合される任意成分を含有する水性スラリーを
調製し、公知の方法、例えば向流式噴霧乾燥装置等によ
り噴霧乾燥粒子を調製する。噴霧乾燥粒子の平均粒径は
300〜1000μm程度が好ましい。
【0013】またスラリーに配合する非せっけん性のア
ニオン界面活性剤としては、通常洗剤に用いられるアル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、ア
ルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂
肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニ
ルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−
アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニル
リン酸エステル又はその塩が例示される。アニオン界面
活性剤としては、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキル硫酸塩が好ましい。また、非せっけん性のアニ
オン界面活性剤は、最終高嵩密度粒状洗剤中の量で10
〜40重量%、好ましくは15〜35重量%となるよう
に配合される。なお、飽和又は不飽和の脂肪酸塩をスラ
リー中に0〜10重量%の量で配合してもよい。
【0014】本発明では得られた噴霧乾燥粒子中の揮発
分を1.5〜5重量%とする必要がある。噴霧乾燥粒子
中の揮発分の調節は、スラリー中の水分、配合成分を調
節する、噴霧乾燥条件を調節する、噴霧乾燥粒子を乾燥
(二次乾燥)する等のいずれの方法によってもよい。本
発明において「揮発分」とは、105 ℃で2時間乾燥した
場合の重量減分のことであり、大半は水分であると考え
られる。
【0015】次いで、得られた噴霧乾燥粒子を破砕し造
粒して嵩密度0.65g/cm3 以上の高嵩密度粒状洗
剤を製造するが、本発明では、噴霧乾燥粒子を破砕及び
/又は造粒する時にポリオキシアルキレンアルキルエー
テルと結晶性珪酸塩を添加する。その方法としては、噴
霧乾燥粒子を結晶性珪酸塩や他の洗剤原料とともに竪型
あるいは横型の攪拌造粒機(特開昭61−69897号
公報、特開昭61−69900号公報に例示)に投入し
てポリオキシアルキレンアルキルエーテルをバインダー
として攪拌造粒する方法や、噴霧乾燥粒子と結晶性珪酸
塩やポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び他の洗
剤原料をニーダーやリボンミキサー等の捏和あるいは混
合した後に押し出し成形機で円柱状に圧密成形したり2
本のロールの間を通してシート状に圧密成形し、これら
の圧密成形体をハンマーミルやカッターミルやスピード
ミルなどの粉砕(破砕)造粒機で粒状化する方法等が挙
げられる。
【0016】噴霧乾燥粒子の破砕及び/又は造粒時に用
いられるポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、ア
ルキル鎖長12〜22のアルコールにエチレンオキサイ
ド及び/又はプロピレンオキサイドを4〜15モル付加
させたものが好ましく、特にアルキル鎖長12〜15、
平均炭素数12〜13の高級アルコールに、エチレンオ
キサイドを平均で4〜12モル、好ましくは4〜10モ
ル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルが望ま
しい。破砕及び/又は造粒時に添加するポリオキシアル
キレンアルキルエーテルは、最終組成物中に0.5〜8
重量%となるように添加することが好ましい。ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテルの添加をこの範囲で行う
と良好な造粒を行うことが出来て、しかも洗浄性能が向
上する。また、できあがった粒状洗剤の流動性や固化防
止性も良好である破砕及び/又は造粒時に添加するポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルは水分を含有しても
良い。その量は20重量%以下が好ましく、5〜15重
量%が更に好ましい。破砕及び/又は造粒時に添加する
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル中の水分は、洗
剤中の未水和の水和可能な塩と結合して、冷水中での粒
状洗剤の分散溶解性を向上させる。ポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテルと混合していることで結晶性珪酸塩
に直接水分が作用せず、造粒中に全体に行き渡って水和
可能な塩と結合するので、噴霧乾燥粒子中の揮発分とし
ての水分とは性質が異なる。なお、本発明は噴霧乾燥粒
子を破砕した後、造粒するものであるが、破壊と造粒を
別々の装置を用いてもよく、ハイスピードミキサーのよ
うな破砕されつつ造粒が進行するような装置を用いても
よい。
【0017】また、ポリオキシアルキレンアルキルエー
テルは他の相溶性のある成分(ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、脂肪酸(炭素数8〜2
2の範囲のものが好ましい)等)を含有してもよい。そ
の量は相溶性が保持できる量であることが好ましい。相
溶性の成分が造粒粒子中にまんべんなくいきわたること
で、洗浄力や粉末物性、保存安定性が向上する。
【0018】本発明では噴霧乾燥粒子を破砕及び/又は
造粒する時に上記のポリオキシアルキレンアルキルエー
テルと共に結晶性珪酸塩を添加する。造粒時に結晶性珪
酸塩を添加することで結晶性珪酸塩の周りを噴霧乾燥粒
子破砕物で取り囲み、外界からの水分による結晶性珪酸
塩の非晶質化を抑制する破砕及び/又は造粒時に添加す
る結晶性珪酸塩粉末の量は、洗浄性能や洗濯時の溶残物
発生の抑制効果の面で、最終組成物中の量として1〜1
0重量%が好ましい。また、結晶性珪酸塩粉末の平均粒
子径は1〜40μmが好ましい。粒径が小さすぎると水
分との接触でより非晶質化しやすくなり洗浄性能や品質
が低下しやすく、大きすぎると溶残物として衣料や洗濯
機内部に残留しやすくなる。このような平均粒径及び粒
度分布を有する結晶性珪酸塩は、振動ミル、ハンマーミ
ル、ボールミル、ローラーミル等の粉砕機を用い、粉砕
することによって調製することができる。結晶性珪酸塩
の平均粒径及び粒度分布の測定は、レーザー回折式粒度
分布測定装置を用いて行った。すなわち、レーザー回折
式粒度分布測定装置LA−910型((株)堀場製作所
製)の測定セル内に約200mlのエタノールを注入
し、試料約0.5〜5mgを懸濁した。続いて、超音波
を照射しながら1分間攪拌し、試料の分散を十分に行っ
た後、He−Neレーザー(632.8nm)を入射
し、その回折/散乱パターンより粒度分布を測定した。
解析は、Fraunhofer回折理論とMie散乱理
論とを併用し、液中の浮遊粒子の粒度分布を0.04〜
262μmの範囲で測定した。平均粒径は、粒度分布の
メジアン径とした。
【0019】結晶性珪酸塩粉末は大部分が最終洗剤粒子
の内部に分散した状態で存在し、実質的に最終洗剤粒子
の表面に露呈していないことが、外界からの水分との接
触による非晶質化による洗浄性能低下とさらに炭酸ガス
等によるアルカリ緩衝能低下を防止する上で好ましく、
また非晶質化の後におこる周囲の成分を巻き込んだ難溶
化、不溶化を抑制する上でも内部に分散していることが
好ましい以下、本発明に用いられる結晶性珪酸塩を具体
的に説明する。本発明に用いられる結晶性珪酸塩は、
0.1重量%分散液において11以上のpHを示し、優
れたアルカリ能を示す。また、1リットルのイオン交換
水に結晶性珪酸塩0.1g添加した後、3分間攪拌を行
い、珪酸塩を十分に溶解もしくは分散させた後の溶液の
pHが11以上であり、更にこの溶液に0.1規定の塩
酸を添加していきpHが10になるまでの量が少なくと
も3ml以上であるようなアルカリ緩衝能を示すもので
ある。
【0020】本発明に用いられる結晶性珪酸塩として
は、アルカリ金属珪酸塩が好ましく、特にSiO2/M2
O(但し、Mはアルカリ金属を表す。)が 1.5〜2.6 で
あるものが用いられる。一方、特開昭60−227895号公報
で用いられる結晶性珪酸塩は、SiO2/Na2O比(S
/N比)が 1.9〜4.0 であるが、本発明においてS/N
比が 2.6を越える珪酸塩は洗浄力が低下し、また1.5 以
下の場合は、粉末物性が低下する場合があり、注意を要
する。
【0021】本発明に用いられる結晶性珪酸塩として、
好ましくは次の組成を有するものが例示される。 xM2O・ySiO2・zMemn・wH2O (1) (式中、Mは周期律表のIa族元素、MeはIIa、II
b、 IIIa、IVaもしくはVIII族元素から選ばれる1種
または2種以上の組合せを示し、y/x=1.5〜2.6 、
z/x=0.01〜1.0 、n/m=0.5 〜2.0 、w=0〜20
である。) M2O・x'SiO2・y'H2O (2) (式中、Mはアルカリ金属を表し、x'=1.5〜2.6、y'
=0〜20である。) まず、上記の組成の結晶性珪酸塩について説明する。
一般式(1)において、Mは周期律表のIa族元素から
選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が挙げられる。
これらは単独であるいは例えばNa2OとK2Oとが混合
してM2O成分を構成していてもよい。Meは周期律表
のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素から選ばれ、例え
ばMg、Ca、Zn、Y、Ti、Zr、Fe等が挙げら
れる。これらは特に限定されるものではないが、資源及
び安全上の点から好ましくはMg、Caである。また、
これらは単独であるいは2種以上混合していてもよく、
例えばMgO、CaOなどが混合してMemn成分を構
成していてもよい。また、本発明における結晶性珪酸塩
においては、水和物であってもよく、この場合の水和量
はw=0〜20の範囲である。
【0022】また、一般式においてy/xが1.5〜2.6で
あり、好ましくは1.5〜2.2である。y/xが 1.5未満で
は、ケーキング性などの洗浄剤組成物組成物の粉末物性
に悪影響を及ぼす。y/xが2.6を越えると、洗浄力が
低下する。z/xは0.01〜1.0であり、好ましくは0.02
〜0.9 である。z/xが0.01未満では耐水溶性が不十分
であり、1.0 を越えるとイオン交換能が低くなり、イオ
ン交換体として不十分である。x,y,zは前記のy/
xおよびz/xに示されるような関係であれば、特に限
定されるものではない。なお、前記のようにxM2Oが
例えばx' Na2O・x”K2Oとなる場合は、xはx'
+x”となる。このような関係は、zMemn 成分が
2種以上のものからなる場合におけるzにおいても同様
である。また、n/m=0.5 〜2.0 は、当該元素に配位
する酸素イオン数を示し、実質的には0.5 、1.0 、1.5
、2.0 の値から選ばれる。
【0023】本発明におけるの組成の結晶性珪酸塩
は、前記の一般式に示されるようにM2O、SiO2
Memn の三成分よりなっている。したがって、本発
明における結晶性珪酸塩を製造するには、その原料とし
て各成分が必要になるが、本発明においては特に限定さ
れることなく公知の化合物が、適宜用いられる。例え
ば、M2O成分、Memn 成分としては、各々の当該元
素の単独あるいは複合の酸化物、水酸化物、塩類、当該
元素含有鉱物が用いられる。具体的には例えば、M2
成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2CO3
2CO3、Na2SO4等が、Memn 成分の原料とし
ては、CaCO3 、MgCO3、Ca(OH)2、Mg(O
H)2、MgO、ZrO2、ドロマイト等が挙げられる。
SiO2 成分としてはケイ石、カオリン、タルク、溶融
シリカ、珪酸ソーダ等が用いられる。
【0024】本発明におけるの組成の結晶性珪酸塩の
調製方法は、目的とする結晶性珪酸塩のx,y,zの値
となるように所定の量比で上記の原料成分を混合し、通
常、300〜1500℃、好ましくは 500〜1000℃、さらに好
ましくは 600〜 900℃の範囲で焼成して結晶化させる方
法が例示される。この場合、加熱温度が 300℃未満では
結晶化が不十分で耐水溶性に劣り、1500℃を越えると粗
大粒子化しイオン交換能が低下する。加熱時間は通常
0.1〜24時間である。このような焼成は、通常、電気
炉、ガス炉等の加熱炉で行う事ができる。
【0025】本発明におけるの組成の結晶性珪酸塩
は、イオン交換容量として少なくとも100 CaCO3 mg
/g以上、好ましくは 200〜600 CaCO3 mg/gを有
するものである。
【0026】また、水へのSi溶出量はSiO2 換算で
通常 110mg/g以下であり、実質的に水に不溶である。
なお、本発明において実質的に水に不溶であるとは、試
料2gをイオン交換水 100g中に加え、25℃で30分攪拌
した場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常 110
mg/gより少ないものをいうが、本発明においては、10
0mg/g以下のものが、本効果を満たす上でより好まし
い。
【0027】次に、前記の組成の結晶性珪酸塩につい
て説明する。この結晶性珪酸塩は、一般式(2) M2O・x'SiO2・y'H2O (2) (式中、Mはアルカリ金属を表し、x'=1.5〜2.6、y'
=0〜20である。)で表されるものであるが、一般式
(2)中のx'、y'が1.7≦x'≦2.2、y'=0のものが
好ましく、陽イオン交換能が 100〜400 CaCO3 mg/
gのものが使用でき、本発明におけるイオン捕捉能を有
する物質の一つである。
【0028】かかる結晶性珪酸塩は、特開昭60−227895
号公報にその製法が記載されており、一般的には無定形
のガラス状珪酸ソーダを 200〜1000℃で焼成して結晶性
とすることによって得られる。合成方法の詳細は例えば
Phys. Chem. Glasses. 7, 127-138(1966)、Z. Kristal
logr., 129, 396-404(1969)等に記載されている。ま
た、この結晶性珪酸塩は例えばヘキスト社より商品名
「Na-SKS-6」(δ−Na2Si2O5)として、粉末状、顆粒状
のものが入手できる。本発明において、前記および
の組成の結晶性珪酸塩は、それぞれ単独であるいは2種
以上を併用して用いることができる。
【0029】本発明の製造方法においては、さらに良好
な流動性を有する高嵩密度粒状洗剤を得るために、平均
粒子径が0.1〜10μmの無機粉体微粒子、好ましく
は水不溶性の無機粉体微粒子を、攪拌造粒の終了直前に
入れたり、圧密成形体を粉砕造粒する際に存在させたり
して洗剤粒子の表面を無機粉体微粒子で被覆することが
できる。無機粉体微粒子は被覆効果の面から最終組成物
中に1〜10重量%となる量を添加するのが好適であ
る。無機粉体微粒子による表面被覆は、粉末物性の改善
以外に結晶性珪酸塩の劣化も防止する。また、無機粉体
微粒子を洗剤粒子の表面被覆以外の目的で、例えば造粒
性のコントロールを目的とした噴霧乾燥粒子流動性改
善、粘着性改善等に使用することは可能である。このよ
うな目的に使用する無機粉体微粒子の量は、表面被覆を
目的として使用する無機粉体微粒子の量には含めない。
無機粉体微粒子を添加する場合は、添加量全量を一度に
添加しても良いし、複数回に分けて徐々に添加しても良
い。複数の種類の無機粉体微粒子を混合して用いたり、
別々に添加することも可能である。また造粒後の洗剤粒
子と平均粒子径が0.1〜10μmの無機粉体微粒子を
ロータリーキルンやVブレンダーなどの洗剤粒子に直接
的な機械力のかかりにくい混合装置に投入して混合する
ことによっても、洗剤粒子の表面を無機粉体微粒子で被
覆することができる。この場合、無機粉体微粒子の好適
量は最終組成物中に0.5〜8重量%である。かかる無
機粉体微粒子としては、アルミノ珪酸塩、二酸化珪素、
無定形シリカ誘導体、炭酸ナトリウム(デンス灰)等が
挙げられる。
【0030】更に、本発明の製造方法においては、噴霧
乾燥粒子の中にもノニオン界面活性剤を含有させること
で、最終洗剤粒子中の総ノニオン活性剤量を多くするこ
とができ、更なる洗浄性能の向上を図ることができる。
噴霧乾燥粒子中にノニオン活性剤を含有させるには、噴
霧乾燥に供する洗剤スラリー中にノニオン活性剤を配合
して噴霧乾燥することで達成される。噴霧乾燥粒子中に
存在させるノニオン界面活性剤は、アルキル鎖長12〜
15、平均炭素数12〜13の高級アルコールにエチレ
ンオキサイドを平均で7〜12モル付加したものが好ま
しい。また噴霧乾燥粒子中に存在させるノニオン界面活
性剤は、最終組成物中に0.5〜5重量%となるように
配合される。また、スラリー中にアルミノ珪酸塩を配合
してもよい。アルミノ珪酸塩としては、通常知られてい
るものを使用でき、結晶性であるA,X又はP型のゼオ
ライトの他に、非晶質のものも用いることができる。ア
ルミノ珪酸塩の平均粒子径は0.1〜10μm、好まし
くは0.1〜5μmであり、被覆剤として使用する量を
含めて最終高嵩密度洗剤粒子中に無水換算で8〜50重
量%、好ましくは10〜40重量%配合される。
【0031】噴霧乾燥粒子中に予め結晶性珪酸塩を配合
しようとして洗剤スラリーに結晶性珪酸塩を配合するこ
とは好ましくない。なぜなら、洗剤スラリーは水分を多
量に(通常30〜50%)含有しており、しかも60℃
以上であることが多い。従ってそのような洗剤スラリー
中に結晶性珪酸塩を配合すると直ちに溶解して非晶質珪
酸塩になってしまう。逆に非晶質珪酸塩は洗剤スラリー
に配合して噴霧乾燥粒子中に存在させることができる。
噴霧乾燥粒子中に非晶質珪酸塩が存在すると噴霧乾燥粒
子が適度な強度を持ってハンドリング性が向上すると共
に、造粒されて高嵩密度洗剤粒子になってからも、固化
性,流動性が向上する。好ましい非晶質珪酸塩の配合量
は、粉末物性の改善効果や洗濯時の溶残物の発生抑止の
面から、最終洗剤組成に対して3〜12重量%が好まし
い。非晶性珪酸塩としては非晶性珪酸ナトリウムが挙げ
られ、これははSiO2/Na2O=1.5 〜2.6 であるも
のが好ましく、JIS 1号シリケート、JIS 2号シリケー
トがそれに対応する。
【0032】更に、本発明の製造方法においては、洗剤
組成物中に平均分子量10000 、好ましくは 15000以上の
ポリアクリル酸塩、マレイン酸とアクリル酸又はオレフ
ィンとのコポリマー及びポリアセタールカルボキシレー
トの少なくとも1種を配合することができる。これら
は、噴霧乾燥スラリー中に配合することができる。これ
らのポリマーもしくはコポリマーは、組成物中に 0.5〜
10重量%、好ましくは2〜8重量%配合される。これら
のポリマーもしくはコポリマーを配合することにより、
高硬度洗濯における衣料への結晶性アルミノ珪酸塩由来
の水不溶物の付着がより一層抑制される。
【0033】また、本発明の製造方法においては、一般
的なその他の洗剤ビルダーを配合することができる。ビ
ルダーとしては、ソーダ灰等の炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸
塩、珪酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソ
リン酸塩等の無機ビルダー、クエン酸塩、オキシジコハ
ク酸塩、ニトリロトリ酢酸塩等の有機ビルダーが挙げら
れる。また、EDTA等の有機キレート剤等を添加する
ことができる。また、酵素を配合することもでき、具体
的にはプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパー
ゼ等が挙げられ、一般に市販されている造粒物を用いる
ことができる。更に、粉末物性を高めるために平均分子
量5000〜15000 のポリエチレングリコールや色移り防止
のためにポリビニルピロリドンを添加してもよい。その
他の微量成分としては、通常の香料、シリカやシリコー
ンのような抑泡剤、ビフェニル型蛍光増白剤もしくはス
チルベン型蛍光増白剤又はそれらを併用した蛍光増白
剤、ケーキング防止剤、すすぎ助剤を配合できる。な
お、冷水中での分散溶解性維持のために、最終粒状洗剤
中に含まれる炭酸ナトリウムの量は20重量%以下が好
ましく、硫酸ナトリウムの量は10重量%以下とするこ
とが好ましい。
【0034】また、本発明の製造方法においては、漂白
剤組成物を添加することができる。漂白剤組成物は、過
炭酸ソーダ、過ほう酸ソーダ、好ましくは過炭酸ソーダ
及び種々の漂白活性化剤等で構成され、本高嵩密度粒状
洗剤にドライブレンドされる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、洗浄力が高く、しかも
流動性が良好で、溶残物の衣類や洗濯機への残留の問題
を生じない高嵩密度粒状洗剤が得られる。
【0036】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】実施例1 (1)噴霧乾燥粒子の調製 表1に示す成分を水と混合して固形分50重量%の洗剤
スラリーを調製した(温度65℃)。この洗剤スラリー
を向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得
た。得られた噴霧乾燥粒子の揮発分(105℃、2時間
の減量)は4%であった。
【0038】
【表1】
【0039】(注)表1中の記号は以下の意味である。 ・LAS−Na(C10〜C13);直鎖アルキル(C10〜C13)ベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム ・AS−Na(C12〜C16);アルキル(C12〜C16)硫酸ナト
リウム ・ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル〔アルキル基の炭素12〜14(平均12.8)
の第1級飽和アルコールにエチレンオキサイドを平均8
モル付加したもの〕 ・AA/MAコポリマー;アクリル酸/マレイン酸共重
合体ナトリウム塩(モノマー比3:7、Mw≒5000
0、中和度≒80mol%) ・チノパールCBS−X;蛍光染料、ジスチリルビフェ
ニル誘導体(チバガイギー社製) ・ホワイテックスSA;蛍光染料、ビス−(トリアジニ
ルアミノ)−スチルベン−ジスルホン酸誘導体(住友化
学 (株) 製) (2)高嵩密度洗剤組成物の調製 上記で得られた噴霧乾燥粒子78重量部と結晶性アルミ
ノ珪酸塩粉末(4A型ゼオライト粉末、平均粒子径2.
7μm;東ソー (株) 製)3重量部とを事前に混合した
上で、結晶性珪酸塩粉末〔SKS−6(粉末);ヘキス
トトクヤマ (株) 製を粉砕したもの、平均粒子径=27
μm(レーザー回折式粒度分布測定装置、LA−910
型、 (株) 堀場製作所製で測定)〕5重量部とともにハ
イスピードミキサー(深江工業 (株) 製)に投入して、
噴霧乾燥粒子を破砕し攪拌造粒した。その際にノニオン
界面活性剤(アルキル基炭素数12の第1級飽和アルコ
ールにエチレンオキサイドを平均6モル付加したポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、含水率10重量%)4
重量部をスプレーして添加しながら処理を行った。造粒
終了30秒前に噴霧乾燥粒子に混合したものと同じ粉末
ゼオライトを5重量部加え表面被覆を行った。次に、こ
の造粒物を1.3mmの目開きのふるいでふるい分け
し、ふるい上の粗大粒子はフィッツミル(ホソカワミク
ロン (株) 製)で粉砕した後にふるい通過物と混合し
た。このふるい分け終了品に対して従前より使用の粉末
ゼオライト4重量部と酵素(API−21H;昭和電工
(株) 製)1重量部をVブレンダーで混合して粒子表面
被覆の補完を兼ねた処理を行い、最終粒状洗剤を得た。
【0040】実施例2 実施例1で噴霧乾燥粒子の破砕、造粒時に添加するノニ
オン界面活性剤としてアルキル基炭素数12が60重量
%で炭素数14が40重量%の第1級飽和アルコールに
エチレンオキサイドを平均15モル付加したポリオキシ
エチレンアルキルエーテルを使用し、造粒終了30秒前
に添加する無機粉体微粒子として無定形アルミノ珪酸塩
粉末(0.8Na2O・Al23・6.5SiO2、平均
粒子径2.1μm)を使用した以外は実施例1と同様に
して粒状洗剤を得た。
【0041】比較例1 実施例1で噴霧乾燥粒子の揮発分が8%である以外は実
施例1と同様の手順で粒状洗剤の調製を行った。
【0042】比較例2 実施例1で結晶性珪酸塩粉末として未粉砕のSKS−6
(粉末)を用いた以外は実施例1と同様の手順で粒状洗
剤の調製を行った。
【0043】比較例3 実施例1で造粒時にノニオン界面活性剤を添加せずに同
様の手順で粒状洗剤の調製を行った。しかしながら造粒
がうまく進行せず、得られた粒状洗剤は嵩密度が低く、
平均粒径も小さかった。
【0044】比較例4 実施例1で破砕、造粒時に添加する結晶性珪酸塩粉末と
Vブレンダーで添加する粉末ゼオライトを入れ換えて造
粒を行い、結晶性珪酸塩粉末は酵素と共にVブレンダー
で洗剤粒子と混合した。それ以外は実施例1と同様にし
て粉末洗剤の調製を行った。
【0045】〔粒状洗剤の評価〕実施例1、2及び比較
例1、2、3について、得られた粒状洗剤の嵩密度及び
平均粒子径、並びに粒状洗剤を市販の洗剤に用いられて
いるカートンに充填し、30℃、80%RHの条件下で
1ヶ月間保存した後(夏期の倉庫等での保管を想定)、
洗浄力、および溶残物残留性について以下の方法により
評価を行った。それらの結果を表2に示す。
【0046】(1)洗浄力の評価 評価用洗剤水溶液1リットルに、下記組成の汚垢が塗布
された10×10cmの人工汚染布を5枚入れ、ターゴ
トメーターにて100r.p.m.で次の条件で洗浄し
た。 *人工汚垢組成 綿実油 60重量% コレステロール 10重量% オレイン酸 10重量% パルミチン酸 10重量% 液体及び固体パラフィン 10重量% *洗浄条件 洗浄時間 ; 10分 洗浄濃度 ; 0.067重量% 水温 ; 20℃ 水の硬度 ; 4°DH すすぎ ; 水道水で5分間 洗浄力は汚染(インジケーターとしてカーボンブラック
を常用により混入)前の原布及び洗浄前後の汚染布の反
射率を測色計にて測定し、次式によって洗浄率D(%)
を求めた。 D(%)=〔(L2−L1)/(L0−L1)〕×100 L0;原布の反射率 L1;洗浄前汚染布の反射率 L2;洗浄後汚染布の反射率 (2)溶残物残留性の評価 松下電器産業(株)製全自動洗濯機5.0kg「やさし
い愛妻号NA−F50Al」を用い、これに木綿ブロー
ド(#40)の黒布5枚(1枚は30cm×40cm)
と木綿肌着合わせて600gを投入し、5℃の水40リ
ットル、洗剤26.7gで洗濯(ふつう)→すすぎ(ふ
つう、2回)→脱水(ふつう、1回)の合計30分の洗
濯コースを行い、脱水された黒布を風乾後その表面に付
着した溶残物残留量を以下の判定基準に従い評価する。 4 ; 白い付着物が試験布の全面にある 3 ; 白い付着物が試験布の3/4にある 2 ; 白い付着物が試験布の1/2にある 1 ; 白い付着物が試験布の1/4にある 0.5; 白い付着物が試験布の1/8にある 0 ; 白い付着物は全くない 5枚の試験布のそれぞれ表裏について評価し、全評点の
平均値を評価点とする(0が最良)。0.2以上で実用
上の問題があるものと判断する。
【0047】
【表2】
【0048】表2でわかるように、噴霧乾燥粒子の水分
が高すぎたり、使用する結晶性珪酸塩粉末の粒径が大き
すぎると、洗浄力が低下して且つ溶残物が発生し実用上
の問題がある。また破砕・造粒の際にノニオン界面活性
剤を添加しないと洗浄力が低いほかに、造粒がうまく進
行せず結晶性珪酸塩が洗剤粒子中へうまく取り込まれな
いために溶残物残留性が不良である。また、結晶性珪酸
塩を造粒時に添加せず、洗剤造粒物と粉体同士で混合を
行うのみの場合も、結晶性珪酸塩が外気中の水分や炭酸
ガスで変質してしまうために洗浄力が低下し、溶残物残
留性が不良となる。
【0049】実施例3 (1)噴霧乾燥粒子の調製 表3に示す成分を水と混合して固形分50重量%の洗剤
スラリーを調製した(温度65℃)。この洗剤スラリー
を向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得
た。得られた噴霧乾燥粒子の揮発分(105℃、2時間
の減量)は2.8%であった。
【0050】
【表3】
【0051】(注)表3中の記号は以下の意味である。 ・LAS−K(C10〜C13);直鎖アルキル(C10〜C13)ベン
ゼンスルホン酸カリウム ・AOS−K(C14〜C18);α−オレフィン(C14〜C18)ス
ルホン酸カリウム ・α−SFE−Na(C14〜C16);α−スルホ脂肪酸(C14
〜C16)メチルエステルナトリウム ・ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレン・ポリオキ
シプロピレンアルキルエーテル〔アルキル基の炭素12〜
14(平均12.8)の第1級飽和アルコールにエチレンオキ
サイドを平均10モル、プロピレンオキサイドを平均5モ
ル付加したもの〕 ・チノパールCBS−X;蛍光染料、ジスチリルビフェ
ニル誘導体(チバガイギー社製) ・ホワイテックスSA;蛍光染料、ビス−(トリアジニ
ルアミノ)−スチルベン−ジスルホン酸誘導体(住友化
学 (株) 製) (2)高嵩密度洗剤組成物の調製 上記で得られた噴霧乾燥粒子68重量部と結晶性珪酸塩
粉末〔SKS−6(粉末);ヘキストトクヤマ (株) 製
を粉砕したもの、平均粒子径=27μm(実施例1と同
一〕8重量部とを、無水炭酸カリウム粉末(旭電化
(株) 製)10重量部とともにリボンミキサーに投入し
て、ノニオン界面活性剤(アルキル基炭素数12の第1
級飽和アルコールにエチレンオキサイドを平均7モル付
加したポリオキシエチレンアルキルエーテル)4重量部
をスプレーして添加しながら混合を行った。混合したも
のを前押し出し式2軸押し出し造粒機(ペレッターダブ
ル;不二パウダル (株) 製)で直径が10mmの円柱状
に押し出し成形して圧密化した。成型物を結晶性アルミ
ノ珪酸塩粉末(実施例1と同一)を5重量部とともにフ
ラッシュミル(不二パウダル (株) 製)で粉砕造粒して
表面被覆を行った。この造粒物を1.3mmの目開きの
ふるいでふるい分けし、ふるい上の粗大粒子は再度フラ
ッシュミルで粉砕した後にふるい通過物と混合した。こ
のふるい分け終了品に対して従前より使用の粉末ゼオラ
イト4重量部と酵素(サビナーゼ12.0T;Novo
社製を90重量%とリポラーゼ100T;Novo社製
を10重量%を酵素造粒物同士混合したもの)1重量部
をVブレンダーで混合して粒子表面被覆の補完を兼ねた
処理を行い最終粒状洗剤を得た。
【0052】実施例4 実施例3で結晶性珪酸塩の平均粒子径を8μmにした以
外は実施例3と同様の手順で粒状洗剤の調製を行った。
【0053】比較例5 実施例3で噴霧乾燥粒子の揮発分を6%とした以外は実
施例3と同様の手順で粒状洗剤の調製を行った。
【0054】比較例6 実施例3で造粒時にノニオン界面活性剤を添加せずに同
様の手順で粒状洗剤の調製を行った。
【0055】比較例7 実施例3で破砕、造粒時に添加する結晶性珪酸塩粉末と
Vブレンダーで添加する粉末ゼオライトを入れ換えて造
粒を行い、結晶性珪酸塩粉末は酵素と共にVブレンダー
で洗剤粒子と混合した。それ以外は実施例3と同様にし
て粉末洗剤の調製を行った。
【0056】〔粒状洗剤の評価〕実施例3、4及び比較
例5、6、7について、得られた粒状洗剤の嵩密度及び
平均粒子径、並びに洗浄力及び溶残物残留性について、
実施例1〜2及び比較例1〜4と同様に評価した。それ
らの結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】実施例5 実施例3で洗剤成型品の粉砕造粒時に添加して洗剤粒子
の表面被覆を行う無機粉体微粒子として結晶性アルミノ
珪酸塩粉末に代えて、炭酸ナトリウム(デンス粒灰)を
乾式アトライター(三井三池化工機 (株) 製)で粉砕し
たもの(平均粒子径7.5μm)を使用した。それ以外
は実施例3と同様にして粉末洗剤を得た。得られた粉末
洗剤について、実施例1〜2及び比較例1〜4と同様に
評価をしたところ、嵩密度は0.78g/cm3 、平均粒
子径は510μm、洗浄率は68%、溶残物残留性は
0.00であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 3:08) (72)発明者 高名 周治 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非せっけん性のアニオン界面活性剤を含
    有する噴霧乾燥粒子を破砕し造粒することにより嵩密度
    が0.65g/cm3 以上の高嵩密度粒状洗剤を製造す
    る方法において、前記噴霧乾燥粒子中の揮発分が1.5
    〜5%であり、且つ前記噴霧乾燥粒子の破砕及び/又は
    造粒時に、当該噴霧乾燥粒子にポリオキシアルキレンア
    ルキルエーテルと結晶性珪酸塩粉末とを添加することを
    特徴とする高嵩密度粒状洗剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 非せっけん性のアニオン界面活性剤の含
    有量が、最終粒状洗剤中に10〜40重量%である請求
    項1記載の高嵩密度粒状洗剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリオキシアルキレンアルキルエー
    テルが、アルキル鎖の炭素数が実質的に12〜15であ
    り且つその平均値が12〜13の間にある高級アルコー
    ルにエチレンオキサイドを平均で4〜12モル付加した
    ものである請求項1又は2記載の高嵩密度粒状洗剤の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリオキシアルキレンアルキルエー
    テルの添加量が最終粒状洗剤中に0.5〜8重量%であ
    る請求項1〜3の何れか1項記載の高嵩密度粒状洗剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記結晶性珪酸塩粉末の添加量が最終粒
    状洗剤中に1〜10重量%である請求項1〜4いずれか
    に記載の高嵩密度粒状洗剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記結晶性珪酸塩粉末の平均粒子径が1
    〜40μmである請求項1〜5いずれかに記載の高嵩密
    度粒状洗剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記結晶性珪酸塩が、SiO2/M2O=
    1.5〜2.6(Mは周期律表のIa族元素)である請
    求項1〜6いずれかに記載の高嵩密度粒状洗剤の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記結晶性珪酸塩が、下記一般式(1)
    で示される化合物である請求項7記載の高嵩密度粒状洗
    剤の製造方法。 xM2O・ySiO2・zMemn・wH2O (1) (式中、Mは周期律表のIa族元素、MeはIIa、II
    b、 IIIa、IVaもしくはVIII族元素から選ばれる1種
    または2種以上の組み合わせを示し、y/x=1.5〜
    2.6、z/x=0.01〜1.0、n/m=0.5〜
    2.0、w=0〜20である。)
  9. 【請求項9】 結晶性珪酸塩が、下記一般式(2)で示
    される化合物である請求項7記載の高嵩密度粒状洗剤の
    製造方法。 M2O・x'SiO2・y'H2O (2) (式中、Mは周期律表のIa族元素を表し、x'=1.
    5〜2.6、y'=0〜20である。)
  10. 【請求項10】 平均粒子径が0.1〜10μmの無機
    粉体微粒子を造粒中ないし造粒後に添加することによ
    り、洗剤粒子の表面を無機粉体微粒子で被覆する工程を
    含む請求項1〜9いずれかに記載の高嵩密度粒状洗剤の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 最終洗剤粒子の内部に結晶性珪酸塩粉
    末の大部分が分散した状態で存在し、実質的に最終洗剤
    粒子表面に露呈していない高嵩密度粒状洗剤粒子。
  12. 【請求項12】 前記結晶性珪酸塩粉末の平均粒子径が
    1〜40μmである請求項11記載の高嵩密度粒状洗剤
    粒子。
JP25606395A 1995-10-03 1995-10-03 高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子 Expired - Fee Related JP3367801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25606395A JP3367801B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25606395A JP3367801B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09100500A true JPH09100500A (ja) 1997-04-15
JP3367801B2 JP3367801B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=17287390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25606395A Expired - Fee Related JP3367801B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3367801B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000192096A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Kao Corp 高嵩密度洗剤粒子群
JP2009529593A (ja) * 2006-03-14 2009-08-20 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 着色防止性の洗濯洗剤組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000192096A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Kao Corp 高嵩密度洗剤粒子群
JP2009529593A (ja) * 2006-03-14 2009-08-20 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 着色防止性の洗濯洗剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3367801B2 (ja) 2003-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3224546B2 (ja) 衣料用洗剤組成物
JP4417195B2 (ja) 粒状アニオン界面活性剤の製造法
US7485615B2 (en) Process for producing granular anionic surfactant
JP3872293B2 (ja) 高密度洗剤組成物
JPH02178398A (ja) 高嵩密度洗剤組成物
JP2009108165A (ja) 洗剤粒子
JP3367801B2 (ja) 高嵩密度粒状洗剤の製造方法および高嵩密度粒状洗剤粒子
JP3008266B2 (ja) 結晶性アルカリ金属ケイ酸塩顆粒の製造方法及び衣料用の高嵩密度粒状洗剤組成物
CA2030990C (en) Process for preparing a high bulk density detergent composition having improved dispensing properties
JPH1135998A (ja) 高密度粒状洗剤
JP3140746B2 (ja) 表面改質剤及び洗剤粒子群
JPH0436398A (ja) 高嵩密度粒状洗剤組成物
JP5525126B2 (ja) 洗剤粒子
JP4498473B2 (ja) 高嵩密度粒状洗剤の製造方法
JPH054440B2 (ja)
JP4381505B2 (ja) 洗濯方法
JP2814143B2 (ja) 高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法
JPS63161096A (ja) 高嵩密度粒状洗剤組成物
JP5612808B2 (ja) 洗剤粒子
JPH11302698A (ja) 高嵩密度粒状洗剤の製造方法
JP5512980B2 (ja) 洗剤粒子
JP4498474B2 (ja) 高密度粒状洗剤組成物の製造方法
JP3359195B2 (ja) 高密度粒状洗浄剤組成物
JP4252176B2 (ja) 高嵩密度洗剤
JP3650283B2 (ja) 高嵩密度洗剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111108

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121108

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees