JPH089975Y2 - 磁気記録再生装置のつなぎ撮り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、磁気記録再生装置のつなぎ撮り装置に関す
る。

〔従来の技術〕 従来、磁気記録再生装置においては、磁気テープがポ
ーズ操作で逆転走行している時及び磁気テープがポーズ
解除で助走している時に、磁気テープの走行距離の計測
にコントロールパルスやキャプスタンFG等の数を計数し
たため誤差が生じ、信号抜けを防止するためには、３な
いし４フィールド分の重ね記録を行わざるを得なく、こ
れによりつなぎ撮り部分に重ね記録によるカラー信号へ
の妨害を生じるものとなっていた。

これを解消すべく、特開昭60-179960号公報には、記
録ポーズ操作によりコントロールトラックにコントロー
ル信号のタイミングと異なったタイミングの記録中断信
号をさらに記録し、その後再生モードにして磁気テープ
を所定長逆転して停止させ、ポーズ解除により磁気テー
プを正転して再生し、上記記録中断信号を検出すること
により記録モードにするつなぎ撮り装置が開示されてい
る。

従って、このつなぎ撮り装置によれば、つなぎ撮りを
行なう際、記録中断信号が検出されることにより長時間
の重ね記録を行なうことなく、次の信号を記録し得、逆
転、助走をコントロールパルス等を計数して行なってい
たものに比して重ね記録部分を少なくし得、高品質の映
像を得ることができ、また、記録中断信号は、コントロ
ール信号のサーボ制御するのに用いるエッジとは逆向き
のエッジのタイミングを、ポーズ操作前における逆向き
のエッチのタイミングと異ならせた信号とするため、コ
ントロール信号を得るためのモノマルチの時定数を切換
えるだけで記録中断信号を得ることができ、回路を簡単
に構成し得、動作は安定なものとなる。すなわち、上述
のつなぎ撮り装置においては、コントロールパルスのデ
ューディ書き換え検出そ利用しており、重ね書きのない
つなぎ撮りができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記つなぎ撮り装置は、１フレーム単
位でつなぎ撮りについてのものであり、２フレーム単位
のつなぎ撮りについては考慮されてなく、再生時色消え
の発生要因となっていた。すなわち、PAL,SECAM方式の
カラー信号のローテーション、例えばPAL方式のカラー
バーストの位相はライン毎に±135°に切換っており、
±135°を，で表現すると、第６図のようになり、
カラー信号にのみ着目した場合、ＡとＢの２フレームで
ローテーションが完成している。もし、仮にＡフレーム
の後にＡフレームが続くと第625Hから第1Hへのところで
が続き、テレビのAPC機能が追従できず色消えとな
る。SECAM方式の場合も同様に、サブキャリアはFMであ
るが、色差信号（Ｒ−Ｙ）と（Ｂ−Ｙ）が線順次で送ら
れるため、色差信号（Ｒ−Ｙ）を、（Ｂ−Ｙ）をと
置き換えればやはり上図のようになる。このようにして
PAL,SECAM方式のカラー信号のローテーションは２フレ
ームで一巡し、このような信号に対してつなぎ撮りを行
なう際は、Ｂフレームで記録を終了したならば、Ａフレ
ームから記録を再開せねばならないが、A,Bフレームを
区別していないため、1/2の確率でカラー信号が不連続
（例えばＢフレームの後にＢフレームがつながる）とな
り、再生時色消えとなる。

本考案は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、２フレームでカラー信号のローテーション
が一巡するビデオ信号に対しつなぎ撮りを行なう際のつ
なぎ部分の色消えをなくすことができる磁気記録再生装
置のつなぎ撮り装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る磁気記録再生装置のつなぎ撮り装置は、
入力する映像信号の２フレームに同期した信号を発生す
るパルス発生手段を備え、このパルス発生手段の出力に
基づいて記録中断信号を記録すると共に、ポーズ解除を
行うようにしたものである。すなわち、本考案によれば
記録モード時回転ドラムサーボ及びキャプスタンサーボ
を制御するためのコントロール信号を磁気テープのコン
トロールトラックに記録すると共に、記録ポーズ操作に
より前記コントロールトラックに前記コントロール信号
のタイミングと異なったタイミングの記録中断信号を更
に記録し、しかる後に再生モードにして前記磁気テープ
を所定長逆転して停止する手段と、前記ポーズ解除によ
り前記磁気テープを正転して再生し、前記記録中断信号
を検出して記録モードにする手段とを設けることによ
り、一連のつなぎ撮りを行う磁気記録再生装置のつなぎ
撮り装置において、入力する連続した映像信号の２フレ
ームに同期した信号を前記一連のつなぎ撮り期間中常時
発生するパルス発生手段を備え、前記記録ポーズ操作に
応じて前記パルス発生手段の出力信号に同期して前記記
録中断信号を記録し、その後前記磁気テープを所定長逆
転走行させる動作で、前記記録中断信号を基準とする予
め設定されている所定の位置まで逆転走行させ、その
後、再生される前記コントロール信号を基準とする所定
の位置で停止させるように構成し、前記ポーズ解除を指
示する信号を受けた後に前記パルス発生手段の出力信号
に同期して前記磁気テープをスタートさせ、先に記録さ
れた前記記録中断信号を検出した後、映像信号の記録を
開始するよう構成されていることを特徴とする磁気記録
再生装置のつなぎ撮り装置が提供される。

〔作用〕

本考案による磁気記録再生装置のつなぎ撮り装置にお
いては、２フレームでカラーのローテーションが一巡す
るビデオ信号に対しつなぎ撮りを行う際、２フレーム周
期に同期したパスル出力に基づきつなぎ撮りを行い、つ
なぎ撮り部分の再生時の色消えをなくすことができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図示実施例に基づいて説明する。第１
図は、本考案の一実施例を示すブロック系統図を示し、
また、第２図と第３図はその各部動作波形を示してい
る。第１図構成に係るつなぎ撮り時の動作を上記波形図
を参照して説明すると、磁気テープ１の映像信号を記録
している時、ポーズ信号ａがシステムコントロール部２
に与えられると、シリアルデータとしてサーボ回路３内
の記録中断信号発生回路に供給される。システムコント
ローラ部２は、記録時及びポーズ中も上記サーボ回路３
からヘッド切換えパルスｂの供給を受け、このヘッド切
換えパルスｂを1/2分周して分周フリップフロップ（分
周FF）の出力信号ｃ、つまり映像信号の２フレームに同
期した信号を生成しており、上記ポーズ信号ａが与えら
れると、信号ｃの立下がりを待ち、次のヘッド切換えパ
ルスｂの立下がりで記録コントロールデューティ指示信
号ｄを立下げサーボ回路３に供給する。この信号ｄによ
りサーボ回路３はコントロールヘッド５に対する記録コ
ントロール信号ｅのデューティを“0"から“1"（例えば
デューティ27％）に切換える。そして、このデューティ
“1"の記録コントロール信号ｅを２つ記録したところ
で、ヘッド切換えパルスｂの立下がりタイミングでビテ
オ回路４にビデオ記録制御信号ｆをＨレベルとして出力
し映像信号の記録を終了する。さらに、デューティ“1"
の記録コントロール信号ｅをいくつか（例えば２つ）記
録終了した時点で、サーボ回路３中の記録コントロール
アンプはコントロールヘッド５より切離され再生コント
ロールアンプがオンとなり、コントロールパルス再生可
能状態となる。この間、磁気テープ１はさらにフォワー
ド方向に適量進められる。

次に、磁気テープ１は適量バックスペースされるが、
この時の磁気テープ長は、従来と同様に、キャプスタン
モータ６を駆動するキャプスタンモータドライバ７から
のキャプスタンFG数のカウントにより設定している。た
だし、ポーズ解除後の最初のコントロールパルスの再生
タイミングに常に一定でなければならなく、従ってバッ
クスペース後のテープ停止位置は一定でなければならな
いので、前述した記録されたデューティ“1"の記録コン
トロール信号ｅを利用してキャプスタンFCカウンタをリ
セットする。つまり、バックスペース中、再生される記
録コントロール信号ｅのデューティが“1"であることを
サーボ回路３が検出すると、サーボ回路３から再生コン
トロールデューティ検出信号ｇがシステムコントロール
部２に出力され、システムコントロール部２はキャプス
タンFGカウンタをある値にプリセットする。

磁気テープ１が適量バックスペースし、キャプスタン
FGカウンタが予め設定された値ｍに達すると、システム
コントロール部２はキャプスタンモータドライバ７に対
してキャプスタンモータ制御信号ｈとしてモータ正転信
号を送り、再び磁気テープ１をフォワード方向に進める
と共に、キャプスタンFGカウンタのカウント方向を逆転
する。磁気テープ１を若干フォワード方向に進め、キャ
プスタンFGカウンタのカウント値がある値ｎに達する
と、従来例においては直ぐにキャプスタンモータ６をシ
ョートブレーキモードとしテープを止めるべく制御する
が、これではキャプスタンモータ６の回転方向の変わる
タイミングがキャプスタンFGカウンタのカウント方向が
変わるタイミングと合わないため、停止位置に１フレー
ム以内の誤差が生じることになり、これを吸収するた
め、第３図に示す如く、キャプスタンFGカウンタのカウ
ント値がｎに達した後、次のコントロールパルスを検出
し、ディレイカウンタの時間Ｔだけ遅らせてキャプスタ
ンモータドライバ７にブレーキをかけるべくキャプスタ
ンモータ制御信号ｈを送出する。このディレイ時間Ｔ
は、ポーズ解除後、最初のコントロールパルス再生タイ
ミングを調整するためのもので、キャプスタンモータ６
の回転立上がり特性に合わせて設定する。

以上によりポーズ状態に入る。以上の動作により、ポ
ーズ時のテープ停止位置は記録されている２フレーム周
期の映像信号に対して、常に一定位相の位置となる。ポ
ーズ解除時は、オペレーション信号（ポーズ解除指示信
号）を受けた後、分周フリップフロップの出力パルス立
下がりを待って磁気テープをスタートさせる。そして、
デューティ“1"の再生コントロール信号を２つ検出した
のち、２個目のデューティ“1"の立ち下がりのあとの最
初のヘッド切換えパスルの立ち下がりのタイミングでビ
デオ回路４にビデオ記録制御信号ｆをＬレベルとして出
力し映像信号の記録を開始する。第４図は上述した一連
のつなぎ撮り時の動作を磁気テープの移動方向と時系列
の関係について示している。

第５図（ａ），（ｂ）は上記実施例における作用効果
を従来例に対比して説明するものである。すなわち、PA
L,SECAM等の信号を色消えなくつなぎ撮りするためには
Ａフレームの次には必ずＢフレームがくるようにつなが
ねばならないが、同図（ａ）に示すように、従来、ポー
ズ解除で再スタートしたテープから最初に再生されるコ
ントロールパルスはA,Bフレームのどちらに相当するも
のかはわからず、ポーズ解除から何ms後に再生されるか
わからない。そして、そのコントロールパルスがA,Bど
ちらのフレームに相当するかわからないヘッド切換パル
スに対して同期をとるため、つなぎ目での連続性は不定
であった。しかし、本考案では、ポーズ時のテープ停止
位置を一定とすることにより同図（ｂ）に示すように、
ポーズ解除後最初に再生されるコントロールバルスがと
ちらのフレームに相当するかを確定し（例えばＡフレー
ム）、かつポーズ解除後の再生タイミングを常に一定と
し、そのタイミングを入力する映像信号のＡフレームに
相当するヘッド切換えパルスと同期されている。

なお、上記実施例においては、映像信号の２フレーム
に同時した信号を分周フリップフロップにより得るもの
であるが、A,Bフレームの検出パルス（第１〜第４フィ
ールドのいずれかを示すパルス）を用いても常に色消え
のないつなぎ撮りができるのは勿論である。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案の磁気記録再生装置のつなぎ撮
り装置によれば、入力する映像信号の２フレームに同期
した信号に基づいて記録中断信号を記録すると共にポー
ズ解除を行うようにして、ポーズ時のテープ停止位置を
一定とし、入力映像信号のフレームと同期を取ったテー
プスタートを実現するので、つなぎ撮り部分の再生時の
色消えをなくすことができる。

カラーフレームを比較することなく、簡易な構成でカ
ラーフレームの整合性をとりながら、つなぎ撮りを行う
ことができるという効果もある。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示すブロック系統図、第２
図と第３図はその各部動作波形図、第４図はつなぎ撮り
の動作概要を示す説明図、第５図は実施例における作用
効果を従来例と対比して示す波形図、第６図は従来例に
おける色消え現象の要因を説明する説明図である。 １……磁気テープ、２……システムコントロール部、３
……サーボ回路、４……ビデオ回路、５……コントロー
ルヘッド、６……キャプスタンモータ、７……キャプス
タンモータドライバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録モード時回転ドラムサーボ及びキャプ
   スタンサーボを制御するためのコントロール信号を磁気
   テープのコントロールトラックに記録すると共に、記録
   ポーズ操作により前記コントロールトラックに前記コン
   トロール信号のタイミングと異なったタイミングの記録
   中断信号を更に記録し、しかる後に再生モードにして前
   記磁気テープを所定長逆転走行させて停止する手段と、
   前記ポーズ解除により前記磁気テープを正転走行させて
   再生し、前記記録中断信号を検出して記録モードにする
   手段とを設けることにより、一連のつなぎ撮りを行う磁
   気記録再生装置のつなぎ撮り装置において、入力する連
   続した映像信号の２フレームに同期した信号を前記一連
   のつなぎ撮り期間中常時発生するパルス発生手段を備
   え、前記記録ポーズ操作に応じて前記パルス発生手段の
   出力信号に同期して前記記録中断信号を記録し、その後
   前記磁気テープを所定長逆転走行させる動作で、前記記
   録中断信号を基準とする予め設定されている所定の位置
   まで逆転走行させ、その後、再生される前記コントロー
   ル信号を基準とする所定の位置で停止させるように構成
   し、前記ポーズ解除を指示する信号を受けた後に前記パ
   ルス発生手段の出力信号に同期して前記磁気テープをス
   タートさせ、先に記録された前記記録中断信号を検出し
   た後、映像信号の記録を開始するよう構成されているこ
   とを特徴とする磁気記録再生装置のつなぎ撮り装置。