JPH0899492A - 磁気情報記録媒体 - Google Patents

磁気情報記録媒体

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JPH0899492A
JPH0899492A JP6237977A JP23797794A JPH0899492A JP H0899492 A JPH0899492 A JP H0899492A JP 6237977 A JP6237977 A JP 6237977A JP 23797794 A JP23797794 A JP 23797794A JP H0899492 A JPH0899492 A JP H0899492A
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JP6237977A
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Inventor
Shiyoutei Chiyou
松弟 張
Masao Kuroiwa
政夫 黒岩
Toru Endo
徹 遠藤
Yoshie Arai
美江 新井
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低コストで生産可能で、加工性、ランダム性お
よびセキュリティ性が良好であり、かつ比較的簡単な装
置で読み取り可能で、その読み取り精度が高い磁気情報
記録媒体を提供する。 【構成】紙からなる基材上に目止め層、不均一に分散さ
れた磁性粒子を含む磁気インキを用いて、磁気情報記録
媒体固有のアナログ磁気固有情報を表す磁気データ部を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切符、定期券、入場
券、各種証券等の紙製情報記録媒体の偽造、改竄、変造
防止技術に関し、詳しくはこれらの紙製情報記録媒体へ
のセキュリティ磁気データの付与に関する。)
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録媒体として紙製の情報記
録媒体が広く用いられており、一般的には切符、定期
券、投票券、商品券、証券等がある。これらには磁気記
録層や光学的に読み取りが可能な記録層からなる情報記
録部を有しており、用途に応じた様々な情報が記録され
る。例えば情報記録媒体の表示情報・ID情報、情報記
録媒体の保持者情報、或いは金銭に関する情報などであ
る。とくに上記の用途に用いられるものは、低コストで
供給されるものであり、しかもその情報記録媒体が正当
なものであるかの判定も安価で確実に行なわれることが
要求される。
【0003】一般的に、情報記録媒体の正当性の確認手
段は、情報記録媒体に記録された情報を容易に読み取り
・書き込みすることが可能であることから、不法に記録
情報の内容を作為的に変更する恐れがある。そこで、こ
れら情報記録媒体の不正防止対策として、磁気記録では
特殊な磁気ヘッドにより読み取り・書き込みを可能とす
る高保磁力磁気記録や磁気シールド等の使用による一般
に入手可能なリーダライタの使用をできないようにする
ことや、さらにはホログラムの形成(図柄或いはバーコ
ード等の情報を有するホログラム)や赤外線吸収又は赤
外線反射や蛍光発色などの特殊インキの使用により光学
的に真正物を判別可能とする手段が実施されてきた。し
かし、これら従来のセキュリティ対策も現時点において
は、その効果が薄らいでいる。とくに真正物を判定する
セキュリティ情報が一通りのみで発行される情報記録媒
体全てに使用される場合においては、セキュリティ情報
を解読或いは真似される恐れがあり、偽造、改竄、変造
の可能性は高い。そのため、情報記録媒体に記録された
情報を解読し、偽造又は正規の情報記録媒体に情報を再
入力する不正行為を確実に防止する手段が求められてい
る。
【0004】このような情報記録媒体の偽造・変造・改
ざんなどの不正行為、またその不正使用を防止する手段
として、例えば特表昭63−501250号公報に開示
されるようなチェック書類中にステンレスファイバをラ
ンダムに分布させ、これをマイクロ波によりチェックす
る技術がある。これは書類中にランダムに分布した微細
なステンレスファイバにマイクロ波を入射し、応答マイ
クロ波束を一定のルールにより決定されるデジタルマー
クを書類上に記録するものである。そして書類の真正さ
を判断する場合には、書類にマイクロ波を入射し、その
応答マイクロ波束に応じて決定されるデジタルマークを
上述のデジタルマークと比較照合し、両者が一致する場
合を真正物と判断するものである。
【0005】しかしながら、上記の技術では、導電性の
金属ファイバーを情報記録媒体に分散するための加工技
術が困難であるため、コストが高い。さらに、この情報
記録媒体の読み取りに用いるギガヘルツ帯のマイクロ波
は、制御が難しく、読み取りの誤差が大きい。詳しく
は、マイクロ波をステンレスファイバのランダムパター
ンに透過、または反射させて、そのパターン固有のデー
タを得て、このデータを相関係数に近似させ同一性を判
断する。この場合、高精度の判断を可能とするには、相
関係数の設定がきわめて難しく、実用性に乏しいもので
ある。さらには、マイクロ波の読み取り装置自体も大型
化、複雑化するという欠点もあった。
【0006】それに対して、磁気材料のランダムパター
ンを作って上記マイクロ波と同様のことを実現させよう
という考えもある。この磁気ランダムパターンを作る技
術として代表的な方法は、以下の3つである。まず第1
の方法として磁性金属ファイバーを用いて、分散させる
方法がある。この方法にかかる情報記録媒体の一例の断
面を表す模式図を図8に示す。例えば図9に示すよう
に、基材42上に磁性金属ファイバー43が分散されて
設けられている。第2の方法として、第1の方法におけ
る磁性金属ファイバーの代わりに磁性材料を高分子繊維
中に充填し、高分子磁気ファイバーとして分散させる方
法がある。第3の方法として、不規則な磁性インキから
なるパターンを、印刷、転写、印字(インキジェット、
静電印刷)等の方法によって設ける方法がある。この方
法にかかる情報記録媒体の一例の断面を表す模式図を図
9に示す。例えば図9に示すように、この方法にかかる
情報記録媒体では、基材42上に磁性インキからなるパ
ターン44が印刷されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、何れの
方法も以下のような問題点がある。第1の方法の場合
は、磁性金属繊維のコストが高いこと以外に、加工性に
も問題があり、金属ファイバーを切断するのにカッター
の歯を傷めたり、また媒体に加工した場合、バリやヒゲ
が発生する可能性がある。第2の方法の場合は、高分子
磁気ファイバーの生産から分散まで大ロットのものにし
か対応できず、小ロットのものには第1の方法と同様コ
スト高となり向いていない。第3の方法の場合は、コス
ト的には比較的安価ではあるが、磁気のパターンが盛り
上がり、容易に外部からパターンを判別される可能性が
ある。また人工的な磁気のパターンのため、同じパター
ンができる可能性が高く、ランダム性に欠ける面があ
る。
【0008】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされ
たもので、低コストで生産可能で、加工性、固有情報と
なるパターンのランダム性および偽造・改竄・変造に対
するセキュリティ性が良好であり、かつ比較的簡単な装
置で読み取り可能で、その読み取り精度が高い磁気情報
記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様にか
かる磁気情報記録媒体は、紙からなる基材上の少なくと
も一方の面上に、目止め層、不均一に分散された磁性粒
子により形成される磁気固有情報を表す磁気データ部を
順次設けてなることを特徴とする。
【0010】本発明の第2の態様にかかる磁気情報記録
媒体は、紙からなる基材上の少なくとも一方の面上に、
目止め層、不均一に分散された磁性粒子により形成され
る磁気固有情報を表す磁気データ部を順次設け、かつ基
材の最外層の少なくとも一部に磁気固有情報情報を表す
デジタル情報を付与してなることを特徴とする。
【0011】また、本発明の第2の態様においては、基
体の最外層の少なくとも一部に磁気記録部を備えるとと
もに、磁気記録部に磁気固有情報を表すデジタル情報を
記録することが可能である。
【0012】
【作用】本発明にかかる磁気情報記録媒体の磁気データ
部は、例えばバインダー中に不均一に分散された磁性粒
子を含む磁気インキを用いて形成することができる。不
均一に分散された磁性粒子の影響により、磁気インキを
塗布して得られた層には磁気ムラが発生する。このムラ
が本発明の情報記録媒体のアナログ磁気固有情報とな
る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の磁気情報記録媒体の断面図であり、
図2、図3は、それぞれ他の実施例の磁気情報記録媒体
の断面図であり、図4は本発明の磁気情報記録媒体のデ
ジタル情報記録部を改竄した例及び磁気情報記録媒体の
デジタル情報記録部を他の磁気情報記録媒体にデッドコ
ピーした例を表す図であり、図5は本発明にかかる真偽
判定において真と判定された場合の状態を表す図であ
り、図6は、本発明にかかる真偽判定において真と判定
された場合の状態を表す図である。
【0014】図1の本発明の磁気情報記録媒体1は、基
材2上に目止め層3、磁気固有情報を表す磁気データ部
4が形成されてなり、基材2の最外層面には磁気固有情
報情報をデジタル情報として記録するデジタル情報記録
部6(光学バーコード)及び絵柄層7が設けられてい
る。
【0015】また他の実施例として図2に示す磁気情報
記録媒体11は、基材2上に目止め層3、磁気固有情報
を表す磁気データ部4が形成され、さらに磁気データ部
4を隠蔽する隠蔽層5を設けたものである。磁気情報記
録媒体11上には磁気固有情報情報を示すデジタル情報
として記録するデジタル情報記録部(光学バーコード)
6及び絵柄層7が形成されている。
【0016】なお、デジタル情報記録部6及び絵柄層7
は、磁気情報記録媒体1、11の同一面側だけではな
く、それぞれ異なる面上に、或いは両面に設けることが
できる。また、デジタル情報記録部6はデジタル情報を
記録することが可能で、機械的な読み取りが可能な記録
手段であればよく、例えば、光学バーコード、磁気記録
層、磁気バーコード、ICメモリ等から適宜選択したも
のとしてもよい。
【0017】図3に示す磁気情報記録媒体31は、基材
2上に目止め層3、磁気固有情報を表す磁気データ部4
が形成され、さらに磁気データ部4上に磁気固有情報を
示すデジタル情報を記録するデジタル情報記録部6(磁
気記録層)が形成されている。なお、上記実施例の図中
の同一構成の箇所については同一の番号を使用した。
【0018】次に、各構成について説明する。基材2は
上質紙、コート紙、合成紙等の一般的に使用されている
ものであり、特に用途として切符原紙、チケット用紙、
紙カード用紙等を用いることができ、用途に応じて要求
される物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性等
を考慮し、上記材料から適宜選択することができる。
【0019】目止め層3は磁気データ層4を形成する際
に、インキや塗料の紙基材への染み込み等を防止するた
めに設けられるものであり、例えば、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビ
ニル酢酸ビニル共重合体樹脂等の有機高分子樹脂又は無
機材料、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、金属ア
ルミニウム、スズ等である。また、この目止め層3によ
る磁気データ層4と基材2との接着性を良くする効果も
有する。
【0020】隠蔽層5は、磁気データ部4を必要に応じ
て隠蔽するために設けられるもので、隠蔽層5の上面に
設けられる光学バーコードの読み取り精度を向上、或い
はデザイン的に磁気データ層4を目視できないようにす
るためのものであり、例えば非磁性金属薄膜、非磁性金
属粉末を合成樹脂等に分散させた塗液や非磁性隠蔽性顔
料を合成樹脂等に分散させた塗液などを用いることがで
きる。なお、図示はしないが必要に応じて情報等の読み
取り・書き込みに影響の無い範囲でキズやホコリから磁
気情報記録媒体を保護する保護層を磁気情報記録媒体の
最外層に設けてもよい。
【0021】磁気データ部4は、少なくとも磁性粒子
(図示しない)からなり、例えば磁気インキとして塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂等のバイ
ンダー中に任意に分散した状態で形成される。ところで
粒径の小さい場合は、磁気インキ中で比較的均一に分散
するのに対し、粒径の大きい場合は、磁気インキ中で不
均一に分散するため、不均一に分散された磁性粒子によ
り、この磁気インキを塗布した層には磁気ムラが発生す
る。このムラが、本発明の磁気情報記録媒体のアナログ
磁気固有情報となる。なお、粒径の大きい磁性粒子と
は、磁性粒子単独、およびその凝集体を意味する。
【0022】このアナログ磁気固有情報を有する磁気デ
ータ部4は、印刷法のように磁気パターンを故意に作ら
なくても、通常の全面コーティングもしくはベタ印刷等
によって、容易にランダムに作成することができる。
【0023】本発明の磁気情報記録媒体における磁気ム
ラは、約10〜50μmが好ましい。このようなアナロ
グ磁気固有情報を読み取るための磁気センサーの解像度
は一般的に約20μm以上であることから、磁気ムラ
は、さらに好ましくは20μm以上であれば、磁気固有
情報(セキュリティ磁気データ)として読み取りが容易
である。
【0024】このような20μm以上の磁気ムラを作る
ためには、使用される磁性粒子は、2μm以上の粒径を
有することが好ましい。磁性粒子が2μm未満である
と、20μm以上の磁気ムラを作ることが困難となる傾
向がある。さらに好ましくは、磁性粒子の平均粒径は、
2〜40μmである。磁性粒子が40μmを越えると、
塗膜にしたときに突起となり、積層性や走行性、滑り性
といった媒体としての基体特性が悪くなる傾向がある。
【0025】なお、磁性材料として鱗片状の物を用いた
場合には、平均粒径が40μm以上であっても十分に利
用できるが、その厚さは、塗布層の膜厚を越えないこと
が好ましい。
【0026】磁性粉末の形状は、鱗片状(フレーク状)
の他、針状でも、球状でも、不定形でも、舟状でもよ
く、形状は特に問わない。特に、厚さが薄く形状が大き
い鱗片状のものは、磁気データ部の厚さを薄くでき都合
がよいため、好ましく使用し得る。
【0027】磁性材料を不均一に分散させる方法として
は、粒度分布の大きな磁性粉末を用いること(例え
ば、0.5〜10μmの範囲)、平均粒子径が10μ
m以下で粒度分布が小さい磁性粉末の場合は、一次粒子
まで分散させずに分散を故意に甘くして、10μm以上
の凝集体を残しておくこと、10μm以上の大きな磁
性粒子を用いること等が考えられる。
【0028】磁性材料の材質は、バリウムフェライト、
γ−フェライト等の金属酸化物質、ニッケル、カルボニ
ル鉄等の結晶質単体金属、ニッケル鉄合金等の結晶質合
金、鉄ニッケルコバルトアモルファス合金等の非晶質合
金などの何れでもよい。
【0029】磁性材料の保磁力は、一般的にソフト材
(60Oe以下)、セミハード材(60〜200O
e)、ハード材(200Oe以上)に分類されるが、本
発明では何れの保磁力を有する磁性材料を使用すること
が可能である。
【0030】とくに磁性粒子は、60Oe以下の保磁力
であれば、磁気パターンを見 破られにくい。また、着
磁の必要性がないため、低いバイアス磁界にて認識可能
となるという利点がある。
【0031】さらに保磁力の異なる2種類以上の磁性粉
末を混合すると、それぞれの磁性体について、所定のバ
イアス磁界により情報の認識ができるため、少なくとも
2種類以上の情報を有することになり、非常にセキュリ
ティ性を向上させることができるという利点がある。
【0032】磁性材料の充填量は任意でよく、磁性材料
のムラができればよいので高充填でも低充填でもよい。
しかしながら、非常に細かい粒子の磁性体を高充填で均
一分散させてしまうと、磁性材料のムラを作りにくいの
で、好ましくない。
【0033】このような情報記録媒体は、磁気インキを
用いて基体に直接コーティングまたは印刷するか、ある
いは一旦、転写箔やシールのように他の機能性媒体に加
工した後に基材に移すか何れの方法でもよく、比較的安
価にしかも加工性にも優れ、容易には磁気のムラを認識
し難い、非常にランダム性に優れたものを提供できる。
【0034】磁気データ部4の読み取り方法としては、
公知の磁気センサー(磁気ヘッド、磁気抵抗センサー)
にて、ハード材(保磁力200Oe以上)であれば一旦
着磁した後に磁性材料の残留磁化のムラを読み取るかあ
るいは、セミハード材(保磁力60〜200Oe)以下
であれば、外部バイアス磁界を印加しながら磁束のムラ
を読み取ることによって、その媒体固有の情報を得るこ
とができる。このようにして得られた媒体固有のアナロ
グ情報をAD変換することによって、デジタル情報化
し、媒体のデジタル情報記録方式〔磁気記録(図中の磁
気記録部4)、磁気バーコード、光学バーコード、OC
R、MICR、ICメモリ、光メモリ等(図示しない)
に記録しておき、媒体の使用時には両方読み取って相関
係数等にて真偽判定する。
【0035】上記の磁気情報記録媒体は、基体2上に、
光学バーコードからなるデジタル情報を記録するデジタ
ル情報記録部6と磁気データ部4とが形成された構造を
有する。磁気データ部4は、目視では判別不可能な情報
として不均一な磁性材分布による固有磁気情報を有す
る。磁気ヘッド等の磁気センサーで磁気データ部6の出
力波形を読み取り、この固有磁気情報を認識した後、A
D変換を行い、デジタル情報をデジタル情報記録部6に
記録する。ここでは光学バーコードを用いたが、他のデ
ジタル記録例えば、磁気ストライプ、磁気バーコード、
OCR、MICR、ICメモリや光メモリなどによるデ
ジタル情報記録も使用できる。
【0036】取り引き時には、不均一な磁性材分布を有
する磁気データ部4の出力波形を読み取り、デジタル情
報記録部6にデジタル記録されてなるエンコード情報と
比較、照合することによってカードの真偽判定を行う。
例えば図6に磁気情報記録媒体を改竄した例を示す。
(a)のデジタル情報記録部6を改竄した場合には、改
竄されたデジタル情報記録部6’の情報と、磁気データ
部4の情報とが照合せず、取り引き停止となる。(b)
デジタル情報記録部6の情報を他の磁気情報記録媒体に
デッドコピーした場合には、デッドコピーされたデジタ
ル情報記録部6”の情報と他の磁気情報記録媒体のデジ
タル情報記録部4’に相当する固有情報とが照合せず、
取り引き停止となる。
【0037】このように本発明の真偽判定方法において
は、使用される磁気情報記録媒体に、コピーされにくい
媒体固有のセキュリティ磁気データがあるため、改竄さ
れにくく、磁気ストライプ上のデータや目視可能な光学
バーコード、もしくはOCR、MICR、ICメモリや
光メモリ中のデータを改竄しても磁気情報記録媒体の基
材に存在する磁気固有情報との照合を行うと、不真正な
磁気情報記録媒体であることが容易に発見できる。
【0038】以下、さらに本発明の具体的な実施例を挙
げて説明する。 <実施例1>図1は、本発明の第1の実施例にかかる磁
気情報記録媒体の断面図である。磁気情報記録媒体1
は、寸法5.4×8.6cm、厚さ約0.25mmのコ
ート紙(157g/m2 )を基材2として用い、この一
方の面に下記組成からなる目止め層3を塗布量2g/m
2 となるようにグラビアコータにより形成し、さらに下
記組成物からなる磁性粒子により形成される磁気固有情
報を表す磁気データ部4を塗布量30g/m2 となるよ
うにグラビアコータにより形成した。もう一方の基材2
面には磁気データ部の表す磁気固有情報をデジタル情報
として記録してなるデジタル情報記録部6と磁気情報記
録媒体1の表示情報、保持者情報、或いは金銭に関する
情報などの可視情報や模様・デザイン等を絵柄層7とし
て基材2上に印刷形成することができる。本実施例では
デジタル情報記録部6を可視又は不可視記録材料からな
る転写リボンにより光学バーコードとして形成し、また
絵柄層7は公知の手法であるグラビア印刷により形成し
た。
【0039】 ○目止め層組成 硬化型ポリエステル樹脂(ケミット598) 10部 イソシアンネート 2部 ○磁気データ部組成 磁性粒子:Mn−Znフェライト 7部 (不定形形状、粒度分布2〜20μm、保磁力30Oe) バインダー:酢酸ビニル/ウレタン系 3部 顔料:白色酸化チタン 1部
【0040】<実施例2>図2は本発明の第2の実施例
にかかる磁気情報記録媒体11の断面図である。磁気情
報記録媒体11は、寸法5.4×8.6cm、厚さ約
0.25mmのコート紙(157g/m2 )を基材2と
して用い、この一方の面に下記組成からなる目止め層3
を塗布量2g/m2 となるようにグラビアコータにより
形成し、目止め層3上に下記組成物からなる磁性粒子に
より形成される磁気固有情報を表す磁気データ部4を塗
布量30g/m2 となるようにグラビアコータにより形
成し、磁気データ部4上に下記組成からなる隠蔽層5を
グラビアコータにより形成した。さらに隠蔽層5上には
磁気データ部の表す磁気固有情報をデジタル情報として
記録してなるデジタル情報記録部6を可視又は不可視記
録材料からなる転写リボンにより光学バーコードとして
形成した。また、基材2のもう一方の面には絵柄層7と
して表示情報、保持者情報、或いは金銭に関する情報な
どの可視情報や模様・デザイン等を公知の手法であるス
クリーン印刷により形成した。
【0041】 ○目止め層組成 硬化型ポリエステル樹脂(ケミット598) 10部 イソシアンネート 2部 ○磁気データ部組成 磁性粒子:Ni粒子 7部 (鱗片状、粒度分布10〜30μm、保磁力40Oe) バインダー:酢酸ビニル/ウレタン系 2部 ○隠蔽層組成 塩化ビニル/酢酸ビニル 5部 酸化チタン 5部
【0042】<実施例3>図3は本発明の第3の実施例
にかかる磁気情報記録媒体21の断面図である。磁気情
報記録媒体21は、寸法5.2×9.2cm、厚さ約
0.20mmのコート紙(157g/m2 )を基材2と
して用い、この一方の面に下記組成からなる目止め層3
を塗布量3g/m2 となるようにグラビアコータにより
形成し、目止め層3上に下記組成物からなる磁性粒子に
より形成される磁気固有情報を表す磁気データ部4を塗
布量30g/m2 となるようにグラビア印刷により形成
し、磁気データ部4上に下記組成からなる磁気データ部
4の表す磁気固有情報をデジタル情報として記録するデ
ジタル情報記録部6として磁気記録層を塗布量40g/
2 となるようにグラビアコータにより形成した。ま
た、基材2のもう一方の面には絵柄層7として表示情
報、保持者情報、或いは金銭に関する情報などの可視情
報や模様・デザイン等を公知の手法であるグラビア印刷
により形成した。
【0043】 ○目止め層組成 硬化型塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 10部 イソシアンネート 3部 ○磁気データ部組成 磁性粒子:マグネタイト 5部 (不定形 粒度分布5〜30μm 保磁力150Oe) 磁性粒子:Znフェライト 5部 (不定形 粒度分布5〜25μm 保磁力80Oe) バインダー:酢酸ビニル/ウレタン系 2部 ○磁気記録層組成 磁性材:バリウムフェライト 10部 バインダー:塩化ビニル/酢酸ビニル 4部
【0044】上述の実施例1乃至4について、各々媒体
固有のセキュリティデータである磁気データ部のアナロ
グ情報をAD変換によりディジタル情報化してデジタル
データ記録部に記録し、その後、同様に再生したセキュ
リティデータとデジタルデータ記録部のセキュリティデ
ータとの照合を行なったところ、いずれの例についても
良好な結果がえられた。
【0045】<実施例5>本発明にかかる磁気情報記録
媒体を用いて真偽判定を行なった。その真偽判定の一例
を図5及び図6に示す。図5は、真と判定された場合の
状態を表す図、図6は、偽と判定された場合の状態を表
す図である。
【0046】この真偽判定方法では、図5及び図6に示
すように、まず、登録時の読取り波形及び取り引き時の
読取り波形(アナログ情報)を、各々通常のA/D変換
により、8byteデジタル処理する。次に、得られた
各デジタル情報の相関性を比較演算する。図5に示すよ
うに相関係数の数値が高い場合は真正物、図6に示すよ
うに数値が低い場合は偽物と判定される 。
【0047】
【発明の効果】本発明の磁気情報記録媒体は、微少な磁
気ムラを故意に設けることによって、従来のような長い
磁気ファイバーを分散させたり、パターンを印刷したり
する方法と異なり以下のように有利になる。
【0048】まず第1に少量生産にも対応でき、コスト
的に有利になる。第2に非磁性材のムラ(=磁気のム
ラ)によるパターンのため磁気のランダムデータを見破
られにくく、セキュリティ性が高い。第3に磁気パター
ンの印刷による方法に比べてランダム性が高い。第4に
従来の磁気ファイバーを分散させる方法に比べて、基本
的に磁気インキを使用するためバインダー成分が多く、
断裁や抜き等の加工が容易である。第5に比較的簡単な
装置で読み取り可能で、その読み取り精度が高い。
【0049】以上のように、本発明の磁気情報記録媒体
は、媒体固有の磁気材料によるIDデータを容易に付与
することが可能で、上述のような利点が得られる。
【0050】さらには、切符、定期券、入場券、各種証
券等に用いられる紙製情報記録媒体として安価に製造が
可能であるとともに高いセキュリティを有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気情報記録媒体の断面図である。
【図2】他の実施例の磁気情報記録媒体の断面図であ
る。
【図3】他の実施例の磁気情報記録媒体の断面図であ
る。
【図4】図1の磁気情報記録媒体の磁気記録部を改竄し
た例及び図1の磁気情報記録媒体の磁気記録部を他の基
材にデッドコピーした例を表す図である。
【図5】本発明にかかる真偽判定において真と判定され
た場合の状態を表す図である。
【図6】本発明にかかる真偽判定において真と判定され
た場合の状態を表す図である。
【図7】従来の情報記録媒体の一例の断面を表す模式図
である。
【図8】従来の情報記録媒体の一例の断面を表す模式図
である。
【符号の説明】
1、11、21、31 磁気情報記録媒体カード 2、42 基材 3 目止め層 4 磁気データ部 5 隠蔽層 6 デジタル情報記録部 7 絵柄層 43 磁性金属ファイバー 44 磁性インキからなるパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 美江 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙からなる基材上の少なくとも一方の面
    上に、目止め層、不均一に分散された磁性粒子により形
    成される磁気固有情報を表す磁気データ部を順次設けて
    なることを特徴とする磁気情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 紙からなる基材上の少なくとも一方の面
    上に、目止め層、不均一に分散された磁性粒子により形
    成される磁気固有情報を表す磁気データ部を順次設け、
    かつ前記基材の最外層の少なくとも一部に前記磁気固有
    情報情報を表すデジタル情報を付与してなることを特徴
    とする磁気情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記基体の最外層の少なくとも一部に磁
    気記録部を備えるとともに、該磁気記録部に前記磁気固
    有情報を表すデジタル情報を記録してなることを特徴と
    する請求項2に記載の磁気情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記磁性粒子は、平均粒径2μm以上の
    粒径を有することを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載の磁気情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁性粒子は、60Oe以下の保磁力
    を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気
    情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記磁気データ部上に200Oe以上の
    保磁力を有する磁性材料からなる磁気記録層を設けてな
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の磁気情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記磁気データ部上に隠蔽層を設けてな
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の磁気情報記録媒体。
JP6237977A 1994-09-30 1994-09-30 磁気情報記録媒体 Pending JPH0899492A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017162211A (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 株式会社東芝 自動改札機、プログラム、乗車券、および乗車券用紙

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