JPH0898969A - 畳縫着装置 - Google Patents

畳縫着装置

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JPH0898969A
JPH0898969A JP25976794A JP25976794A JPH0898969A JP H0898969 A JPH0898969 A JP H0898969A JP 25976794 A JP25976794 A JP 25976794A JP 25976794 A JP25976794 A JP 25976794A JP H0898969 A JPH0898969 A JP H0898969A
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謙一 中村
Yasuaki Matsui
康明 松井
Arata Koroyasu
新 頃安
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 框縫いの済んだ畳を台座に載せれば、後は自
動的に縁を縫着し、畳を完成させることができる畳縫着
装置を提供する。 【構成】 平刺しと返し縫いとを行なって畳に縁及び縁
下紙を縫い付ける畳縫着装置において、同一の走行路4
を走行する平刺機2及び返し縫い機3と、畳を載置する
畳縫着台1とを設け、この畳縫着台に、前記走行路に臨
む位置に畳を固定する畳固定手段14と、畳を回転して畳
の縫着すべき辺を走行路側に移す回転手段12とを設け
る。框縫いの済んだ畳を畳縫着台に載せると、畳の水平
方向及び垂直方向の位置決めが自動的に行なわれ、固定
手段で畳が畳縫着台上に固定され、次いで平刺機が自走
し、畳の一辺に縁と縁下紙とを平刺し、併せて畳を所定
箇所で切断する。畳の一辺の平刺しが終了すると、回転
手段が畳を180度回転し、縫着の済んでいない辺が縫
着位置に移され、平刺しが繰り返される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、畳に縁を縫い付ける作
業を自動化した畳縫着装置に関し、特に、平刺しと返し
縫いとを効率的に自動縫着できるように構成したもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一枚の畳が製造されるまでに、畳床とそ
の上に張った畳表とを短辺側(框部)で縫い合わせる框
縫いの工程、長辺側(上前及び下前)の畳表に重ねて縁
と縁下紙とを裏返しに縫い合わせる平刺し工程、それと
前後して畳床及び畳表の上前及び下前側を畳の幅寸法に
切断する工程、平刺しした縁及び縁下紙を畳床の切断面
に沿って折り返す工程、縁及び縁下紙の畳の長辺より延
びた部分を框に沿って折り曲げてステープルや糸で畳に
固定する隅止め工程、及び上前または下前側に折り返し
た縁及び縁下紙を畳の切断面に縫い付ける返し縫い工程
の各工程が必要である。また、返し縫い工程では、畳の
厚さを調整するために、必要に応じて畳の下面に厚み調
整材を配置し、これを返し縫いで一緒に畳みに縫着して
いる。
【0003】この平刺しや返し縫いの縫着を一台の装置
で自動化する工夫が従来から行なわれている。
【0004】特公昭40−2108号公報及び特公昭5
8−31949号公報には、平刺しと返し縫いのための
千鳥刺しとを行なう機構を一つに組込んだミシンが記載
されている。このミシンは、水平に保持された畳に沿っ
て走行するときに、その駆動を切替えて、例えば、往路
では平刺し、復路では返し縫いを行なうことができる。
【0005】また、実開昭48−107423号公報の
畳縫着装置では、平刺しを行なうミシンと返し縫いを行
なうミシンとを別々に設け、これらのミシンが走行する
レールを畳固定用の台座に沿って敷設し、この走行の間
に畳への平刺しまたは返し縫いを行なわせている。ま
た、待機用のレールを設置し、これを使って、走行レー
ルに入線するミシンの種類を入れ換えている。
【0006】また、実公昭46−5900号公報では、
平刺し用のミシンと返し縫い用のミシンとを連結し、そ
れらが前進する過程で畳縁の平刺しと返し縫いとを終え
るように構成している。
【0007】こうした平刺しと返し縫いとを一台でこな
す畳縫着装置は、畳業界では両用機と呼ばれている。こ
の両用機は、平刺し装置と返し縫い装置とをライン状に
並べて、そこを通過する畳の上前と下前とに同時に縁を
縫い付ける大型のライン化装置に比べて、遥かに割安で
あるため、小規模畳店等で広く利用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の両用機
では、事前の工程により、縫着すべき畳の上前及び下前
側を畳の幅寸法に合わせて切断する必要がある。また、
そうした準備の整った畳を手作業で台座に位置合わせし
てセットする必要があり、また、畳の上前側の縫着が済
んだ後には、下前側の縫着のためのセットを同じように
手作業で行なわなければならなかった。このように従来
の両用機は、十分に自動化されているとは言えないとい
う問題点がある。
【0009】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、框縫いの済んだ畳を台座に載せるだけ
で、縁及び縁下紙の平刺しと返し縫いとを効率的な手順
で自動縫着することができる畳縫着装置を提供し、ま
た、平刺しされた縁及び縁下紙の折り返しや隅止めを含
めた工程を全て自動的に行なうことができる畳縫着装置
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、平
刺しと返し縫いとを行なって畳に縁及び縁下紙を縫い付
ける畳縫着装置において、載置された畳に平行する走行
路を走行しながら平刺しを行なう平刺機と、載置された
畳に平行する走行路を走行しながら返し縫いを行なう返
し縫い機と、畳を載置する畳縫着台とを設け、畳縫着台
に、前記走行路に臨む位置に畳を固定する畳固定手段
と、畳を回転して畳の縫着すべき辺を走行路側に移す回
転手段とを設けている。
【0011】また、平刺機と返し縫い機とが同一走行路
を走行するように構成している。
【0012】また、平刺機に、縁を巻回した縁供給リー
ルと縁下紙を巻回した縁下紙供給リールとを設け、返し
縫い機に、厚み調整材を巻回した厚み調整材供給リール
を設けている。
【0013】また、平刺機に畳床及び畳表を仕上げ寸法
に切断する切断手段を設けている。また、畳縫着台の畳
固定手段を、縫着時の畳の基準高さを設定するクランプ
バーと、載置された畳を押上げてクランプバーとの間で
畳を固定する畳台とで構成している。
【0014】また、クランプバーにより、平刺し時には
畳の上面を基準高さに設定し、返し縫い時には畳の下面
を基準高さに設定している。
【0015】また、畳縫着台に、走行路に臨む畳の位置
を決める畳ガイドと、畳を畳ガイドに押し付ける畳押し
バーとを設けている。
【0016】また、畳押しバーに、畳の一部分を押すこ
とが可能な補助畳押し装置を複数個設けている。
【0017】さらに、畳縫着台に、平刺しされた縁及び
縁下紙を畳の断面に沿って自動的に折り返す折り返し装
置と縁及び縁下紙を自動的に隅止めする隅止め装置とを
載置している。
【0018】
【作用】そのため、框縫いの済んだ畳を畳縫着台に載せ
ると、畳の水平方向及び垂直方向の位置決めが自動的に
行なわれ、固定手段で畳が畳縫着台上に固定される。次
いで平刺機が自走し、畳の一辺に縁と縁下紙とを平刺し
する。このとき畳の切断を併せて行なうこともできる。
【0019】畳の一辺の平刺しが終了すると、回転手段
が畳を180度回転し、畳の縫着の済んでいない辺が縫
着位置に移され、平刺しが繰り返される。この間に縫着
の済んだ辺の隅止めが行なわれる。
【0020】平刺しが終了した畳は、同じように回転と
固定とが繰り返され、返し縫い機の自走により、一辺ず
つ返し縫いが行なわれる。
【0021】縫着時の畳の垂直方向の高さは、平刺しの
場合は、畳の上面を基準に合わせ、また、返し縫いの場
合は、畳の下面を基準に合わせることにより、畳の厚さ
の影響を受けずに平刺機及び返し縫い機の位置設定を行
なうことができる。
【0022】また、縫着時の畳の水平方向の位置合わせ
を行なう畳押しバーに補助畳押し装置を設けることによ
り、畳のクセを正すことができる。
【0023】また、折り返し装置及び隅止め装置を畳縫
着台に載置することにより、平刺し、折り返し、隅止め
及び返し縫いの一連の工程を全て自動化することがで
き、手作業を加えずに畳を完成することができる。
【0024】
【実施例】
(第1実施例)本発明の第1実施例の畳縫着装置は、図
1及び図2に示すように、平刺機2と返し縫い機3とが
順次レール4上を走行し、畳縫着台1に載置された畳に
対して、平刺しと返し縫いとを行なう。
【0025】平刺機2は、図3に示すように、直進針を
持つ平刺ミシン21と、畳床及び畳表を切断する畳切断刃
22と、縁6を供給する縁供給リール25と、縁下紙7を供
給する縁下紙供給リール26と、縁6と縁下紙7とを切断
するカッター24と、縁6と縁下紙7とを挟んで一時的に
保持するクランプ28とを備えている。
【0026】平刺ミシン21には、公知のものを使用する
ことができ、また、このミシンは畳5の上側または下側
のいずれの側に配置することもできる。図3では畳の下
側に平刺ミシン21が位置するときの構成を示している。
【0027】平刺ミシン21及び畳切断刃22は、紙面の前
後方向に移動自在に設置されており、平刺機2が走行し
ながら平刺し縫着を行なう際には、平刺ミシン21は平刺
し位置に、また、切断刃22は畳の切断位置に移動する。
一方、平刺機2が原点復帰のために走行する際は、平刺
ミシン21及び畳切断刃22は、走行の邪魔にならない待機
位置に移動する。
【0028】クランプ28及びカッター24は、特公平1−
39795号公報に記載された構成を備えており、先端
に設けられた鋏状に開閉する二つの片の間に縁6と縁下
紙7とを挟み、クランプ28はそれらを挟持し、カッター
24はそれらを切断する。二つの片の開閉はピストン28
a、24aによって行なわれる。また、クランプ28及びカ
ッター24は、シリンダ27bによって上下に移動すること
ができる。図3は降下時の状態を示している。また、ク
ランプ28及びカッター24は、ピストン27aにより左右の
方向に動くことが可能である。
【0029】畳5は、平刺機2の走行により、畳可動ガ
イド29aと畳固定ガイド29bとの間に入り込む。畳可動
ガイド29aは、下方からピストンで付勢されており、受
け入れた畳を畳固定ガイド29bに押付ける。畳固定ガイ
ド29bは、畳受け入れの基準高さに調節され、この高さ
に合わせて、平刺ミシン21や畳切断刃22の高さ位置、及
びクランプ28やカッター24の降下位置が設定される。
【0030】また、返し縫い機3は、図4に示すよう
に、直針またはR針を持つ公知の返し縫いミシン31と、
畳を支持する畳支持板34と、畳5の厚みを調整するため
の厚み調整材8を供給する厚み調整材供給リール33と、
厚み調整材8の導出方向を反転させて畳支持板34上に案
内するガイド36と、受け入れた畳を畳支持板34上に押圧
する畳クランプ32と、厚み調整材8を切断するカッター
35と、厚み調整材8を畳支持板34上に押さえ付けるクラ
ンプ37とを備えている。
【0031】クランプ37とカッター35とは、近接して配
置され、また、ピストン38により一体に上下方向に移動
する。クランプ37は弾性体37aで支持され、弾性体37a
が非圧縮状態のときにはクランプ37の先端はカッター35
より僅かに低い位置にある。厚み調整材8をクランプす
る場合には、ピストン38が作動してクランプ37とカッタ
ー35とがともに降下し、クランプ37が厚み調整材8を畳
支持板34上に抑え付ける。さらにピストン38を弾性体37
aに抗して降下させた場合には、カッター35がクランプ
されている厚み調整材8を切断する。
【0032】畳支持板34は、畳を受け入れる際の基準高
さに調整され、この高さに合わせて、返し縫いミシン31
の高さ位置やクランプ37及びカッター35の降下位置が設
定される。
【0033】また、畳縫着台1は、図5〜図7に示すよ
うに、縫着すべき畳が載せられる畳台11と、畳の一辺の
縫着が済んだときに畳を180度回転する回転座12と、
畳の位置を決める畳ガイド15と、畳台11の上の畳を畳ガ
イド15に押し付ける畳押しバー16と、この押し付けを補
助して畳のクセを除く補助畳押し装置17と、畳台11に載
せられた畳を中央位置に移動するセンタリング手段13
と、縫着時の畳を畳台11との間で押さえ付けるクランプ
バー14とを備えている。
【0034】畳ガイド15は、図7に示すように、畳の位
置決めに際して、実線の状態を維持し、位置決めが済ん
だ段階で、畳の縫着の邪魔にならないように畳縫着台1
の内部の待機位置に移動する。
【0035】畳押しバー16は、シャフト18の回転で畳台
11上をガイド15方向に前進し、畳台11に載る畳をガイド
15に押し付ける。補助畳押し装置17は、図8に示すよう
に、圧縮空気の流入によってピストン19が突出し、畳押
しバー16の押し付けだけでは均一にガイド15に接触しな
いクセの付いた畳を押圧してガイド15に接触させる働き
をする。
【0036】センタリング手段13は、シャフト41の回転
によって左右の部材13が中央に向かって等しく前進し、
畳台11の上の畳をセンタリングする。また、センタリン
グ手段13は、レール42上をガイド15に向かう方向及びそ
の反対方向に移動することができる。
【0037】回転座12は、シャフト43が上昇した状態
で、シャフト43を中心に回転可能となる。
【0038】また、畳台11、回転座12、センタリング手
段13及び畳押しバー16は、シャフト44の上下により、全
体として上昇または下降することが可能である。
【0039】クランプバー14は、シャフト45で上下し、
畳台11や回転座12との間で畳を保持する。クランプバー
14は、縫着作業が行なわれる畳の基準高さを設定し、畳
台11及び回転座12が上昇して、このクランプバー14に畳
を押し付けることにより、畳の位置が基準高さに保たれ
る。
【0040】畳縫着台1、平刺機2及び返し縫い機3の
各部の動作は、制御装置(図示せず)により制御され
る。制御装置は、操作者が入力部から設定した畳の寸法
や畳の枚数に応じて、各部の動作を制御する。
【0041】さて、この畳縫着装置により、畳に縁と縁
下紙とが自動的に縫い付けられ、畳が完成するまでの工
程を順を追って説明する。
【0042】1、電源ON 畳縫着装置の電源をONにする。 2、機械作動の下準備 縁6を巻回した縁供給リール25、及び縁下紙7を巻回し
た縁下紙リール26を平刺機2にセットし、各リールから
延ばした縁6及び縁下紙7の先端をクランプ28に挟持さ
せる。また、厚み調整材8を巻回した厚み調整材供給リ
ール33を返し縫い機3にセットし、リール33から導出し
た厚み調整材8をガイド36で方向転換してクランプ37の
真下まで導き、ピストン38によりクランプ37を降下させ
て厚み調整材8の先端を畳支持板34との間で保持させ
る。また、製造する畳の寸法や厚み、枚数などを入力部
から入力する。これらの下準備は作業者が手作業で行な
う。
【0043】3、畳のセット 畳床に畳表を張り、框縫いの工程まで終了した畳を畳台
11の上に置く。
【0044】4、畳の移動 畳ガイド15は支軸を中心に回転し、図7の実線の位置を
維持する。畳押しバー16は、畳台11上の畳を押して、畳
の上前部を畳ガイド15に押し当てる。畳が畳ガイド15ま
で押されたときに、畳ガイド15に設けた複数のセンサー
(図示なし)がそれを検知し、畳押しバー16は停止す
る。
【0045】畳押しバー16に設けた補助畳押し装置17
は、複数のセンサーの一部が畳の接触を検知したにも関
わらず、他のセンサーが畳の接触を検知していないとき
に、そのセンサーに対応する位置にある補助畳押し装置
15が作動し、畳に変形を与えない程度の力で、畳を畳ガ
イド15に押付ける。また、畳押しバー16による畳の押付
けに際して、全ての補助畳押し装置17が一斉に作動する
ように制御することもできる。
【0046】5、畳位置のセンタリング センタリング手段の両部材13は、レール42上の畳ガイド
15に近い方の設定位置において、シャフト41の回転によ
り相互に畳台11の中央に向かって接近し、畳を畳台11の
中央に保持する。
【0047】6、畳のクランプ クランプバー14がシャフト45の回転で地面からの基準高
さに移動し、次いで、畳台11が上昇して畳を持ち上げ、
クランプバー7との間に畳をクランプする。この基準高
さは、平刺しの場合には、畳の上面を基準面に取り、畳
の上面が基準高さとなるようにクランプバー14の高さを
設定する。また、この基準高さに追従して、平刺機2に
おける畳固定ガイド29bやミシン21、切断刃22の高さ位
置、カッター24やクランプ28の降下位置が設定される。
【0048】畳がクランプされた後、畳ガイド15は、縫
着作業の邪魔にならないように、支軸を中心に回転し、
畳縫着台1の内部に収まる。
【0049】7、平刺し工程 平刺機2がレール4上を移動し、畳縫着台1にセットさ
れた畳の縫着作業位置に達すると、平刺ミシン21及び畳
切断刃22は、それぞれ縫着位置または畳の切断位置に移
動し、また、縁6及び縁下紙7の先端を保持したクラン
プ28は、畳固定ガイド29bの高さまで降下するとともに
(なお、クランプ28は、「2、機械作動の下準備」の際
に、縁6及び縁下紙7の先端をクランプした状態で降下
させても良い)、ピストン27aの作動により、図3の平
刺ミシン21の左側の位置(当初のクランプ位置)にまで
移動する。
【0050】平刺機2の走行により畳固定ガイド29bと
畳可動ガイド29aとの間に進入した畳5は、畳切断刃22
によって所定位置で切断され、平刺ミシン21の位置にお
いて、縁6及び縁下紙7が縫着される。縫着が暫く続く
と、クランプ28は、挟持片を開いて縁6及び縁下紙7の
保持を解除し、アーム23の作動により縫着の邪魔になら
ない位置にまで上昇する。このとき畳の端からは、当初
のクランプ位置から平刺ミシン21までの距離に相当する
長さの縁6及び縁下紙7が延びる。この延びた縁6及び
縁下紙7は、後からの隅止めに使用される(従って、当
初のクランプ位置は、隅止めに必要な縁6及び縁下紙7
の長さを残すように設定される)。
【0051】その後、平刺しミシン21による縫着が継続
して行なわれ、縫着に伴って、縁6及び縁下紙7がリー
ル25、26から自動的に引き出される。
【0052】平刺機2のレール4上の進行に合わせて、
平刺ミシン21による縫着と、畳切断刃22による畳床及び
畳表の切断とが連続して行なわれる。
【0053】8、縁及び縁下紙の切断 平刺ミシン21が畳の他端まで縫着すると、それがセンサ
ーやリミットスイッチで検知され、平刺ミシン21は縫着
を停止する。クランプ28及びカッター24は、平刺ミシン
21の停止位置から、隅止めに必要な縁6及び縁下紙7の
長さに相当する距離だけ右方向に移動した後、降下し
て、クランプ28が縁6及び縁下紙7をクランプし、ま
た、カッター24が縁6及び縁下紙7を隅止めに必要な長
さを残して切断する。
【0054】9、平刺機2の原点復帰 平刺機2は、クランプ28及び畳切断刃22を待機位置にま
で後退させ、また、縁6及び縁下紙7の先端を保持する
クランプ28とカッター24とを上昇位置にまで移動させた
後、レール4上を移動して原点に復帰する。また、畳縫
着台1では、クランプバー14が上昇し、畳台11が降下し
て畳のクランプを解除し、次いで、センタリング手段13
が畳を保持したままレール42上を移動して、畳を回転座
12の位置に運ぶ。
【0055】10、畳のターン 回転座12が上昇して畳を持ち上げ、180度ターンす
る。
【0056】11、畳の移動 畳押しバー16が畳台11上の畳をレール4方向に押し、仕
上がり寸法に合う位置まで動かす。このときには畳ガイ
ド15は使用しない。畳押しバー16は、畳の仕上がり寸法
の位置を切断刃22が通過するように、畳の移動量を調節
する。
【0057】12、畳位置のセンタリング センタリング手段13は、レール42上を縫着箇所に近づく
方向に移動した後、両部材13が相互に接近して、畳台11
上の畳を中央に動かし、保持する。
【0058】13、畳のクランプ 「6」と同じ手順でクランプバー14と畳台11との間に畳
をクランプする。クランプが完了した後、作業者は、後
述する「16、平刺機2の原点復帰」までの間に、平刺
機2による下前側の縫着作業と並行して、平刺しが終了
した上前側の縁6及び縁下紙7の折り返し作業と隅止め
作業とを行なう。
【0059】14、平刺し工程 「7」と同じ手順により縁及び縁下紙の縫着と、畳の仕
上げ寸法への切断とを行なう。
【0060】15、縁及び縁下紙の切断 「8」と同じ手順で縁及び縁下紙の切断を行なう。
【0061】16、平刺機2の原点復帰 「9」と同じ手順で平刺機2が原点に復帰し、平刺し工
程が終了する。
【0062】17、畳のターン 「10」と同じ手順で畳を180度ターンする。
【0063】18、畳の移動 「4」と同じ手順で畳の移動を行なう。
【0064】19、畳位置のセンタリング 「5」と同じ手順で畳位置のセンタリングを行なう。
【0065】20、畳のクランプ クランプバー14が返し縫いのための基準高さに移動し、
次いで、畳台11が上昇して畳を持ち上げ、畳をクランプ
バー7との間にクランプする。この基準高さは、返し縫
いの場合には、畳の下面を基準面に取り、畳の下面が基
準高さとなるようにクランプバー14の高さが設定され
る。また、この基準高さに追従して、返し縫い機3にお
ける畳支持板34やミシン31の高さ位置、あるいはクラン
プ37やカッター35の降下位置が設定される。
【0066】畳がクランプされた後、畳ガイド15は、縫
着作業の邪魔にならないように、支軸を中心に回転し、
畳縫着台1の内部に収まる。
【0067】また、作業者は、後述する「23、返し縫
い機3の原点復帰」までの間に、返し縫い機3による上
前側の返し縫い作業と並行して、平刺しの終了した下前
側の縁6及び縁下紙7の折り返し作業と隅止め作業とを
行なう。
【0068】21、返し縫い工程 返し縫い機3がレール4上を移動し、畳縫着台1にセッ
トされた畳の縫着作業位置に達すると、縁6及び縁下紙
7の折り返し工程と隅止め工程とが終了した畳の上前
が、返し縫い機3の移動に伴って、畳支持板34上に進入
する。この畳支持板34上には既に下準備の段階で厚み調
整材8がクランプ37によって押さえつけられている。
【0069】進入した畳は畳クランプ32が降下して畳支
持板34に押さえ付ける。畳が返し縫いミシン31の位置ま
で進入すると、センサーやリミットスイッチがそれを検
知して、返し縫いミシン31が返し縫いを開始する。縫着
が始まると、クランプ37とカッター35とは、縫着の邪魔
にならないように、ピストン38の動作で上方に位置を移
す。返し縫いミシン31は、返し縫い機3の走行に合わせ
て返し縫いを継続し、縁6及び縁下紙7を畳の側面に縫
着するとともに、厚み調整材8を畳下面に縫着する。厚
み調整材8は、縫着されるに伴って、厚み調整材供給リ
ール33から引き出される。
【0070】22、厚み調整材の切断 返し縫いミシン31が畳の端まで縫着し終えると、センサ
ーやリミットスイッチがそれを検知し、返し縫いミシン
31は、縫着を停止する。返し縫い機3は、クランプ35及
びカッター35の位置が畳の端を超えるまで走行を続けて
から停止する。次いで、カッター35とクランプ37とが降
下し、クランプ35が厚み調整材8を畳支持板34上にクラ
ンプし、カッター37がさらに降下して、この厚み調整材
8を切断する。こうして畳の一辺の返し縫いが完了す
る。
【0071】23、返し縫い機3の原点復帰 畳クランプ32は上昇し、クランプ37と畳支持板34とは、
厚み調整材8をクランプしたまま、カッター35やミシン
31とともに待機位置に移動し、返し縫い機3は、レール
2上を移動して原点に復帰する。また、畳縫着台1で
は、クランプバー14が上昇し、畳台11が降下して畳のク
ランプを解除し、次いで、センタリング手段13が畳を保
持したままレール42上を移動して、畳を回転座12の位置
に運ぶ。
【0072】24、畳のターン 回転座12が上昇して畳を持ち上げ、180度ターンす
る。
【0073】25、畳の移動 「4」と同じ手順で、畳を畳ガイド15に押し付ける。
【0074】26、畳位置のセンタリング 「5」と同じ手順で畳位置のセンタリングを行なう。
【0075】27、畳のクランプ 「20」と同じ手順で畳をクランプする。
【0076】28、返し縫い工程 「21」と同じ手順で下前側の返し縫いを行なう。
【0077】29、厚み調整材の切断 「22」と同じ手順で厚み調整材を切断する。
【0078】30、返し縫い機3の原点復帰 「23」と同じ手順で返し縫い機3が原点に復帰し、一
連の縫着工程が終了する。
【0079】このように第1実施例の畳縫着装置では、
縁及び縁下紙の折り返し及び隅止めの工程を手作業に頼
るだけで、その他の工程を全て自動化することができ
る。縁、縁下紙及び厚み調整材は、最初だけ手作業でセ
ットする必要があるが、その後は、リールの交換時以外
は手を掛ける必要がない。
【0080】なお、各部を制御手順に従って駆動するた
めに、エアシリンダーやモータなどを適宜用いることが
できる。また、各工程ごとに作業者がスイッチやフット
スイッチなどで信号を送り、その信号を受けて次の工程
が開始されるように制御することもできる。
【0081】(第2実施例)第2実施例の畳縫着装置
は、平刺し縫着後の縁及び縁下紙の折り返し作業及び隅
止め作業を自動化したものである。この装置は、図9に
示すように、上下への移動が可能なフレーム51に移動自
在に支持された折り返し装置50と、隅止め装置56、57と
を備えている。この折り返し装置は、特開平5−309
190号公報に記載された構造を有し、また、隅止め装
置は、特開平6−17522号公報に記載された構造を
有する。
【0082】これらの装置は、フレーム51の移動によ
り、畳台11上にクランプされた畳の作業位置に降下し、
平刺機2または返し縫い機3の縫着動作と並行して、平
刺しの終了した、畳の他方の辺における縁及び縁下紙の
折り返しと隅止めとを行なう。
【0083】折り返し機50は、縁部返し板を備える一対
の第1走行部52、53と、縁曲げローラを備える一対の第
2走行部54、55とを有している。この折り返し機50で
は、まず第1走行部52、53が中央に隣合って並び、A方
向に進行して、進行方向前面にある縁部返し板で畳表面
に重なっている縁及び縁下紙を起こし、さらに前進を続
けて、縁及び縁下紙を平刺しの縫い目を中心として畳の
外側方向に180°折り曲げる。次いで第1走行部52、
53は、それぞれB方向に進行し、縁及び縁下紙を全長に
渡って180°折り曲げる。
【0084】次に、第2走行部54、55が中央に並び、縁
曲げローラがA方向に畳の表面及び切断面に沿って進
む。このとき縁曲げローラは、縁及び縁下紙を畳の表面
及び切断面に圧接し、縁及び縁下紙を畳の切断面に沿っ
て下方に90°折り曲げる。
【0085】次いで第2走行部54、55は、それぞれB方
向に進行し、縁及び縁下紙を全長に渡って90°に折り
曲げる。
【0086】隅止め機56、57は、折り返し機50で処理さ
れた後の框部から延びる縁及び縁下紙の先端を挟持して
畳の框部及び裏面に沿って折り曲げる縁布チャック58
と、折り曲げた縁及び縁下紙を畳に止めるためにステー
プルを打ち込むステープルタッカ60とを有している。縁
布チャック58は、図10に示すように、アーム64によっ
て支軸62に回転自在に固定されており、縁6及び縁下紙
を挟持したまま支軸62を中心に矢印の方向に回転するこ
とにより、畳5の表面から延びる縁6及び縁下紙が、畳
の側面(框部)及び裏面に沿って曲げられる。
【0087】一方、ステープルタッカ60は、アーム65に
よって支軸65に固定され、縁布チャック58に遅れて框部
の周りを回転し、畳の側面及び裏面に対向した時点で、
畳に接近してステープルを打ち込む。このステープルに
より縁布チャック58で折り曲げられた縁及び縁下紙が畳
に固定される。
【0088】この畳縫着装置は、第1実施例の装置にお
いて、作業者が手作業で行なっている折り返し及び隅止
めの工程を折り返し装置50と隅止め装置56、57とを用い
て自動化することができ、框縫いの済んだ畳を畳台11に
載せるだけで、後は全て機械に任せて畳を完成すること
ができる。
【0089】なお、各実施例に示した構成は、本発明の
一例を示すもので、本発明は、この構成だけに限るもの
ではない。
【0090】例えば、平刺機及び返し縫い機の走行する
レール4を、ラック形状またはスプライン形状に構成
し、それらと噛合するピニオン、スプロケット、雌ネジ
等に平刺機または返し縫い機を固定して、それらを走行
させてもよい。また、チェーン等を用いてそれらの走行
を行なうこともできる。
【0091】また、平刺機2のミシン21に供給する縁及
び縁下紙を回転制御ローラを通して送ることにより、そ
れらの送り出し量の制御が可能になる。また、この回転
制御ローラの制御により、隅止めに必要な縁及び縁下紙
の長さを残して平刺し縫着や切断を行なわせることがで
きる。これは返し縫いミシン31への厚み調整材の供給に
おいても同じである。
【0092】また、畳台11に載置した畳を基準高さに設
定する場合に、畳台11の移動は行なわずに、畳台11の高
さを基準にして、他の機器をその高さに合わせることも
可能である。また、畳台11を移動させる場合でも、畳を
実質的に支持できる畳台11の一部だけを上下させる構成
とすることもできる。
【0093】また、畳台11上での畳の移動に際して、補
助畳押し装置17が、返し縫い工程でのみ作動するよう
に、その制御を変更することもできる。これは平刺し工
程での畳にはクセが少ないためである。
【0094】また、補助畳押し装置17は、モータ駆動や
ピストン駆動など、各種の機構を用いることができる。
【0095】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の畳縫着装置は、框縫いの済んだ畳を畳台に
載せるだけで、その後の縫着作業のほぼ全てを自動的に
実行することができる。また、折り返し装置及び隅止め
装置を装備した畳縫着装置では、畳の完成までを全て自
動化することができる。
【0096】この畳縫着装置では、畳の一方の辺に対し
て平刺しまたは返し縫いを行ないながら、並行して、他
方の辺の折り返し及び隅止めを手作業で、または機械的
に行なうことができる。そのため、縫着作業が滞ること
なく進行し、作業効率が大幅に向上する。
【0097】また、この畳縫着装置は、自動化された平
刺し専用機あるいは返し縫い専用機として利用すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における畳縫着装置の全体
形状を示す平面図、
【図2】前記畳縫着装置の正面図、
【図3】第1実施例の畳縫着装置における平刺機の構成
の要部を示す正面図、
【図4】第1実施例の畳縫着装置における返し縫い機の
構成の要部を示す正面図、
【図5】第1実施例の畳縫着装置における畳縫着台の構
成を示す平面図、
【図6】前記畳縫着台の正面図、
【図7】前記畳縫着台の側面図、
【図8】前記畳縫着台における補助畳押し装置の構成を
示す断面図、
【図9】本発明の第2実施例における畳縫着装置を示す
図、
【図10】第2実施例の畳縫着装置における隅止め装置
の要部を示す図である。
【符号の説明】
1 畳縫着台 2 平刺機 3 返し縫い機 4、42 レール 5 畳 6 縁 7 縁下紙 11 畳台 12 回転座 13 センタリング手段 14 クランプバー 15 畳ガイド 16 畳押しバー 17 補助畳押し装置 18、41、43、44、45 シャフト 19 ピストン 21 平刺ミシン 22 畳切断刃 23 アーム 23a カム 24 カッター 24a カッターシリンダ 25 縁供給リール 26 縁下紙供給リール 27a、27b シリンダ 28 クランプ 28a クランプシリンダ 29a 畳可動ガイド 29b 畳固定ガイド 31 返し縫いミシン 32 畳クランプ 33 厚み調整材供給リール 34 畳支持板 35 カッター 36 ガイド 37 クランプ 37a クランプ支持弾性体 38 シリンダ 50 折り返し装置 51 フレーム 52、53 第1走行部 53、54 第2走行部 56、57 隅止め装置 58、59 縁布チャック 60、61 ステープルタッカ 62、63 支軸 64、65 アーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】平刺ミシン21には、公知のものを使用する
ことができ、また、このミシンは畳5の上側または下側
のいずれの側に配置することもできる。図3では畳の
側に平刺ミシン21が位置するときの構成を示している。
【手続補正999】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平刺しと返し縫いとを行なって畳に縁及
    び縁下紙を縫い付ける畳縫着装置において、 載置された畳に平行する走行路を走行しながら平刺しを
    行なう平刺機と、 載置された畳に平行する走行路を走行しながら返し縫い
    を行なう返し縫い機と、 前記畳を載置する畳縫着台と
    を備え、前記畳縫着台が、前記走行路に臨む位置に畳を
    固定する畳固定手段と、畳を回転して畳の縫着すべき辺
    を前記走行路側に移す回転手段とを具備することを特徴
    とする畳縫着装置。
  2. 【請求項2】 前記平刺機と返し縫い機とが同一走行路
    を走行することを特徴とする請求項1に記載の畳縫着装
    置。
  3. 【請求項3】 前記平刺機が、縁を巻回した縁供給リー
    ルと縁下紙を巻回した縁下紙供給リールとを具備し、前
    記返し縫い機が、厚み調整材を巻回した厚み調整材供給
    リールを具備することを特徴とする請求項1に記載の畳
    縫着装置。
  4. 【請求項4】 前記平刺機が、畳を仕上げ寸法に切断す
    る切断手段を具備することを特徴とする請求項1に記載
    の畳縫着装置。
  5. 【請求項5】 前記畳縫着台の畳固定手段が、縫着時の
    畳の基準高さを設定するクランプバーと、載置された畳
    を押上げて前記クランプバーとの間に畳を固定する畳台
    とを具備することを特徴とする請求項1に記載の畳縫着
    装置。
  6. 【請求項6】 前記クランプバーが、平刺し時には畳の
    上面を基準高さに設定し、返し縫い時には畳の下面を基
    準高さに設定することを特徴とする請求項5に記載の畳
    縫着装置。
  7. 【請求項7】 前記畳縫着台が、前記走行路に臨む畳の
    位置を決める畳ガイドと、畳を前記畳ガイドに押し付け
    る畳押しバーとを具備することを特徴とする請求項1に
    記載の畳縫着装置。
  8. 【請求項8】 前記畳押しバーが、畳の一部分を押すこ
    とが可能な補助畳押し装置を複数個具備することを特徴
    とする請求項7に記載の畳縫着装置。
  9. 【請求項9】 前記畳縫着台に、平刺しされた縁及び縁
    下紙を畳の断面に沿って自動的に折り返す折り返し装置
    と前記縁及び縁下紙を自動的に隅止めする隅止め装置と
    を載置したことを特徴とする請求項1に記載の畳縫着装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002126383A (ja) * 2000-10-27 2002-05-08 Kyokuto Sanki Co Ltd 畳縫着装置および縫着方法

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