JPH0898894A - イオントフォレーシス用インターフェイス - Google Patents
イオントフォレーシス用インターフェイスInfo
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- JPH0898894A JPH0898894A JP25967794A JP25967794A JPH0898894A JP H0898894 A JPH0898894 A JP H0898894A JP 25967794 A JP25967794 A JP 25967794A JP 25967794 A JP25967794 A JP 25967794A JP H0898894 A JPH0898894 A JP H0898894A
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- drug
- iontophoresis
- interface
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Abstract
(57)【要約】
【目的】生理活性ペプチド系薬物の利用効率を再現性よ
く高める、安価で安定な実用的な表面コーティング技術
を用いたイオントフォレーシス用インターフェイスの提
供。 【構成】薬物接触表面部位を消毒防腐用イオン性界面活
性剤により被覆処理してなる、非導電性素材の多孔性な
いし毛細管構造からなるイオントフォレーシス用インタ
ーフェイス。
く高める、安価で安定な実用的な表面コーティング技術
を用いたイオントフォレーシス用インターフェイスの提
供。 【構成】薬物接触表面部位を消毒防腐用イオン性界面活
性剤により被覆処理してなる、非導電性素材の多孔性な
いし毛細管構造からなるイオントフォレーシス用インタ
ーフェイス。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薬物を電気的に皮膚透過
させるイオントフォレーシス用インターフェイスの表面
処理法に関する。特に、微量で高い活性を保有するイオ
ン性生理活性ペプチド薬物を効果的に皮膚吸収させるこ
とが要求される医療分野での利用が期待される。
させるイオントフォレーシス用インターフェイスの表面
処理法に関する。特に、微量で高い活性を保有するイオ
ン性生理活性ペプチド薬物を効果的に皮膚吸収させるこ
とが要求される医療分野での利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】従来、生理活性ペプチドあるいは生理活
性タンパク質の投薬法として、経口での、胃腸管内消化
酵素、腸管壁分解酵素による分解、腸内細菌による分
解、食事による吸着などからくる、薬の吸収効率の悪さ
から、もっぱら、注射による投与法が一般に行われてい
るところである。注射投与法は、患者にとって苦痛が大
きくまた、自己投与が一部を除いてはできず、専門家に
頼らねばならず、注射に代わる投薬法の開発が望まれて
いた。新しいDDS(ドラッグデリバリーシステム)の
研究は現在活発に進められており、吸収促進剤との組み
合せで経口投与製剤、直腸投与製剤、経鼻投与製剤、経
皮投与製剤などの検討が精力的になされてはいるが、ま
だ、満足のゆくものができていない。特に、時間制御型
あるいは間欠型の投薬が要求されるホルモン様ペプチド
類の投薬にあっては、新技術の開発がまたれている。こ
れら生理活性ペプチドは、難吸収性で、有効薬物量を吸
収させることは難しく、また両親媒性分子であることか
ら、水溶液中に存在する際に、種々の貯蔵容器へ吸着し
その結果器材からの回収が悪く、微量製剤の上で大変不
都合があった。 このため従来より容器をシリコン処理
したり、これら生理活性ペプチド類に比較的吸着活性の
低い蛋白質を共存させたり、あるいはまた、界面活性
剤、炭水化物、アミノ酸等の配合により、貯蔵容器への
吸着を防止してきた。(特開昭61−221125号公
開、特開63−57527号公報) 薬物の透過制御ができるイオントフォレーシスは電気力
を用いた経皮吸収促進システムで、通電中に陽極と陰極
を介してできた電界内を、正電荷をもつ分子は陽極側か
ら、負電荷をもつ分子は陰極側から皮膚層内に透過して
いくという1900年初頭から知られた技術であったが
(J.Controlled Release 18,213-220,1992)、これら
生理活性ペプチド投与システムとして再評価される時代
となってきた。 イオントフォレーシスが、ポリペプチ
ド系薬物の経皮吸収性を改善する旨の報告もなされ、実
用化に向けて多くの研究がなされている。 イオントフ
ォレーシスにあっては、ペプチドの分子サイズの小さい
方が皮膚透過しやすく、また、分子の会合を抑えるため
の製剤的工夫が皮膚透過効率をあげることも知られてい
る。薬物保持体としてのイオントフォレーシス用インタ
ーフェイスでは、紙材、布材、繊維材合成樹脂連続発泡
体または吸水性樹脂等のスポンジないし多孔質材等より
なるイオン性薬液含浸保持用水性部材層を有するインタ
ーフェイスが報告され、セラミック製等の多孔体や多孔
性ないし毛細管構造を有する非導電性材よりなるインタ
ーフェイスも報告されている。しかし、これらイオント
フォレーシス用インターフェイスに生理活性ペプチド類
を塗布、付着、コーティングあるいは含浸し、あるい
は、乾燥させることによって固体ないし亜乾燥状に配置
したものを用いたイオントフォレーシスにおいては経皮
吸収量は十分な薬物利用効率が得られていない。その主
因はこれら生理活性ペプチド類が薬物保持体に吸着し利
用できないことで明かである。この問題点を解決する方
法として我々は既に高分子蛋白質で多孔性ないし毛細管
構造を有する非導電性材をコーティング処理することで
薬物の多孔性材への吸着を防止し、少量で極めて効果的
な経皮吸収性を確保でき、かつ安全性の面でも優れた方
法を報告している(特開平6−16535号公報)。こ
の方法は非常に有効であるが使用するコーティング剤が
高価なタンパク質、例えば、BSA(牛血清アルブミ
ン)であると、安定性に問題があり、長期にわたる保存
には煩雑さが伴っており、さらに秀でた方法の開発が求
められていた。生理活性ペプチドの器材への吸着防止の
ため、上に記載したように薬含有溶液に例えば塩化ベン
ザルコニウムあるいは塩化ベンゼトニウムなどを溶液中
濃度0.1−2.0%範囲で共存させる方法が報告され
ているが、イオントフォレーシスでの経皮薬物投与シス
テムには、目的薬物イオンと共存イオンが電気的に競合
する結果、かえって薬物透過における輸率を下げる結果
となり利用効率の向上目的からは問題がある。
性タンパク質の投薬法として、経口での、胃腸管内消化
酵素、腸管壁分解酵素による分解、腸内細菌による分
解、食事による吸着などからくる、薬の吸収効率の悪さ
から、もっぱら、注射による投与法が一般に行われてい
るところである。注射投与法は、患者にとって苦痛が大
きくまた、自己投与が一部を除いてはできず、専門家に
頼らねばならず、注射に代わる投薬法の開発が望まれて
いた。新しいDDS(ドラッグデリバリーシステム)の
研究は現在活発に進められており、吸収促進剤との組み
合せで経口投与製剤、直腸投与製剤、経鼻投与製剤、経
皮投与製剤などの検討が精力的になされてはいるが、ま
だ、満足のゆくものができていない。特に、時間制御型
あるいは間欠型の投薬が要求されるホルモン様ペプチド
類の投薬にあっては、新技術の開発がまたれている。こ
れら生理活性ペプチドは、難吸収性で、有効薬物量を吸
収させることは難しく、また両親媒性分子であることか
ら、水溶液中に存在する際に、種々の貯蔵容器へ吸着し
その結果器材からの回収が悪く、微量製剤の上で大変不
都合があった。 このため従来より容器をシリコン処理
したり、これら生理活性ペプチド類に比較的吸着活性の
低い蛋白質を共存させたり、あるいはまた、界面活性
剤、炭水化物、アミノ酸等の配合により、貯蔵容器への
吸着を防止してきた。(特開昭61−221125号公
開、特開63−57527号公報) 薬物の透過制御ができるイオントフォレーシスは電気力
を用いた経皮吸収促進システムで、通電中に陽極と陰極
を介してできた電界内を、正電荷をもつ分子は陽極側か
ら、負電荷をもつ分子は陰極側から皮膚層内に透過して
いくという1900年初頭から知られた技術であったが
(J.Controlled Release 18,213-220,1992)、これら
生理活性ペプチド投与システムとして再評価される時代
となってきた。 イオントフォレーシスが、ポリペプチ
ド系薬物の経皮吸収性を改善する旨の報告もなされ、実
用化に向けて多くの研究がなされている。 イオントフ
ォレーシスにあっては、ペプチドの分子サイズの小さい
方が皮膚透過しやすく、また、分子の会合を抑えるため
の製剤的工夫が皮膚透過効率をあげることも知られてい
る。薬物保持体としてのイオントフォレーシス用インタ
ーフェイスでは、紙材、布材、繊維材合成樹脂連続発泡
体または吸水性樹脂等のスポンジないし多孔質材等より
なるイオン性薬液含浸保持用水性部材層を有するインタ
ーフェイスが報告され、セラミック製等の多孔体や多孔
性ないし毛細管構造を有する非導電性材よりなるインタ
ーフェイスも報告されている。しかし、これらイオント
フォレーシス用インターフェイスに生理活性ペプチド類
を塗布、付着、コーティングあるいは含浸し、あるい
は、乾燥させることによって固体ないし亜乾燥状に配置
したものを用いたイオントフォレーシスにおいては経皮
吸収量は十分な薬物利用効率が得られていない。その主
因はこれら生理活性ペプチド類が薬物保持体に吸着し利
用できないことで明かである。この問題点を解決する方
法として我々は既に高分子蛋白質で多孔性ないし毛細管
構造を有する非導電性材をコーティング処理することで
薬物の多孔性材への吸着を防止し、少量で極めて効果的
な経皮吸収性を確保でき、かつ安全性の面でも優れた方
法を報告している(特開平6−16535号公報)。こ
の方法は非常に有効であるが使用するコーティング剤が
高価なタンパク質、例えば、BSA(牛血清アルブミ
ン)であると、安定性に問題があり、長期にわたる保存
には煩雑さが伴っており、さらに秀でた方法の開発が求
められていた。生理活性ペプチドの器材への吸着防止の
ため、上に記載したように薬含有溶液に例えば塩化ベン
ザルコニウムあるいは塩化ベンゼトニウムなどを溶液中
濃度0.1−2.0%範囲で共存させる方法が報告され
ているが、イオントフォレーシスでの経皮薬物投与シス
テムには、目的薬物イオンと共存イオンが電気的に競合
する結果、かえって薬物透過における輸率を下げる結果
となり利用効率の向上目的からは問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオントフォレ
ーシス技術では、生理活性ペプチド系薬物が皮膚や多孔
性器材に吸着することで投与量が不正確になるなど不都
合があり、実用面で問題があった。この現状を鑑み、本
発明は、生理活性ペプチド系薬物の利用効率を再現性よ
く高める、安価で安定な実用的なイオントフォレーシス
用インターフェイスコーティング技術を提供することを
目的とした。
ーシス技術では、生理活性ペプチド系薬物が皮膚や多孔
性器材に吸着することで投与量が不正確になるなど不都
合があり、実用面で問題があった。この現状を鑑み、本
発明は、生理活性ペプチド系薬物の利用効率を再現性よ
く高める、安価で安定な実用的なイオントフォレーシス
用インターフェイスコーティング技術を提供することを
目的とした。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記課題を
解決するため鋭意努力し、非導電性素材の多孔性ないし
毛細管構造からなるイオントフォレーシス用インターフ
ェイス器材の表面を消毒用イオン性界面活性剤にて皮膜
コート処理を行うと、皮膚への刺激もなく安全に薬物の
経皮吸収性が著しく増大し、薬物利用効率が上がること
を見いだし、さらに鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は、(1)薬物保持部材
にイオン性界面活性剤の被覆層を形成させたイオントフ
ォレーゼ用インタフェース、(2)上記(1)記載の薬
物保持部材は、薬物乃至薬液と接触する部材であるこ
と、(3)上記(1)記載の薬物保持部材は、非導電性
素材の多孔性ないし毛細管構造を有すること、(4)上
記(1)記載のイオン性界面活性剤は、防腐、消毒用で
あることを特徴とし、(5)上記(1)記載のイオン性
界面活性剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ
ウムなどの医薬品添加物であることを特徴し、(6)上
記(1)記載のイオン性界面活性剤は、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウムなどの医薬品添加物であっ
て、実用時において当該イオン性表面活性剤が薬物液に
は溶出しないか溶出したとしても0.01%以下の濃度
である範囲であり、(7)上記(1)記載の薬物が薬物
利用効率を上昇する生理活性ペプチド類に関するもので
ある。
解決するため鋭意努力し、非導電性素材の多孔性ないし
毛細管構造からなるイオントフォレーシス用インターフ
ェイス器材の表面を消毒用イオン性界面活性剤にて皮膜
コート処理を行うと、皮膚への刺激もなく安全に薬物の
経皮吸収性が著しく増大し、薬物利用効率が上がること
を見いだし、さらに鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は、(1)薬物保持部材
にイオン性界面活性剤の被覆層を形成させたイオントフ
ォレーゼ用インタフェース、(2)上記(1)記載の薬
物保持部材は、薬物乃至薬液と接触する部材であるこ
と、(3)上記(1)記載の薬物保持部材は、非導電性
素材の多孔性ないし毛細管構造を有すること、(4)上
記(1)記載のイオン性界面活性剤は、防腐、消毒用で
あることを特徴とし、(5)上記(1)記載のイオン性
界面活性剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ
ウムなどの医薬品添加物であることを特徴し、(6)上
記(1)記載のイオン性界面活性剤は、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウムなどの医薬品添加物であっ
て、実用時において当該イオン性表面活性剤が薬物液に
は溶出しないか溶出したとしても0.01%以下の濃度
である範囲であり、(7)上記(1)記載の薬物が薬物
利用効率を上昇する生理活性ペプチド類に関するもので
ある。
【0005】本発明に於いて使用される薬物は薬学的に
有効な生理活性ペプチド類であれば特に制限はないが、
次の様な薬物が例示される。すなわち、カルシトニン、
副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、インシュリ
ン、セクレチン、オキシトシン、アンギオテンシン、β
−エンドルフィン、グルカゴン、バソプレッシン、ソマ
トスタチン、ガストリン、黄体形成ホルモン放出ホルモ
ン、エンケファリン、ニューロテンシン、心房性ナトリ
ウム利尿ペプチド、成長ホルモン、ブラジキニン、サブ
スタンスP、ダイノルフィン、甲状腺刺激ホルモン、プ
ロラクチン、インターフェロン、インターロイキン、G
−CSF、グルタチオンパーオキシダーセ、スーパーオ
コシドディスムターゼ、デスモプレシン、ソマトメジ
ン、黒色素胞刺激ホルモン、ムラミルジペプチド、ボン
ベシン、血管作用性腸ペプチド、コレシストキニン−
8、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、エンドセリン、
サイロトロピン放出ホルモン、及びこれら生理活性ペプ
チド類の誘導体などが挙げられる。本発明の液組成物へ
の生理活性ペプチド類の配合量は、所望の薬効を奏する
に十分な量であればよく、それは薬物の種類、患者の体
重、症状に依って異なる物であり、これらの条件に応じ
て適宜選択すればよい。
有効な生理活性ペプチド類であれば特に制限はないが、
次の様な薬物が例示される。すなわち、カルシトニン、
副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、インシュリ
ン、セクレチン、オキシトシン、アンギオテンシン、β
−エンドルフィン、グルカゴン、バソプレッシン、ソマ
トスタチン、ガストリン、黄体形成ホルモン放出ホルモ
ン、エンケファリン、ニューロテンシン、心房性ナトリ
ウム利尿ペプチド、成長ホルモン、ブラジキニン、サブ
スタンスP、ダイノルフィン、甲状腺刺激ホルモン、プ
ロラクチン、インターフェロン、インターロイキン、G
−CSF、グルタチオンパーオキシダーセ、スーパーオ
コシドディスムターゼ、デスモプレシン、ソマトメジ
ン、黒色素胞刺激ホルモン、ムラミルジペプチド、ボン
ベシン、血管作用性腸ペプチド、コレシストキニン−
8、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、エンドセリン、
サイロトロピン放出ホルモン、及びこれら生理活性ペプ
チド類の誘導体などが挙げられる。本発明の液組成物へ
の生理活性ペプチド類の配合量は、所望の薬効を奏する
に十分な量であればよく、それは薬物の種類、患者の体
重、症状に依って異なる物であり、これらの条件に応じ
て適宜選択すればよい。
【0006】
【発明の効果】即ち本発明によればイオントフォレーシ
スによる生理活性ペプチド類の経皮吸収において有効性
および安全性が確保でき、従来のイオントフォレーシス
では達し得なかった高い吸収性を得ることができる。次
に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本
発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
スによる生理活性ペプチド類の経皮吸収において有効性
および安全性が確保でき、従来のイオントフォレーシス
では達し得なかった高い吸収性を得ることができる。次
に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本
発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0007】次に、本発明のイオントフォレーシス用イ
ンターフェイスの仕様態様に付いて述べる。本発明は特
にこれによって制限を受けるものではない。図1におい
て、柔軟性、硬質性を有する支持体(10)の上部に
は、2つのポリエチレンカップ(9)(9’)が配置さ
れ、カップ(9’)には、注射用蒸留水(扶桑薬品工業
社製)等よりなる薬物溶解液(7)が貯留され、リザー
バ(12)を形成し、(9)には、例えば、NaCl含
有PVA含水ゲルよりなる導電性ゲル(3)が内臓され
ている。支持体(10)の下部であって、カップ(9)
の下の部分には、支持体(10)に対し用時、表裏を貫
通する様に穿設される孔(14)が設けられ、更にイオ
ン交換膜(4)(例えば、AS膜(旭化成社製))、不
織布(5)(例えば、ベンベルグ(日本バイリーン社
製))、ナイロン多孔質体(6)(例えば、バイオダイ
ンプラス(日本ポール社製))が積層状に配置されてお
り、アプリケーター(13)を形成する。不織布(5)
は、更に支持体(10)の下部であって、カップ
(9’)の下に位置する部分迄延びており、支持体(1
0)のカップ(9’)の下部であって、不織布(5)が
位置する部分には、用時、表裏を貫通する様に穿設され
る孔(15)が設けられている。イオン交換膜(4)、
不織布(5)、ナイロン多孔質体(6)に対し、これら
薬物保持部材(この場合の保持は、少なくとも接触する
ことも含むものであって薬物接触部材としてもよい。)
を 0.01%塩化ベンザルコニウム水溶液に均一にコ
ーティングまたは含侵させるか、あるいは同水溶液中に
これらを浸漬することによって処理し、水を切り、これ
を乾燥させることによって達成される。このようにして
得られたAS膜、不織布、ナイロン多孔質体のうちナイ
ロン多孔質体の皮膚当接表面側には、さらに生理活性ペ
プチド類がスプレーコーティング、含浸などの手段によ
り付着され、乾燥保持されている。ナイロン多孔質体
(6)の生体皮膚と接触する部分には、薬物(11)が
固着されている。ナイロン多孔質体(6)の周縁及び支
持体(10)の下部には、例えば、ブレンダーム(3M
社製)等よりなる粘着テープ(8)が配置されている。
ンターフェイスの仕様態様に付いて述べる。本発明は特
にこれによって制限を受けるものではない。図1におい
て、柔軟性、硬質性を有する支持体(10)の上部に
は、2つのポリエチレンカップ(9)(9’)が配置さ
れ、カップ(9’)には、注射用蒸留水(扶桑薬品工業
社製)等よりなる薬物溶解液(7)が貯留され、リザー
バ(12)を形成し、(9)には、例えば、NaCl含
有PVA含水ゲルよりなる導電性ゲル(3)が内臓され
ている。支持体(10)の下部であって、カップ(9)
の下の部分には、支持体(10)に対し用時、表裏を貫
通する様に穿設される孔(14)が設けられ、更にイオ
ン交換膜(4)(例えば、AS膜(旭化成社製))、不
織布(5)(例えば、ベンベルグ(日本バイリーン社
製))、ナイロン多孔質体(6)(例えば、バイオダイ
ンプラス(日本ポール社製))が積層状に配置されてお
り、アプリケーター(13)を形成する。不織布(5)
は、更に支持体(10)の下部であって、カップ
(9’)の下に位置する部分迄延びており、支持体(1
0)のカップ(9’)の下部であって、不織布(5)が
位置する部分には、用時、表裏を貫通する様に穿設され
る孔(15)が設けられている。イオン交換膜(4)、
不織布(5)、ナイロン多孔質体(6)に対し、これら
薬物保持部材(この場合の保持は、少なくとも接触する
ことも含むものであって薬物接触部材としてもよい。)
を 0.01%塩化ベンザルコニウム水溶液に均一にコ
ーティングまたは含侵させるか、あるいは同水溶液中に
これらを浸漬することによって処理し、水を切り、これ
を乾燥させることによって達成される。このようにして
得られたAS膜、不織布、ナイロン多孔質体のうちナイ
ロン多孔質体の皮膚当接表面側には、さらに生理活性ペ
プチド類がスプレーコーティング、含浸などの手段によ
り付着され、乾燥保持されている。ナイロン多孔質体
(6)の生体皮膚と接触する部分には、薬物(11)が
固着されている。ナイロン多孔質体(6)の周縁及び支
持体(10)の下部には、例えば、ブレンダーム(3M
社製)等よりなる粘着テープ(8)が配置されている。
【0008】
【実施例】(ラットによる経皮吸収試験) 方法:ペントバルビタール麻酔下でSDラット雄性7週
齢の腹部皮膚をバリカンで剃毛、シェーバーで処理した
後、70%エタノール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦り脱
脂消毒する。図1で示したインターフェイスないしデバ
イスをカルシトニン(合成サケカルシトニン、SIGM
A社製)が薬物膜1枚当たり2IU乾燥保持されている
皮膚当接面がラット腹部皮膚に接着するように固定す
る。アプリケーター(13)は使用直前にリザーバー
(12)から水を供給し、乾燥薬物(11)を再溶解す
る。具体的には、リザーバー(12)からの水の供給は
図1に示される開口部(15)を通して毛細構造を有す
る不織布(5)を通り、ナイロン多孔質体(6)に到達
する。通電はDC6V、30kHz、30%dutyで
45分間行った。所定時間後頸静脈にて採血を行い、1
2000r.p.m.、5分間遠心分離し、上清を試料
血清とした。血清カルシウムの定量はオルトクレゾール
フタレインコンプレキソン法(カルシウムCーテストワ
コー、和光純薬社製)にて測定した。
齢の腹部皮膚をバリカンで剃毛、シェーバーで処理した
後、70%エタノール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦り脱
脂消毒する。図1で示したインターフェイスないしデバ
イスをカルシトニン(合成サケカルシトニン、SIGM
A社製)が薬物膜1枚当たり2IU乾燥保持されている
皮膚当接面がラット腹部皮膚に接着するように固定す
る。アプリケーター(13)は使用直前にリザーバー
(12)から水を供給し、乾燥薬物(11)を再溶解す
る。具体的には、リザーバー(12)からの水の供給は
図1に示される開口部(15)を通して毛細構造を有す
る不織布(5)を通り、ナイロン多孔質体(6)に到達
する。通電はDC6V、30kHz、30%dutyで
45分間行った。所定時間後頸静脈にて採血を行い、1
2000r.p.m.、5分間遠心分離し、上清を試料
血清とした。血清カルシウムの定量はオルトクレゾール
フタレインコンプレキソン法(カルシウムCーテストワ
コー、和光純薬社製)にて測定した。
【0009】(結果)図2の試験結果から明らかなとお
り、界面活性剤コーティング処理を行わないナイロン製
多孔膜を用いた場合(無処置群)は、カルシトニンによ
るラット血清中のカルシウム値の減少が最大約17%で
あったのに対し、塩化ベンザルコニウム処理を行ったナ
イロン製多孔膜を用いた場合(処置群)は、カルシトニ
ンによるラット血清中のカルシウム値の減少が最大約2
8%と薬物カルシトニンの薬効が大きく薬物利用効率の
上昇が示された。
り、界面活性剤コーティング処理を行わないナイロン製
多孔膜を用いた場合(無処置群)は、カルシトニンによ
るラット血清中のカルシウム値の減少が最大約17%で
あったのに対し、塩化ベンザルコニウム処理を行ったナ
イロン製多孔膜を用いた場合(処置群)は、カルシトニ
ンによるラット血清中のカルシウム値の減少が最大約2
8%と薬物カルシトニンの薬効が大きく薬物利用効率の
上昇が示された。
【図1】実施例に用いたインターフェイスを含むアプリ
ケーターデバイスの構造体の上面図および断面図を示
す。
ケーターデバイスの構造体の上面図および断面図を示
す。
【図2】実施例の試験結果を示す図。
1.陽極側電極(例えば、プリントAg(アドバンス社
製)) 2.陽極側電極端子 3.導電性ゲル(例えば、NaCl含有PVA含水ゲ
ル) 4.イオン交換膜(例えば、AS膜(旭化成社製)) 5.不織布(例えば、ベンベルグ(日本バイリーン社
製)) 6.ナイロン多孔質体(例えば、バイオダインプラス
(日本ポール社製)) 7.薬物溶解液(例えば注射用蒸留水(扶桑薬品工業社
製)) 8.粘着テープ(例えば、ブレンダーム(3M社製)) 9.9’.ポリエチレンカップ 10.支持体 11.乾燥薬物(例えば合成サケカウシトニン(シグマ
社製)) 12.リザーバー 13.アプリケーター 14.開孔部(用時表裏が貫通するよう孔をあける) 15.開孔部(用時表裏が貫通するよう孔をあける)
製)) 2.陽極側電極端子 3.導電性ゲル(例えば、NaCl含有PVA含水ゲ
ル) 4.イオン交換膜(例えば、AS膜(旭化成社製)) 5.不織布(例えば、ベンベルグ(日本バイリーン社
製)) 6.ナイロン多孔質体(例えば、バイオダインプラス
(日本ポール社製)) 7.薬物溶解液(例えば注射用蒸留水(扶桑薬品工業社
製)) 8.粘着テープ(例えば、ブレンダーム(3M社製)) 9.9’.ポリエチレンカップ 10.支持体 11.乾燥薬物(例えば合成サケカウシトニン(シグマ
社製)) 12.リザーバー 13.アプリケーター 14.開孔部(用時表裏が貫通するよう孔をあける) 15.開孔部(用時表裏が貫通するよう孔をあける)
Claims (7)
- 【請求項1】薬物保持部材にイオン性界面活性剤の表面
被覆層を形成してなるイオントフォレーゼ用インタフェ
ース。 - 【請求項2】薬物保持部材は、少なくとも薬物乃至薬液
と接触する部材も含むことを特徴とする請求項1に記載
のイオントフォレーゼ用インタフェース。 - 【請求項3】前記薬物保持部材は、非導電性素材の多孔
性ないし毛細管構造を有することを特徴とする請求項1
に記載のイオントフォレーゼ用インタフェースとその処
理法。 - 【請求項4】前記イオン性界面活性剤は、防腐、消毒用
であることを特徴とする請求項1に記載のイオントフォ
レーゼ用インタフェース。 - 【請求項5】前記イオン性界面活性剤は、塩化ベンザル
コニウム、塩化ベンゼトニウムなどの医薬品添加物であ
ることを特徴とする請求項1に記載のイオントフォレー
ゼ用インタフェース。 - 【請求項6】前記イオン性界面活性剤は、塩化ベンザル
コニウム、塩化ベンゼトニウムなどの医薬品添加物であ
って、実用時において当該イオン性表面活性剤が薬物液
には溶出しないか溶出したとしても0.01%以下の濃
度である範囲であることを特徴とする請求項1に記載の
イオントフォレーゼ用インタフェース。 - 【請求項7】薬物は請求項1に記載のイオントフォレー
ゼ用インタフェースをつかうことで薬物利用効率が上昇
することを特徴とする生理活性ペプチド類。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO1999033518A1 (fr) * | 1997-12-30 | 1999-07-08 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | Dispositif d'ionophorese et unite de medicament |
US6743432B1 (en) | 1995-06-14 | 2004-06-01 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | Interface for iontophoresis |
JP2007054531A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Transcutaneous Technologies Inc | イオントフォレーシス装置 |
US7428435B2 (en) | 2002-12-26 | 2008-09-23 | Tokuyama Corporation | Medical instrument for transdermally administering ionic medicine |
US7917205B2 (en) | 2003-03-20 | 2011-03-29 | Nobuyoshi Karashima | Iontophoresis-based medical device |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP25967794A patent/JP2818771B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6743432B1 (en) | 1995-06-14 | 2004-06-01 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | Interface for iontophoresis |
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AU754561B2 (en) * | 1997-12-30 | 2002-11-21 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | Iontophoresis device and drug unit |
US7428435B2 (en) | 2002-12-26 | 2008-09-23 | Tokuyama Corporation | Medical instrument for transdermally administering ionic medicine |
US7917205B2 (en) | 2003-03-20 | 2011-03-29 | Nobuyoshi Karashima | Iontophoresis-based medical device |
JP2007054531A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Transcutaneous Technologies Inc | イオントフォレーシス装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2818771B2 (ja) | 1998-10-30 |
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