JPH09108362A - イオントフォレーシス電極 - Google Patents
イオントフォレーシス電極Info
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- JPH09108362A JPH09108362A JP29483795A JP29483795A JPH09108362A JP H09108362 A JPH09108362 A JP H09108362A JP 29483795 A JP29483795 A JP 29483795A JP 29483795 A JP29483795 A JP 29483795A JP H09108362 A JPH09108362 A JP H09108362A
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Abstract
動に寄与する電圧損失が少なくエネルギー効率が高いと
同時に非分極性電極からのイオンの溶出に起因する薬物
の体内への送達量の減少がなく薬物の送達効率が高く薬
物の体内への送達量を自在に制御できるイオントフォレ
ーシス電極の提供。 【解決手段】 非分極性電極2とイオン交換層4との間
に精製水を有する精製水層3が介在されている。
Description
を皮膚や粘膜に当接させこの電極間に電圧を印加するこ
とにより皮膚や粘膜を通して薬物を体内に吸収させるイ
オントフォレーシス電極に関し、特に、電圧降下が少な
くエネルギー効率の高い非分極性材料を用いた電極にお
いて薬物の送達効率を向上させるイオントフォレーシス
電極に関するものである。
方法は、一般的な医薬品の投与方法として知られる経口
投与と比べ、投与の簡便さ、血中濃度の維持、消化器官
に対する薬物の副作用を回避することができる等の特徴
を有し鋭意開発が進められている。イオントフォレーシ
スは皮膚又は粘膜に陽極と陰極のいずれか一方又は両方
に薬物を含有させた電極を装着し、イオントフォレーシ
ス電源装置から電圧を印加することにより生体内に薬物
を送達し吸収させるものである。イオントフォレーシス
に用いられる電極は使用する材質により分極性電極と非
分極性電極に大別される。分極性電極とは電圧印加時に
電極内で分極が発生する電極であり、白金、金、カーボ
ン、チタン等の材料から構成されている。分極性電極は
この分極により電圧印加時に電圧降下が生じ薬物の輸
送、送達に使用される電圧が低下する傾向がありエネル
ギー効率に欠けるという問題点を有していた。また、こ
の分極により電極に接する溶液のpHが変化し薬物が変
質し薬用効果を減少させ、しかも皮膚刺激を生じさせる
という問題点を有していた。これらの問題点を解決する
ために非分極性電極を用いたイオントフォレーシス電極
が種々提案されている。非分極性電極とは電圧印加時に
上述の分極が生じない電極であり、陽極としては銀や銅
が陰極としては塩化銀や塩化銅がベースとして用いられ
ている。
トフォレーシス電極について、図面を用いて説明する。
図6は従来のイオントフォレーシス電極の要部断面正面
図である。図6において、1′は従来のイオントフォレ
ーシス電極、2は電圧を後述する薬物保持層5に印加す
るとともに薬物保持層5を力学的に支持する作用を行
い、陽極としては銀や銅が陰極としては塩化銀や塩化銅
から構成される非分極性電極、5は薬物を含有し印加さ
れた電圧により下端面に接触された皮膚や粘膜に薬物を
輸送する作用を行い、薬物保持体に薬物を含浸させた構
成を有する薬物保持層、6は非分極性電極2にイオント
フォレーシス電源装置からの電流を供給する作用を行
い、銅、金、白金、銀等から構成されるリード線であ
る。また、薬物の送達効率を向上させるイオントフォレ
ーシス電極の開発も種々行われている。例えば、特開昭
63−102768号公報(以下、イ号公報と呼ぶ。)
には、「電極層と薬物含有層との間に水分補給層を配置
し、さらに電極層の外側に密封用カバーを設け、通電中
の薬物含有層への十分な水分補給が達せられ効果的な経
皮吸収をはかることができるイオントフォレーシス電
極」が開示されている。また、特表昭63−50240
4号公報(以下、ロ号公報と呼ぶ。)には、「電解質を
含有するための第1の収納部材と、少なくとも部分的に
イオン化した有効成分と同等な電荷を有するイオンの流
れを防止するためのイオン移動阻止部材としてのイオン
交換膜と、を有し、患者に薬剤を輸送する速度と効率を
向上させるとともに電極間でのプロトン又は水酸イオン
の無制御な生成によって起こる化学的火傷及び高電流の
使用によって起こる電気的火傷を含む皮膚の外傷の発生
を防止するイオントフォレーシス電極」が開示されてい
る。さらに、WO 95/00200号公報(以下、ハ
号公報と呼ぶ。)には、「イオン交換膜と可逆性電極と
の間に導電性溶液が介在せしめられており、通電時に電
極より遊離する各種イオンによるイオン性薬物の輸率の
低下を防止しイオン性薬物の体内への送達効率を向上さ
せるイオントフォレーシス電極」が開示されている。
来のイオントフォレーシス電極では、以下のような問題
点を有していた。 (1)従来の非分極性電極を用いたイオントフォレーシ
ス電極では、通電の際に非分極性電極から薬物保持層に
溶出したイオンが薬物の移動を妨害し輸率を低下させ薬
物の投与部位への浸透量を減少させ薬効効率を劣化させ
るという問題点を有していた。 (2)イ号公報においては、非分極性電極から溶出した
イオンが水分補給層中を拡散しさらに薬物含有層に到達
する。従って、このイオンが薬物の移動を妨害するとと
もに薬物の体内への吸収量を減少させ薬効効果を低下さ
せるという問題点を有していた。 (3)ロ号公報及びハ号公報においては、電極から溶出
したイオンの薬物を含有する層への移動はイオン交換膜
により阻止されるが、第1の収納部材や導電性溶液に含
有された電解質がイオン交換膜を透過し薬物を含有する
層へ拡散される。その結果、薬物の移動を阻害し薬物の
体内への浸透量を低下させ要求される薬効効果を十分に
は果たせないという問題点を有していた。
で、非分極性電極での電圧降下が少なく薬物の移動に寄
与する電圧損失が少なくエネルギー効率が高いと同時に
非分極性電極からのイオンの溶出に起因する薬物の体内
への送達量の減少がなく薬物の送達効率が高く薬物の体
内への送達量を自在に制御できるイオントフォレーシス
電極の提供を目的とするものである。
に本発明は、非分極性電極とイオン交換層との間に精製
水を有する精製水層を備えたものである。これにより、
非分極性電極での電圧損失が少なくかつ非分極性電極か
ら溶出するイオンの薬物の輸率への悪影響を防止し薬物
の体内への送達を効率良く行えるとともに薬物の送達量
を信頼性高く制御することのできるイオントフォレーシ
ス電極が得られる。
トフォレーシス電極は、非分極性電極とイオン交換層と
の間に精製水を有する精製水層を備えたものであり、非
分極性電極により電圧降下を防止するとともにイオン交
換層により薬物の移動を妨害する非分極性電極から溶出
したイオンを薬物と分離することができるという作用を
有する。請求項2に記載のイオントフォレーシス電極
は、請求項1において、精製水層が、精製水を含浸させ
た精製水保持体を備えたものであり、精製水層の力学的
強度を向上させ非分極性電極とイオン交換層との間隔を
一定に保ち精製水層の導電率を高めるとともに接触面積
を大きくすることにより精製水層と非分極性電極及びイ
オン交換層との接合を強固にする作用を有する。請求項
3に記載のイオントフォレーシス電極は、請求項1又は
2において、精製水層が、0.01〜4mmの厚さで形
成された構成を有するものであり、精製水層の厚さは好
ましくは0.01〜3mm、さらに好ましくは0.01
〜2mmが用いられる。精製水層の厚さが0.01mm
未満になるにつれ精製水層の成形が困難となり生産性や
量産性に劣る傾向となり好ましくない。精製水層の厚さ
が2mmを越えるにつれ水の電気伝導度が低いことに起
因する電圧低下や通電量の減少が生じ薬物の送達効率が
低下する傾向となり好ましくない。請求項4に記載のイ
オントフォレーシス電極は、請求項1乃至3の内いずれ
か1において、精製水が、0.01〜1500μΩ-1・
cm-1の電気伝導度を有するものであり、精製水の電気
伝導度は好ましくは0.01〜1000μΩ-1・cm-1
が用いられる。精製水の電気伝導度が1000μΩ-1・
cm-1を越えるにつれ精製水中に含有される電解質がイ
オン交換層を透過し薬物の送達効率を低下させる傾向が
生じ、特に1500μΩ-1・cm-1を越えると著しい傾
向が認められるので好ましくない。
の形態におけるイオントフォレーシス電極の要部断面正
面図を示す。図1において、1は第1実施の形態におけ
るイオントフォレーシス電極、2は後述する薬物保持層
5に電圧を印加し電流を供給するとともに非分極性電極
2内部で分極を生じず電圧降下を最小限に抑える作用を
行い、陽極としては銀や銅が陰極としては塩化銀や塩化
銅から構成される非分極性電極、3は非分極性電極2か
ら溶出したイオンを拡散させる作用を行い、精製水又は
精製水を含浸させた精製水保持体の構成を有する精製水
層、4は精製水層3に含有された非分極性電極2から溶
出したイオンを後述する薬物保持層5から隔離し薬物の
輸率を低下させない作用を行い、イオン交換樹脂からな
るイオン交換層、5は薬物を含有し印加された電圧によ
りイオン化された薬物を外端面に接触された皮膚や粘膜
に送達する作用を有し、薬物と薬物保持体の構成を有す
る薬物保持層、6は非分極性電極2にイオントフォレー
シス電源装置からの電流を供給する作用を行い、銅、
金、白金、銀等から構成されるリード線6である。
方精製水等が好適に用いられる。精製水層3の精製水保
持体としては、不織布、紙、ガーゼ、脱脂綿、連続発砲
を有するポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル、
ポリオレフィンフォーム、ポリアミドフォーム、ポリウ
レタン等の多孔質膜および発砲体、カラヤガム、トラガ
ントガム、キサンタンガム、デンプン、アラビアゴム、
エコーガム、ローカストビーンガム等の天然多糖類、ゼ
ラチン、ペクチン、寒天、ポリビニルアルコールおよび
そのケン化物、ポリビニルホルマール、ポリビニルメチ
ルエーテルおよびそのコポリマー、ポリビニルピロリド
ンおよびそのコポリマー、ポリヘマ類およびその架橋体
等が挙げられる。精製水の精製水保持体中の含有量は、
10〜3000w/w%であるのが好ましい。含有量が
10w/w%未満になるにつれ電気伝導度が低下する傾
向が生じ好ましくない。含有量が3000w/w%を越
えるにつれ精製水を保持できなくなり精製水のもれを生
じ、或いは、非分極性電極2とイオン交換層4間の距離
を長くし電気伝導性が低下する等の傾向が生じ好ましく
ない。
ジビニルベンゼンとスチレンの共重合体にスルフォン基
やアミノ基を含有するもの等が挙げられる。
フェンタニル,ペチジン,コデイン,ブプレノルフィ
ン,ブトルファノール,エプタゾシン,ペンタゾシンな
どの中枢性鎮痛薬やインスリン,カルシトニン,カルシ
トニン関連遺伝子ペプチド,バソプレッシン,デスモプ
レシン,プロチレリン(TRH),副腎皮質刺激ホルモ
ン(ACTH),黄体形成ホルモン放出因子(LH−R
H),成長ホルモン放出ホルモン(GRH),神経成長
因子(NGF)及びその他の放出因子,アンギオテンシ
ン(アンジオテンシン),副甲状線ホルモン(PT
H),甲状腺刺激ホルモン(TSH,サイロトロピ
ン),卵胞刺激ホルモン(FSH),黄体形成ホルモン
(LH),プロラクチン,血清性性線刺激ホルモン,胎
盤性性腺刺激ホルモン(HCG),下垂体性性腺刺激ホ
ルモン(HMG),成長ホルモン,ソマトスタチン,ソ
マトメジン,グルカゴン,オキシトシン,ガストリン,
セクレチン,エンドルフィン,エンケファリン,エンド
セリン,コレストキニン,ニュウロテンシン,インター
フェロン,インターロイキン,トランスフェリン,エリ
スロポエチン,スーパーオキサイドデスムターゼ(SO
D),顆粒球刺激因子(G−CSF),腸管血管拡張ペ
プチド(VIP),ムラミルジペプチド,コルチコトロ
ピン,ウロガストロン,ヒト心房性利尿ペプチド(h−
ANP)等のペプチド類,カルマバゼピン,クロルプロ
マジン,ジアゼパム,ニトラゼパム等の精神安定薬,プ
レオマイシン,アドレアマイシン,5−フルオロウラシ
ル,マイトマイシン等の抗悪性腫瘍薬,ジギタリス,ジ
ゴキシン,ジギトキシン等の強心症薬,エストラジオー
ル,テストステロン等の性ホルモン,レセルピン,クロ
ニジン等血圧降下剤等が挙げられる。薬物保持層5の薬
物保持体としては、ポリカーボネート樹脂、ニトロセル
ロース、ナイロン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポ
リスルホン樹脂等が挙げられる。
シス電極について、以下使用方法を説明する。イオント
フォレーシス電極の陽極及び陰極を薬物を投与する患者
の皮膚にそれぞれ当接する。+に荷電する薬物は陽極に
含有させイオン交換層4は陰イオン交換膜を用いる。―
に荷電する薬物は陰極に含有させ陽イオン交換膜を用い
る。薬物を含有しない電極には塩化ナトリウムの水溶液
を含有させて使用する。陽極及び陰極のリード線6をそ
れぞれイオントフォレーシス電源装置に接続し、イオン
トフォレーシス電源装置からパルス波を陽極及び陰極間
に通電する。イオン化された薬物は電圧勾配に従って移
動し皮膚中を浸透し体内に吸収される。
イオントフォレーシス電極の製造方法について説明す
る。まず、銀からなり2.5cm2の面積を有する非分
極性電極に精製水(電気伝導度0.05μΩ-1・c
m-1)100μlを含む厚さ0.5mmの不織布(日本
バイリーン(株)製、WP2085)を1枚重ね精製水
層を形成した。次に、3.46cm2の面積を有するイ
オン交換膜(旭化成(株)製、A−201)を積層しイ
オン交換層を形成した。さらに、精製水80μlを含む
薬物保持体(ポール社(株)製、バイオダイン+)3.
46cm2を重ね、薬物保持体上にサーモンカルシトニ
ン20IUを滴下し薬物保持層となし薬物含有電極を形
成した。また塩化ナトリウム含有12%、ポリビニルア
ルコールゲル(ユニチカ(株)製、UF−250G)を
積層した塩化銀からなる非分極性電極を作成した(これ
をリファレンス電極とした)。以上のように製造された
実施例1におけるイオントフォレーシス電極をSDラッ
ト(体重約250g)の腹部に装着し、薬物含有電極を
陽極、リファレンス電極を陰極としてイオントフォレー
シス電極装置より12Vのパルス脱分極通電を行った。
経時的にラット頚静脈から採血し、血清を得た。血清中
のサーモンカルシトニン濃度をラジオイムノアッセイキ
ット(ペニンスラサーモンカルシトニン定量キット)を
用いて測定した。結果を図2に示した。図2は実施例1
及び比較例1を用いた場合の血清中のサーモンカルシト
ニン濃度の経時変化を示すグラフである。次に、比較例
1として、銀からなり2.5cm2の面積を有する非分
極性電極に精製水100μlを含む厚さ0.5mmの不
織布(日本バイリーン(株)製、WP2085)を1枚
重ね精製水層を形成した。次に、精製水80μlを含む
薬物保持体(ポール社(株)製、バイオダイン+)3.
46cm2を重ねた。次に、薬物保持体上にサーモンカ
ルシトニン20IUを滴下した(これを薬物含有電極と
した)。また塩化ナトリウム含有12%ポリビニルアル
コールゲル(ユニチカ(株)製、UF−250G)を積
層した塩化銀からなる非分極性電極を作成した(これを
リファレンス電極とした)。以上のように製造された比
較例1におけるイオントフォレーシス電極を実施例1と
同様にしてサーモンカルシトニン濃度の経時変化を測定
し、結果を図2に示した。この図2から明らかなよう
に、実施例1におけるイオントフォレーシス電極を用い
た場合は約15分経過後最大の1858±247pg/
ml(平均±標準誤差)のサーモンカルシトニンが検出
され比較例1の最大値の約4.5倍の濃度を有している
ことが判明した。また、120分経過後も比較例1の最
大値の約1.8倍のサーモンカルシトニンが検出され高
い濃度を長時間に渡って維持していることが判明した。
ォレーシス電極についてその製造方法を説明する。ま
ず、銀からなる非分極性電極2.5cm2に生理食塩水
(電気伝導度15000μΩ-1・cm-1)100μlを
含む不織布(日本バイリーン(株)製、WP2085)
2.5cm2、厚さ0.5mmを1枚重ねた。次に、イ
オン交換膜(旭化成(株)製、A−201)3.46c
m2と精製水80μlを含む薬物保持体(ポール社
(株)製、バイオダイン+)3.46cm2を重ね、薬
物保持体上にサーモンカルシトニン20IUを滴下した
(これを薬物含有電極とした)。また塩化ナトリウム含
有12%ポリビニルアルコールゲル(ユニチカ(株)
製、UF−250G)を含有する塩化銀からなる非分極
性電極を作成した(これをリファレンス電極とした)。
以上のように製造された比較例2におけるイオントフォ
レーシス電極を実施例1と同様の方法により性能試験を
行い、結果を図3に示した。図3は実施例1及び比較例
2を用いた場合の血清中のサーモンカルシトニン濃度の
経時変化を示すグラフである。この図3から明らかなよ
うに、非分極性電極とイオン交換層との間に生理食塩水
(電気伝導度15000μΩ-1・cm-1)を有する層を
介在させた比較例2の場合は、サーモンカルシトニン濃
度の最大値は803±75pg/mlと実施例1(非分
極性電極とイオン交換層の間に電気伝導度が0.05μ
Ω-1・cm-1の精製水を用いた精製水層を介在させた場
合)の最大値と比較して約4割と極めて低いことが判明
した。また、120分経過するとサーモンカルシトニン
濃度は0となり薬物が全く吸収されないことが判明し
た。
間の距離が導電率に及ぼす影響について、図面を用いて
説明する。図4(a)は実験例1に用いた実験装置の要
部分解斜視図であり、図4(b)は実験例1に用いた実
験装置の要部断面正面図である。図4(a)及び図4
(b)において、7は3.14cm2の面積を有しイオ
ントフォレーシス電極における非分極性電極に相当し電
圧印加時には陰極となる銀電極、8はイオントフォレー
シス電極の精製水層に相当し厚さの異なるOリングを装
着することにより精製水層の厚さの変更をシュミレート
するOリング、9はイオントフォレーシス電極における
イオン交換層に相当し旭化成(株)製、A−201から
なるイオン交換膜、10はイオントフォレーシス電極に
おける薬物保持層に相当し塩化ナトリウム含有ポリビニ
ルアルコールゲルからなる電解質含有層、11はイオン
トフォレーシス電極のリファレンス電極に相当し電圧印
加時に陽極となる塩化銀電極である。図4(b)に示す
ように、Oリング8内に精製水を単独で含浸させた試験
体と精製水保持体に精製水を含浸させた試験体を準備し
た。次に、銀電極7と塩化銀電極11間にイオントフォ
レーシス電源装置(図示せず。)を用いて1Vの定電圧
を印加しその時流れる電流値を測定した。さらに、Oリ
ングの厚さを0.5〜5mmの間で変化させそれぞれの
場合の電流値を測定し、結果を図5に示した。図5は電
極とイオン交換膜の距離と電流値との関係を示すグラフ
である。この図5から明らかなように、電極とイオン交
換膜の距離を0.5から5mmと増加させるにつれ電流
値が5から0mAと双曲線状に急激に減少することが判
明した。また、精製水保持体を装着すると電流値は約2
0%向上することが判明した。
うな効果を備えたイオントフォレーシス電極を実現でき
るものである。 (1)電圧印加時に非分極性電極から溶出するイオンを
イオン交換層で薬物保持層と隔離することが可能で非分
極性電極から溶出したイオンによる薬物の移動や薬物の
人体への吸収の阻害作用を防止でき薬物の輸率を高め皮
膚や粘膜への吸収効率を向上させることができる。 (2)精製水層中に電解質が極微量しか存在しないので
電解質の薬物保持層への拡散がなく薬物の移動を妨害せ
ず薬効効率を高めることができる。 (3)非分極性電極での電圧降下が少なくイオントフォ
レーシス電源装置から印加された供給電圧の内薬物の移
動に寄与する部分を大きくでき小さな印加電圧で薬物の
送達効率を高めエネルギー効率を向上させることが可能
である。 (4)上述の(1)〜(3)の効果により薬物の体内へ
の吸収効率が高く吸収量を多くできるとともに経時劣化
が少なく長時間に渡って薬物の吸収を持続することがで
きる。従って、体内に吸収される薬物量の多小を自由に
制御でき薬物の投与量を正確にコントロールできるので
最適な薬効効果を実現することができる。 (5)薬物保持層でのpH変化が少なく薬物の変質が生
じ難く安定した薬効効果を信頼性高く維持し、また皮膚
に対する刺激も低減することができる。
レーシス電極の要部断面正面図
サーモンカルシトニン濃度の経時変化を示すグラフ
サーモンカルシトニン濃度の経時変化を示すグラフ
視図 (b)実験例1に用いた実験装置の要部断面正面図
示すグラフ
面図
Claims (4)
- 【請求項1】 非分極性電極とイオン交換層との間に精
製水を有する精製水層を備えたことを特徴とするイオン
トフォレーシス電極。 - 【請求項2】 前記精製水層が、精製水を含浸させた精
製水保持体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の
イオントフォレーシス電極。 - 【請求項3】 前記精製水層が、0.01〜4mmの厚
さで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載
のイオントフォレシス電極。 - 【請求項4】 前記精製水が、0.01〜1500μΩ
-1・cm-1の電気伝導度を有することを特徴とする請求
項1乃至3の内いずれか1に記載のイオントフォレーシ
ス電極。
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