JPH09187520A - 経皮又は経粘膜薬物送達方法 - Google Patents

経皮又は経粘膜薬物送達方法

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JPH09187520A
JPH09187520A JP2049996A JP2049996A JPH09187520A JP H09187520 A JPH09187520 A JP H09187520A JP 2049996 A JP2049996 A JP 2049996A JP 2049996 A JP2049996 A JP 2049996A JP H09187520 A JPH09187520 A JP H09187520A
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JP
Japan
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iontophoresis
electroporation
skin
drug
pulse
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JP2049996A
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Kenji Mori
健二 森
Noriyuki Kuzumaki
紀行 葛巻
Kenji Sugibayashi
堅次 杉林
Kazutoshi Morimoto
雍憲 森本
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚や粘膜に対する電気刺激が少なく、しかも
必要投与量の多い薬物や生理活性物質についても、或い
は皮膚又は粘膜からの吸収が低い薬物や生理活性物質に
ついても、生体に対して十分な量を送達、投与する。 【解決手段】薬物や生理活性物質を経皮又は経粘膜より
生体内へ送達するに当たり、皮膚又は粘膜に対しエレク
トロポレーションとパルス脱分極型イオントフォレーシ
スとを併用することを特徴とする薬物や生理活性物質を
生体内へ送達する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野において
用いられるイオントフォレーシスとエレクトロポレーシ
ョンを併用することにより薬物や生理活性物質を生体内
へ送達する方法に関し、より詳しくは薬物や生理活性物
質を経皮又は経粘膜より生体内へ送達するに当り、イオ
ントフォレーシスとエレクトロポレーションとを同時に
使用することにより薬物や生理活性物質を生体内へ投与
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚や粘膜から薬物や生理活性物
質(以下生理活性物質を含めて適宜「薬物」という)の
吸収を促進させる方法として電気駆動力を利用したイオ
ントフォレーシスが研究され、開発されてきている。こ
のイオントフォレーシスはイオン化した薬物の貯蔵層を
含む電極を有する関導子と薬物を含有しない対電極を有
する不関導子とを皮膚又は粘膜に貼付して両電極間に通
電し、皮膚や粘膜への薬物又は生理活性物質の吸収を促
進させるものである。
【0003】この場合、その通電方法としては直流型、
パルス型、或いはパルス脱分極型その他各種手法があ
る。このうちパルス脱分極型の通電は、直流型やパルス
型に比べて高い電流を適用しても皮膚や粘膜に与える刺
激が少ないという利点がある。しかしこのイオントフォ
レーシス技術は、皮膚や経粘膜から薬物を吸収させ送達
するための促進法として有用であるが、必要投与量の多
い薬物や皮膚や経粘膜からの吸収が低い薬物に対しては
必ずしも十分とは言えない。
【0004】一方、エレクトロポレーション(elec
troporation:電気穿孔法)は、主として遺
伝子導入に使用されている方法であり、皮膚や細胞膜な
どの生体膜に対して瞬時に高電圧を負荷することにより
生体膜に短時間小孔を生じさせ(すなわち膜構造の組織
を開き)、それが修復される前に細胞内へDNA等を導
入するものである。そして近年、この技術は経皮、或い
は経粘膜からの薬物の送達に応用することも検討、研究
されている〔特公表平3ー502416号、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,90:p.10
504−10508(1993)〕。
【0005】さらに「Pharm.Res.Vol.1
1,No.12,」p.1809−1814(1994
年)によれば、イオントフォレーシスとエレクトロポレ
ーションとを併用して薬物〔Hormone(LHR
H)〕を投与する試みが報告されている。この報告によ
ればイオントフォレーシス単独よりも高い薬物透過が得
られているが、ここでのイオントフォレーシスの通電方
法は直流型である。しかし、本発明者等の各種試験によ
れば、この通電方法では皮膚に対して強い電気刺激が生
じ、それかといって直流のイオントフォレーシスの出力
電流を電気刺激を生じない程度の電流(例えば0.1m
A)としたのでは、薬物送達効果は殆んど得られない。
そしてこのような点は、その通電方法としてパルス(非
脱分極)型を用いた場合についても同様であった。
【0006】以上のように、これらの両技術を用いて皮
膚や粘膜から薬物を送達しようとした場合、(1)エレ
クトロポレーション単独やイオントフォレーシス単独で
は皮膚や粘膜からの薬物透過は不十分であり、(2)ま
た、上記報告のようにエレクトロポレーションと直流型
又はパルス型電流によるイオントフォレーシスを併用す
ると、エレクトロポレーションにより形成された孔にイ
オントフォレーシスによる電流が集中し、皮膚や粘膜に
対する強い電気刺激が生じてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、イ
オントフォレーシスやエレクトロポレーションに関する
そのような現状に鑑み、各種多方面から研究、検討を重
ねているうち、これらエレクトロポレーションとイオン
トフォレーシスとを特定の手法及び手段により併用する
ことにより、上記のような問題点を解決することに成功
し、皮膚や粘膜に対する電気刺激が少なく、必要投与量
の多い薬物や皮膚や粘膜からの吸収が低い薬物に対して
も十分な薬物を投与できる方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、薬
物や生理活性物質を経皮又は経粘膜より生体内へ送達す
るに当たり、皮膚又は粘膜に対しエレクトロポレーショ
ンとパルス脱分極型イオントフォレーシスとを併用する
ことを特徴とする薬物や生理活性物質を生体内へ送達す
る方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、皮膚又は粘膜
に対してパルス脱分極型の通電を用いてイオントフォレ
ーシスを適用するに際して、少なくとも1回エレクトロ
ポレーションを適用するが、この態様としては下記
(1)〜(4)のような各種態様により実施することが
できる。 (1)まずエレクトロポレーションを適用した後、パル
ス脱分極型通電によるイオントフォレーシスを適用す
る。 (2)まずエレクトロポレーションを適用した後、パル
ス脱分極型通電によるイオントフォレーシスを適用し、
これらの操作を順次繰り返す。 (3)まずパルス脱分極型通電によるイオントフォレー
シスを適用した後、エレクトロポレーションを適用し、
次いでパルス脱分極型通電によるイオントフォレーシス
を適用する。 (4)まずパルス脱分極型通電によるイオントフォレー
シスを適用した後、エレクトロポレーションを適用し、
次いでパルス脱分極型通電によるイオントフォレーシス
を適用し、これらの操作を順次繰り返す。
【0010】図1は、これらの併用通電パターンのうち
の一例を示すもので、上記(1)〜(4)の態様で云え
ば(2)の態様を示している。図1のとおり、イオント
フォレーシスを適用する前に、まず第1回目のエレクト
ロポレーションA1 を適用して高電圧を印加する。これ
に続きパルス脱分極型通電によるイオントフォレーシス
操作を所定期間適用し、次いで第2回目のエレクトロポ
レーションA2 による高電圧を印加し、必要に応じこれ
らの操作を順次繰り返すことにより行うことができる。
【0011】このように本発明においては、上記併用操
作により皮膚や粘膜から薬物をきわめて効果的に送達す
るものである。本発明の好ましい態様では、まずエレク
トロポレーションにより皮膚や粘膜に対して孔を形成す
る。しかしこれだけでは元々皮膚や粘膜透過性の低い薬
物に対しては透過促進効果が望めず、充分な量を送達す
ることができない。そこでこのエレクトロポレーション
に続き、パルス脱分極型通電によるイオンフォレーシス
を併用することにより、エレクトロポレーションを適用
して形成した孔から薬物がきわめて効果的に送達され
る。
【0012】エレクトロポレーションで処理した皮膚や
粘膜に対して直流型やパルス(非脱分極)型通電による
イオントフォレーシスを適用するとイオントフォレーシ
ス単独の適用時に比べて刺激性が劇的に増加する。しか
し、本発明のようにエレクトロポレーションとパルス脱
分極型通電によるイオントフォレーシスを組み合わせた
適用によれば、パルス脱分極型のイオントフォレーシス
単独適用時と刺激性は変わらず低刺激性であった。この
理由は詳細には明らかではないが、恐らく直流型やパル
ス型の通電によるイオントフォレーシスではエレクトロ
ポレーションにより形成された孔に電流が集中し、過度
に電流密度が特異的に上昇するためと推認される。
【0013】これに対して、本発明のようにパルス脱分
極型通電によるイオントフォレーシスを用いれば、エレ
クトロポレーションにより形成された孔に電流が集中し
ても瞬時に脱分極をするために皮膚に対する電気刺激は
生じない。すなわち、本発明においては、唯一エレクト
ロポレーションとイオントフォレーシスのうちでも唯一
パルス脱分極型の通電によるイオントフォレーシスとの
組み合せだけが薬物透過促進の点と皮膚や粘膜に対する
刺激点の両面から最適な組み合わせであることを見い出
したものである。
【0014】本発明におけるイオントフォレーシス用の
電極としては、アルミニウム又はその合金、チタン又は
その合金、鉄又はその合金、炭素等の分極性電極や銀、
塩化銀、銅、塩化銅、或いはこれらをベースとする銀/
塩化銀(銀に塩化銀を付着させたものや両者の混合体
等)、銅/塩化銅(銅に塩化銅を付着させたものや両者
の混合体等)等の非分極性電極の何れも使用することが
できるが、好ましくは非分極性の電極が用いられる。そ
の組合せの好ましい一例としては、陽極側の電極として
非分極性電極の銀や銅をベースとする電極を使用し、陰
極側の電極としては塩化銀や塩化銅をベースとする電極
が挙げられるが、さらに好ましくは陽極側には銀をベー
スとし、陰極側には塩化銀をベースとする電極が使用さ
れる。
【0015】また、本発明のパルス脱分極型通電による
イオントフォレーシスにおける適用電流は0.01〜1
0mA程度、好ましくは0.01〜5mAであり、ま
た、適用電圧としては0.1〜50Vの範囲であり、好
ましくは1〜30V、さらに好ましくは3〜15Vであ
る。さらにパルス脱分極型のパルス周波数は100Hz
〜1000kHzの範囲であり、好ましくは1kHz〜
500kHz、さらに好ましくは10kHz〜300k
Hzである。
【0016】また、ON/OFF比としては1〜99%
の範囲で適用できるが、好ましくは10〜80%、さら
に好ましくは15〜50%である。また、エレクトロポ
レーション用の電極としては分極性、非分極性の何れも
使用される。エレクトロポレーションの適用電圧として
は10〜2000V/cmの範囲であり、好ましくは5
0〜1000V/cm、さらに好ましくは50〜500
V/cmである。エレクトロポレーションの通電パター
ンとしては好ましくは指数対数型波か矩形型波が用いら
れる。前述のとおりエレクトロポレーションは、イオン
トフォレーシス適用前又はその途中で1回又は2回以上
通電すればよい。
【0017】本発明の方法により適用される薬物又は生
理活性物質としては、特に限定はなく、例えばモルヒ
ネ、フェンタニル、ペチジン、コデイン、ブプレノルフ
ィン、ブトルファノール、エプタゾシン、ペンタゾシン
などの中枢性鎮痛薬やインスリン、カルシトニン、カル
シトニン関連遺伝子ペプチド、バソプレッシン、デスモ
プレシン、プロチレリン(TRH)、副腎皮質刺激ホル
モン(ACTH)、黄体形成ホルモン放出因子(LHー
RH)、成長ホルモン放出ホルモン(GRH)、神経成
長因子(NGF)及びその他の放出因子、アンギオテン
シン(アンジオテンシン)、副甲状線ホルモン(PT
H)、甲状線刺激ホルモン(TSH、サイロトロピ
ン)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン
(LH)、プロラクチン、血清性性線刺激ホルモン、胎
盤性性線刺激ホルモン(HCG)、下垂体性性線刺激ホ
ルモン(HMG)、成長ホルモン、ソマトスタチン、グ
ルカゴン、ソマトメジン、オキシトシン、ガストリン、
セクレチン、エンドルフィン、エンケファリン、エンド
セリン、コレストキニン、ニュウロテンシン、インター
フェロン、インターロイキン、トランスフェリン、エリ
スロポエチン、スーパーオキサイドデスムターゼ(SO
D)、顆粒球刺激因子(GーCSF)、腸管血管拡張ペ
プチド(VIP)、ムラミルジペプチド、コルチコトロ
ピン、ヒト心房性利尿ペプチド(hーANP)、ウロガ
ストロン等のペプチド類、カルマバゼピン、クロルプロ
マジン、ジアゼパム、ニトラゼパム等の精神安定薬、プ
レオマイシン、アドレアマイシン、5ーフルオロウラシ
ル、マイトマイシン等の抗悪性腫瘍薬、ジギタリス、ジ
ゴキシン、ジギトキシン等の強心症薬、エストラジオー
ル、テストステロン等の性ホルモン、レセルピン、クロ
ニジン等血圧降下剤等を挙げることができるが、これら
に限定はされるものではない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験例1及び実験例
2を基に説明するが、本発明はこれらに限定されないこ
とは勿論である。実験例1においてはエレクトロポレー
ションとイオンフォレーシスとの併用効果による薬物の
皮膚透過促進効果(実施例1)をエレクトロポレーショ
ン単独(比較例1ー1)及びイオンフォレーシス単独
(比較例1ー2)の場合と比較して示し、また実験例2
では、エレクトロポレーション適用後のパルス脱分極型
イオンフォレーシスの電気刺激(実施例2)とエレクト
ロポレーション適用後のパルス型イオンフォレーシス
(比較例2ー1)及び直流型イオンフォレーシスの電気
刺激(比較例2ー2)との比較実験を示している。
【0019】《実施例1》エレクトロポレーションとパ
ルス脱分極型イオントフォレーシスの併用 本実施例1においては図2に示すようなフランツ型透過
実験セルを使用した。図2中、1はラットから摘出した
皮膚であり、この皮膚1を挟み、相対峙させてドナー層
2及びレシーバー層3が配置されている。4はエレクト
ロポレーション用電極、5はイオントフォレーシス用電
極であり、このうち電極5は皮膚1の上面に図示のよう
に当接して配置してある。また電極4は、皮膚1に対し
て例えば面状等で接触させるようにしても差し支えない
が、図2では皮膚1に直かに点接触させている。6はイ
オントフォレーシス用及びエレクトロポレーション用を
兼ねた電極である。また7はサンプリングポートであ
り、サンプリング液をここから取り出し、測定した。
【0020】ヘアレスラットから摘出した皮膚をフラン
ツ型透過実験セル(図2中、符号1参照)にセットし
た。薬物溶液として生理食塩水に50mg/mlの濃度
になるようにマンニトール(一部に14Cマンニトールを
含む)を溶解させてドナー溶液とした。エレクトロポレ
ーションは1時間ごとに電圧500Vを適用し、パルス
脱分極型イオントフォレーシスは定電流で3mAを適用
した。レシーバー溶液には生理食塩水を適用し、サンプ
リングポートから経時的に100μlをサンプリング
し、液体シンチレーションカウンターにより14Cーマン
ニトールの放射活性を測定し、マンニトールの透過量を
求めた。
【0021】〈比較例1ー1〉エレクトロポレーション
単独の適用 本比較例1ー1での実験装置としては図3に示すような
フランツ型透過実験セルを使用した。図3中、図2と共
通する部分には図2の場合と同じ符号を使用している。
ヘアレスラットから摘出した皮膚を図3中符号1として
示すようにセットした。薬物溶液として生理食塩水に5
0mg/mlの濃度になるようにマンニトール(一部に
14Cマンニトールを含む)を溶解させドナー溶液とし
た。エレクトロポレーションは1時間ごとに電圧500
Vを適用した。レシーバー溶液には生理食塩水を適用
し、サンプリングポートから経時的に100μlをサン
プリングし、液体シンチレーションカウンターにより14
Cマンニトールの放射活性を測定し、マンニトールの透
過量を求めた。
【0022】〈比較例1ー2〉イオンフォレーシス単独
の適用 本比較例1ー2での実験装置としては図4に示すような
フランツ型透過実験セルを使用した。図4中、図2と共
通する部分には図2の場合と同じ符号を使用している。
ヘアレスラットから摘出した皮膚を図4中符号1として
示すようにセットした。薬物溶液として生理食塩水に5
0mg/mlの濃度になるようにマンニトール(一部に
14Cマンニトールを含む)を溶解させドナー溶液とし
た。パルス脱分極型イオンフォレーシスは定電流で3m
Aを適用した。レシーバー溶液には生理食塩水を適用
し、サンプリングポートから経時的に100μlをサン
プリングし、液体シンチレーションカウンターにより14
Cマンニトールの放射活性を測定し、マンニトールの透
過量を求めた。
【0023】図5は、以上実施例1、比較例1ー1及び
比較例1ー2の実験結果である。図5のとおり、実施例
1におけるエレクトロポレーションとパルス脱分極型イ
オントフォレーシスの併用では6時間までに321.9
±35.5μg/cm2 透過したが、比較例1ー1のエ
レクトロポレーション単独では51.5±7.3μg/
cm2 、比較例1ー2のパルス脱分極型イオントフォレ
ーシス単独では92.3±12.3μg/cm2 しか透
過しなかった。
【0024】すなわち、エレクトロポレーションとパル
ス脱分極型イオントフォレーシスを本発明のように併用
した場合、エレクトロポレーション単独の6倍、パルス
脱分極型イオントフォレーシス単独の3倍にも及ぶ透過
効果が得られている。このようにエレクトロポレーショ
ンとパルス脱分極型イオントフォレーシスを併用するこ
とによりエレクトロポレーション単独やパルス脱分極型
イオントフォレーシス単独に比べてきわめて優れた薬物
透過効果が得られる。
【0025】《実施例2》ヒトの上腕部の皮膚に対して
エレクトロポレーションを500V/cmの電圧(コン
デンサー容量25μFD)で適用し、その後パルス脱分
極型イオントフォレーシスを電流3mAで適用して(電
極面積2.5cm2 )、皮膚に対する刺激を調べた。 〈比較例2ー1〉ヒトの上腕部の皮膚に対しエレクトロ
ポレーションを500V/cmの電圧(コンデンサー容
量25μFD)で適用した後、パルス型イオントフォレ
ーシスを電流3mAで適用し(電極面積2.5cm
2 )、皮膚に対する刺激を調べた。 〈比較例2ー2〉ヒトの上腕部の皮膚に対しエレクトロ
ポレーションを500V/cmの電圧(コンデンサー容
量25μFD)で適用した後、直流型イオントフォレー
シスを電流3mAで適用し(電極面積2.5cm2 )、
皮膚に対する刺激を調べた。
【0026】《試験結果》実施例2すなわちエレクトロ
ポレーションを適用した後、パルス脱分極型イオントフ
ォレーシスを併用した場合において電気刺激は感じなか
ったが、比較例2ー1のエレクトロポレーションとパル
ス型イオントフォレーシスの併用や比較例2ー2のエレ
クトロポレーションと直流型イオントフォレーシスの併
用の場合には、イオントフォレーシスによる電気刺激を
感じた。これはパルス型電流や直流型電流ではエレクト
ロポレーション後に形成された孔に過度に電流が集中す
るのに対して、パルス脱分極型イオントフォレーシスに
おいては、1パルス毎に脱分極を繰り返すため、電気刺
激が感じられないことに起因するものと解される。
【0027】以上、実験例1のとおりエレクトロポレー
ションとパルス脱分極型イオントフォレーシスとの併用
により、皮膚に対する電気刺激もなく、それぞれを単独
に(エレクトロポレーション単独、イオントフォレーシ
ス単独)で適用する場合に比べて、薬物の皮膚透過を顕
著に促進させることができた。また、実験例2のとお
り、エレクトロポレーションとパルス脱分極型イオント
フォレーシスとを併用することにより、エレクトロポレ
ーションとパルス型や直流型のイオントフォレーシスと
を併用する場合に比べて、皮膚や粘膜に対する電気刺激
をきわめて有効に少なくすることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚や粘膜に対する電
気刺激が少なく、しかも必要投与量の多い薬物や生理活
性物質についても、或いは皮膚又は粘膜からの吸収が低
い薬物や生理活性物質についても、生体に対して十分な
量を投与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるエレクトロポレーションとパル
ス脱分極型イオントフォレーシスとの併用時の通電パタ
ーン。
【図2】本発明の実施例1で使用したフランツ型透過実
験セルの概略図。
【図3】比較例1ー1で使用したフランツ型透過実験セ
ルの概略図。
【図4】比較例1ー2で使用したフランツ型透過実験セ
ルの概略図。
【図5】実施例1及び比較例1ー1〜比較例1ー2にお
けるマンニトールの透過量を示す図。
【符号の説明】
1 皮膚 2 ドナー層 3 レシーバー層 4 エレクトロポレーション用電極 5 イオントフォレーシス用電極 6 イオントフォレーシス用及びエレクトロポレーショ
ン用を兼ねた電極 7 サンプリングポート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬物や生理活性物質を経皮又は経粘膜より
    生体内へ送達するに当たり、皮膚又は粘膜に対しエレク
    トロポレーションとパルス脱分極型イオントフォレーシ
    スとを併用することを特徴とする薬物や生理活性物質を
    生体内へ送達する方法。
  2. 【請求項2】皮膚又は粘膜に対してエレクトロポレーシ
    ョンを適用した後、パルス脱分極型イオントフォレーシ
    スを適用する請求項1記載の薬物や生理活性物質を生体
    内へ送達する方法。
  3. 【請求項3】皮膚又は粘膜に対してエレクトロポレーシ
    ョンを適用した後、パルス脱分極型イオントフォレーシ
    スを適用し、両操作を順次繰り返すことからなる請求項
    1記載の薬物や生理活性物質を生体内へ送達する方法。
  4. 【請求項4】皮膚又は粘膜に対しパルス脱分極型イオン
    トフォレーシスを適用した後、エレクトロポレーション
    を適用し、両操作を順次繰り返すことからなる請求項1
    記載の薬物や生理活性物質を生体内へ送達する方法。
JP2049996A 1996-01-10 1996-01-10 経皮又は経粘膜薬物送達方法 Pending JPH09187520A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003084564A1 (fr) * 2002-04-08 2003-10-16 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Appareil d'administration d'insuline

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003084564A1 (fr) * 2002-04-08 2003-10-16 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Appareil d'administration d'insuline

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