JP2003210591A - エレクトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤 - Google Patents

エレクトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤

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健二 森
Seiji Tokumoto
誠治 徳本
Shigeto Higo
成人 肥後
Hideji Sato
秀次 佐藤
Kenji Sugibayashi
堅次 杉林
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物等の投与化合物を効果的に投与し得るエ
レクトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤を提供す
る。 【解決手段】 エレクトロポレーション用経皮経粘膜適
用製剤は、固形または半固形状の基剤中に薬物等の投与
化合物(生理活性物質)を分散させた薬物貯留層11
と、薬物貯留層を保持するバッキング12と、薬物貯留
層11上に設けられた1対のエレクトロポレーション用
電極13とを備える。バッキング12のフランジ部には
粘着層14が設けられる。エレクトロポレーション用電
極13の薬物貯留層11上を除く少なくとも適用部位に
接する部分には絶縁層15が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロポレー
ションを用いて薬物等の投与化合物(生理活性物質)を
皮膚または粘膜から投与するためのエレクトロポレーシ
ョン用経皮経粘膜適用製剤に関するものである。
【0002】
【従来技術】エレクトロポレーションは従来、遺伝子導
入に用いられていた方法で、細胞に瞬時に高電圧を負荷
し細胞内へDNA等を導入するものである。近年、この
技術を経皮、経粘膜からの薬物送達に応用することが提
案されている(特表平3−502416号公報、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,90:10
504−10508(1993))。この技術は正負の
両電極間に負荷する電圧により、皮膚や粘膜に対して孔
を生じさせるものであり、このエレクトロポレーション
により作成された新たな可逆的なルート(孔)は物質の
膜(皮膚、粘膜)透過を増大させる。David A.
Edwardsら(Journal of Contr
olled Release 34巻、211ページ、
1995年)やA.Jadoulら(Journal
of Controlled Release、54
巻、265ページ、1998年)やRita Vanb
erver(Journal of Controll
ed Release、54巻、243ページ、199
8年 Journal of ControlledR
elease、50巻、225ページ1998年、Ph
armaceutical Research、11
巻、1657ページ、1994年)も同様に皮膚に電圧
を負荷し、エレクトロポレーションの効果を得ている。
また、Gunter A.Hofmanら(Bioel
ectrochemistry andBioener
getic、38巻、209ページ、1995年)は皮
膚を挟み込むような電極を適用しエレクトロポレーショ
ンにより担体を吸収させることに成功している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらは、いずれも実
験室でその原理、機構、現象を調べるために簡易的に用
いられているもので、実際にヒトへ適用できる製剤とは
言えない。またエレクトロポレーションの電極は直接適
用部位に接する方が効果的で、投与化合物も同時に適用
部位に接する必要がある。しかし、このように電極、投
与化合物を一体化した製剤を用いて、電極、投与化合物
を同時に適用した例はほとんどない。唯一、これを可能
にしたものとしては、WO99/22810に開示され
た電極を物質透過性膜(以下、電極膜)に保持させる例
がある。これは溶液やゲルを電極膜で保持する(覆う)
ことにより、製剤化を可能にしたものである。この方法
は保持には適しているものの化合物によっては膜を透過
しにくい物や吸着を起こす等の問題を含んでいる。
【0004】従って本発明の目的は、薬物等の投与化合
物を効果的に投与し得るエレクトロポレーション用経皮
経粘膜適用製剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するために以下の点を特に考慮した。 1.エレクトロポレーション用電極と薬物等の投与化合
物(生理活性物質)を同様に皮膚や粘膜などの投与部位
に直接適用する。 2.膜を用いると化合物の透過性の減少が生じる場合が
あるので、膜を用いることなく、電極および投与化合物
を製剤で保持する。 3.製剤から投与化合物の漏れを生じない。
【0006】即ち、上記目的は、固形または半固形状の
基剤中に投与化合物を分散させた化合物貯留層に少なく
とも1対のエレクトロポレーション用電極を配置したエ
レクトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤により、達
成される。ここで、エレクトロポレーション用電極は適
用部位に直接接するように配置され、また化合物貯留層
の少なくとも一部が適用部位に直接接するように配置さ
れることが好ましい。固形または半固形状の基剤は好適
には水性である。基剤としては寒天を用いることができ
る。
【0007】また、本発明に係るエレクトロポレーショ
ン用経皮経粘膜適用製剤は、固形または半固形状の基剤
中に投与化合物を分散させた化合物貯留層と、化合物貯
留層を保持するバッキングと、化合物貯留層上に設けら
れた少なくとも1対のエレクトロポレーション用電極と
を備える。ここで、バッキングはカップ状とすることが
できる。カップ状バッキングのフランジ部には粘着層を
設けることができる。エレクトロポレーション用電極の
一部はカップ状バッキングのフランジ部の粘着層に貼付
することができる。また、バッキングはフィルムなどを
用いてシート状とすることができる。この場合、エレク
トロポレーション用電極は化合物貯留層上に櫛形に配置
することができる。さらに、エレクトロポレーション用
電極の化合物貯留層上を除く少なくとも適用部位に接す
る箇所に絶縁層を設けることができる。
【0008】ここで、半固形状の基剤とは、薬物溶液を
溶解、分散または懸濁させた流動性の少ない、即ち粘度
の比較的高い溶液やゲルで、軟膏剤、クリーム剤、パス
タ剤、リニメント剤、ゲル剤等を言う。また固形基剤と
は、寒天で成型したようなゼリー状の基剤や、パップ
剤、ブラスター剤など保形性の高いの貼付剤に用いられ
る天然、合成、半合成のポリマーをベースとした基剤等
を言う。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るエ
レクトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤の一例を示
す図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。本例
はバッキングとしてカップ状のものを用いている。図示
のように、本製剤は、固形または半固形状の基剤中に投
与化合物(以下、薬物という)を分散させた化合物貯留
層(以下、薬物貯留層という)11と、薬物貯留層を保
持するカップ状バッキング12と、薬物貯留層上に設け
られた1対のエレクトロポレーション用電極13とを備
える。1対のエレクトロポレーション用電極13はそれ
ぞれ、薬物貯留層11を横切り、カップ状バッキング1
2のフランジ部を介して、外部に引き出されている。カ
ップ状バッキング12のフランジ部には、粘着層14が
設けられている。粘着層14は製剤を適用部位に貼付す
るためのものであるが、同時に電極13を固定する役目
も有する。また、エレクトロポレーション用電極13の
薬物貯留層11上を除く少なくとも適用部位に接する箇
所には、不要な部分へ電流を流さないための絶縁層15
が設けられる。
【0010】図2は、本発明に係るエレクトロポレーシ
ョン用経皮経粘膜適用製剤の他の例を示す断面図であ
る。本例はバッキングとしてフィルムなどのシート状の
ものを用いている。図示のように、本製剤は、固形また
は半固形状の基剤中に薬物を分散させた薬物貯留層21
と、薬物貯留層を保持するシート状バッキング22と、
薬物貯留層上に設けられた1対のエレクトロポレーショ
ン用電極23とを備える。1対のエレクトロポレーショ
ン用電極23はそれぞれ、薬物貯留層21を横切り、外
部に引き出される。
【0011】本発明に係るエレクトロポレーション用電
極13,23の材料としては、例えば、カーボン、白
金、金、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、銀、塩
化銀、銅、塩化銅、およびこれらの合金が用いられる。
これら電極は薬物貯留層が粘着性を有する場合には直接
薬物貯留層に固定してもよい。またバッキング層に固定
しても良い。
【0012】バッキングカップ12またはバッキングフ
ィルム22に用いる材料としては、例えば、加工性、柔
軟性かつ適度な保形成に優れた材料であればよく、例え
ば、不織布、塩化ビニリデン、塩化ビニル等の重合体で
ある塩素含有樹脂、オレフィン系、エステル系、スチレ
ン系、アクリル系、アミド系、オキシメチレン系、フェ
ニレンスルフィド系、アミドイミド系、アクリロニトリ
ル系、エーテルケトン、エーテルスルホン、スルホン.
エーテルイミド、ブタジエン、イソプレン等の高分子重
合体やこれらの共重合体が挙げられるが、これらに限定
されない。上記材料をフィルム状にしたもの、加工した
もの、または成型品が用いられる。厚さには特に限定は
ないが、5〜250μmの厚さにすると保形性、柔軟性
に優れている。
【0013】基剤には、投与化合物として主薬の他に、
例えば、電解質、吸収促進剤、安定化剤、pH調製剤、
増粘剤、粘着剤、界面活性剤、乳化剤、不織布などを含
んでも良い。基剤成分としては、例えば、軟膏基剤に用
いられる脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィ
ン、ろう、ポリエチレングリコール(マグロゴール)な
どが挙げられる。他の基剤成分としては、寒天、ゼラチ
ン、ポリアクリル酸およびこの塩、ポリビニルピロリド
ンおよびポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの
共重合体、メチルセルロースおよびこの誘導体、ペクチ
ン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコールおよびこ
の誘導体またはこれらのケン化物、アクリル、シリコン
系、SIS系、SBS系、ウレタン系、天然ゴム系粘着
剤およびこれらの混合物が挙げられ、さらにはこれら粘
着剤にロジン、水添ロジン、ロジンエステル、テルペン
樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂、クマロン
樹脂、クマロン−インデン樹脂などの粘着付与剤を添加
しても良い。このようなものが挙げられるがこれに限定
されない。これらの中で、水性の基剤を用いる方がよ
く、中でも寒天は薬物の吸着も少なく、製造も簡単なの
で、望ましい。
【0014】また、バッキングフィルムまたはバッキン
グカップに電極を固定する方法としては粘着剤を用いる
かシーリング剤を用いてヒートシールしてもよい。エレ
クトロポレーションの適用電圧と電極の構造はその効果
および電場分布に影響するので、一概に適用電圧を規定
することは出来ないが、10V/cm〜500V/cm
の範囲が望ましい。エレクトロポレーションのパルス波
の形状としては指数対数型波や矩形型波等が挙げられる
が、これらに限定されない。エレクトロポレーションは
生体へパルス波を1回以上適用すればよい。
【0015】本発明に用いられる薬物(生理活性物質)
としては、例えば、モルヒネ、フェンタニル、ペチジ
ン、コデイン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、
エプタゾシン、ペンタゾシンなどの中枢性鎮痛薬やイン
スリン、カルシトニン、カルシトニン関連遺伝子ペプチ
ド、バソプレッシン、デスモプレシン、プロチレリン
(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、黄体
形成ホルモン放出因子(LH−RH)、成長ホルモン放
出ホルモン(GRH)、神経成長因子(NGF)及びそ
の他の放出因子、アンジオテンシン、副甲状線ホルモン
(PTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH、サイロトロ
ピン)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモ
ン(LH)、プロラクチン、血清性性線刺激ホルモン、
胎盤性性腺刺激ホルモン(HCG)、下垂体性性腺刺激
ホルモン(HMG)、成長ホルモン、ソマトスタチン、
ソマトメジン、グルカゴン、オキシトシン、ガストリ
ン、セクレチン、エンドルフィン、エンケファリン、エ
ンドセリン、コレストキニン、ニュウロテンシン、イン
ターフェロン、インターロイキン、トランスフェリン、
エリスロポエチン(EPO)、スーパーオキサイドデス
ムターゼ(SOD)、顆粒球刺激因子(G−CSF)、
腸管血管拡張ペプチド(VIP)、ムラミルジペプチ
ド、ウロガストロン、ヒト心房性利尿ペプチド(h−A
NP)等のペプチド類、カルマバゼピン、クロルプロマ
ジン、ジアゼパム、ニトラゼパム等の精神安定薬、プレ
オマイシン、アドレアマイシン、5−フルオロウラシ
ル、マイトマイシン等の抗悪性腫瘍薬、ジギタリス、ジ
ゴキシン、ジギトキシン等の強心薬、エストラジオー
ル、テストステロン等の性ホルモン、レセルピン、クロ
ニジン等血圧降下剤が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。さらに、アンチセンスDNA、三重鎖
形成性オリゴヌクレオチドに代表されるオリゴヌクレオ
チドなども用いることできる。本発明は上記の技術によ
り効果的に薬物(生理活性物質)を皮膚や粘膜から送達
するものである。
【0016】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明に係るエレクトロ
ポレーション用経皮経粘膜適用製剤を説明するが、本発
明はこれに限定されない。
【0017】(実施例1)水に寒天末を徐々に添加し膨
潤させた。これを約90℃まで加温し完全に溶解させた
後、ジクロフェナックナトリウムを加えた。これをバッ
キングカップに添加し製剤を作製した。図3は本実施例
で用いたバッキングカップを示す図で、(a)は断面
図、(b)は平面図である。本バッキングカップは、図
3に示すように、高さが2mm、カップ底面部の直径が
20mm、フランジ部を含めたカップの直径が30mm
である。
【0018】溶液が冷え完全に固まった状態で、銀箔で
作成した板状の電極を1対(計2枚)をフランジ部に設
けられた粘着剤を用いてバッキングと張り合わせ、エレ
クトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤を作成した。
マトリックス(薬物貯留層)の詳細な処方を表1の左欄
に示す。
【0019】 (表1) 実施例1、比較例1〜3に用いた処方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 固形製剤の処方(実施例1、比較例3) 溶液処方(比較例1,2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ジクロフェナックナトリウム 2%(w/w) 2%(w/w) 寒天 1.5%(w/w) − 水 96.5%(w/w) 98%(w/w) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0020】この製剤をフランツ型拡散セルにセットし
てインビトロ皮膚透過試験を行い、ジクロフェナックナ
トリウムのヘアレスラット摘出皮膚の透過性を調べた。
エレクトロポレーションは1時間に1回、50ミリ秒幅
で200Vの矩形波型のパルスを適用した。
【0021】(比較例1)バッキングカップ(図3)に
ジクロフェナックナトリウム水溶液(処方は表1の右欄
に示す)を添加し、銀箔で作成した板状の電極1対(計
2枚)を粘着剤を用いてバッキングと張り合わせた。こ
の製剤を実施例1と同様のインビトロ透過試験に用いよ
うとしたが、薬液の漏れを生じ実験は出来なかった。
【0022】(比較例2)フランツ型拡散セルにヘアレ
スラット摘出皮膚を固定し、ドナー側ガラスセルに電極
を固定した。その後、ドナー側セルにジクロフェナック
ナトリウム水溶液(処方は表1の右欄に示す)を添加し
た。エレクトロポレーションは1時間に1回、50ミリ
秒幅で200Vの矩形波型のパルスを適用した。
【0023】(比較例3)実施例1と同様に製剤を作成
した(処方は表1の左欄に示す)。ただし、エレクトロ
ポレーション用電極は組み込まなかった。また、この製
剤を用いて実施例1と同様の透過試験を行った。ただ
し、エレクトロポレーションのパルスは適用しなかっ
た。 実施例1、比較例1,2,3の結果を表2に示
す。
【0024】 (表2) 実施例1、比較例1〜3の結果 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 比較例1 比較例2 比較例3 透過速度 148.7±21.19 −* 89.1±19.9 15.2±2.3 (μg/cm・時) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (単位は単位面積当たり、単位時間当たりの透過量(マイクログラム)) (平均±標準誤差) (*溶液の漏れを生じたために適用不可)
【0025】実施例1では製剤化してあり、簡単に適用
でき、ヒトへの投与も可能である。さらに、実施例1で
は透過速度は148.7±21.19μg/cm・時
であり、溶液で適用した場合(比較例2の場合、89.
1±19.9μg/cm・時)に比べやや高く、また
エレクトロポレーション用電極なしの製剤(比較例3の
場合、15.2±2.3μg/cm・時)と比べると
約10倍の透過性を示した。一方、比較例1では製剤か
らのジクロフェナックナトリウム水溶液の漏れを生じ、
適用することは出来なかった。比較例2では、実施例と
ほぼ同等もしくは若干低めの吸収を得たものの、製剤を
適用したものではなく、今回のインビトロ実験系では適
用できるが、ヒトへの適用は不可能である。比較例3で
は製剤化には成功しているが、エレクトロポレーション
用電極を適用していないために、エレクトロポレーショ
ンは適用できず、その透過速度は20μg/cm・時
以下であった。
【0026】以上示したように、本発明に係るエレクト
ロポレーション用経皮経粘膜適用製剤を用いることで、
適用が簡便にでき、またエレクトロポレーションの効果
を十分の引き出すことができた。
【0027】(実施例2)実施例2では、市販のテープ
剤(モーラステープ:久光製薬製)に銀電極を張り合わ
せ、テープタイプのエレクトロポレーション製剤を作製
した。図4は、このテープタイプのエレクトロポレーシ
ョン製剤の一例を示す平面図である。図の薬物基剤層4
2はケトプロフェンを含有するテープ剤の貼付面を示
す。エレクトロポレーション用電極41(陽極),43
(陰極)は、このテープ剤に、櫛形に成型した銀箔を2
枚(1対)貼付して作製したものである。櫛形の両電極
は互いに噛み合うように所定の間隔を保って配置され
る。両電極ともテープ製剤の粘着力を利用して薬物基剤
層42に固定した。テープ剤より電極が延びているのは
電源装置と接続するための端子部分である。
【0028】(実施例3)実施例3では、表3に示す処
方でハイドロキノン含有基剤を調製し、これを図1に示
す薬物貯留層11としてエレクトロポレーション用経皮
経粘膜適用製剤を作製した。このように生理活性物質を
簡便に適用できるエレクトロポレーション製剤を作製す
ることができた。
【0029】(表3) 実施例3の処方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物名 濃度%(w/w) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ハイドロキノン 5 L−アスコルビン酸 3 親水軟膏 92 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0030】(実施例4)実施例4では、表4に示す処
方でメシル酸ガベキサート含有基剤を調製し、これを図
1に示す薬物貯留層11としてエレクトロポレーション
用経皮経粘膜適用製剤を作製した。このように生理活性
物質を簡便に適用できるエレクトロポレーション製剤を
作製することができた。
【0031】(表4) 実施例4の処方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物名 濃度%(w/w) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− メシル酸ガベキサート 0.5 マグロゴール400 5.0 マグロゴール軟膏 94.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0032】以上のとおり、本発明では、投与化合物を
保持するために投与化合物を固形または半固形状の基剤
中に含有させ、さらにこの基剤の投与面に一対の電極を
設置することで、従来のような電極膜を用いることな
く、電極および投与化合物の同時適用が可能となる。ま
た、基剤中に化合物を溶解、分散、懸濁させているの
で、製剤から化合物が漏れるということもない。このよ
うに構成することにより、従来から問題となっていた点
を解決する事が出来る。
【0033】なお、上記従来技術として、膜を用いて流
出を制御した場合、薬物の膜への吸着が問題になること
を上げたが、吸着性の少ない膜を流出防止以外の目的
(例えば、電極の保形等の目的)で、これら半固形また
は固形の基剤と組み合わせて用いても良い。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、薬物等の投与化合物を
効果的に投与し得るエレクトロポレーション用経皮経粘
膜適用製剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレクトロポレーション用経皮経
粘膜適用製剤の一例を示す図で、(a)は断面図、
(b)は平面図である。
【図2】本発明に係るエレクトロポレーション用経皮経
粘膜適用製剤の他の例を示す断面図である。
【図3】実施例で用いたバッキングカップを示す図で、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図4】テープタイプのエレクトロポレーション製剤の
一例を示す平面図である。
【符号の説明】
11 薬物貯留層 12 バッキング 13 エレクトロポレーション用電極 14 粘着層 15 絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/196 A61K 31/196 31/375 31/375 47/36 47/36 A61P 25/04 A61P 25/04 39/06 39/06 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 肥後 成人 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久 光製薬株式会社筑波研究所内 (72)発明者 佐藤 秀次 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久 光製薬株式会社筑波研究所内 (72)発明者 杉林 堅次 埼玉県川越市新宿町1丁目14番46号 Fターム(参考) 4C053 HH02 HH04 4C076 AA79 BB31 CC04 EE30A FF68 GG31 4C086 BA18 MA32 MA63 NA10 ZC28 4C206 BA10 CA19 DA21 FA31 HA31 MA52 MA83 NA13 ZA02 ZB11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形または半固形状の基剤中に投与化合
    物を分散させた化合物貯留層に少なくとも1対のエレク
    トロポレーション用電極を配置したことを特徴とするエ
    レクトロポレーション用経皮経粘膜適用製剤。
  2. 【請求項2】 エレクトロポレーション用電極が適用部
    位に直接接するように配置されていることを特徴とする
    請求項1記載の製剤。
  3. 【請求項3】 化合物貯留層の少なくとも一部が適用部
    位に直接接するように配置されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の製剤。
  4. 【請求項4】 固形または半固形状の基剤が水性である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製
    剤。
  5. 【請求項5】 基剤として寒天が用いられることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
  6. 【請求項6】 固形または半固形状の基剤中に投与化合
    物を分散させた化合物貯留層と、化合物貯留層を保持す
    るバッキングと、化合物貯留層上に設けられた少なくと
    も1対のエレクトロポレーション用電極とを備えたこと
    を特徴とするエレクトロポレーション用経皮経粘膜適用
    製剤。
  7. 【請求項7】 バッキングがカップ状であることを特徴
    とする請求項6記載の製剤。
  8. 【請求項8】 カップ状バッキングのフランジ部が粘着
    層を有することを特徴とする請求項7記載の製剤。
  9. 【請求項9】 エレクトロポレーション用電極の一部が
    カップ状バッキングのフランジ部の粘着層に貼付される
    ことを特徴とする請求項8記載の製剤。
  10. 【請求項10】 バッキングがシート状であることを特
    徴とする請求項6記載の製剤。
  11. 【請求項11】 エレクトロポレーション用電極が化合
    物貯留層上に櫛形に配置されることを特徴とする請求項
    1〜10のいずれかに記載の製剤。
  12. 【請求項12】 エレクトロポレーション用電極の化合
    物貯留層上を除く少なくとも適用部位に接する箇所に絶
    縁層が設けられることを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれかに記載の製剤。
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