JPH0898728A - 厨房内の収納構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調理時の機能性と未使用時の審美的外観とを
併有する厨房内の収納構造を開示する。 【構成】 直方体の一面を省略し内部を収納スペースと
した収納ユニットと、この収納ユニットに対応して底面
が開口した格納スペースとを備え、この格納スペースに
収納ユニットを水平方向に設けた懸垂部材を介して回動
自在に懸垂した構成である。収納ユニットが懸垂状態に
あるとき収納スペースは正面に向かって開放される。ま
た、収納ユニットを格納スペースにしまい込んだとき収
納ユニットの一部と格納スペースの一部に設けた固定具
で保持する。懸垂部材は収納ユニットの上方を横貫する
横軸である。また、収納スペース内の構造は、一例とし
て懸垂部材に対して直角方向の縦棒と、この縦棒に垂直
な平面に沿って回動自在の掛棒とからなる布巾掛けを設
けてなる。さらに、格納スペースは戸棚内に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、厨房内の収納構造に
係り、格納式の収納ユニットを備えた構成に関するもの
であり、特にシステムキッチンを採用した家庭用厨房に
適する。

【０００２】

【従来の技術】従来の収納構造は、大別して業務用厨房
と家庭用厨房とに分けることができる。分説すれば、前
者では、パイプ棚に皿やボールを置き、お玉やしゃもじ
などの調理器具はフックに掛けるのというのが一般的で
ある。一方、後者では、調理台や流し台などの調理設備
とサイズ、材質、色調等を調和させた戸棚を備え付けて
おり、これらを総称してシステムキッチンと称するもの
であった。

【０００３】上述の業務用厨房における収納構造では、
調理器具が常に露出されているので、調理時に調理器具
の配置がわかりやすく、手勝手がよいという利点があ
る。一方、家庭用厨房の収納構造では、調理以外のとき
に調理器具は戸棚内に片付けられるので、厨房をすっき
りとした外観とすることができる。また戸棚の色調を他
の調理設備と調和させることによって審美性に富んだ厨
房とすることができる。このように両者はそれぞれ目的
に応じた利点を有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、一方は調理時
の機能性のみに、他方は未使用時の審美的外観のみに偏
重しているため、業務用では露出した調理器具が厨房を
雑多な雰囲気にさせる一方、特にシステムキッチンを採
用した家庭用厨房では審美的外観を追求するあまり、使
用時の機能性が二次的にされているということがいえ
る。つまり、システムキッチンにおける戸棚は、通常、
使用者の視線又は背丈より高い位置に取り付けられてい
るため、頻繁に用いる収納物の取り出しや片付けをする
際に勝手が悪かった。

【０００５】本発明は上述した課題に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、相反する性格とされ
た調理時の機能性と未使用時の審美的外観とを併有する
厨房内の収納構造を開示することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明では、直方体の一面を省略し内部を収納スペー
スとした収納ユニットと、この収納ユニットに対応して
底面が開口した格納スペースとを備え、上記格納スペー
スに上記収納ユニットを水平方向に設けた懸垂部材を介
して回動自在に懸垂した構成であって、上記収納ユニッ
トが懸垂状態にあるとき上記収納スペースは正面に向か
って開放されると共に、上記収納ユニットを格納スペー
スにしまい込んだとき収納ユニットの一部と格納スペー
スの一部に設けた固定具で保持するという手段を用い
た。また請求項２では、懸垂部材に収納ユニットの上方
を横貫する横軸を選択的に用いた。請求項３では、収納
スペースに、懸垂部材に対して直角方向の縦棒と、この
縦棒に垂直な平面に沿って回動自在の掛棒とからなる布
巾掛けを設けるという手段を採用した。さらに請求項４
では、格納スペースを戸棚内に設けた構成である。

【０００７】

【作用】上述の手段を採用した本発明に係る収納ユニッ
トは、使用時に懸垂した状態で収納スペースが正面に向
かって開放される開状態と、未使用時に格納スペースに
しまい込んだ閉状態とを有し、この範囲で収納ユニット
は回動自在である。収納ユニットが開状態では収納スペ
ース内の収納物の配置が一目瞭然であり、調理器具や調
味料の出し入れに勝手がよく機能的である。また開状態
は、箱体の背板と厨房の壁面若しくは格納スペースの内
壁とが当接することと、固定具の保持作用によって維持
される。一方、閉状態は開状態から収納ユニットの下縁
を上方に９０度回動してなり、固定具が閉状態を保持す
る作用を行う。この状態では収納ユニットは格納スペー
スに格納されると同時に収納物は遮蔽され、厨房全体の
審美性を損なうことがない。

【０００８】上述した作用に加え請求項２の態様では、
横軸は収納ユニットを回動自在に懸架する作用と、掛け
具として調理器具などを懸吊する作用とを併有する。請
求項３の態様では、違う角度で開いた掛棒それぞれに布
巾を掛けることによって、布巾の乾きが良好である。請
求項４の態様では、収納ユニットが厨房の戸棚内に格納
される。

【０００９】

【実施例】以下、添付した図面に従って本発明に係る実
施例を説明する。図１は本発明に係る収納構造を示した
ものであり、図中、１…１は収納ユニット、２は格納ス
ペース、３は調理台などの上方に備え付けの戸棚であ
る。収納ユニット１は、直方体の一面を省略した形状
で、内部に調理器具や小物などを入れる収納スペース１
ａを有しており、懸垂部材４を介して格納スペース２に
懸垂したときに、収納ユニット１ａが正面に向かって開
放する構造としてる。懸垂部材４は、収納ユニット１…
１の上方を水平に横貫する横軸であり、格納スペース２
内に固定的に横架している。また格納スペース２は、戸
棚３の底に設けられており、戸棚３内に収納ユニット１
…１に応じた空間を確保してなる。このとき戸棚３内は
底上げされた構造となる。但し、戸棚３内に格納スペー
ス２を設けることは必須ではなく、例えば既設の戸棚の
底面に開口下向きの箱状の格納スペースを取り付けても
よい。また、収納ユニットの数に限定はなく、さらに複
数の収納ユニット１を備える場合には、それぞれの形状
や大きさを統一する必要はない。

【００１０】図２は、収納スペース１ａにおける収納構
造を例示したものである。図２のＡは、収納スペース１
ａに前後（紙面奥から手前に）に倒置するパイプ棚５を
設けたものであって、パイプ棚５を倒した状態では例え
ばボールや皿などを載置して水切りを行うことができ
る。同図、Ｂはラップやペーパータオルを収納するもの
であって、滑り落ち防止の駐止部材６を設けている。ま
た、Ｃは収納スペースに網棚７を二段に設けており、調
味料や小物を載置することができる。さらに、Ｄは収納
スペースに横棒（図示せず）を架設し、これにお玉や泡
立て器などの調理器具を掛けることができる。

【００１１】さらに、図３は布巾掛けを設けた収納構造
を示したものであって、懸垂部材４に対して直角方向と
なるように収納スペース１ａに固定した縦棒８と、この
縦棒８に垂直な平面に沿って回動自在の掛棒９…９とを
有している。掛棒９…９は独立して回動するので、掛棒
９…９それぞれを違う角度で開いた状態にすることによ
って、これに掛けた布巾を効率よく乾燥させることがで
きる。なお、収納スペース１ａ内の収納構造は目的の収
納物に応じて多種にわたり、ここに例示した構造だけに
限定されない。また本発明では収納スペース１ａに、従
来の収納構造を適用することができる。

【００１２】次に、図１に示した構成の収納構造に基づ
いて本実施例の使用例を明らかにする。先ず収納ユニッ
ト１が開状態、つまり収納スペース１が懸垂した状態で
は、収納スペース１ａは正面に向かって開放され、この
収納スペース１ａがちょうど調理者の視線レベルに位置
するので、調理器具や小物の配置が一目瞭然であり、こ
れら収納物の出し入れに手勝手がよい。また、懸垂部材
４を収納スペース１ａに露出させて収納ユニット１に横
貫したときは、この懸垂部材４に直接お玉やしゃもじ等
の調理器具を掛けることもできる。

【００１３】続いて、収納ユニット１…１は懸垂部材４
を軸に回動自在であるので、開状態から収納ユニット１
を上方に９０度回動させた閉状態、つまり収納スペース
１ａをしまい込んだときは、収納物は収納ユニット１と
共に格納スペース２内に格納される。従って、調理時以
外には厨房内をすっきりとした外観とすることができ、
特に未使用時の審美的外観を重視したシステムキッチン
の収納構造として好適である。ここで、収納ユニット１
…１それぞれを別々に回動させることができるのは勿論
である。また、収納ユニット１の懸垂部材４が横貫する
部分に、つめとつめ車とからなる間欠機構を採用するこ
とによって、任意の角度で収納ユニット１の開きを固定
させることもできる。

【００１４】ところで、未使用時には収納ユニット１を
閉状態に保持する必要がある。そのために、固定具とし
て収納ユニット１に突起を設け、収納ユニット１を閉じ
たときに上記突起と係止する格納スペース２に凹部を設
けて、両者を摩擦的に係合することが考えられるが、固
定具の実例はこれに限らず、その他、突起とフックや凹
凸自在の突起と止め穴などを採用することもある。さら
に、収納ユニット１の一部と格納スペース２の一部とを
架け渡して、伸縮自在なエアダンパを取り付けることも
あり、収納ユニット１をやや上方に押し上げることによ
ってワンタッチで閉状態を開放でき、また開状態の保持
も確実である。ここで固定具は、閉状態のときに収納ユ
ニット１と収納物の重さに耐え得ることが必要である。
なお、収納ユニット１を手動で回動させるために、収納
ユニット１に取っ手を設けることは自由である。

【００１５】なお、上記実施例では横軸を横貫させて収
納ユニット１…１を回動自在に懸垂する構成としたが、
その他、図４に示したように、開状態の収納ユニット１
０…１０の上面に上記横棒を挿嵌するリング１１を付設
した構成であってもよい。さらに、図５に示したよう
に、収納ユニット１２の上方両端に上記横軸と同方向の
突起１３…１３を設け、収納ユニット１２…１２を格納
スペース１４…１４それぞれに懸垂する構成であっても
よい。この構成では、収納ユニット１２毎に１個の格納
スペース１４を有するのである。

【００１６】

【発明の効果】以上、説明したように本発明に係る収納
構造は、調理時に収納ユニットを開状態にすることによ
って、収納物の出し入れに勝手がよく機能的である。ま
た、収納ユニットは格納式であるので、調理以外のとき
は収納ユニットを開状態から閉状態にすることによって
収納物は遮蔽され、厨房全体が片付いた雰囲気となり、
特にシステムキッチンの収納構造として好適である。

【００１７】また上記効果に加えて、請求項２では、横
軸に調理器具などを直接吊り下げることができる。また
請求項３では、布巾の乾きが良好である。さらに請求項
４では、収納ユニットは戸棚内に格納されるので、未使
用時における厨房の審美性をさらに向上させることがで
きた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る収納構造を示した斜視図

【図２】〔Ａ〕・〔Ｂ〕・〔Ｃ〕・〔Ｄ〕は収納ユニッ
ト内の収納構造を示した斜視図

【図３】収納ユニット内の別の収納構造を示した斜視図

【図４】収納ユニットの懸垂部分の別構成を示した斜視
図

【図５】収納ユニットの懸垂部分の他の構成を示した斜
視図

【符号の説明】

１…１ 収納ユニット ２ 格納スペース ３ 戸棚 ４ 懸垂部材 ８ 縦棒 ９ 掛棒

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】直方体の一面を省略し内部を収納スペース
   とした収納ユニットと、この収納ユニットに対応して底
   面が開口した格納スペースとを備え、上記格納スペース
   に上記収納ユニットを水平方向に設けた懸垂部材を介し
   て回動自在に懸垂した構成であって、上記収納ユニット
   が懸垂状態にあるとき上記収納スペースは正面に向かっ
   て開放されると共に、上記収納ユニットを格納スペース
   にしまい込んだとき収納ユニットの一部と格納スペース
   の一部に設けた固定具で保持することを特徴とした厨房
   内の収納構造。
2. 【請求項２】懸垂部材は、収納ユニットの上方を横貫す
   る横軸である請求項１記載の厨房内の収納構造。
3. 【請求項３】収納スペースに、懸垂部材に対して直角方
   向の縦棒と、この縦棒に垂直な平面に沿ってそれぞれが
   独立して回動自在な複数本の掛棒とからなる布巾掛けを
   設けた請求項１又は請求項２記載の厨房内の収納構造。
4. 【請求項４】格納スペースを戸棚内に設けた請求項１、
   請求項２又は請求項３記載の厨房内の収納構造。