JPH0896325A - 磁気ヘッド及び磁気ディスク装置 - Google Patents
磁気ヘッド及び磁気ディスク装置Info
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- JPH0896325A JPH0896325A JP22833794A JP22833794A JPH0896325A JP H0896325 A JPH0896325 A JP H0896325A JP 22833794 A JP22833794 A JP 22833794A JP 22833794 A JP22833794 A JP 22833794A JP H0896325 A JPH0896325 A JP H0896325A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 記録磁界分布のトラック幅方向への拡がりを
抑制し、高トラック密度化に適したシ−ルド兼用型記録
再生分離ヘッドを提供する。 【構成】 非磁性基板1上に磁気センサ4を挟んで積層
された第1及び第2の軟磁性薄膜2,8を設け、その上
に非磁性層9を介して薄膜磁極12を形成し、第1及び
第2の軟磁性薄膜2,8は磁気シールド層としての機能
を有し、薄膜磁極12と第2の軟磁性薄膜8とは一対の
記録磁極を構成する。ここで第2の軟磁性薄膜8は、少
なくとも記録ギャップ部近傍において、薄膜磁極に対向
する部分以外の上面又は下面部分に反強磁性膜7又は永
久磁石膜を設け、透磁率を下げる。
抑制し、高トラック密度化に適したシ−ルド兼用型記録
再生分離ヘッドを提供する。 【構成】 非磁性基板1上に磁気センサ4を挟んで積層
された第1及び第2の軟磁性薄膜2,8を設け、その上
に非磁性層9を介して薄膜磁極12を形成し、第1及び
第2の軟磁性薄膜2,8は磁気シールド層としての機能
を有し、薄膜磁極12と第2の軟磁性薄膜8とは一対の
記録磁極を構成する。ここで第2の軟磁性薄膜8は、少
なくとも記録ギャップ部近傍において、薄膜磁極に対向
する部分以外の上面又は下面部分に反強磁性膜7又は永
久磁石膜を設け、透磁率を下げる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッド及び磁気デ
ィスク装置に係り、特に高トラック密度化に適した磁気
ヘッド及び磁気ディスク装置に関する。
ィスク装置に係り、特に高トラック密度化に適した磁気
ヘッド及び磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化を図るため、記録・
再生の機能を分離した記録再生分離型の磁気ヘッドが提
案されている。記録再生分離型ヘッドの構造として、磁
気抵抗素子を用いた再生ヘッドの上に、誘導型磁気ヘッ
ドを積層し、記録ヘッドと再生ヘッドとで一部の軟磁性
薄膜を共用する構造が知られている。このような構造の
薄膜ヘッドに関しては、アイ・イー・イー・イー・トラ
ンザクション・オン・マグネティクス・エム・エー・ジ
ー17(1981年)第2890〜2892頁〔IEEE Trans. Ma
gnetics, MAG17(1981)pp2890-2892〕において論じられ
ている。以下、これをシールド兼用型記録再生分離ヘッ
ドと呼ぶ。
再生の機能を分離した記録再生分離型の磁気ヘッドが提
案されている。記録再生分離型ヘッドの構造として、磁
気抵抗素子を用いた再生ヘッドの上に、誘導型磁気ヘッ
ドを積層し、記録ヘッドと再生ヘッドとで一部の軟磁性
薄膜を共用する構造が知られている。このような構造の
薄膜ヘッドに関しては、アイ・イー・イー・イー・トラ
ンザクション・オン・マグネティクス・エム・エー・ジ
ー17(1981年)第2890〜2892頁〔IEEE Trans. Ma
gnetics, MAG17(1981)pp2890-2892〕において論じられ
ている。以下、これをシールド兼用型記録再生分離ヘッ
ドと呼ぶ。
【0003】図4に、シールド兼用型記録再生分離ヘッ
ドの例を示す。この磁気ヘッドは基体1の上に形成され
た記録用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用の磁気抵抗型
ヘッドを組み合わせた記録再生分離型ヘッドである。磁
気抵抗センサ4を下部シールド層2と上部シールド層8
で挟んだ部分が再生ヘッドとして働き、コイル10を挟
む上部記録磁極12と、上部シールド層8が下部記録磁
極を兼ねて記録ヘッドとして働く。磁気抵抗センサ4か
らの出力信号は導体層5を介して外部に取り出される。
ドの例を示す。この磁気ヘッドは基体1の上に形成され
た記録用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用の磁気抵抗型
ヘッドを組み合わせた記録再生分離型ヘッドである。磁
気抵抗センサ4を下部シールド層2と上部シールド層8
で挟んだ部分が再生ヘッドとして働き、コイル10を挟
む上部記録磁極12と、上部シールド層8が下部記録磁
極を兼ねて記録ヘッドとして働く。磁気抵抗センサ4か
らの出力信号は導体層5を介して外部に取り出される。
【0004】シールド兼用型記録再生分離型ヘッドは、
記録ヘッドと再生ヘッドが接近しているため、ヘッドが
ディスク円周方向に対して傾いた場合、即ちヨー角(傾
き角)が発生した場合の記録トラックと再生トラックの
ずれを小さくでき、さらに製膜プロセスを簡略化できる
という特徴がある。
記録ヘッドと再生ヘッドが接近しているため、ヘッドが
ディスク円周方向に対して傾いた場合、即ちヨー角(傾
き角)が発生した場合の記録トラックと再生トラックの
ずれを小さくでき、さらに製膜プロセスを簡略化できる
という特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シールド層が
記録ヘッドの磁極を兼ねる場合には、そのトラック幅方
向の寸法が問題になる。一般に磁気抵抗効果素子はトラ
ック幅方向に異方性を付与するため、その長さはトラッ
ク幅よりも長くする必要がある。この場合、トラック幅
以外の部分で生じるノイズを抑えるため、シールド層と
しては、磁気抵抗効果素子全体を覆うことが望ましい。
一方、記録用の磁極は、その寸法をトラック幅と一致さ
せる必要がある。このため、上部記録磁極はトラック幅
に一致させ、下部記録磁極を兼ねた上部シールド層は磁
気抵抗効果素子全体を覆うような長さとする構造がとら
れている。しかし、この場合、記録用磁極としては上部
記録磁極と下部記録磁極のトラック幅が一致しないの
で、磁極端部で記録にじみが生じやすく、良好な記録特
性を得ることは困難である。
記録ヘッドの磁極を兼ねる場合には、そのトラック幅方
向の寸法が問題になる。一般に磁気抵抗効果素子はトラ
ック幅方向に異方性を付与するため、その長さはトラッ
ク幅よりも長くする必要がある。この場合、トラック幅
以外の部分で生じるノイズを抑えるため、シールド層と
しては、磁気抵抗効果素子全体を覆うことが望ましい。
一方、記録用の磁極は、その寸法をトラック幅と一致さ
せる必要がある。このため、上部記録磁極はトラック幅
に一致させ、下部記録磁極を兼ねた上部シールド層は磁
気抵抗効果素子全体を覆うような長さとする構造がとら
れている。しかし、この場合、記録用磁極としては上部
記録磁極と下部記録磁極のトラック幅が一致しないの
で、磁極端部で記録にじみが生じやすく、良好な記録特
性を得ることは困難である。
【0006】この対策としては、特開平2−20881
2号公報に示されているように、兼用する磁性層の下部
及び上部の寸法をそれぞれシールド層及び磁極に必要な
幅に一致させる。すなわち、磁性層の断面にテーパーま
たは段差を設けて、磁性層の上部と下部で寸法を変える
方法がある。しかし、この方法で記録にじみを十分低減
させるためには、兼用する磁性層を厚くする必要がある
ため、結果的に記録ギャップ部と再生ギャップ部の距離
が遠くなり、ヘッドがディスク円周方向に対して傾いた
場合、即ちヨー角(傾き角)が発生した場合の記録トラ
ックと再生トラックのずれを小さくできないといった問
題が生じ、シールド兼用型記録再生分離ヘッドとしての
メリットを損なう恐れがある。
2号公報に示されているように、兼用する磁性層の下部
及び上部の寸法をそれぞれシールド層及び磁極に必要な
幅に一致させる。すなわち、磁性層の断面にテーパーま
たは段差を設けて、磁性層の上部と下部で寸法を変える
方法がある。しかし、この方法で記録にじみを十分低減
させるためには、兼用する磁性層を厚くする必要がある
ため、結果的に記録ギャップ部と再生ギャップ部の距離
が遠くなり、ヘッドがディスク円周方向に対して傾いた
場合、即ちヨー角(傾き角)が発生した場合の記録トラ
ックと再生トラックのずれを小さくできないといった問
題が生じ、シールド兼用型記録再生分離ヘッドとしての
メリットを損なう恐れがある。
【0007】また、特開平4−44610号公報に示さ
れているように、記録ヘッドと再生ヘッドのトラック幅
方向両端部を切り取って両ヘッドの摺動面側を凸形にす
れば、ヨー角(傾き角)が発生した場合の記録トラック
と再生トラックのずれを抑制しつつ、磁極端部での記録
にじみを低減できる。しかし、この方式では、成膜した
記録ヘッドと再生ヘッドの一部を切り取る工程が必要に
なり、磁気抵抗効果型再生ヘッドの形状が複雑になると
いう問題が生じる。
れているように、記録ヘッドと再生ヘッドのトラック幅
方向両端部を切り取って両ヘッドの摺動面側を凸形にす
れば、ヨー角(傾き角)が発生した場合の記録トラック
と再生トラックのずれを抑制しつつ、磁極端部での記録
にじみを低減できる。しかし、この方式では、成膜した
記録ヘッドと再生ヘッドの一部を切り取る工程が必要に
なり、磁気抵抗効果型再生ヘッドの形状が複雑になると
いう問題が生じる。
【0008】さらに、近年、磁気ディスク装置の高記録
密度化を達成するために、高線記録密度化と併せて高ト
ラック密度化が進められており、これに伴い、記録トラ
ック幅も5μm以下と狭くなりつつある。従って、トラ
ック全周にわたって均一な記録トラック幅に保つことが
より重要となる。
密度化を達成するために、高線記録密度化と併せて高ト
ラック密度化が進められており、これに伴い、記録トラ
ック幅も5μm以下と狭くなりつつある。従って、トラ
ック全周にわたって均一な記録トラック幅に保つことが
より重要となる。
【0009】これに対し、従来のシールド兼用型記録再
生分離ヘッドでは、記録ヘッド磁界がトラック幅方向に
拡がるため、トラック1周分を均一な記録トラック幅に
保つことが困難である。ヘッド・媒体間スペーシング
0.1μmの位置における、従来のシールド兼用型記録
再生分離ヘッドの3次元磁界分布を有限要素法シミュレ
ーションにより求めた結果を図9に示す。シミュレーシ
ョンは、上部磁極が厚さ2.1μm、トラック幅6.5
μm、比透磁率300、飽和磁束密度1.7Tであり、
下部磁極が厚さ1.3μm、比透磁率800、飽和磁束
密度1.0Tであり、ギャップ長0.4μm、ギャップ
深さ1μm、記録起磁力0.70AT0p(アンペア・
ターン・ゼロ・ツー・ピーク)として行った。図9か
ら、記録ヘッド磁界がトラック幅方向に拡がっているこ
とがわかる。図10は、図9の結果をもとに、トラック
中心、上部磁極端の内側0.43μm及び外側0.17
μmの位置における記録ビット方向の磁界分布を取り出
した結果である。上部磁極端の外側0.17μmでの磁
界強度はトラック中心の40%で、磁界勾配は緩やかに
なっている。図中、Hcは記録媒体の保磁力を表す。
生分離ヘッドでは、記録ヘッド磁界がトラック幅方向に
拡がるため、トラック1周分を均一な記録トラック幅に
保つことが困難である。ヘッド・媒体間スペーシング
0.1μmの位置における、従来のシールド兼用型記録
再生分離ヘッドの3次元磁界分布を有限要素法シミュレ
ーションにより求めた結果を図9に示す。シミュレーシ
ョンは、上部磁極が厚さ2.1μm、トラック幅6.5
μm、比透磁率300、飽和磁束密度1.7Tであり、
下部磁極が厚さ1.3μm、比透磁率800、飽和磁束
密度1.0Tであり、ギャップ長0.4μm、ギャップ
深さ1μm、記録起磁力0.70AT0p(アンペア・
ターン・ゼロ・ツー・ピーク)として行った。図9か
ら、記録ヘッド磁界がトラック幅方向に拡がっているこ
とがわかる。図10は、図9の結果をもとに、トラック
中心、上部磁極端の内側0.43μm及び外側0.17
μmの位置における記録ビット方向の磁界分布を取り出
した結果である。上部磁極端の外側0.17μmでの磁
界強度はトラック中心の40%で、磁界勾配は緩やかに
なっている。図中、Hcは記録媒体の保磁力を表す。
【0010】この場合、上部磁極端の外側では、ヘッド
磁界強度が不十分な状態で記録が行われ、媒体に形成さ
れる記録磁化は、媒体内に発生する反磁界の影響を受け
やすくなる。具体的には、ビット長が長い場合(線記録
密度が低い場合)は反磁界が比較的小さいため、ヘッド
磁界強度が不十分でも記録磁化が形成されやすいが、ビ
ット長が短い場合(線記録密度が高い場合)は反磁界が
大きくなるため、ヘッド磁界強度が不十分なときには記
録磁化が形成されにくくなる。このため、上部磁極端の
外側では、低密度信号に相当するような記録磁化は形成
されるが、高密度信号に相当するような記録磁化は形成
されにくくなる。従って、記録磁界がトラック幅方向に
拡がる記録ヘッドで記録を行うと、ビット長の減少に伴
い、実効的な記録トラック幅が減少する。
磁界強度が不十分な状態で記録が行われ、媒体に形成さ
れる記録磁化は、媒体内に発生する反磁界の影響を受け
やすくなる。具体的には、ビット長が長い場合(線記録
密度が低い場合)は反磁界が比較的小さいため、ヘッド
磁界強度が不十分でも記録磁化が形成されやすいが、ビ
ット長が短い場合(線記録密度が高い場合)は反磁界が
大きくなるため、ヘッド磁界強度が不十分なときには記
録磁化が形成されにくくなる。このため、上部磁極端の
外側では、低密度信号に相当するような記録磁化は形成
されるが、高密度信号に相当するような記録磁化は形成
されにくくなる。従って、記録磁界がトラック幅方向に
拡がる記録ヘッドで記録を行うと、ビット長の減少に伴
い、実効的な記録トラック幅が減少する。
【0011】記録トラック幅の定義を図12により説明
する。記録トラック幅とは、信号を記録することで媒体
に形成された記録磁化領域のトラック幅を意味し、信号
を記録後、自己誘導型ヘッドでオフトラックしながら再
生し、再生出力を測定して見積もったものである。
する。記録トラック幅とは、信号を記録することで媒体
に形成された記録磁化領域のトラック幅を意味し、信号
を記録後、自己誘導型ヘッドでオフトラックしながら再
生し、再生出力を測定して見積もったものである。
【0012】図13は、図4に示した構造のシールド兼
用型記録再生分離ヘッドを用いて媒体に信号を記録した
場合における、記録トラック幅の広がりの線記録密度依
存性の測定結果である。ここで記録トラック幅の広がり
とは、上部記録磁極のトラック幅と、実際に記録された
記録トラック幅との差を意味する。信号の線記録密度が
30kFCI(kilo Flux Change per Inch)から15
0kFCIに増加すると、記録トラック幅は約0.8μ
m減少する。
用型記録再生分離ヘッドを用いて媒体に信号を記録した
場合における、記録トラック幅の広がりの線記録密度依
存性の測定結果である。ここで記録トラック幅の広がり
とは、上部記録磁極のトラック幅と、実際に記録された
記録トラック幅との差を意味する。信号の線記録密度が
30kFCI(kilo Flux Change per Inch)から15
0kFCIに増加すると、記録トラック幅は約0.8μ
m減少する。
【0013】磁気ディスク装置では、ランダムデータを
記録するため、ある磁化反転から次の磁化反転までの間
隔は一定ではなく、この間隔が長い場合もあれば、短い
場合もある。この間隔が長い場合は線記録密度の低い信
号(低密度信号)を記録した場合に相当し、この間隔が
短い場合は線記録密度の高い信号(高密度信号)を記録
した場合に相当する。
記録するため、ある磁化反転から次の磁化反転までの間
隔は一定ではなく、この間隔が長い場合もあれば、短い
場合もある。この間隔が長い場合は線記録密度の低い信
号(低密度信号)を記録した場合に相当し、この間隔が
短い場合は線記録密度の高い信号(高密度信号)を記録
した場合に相当する。
【0014】図20(a)に記録磁界のトラック幅方向
への拡がりを抑制したヘッドで記録をした場合の記録磁
化状態を、図20(b)に記録磁界がトラック幅方向に
拡がるヘッドで記録をした場合の記録磁化状態を、それ
ぞれ模式的に示す。記録磁界の拡がりを抑制したヘッド
では、信号の密度によらず記録トラック幅をほぼ一定に
保つことができるため、図20(a)に示すように、記
録トラック幅を十分な信号S/Nを確保するために最低
限必要なトラック幅に一致させることが可能となる。よ
って高トラック密度化を実現できる。これに対し、記録
磁界がトラック幅方向に拡がるヘッドでは、低密度信号
を記録したときの記録トラック幅は、高密度信号を記録
したときより広くなる。この結果、図20(b)に示す
ように、記録トラック幅は、十分な信号S/Nを確保す
るために最低限必要なトラック幅よりも大きくなり、ト
ラック密度を高くするのが困難になる。
への拡がりを抑制したヘッドで記録をした場合の記録磁
化状態を、図20(b)に記録磁界がトラック幅方向に
拡がるヘッドで記録をした場合の記録磁化状態を、それ
ぞれ模式的に示す。記録磁界の拡がりを抑制したヘッド
では、信号の密度によらず記録トラック幅をほぼ一定に
保つことができるため、図20(a)に示すように、記
録トラック幅を十分な信号S/Nを確保するために最低
限必要なトラック幅に一致させることが可能となる。よ
って高トラック密度化を実現できる。これに対し、記録
磁界がトラック幅方向に拡がるヘッドでは、低密度信号
を記録したときの記録トラック幅は、高密度信号を記録
したときより広くなる。この結果、図20(b)に示す
ように、記録トラック幅は、十分な信号S/Nを確保す
るために最低限必要なトラック幅よりも大きくなり、ト
ラック密度を高くするのが困難になる。
【0015】例えば、高密度信号を記録した場合でも十
分な信号S/Nを確保するために必要なトラック幅が2
μm、ガードバンドが0.2μmであるとすると、トラ
ック幅が変動しない場合には、トラックピッチ2.4μ
m、トラック密度10.58kTPIを達成可能となる
のに対し、上記従来技術では0.8μmのトラック幅変
動があるため、トラックピッチ3.2μm、トラック密
度7.94kTPIとなり、高トラック密度化が困難に
なる。
分な信号S/Nを確保するために必要なトラック幅が2
μm、ガードバンドが0.2μmであるとすると、トラ
ック幅が変動しない場合には、トラックピッチ2.4μ
m、トラック密度10.58kTPIを達成可能となる
のに対し、上記従来技術では0.8μmのトラック幅変
動があるため、トラックピッチ3.2μm、トラック密
度7.94kTPIとなり、高トラック密度化が困難に
なる。
【0016】本発明の目的は、記録磁界分布のトラック
幅方向への拡がりを抑制し、ビット長の増大に伴う記録
トラック幅の増大を抑制した、高トラック密度化に適し
たシールド兼用型記録再生分離ヘッドを提供すると共
に、高トラック密度化された磁気ディスク装置を提供す
ることである。
幅方向への拡がりを抑制し、ビット長の増大に伴う記録
トラック幅の増大を抑制した、高トラック密度化に適し
たシールド兼用型記録再生分離ヘッドを提供すると共
に、高トラック密度化された磁気ディスク装置を提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明においては、シー
ルド兼用型記録再生分離ヘッドの記録磁極を兼ねるシー
ルド層の透磁率を場所によって変化させることによって
前記目的を達成する。具体的には、トラック幅に等しい
幅を有する第1の軟磁性薄膜と、トラック幅よりも広い
幅を有する第2の軟磁性薄膜と、第1の軟磁性薄膜と第
2の軟磁性薄膜の間に配置された磁気センサを含み、第
1の軟磁性薄膜と第2の軟磁性薄膜とで一対の記録磁極
を構成する磁気ヘッドにおいて、第2の軟磁性薄膜は、
少なくとも記録ギャップ部近傍において、第1の軟磁性
薄膜に対向する部分の透磁率が他の部分の透磁率より高
いことを特徴とする。
ルド兼用型記録再生分離ヘッドの記録磁極を兼ねるシー
ルド層の透磁率を場所によって変化させることによって
前記目的を達成する。具体的には、トラック幅に等しい
幅を有する第1の軟磁性薄膜と、トラック幅よりも広い
幅を有する第2の軟磁性薄膜と、第1の軟磁性薄膜と第
2の軟磁性薄膜の間に配置された磁気センサを含み、第
1の軟磁性薄膜と第2の軟磁性薄膜とで一対の記録磁極
を構成する磁気ヘッドにおいて、第2の軟磁性薄膜は、
少なくとも記録ギャップ部近傍において、第1の軟磁性
薄膜に対向する部分の透磁率が他の部分の透磁率より高
いことを特徴とする。
【0018】また、非磁性基板上に磁気センサを挟んで
積層された第1及び第2の軟磁性薄膜と、第2の軟磁性
薄膜上に非磁性層を介して形成されたトラック幅に等し
い幅を有する薄膜磁極とを含み、第1及び第2の軟磁性
薄膜は磁気シールド層としての機能を有し、薄膜磁極と
第2の軟磁性薄膜とは一対の記録磁極を構成する磁気ヘ
ッドにおいて、第2の軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギ
ャップ部近傍において、薄膜磁極に対向する部分の透磁
率が他の部分の透磁率より高いことを特徴とする。
積層された第1及び第2の軟磁性薄膜と、第2の軟磁性
薄膜上に非磁性層を介して形成されたトラック幅に等し
い幅を有する薄膜磁極とを含み、第1及び第2の軟磁性
薄膜は磁気シールド層としての機能を有し、薄膜磁極と
第2の軟磁性薄膜とは一対の記録磁極を構成する磁気ヘ
ッドにおいて、第2の軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギ
ャップ部近傍において、薄膜磁極に対向する部分の透磁
率が他の部分の透磁率より高いことを特徴とする。
【0019】また、非磁性基板上に磁気センサを挟んで
積層された軟磁性薄膜及びトラック幅に等しい幅を有す
る薄膜磁極を含み、軟磁性薄膜及び薄膜磁極は一対の記
録磁極を構成する磁気ヘッドにおいて、軟磁性薄膜は、
少なくとも記録ギャップ部近傍において、薄膜磁極に対
向する部分の透磁率が他の部分の透磁率より高いことを
特徴とする。記録磁極を兼ねるシールド層の透磁率制御
は、その軟磁性薄膜の上面又は下面の必要部分に反強磁
性膜又は永久磁石膜を設けることによって行うことがで
きる。
積層された軟磁性薄膜及びトラック幅に等しい幅を有す
る薄膜磁極を含み、軟磁性薄膜及び薄膜磁極は一対の記
録磁極を構成する磁気ヘッドにおいて、軟磁性薄膜は、
少なくとも記録ギャップ部近傍において、薄膜磁極に対
向する部分の透磁率が他の部分の透磁率より高いことを
特徴とする。記録磁極を兼ねるシールド層の透磁率制御
は、その軟磁性薄膜の上面又は下面の必要部分に反強磁
性膜又は永久磁石膜を設けることによって行うことがで
きる。
【0020】また、本発明においては、シールド兼用型
記録再生分離ヘッドの記録磁極を兼ねるシールド層のデ
ィスク対向面のトラック幅方向の長さを、他方の薄膜磁
極のトラック幅方向の長さに1μm加算した値より小さ
くすることによって前記目的を達成する。磁気センサと
しては、磁気抵抗効果素子や巨大磁気抵抗効果素子を用
いることができる。また、一対の磁極を構成する軟磁性
膜の少なくとも一方は、アモルファス軟磁性膜又は非磁
性層もしくは高比抵抗の金属を介して積層した多層軟磁
性膜とすることができる。
記録再生分離ヘッドの記録磁極を兼ねるシールド層のデ
ィスク対向面のトラック幅方向の長さを、他方の薄膜磁
極のトラック幅方向の長さに1μm加算した値より小さ
くすることによって前記目的を達成する。磁気センサと
しては、磁気抵抗効果素子や巨大磁気抵抗効果素子を用
いることができる。また、一対の磁極を構成する軟磁性
膜の少なくとも一方は、アモルファス軟磁性膜又は非磁
性層もしくは高比抵抗の金属を介して積層した多層軟磁
性膜とすることができる。
【0021】
【作用】記録磁極を兼ねる軟磁性シールド層の上面又は
下面の必要部分に反強磁性膜又は永久磁石膜を設ける
と、その部分の透磁率はほぼ半分に減少する。このよう
にして、上部記録磁極に対向した部分以外の下部記録磁
極部分の透磁率を他の部分の透磁率より低くすると、下
部記録磁極へ廻り込む磁束は、上部記録磁極に対向した
下部記録磁極部分に集中する。従って、トラック幅方向
の記録磁界分布の拡がりを抑制できる。
下面の必要部分に反強磁性膜又は永久磁石膜を設ける
と、その部分の透磁率はほぼ半分に減少する。このよう
にして、上部記録磁極に対向した部分以外の下部記録磁
極部分の透磁率を他の部分の透磁率より低くすると、下
部記録磁極へ廻り込む磁束は、上部記録磁極に対向した
下部記録磁極部分に集中する。従って、トラック幅方向
の記録磁界分布の拡がりを抑制できる。
【0022】また、下部記録磁極のディスク対向面のト
ラック幅方向の長さを、上部記録磁極のトラック幅方向
の長さに1μm加算した値より小さくすると、下部記録
磁極へ廻り込む磁束は、上部記録磁極に対向した下部記
録磁極部分及びその付近に集中する。従って、トラック
幅方向の記録磁界分布の拡がりを抑制できる。この結
果、記録磁界分布のトラック幅方向への拡がりを抑制
し、ビット長の増大に伴う記録トラック幅の増大を抑制
した、高トラック密度化に適したシールド兼用型記録再
生分離ヘッドを提供すると共に、高トラック密度化され
た磁気ディスク装置を提供することができる。
ラック幅方向の長さを、上部記録磁極のトラック幅方向
の長さに1μm加算した値より小さくすると、下部記録
磁極へ廻り込む磁束は、上部記録磁極に対向した下部記
録磁極部分及びその付近に集中する。従って、トラック
幅方向の記録磁界分布の拡がりを抑制できる。この結
果、記録磁界分布のトラック幅方向への拡がりを抑制
し、ビット長の増大に伴う記録トラック幅の増大を抑制
した、高トラック密度化に適したシールド兼用型記録再
生分離ヘッドを提供すると共に、高トラック密度化され
た磁気ディスク装置を提供することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 〔実施例1〕図1に模式的に構造を示す磁気ヘッドを作
製した。この磁気ヘッドは、基体1上に形成された記録
用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用の磁気抵抗効果型ヘ
ッドを組み合わせた記録再生分離型ヘッドである。非磁
性層3、磁気抵抗センサ4、導体層5及び非磁性層6を
下部シールド層2と上部シールド層8で挟んだ部分が再
生ヘッドとして働き、非磁性層9、コイル10及び非磁
性層11を上部シールド層8と上部記録磁極12で挟ん
だ部分が記録ヘッドとして働く。磁気抵抗センサ4から
の出力信号は導体層5を介して外部に取り出される。磁
極用材料は、CoNiFe,NiFe,FeAlSi,
FeTaN,FeTaCAlなどの多結晶軟磁性薄膜、
CoTaZrなどのアモルファス軟磁性薄膜、FeSi
/SiO 2 ,FeTaN人工格子多層膜のいずれでもよ
い。また、磁気抵抗効果型ヘッドとしては、NiFe,
CoNiFe単層膜、NiFe/Cu/NiFe,Ni
Fe/Co/Cu/NiFeスピンバルブ膜、巨大磁気
抵抗効果膜のいずれを用いてもよい。
る。 〔実施例1〕図1に模式的に構造を示す磁気ヘッドを作
製した。この磁気ヘッドは、基体1上に形成された記録
用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用の磁気抵抗効果型ヘ
ッドを組み合わせた記録再生分離型ヘッドである。非磁
性層3、磁気抵抗センサ4、導体層5及び非磁性層6を
下部シールド層2と上部シールド層8で挟んだ部分が再
生ヘッドとして働き、非磁性層9、コイル10及び非磁
性層11を上部シールド層8と上部記録磁極12で挟ん
だ部分が記録ヘッドとして働く。磁気抵抗センサ4から
の出力信号は導体層5を介して外部に取り出される。磁
極用材料は、CoNiFe,NiFe,FeAlSi,
FeTaN,FeTaCAlなどの多結晶軟磁性薄膜、
CoTaZrなどのアモルファス軟磁性薄膜、FeSi
/SiO 2 ,FeTaN人工格子多層膜のいずれでもよ
い。また、磁気抵抗効果型ヘッドとしては、NiFe,
CoNiFe単層膜、NiFe/Cu/NiFe,Ni
Fe/Co/Cu/NiFeスピンバルブ膜、巨大磁気
抵抗効果膜のいずれを用いてもよい。
【0024】本実施例の磁気ヘッドは、上部シールド層
8の上部記録磁極12に実質的に対向しない部分に透磁
率制御膜7を設け、上部シールド層8の上部記録磁極1
2に実質的に対向しない部分の透磁率を、上部シールド
層8における他の部分より低くすることが特徴である。
8の上部記録磁極12に実質的に対向しない部分に透磁
率制御膜7を設け、上部シールド層8の上部記録磁極1
2に実質的に対向しない部分の透磁率を、上部シールド
層8における他の部分より低くすることが特徴である。
【0025】以下に、この磁気ヘッドの作製方法の一例
を示す。酸化Al・炭化Tiを主成分とする焼結体をス
ライダ用の基体1とし、その上に下部シールド層2とし
て厚さ1μmのCoNiFe合金膜をメッキ法で形成
し、その上にAl2O3膜からなる非磁性層3を設けた。
磁気抵抗センサ4及び導体層5は、図5に模式的に示す
ように、厚さ35nmのNiO層からなる反強磁性磁区
制御層13、厚さ30nmのNiFe合金層からなる薄
膜磁気抵抗性導電層14、薄膜磁気抵抗性導電層14と
軟磁性層16の間の交換相互作用を断ち切るための厚さ
2nmのTa層からなる非磁性層15、厚さ40nmの
NiFeNb合金軟磁性層からなる軟磁性バイアス層1
6、厚さ100nmのCu薄膜コイルからなる導体層5
を順に積層した構造を有する。反強磁性磁区制御層1
3、磁気抵抗性導電層14、非磁性層15及び軟磁性バ
イアス層16はスパッタ法により形成され、導体層5は
メッキ法により形成される。非磁性層6にはAl2O3膜
を用い、その上部記録磁極12の直下に相当する位置を
除く位置に、透磁率制御膜7として厚さ0.2μmのN
iO反強磁性層を形成し、その上に厚さ2μmのNiF
e合金膜をメッキ法で形成して上部シールド層8とし
た。その上の非磁性層9にはAl2O3膜を用いた。コイ
ル10には厚さ3μmのCuを用い、非磁性層11には
Al2O3膜を用いた。上部記録磁極12には、スパッタ
法で形成した厚さ3μm及びトラック方向の幅4μmの
CoNiFe合金膜を用いた。
を示す。酸化Al・炭化Tiを主成分とする焼結体をス
ライダ用の基体1とし、その上に下部シールド層2とし
て厚さ1μmのCoNiFe合金膜をメッキ法で形成
し、その上にAl2O3膜からなる非磁性層3を設けた。
磁気抵抗センサ4及び導体層5は、図5に模式的に示す
ように、厚さ35nmのNiO層からなる反強磁性磁区
制御層13、厚さ30nmのNiFe合金層からなる薄
膜磁気抵抗性導電層14、薄膜磁気抵抗性導電層14と
軟磁性層16の間の交換相互作用を断ち切るための厚さ
2nmのTa層からなる非磁性層15、厚さ40nmの
NiFeNb合金軟磁性層からなる軟磁性バイアス層1
6、厚さ100nmのCu薄膜コイルからなる導体層5
を順に積層した構造を有する。反強磁性磁区制御層1
3、磁気抵抗性導電層14、非磁性層15及び軟磁性バ
イアス層16はスパッタ法により形成され、導体層5は
メッキ法により形成される。非磁性層6にはAl2O3膜
を用い、その上部記録磁極12の直下に相当する位置を
除く位置に、透磁率制御膜7として厚さ0.2μmのN
iO反強磁性層を形成し、その上に厚さ2μmのNiF
e合金膜をメッキ法で形成して上部シールド層8とし
た。その上の非磁性層9にはAl2O3膜を用いた。コイ
ル10には厚さ3μmのCuを用い、非磁性層11には
Al2O3膜を用いた。上部記録磁極12には、スパッタ
法で形成した厚さ3μm及びトラック方向の幅4μmの
CoNiFe合金膜を用いた。
【0026】この磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装
置の一例について以下に説明する。図6(a)及び図6
(b)に、磁気ディスク装置の平面模式図及び断面図を
示す。磁気ディスク装置は位相弁別方式でサーボトラッ
ク位置決め方式を採用し、磁気ヘッド19の駆動部20
にはロータリーアクチュエータを採用した。磁気ディス
ク駆動部18によるディスク回転数は7200rpmで
ある。記録再生信号は信号処理系21で処理される。磁
気記録媒体17はCo系スパッタ媒体からなり、残留磁
化と磁性膜厚の積は100Gμm、周方向保磁力は25
00エルステッドである。
置の一例について以下に説明する。図6(a)及び図6
(b)に、磁気ディスク装置の平面模式図及び断面図を
示す。磁気ディスク装置は位相弁別方式でサーボトラッ
ク位置決め方式を採用し、磁気ヘッド19の駆動部20
にはロータリーアクチュエータを採用した。磁気ディス
ク駆動部18によるディスク回転数は7200rpmで
ある。記録再生信号は信号処理系21で処理される。磁
気記録媒体17はCo系スパッタ媒体からなり、残留磁
化と磁性膜厚の積は100Gμm、周方向保磁力は25
00エルステッドである。
【0027】図14は、本実施例の磁気ヘッドを搭載し
た磁気ディスク装置を用いて媒体に信号を記録した場合
における、記録トラック幅の広がりの線記録密度依存性
の測定結果である。図14から明らかなように、信号の
線記録密度が30kFCIから150kFCIに増加す
るとき、従来例では記録トラック幅が約0.8μm減少
したが、本実施例の磁気ヘッドを用いると記録トラック
幅はほぼ一定となる。
た磁気ディスク装置を用いて媒体に信号を記録した場合
における、記録トラック幅の広がりの線記録密度依存性
の測定結果である。図14から明らかなように、信号の
線記録密度が30kFCIから150kFCIに増加す
るとき、従来例では記録トラック幅が約0.8μm減少
したが、本実施例の磁気ヘッドを用いると記録トラック
幅はほぼ一定となる。
【0028】本実施例では、透磁率制御膜7を上部シー
ルド層8の下面に設けたが、透磁率制御膜7を上部シー
ルド層8の上面あるいは磁気記録媒体と対向する側面に
設けてもよい。また、透磁率制御膜7として反強磁性膜
に代えてCoPtなどの永久磁石膜を用いても同様の効
果が得られた。上下シールド層はスパッタ法、イオンビ
ームスパッタ法などで形成してもよいし、上部記録磁極
12をイオンビームスパッタ法、メッキ法で形成しても
同様の効果が得られた。また、特に上部記録磁極12あ
るいは上部シールド層8の少なくともいずれか一種をア
ルミナ等の非磁性層もしくはCoTaZr等の高比抵抗
の金属を介して積層した多層膜とした場合には、記録効
率が数dB高く特に良好な記録特性が得られた。磁極材
料としては、Co,Ni,Feのいずれか1種を主たる
成分とする軟磁性合金であれば同様の効果が得られる。
ルド層8の下面に設けたが、透磁率制御膜7を上部シー
ルド層8の上面あるいは磁気記録媒体と対向する側面に
設けてもよい。また、透磁率制御膜7として反強磁性膜
に代えてCoPtなどの永久磁石膜を用いても同様の効
果が得られた。上下シールド層はスパッタ法、イオンビ
ームスパッタ法などで形成してもよいし、上部記録磁極
12をイオンビームスパッタ法、メッキ法で形成しても
同様の効果が得られた。また、特に上部記録磁極12あ
るいは上部シールド層8の少なくともいずれか一種をア
ルミナ等の非磁性層もしくはCoTaZr等の高比抵抗
の金属を介して積層した多層膜とした場合には、記録効
率が数dB高く特に良好な記録特性が得られた。磁極材
料としては、Co,Ni,Feのいずれか1種を主たる
成分とする軟磁性合金であれば同様の効果が得られる。
【0029】〔実施例2〕図2に模式図を示す磁気ヘッ
ドを作製した。磁気ディスク装置の構成は第1の実施例
と同一である。この磁気ヘッドは、基体1上に形成され
た記録用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用の磁気抵抗効
果型ヘッドを組み合わせた記録再生分離型ヘッドであ
る。下部シールド層2、非磁性層3,6、コイル10、
非磁性層11、及び上部記録磁極12により記録ヘッド
を構成し、記録時には、下部シールド層2が下部記録磁
極として働く。下部シールド層2、非磁性層3、磁気抵
抗センサ4、導体層5、非磁性層6、非磁性層11、及
び上部記録磁極12により再生ヘッドを構成し、磁気抵
抗センサ4からの出力信号は導体層5を介して外部に取
り出される。磁極用材料は、CoNiFe,NiFe,
FeAlSi,FeTaN,FeTaCAlなどの多結
晶軟磁性薄膜、CoTaZrなどのアモルファス軟磁性
薄膜、FeSi/SiO2 ,FeTaN人工格子多層膜
のいずれでもよい。また、磁気抵抗効果型ヘッドとして
は、NiFe,CoNiFe単層膜、NiFe/Cu/
NiFe,NiFe/Co/Cu/NiFeスピンバル
ブ膜、巨大磁気抵抗効果膜のいずれでもよい。
ドを作製した。磁気ディスク装置の構成は第1の実施例
と同一である。この磁気ヘッドは、基体1上に形成され
た記録用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用の磁気抵抗効
果型ヘッドを組み合わせた記録再生分離型ヘッドであ
る。下部シールド層2、非磁性層3,6、コイル10、
非磁性層11、及び上部記録磁極12により記録ヘッド
を構成し、記録時には、下部シールド層2が下部記録磁
極として働く。下部シールド層2、非磁性層3、磁気抵
抗センサ4、導体層5、非磁性層6、非磁性層11、及
び上部記録磁極12により再生ヘッドを構成し、磁気抵
抗センサ4からの出力信号は導体層5を介して外部に取
り出される。磁極用材料は、CoNiFe,NiFe,
FeAlSi,FeTaN,FeTaCAlなどの多結
晶軟磁性薄膜、CoTaZrなどのアモルファス軟磁性
薄膜、FeSi/SiO2 ,FeTaN人工格子多層膜
のいずれでもよい。また、磁気抵抗効果型ヘッドとして
は、NiFe,CoNiFe単層膜、NiFe/Cu/
NiFe,NiFe/Co/Cu/NiFeスピンバル
ブ膜、巨大磁気抵抗効果膜のいずれでもよい。
【0030】本実施例の磁気ヘッドは、下部シールド層
2の上部記録磁極12に実質的に対向しない部分に透磁
率制御膜7を設け、下部シールド層2の上部記録磁極1
2に実質的に対向しない部分の透磁率を、下部シールド
層2における他の部分より低くすることが特徴である。
2の上部記録磁極12に実質的に対向しない部分に透磁
率制御膜7を設け、下部シールド層2の上部記録磁極1
2に実質的に対向しない部分の透磁率を、下部シールド
層2における他の部分より低くすることが特徴である。
【0031】以下に、この磁気ヘッドの作製方法の一例
を示す。酸化Al・炭化Tiを主成分とする焼結体をス
ライダ用の基体1とし、その上の上部記録磁極12の直
下に相当する位置を除く位置に、透磁率制御膜7として
厚さ0.2μmのNiO反強磁性層を形成し、さらにそ
の上に下部シールド層2としてメッキ法で厚さ1μmの
CoNiFe合金膜を形成した。下部シールド層2の上
には非磁性層3としてAl2O3膜を形成した。磁気抵抗
センサ4及び導体層5は、図5に模式的に示す構造を有
し、実施例1と同様にして作製した。非磁性層6にはA
l2O3膜を用いた。コイル10には厚さ3μmのCuを
用い、非磁性層11にはAl2O3膜を用いた。上部記録
磁極12にはスパッタ法で形成した厚さ3μm及びトラ
ック方向の幅4μmのCoNiFe合金膜を用いた。
を示す。酸化Al・炭化Tiを主成分とする焼結体をス
ライダ用の基体1とし、その上の上部記録磁極12の直
下に相当する位置を除く位置に、透磁率制御膜7として
厚さ0.2μmのNiO反強磁性層を形成し、さらにそ
の上に下部シールド層2としてメッキ法で厚さ1μmの
CoNiFe合金膜を形成した。下部シールド層2の上
には非磁性層3としてAl2O3膜を形成した。磁気抵抗
センサ4及び導体層5は、図5に模式的に示す構造を有
し、実施例1と同様にして作製した。非磁性層6にはA
l2O3膜を用いた。コイル10には厚さ3μmのCuを
用い、非磁性層11にはAl2O3膜を用いた。上部記録
磁極12にはスパッタ法で形成した厚さ3μm及びトラ
ック方向の幅4μmのCoNiFe合金膜を用いた。
【0032】本実施例の磁気ヘッドを実施例1の場合と
同じ磁気ディスク装置に搭載し、信号を記録した。記録
トラック幅の広がりの線記録密度依存性を実施例1と同
様にして測定した結果、図15に示すように、信号の線
記録密度が30kFCIから150kFCIに増加して
も、記録トラック幅はほぼ一定である。
同じ磁気ディスク装置に搭載し、信号を記録した。記録
トラック幅の広がりの線記録密度依存性を実施例1と同
様にして測定した結果、図15に示すように、信号の線
記録密度が30kFCIから150kFCIに増加して
も、記録トラック幅はほぼ一定である。
【0033】本実施例では、透磁率制御膜7を下部シー
ルド層2の下面に設けたが、下部シールド層2の上面あ
るいは記録媒体に対向する側面に用いてもよい。透磁率
制御膜7として反強磁性膜に代えてCoPtなどの永久
磁石膜を用いても同様の結果が得られた。また、下部シ
ールド層2をスパッタ法、イオンビームスパッタ法など
で形成してもよいし、上部記録磁極12をイオンビーム
スパッタ法、メッキ法で形成しても同様の効果が得られ
た。また、特に上部記録磁極12あるいは下部シールド
層2の少なくともいずれか一方をアルミナ等の非磁性層
もしくはCoTaZr等の高比抵抗の金属を介して積層
した多層膜とした場合には、記録効率が数dB高く特に
良好な記録特性が得られた。磁極材料としては、Co,
Ni,Feのいずれか1種を主たる成分とする軟磁性合
金であれば同様の効果が得られる。
ルド層2の下面に設けたが、下部シールド層2の上面あ
るいは記録媒体に対向する側面に用いてもよい。透磁率
制御膜7として反強磁性膜に代えてCoPtなどの永久
磁石膜を用いても同様の結果が得られた。また、下部シ
ールド層2をスパッタ法、イオンビームスパッタ法など
で形成してもよいし、上部記録磁極12をイオンビーム
スパッタ法、メッキ法で形成しても同様の効果が得られ
た。また、特に上部記録磁極12あるいは下部シールド
層2の少なくともいずれか一方をアルミナ等の非磁性層
もしくはCoTaZr等の高比抵抗の金属を介して積層
した多層膜とした場合には、記録効率が数dB高く特に
良好な記録特性が得られた。磁極材料としては、Co,
Ni,Feのいずれか1種を主たる成分とする軟磁性合
金であれば同様の効果が得られる。
【0034】〔実施例3〕図3に模式図を示す磁気ヘッ
ドを作製した。磁気ディスク装置の構成は第1の実施例
と同一である。磁気ヘッドの構造、材料及び成膜法につ
いては、上部シールド層8、上部記録磁極12を除いて
第1の実施例と同一である。上部シールド層8にはスパ
ッタ法で形成したCoNiFe多結晶合金膜を、上部記
録磁極12としてはスパッタ法で形成したCoTaZr
アモルファス合金膜をそれぞれ用い、いずれも厚さ及び
トラック方向の幅はそれぞれ2μm及び4μmとした。
また、比較のために、上部シールド層8のトラック方向
の幅が4.5μm(上部記録磁極12のトラック幅との
差0.5μm)、5μm(上部記録磁極12のトラック
幅との差1μm)、7μm(上部記録磁極12のトラッ
ク幅との差3μm)、14μm(上部記録磁極12のト
ラック幅との差10μm)の磁気ヘッドを同様の方法で
作製した。
ドを作製した。磁気ディスク装置の構成は第1の実施例
と同一である。磁気ヘッドの構造、材料及び成膜法につ
いては、上部シールド層8、上部記録磁極12を除いて
第1の実施例と同一である。上部シールド層8にはスパ
ッタ法で形成したCoNiFe多結晶合金膜を、上部記
録磁極12としてはスパッタ法で形成したCoTaZr
アモルファス合金膜をそれぞれ用い、いずれも厚さ及び
トラック方向の幅はそれぞれ2μm及び4μmとした。
また、比較のために、上部シールド層8のトラック方向
の幅が4.5μm(上部記録磁極12のトラック幅との
差0.5μm)、5μm(上部記録磁極12のトラック
幅との差1μm)、7μm(上部記録磁極12のトラッ
ク幅との差3μm)、14μm(上部記録磁極12のト
ラック幅との差10μm)の磁気ヘッドを同様の方法で
作製した。
【0035】本実施例による磁気ヘッドのトラック中
心、上部磁極端の内側0.43μm及び外側0.17μ
mの位置における記録ビット方向の記録磁界分布のシミ
ュレーション結果を図11に示す。トラックの外側0.
17μmの位置での磁界強度は、トラック中心の約25
%になっており、従来型ヘッドよりも、トラック幅方向
の記録磁界分布の拡がりが抑制されている。このため、
上部磁極端の外側で低密度信号が記録されることを防止
できる。
心、上部磁極端の内側0.43μm及び外側0.17μ
mの位置における記録ビット方向の記録磁界分布のシミ
ュレーション結果を図11に示す。トラックの外側0.
17μmの位置での磁界強度は、トラック中心の約25
%になっており、従来型ヘッドよりも、トラック幅方向
の記録磁界分布の拡がりが抑制されている。このため、
上部磁極端の外側で低密度信号が記録されることを防止
できる。
【0036】図16は、本実施例の磁気ヘッドを搭載し
た磁気ディスク装置を用いて媒体に信号を記録し、記録
トラック幅の広がりの線記録密度依存性を測定した結果
を示す図である。図16から、信号の線記録密度が30
kFCIから150kFCIに増加しても、記録トラッ
ク幅はほぼ一定であることがわかる。
た磁気ディスク装置を用いて媒体に信号を記録し、記録
トラック幅の広がりの線記録密度依存性を測定した結果
を示す図である。図16から、信号の線記録密度が30
kFCIから150kFCIに増加しても、記録トラッ
ク幅はほぼ一定であることがわかる。
【0037】本発明の第3の実施例に関連して、上部シ
ールド8と上部記録磁極12のトラック幅方向長さの差
が、0μm,0.5μm,1μm,3μm,10μmの
各場合について、線記録密度が30kFCIから150
kFCIに増加した時の記録トラック幅変動量を評価し
た。図17は、縦軸に記録トラック幅の変動量、横軸に
上部シールドと上部記録磁極のトラック幅方向長さの差
をとってプロットしたものである。図17から、上部シ
ールド8と上部記録磁極12のトラック幅方向長さの差
が1μm以下になると、記録トラック幅変動量は0.2
μm以下に抑制されることがわかる。Gbit/in2
級磁気ディスク装置では、トラック幅が2μm程度にま
で狭くなるため、装置の設計上、トラック幅変動量は、
その1割の0.2μm以下にすることが必須となる。従
って、上部シールドと上部記録磁極のトラック幅方向長
さの差を1μm以下とすることが有効となる。
ールド8と上部記録磁極12のトラック幅方向長さの差
が、0μm,0.5μm,1μm,3μm,10μmの
各場合について、線記録密度が30kFCIから150
kFCIに増加した時の記録トラック幅変動量を評価し
た。図17は、縦軸に記録トラック幅の変動量、横軸に
上部シールドと上部記録磁極のトラック幅方向長さの差
をとってプロットしたものである。図17から、上部シ
ールド8と上部記録磁極12のトラック幅方向長さの差
が1μm以下になると、記録トラック幅変動量は0.2
μm以下に抑制されることがわかる。Gbit/in2
級磁気ディスク装置では、トラック幅が2μm程度にま
で狭くなるため、装置の設計上、トラック幅変動量は、
その1割の0.2μm以下にすることが必須となる。従
って、上部シールドと上部記録磁極のトラック幅方向長
さの差を1μm以下とすることが有効となる。
【0038】〔実施例4〕磁気抵抗センサ4及び上部記
録磁極12を除いて実施例1と同一の構造を有する磁気
ヘッドを製作した。上部記録磁極12のトラック幅方向
の長さは、1.6μmである。材料及び成膜法は磁気抵
抗センサ4を除いて実施例1と同一である。本実施例で
用いた磁気抵抗センサは、断面構造を図7に模式的に示
すスピンバルブ構造のものであり、厚さ5nmのTaバ
ッファ層22、厚さ5nmのNiFe合金磁性層23、
厚さ2nmのCu非磁性中間層24、厚さ3nmのNi
Fe合金磁性層25、厚さ5nmのFeMn反強磁性磁
区制御層26をスパッタ法により順次積層することによ
り、薄膜磁気抵抗性導電層を作製した。
録磁極12を除いて実施例1と同一の構造を有する磁気
ヘッドを製作した。上部記録磁極12のトラック幅方向
の長さは、1.6μmである。材料及び成膜法は磁気抵
抗センサ4を除いて実施例1と同一である。本実施例で
用いた磁気抵抗センサは、断面構造を図7に模式的に示
すスピンバルブ構造のものであり、厚さ5nmのTaバ
ッファ層22、厚さ5nmのNiFe合金磁性層23、
厚さ2nmのCu非磁性中間層24、厚さ3nmのNi
Fe合金磁性層25、厚さ5nmのFeMn反強磁性磁
区制御層26をスパッタ法により順次積層することによ
り、薄膜磁気抵抗性導電層を作製した。
【0039】本磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置
の一例について以下に説明する。磁気ディスク装置はP
RML信号処理方式で、ロータリーアクチュエータを用
いており、磁気ディスクは直径1.8インチのCo系ス
パッタ媒体が1枚であり、磁気特性が、残留磁化と磁性
膜厚の積が60Gμm、周方向保磁力が3500エルス
テッドで、回転数が7200rpm、線記録密度が22
5kFCI、トラック密度が15kTPI、面記録密度
が3Gb/in2 である。また、磁気ディスク装置の高
さ(厚さ)は3.3mmであり、転送速度は5MB/秒
である。
の一例について以下に説明する。磁気ディスク装置はP
RML信号処理方式で、ロータリーアクチュエータを用
いており、磁気ディスクは直径1.8インチのCo系ス
パッタ媒体が1枚であり、磁気特性が、残留磁化と磁性
膜厚の積が60Gμm、周方向保磁力が3500エルス
テッドで、回転数が7200rpm、線記録密度が22
5kFCI、トラック密度が15kTPI、面記録密度
が3Gb/in2 である。また、磁気ディスク装置の高
さ(厚さ)は3.3mmであり、転送速度は5MB/秒
である。
【0040】図18は、本実施例の磁気ヘッドを搭載し
た前記磁気ディスク装置により媒体に信号を記録し、記
録トラック幅の線記録密度依存性を測定した結果を示す
ものである。図18から、信号の線記録密度が45kF
CIから225kFCIに増加しても、記録トラック幅
はほぼ一定であることがわかる。
た前記磁気ディスク装置により媒体に信号を記録し、記
録トラック幅の線記録密度依存性を測定した結果を示す
ものである。図18から、信号の線記録密度が45kF
CIから225kFCIに増加しても、記録トラック幅
はほぼ一定であることがわかる。
【0041】〔実施例5〕次に本発明の第5の実施例を
説明する。本実施例における磁気ヘッドの構造、材料及
び成膜法については、磁気抵抗センサ4を除いて第4の
実施例と同一である。図8は本実施例において用いた磁
気抵抗センサの断面模式図であり、厚さ5nmのFeバ
ッファ層22上に、厚さ1.6nmのNiFe合金磁性
層23及び厚さ2.2nmのCu非磁性中間層を交互に
8層積層した。
説明する。本実施例における磁気ヘッドの構造、材料及
び成膜法については、磁気抵抗センサ4を除いて第4の
実施例と同一である。図8は本実施例において用いた磁
気抵抗センサの断面模式図であり、厚さ5nmのFeバ
ッファ層22上に、厚さ1.6nmのNiFe合金磁性
層23及び厚さ2.2nmのCu非磁性中間層を交互に
8層積層した。
【0042】本実施例の磁気ヘッドを実施例4の磁気デ
ィスク装置に搭載して記録トラック幅の線記録密度依存
性を測定したところ、図18に示した前記実施例4の場
合と同様の結果が得られた。以上、説明したように、本
発明によれば、ビット長の増大に伴う記録トラック幅の
増大を抑制できるため、高密度信号を記録した場合のト
ラック幅と同等のトラック幅で低密度信号を記録でき
る。そのため、本発明によれば、トラック密度の向上が
可能となる。
ィスク装置に搭載して記録トラック幅の線記録密度依存
性を測定したところ、図18に示した前記実施例4の場
合と同様の結果が得られた。以上、説明したように、本
発明によれば、ビット長の増大に伴う記録トラック幅の
増大を抑制できるため、高密度信号を記録した場合のト
ラック幅と同等のトラック幅で低密度信号を記録でき
る。そのため、本発明によれば、トラック密度の向上が
可能となる。
【0043】図19に、装置化した場合に許容されるト
ラック密度のトラック幅変動量依存性を見積もった結果
を示す。ガードバンドが0.2μmであると仮定してい
る。例えば、高密度信号を記録した場合でも十分な信号
S/Nを確保するために必要なトラック幅が2μmであ
るとすると、従来方式では、0.8μmのトラック幅変
動があるため、トラックピッチは3.2μm、トラック
密度は7.94kTPIであるのに対し、本発明では、
トラック幅変動がほとんどないため、トラックピッチは
2.4μm、トラック密度は10.58kTPIとな
る。この結果、本発明によると、記録密度を従来比1.
33倍に向上した磁気ディスク装置を提供できる。高密
度信号を記録した場合でも十分な信号S/Nを確保する
ために必要なトラック幅が狭くなるほど、本発明により
トラック幅変動を抑制した効果は大きくなる。
ラック密度のトラック幅変動量依存性を見積もった結果
を示す。ガードバンドが0.2μmであると仮定してい
る。例えば、高密度信号を記録した場合でも十分な信号
S/Nを確保するために必要なトラック幅が2μmであ
るとすると、従来方式では、0.8μmのトラック幅変
動があるため、トラックピッチは3.2μm、トラック
密度は7.94kTPIであるのに対し、本発明では、
トラック幅変動がほとんどないため、トラックピッチは
2.4μm、トラック密度は10.58kTPIとな
る。この結果、本発明によると、記録密度を従来比1.
33倍に向上した磁気ディスク装置を提供できる。高密
度信号を記録した場合でも十分な信号S/Nを確保する
ために必要なトラック幅が狭くなるほど、本発明により
トラック幅変動を抑制した効果は大きくなる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ビット長の増大に伴う
記録トラック幅の増大を抑制できるため、高密度信号を
記録した場合のトラック幅と同等のトラック幅で低密度
信号を記録でき、高トラック密度化に適したシールド兼
用型記録再生分離ヘッド及び高トラック密度化された磁
気ディスク装置を提供することができる。
記録トラック幅の増大を抑制できるため、高密度信号を
記録した場合のトラック幅と同等のトラック幅で低密度
信号を記録でき、高トラック密度化に適したシールド兼
用型記録再生分離ヘッド及び高トラック密度化された磁
気ディスク装置を提供することができる。
【図1】本発明の一実施例による磁気ヘッドを示す模式
図。
図。
【図2】本発明の他の実施例による磁気ヘッドを示す模
式図。
式図。
【図3】本発明の他の実施例による磁気ヘッドを示す模
式図。
式図。
【図4】従来のシールド兼用型記録再生分離ヘッドを示
す模式図。
す模式図。
【図5】磁気抵抗効果センサの構造を示す模式図。
【図6】磁気ディスク装置の模式図。
【図7】他の磁気抵抗効果センサの断面模式図。
【図8】他の磁気抵抗効果センサの断面模式図。
【図9】従来のシールド兼用型記録再生分離ヘッドにお
ける3次元記録磁界分布のシミュレーション結果を示す
図。
ける3次元記録磁界分布のシミュレーション結果を示す
図。
【図10】従来のシールド兼用型記録再生分離ヘッドに
おける記録ビット方向の記録磁界分布のシミュレーショ
ン結果を示す図。
おける記録ビット方向の記録磁界分布のシミュレーショ
ン結果を示す図。
【図11】本発明によるシールド兼用型記録再生分離ヘ
ッドにおける記録ビット方向の記録磁界分布のシミュレ
ーション結果を示す図。
ッドにおける記録ビット方向の記録磁界分布のシミュレ
ーション結果を示す図。
【図12】記録トラック幅の定義を説明する図。
【図13】従来のシールド兼用型記録再生分離ヘッドに
おける記録トラック幅の広がりの線記録密度依存性を示
す図。
おける記録トラック幅の広がりの線記録密度依存性を示
す図。
【図14】本発明の一実施例による記録トラック幅の広
がりの線記録密度依存性を示す図。
がりの線記録密度依存性を示す図。
【図15】本発明の他の実施例による記録トラック幅の
広がりの線記録密度依存性を示す図。
広がりの線記録密度依存性を示す図。
【図16】本発明の他の実施例による記録トラック幅の
広がりの線記録密度依存性を示す図。
広がりの線記録密度依存性を示す図。
【図17】記録トラック幅変動量の下部記録磁極幅依存
性を示す説明図。
性を示す説明図。
【図18】本発明の他の実施例による記録トラック幅の
広がりの線記録密度依存性を示す図。
広がりの線記録密度依存性を示す図。
【図19】トラック密度のトラック幅変動量依存性を示
す説明図。
す説明図。
【図20】記録磁化状態の説明図。
1:基体、2:下部シールド層、3:非磁性層、4:磁
気抵抗センサ、5:導体層、6:非磁性層、7:透磁率
制御層、8上部シールド層、9:非磁性層、10:コイ
ル、11:非磁性層、12:上部記録磁極、13:反強
磁性磁区制御層、14:磁気抵抗性導電層、15:導電
性非磁性層、16:軟磁性バイアス層、17:磁気記録
媒体、18:磁気記録媒体駆動部、19:磁気ヘッド、
20:磁気ヘッド駆動部、21:記録再生信号処理系、
22:バッファ層、23:磁性層、24:非磁性層、2
5:磁性層、26:反強磁性層
気抵抗センサ、5:導体層、6:非磁性層、7:透磁率
制御層、8上部シールド層、9:非磁性層、10:コイ
ル、11:非磁性層、12:上部記録磁極、13:反強
磁性磁区制御層、14:磁気抵抗性導電層、15:導電
性非磁性層、16:軟磁性バイアス層、17:磁気記録
媒体、18:磁気記録媒体駆動部、19:磁気ヘッド、
20:磁気ヘッド駆動部、21:記録再生信号処理系、
22:バッファ層、23:磁性層、24:非磁性層、2
5:磁性層、26:反強磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 香 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高野 公史 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (15)
- 【請求項1】 トラック幅に等しい幅を有する第1の軟
磁性薄膜と、トラック幅よりも広い幅を有する第2の軟
磁性薄膜と、磁気センサとを含み、前記第1の軟磁性薄
膜と第2の軟磁性薄膜とで一対の記録磁極を構成する磁
気ヘッドにおいて、 前記第2の軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギャップ部近
傍において、前記第1の軟磁性薄膜に対向する部分の透
磁率が他の部分の透磁率より高いことを特徴とする磁気
ヘッド。 - 【請求項2】 非磁性基板上に磁気センサを挟んで積層
された第1及び第2の軟磁性薄膜と、前記第2の軟磁性
薄膜上に非磁性層を介して形成されたトラック幅に等し
い幅を有する薄膜磁極とを含み、前記薄膜磁極と第2の
軟磁性薄膜とで一対の記録磁極を構成する磁気ヘッドに
おいて、 前記第2の軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギャップ部近
傍において、前記薄膜磁極に対向する部分の透磁率が他
の部分の透磁率より高いことを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項3】 非磁性基板上に磁気センサを挟んで積層
された軟磁性薄膜及びトラック幅に等しい幅を有する薄
膜磁極を含み、前記軟磁性薄膜及び薄膜磁極とで一対の
記録磁極を構成する磁気ヘッドにおいて、 前記軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギャップ部近傍にお
いて、前記薄膜磁極に対向する部分の透磁率が他の部分
の透磁率より高いことを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項4】 トラック幅に等しい幅を有する第1の軟
磁性薄膜と、トラック幅よりも広い幅を有する第2の軟
磁性薄膜と、磁気センサとを含み、前記第1の軟磁性薄
膜と第2の軟磁性薄膜とで一対の記録磁極を構成する磁
気ヘッドにおいて、 前記第2の軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギャップ部近
傍において、前記第1の軟磁性薄膜に対向する部分以外
の上面又は下面部分に反強磁性膜又は永久磁石膜を設け
たことを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項5】 非磁性基板上に磁気センサを挟んで積層
された第1及び第2の軟磁性薄膜と、前記第2の軟磁性
薄膜上に非磁性層を介して形成されたトラック幅に等し
い幅を有する薄膜磁極とを含み、前記薄膜磁極と第2の
軟磁性薄膜とで一対の記録磁極を構成する磁気ヘッドに
おいて、 前記第2の軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギャップ部近
傍において、前記薄膜磁極に対向する部分以外の上面又
は下面部分に反強磁性膜又は永久磁石膜を設けたことを
特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項6】 非磁性基板上に磁気センサを挟んで積層
された軟磁性薄膜及びトラック幅に等しい幅を有する薄
膜磁極を含み、前記軟磁性薄膜及び薄膜磁極とで一対の
記録磁極を構成する磁気ヘッドにおいて、 前記軟磁性薄膜は、少なくとも記録ギャップ部近傍にお
いて、前記薄膜磁極に対向する部分以外の上面又は下面
部分に反強磁性膜又は永久磁石膜を設けたことを特徴と
する磁気ヘッド。 - 【請求項7】 非磁性基板上に磁気センサを挟んで積層
された第1及び第2の軟磁性薄膜と、前記第2の軟磁性
薄膜上に非磁性層を介して形成された薄膜磁極とを含
み、前記第1及び第2の軟磁性薄膜は磁気シールド層と
しての機能を有し、前記薄膜磁極と第2の軟磁性薄膜と
で一対の記録磁極を構成する磁気ヘッドにおいて、 前記第2の軟磁性薄膜は、ディスク対向面のトラック幅
方向の長さが、前記薄膜磁極のトラック幅方向の長さに
1μm加算した値より小さいことを特徴とする磁気ヘッ
ド。 - 【請求項8】 前記磁気センサとして磁気抵抗効果素子
を用いたことを特徴とする請求項1〜7にいずれか1項
記載の磁気ヘッド。 - 【請求項9】 前記磁気センサとして巨大磁気抵抗効果
素子を用いたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか
1項記載の磁気ヘッド。 - 【請求項10】 前記一対の磁極を構成する軟磁性膜の
少なくとも一方は、アモルファス軟磁性膜又は非磁性層
もしくは高比抵抗の金属を介して積層した多層軟磁性膜
であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記
載の磁気ヘッド。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
磁気ヘッドを備えることを特徴とする磁気ディスク装
置。 - 【請求項12】 トラック密度が15kTPI以上であ
ることを特徴とする請求項11記載の磁気ディスク装
置。 - 【請求項13】 面記録密度が3Gb/in2以上であ
ることを特徴とする請求項11又は12記載の磁気ディ
スク装置。 - 【請求項14】 転送速度が5MB/秒以上であること
を特徴とする請求項11,12又は13記載の磁気ディ
スク装置 - 【請求項15】 ディスクの半径が1.8インチ以下で
あり、かつ装置の厚さが3.3mm以下であることを特
徴とする請求項11〜14のいずれか1項記載の磁気デ
ィスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22833794A JPH0896325A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 磁気ヘッド及び磁気ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22833794A JPH0896325A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 磁気ヘッド及び磁気ディスク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0896325A true JPH0896325A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=16874884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22833794A Pending JPH0896325A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 磁気ヘッド及び磁気ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0896325A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10657990B2 (en) | 2017-08-29 | 2020-05-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic head and disk device having gap layers with different magnetic relative permeabilities |
-
1994
- 1994-09-22 JP JP22833794A patent/JPH0896325A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10657990B2 (en) | 2017-08-29 | 2020-05-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic head and disk device having gap layers with different magnetic relative permeabilities |
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