JPH09282618A - 磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気記録再生装置

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JPH09282618A
JPH09282618A JP2630397A JP2630397A JPH09282618A JP H09282618 A JPH09282618 A JP H09282618A JP 2630397 A JP2630397 A JP 2630397A JP 2630397 A JP2630397 A JP 2630397A JP H09282618 A JPH09282618 A JP H09282618A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、電極間隔が狭い場合でも磁区
制御層の強さに依らずバルクハウゼンノイズを抑制する
とともに高い再生出力を得ることのできる磁気抵抗効果
型ヘッドとそれを用いた磁気記録再生装置を提供するも
のである。 【解決手段】本発明は、磁気抵抗効果膜を第一の強磁性
膜,非磁性導体膜及び第二の強磁性膜の積層体によって
構成し、第二の強磁性膜を反強磁性膜上に積層し、磁気
抵抗効果膜の幅方向の両側に磁区制御層を配置し、各磁
区制御層上に一対の電極を有し、各電極の電極間隔を磁
気抵抗効果膜の幅よりも狭くし、磁気抵抗効果膜の中心
部にのみ電流を流す構造を有する磁気抵抗効果型ヘッド
とそれを用いた磁気記録再生装置にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な磁気抵抗効
果型ヘッドとそれを用いた磁気記録再生装置に係り、特
に、巨大磁気抵抗効果を利用して、磁気記録媒体の情報
を再生する再生ヘッドとして好適な磁気抵抗効果型ヘッ
ドとそれを用いた磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置には記録ヘッドととも
に再生ヘッドが搭載されており、再生ヘッドとして、異
方性磁気抵抗効果を利用したAMR(Anisotropic Magn
etoresistive)ヘッドが知られている。このAMRヘッ
ドにおいては、ヘッドから発生するバルクハウゼンノイ
ズを抑制し、磁気記録再生装置の誤動作を防止すること
が要求されていることから、磁気抵抗効果膜を単一の磁
区に保つための磁区制御層をヘッドに設ける構成が採用
されている。
【0003】磁区制御層が設けられた第一世代のAMR
ヘッドにおいては、例えば、米国特許第4663685 号に記
載されているように、パターンド・エクスチェンジと呼
ばれる磁区制御方式が採用されている。この方式は、反
強磁性膜などからなる磁区制御層をパターンニングし、
パターンニングされた磁区制御層を磁気抵抗効果膜(M
R膜)の端部領域のみに積層して配置し、この領域を単
一の磁区に保ち、MR膜のうち中央の感磁部(一対の電
極に挟まれ、磁界の変化を電気信号に変換する領域)を
単一の磁区状態に誘導するものである。
【0004】パターンド・エクスチェンジ方式を採用し
たAMRヘッドによれば、例えば、論文:日本応用磁気
学会誌第19巻頁105(1995)に記載されている
ように、磁区制御層の間隔を電極間隔に比べて大きくす
ることによって、感度が向上することが知られている。
【0005】第二世代のAMRヘッドにおいては、第一
世代のAMRヘッドよりも製造し易い点を考慮して、例
えば、特開平3−125311 号公報に記載されているよう
に、ハードバイアス方式が採用されている。この方式は
端部領域にまで伸びていたMR膜の両側を切り落し、感
磁部にのみにMR膜を形成し、このMR膜の両側に永久
磁石膜を配置し、永久磁石膜の作る磁界によって感磁部
を単一の磁区状態に保つものである。なお、特開平7−5
7223号公報に記載されているように、永久磁石膜の代わ
りに、軟磁性膜(強磁性膜)と反強磁性膜との積層膜を
用いたものが提案されている。
【0006】ハードバイアス方式を採用したAMRヘッ
ドによれば、例えば、米国特許第5438470 号に記載され
ているように、電極の一部をMR膜上に形成することに
よって、低抵抗,高い信号雑音比,高い電気的信頼性を
持つヘッドが得られる。しかしながら、この構造のヘッ
ドは、例えば、論文:IEEE Trans. Magn.,vol.32,
p.67(1996)に記載されているように、クロスト
ーク特性が悪い、すなわち隣接トラックの信号の読みに
じみが大きいという欠点があることが知られている。
【0007】一方、AMRヘッドに代わる次世代の高感
度なMRヘッドとして、例えば、特開平4−358310 号公
報に記載されているように、巨大磁気抵抗効果を利用し
たスピンバルブヘッドが提案されている。このスピンバ
ルブヘッドは、磁気抵抗効果膜として、磁気記録媒体か
らの磁界により磁化方向が変化する第一の強磁性膜と、
磁化方向が固定された第二の強磁性膜との間に挿入され
た非磁性導体膜とから構成され、第二の強磁性膜がその
磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜に積
層された構成となっている。また、スピンバルブヘッド
の出力を高くするために、その応用として特開平5−347
013 号公報に記載されているように、デュアルタイプの
スピンバルブヘッドが提案されている。このデュアルス
ピンバルブヘッドは、磁気抵抗効果膜として、磁気記録
媒体からの磁界により磁化方向が変化する第一の強磁性
膜と、磁化方向が固定された第二および第三の強磁性膜
と、第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入され
た非磁性導体膜と、第一の強磁性膜と第三の強磁性膜と
の間に挿入された非磁性導体膜とから構成され、第二の
強磁性膜と第三の強磁性膜は、第一の強磁性膜に対して
相対するように第一の強磁性膜の上下に積層されてお
り、第二,第三の強磁性膜はそれぞれの磁化方向を固定
する反強磁性膜もしくは永久磁石膜に直接積層された構
成となっている。
【0008】これら各スピンバルブヘッドでは、磁気記
録媒体からの磁界により磁化方向が変化するのは第一の
強磁性膜であるので、スピンバルブヘッドにおいては、
第一の強磁性膜を単一の磁区状態にすることが要求され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】スピンバルブヘッドは
AMRヘッドに代わるヘッドとして知られているが、ハ
ードバイアス方式を用いた従来のスピンバルブヘッドに
おいては、磁区制御層の強さによっては再生波形が歪ん
だり、再生出力が低下したりすることがある。
【0010】例えば、第一の強磁性膜を単一の磁区に制
御するための磁区制御層の強さが必ずしも十分でない場
合には、再生波形が歪み、磁気記録再生装置が誤動作す
ることがある。この歪みは一般にバルクハウゼンノイズ
と呼ばれるものであり、このノイズの発生原因は、第一
の強磁性膜端部の磁化の不連続な動きにあることがわか
った。しかも、このバルクハウゼンノイズは、スピンバ
ルブヘッドの方がAMRヘッドよりもより発生し易い。こ
れは、前述したようにスピンバルブヘッドでは、第一の
強磁性膜の磁化を真横に向けた状態を中心に動作させる
一方、AMRヘッドではMR膜の磁化を斜め45°付近
に傾けた状態を中心に動作させることによっている。つ
まり、スピンバルブヘッドでは、磁気記録媒体の漏洩磁
界(正,負)を印加した時、第一の強磁性膜端部の磁化
が上下方向に反転しているためである。これは、磁区制
御層の強さが必ずしも十分でない場合、第一の強磁性膜
端部の磁化が真横を向くと、静磁エネルギーが高くなる
ので、磁化方向としては斜め上または斜め下が安定な状
態であるからである。これに対して、AMRヘッドで
は、第一の強磁性膜端部の磁化は常に斜め方向を向いて
いるので、スピンバルブヘッドのような磁化の不連続な
動きは生じにくい。
【0011】次に、磁区制御層の強さがある程度十分な
場合、磁気記録再生装置の高トラック密度化に際して、
スピンバルブヘッドの電極の間隔を狭くすると、単位電
極間隔当たりの出力(感度)が急激に低下する。スピン
バルブヘッドの出力は、基本的には電極の間隔に比例し
て大きくなる。この理由は、電圧が変化する部分が直列
に長く接続される程、全体の電圧変化が大きくなること
にある。ところが、従来のハードバイアス構造のスピン
バルブヘッドにおいて電極の間隔を単に狭くすると、単
位電極間隔あたりの出力(感度)が急激に低下する。特
に電極間隔を2μm以下にすると、ヘッドの感度は本来
の感度の90%以下に低下する。この感度の低下の原因
は、電極の下に積層されている磁区制御層の影響で、第
一の強磁性膜の左右両端領域の感度が低いことにある。
よって電極間隔が狭くなり、磁区制御層の影響が強くな
るにつれて感度の高い中央部分の割合が少なくなり、結
果として感度が低下する。従って、従来のハードバイア
ス構造のスピンバルブヘッドでは、電極間隔を単に狭く
すると、感度が急激に低くなり、磁気記録再生装置の誤
動作が増加する。この結果として、磁気記録再生装置の
高トラック密度化が困難となる。
【0012】更に、磁区制御層の強さがある程度十分な
場合、電極間隔が一定でも、ヘッドの出力は磁区制御層
の強さが強くなる程急激に低下する。例えば、磁区制御
層の強さを示す尺度である長手バイアス比が2の場合、
ヘッドの出力は本来の出力の60%程度に低下する。こ
こで、長手バイアス比は、磁区制御層が永久磁石の場
合、永久磁石膜の残留磁束密度Brと膜厚tとの積算値
(Br・t)と、スピンバルブヘッドにおける第一の強
磁性膜の飽和磁束密度Bsと膜厚tとの積算値(Bs・
t)との比で表わされる値である。また長手バイアス比
は、磁区制御層が強磁性膜と反強磁性膜との積層膜の場
合、磁区制御層における強磁性膜の飽和磁束密度Bsと
膜厚tとの積算値(Bs・t)を、スピンバルブヘッド
における第一の強磁性膜の飽和磁束密度Bsと膜厚tと
の積算値(Bs・t)との比で表わされる値である。
【0013】更に、磁区制御層は第一の強磁性膜とは別
工程で作製されるため、磁区制御層の強さ、すなわち長
手バイアス比は、ある範囲のバラツキを有する。その結
果としてヘッドの出力にバラツキが発生する。しかも、
磁区制御層の強さが不十分であると、前述したように、
バルクハウゼンノイズが発生するところから、磁区制御
層の強さは、必要な値よりも若干大きく設定されてい
る。その結果として出力が低くなる。
【0014】このように、従来のハードバイアス構造の
スピンバルブヘッドでは、ヘッドの出力は磁区制御層の
強さに大きく依存しているため、磁区制御層の強さが強
い場合には、出力が低下し、磁気記録再生装置の誤動作
が増加する。
【0015】本発明の目的は、電極間隔が狭い場合には
磁区制御層の強さに依らず安定した高い再生出力を得る
ことができる磁気抵抗効果型ヘッドとこのヘッドを用い
た磁気再生装置及び磁気記録再生装置を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
きさの複数の膜が多層に積層された磁気抵抗効果膜と、
磁気抵抗効果膜の積層方向と交差する幅方向の領域の両
側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区制御層上に
積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続された一対の
電極とを備え、磁気抵抗効果膜は、磁気記録媒体からの
磁界により磁化方向が変化する単層又は複数層の第一の
強磁性膜と、磁化方向が固定された単層又は複数層の第
二の強磁性膜と、第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との
間に挿入された非磁性導体膜とを有し、第二の強磁性膜
がその磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石
膜上に直接積層されている磁気抵抗効果型ヘッドであっ
て、前記一対の電極の一部がそれぞれ前記磁気抵抗効果
膜上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果
膜の幅よりも狭く形成されていること又は電極は磁気抵
抗効果膜の中心部にのみ電流を流す位置に配置され、そ
の間隔が2μm以下であることを特徴とする磁気抵抗効
果型ヘッドを構成したものである。
【0017】また、その間隔は0.25〜1.5μmとす
ることができる。
【0018】巨大磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果
型ヘッドのうち、第二の強磁性膜上に磁化方向を固定す
る反強磁性膜もしくは永久磁石膜が直接積層されている
ものには、一対の電極の一部がそれぞれ前記反強磁性膜
もしくは永久磁石膜上に積層され、各電極の間隔が磁気
抵抗効果膜の幅よりも狭く形成されている構成を採用す
ることができる。
【0019】本発明は、磁気記録媒体のトラック幅に対
応した大きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜
と、磁気抵抗効果膜の両側に隣接して配置された磁区制
御層と、該磁区制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と
電気的に接続された一対の電極とを備え、前記磁気抵抗
効果膜は、磁気記録媒体からの磁界により磁化方向が変
化する第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された第二お
よび第三の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と第二の強
磁性膜との間に挿入された第一の非磁性導体膜と、前記
第一の強磁性膜と第三の強磁性膜との間に挿入された第
二の非磁性導体膜と、前記第一の強磁性膜は第二の強磁
性膜の上に積層され、第三の強磁性膜は第一の強磁性膜
の上に積層されており、前記第二および第三の強磁性膜
の磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜と
を有する磁気抵抗効果型ヘッドにある。
【0020】その巨大磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗
効果型ヘッドのうち、第三の強磁性膜上に磁化方向を固
定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜が直接積層されて
いるものには、一対の電極の一部がそれぞれ前記反強磁
性膜もしくは永久磁石膜に積層され、各電極の間隔が磁
気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成されているか、又は前
述の如く磁気抵抗効果膜の中心部にのみ電流を流す位置
に配置され、その間隔が2μm以下である構成を採用す
ることができる。
【0021】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、
磁区制御層に永久磁石膜を用いた場合には第二又は第三
の強磁性膜の磁化方向を固定する磁性膜には反強磁性膜
を用い、磁区制御層に反強磁性膜と軟磁性膜との積層膜
を用いた場合の第二又は第三の強磁性膜の磁化方向を固
定する磁性膜には反強磁性膜又は永久磁石膜を用いるの
が好ましい。前者の関係が特に好ましいものである。
【0022】磁気抵抗効果膜の幅は、一対の電極の間隔
に0.5〜4μm を加えた値が好ましい。
【0023】また、一対の電極のうち電極間隔を規定す
る各電極端部の位置は、磁気抵抗効果膜の幅方向両端部
からそれぞれ0.25〜2μm の範囲が好ましい。
【0024】更に、一対の電極の電極間隔は2μm以
下、特に2μm未満、より0.25 〜1.5μm に設定
することができる。
【0025】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは再生ヘッ
ドとして用いられ、以下の装置に適用することができ
る。
【0026】(1)情報を磁気的に記録する磁気記録媒
体と、磁気記録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号
に変換する再生ヘッドと、再生ヘッドからの電気信号を
処理する再生処理回路とを備えた磁気再生装置。
【0027】(2)情報を磁気的に記録する磁気記録媒
体と、電気信号に応じた磁界を発生しこの磁界による情
報を磁気記録媒体に記録させる記録ヘッドと、磁気記録
媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号に変換する再生
ヘッドと、再生ヘッドからの電気信号を処理する再生処
理回路とを備えた磁気記録再生装置。
【0028】(3)複数台の上述の磁気記録再生装置
と、これらの装置の動作を制御するコントローラとを備
えたディスクアレイ装置。
【0029】前記した手段によれば、各電極の相対向す
る端部が磁気抵抗効果膜の幅方向の端部位置に比べて内
側に配置され、磁気抵抗効果膜の幅方向端部には実質的
に電流が流れず、磁区制御層からの磁界の影響を受けに
くい中央部にのみ電流が流れるため、磁区制御層の強さ
が必ずしも十分ではない時でも、磁気抵抗効果膜からバ
ルクハウゼンノイズが発生するのを抑制することができ
る。更に、磁区制御層の強さが十分な場合でも、出力を
高く保つことができる。しかも電極の幅を狭くしても、
高感度な出力を保持できるとともに、読みにじみを小さ
くでき、高トラック密度化にも対応することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1は、本発明に係るスピンバルブヘッド
の媒体対向面を示す構成図である。図1において再生用
の磁気抵抗効果型ヘッドとして構成されたスピンバルブ
ヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)は磁気抵抗効果膜
10,磁区制御層12,一対の電極14を備えており、
磁気抵抗効果膜10が反強磁性膜16上に積層されてい
る。磁気抵抗効果膜10は、磁気記録媒体のトラック幅
に対応した大きさの複数の膜が多層に積層されている。
多層膜は、第一の強磁性膜18,非磁性導体膜20,第
二の強磁性膜22,24から構成されており、第二の強
磁性膜24が反強磁性膜16上に積層されている。これ
ら多層膜は、所定の幅(磁気抵抗効果膜の幅26)に対
応した大きさに切り落された状態で積層されている。第
一の強磁性膜18は自由層として、例えばNiFe,C
oFe,CoNiFe等を用いて構成され、膜厚は5n
m(好ましくは2〜15nm)に設定されている。非磁
性導体膜20には、例えばCuが用いられており、膜厚
は2nm(好ましくは1〜5nm)に設定されいる。第
二の強磁性膜22,24はそれぞれ固定層として積層膜
を構成しており、第二の強磁性膜22には、例えばCo
が用いられ、膜厚は1nmに設定されている。第二の強
磁性膜24には、例えばNiFeが用いられており、こ
の膜厚は1nmに設定され、好ましくは両者で1〜5n
mである。反強磁性膜16にはNiOが用いられてお
り、この膜厚は50nm(好ましくは20〜80nm)
に設定されている。そして第二の強磁性膜22,24は
その磁化方向が反強磁性膜16との交換結合によってほ
ぼ媒体対向面を指すように固定されている。第一の強磁
性膜18の磁化方向は、例えば磁気抵抗効果膜の幅方向
に設定されており、この磁化方向は磁気記録媒体の磁界
によって紙面と垂直方向に変化するようになっている。
第一の強磁性膜18は第二の強磁性膜22,24の合計
の厚さより大きく約2〜3倍の大きさを有する。
【0031】磁区制御層12は永久磁石膜28と配向制
御下地膜30とが積層された積層膜で構成されており、
磁区制御層12は磁気抵抗効果膜10の積層方向と交差
する幅方向の領域の両側に隣接して配置されている。永
久磁石膜28としては、例えばCoCrPt系の合金が
用いられており、配向制御下地膜30としては、10n
m(好ましくは5〜20nm)のCrが用いられてい
る。そして磁区制御層12から発生する磁界によって第
一の強磁性膜18が単一の磁区に制御されるようになっ
ている。磁区制御層12は第一の強磁性膜18とほぼ同
じ高さに配置されており、その厚さは10nm(好まし
くは4〜30nm、より5〜15nmが好ましい)であ
る。
【0032】一対の電極14はそれぞれ磁区制御層12
上に積層されており、各電極14の一部が第一の強磁性
膜18上に積層されている。すなわち各電極14は、電
極間隔32を保って第一の強磁性膜18と磁区制御層1
2上に積層されている。各電極14は、例えばAu,C
u,Taなどの金属で構成されており、各電極14の電
極間隔32は磁気抵抗効果膜の幅26よりも狭く設定さ
れている。
【0033】スピンバルブヘッドでは、出力はスピンバ
ルブ膜固有の比抵抗変化量Δρと、第一の強磁性膜と第
二の強磁性膜の磁化方向のなす角度Δθの余弦cosΔθ
との積に比例する。そして比抵抗変化量ΔρがAMRヘ
ッドに比べて2倍以上高いところから、スピンバルブヘ
ッドがAMRヘッドに比べて高感度であることが知られ
ている。ここで、第二の強磁性膜の磁化方向を媒体対向
面に対して垂直に、例えば、真下(マイナス90°)付
近に固定したとすると、cosΔθ は第一の強磁性膜の磁
化方向と媒体対向面とのなす角度θを用いて、cos(θ+
90°)と書き直すことができる。すなわち、出力はsi
nθ に比例する。このため、出力をθの変化に対して線
形に変化させるためには、θは0°付近が望ましい。よ
って、第一の強磁性膜の磁化方向は、媒体対向面とほぼ
平行、すなわちほぼ真横になるように設定してある。
【0034】図2は、スピンバルブヘッドの反強磁性膜
16として、NiOの代わりに、FeMn系,NiMn
系,CrMn系などの合金を用いたスピンバルブヘッド
の構成図である。第二の強磁性膜22,24のうちいず
れか一方を省略することも可能である。図2に示すよう
に、磁気抵抗効果膜10の積層方向が図1とは異なり、
磁気抵抗効果膜10上に反強磁性膜16が積層される。
また、図1,図2に示したいずれの場合にも、反強磁性
膜16は永久磁石膜に置換することができる。本図面に
おける各層の厚さは図1と同様である。磁区制御層12
は反強磁性膜16の上面より下になる。
【0035】図3は、スピンバルブヘッドの出力を高く
するため、その応用であるデュアルスピンバルブヘッド
を用いた構成図である。この場合の磁気抵抗効果膜10
の構成は、図3に示すように、第一の強磁性膜18,磁
化方向が固定された第二の強磁性膜22,24,第三の
強磁性膜36,38,第一の強磁性膜18と第二の強磁
性膜22との間に挿入された非磁性導体膜20と、第一
の強磁性膜18と第三の強磁性膜36との間に挿入され
た非磁性導体膜34とから構成されており、第二の強磁
性膜22,24は反強磁性膜16上に積層され、反強磁
性膜40は第三の強磁性膜36,38上に積層された構
成となっている。第一の強磁性膜18は自由層として、
例えば、NiFe,CoFe,CoNiFe等を用いて
構成され、膜厚は5nmに設定されている。非磁性導体
膜20,34には、例えばCuが用いられ、膜厚は2n
mに設定されている。第二の強磁性膜22,24および
第三の強磁性膜36,38は、それぞれ固定層として積
層膜を構成しており、第二の強磁性膜22,第三の強磁
性膜36には例えばCoが用いられ、ともに膜厚は1n
mに設定されている。第二の強磁性膜24,第三の強磁
性膜38には例えばNiFeが用いられ、ともに膜厚は
1nm(好ましくは0.5〜3nm)に設定されている。
反強磁性膜16,40にはNiO,CoO等酸化物やF
eMn系,NiMn系,CrMn系の合金などから最も
適したものが選ばれる。ここで反強磁性膜16,40は
同一の材料で構成しても別材料で構成してもよく、更に
永久磁石に置換することもできる。また第二の強磁性膜
22,24のうちいずれか一方を省略することもでき、
同様に第三の強磁性膜36,38のうちいずれか一方を
省略することもできる。他の各層の厚さは図1と同様で
ある。
【0036】また上記各スピンバルブヘッドにおいて、
永久磁石膜28は、NiFe系合金と反強磁性膜である
FeMn系,NiMn系,CrMr系などの合金との積
層膜に置換することもできる。この場合、配向制御下地
膜30はTaなどに置換した方が良い特性が得られる。
磁区制御膜12は磁気抵抗効果膜10の上面より下に形
成される。
【0037】図4は、本発明におけるスピンバルブヘッ
ドを用いて再生信号を測定するに際して、磁区制御層1
2の磁界の強さを示す長手バイアス比を0.8 と低くし
て測定した測定結果を示す線図である。この時、同一の
条件で従来のハードバイアス構造のスピンバルブヘッド
を測定したところ、従来のヘッドではバルクハウゼンノ
イズが生じているのに対して、本発明によるヘッドに依
れば、バルクハウゼンノイズが抑制されていることがわ
かる。これは、各電極14の電極間隔32が磁気抵抗効
果膜の幅26よりも狭く設定され、磁気抵抗効果膜10
のうちバルクハウゼンノイズの発生源である端部には電
流が流れないので、このバルクハウゼンノイズを感知し
なくても済むためである。このため、磁区制御層12の
磁界の強さが十分でない場合でも、バルクハウゼンノイ
ズの発生が抑制され、このヘッドを磁気記録再生装置に
用いても、磁気記録再生装置の誤動作を少なくすること
ができる。
【0038】図5は、磁区制御層の強さが十分な場合と
して、長手バイアス比を1.5 とした時の単位電極間隔
当たりの出力(感度)と電極間隔との関係を従来のハー
ドバイアス構造のヘッドと比較した線図である。なお、
本発明におけるスピンバルブヘッドにおいては、各電極
14が第一の強磁性膜18を覆う距離34に対応したオ
ーバーラップ量を0.5μm とし、磁気抵抗効果膜の幅
26を電極間隔32+1.0μm としている。
【0039】図5から、本発明のヘッドに依れば、従来
のヘッドとは異なって、電極間隔32が0.5μm と極
めて狭くなった場合でも、感度を高く保つことができる
ことがわかる。
【0040】図6は、本実施形態におけるスピンバルブ
ヘッドと従来のスピンバルブヘッドのマイクロトラック
特性を比較したものである。マイクロトラック特性の半
値幅は、実効的な再生幅を示し、この比較により読みに
じみの大小の比較が可能となる。なお、図6では、本発
明におけるヘッドのオーバーラップ量は左右ともに0.
5μm としている。そして電極間隔は各ヘッドととも
1.0μm とした。ここでマイクロトラック特性は、磁
気記録媒体上にトラック幅0.2μm 程度の細い領域に
信号を記録し、このマイクロトラックの信号をヘッドの
下で移動させることによって求められる。
【0041】図6から、本発明のヘッドの半値幅(実効
トラック幅)は1.0μm と電極間隔に等しく、読みに
じみは小さいことがわかる。一方、従来のヘッドでは
0.9μmと電極間隔よりもむしろ若干狭い。
【0042】そこで、本発明に依るヘッドと従来のヘッ
ドの出力に関して、実効トラック幅で規格化して比較し
たところ、従来のヘッドの規格化出力は0.78 であっ
たのに対して、本発明のヘッドでは0.95 と約2割高
い結果が得られた。この結果からも、本発明のヘッドは
従来のヘッドよりも有利であることがわかる。
【0043】このように、長手バイアス比が大きく、電
極間隔が狭くなった場合でも、高感度さを保持でき、か
つ読みにじみが小さいため、磁気記録再生装置が高トラ
ック密度化されても、本発明のヘッドを用いれば、磁気
記録再生装置の誤動作を少なくすることができる。
【0044】図7は、電極間隔が1μmと狭い場合の出
力とオーバーラップ量との関係を測定した結果を示す線
図である。
【0045】図7から、ヘッドの出力を本来の出力の9
0%以上に保つためには、オーバーラップ量を0.25
μm 以上にすれば良いことがわかる。これは、磁気抵
抗効果膜10の幅方向の端部の領域、すなわち感度が低
い領域には実質的に電流が流れず、感度の高い中央部の
領域にのみ電流が流れるので、出力を高く保つことがで
きるからである。このため、狭電極間隔でありながら高
感度なヘッドとするためには、各電極14の先端側の端
部は左右ともに磁気抵抗効果膜10の幅方向の端部より
も0.25μm 以上内側になるように配置することが望
ましい。
【0046】一方、オーバーラップ量を余り大きくする
と、磁気抵抗効果膜10の両側に隣接して配置されてい
る磁区制御層12の効果が感磁部にまで波及しなくな
る。すなわち本発明のスピンバルブヘッドでは、磁化の
最も不安定でノイズ発生源になり得る部分は各電極14
の内側の端部の領域である。これは、この領域で電流に
よるバイアス磁界のねじれが生じるからである。従っ
て、各電極の端部位置において、電流によるバイアス磁
界(5〜10エルステッド程度)を上回る、磁気抵抗効
果膜の幅方向の実効的異方性磁界が磁区制御層12によ
って第一の強磁性膜18に印加されていることが望まし
い。
【0047】図8は磁区制御層12からの距離と実効的
異方性磁界との関係を求めた結果を示す線図である。図
8には、第一の強磁性膜18の幅方向の実効的な異方性
磁界の分布が示されている。ここでは、原点に存在する
磁化のみが強く幅方向に拘束されている(磁区制御され
ている)ことを仮定した。図8から実効的な異方性磁界
を10エルステッド以上にするには、磁区制御層12か
らの距離は2μm以下にすると良いことがわかった。そ
こで、各電極14の内側(先端側)の端部位置を、磁気
抵抗効果膜10の幅方向の端部位置に比べて左右ともに
それぞれ2μm以下の範囲内で内側になるように配置す
ることが望ましい。すなわち、各電極14に対するオー
バーラップ量としては、0.25μm 以上で2μm以下
の範囲内にあることが望ましい。
【0048】図9は、電極間隔を1.0μm と狭くした
場合のヘッドの出力と長手バイアス比との関係について
従来のヘッドと比較した結果を示す線図である。
【0049】図9から、本発明のヘッドに依れば、長手
バイアス比、すなわち磁区制御層12の磁界の強さが大
きくなっても、磁区制御層12の磁界の影響を大きく受
けることなく出力の低下を低く抑えることができる。
【0050】本実施形態によれば、電極間隔が狭くなっ
ても、磁区制御層12の磁界の強さが強くなっても出力
の低下を低く抑えることができ、高出力のヘッドを提供
することができる。
【0051】電極を磁気抵抗効果膜の上に積層すること
によって、電極と磁気抵抗効果膜との間の接触抵抗を低
くする(従来:1〜5Ω,本発明1Ω以下)にすること
ができる。よってヘッドノイズや不要な発熱を抑えるこ
とができる。
【0052】また、本実施形態によるヘッドを以下の装
置に用いれば、誤動作の少ない装置を提供することがで
きる。例えば、磁気再生装置として、情報を磁気的に記
録する磁気記録媒体と、磁気記録媒体から漏洩する磁界
の変化を電気信号に変換する再生ヘッドと、再生ヘッド
からの電気信号を処理する再生処理回路を備えたもの。
更に、この再生装置の要素に加えて、電気信号に応じた
磁界を発生しこの磁界に依る情報を磁気記録媒体に記憶
される記録ヘッドを備えたもの。
【0053】(実施例2)図10は、本発明の一実施形
態であるスピンバルブヘッドの媒体対向面を示す構成図
である。図10において再生用の磁気抵抗効果型ヘッド
として構成されたスピンバルブヘッド(巨大磁気抵抗効
果型ヘッド)は、磁気抵抗効果膜10,磁区制御層3
3,一対の電極31を備えており、磁気抵抗効果膜10
は、磁気記録媒体のトラック幅に対応した大きさの複数
の膜が多層に積層されている。
【0054】多層膜は、第一の強磁性膜11,非磁性導
体膜19,第二の強磁性膜13から構成されており、第
二の強磁性膜13の上に反強磁性膜21が積層されてい
る。これら多層膜からなる磁気抵抗効果膜10と反強磁
性膜21とは、積層して形成された後に、磁気抵抗効果
膜10の幅(第一の強磁性膜11,非磁性導体膜19,
第二の強磁性膜13の幅のうち、最も狭い幅で定義す
る)51が所定の大きさである例えば2.0μm になる
ように、一括して両横が切り落されている。第一の強磁
性膜11は自由層として、例えばNi80Fe20を用いて
構成され、膜厚は例えば2〜15nm程度の間の最適な
値に設定されている。また、第一の強磁性膜11は自由
層として、例えばNi80Fe20,Ni68Fe17Co15,Co
60Ni20Fe20,Co90Fe10,Co等の単層膜、及びこれ
らのうちの幾つかの膜を最適に積層した多層膜を用いて
構成することもできる。非磁性導体膜19には、例えば
Cuが用いられており、膜厚は例えば1〜4nm程度の
間の最適な値に設定されている。第二の強磁性膜13は
固定層として、例えばCoを用いて構成され、膜厚は例
えば1〜5nm程度の間の最適な値に設定されている。
また、第二の強磁性膜13は固定層として、例えばNi
80Fe20,Ni68Fe17Co15,Co60Ni20Fe20,Co90
Fe10,Co等の単層膜、及びこれらのうちの幾つかの
膜を最適に積層した多層膜を用いて構成することもでき
る。反強磁性膜21には例えばCr45Mn45Pt10が用
いられており、この膜厚は例えば30nm程度に設定さ
れている。また反強磁性膜21には、上記のほかに例え
ばFe50Mn50,Mn80Ir20,Ni50Mn50等を用い
ることもできる。そして、第二の強磁性膜13はその磁
化方向が反強磁性膜21との交換結合によってほぼ媒体
対向面を指すように固定されている。第一の強磁性膜1
1の磁化方向は、例えば磁気抵抗効果膜の幅方向に設定
されており、この磁化方向は磁気記録媒体の磁界によっ
て紙面と垂直方向に変化するようになっている。なお、
反強磁性膜21は永久磁石に置換することもできる。
【0055】磁区制御層33は、例えば永久磁石膜と配
向制御下地膜とが積層された積層膜で構成されており、
磁区制御層33は磁気抵抗効果膜10の積層方向と交差
する幅方向の領域の両側に隣接して配置されている。磁
区制御層33を構成する永久磁石膜としては、例えば、
Co75Cr10Pt15,Co75Cr10Ta15等が用いられ
ており、配向制御下地膜は例えばCrが用いられてい
る。また、磁区制御層33を構成する永久磁石膜として
は、他に例えばCo80Pt20を用いることもでき、ま
た、Co75Cr10Pt15,Co75Cr10Ta15,Co80
Pt20等の合金にZrO2,SiO2,Ta25等の酸化
物を添加したものを用いることもできる。これらの場
合、配向制御下地膜を省略することもできる。そして磁
区制御層33から発生する磁界によって第一の強磁性膜
11が単一の磁区に制御されるようになっている。ま
た、磁区制御層33は、反強磁性膜と強磁性膜と配向制
御下地膜との積層膜で構成することもできる。この場
合、反強磁性膜はFe50Mn50,Mn80Ir20,Ni50
Mn50,Cr45Mn45Pt10等の合金から選択され、強
磁性膜はNiFe系,CoFe系,CoNi系の合金等
から選択され、配向制御下地膜はTa等が良い。また反
強磁性膜としてNiO,CoO等を用いることもでき、
この場合には配向制御下地膜は省略することができる。
【0056】一対の電極31は、それぞれ磁区制御層3
3上に積層されており、各電極の一部が反強磁性膜21
の上に積層されている。ここで、各電極と反強磁性膜と
の積層幅53は例えば0.5μm に設定されている。す
なわち、磁気抵抗効果膜の幅51は2.0μmであるの
で、各電極31は、電極間隔52が1.0μmになるよ
うに保たれながら、磁区制御層33と反強磁性膜21上
に積層されている。各電極31は、例えばTa,Au,
Cu等の低抵抗の金属で構成されている。
【0057】図11は、反強磁性膜21として上述の合
金の代わりにNiO,CoO等の酸化物を用いたスピン
バルブヘッドの断面図である。図11に示すように、磁
気抵抗効果膜10と反強磁性膜21の積層方向が図10
とは異なり、反強磁性膜21の上に磁気抵抗効果膜10
が積層される。よって一対の電極31は、それぞれ磁区
制御層33上に積層されており、各電極の一部が第一の
強磁性膜11の上に積層されている。なお、反強磁性膜
21は永久磁石に置換することができる。各層の厚さは
図10と同様である。
【0058】図12は、スピンバルブヘッドの感度を高
くするためその応用であるデュアルスピンバルブヘッド
を用いた場合の断面図である。この場合の磁気抵抗効果
膜10の構成は、反強磁性膜21の上に第二の強磁性膜
13,非磁性導体膜17,第一の強磁性膜11,非磁性
導体膜23,第三の強磁性膜15,反強磁性膜22が逐
次直接積層された構成となっている。第一の強磁性膜1
1は自由層として、例えばNi80Fe20,Ni68Fe17
Co15,Co60Ni20Fe20,Co90Fe10,Co等の
単層膜、及びこれらのうちの幾つかの膜を最適に積層し
た多層膜を用いて構成されており、膜厚は例えば2から
15nm程度の間の最適な値に設定されている。非磁性
導体膜17及び非磁性導体膜23には、例えばCuが用
いられており、膜厚は例えば1から4nm程度の間の最
適な値に設定されている。第二の強磁性膜13及び第三
の強磁性膜15は固定層として、例えばCo,Ni80
20,Ni68Fe17Co15,Co60Ni20Fe20,Co
90Fe10等の単層膜、及びこれらのうちの幾つかの膜を
最適に積層した多層膜を用いて構成されており、膜厚は
例えば1〜5nm程度の間の最適な値に設定されてい
る。反強磁性膜21,22には、Fe50Mn50,Mn80
Ir20,Ni50Mn50,Cr45Mn45Pt10等の合金
や、NiO,CoO等の酸化物から最適なものが選ばれ
る。ここで、反強磁性膜21,22は同一の材料で構成
しても別材料で構成しても良く、更に永久磁石に置換す
ることもできる。他、各層の厚さは図10と同様であ
る。
【0059】図10〜図13の磁区制御層の位置及び厚
さは実施例1と同様の関係を有するものである。
【0060】以下、本発明のスピンバルブヘッドの一例
として、図10に示したヘッドを用いて特性の説明を行
う。図14は図10に示すスピンバルブヘッドと図13
に示す電極の一部をMR膜上に形成した比較のAMRヘ
ッドとの再生特性の比較を行った結果である。なお、図
13に示したAMRヘッドは、磁気抵抗効果膜10とし
てMR膜41,中間Ta層42,SAL43が積層した
構造を有する。図14では各電極31が反強磁性体2
1、またはMR膜41上に積層されている部分の幅53
(磁区制御層33から各電極31の端部までの距離(オ
ーバーラップ量)を変化させて、ヘッドの再生出力を測
定した。電極間隔52は1.0μm 一定とし、オーバー
ラップ量53を変化させた場合には、磁気抵抗効果膜の
幅51も同時に変化させた。図14に示すように比較の
図13のAMRヘッドの場合、オーバーラップ量53を
大きくしても、出力はあまり上昇しない。しかしなが
ら、本発明のスピンバルブヘッドの場合、オーバーラッ
プ量53を大きくした場合の出力上昇は著しい。スピン
バルブヘッドで出力が高くなるのは、磁区制御層33の
影響で感度の低くなっている磁気抵抗効果膜10の幅方
向の端部領域を、各電極31でオーバーラップすること
によって、実質的には電流を流さず、感度の高い中央部
分の出力のみを取り出しているためである。一方、AM
Rヘッドでこの効果がはっきりと現われないのは、磁気
抵抗効果膜10のうち各電極31がオーバーラップした
部分の磁化状態がオーバーラップ無しの場合とは大きく
異なるため、出力が低下し、これが出力の上昇分をキャ
ンセルしてしまうことにあるとわかった。このような、
オーバーラップの有無による磁化状態の違いは、本発明
のスピンバルブヘッドでは極めて小さい。これは第二の
強磁性膜13の磁化状態が、電流によって変化しにくい
という特徴によっている。よって、本発明のスピンバル
ブヘッドには、各電極31の一部を反強磁性膜21等の
上に形成することによって出力を高くできるという、特
有の効果があることがわかった。
【0061】次に、オーバーラップ量53の最適値を求
めた。図14から、本発明のヘッドにおいて、ヘッドの
出力を最大値の90%以上に保つためには、オーバーラ
ップ量53を0.25μm 以上にすれば良いことがわか
る。よって、狭電極間隔でありながら高感度なヘッドと
するためには、各電極31の先端側の端部は、左右とも
に磁気抵抗効果膜10の幅方向の端部よりも0.25μ
m 以上内側になるように配置することが望ましい。一
方、オーバーラップ量53を余り大きくすると、磁気抵
抗効果膜10の両側に隣接して配置されている磁区制御
層33の効果が感磁部まで波及しなくなる。すなわち本
発明のスピンバルブヘッドでは、磁化の最も不安定でノ
イズ発生源になり得る部分は各電極31の先端側の端部
領域である。これは、ここを境にして電流によるバイア
ス磁界の有無の差が生じるからである。従って、各電極
の端部位置において、電流によるバイアス磁界(5から
10エルステッド程度)を上回る、磁気抵抗効果膜10
の幅方向の実効的異方性磁界が、磁区制御層33によっ
て第一の強磁性膜11に印加されていることが望まし
い。図15は、オーバーラップ量53と、電極端部にお
ける磁気抵抗効果膜10の幅方向の実効的異方性磁界と
の関係を示す線図である。図15から電極端部位置での
実効的異方性磁界を10エルステッド以上にするには、
オーバーラップ量53は2μm以下にすると良いことが
わかった。そこで、各電極31の先端側の端部位置を、
磁気抵抗効果膜10の幅方向の端部位置に比べて、左右
ともにそれぞれ2μm以下の範囲で内側になるように配
置することが望ましい。すなわち、各電極31に対する
オーバーラップ量53としては、0.25μm 以上で2
μm以下の範囲内にあることが望ましい。
【0062】図16は、スピンバルブヘッドにおいて、
本発明のようにオーバーラップ量がある場合と、従来の
ヘッドのようにオーバーラップ量が無い場合の電極間隔
(1μm)あたりの出力、すなわち感度と電極間隔との
関係を示す線図である。本発明におけるスピンバルブヘ
ッドにおいては、各電極31が反強磁性膜21を覆う幅
に対応したオーバーラップ量53を0.5μm とし、磁
気抵抗効果膜の幅51を電極間隔52に1.0μm を加
えた値としている。図16から、本発明のヘッドによれ
ば、従来のヘッドとは異なって、電極間隔52が0.5
μm と極めて狭くなった場合でも、感度を高く保つこ
とができることがわかる。
【0063】また、本発明のスピンバルブヘッドでは、
反強磁性膜21の一部に各電極31が積層されているこ
とを考慮し、読みにじみの大小をマイクロトラック特性
を測定することによって、従来のヘッドと比較した。電
極間隔は、ともに1.0μmとした。なお、マイクロト
ラック特性は、磁気記録媒体上にトラック幅0.2μm程
度の細い領域に信号を記録し、このマイクロトラックの
信号をヘッドの下で移動させることによって求められ
る。オーバーラップ量53を0.5μm とした本発明の
ヘッドにおいて、マイクロトラック特性の半値幅すなわ
ち実効トラック幅は1.0μm と電極間隔に等しく、読
みにじみは小さいことがわかる。一方、従来のヘッドで
は実効トラック幅は0.9μm と電極間隔よりもむしろ
狭い。そこで、本発明によるヘッドと従来のヘッドの出
力に関して、実効トラック幅で規格化して比較したとこ
ろ、従来のヘッドの規格化出力は0.78 であったのに
対して、本発明のヘッドは0.95 と約2割高い結果が
得られた。この結果からも、本発明のヘッドは従来より
も有利であることがわかる。
【0064】このように、電極間隔が狭くなった場合で
も、高感度さを保持でき、かつ読みにじみが小さいた
め、磁気記録再生装置が高トラック密度化されても、本
発明のヘッドを用いれば、磁気記録再生装置の誤動作を
少なくすることができ、また磁気記録再生装置を低電力
で動作させることができる。
【0065】図17は、電極間隔を1.0μm と狭くし
た場合のヘッドの出力と長手バイアス比との関係につい
て、従来のヘッドと比較した示した線図である。図17
に示すように本発明のヘッドによれば、磁区制御層33
の作る磁界の強さを示す長手バイアス比がバラツキを持
っていても、この影響を直接受けること無く、出力のバ
ラツキを低く抑えることができる。このため本発明のヘ
ッドを用いれば、高歩留まりのヘッドを提供することが
できる。また長手バイアス比が高い場合にも高感度さを
保持できるので、本発明のヘッドを用いれば、磁気記録
再生装置の誤動作を少なくすることができ、また磁気記
録再生装置を低電力で動作させることができる。
【0066】図18は、本発明におけるスピンバルブヘ
ッドを用いて再生信号を測定するに際して、長手バイア
ス比を0.8 と低くして測定した結果を示す線図であ
る。この時、同一の条件で従来のスピンバルブヘッドを
測定したところ、従来のヘッドではバルクハウゼンノイ
ズと呼ばれる信号の不連続が観測されたのに対して、本
発明によるヘッドによれば、バルクハウゼンノイズが抑
制されていることがわかる。これは、各電極31の間隔
52が磁気抵抗効果膜の幅51よりも狭く設定され、磁
気抵抗効果膜10のうちバルクハウゼンノイズの発生源
である端部には電流が流れないので、このバルクハウゼ
ンノイズを感知しなくても済むためである。このため、
磁区制御層32の強さが十分でない場合にも、バルクハ
ウゼンノイズの発生が抑制され、このヘッドを磁気記録
再生装置に用いても、磁気記録再生装置の誤動作を少な
くすることができる。
【0067】電極を磁気抵抗効果膜の上に積層すること
によって、電極と磁気抵抗効果膜との間の接触抵抗を低
くする(従来:1〜5Ω,本発明1Ω以下)にすること
ができる。よってヘッドノイズや不要な発熱を抑えるこ
とができる。
【0068】(実施例3)図19は実施例1及び2に記
載のスピンバルブヘッドの磁気抵抗効果型再生ヘッドを
用いたハードディスク装置の概略図である。本装置はデ
ィスク回転軸64とこれを高速で回転させるスピンドル
モータ65を持っており、ディスク回転軸64には一枚
ないし複数枚(本実施例では二枚)のディスク40が所
定の間隔で取り付けられている。よって各ディスク40
はディスク回転軸64とともに一体となって回転する。
ディスク40は所定の半径と厚みを持った円板で、両面
に永久磁石膜が形成されており情報の記録面となってい
る。本装置はまた、ディスク40の外側にヘッドの位置
決め用回転軸62とこれを駆動させるボイスコイルモー
タ63を持っており、ヘッドの位置決め用回転軸62に
は複数個のアクセスアーム61が取り付けられており、
各アクセスアーム61の先端には記録再生用ヘッド(以
後ヘッドと記す)60が取り付けられている。よって各
ヘッド60は、ヘッドの位置決め用回転軸62が所定角
度だけ回転することによって各ディスク40上を半径方
向に移動し、所定の場所に位置決めされる。また各ヘッ
ド60は、ディスク40が高速で回転する時に生じる浮
力と、アクセスアーム61の一部を構成する弾性体であ
るジンバルの押し付け力とのバランスによって、ディス
ク40表面から数十nm程度の距離に保持されている。
スピンドルモータ65とボイスコイルモータ63とはハ
ードディスクコントローラ66にそれぞれ接続されてお
り、ハードディスクコントローラ66によりディスク4
0の回転速度やヘッド60の位置が制御されている。
【0069】図20は本発明のハードディスク装置に用
いたインダクティブ型の記録ヘッド断面図であるが、こ
の薄膜ヘッドは上部シールド膜186と、その上に付着
された磁性膜からなる下部磁性膜184及び上部磁性膜
185からなる。非磁性絶縁体189がこれらの磁性膜
の間に付着されている。絶縁体の一部が磁気ギャップ1
88を規定する。支持体はエア・ベアリング表面(AB
S)を有するスライダの形になっており、これはディス
ク・ファイル動作中に回転するディスクの媒体に近接し
浮上する関係にある。
【0070】薄膜磁気ヘッドは上部磁性膜185,下部
磁性膜184により出来るバック・ギャップ190を有
する。バック・ギャップ190は介在するコイル187
により磁気ギャップから隔てられている。
【0071】連続しているコイル187は例えばめっき
により下部磁性膜184の上に作った層になっており、
これらの電磁結合する。コイル187は絶縁体189で
埋められてあるコイルの中央には電気接点があり、同じ
くコイルの外端部終止点には電気接点として更に大きく
区域がある。接点は外部電線及び読み取り書き込み信号
処理ヘッド回路(図示略)に接続されている。
【0072】本発明においては、単一の層で作られたコ
イル187が、やや歪んだ楕円形をしており、その断面
積の小さい部分が磁気ギャップに最も近く配置され、磁
気ギャップからの距離が大きくなるにつれ、断面積が徐
々に大きくなる。
【0073】しかし楕円形コイルはバック・ギャップ1
90と磁気ギャップ188との間で比較的密に多数本入
っており、コイルの幅乃至断面直径はこの区域では小さ
い。更に、磁気ギャップから最も遠い部分での大きな断
面減少は電気抵抗の減少をもたらす。更に、楕円(長
円)形コイルは角や鋭い隅や端部を持たず、電流への抵
抗が少ない。又、楕円形状は矩形や円形(環状)コイル
に比べ導電体の全長が少なくて済む。これらの利点の結
果、コイルの全抵抗は比較的少なく、発熱は少なく、適
度の放熱性が得られる。熱を相当量減らすので、薄膜層
の層崩れ,伸長,膨張は防止され、ABSでのボール・
チップ突出の原因が除かれる。
【0074】幅の変化がほぼ均一に進む楕円形コイル形
状は、スパッタリングや蒸着等より安価な従来のめっき
技術で付着できる。他の形状特に角のある形のコイルで
はめっき付着が不均一な幅の構造になり易い。角や鋭い
端縁部の除去は出来上ったコイルにより少ない機械的ス
トレスしか与えない。
【0075】本実施例では多数巻回したコイルがほぼ楕
円形状で磁気コア間に形成され、コイル断面径は磁気ギ
ャップからバック・ギャップに向けて徐々に拡がってお
り、信号出力は増加し、発熱が減少させる。
【0076】本実施例では、インダクティブ型の記録ヘ
ッドの上部及び下部磁性膜を以下の電気めっき法によっ
て形成した。
【0077】Ni++量:16.7g/l,Fe++量:2.
4g/lを含み、その他通常の応力緩和剤,界面活性剤
を含んだめっき浴において、pH:3.0 ,めっき電気
密度:15mA/cm2 の条件でフレームめっきした上・
下部磁気コアを有する誘導型の薄膜磁気ヘッドを作製し
た。トラック幅は4.0μm、ギャップ長は0.4μmで
ある。この磁性膜の組成は42.4Ni−Fe(重量%)
であり、磁気特性は飽和磁束密度(BS)が1.64T,
困難軸保磁力(HCH)が0.5Oe で比抵抗(ρ)は4
8.1μΩcm であった。上部磁気コア85,上部シール
ド層を兼ねた下部磁気コア84,コイル187である。
再生のための磁気抵抗効果型素子86,磁気抵抗効果型
素子にセンス電流を流すための電極,下部シールド層,
スライダの構成を有する。本実施例の磁気コアの結晶粒
径は100〜500Åとなり、困難軸保磁力が1.0O
e 以下であった。
【0078】このような構成で評価した本発明による記
録ヘッドの性能(オーバーライト特性)を測定した結
果、40MHz以上の高周波領域でも−50dB程度の
優れた記録性能が得られた。
【0079】図21は本発明のインダクティブ型記録ヘ
ッドと磁気抵抗効果型再生ヘッドとを有する磁気ヘッド
の斜視概念図である。ヘッドスライダを兼ねる基体15
0上に下部シールド182,磁気抵抗効果膜110,磁
区制御膜141,電極端子140を有する再生ヘッドと
下部磁性膜184および上部磁性膜183を形成し、下
部ギャップ,上部ギャップの図示は省略してあり、コイ
ル142は電磁誘導効果によって上部磁気コアおよび上
部シールド兼下部コアに起磁力が発生するインダクティ
ブ型記録ヘッドとを搭載したものである。
【0080】図22は負圧スライダの斜視図である。負
圧スライダ170は、空気導入面171と浮揚力を発生
する二つの正圧発生面177,177とに囲まれた負圧
発生面178を有し、さらに空気導入面179並びに二
つの正圧発生面177,177と負圧発生面178との
境界において負圧発生面178より段差の大きい溝17
4とから構成される。なお、空気流出端175には磁気
ディスクに情報の記録を行う後述するインダクティブ型
の記録ヘッドと再生を行う前述のMRセンサとが前述の
図24に示す概略構造の記録再生分離型の薄膜磁気ヘッ
ド素子176を有する。
【0081】負圧スライダ170の浮上時においては、
空気導入面179から導入された空気は負圧発生面17
8で膨張されるが、その際に溝174に向かう空気の流
れも作られるため、溝174の内部にも空気導入面17
9から空気流出端175に向かう空気の流れが存在す
る。したがって、負圧スライダ170の浮上時に空気中
に浮遊する塵芥が空気導入面171から導入されたとし
ても溝174の内部へ導入され、溝174内部の空気の
流れによって押し流され、空気流出端178より負圧ス
ライダ170の外へ排出されることになる。また負圧ス
ライダ170の浮上時には溝4内部には常に空気の流れ
が存在し澱み等がないため、塵芥が凝集することもな
い。
【0082】図23に本発明の一例である磁気ディスク
装置の全体斜視図を示す。本磁気ディスク装置の構成
は、情報を記録するための磁気ディスク、これを回転す
る手段のDCモータ(図面省略),情報を書き込み,読
み取りするための磁気ヘッド、これを支持して磁気ディ
スクに対して位置を変える手段の位置決め装置、即ち、
アクチュエータとボイスコイルモータなどからなる。こ
れらの図では、同一の回転軸に5枚の磁気ディスクを取
り付け、合計の記憶容量を大きくした例を示している。
【0083】本実施例によれば高保磁力媒体に対して
も、高周波領域でも十分に記録可能であり、メディア転
送速度15MB/秒以上,記録周波数45MHz以上,
磁気ディスク400rpm 以上のデータの高速転送,アク
セス時間の短縮,記録容量の増大など優れたMR効果を
有する高感度のMRセンサが得られることから面記録密
度として3Gb/in2 以上との磁気ディスク装置が得
られるものである。
【0084】図24には上記の磁気記録再生装置を複数
台組み合わせることによってディスクアレイ装置を組ん
だ場合の例を示す。この場合、複数の磁気記録再生装置
を同時に扱うため、情報の処理能力が早くでき、また装
置の信頼性を高めることができる。この場合にも、各磁
気記録再生装置の性能(低誤り率,低消費電力等)が高
い方が良いことは言うまでもなく、そのため高性能な複
合ヘッドが不可欠である。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、各電極の間隔を磁気抵
抗効果膜の幅よりも狭く形成し、磁気抵抗効果膜の中心
部の領域にのみ電流を流すようにしたため、磁区制御層
の強さが十分でないときでもバルクハウゼンノイズが発
生するのを抑制することができ、磁区制御層の強さが十
分なときでも、出力の変動を低く抑えることができる。
更に、狭電極間隔であっても高感度でかつ読みにじみを
少なくすることができ、高トラック密度化に適応するこ
とができる。
【0086】また、本発明によるヘッドを磁気再生装置
や磁気記録再生装置に用いれば誤動作の少ない装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1本発明のスピンバルブヘッドの構成
図。
【図2】実施例1本発明の第二のスピンバルブヘッドの
構成図。
【図3】実施例1本発明の第三のスピンバルブヘッドの
構成図。
【図4】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピンバ
ルブヘッドの再生波形を示す特性図。
【図5】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピンバ
ルブヘッドにおける電極間隔と出力との関係を示す特性
図。
【図6】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピンバ
ルブヘッドにおけるオフトラック量と出力との関係を示
す特性図。
【図7】本発明のスピンバルブヘッドにおけるオーバー
ラップ量と出力との関係を示す特性図。
【図8】本発明のスピンバルブヘッドにおける磁区制御
層からの距離と実効的異方性磁界との関係を示す特性
図。
【図9】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピンバ
ルブヘッドにおける長手バイアス比と出力との関係を示
す特性図。
【図10】実施例2に示すスピンバルブヘッドの構成
図。
【図11】実施例2に示すスピンバルブヘッドの構成
図。
【図12】実施例2に示すスピンバルブヘッドの構成
図。
【図13】実施例2に示すAMRヘッドの構成図。
【図14】本発明と従来のAMRヘッドの出力とオーバ
ーラップ量との関係を示す線図。
【図15】本発明のスピンバルブヘッドにおける実効異
方性磁界とオーバーラップ量との関係を示す線図。
【図16】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピン
バルブヘッドにおける電極間隔と出力との関係を示す特
性図。
【図17】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピン
バルブヘッドにおける長手バイアス比と出力との関係を
示す特性図。
【図18】本発明のスピンバルブヘッドと従来のスピン
バルブヘッドの再生波形を示す特性図。
【図19】本発明に係るハードディスク装置の概略図。
【図20】本発明に係るインダクティブ型磁気記録ヘッ
ドの断面図。
【図21】本発明に係るインダクティブ型磁気記録ヘッ
ドと磁気抵抗効果型再生ヘッドとを一体にした磁気ヘッ
ドの部分斜視図。
【図22】本発明に係る負圧スライダーの斜視図。
【図23】本発明に係る磁気ディスク装置の全体図。
【図24】本発明に係るディスクアレイ装置の概念図。
【符号の説明】
10…磁気抵抗効果膜、11,18…第一の強磁性膜、
12,33…磁区制御層、13,22,24…第二の強
磁性膜、14,31…電極、15,36,38…第三の
強磁性膜、16,21,22,40…反強磁性膜、1
7,19,20,23,34…非磁性導体膜、26,5
1…磁気抵抗効果膜の幅、28…永久磁石膜、30…配
向制御下地膜、32,52…電極間隔、142,187…
コイル、183,185…上部磁性膜、184…下部磁
性膜、186…上部シールド膜、188…磁気ギャッ
プ、189…非磁性絶縁体、190…バック・ギャッ
プ。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気
    記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する車層又は
    複数層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層
    又は複数層の第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と
    第二の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜と、前
    記第二の強磁性膜の磁化方向を固定する反強磁性膜もし
    くは永久磁石膜とを有する磁気抵抗効果型ヘッドであっ
    て、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記磁気抵抗効果膜上
    に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜の
    幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、磁気抵抗効果膜は、磁気記録
    媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又は複数
    層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層又は
    複数層の第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と第二
    の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜と、前記第
    二の強磁性膜の磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは
    永久磁石膜とを有する磁気抵抗効果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記反強磁性膜もしく
    は永久磁石膜上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁
    気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成されていることを特徴
    とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気
    記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又は
    複数層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層
    又は複数層の第二および第三の強磁性膜と、前記第一の
    強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入された第一の非
    磁性導体膜と、前記第一の強磁性膜と第三の強磁性膜と
    の間に挿入された第二の非磁性導体膜と、前記第一の強
    磁性膜は前記第二の強磁性膜の上に積層され、前記第三
    の強磁性膜は、前記第一の強磁性膜の上に積層されてお
    り、前記第二および第三の強磁性膜の磁化方向を固定す
    る反強磁性膜もしくは永久磁石膜とを有する磁気抵抗効
    果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記第三の強磁性膜の
    磁化方向を固定している反強磁性膜もしくは永久磁石膜
    上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜
    の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気
    記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又は
    複数層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層
    又は複数層の第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と
    第二の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜と、前
    記第二の強磁性膜がその磁化方向を固定する反強磁性膜
    もしくは永久磁石膜上に積層されている磁気抵抗効果型
    ヘッドであって、 前記一対の電極は前記磁気抵抗効果膜の中心部にのみ電
    流を流す位置に配置されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  5. 【請求項5】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気
    記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又は
    複数層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層
    又は複数層の第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と
    第二の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜と、前
    記第二の強磁性膜上にその磁化方向を固定する反強磁性
    膜もしくは永久磁石膜が積層されている磁気抵抗効果型
    ヘッドであって、 前記一対の電極は前記磁気抵抗効果膜の中心部にのみ電
    流を流す位置に配置されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  6. 【請求項6】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、該磁
    区制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続
    された一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁
    気記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又
    は複数層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単
    層又は複数層の第二および第三の強磁性膜と、前記第一
    の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入された第一の
    非磁性導体膜と、前記第一の強磁性膜と第三の強磁性膜
    との間に挿入された第二の非磁性導体膜と、前記第一の
    強磁性膜は第二の強磁性膜の上に積層され、第三の強磁
    性膜は第一の強磁性膜の上に積層されており、前記第二
    および第三の強磁性膜の磁化方向を固定する反強磁性膜
    もしくは永久磁石膜とを有する磁気抵抗効果型ヘッドで
    あって、 前記一対の電極は前記磁気抵抗効果膜の中心部にのみ電
    流を流す位置に配置されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  7. 【請求項7】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気
    記録媒体からの磁界により磁化方向が変化し前記電極に
    接して設けられた単層又は複数層の第一の強磁性膜と、
    磁化方向が固定された単層又は複数層の第二の強磁性膜
    と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
    された非磁性導体膜と、前記第二の強磁性膜の磁化方向
    を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜とを有する磁
    気抵抗効果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記磁気抵抗効果膜上
    に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜の
    幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  8. 【請求項8】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、磁気抵抗効果膜は、磁気記録
    媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又は複数
    層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層又は
    複数層の第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と第二
    の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜と、前記第
    二の強磁性膜の磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは
    永久磁石膜とを有し、該反強磁性膜もしくは永久磁石膜
    は前記電極に接して設けられている磁気抵抗効果型ヘッ
    ドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記反強磁性膜もしく
    は永久磁石膜上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁
    気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成されていることを特徴
    とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  9. 【請求項9】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大き
    さの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗
    効果膜の両側に隣接して配置された磁区制御層と、磁区
    制御層上に積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続さ
    れた一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気
    記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する単層又は
    複数層の第一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層
    又は複数層の第二および第三の強磁性膜と、前記第一の
    強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入された第一の非
    磁性導体膜と、前記第一の強磁性膜と第三の強磁性膜と
    の間に挿入された第二の非磁性導体膜と、前記第一の強
    磁性膜は前記第二の強磁性膜の上に積層され、前記第三
    の強磁性膜は、前記第一の強磁性膜の上に積層されてお
    り、前記第二および第三の強磁性膜の磁化方向を固定す
    る反強磁性膜もしくは永久磁石膜とを有し、前記第一,
    第二及び第三の強磁性膜は一対の前記反強磁性膜もしく
    は永久磁石膜間に設けられている磁気抵抗効果型ヘッド
    であって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記第三の強磁性膜の
    磁化方向を固定している反強磁性膜もしくは永久磁石膜
    上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜
    の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  10. 【請求項10】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
    きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵
    抗効果膜の両側に隣接して配置された永久磁石からなる
    磁区制御層と、磁区制御層上に積層されて磁気抵抗効果
    膜と電気的に接続された一対の電極とを備え、前記磁気
    抵抗効果膜は、磁気記録媒体からの磁界により磁化方向
    が変化する単層又は複数層の第一の強磁性膜と、磁化方
    向が固定された単層又は複数層の第二の強磁性膜と、前
    記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入された
    非磁性導体膜と、前記第二の強磁性膜の磁化方向を固定
    する反強磁性膜とを有する磁気抵抗効果型ヘッドであっ
    て、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記磁気抵抗効果膜上
    に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜の
    幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  11. 【請求項11】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
    きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵
    抗効果膜の両側に隣接して配置された反強磁性膜と軟磁
    性膜との積層膜からなる磁区制御層と、磁区制御層上に
    積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続された一対の
    電極とを備え、磁気抵抗効果膜は、磁気記録媒体からの
    磁界により磁化方向が変化する単層又は複数層の第一の
    強磁性膜と、磁化方向が固定された単層又は複数層の第
    二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜
    との間に挿入された非磁性導体膜と、前記第二の強磁性
    膜の磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜
    とを有する磁気抵抗効果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記磁気抵抗効果膜上
    に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜の
    幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  12. 【請求項12】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
    きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵
    抗効果膜の両側に隣接して配置された永久磁石からなる
    磁区制御層と、磁区制御層上に積層されて磁気抵抗効果
    膜と電気的に接続された一対の電極とを備え、前記磁気
    抵抗効果膜は、磁気記録媒体からの磁界により磁化方向
    が変化する単層又は複数層の第一の強磁性膜と、磁化方
    向が固定された単層又は複数層の第二の強磁性膜と、前
    記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入された
    非磁性導体膜と、前記第二の強磁性膜の磁化方向を固定
    する反強磁性膜とを有する磁気抵抗効果型ヘッドであっ
    て、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記反強磁性膜上に積
    層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜の幅よ
    りも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  13. 【請求項13】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
    きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵
    抗効果膜の両側に隣接して配置された反強磁性膜と軟磁
    性膜との積層膜からなる磁区制御層と、磁区制御層上に
    積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続された一対の
    電極とを備え、磁気抵抗効果膜は、磁気記録媒体からの
    磁界により磁化方向が変化する単層又は複数層の第一の
    強磁性膜と、磁化方向が固定された単層又は複数層の第
    二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜
    との間に挿入された非磁性導体膜と、前記第二の強磁性
    膜の磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜
    とを有する磁気抵抗効果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記反強磁性膜もしく
    は永久磁石膜上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁
    気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成されていることを特徴
    とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  14. 【請求項14】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
    きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵
    抗効果膜の両側に隣接して配置された永久磁石からなる
    磁区制御層と、磁区制御層上に積層されて磁気抵抗効果
    膜と電気的に接続された一対の電極とを備え、前記磁気
    抵抗効果膜は、磁気記録媒体からの磁界により磁化方向
    が変化する単層又は複数層の第一の強磁性膜と、磁化方
    向が固定された単層又は複数層の第二および第三の強磁
    性膜と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に
    挿入された第一の非磁性導体膜と、前記第一の強磁性膜
    と第三の強磁性膜との間に挿入された第二の非磁性導体
    膜と、前記第一の強磁性膜は前記第二の強磁性膜の上に
    積層され、前記第三の強磁性膜は、前記第一の強磁性膜
    の上に積層されており、前記第二および第三の強磁性膜
    の磁化方向を固定する反強磁性膜を有し、前記第一,第
    二及び第三の強磁性膜は一対の前記反強磁性膜の間に設
    けられている磁気抵抗効果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記第三の強磁性膜の
    磁化方向を固定している反強磁性膜上に積層され、前記
    各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成
    されていることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  15. 【請求項15】磁気記録媒体のトラック幅に対応した大
    きさの複数の膜が積層された磁気抵抗効果膜と、磁気抵
    抗効果膜の両側に隣接して配置された反強磁性膜と軟磁
    性膜との積層膜からなる磁区制御層と、磁区制御層上に
    積層されて磁気抵抗効果膜と電気的に接続された一対の
    電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁気記録媒体か
    らの磁界により磁化方向が変化する単層又は複数層の第
    一の強磁性膜と、磁化方向が固定された単層又は複数層
    の第二および第三の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と
    第二の強磁性膜との間に挿入された第一の非磁性導体膜
    と、前記第一の強磁性膜と第三の強磁性膜との間に挿入
    された第二の非磁性導体膜と、前記第一の強磁性膜は前
    記第二の強磁性膜の上に積層され、前記第三の強磁性膜
    は、前記第一の強磁性膜の上に積層されており、前記第
    二および第三の強磁性膜の磁化方向を固定する反強磁性
    膜もしくは永久磁石膜とを有し、前記第一,第二及び第
    三の強磁性膜は一対の前記反強磁性膜もしくは永久磁石
    膜間に設けられている磁気抵抗効果型ヘッドであって、 前記一対の電極の一部がそれぞれ前記第三の強磁性膜の
    磁化方向を固定している反強磁性膜もしくは永久磁石膜
    上に積層され、前記各電極の間隔が前記磁気抵抗効果膜
    の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  16. 【請求項16】前記磁気抵抗効果膜の幅は、前記一対の
    電極の間隔に0.5〜4μm を加えた値を有することを
    特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  17. 【請求項17】前記一対の電極の各電極は、前記磁気抵
    抗効果膜の幅方向端部に対し0.25〜2μmの範囲で
    前記磁気抵抗効果膜と重なっていることを特徴とする請
    求項1〜16のいずれかに記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  18. 【請求項18】前記一対の電極の電極間隔は2μm以下
    であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記
    載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  19. 【請求項19】情報を磁気的に記録する磁気記録媒体
    と、該磁気記録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号
    に変換する再生ヘッドと、再生ヘッドからの電気信号を
    処理する再生処理回路とを備えた磁気再生装置におい
    て、前記再生ヘッドは、請求項1〜18のいずれかに記
    載の磁気抵抗効果型ヘッドからなることを特徴とする磁
    気再生装置。
  20. 【請求項20】情報を磁気的に記録する磁気記録媒体
    と、電気信号に応じた磁界を発生しこの磁界による情報
    を前記磁気記録媒体に記録させる記録ヘッドと、磁気記
    録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号に変換する再
    生ヘッドと、再生ヘッドからの電気信号を処理する再生
    処理回路とを備えた磁気記録再生装置において、前記再
    生ヘッドは、請求項1〜18のいずれかに記載の磁気抵
    抗効果型ヘッドからなることを特徴とする磁気記録再生
    装置。
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