JPH1049837A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

Info

Publication number
JPH1049837A
JPH1049837A JP34930696A JP34930696A JPH1049837A JP H1049837 A JPH1049837 A JP H1049837A JP 34930696 A JP34930696 A JP 34930696A JP 34930696 A JP34930696 A JP 34930696A JP H1049837 A JPH1049837 A JP H1049837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
reproducing
magnetic
current
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34930696A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Nakamoto
一広 中本
Yoshiaki Kawato
良昭 川戸
Hiroshi Fukui
宏 福井
Hiroyuki Hoshiya
裕之 星屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP34930696A priority Critical patent/JPH1049837A/ja
Publication of JPH1049837A publication Critical patent/JPH1049837A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B2005/0002Special dispositions or recording techniques
    • G11B2005/0005Arrangements, methods or circuits
    • G11B2005/001Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure
    • G11B2005/0013Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure of transducers, e.g. linearisation, equalisation
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B2005/0002Special dispositions or recording techniques
    • G11B2005/0005Arrangements, methods or circuits
    • G11B2005/001Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure
    • G11B2005/0013Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure of transducers, e.g. linearisation, equalisation
    • G11B2005/0016Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure of transducers, e.g. linearisation, equalisation of magnetoresistive transducers
    • G11B2005/0018Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure of transducers, e.g. linearisation, equalisation of magnetoresistive transducers by current biasing control or regulation

Abstract

(57)【要約】 【課題】再生波形変動による再生の誤動作が起きても、
MRヘッドの波形を正常な状態に戻す自己補正機能を持
つ誤動作の少ない磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】本発明の磁気記録再生装置は、MRヘッ
ド,定電流源,再生信号処理回路,記録再生動作コント
ローラを有し、MRヘッドの再生信号を再生信号処理回
路に通して論理的に正しいかどうか判定し、誤りがあっ
た場合には、MRヘッドに通常の再生時に流しているセ
ンス電流よりも大きな値の復帰電流を印加後、所定のセ
ンス電流に戻して再生動作を行うように記録再生動作の
コントローラ,定電流源をプログラミングしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方性磁気抵抗効
果型再生ヘッド、もしくは巨大磁気抵抗効果型再生ヘッ
ドを搭載した磁気記録再生装置に関し、特に再生時の再
生波形変動による誤動作を抑制する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置は、情報を磁気的に記
録する媒体と、情報を媒体に記録するための記録素子
と、媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号に変換する
再生素子と、再生素子の出力信号を検知するための手段
と、記録再生動作を制御するための手段と、記録・再生
素子の媒体に対する位置を決定する位置決め手段とを備
えている。ここで媒体には円板やテープが知られてお
り、円板の中には装置に予め組み込まれているものと可
換性のものとが存在する。
【0003】また記録素子と再生素子とは一体となるよ
うに積層して形成され、記録再生用複合ヘッドとして用
いられることが多い。磁気記録再生装置の一つの形態で
ある磁気ディスク装置では、単数もしくは複数のディス
ク上にある所望のトラック上に記録再生ヘッドを移動さ
せて、ディスクへ情報を記録するまたはディスクからの
情報を再生している。記録再生ヘッドの位置決め機構と
しては、ボイスコイルモータを用いたロータリーアクチ
ュエータが広く用いられている。これはディスクの外に
回転軸を持っており、先端部に配置された記録再生ヘッ
ドをディスク上で旋回させることによって所望の位置に
移動させる機構である。
【0004】さて記録素子には、磁束を発生させるため
のコイルと、前記磁束を集めるための一対の磁気コアと
を有する誘導型素子が主に使用されている。ここで記録
動作は、前記コイルにパルス状の記録電流を流して、記
録素子の作り出す磁界を媒体に印加することによって行
われている。再生素子には、磁気抵抗効果(MR;Magn
etoresistive)膜と、前記MR膜に電気的に接合する一
対の電極とを有するMR素子が用いられている。MR素
子は、従来から知られている異方性磁気抵抗効果(AM
R;Anisotropic Magnetoresistive)を用いたAMR素
子と、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giart Magnetoresis
tive)を用いたGMR素子に大別できる。GMR素子の
一つの形が、特開平4−358310 号に示されているスピン
バルブ素子である。GMR素子を用いたヘッドは現在は
まだ製品化されていないが、AMR素子を用いたヘッドよ
りも高感度なため、次世代以降の素子として検討が進め
られている。
【0005】AMR素子は、良く知られているように、
磁界により電気抵抗が変化する異方性磁気抵抗効果(A
MR)膜を有する素子で、AMR膜に一定電流を印加し
た場合には電圧の変化が出力信号となり、一定電圧を印
加した場合には電流の変化が出力信号となる。AMR膜
は単独で電気抵抗が変化するが、印加磁界と電気抵抗と
は比例関係にない。そこで印加磁界と出力信号との線形
性を良くするために、AMR膜の付近に軟磁性膜(SA
L:Soft Adjacent Layer)や、導体のバイアス膜を積層
して配置する構成をとることが多い。SALはAMR膜
にバイアス電流が流れることで発生する磁界を受けて磁
化され、この磁化の作る磁界をAMR膜にバイアス磁界
として印加する働きを持つ。導体のバイアス膜は自身に
バイアス電流が流れることによって磁界を発生し、これ
をAMR膜にバイアス磁界として印加する働きを持つ。
いずれの構成によっても、バイアス電流をAMR素子に
流すことによってAMR膜にバイアス磁界が印加され、
AMR膜の特性のうち線形性の高い部分の利用を可能に
している。
【0006】一方GMR素子は、媒体から漏洩する磁界
により磁化方向が変化する第一の強磁性膜と、磁化方向
が固定された第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜と
第二の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜とから
なる積層構造のGMR膜を有する素子で、第一の強磁性
膜の磁化方向と第二の強磁性膜の磁化方向とのなす角度
の変化に応じて電気抵抗が変化する。第二の強磁性膜は
その磁化方向を固定する反強磁性膜もしくは永久磁石膜
に積層されていることが多い。GMR素子において線形
性が最も良いのは、第一の強磁性膜と第二の強磁性膜の
磁化方向が直交状態にあるときである。GMR素子の場
合もAMR素子の場合と同様に、素子に定電流または定
電圧の電流を印加することによって再生信号を検知す
る。このとき、検知電流の一部が非磁性導体膜,第二の
強磁性膜,第二の強磁性膜の磁化方向を固定する反強磁
性膜もしくは永久磁石膜を流れることによって磁界が発
生し、これが第一の強磁性膜にバイアス磁界として印加
される。従って第一の強磁性膜の磁化方向は変化する。
このようにAMR素子とGMR素子の動作原理は異なる
が、共に再生動作時にMR膜に流すバイアス電流(検知
電流を兼ねることが多い)によってバイアス磁界が印加
され、MR膜の磁化を回転させている点は同じである。
【0007】また各MR素子の各磁性層、特にAMR素
子を構成するAMR膜とSAL、およびGMR素子を構
成する第一の強磁性膜は、磁気的なノイズを抑制したり
印加された磁界と出力信号との線形性を確保するため
に、単一の磁区状態にあることが望ましい。これを実現
する一つの方法として、各MR素子のトラック方向の両
端部に永久磁石もしくは軟磁性膜と反強磁性膜との積層
膜からなる磁区制御層を隣接して配置し、磁区制御層の
発生する磁界によって単一の磁区状態を誘導する方法が
知られている。また、AMR素子のAMR膜や、GMR
素子の第一の強磁性膜のトラック幅方向の両端部領域上
に反強磁性膜を直接積層することでこの領域を単一の磁
区に保ち、AMR膜,第一の強磁性膜のうち中央領域に
ある検知部(一対の電極に挟まれ、磁界の変化を電気信
号に変換する領域)を単一の磁区状態に誘導する方法も
知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】記録用の誘導型素子
と、再生用のMR素子とを含む記録再生ヘッドを搭載し
た従来の磁気記録再生装置においては、記録動作の前後
で再生波形の出力が大幅に低くなったり、再生波形の形
状が大きく変化し(これらをまとめて再生波形変動と呼
ぶことにする)、その結果として磁気記録再生装置が再
生動作時に誤動作してしまうことがあった。通常このよ
うな場合には、再生動作を所定の回数内で何度か繰り返
し行い、正常に動作することを期待する。ところがそれ
でもなお誤動作を続け、補正が不可能な場合もあった。
【0009】前記の再生波形変動は記録動作の前後で起
きることから、記録素子の作り出す磁界がMR素子に作
用していることが推測できた。通常MR素子においてM
R膜は、その磁気的なノイズを抑制するために、単一の
磁区状態に保たれている。ところが再生波形変動を起こ
したMR素子においては、MR膜は単一の磁区状態では
ないことがわかった。これは、記録素子の作り出す磁界
によってMR膜の単一磁区状態が崩れたと考えることが
できる。
【0010】本発明の目的は、再生波形の変動により再
生動作時に誤動作が起きても、MR素子の波形を元の正
常な状態に戻す自己補正機能を持つ磁気記録再生装置を
提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、前記自己補正機能を
備えることによって誤動作の少ない磁気記録再生装置を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的を達成
するために、本発明の磁気記録再生装置では、磁束を発
生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コアとを
有した誘導型記録素子と、磁気抵抗効果膜と磁気抵抗効
果膜に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗
効果型再生素子と、記録素子のコイルに記録電流を印加
する記録電流印加手段と、再生素子の出力信号を検知す
る手段と、再生素子にバイアス磁界を印加するバイアス
磁界印加手段と、再生素子からの出力信号に基づいて情
報を再生すると共に、入力された信号に基づいて記録電
流を印加する手段を制御することで情報を記録する記録
再生動作制御手段とを有しており、記録再生動作制御手
段が、再生素子に媒体から漏洩する磁界が印加されてい
る状態で、バイアス磁界を変動させるものであり、好ま
しくはその絶対値を通常の再生動作時よりも大きくする
ようにバイアス磁界印加手段を制御するという安定化手
段を持ち、正常な状態に復帰した後に磁気抵抗効果型ヘ
ッドのバイアス磁界を再生時の磁界に戻して再生動作す
るように構成したものである。
【0013】本発明におけるバイアス磁界を変動させる
方法として以下の方法がある。
【0014】(1)バイアス電流又は磁界の供給をオン
オフさせる。
【0015】(2)バイアス電流をゼロから再生時の値
まで変動させる。
【0016】(3)バイアス電流を再生時の値に対して
それより高い値に変動させる。
【0017】(4)バイアス電流をゼロから再生時の値
に変動させたり、再生時の値から再生時の値より高い値
に変動させる。
【0018】(5)バイアス電流の方向を逆転させる。
【0019】これらの変動させる方法は(1)〜(5)
をいくつか組合せて行うことができる。
【0020】磁気抵抗効果型再生素子の安定化手段を持
つ磁気記録再生装置のうち、再生素子にバイアス電流を
印加することでバイアス磁界印加手段を持つ装置では、
バイアス磁界を変動させるものであり、好ましくはそれ
を大きくするために、バイアス電流を変動させるもので
あり、好ましくはその絶対値が通常の再生動作時よりも
大きくなるようにバイアス電流印加手段を制御するとい
う安定化手段を持ち、正常な状態に復帰した後に、バイ
アス電流を再生時の値に戻して再生動作する構成にする
ものである。
【0021】また記録素子と再生素子とが一体となった
記録再生ヘッドを含んだ磁気記録再生装置では、情報を
記録する際、コイルに記録電流を印加しながらバイアス
電流を変動させ、好ましくはその絶対値を通常よりも大
きくするように、記録電流印加手段とバイアス電流印加
手段とを制御するという安定化手段を含む構成にするこ
とができる。
【0022】さらに、記録再生ヘッドの媒体に対する相
対位置を決定する位置決め手段を有し、媒体上にあって
情報を記録する領域とは別のヘッド回復領域を有する磁
気記録再生装置では、記録再生ヘッドがヘッド回復領域
にあるときに、コイルに記録電流を印加しながらバイア
ス電流を変動させることにあり、好ましくはその絶対値
を通常よりも大きくするように、記録電流印加手段とバ
イアス電流印加手段を制御するという安定化手段を含む
構成にすることができる。
【0023】前記各磁気記録再生装置では、バイアス電
流について通常の再生動作時の方向と同方向、及び逆方
向の双方向に流すことのできるバイアス電流印加手段を
付加した構成にすることができる。
【0024】さらに前記各磁気記録再生装置のうち、記
録再生動作制御手段がエラー判定手段を含む装置では、
記録再生動作制御手段について、安定化処理の最初に通
常の再生動作時の方向と同方向で値が通常よりも大きな
バイアス電流を印加するように制御し、次いでエラー判
定を行い、その結果エラーと判定された場合にはバイア
ス電流とは逆方向のバイアス電流を印加するように制御
するという一連の前記動作を、一回または複数回行うよ
うに制御するという安定化手段を付加した構成にするこ
とができる。
【0025】また本発明は、再生素子の磁気抵抗効果膜
が、磁界により磁化方向が変化する第一の強磁性膜と磁
化方向が固定された第二の強磁性膜と第一の強磁性膜と
第二の強磁性膜との間に挿入された非磁性導体膜とから
なる積層構造を持ち、第一の強磁性膜の磁化方向と第二
の強磁性膜の磁化方向とのなす角度の変化に応じて抵抗
が変化する巨大磁気抵抗効果膜である磁気記録再生装置
において、記録再生動作制御手段が、記録素子のコイル
に印加する記録電流の極性を記録動作終了時に一方向に
固定するように記録電流印加手段を制御するという安定
化手段を持つように構成することを提案するものであ
る。
【0026】より具体的には、記録再生動作制御手段
が、第二の強磁性膜の磁化方向の媒体対向面に垂直な方
向の成分と、記録動作終了時に再生素子に印加される記
録素子の作り出す磁界の媒体対向面に垂直な方向の成分
とが互いに平行すなわち同一符号となるように、記録素
子のコイルに印加する記録電流の極性を制御するという
安定化手段を持つように構成することを提案するもので
ある。
【0027】再生素子の磁気抵抗効果膜が巨大磁気抵抗
効果膜である磁気記録再生装置で、記録再生ヘッドの媒
体に対する相対位置を決定する位置決め手段を有し、媒
体上にあって情報を記録する領域とは別のヘッド回復領
域を有する装置では、記録再生ヘッドがヘッド回復領域
にあるときに、記録素子のコイルに交流の記録電流を印
加する場合は記録電流の終了時における極性を一方向に
固定するように設定し、直流の記録電流を印加する場合
は記録電流の極性を一方向に固定するように設定するこ
とで、コイルに印加する記録電流の極性が記録動作終了
時に一方向となるように記録電流印加手段を制御すると
いう安定化手段を含む構成にすることができる。
【0028】より具体的には、第二の強磁性膜の磁化方
向の媒体対向面に垂直な方向の成分と、記録再生ヘッド
がヘッド回復領域上にあるときの記録動作のうち、その
終了時に再生素子に印加される記録素子の作り出す磁界
の媒体対向面に垂直な方向の成分とが互いに平行すなわ
ち同一符号となるように、記録素子のコイルに印加する
記録電流の極性を制御するという安定化手段を含む構成
にすることができる。再生素子の磁気抵抗効果膜が巨大
磁気抵抗効果膜である磁気記録再生装置では、再生素子
に媒体から漏洩する磁界が印加されている状態で、第一
の強磁性膜にバイアス電流の一部が流れることで発生し
第二の強磁性膜に印加される磁界の方向が、第二の強磁
性膜の磁化の方向と等しくなるようにバイアス電流の方
向を制御するという安定化手段を含む構成にすることが
できる。
【0029】再生素子の磁気抵抗効果膜が巨大磁気抵抗
効果膜である磁気記録再生装置で、記録素子と再生素子
とが一体となった記録再生ヘッドを含んだ磁気記録再生
装置では、情報を記録する際、コイルに記録電流を印加
している状態で、第一の強磁性膜にバイアス電流の一部
が流れることで発生し第二の強磁性膜に印加される磁界
の方向が、第二の強磁性膜の磁化の方向と等しくなるよ
うに記録電流印加手段とバイアス電流印加方向とを制御
するという安定化手段を含む構成にすることができる。
【0030】前記構成の装置にはさらに、第二の強磁性
膜の磁化方向の媒体対向面に垂直な方向の成分と、記録
動作終了時に再生素子に印加される記録素子の作り出す
磁界の媒体対向面に垂直な方向の成分とが互いに平行す
なわち同一符号となるように、記録素子のコイルに印加
する記録電流の極性を制御するという安定化手段を付加
することができる。
【0031】また再生素子の磁気抵抗効果膜が巨大磁気
抵抗効果膜である磁気記録再生装置で、記録再生ヘッド
の媒体に対する相対位置を決定する位置決め手段を有
し、媒体上にあって情報を記録する領域とは別のヘッド
回復領域を有する装置では、記録再生ヘッドがヘッド回
復領域にあるときに、コイルに記録電流を印加した状態
で、第一の強磁性膜にバイアス電流の一部が流れること
で発生し第二の強磁性膜に印加される磁界の方向が、第
二の強磁性膜の磁化の方向と等しくなるように記録電流
印加手段とバイアス電流印加方向を制御するという安定
化手段を含む構成にすることができる。
【0032】前記構成の装置にはさらに、第二の強磁性
膜の磁化方向の媒体対向面に垂直な方向の成分と、記録
動作終了時に再生素子に印加される記録素子の作り出す
磁界の媒体対向面に垂直な方向の成分とが互いに平行す
なわち同一符号となるように、記録素子のコイルに印加
する記録電流の極性を制御するという安定化手段を付加
することができる。
【0033】巨大磁気抵抗効果膜を含む再生素子を持っ
た前記各磁気記録再生装置のうち、バイアス電流印加手
段を制御する手段を持つ各装置では、安定化処理中に再
生素子に印加するバイアス電流の絶対値を、通常の再生
時に流す所定の値よりも大きくするようにバイアス電流
印加手段を制御するという安定化手段を付加することが
できる。
【0034】前記各磁気記録再生装置では、バイアス電
流印加手段が再生素子の出力信号を検知する検知電流の
印加手段を兼ねることで、バイアス電流が検知電流を兼
ねるという構成をとることができる。
【0035】また安定化処理中のバイアス電流の絶対値
に関して、通常の再生動作時に印加している所定の値の
1.1〜5 倍好ましくは2.5 倍以上となるようにバイ
アス電流印加手段を制御するという手段を付加すること
ができる。
【0036】本発明に係る磁気抵抗効果型素子は、非磁
性金属層によって仕切られた強磁性体の第一及び第二磁
性層と該磁性層のいずれかに接して設けられた反強磁性
層とを有し、印加磁界がゼロである場合に前記強磁性体
の第一磁性層の磁化方向が、前記第二磁性層の磁化方向
に対し直交する方向であり、前記第二磁性層の磁化方向
を固定する手段を有する場合又は有しない場合と、前記
磁気抵抗センサに電流を生じさせる手段と、前記磁気抵
抗センサによって検知される磁界の関数として、前記第
一磁性層の磁化の回転によって生じる電気抵抗変化を検
知する手段とを有するものである。
【0037】更に、前述の素子は以下の要件を有するの
が好ましい。
【0038】前記強磁性体の第二磁性層の磁化方向を固
定する前記手段が、前記強磁性体の第一磁性層よりも高
い飽和保磁力を有する前記強磁性体の第二磁性層である
こと。
【0039】前記強磁性体の第二磁性層の磁化方向を固
定する前記手段が、前記強磁性体の第二磁性層に直接に
接触する反強磁性層を有すること。
【0040】前記強磁性体の第二磁性層の磁化方向を固
定する前記手段が、前記強磁性体の第二磁性層に直接に
接触する硬質強磁性層を有すること。
【0041】異方性磁気抵抗が、個々の前記強磁性体の
磁性層の磁化の回転によって生じる前記磁気抵抗センサ
の前記電気抵抗変化に加えられるように、前記電流の方
向に対する個々の前記強磁性体の磁性層の磁化方向が定
められていること。
【0042】異方性磁気抵抗が、前記強磁性体の第一磁
性層の磁化の回転によって生じる前記磁気抵抗センサの
前記電気抵抗変化に加えられるように、前記電流の方向
に対する個々の前記強磁性体の薄膜層の磁化方向が定め
られていること。
【0043】前記強磁性体の第一磁性層を単一のドメイ
ン状態に保持するのに十分な縦方向のバイアスを生じさ
せる手段をさらに有すること。
【0044】縦方向のバイアスを生じさせる前記手段
が、前記強磁性体の第一磁性層の端部領域だけに、直接
に接触する反強磁性層を有すること。
【0045】縦方向のバイアスを生じさせる前記手段
が、前記強磁性体の第一磁性層の端部領域だけに、直接
に接触する硬質強磁性層を有すること。
【0046】前記強磁性体の第一磁性層を単一のドメイ
ン状態に保持するのに十分な縦方向のバイアスを生じさ
せる手段をさらに有すること。
【0047】縦方向のバイアスを生じさせる前記手段
が、前記強磁性体の第一磁性層の端部領域だけに、直接
に接触する反強磁性層を有すること。
【0048】縦方向のバイアスを生じさせる前記手段
が、前記強磁性体の第一磁性層の端部領域だけに、直接
に接触する硬質強磁性層を有すること。
【0049】更に、上述したように、バイアス電流の変
動として、その再生時よりも大きな値の復帰電流を流す
だけでもMR膜を元の単一の磁区状態に戻すことはでき
るが、さらに情報を記録するセクターとは別の専用のセ
クターにおいて、前記記録ヘッドのコイルに交流または
直流の電流を印加する際、MRヘッドのバイアス電流を
変動させることにあり、特につまり記録ヘッドの磁界を
再生動作時にMRヘッドに流しているバイアス電流より
大きな電流を印加することによって、復帰電流のバイア
ス磁界と記録ヘッドの磁界とが合成されるため、より小
さな復帰電流でもMR膜を元の単一の磁区状態に戻すよ
うに作用する。このように復帰電流の値を小さくするこ
とができるので、信頼性の点で有利となる。
【0050】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図2は一つの実施例であるハードディスク
装置の概略図である。本装置はディスク回転軸64とこ
れを高速で回転させるスピンドルモータ65を持ってお
り、ディスク回転軸64には一枚ないし複数枚(本実施
例では二枚)のディスク40が所定の間隔で取り付けら
れている。よって各ディスク40はディスク回転軸64
とともに一体となって回転する。ディスク40は所定の
半径と厚みを持った円板で、両面に永久磁石膜が形成さ
れており情報の記録面となっている。本装置はまた、デ
ィスク40の外側にヘッドの位置決め用回転軸62とこ
れを駆動させるボイスコイルモータ63を持っており、
ヘッドの位置決め用回転軸62には複数個のアクセスア
ーム61が取り付けられており、各アクセスアーム61
の先端には記録再生用ヘッド(以後ヘッドと記す)60
が取り付けられている。よって各ヘッド60は、ヘッド
の位置決め用回転軸62が所定角度だけ回転することに
よって各ディスク40上を半径方向に移動し、所定の場
所に位置決めされる。また各ヘッド60は、ディスク4
0が高速で回転する時に生じる浮力と、アクセスアーム
61の一部を構成する弾性体であるジンバルの押し付け
力とのバランスによって、ディスク40表面から数十n
m程度の距離に保持されている。スピンドルモータ65
とボイスコイルモータ63とはハードディスクコントロ
ーラ66にそれぞれ接続されており、ハードディスクコ
ントローラ66によりディスク40の回転速度やヘッド
60の位置が制御されている。
【0051】ディスク40の各情報記録面には、図3に
示すような複数のサーボ領域42が半径方向に放射状に
形成されている。サーボ領域42には、トラック番号の
識別信号(グレイコード)やヘッド60の位置決めを行
うための信号(バーストパターン)が記録されている。
ヘッド60はこれらサーボ信号を読み取ることで現在の
位置を知り、これに応じてボイスコイルモータ63を制
御することでヘッドの位置決めがなされる。残りの領域
の大半は情報を記録するためのデータトラック領域41
であるが、一部をヘッド回復領域43やCSS(Contac
t-Start-Stop)領域44に割り当てることもある。デー
タトラック領域41には、複数のデータトラックが半径
方向に同心円上に所定のトラックピッチで形成されてい
る。各データトラックには、ヘッド60によってディス
ク40の回転方向に情報が記録され、再生される。ヘッ
ド回復領域は、ヘッド60を構成する磁気抵抗効果型再
生素子の安定化処理を行うための領域で、データトラッ
ク領域41とは別に用意される。CSS領域は、ハード
ディスク装置の主電源のON/OFF時、もしくは消費
電力の節減のためスピンドルモータ65を停止もしくは
低速回転させる場合(スタンバイモード;インターフェ
ース系は起動状態)にヘッド60を位置させておく領域
で、データトラック領域41とは別に用意される。スピ
ンドルモータ65が停止もしくは低速回転すると、ヘッ
ド60とディスク40が接触し情報の一部が破壊される
恐れがあるからである。ハードディスク装置にはCSS
の代りにLoad-Unload を行う装置もある。この場合はス
ピンドルモータ65が停止もしくは低速回転する場合、
ヘッド60はディスク40から遠くに離れる(Unload)の
で、CSS領域は不要である。図3の実施例では、ヘッ
ド回復領域43がCSS領域44を兼ねた例を示した。
【0052】ハードディスクコントローラ66は、前記
ディスク40の回転速度制御部やヘッド60の位置決め
制御部とともに、図1に示す記録再生系回路部50を有
している。記録再生系回路部50は、ヘッド60を構成
する再生用MRヘッド10に検知電流を兼ねたバイアス
電流を印加するための電源51(定電流源ないし定電圧
源)と、信号の直流成分をカットするためのコンデンサ
52と、出力信号を増幅するための再生アンプ53と、
ヘッド60を構成する記録用誘導型ヘッド20の記録ヘ
ッドを構成する磁束を発生させるためのコイル21に記
録電流を印加するための記録電流発生電源54と、これ
らの動きを制御する記録再生動作制御回路55とを有し
ている。記録再生動作制御回路55は、再生用MRヘッ
ド10に電流を流すためのバイアス電流印加用の定電流
源51を制御することでバイアス電流の大きさ,方向,
印加のタイミングを制御し、出力信号を検知し、記録再
生用にコーティングされた出力信号を元の状態に戻す。
このとき、記録再生用にコーティングされた出力信号に
はエラー訂正コードが含まれており、これに基づいて再
生した情報を補正する。また補正が効かない場合にはエ
ラーと判定し、再生動作を所定の回数内で何度か繰り返
し行い、正常に動作することを期待する。ところがそれ
でもなお誤動作を続ける場合には、記録再生動作制御回
路55が後述するような安定化手段を実行する。また記
録再生動作制御回路55は、入力された信号に基づいて
記録電流発生電源54を制御し、記録電流のパターンや
印加のタイミングを制御することで情報を記録する。こ
のとき、所望のデータトラック上に正しく記録するた
め、記録の前にサーボ領域42にある信号を読み、ヘッ
ドの位置決めを行う。ここで再生動作に異常があり、ヘ
ッドの位置決めができない場合にも、記録再生動作制御
回路55は安定化手段を実行する。
【0053】この記録再生動作制御回路55は再生信号
を処理し、その再生信号のパターンが論理的に正しいか
どうかを判定し、記録再生用にコーディングされた情報
を元の状態に戻す制御回路と、記録再生動作のコントロ
ーラで、定電流源51や記録電流発生回路54の動作を
制御する制御回路を有する。
【0054】ここで、再生用MRヘッド10の再生信号
を再生アンプ53で増幅し、再生信号処理回路に通して
論理的に正しいかどうか判定する。誤りがあった場合に
は、通常のセンス電流よりも大きな値で同方向の復帰電
流をワンパルス印加し、その後通常のセンス電流に戻す
よう定電流源51を駆動する。ここでもう一度再生動作
を行い、再び誤りがあった場合には、センス電流とは逆
方向に復帰電流をワンパルス印加し、その後通常のセン
ス電流に戻すよう定電流源51を駆動する。以上の一連
動作を、一回または複数回行うように記録再生動作のコ
ントローラ,定電流源51をプログラミングした。
【0055】ヘッド60は、図4にその先端の断面を示
すように、記録用誘導型ヘッド20と再生用MRヘッド
10とが積層され一体となっている。記録用誘導型ヘッ
ド20は、記録電流を印加することで磁束を発生させる
ためのコイル21と、磁束を集めるための一対の磁気コ
ア22とを有している。なおここでは図示しないが、一
対の磁気コア22は図の上側(媒体対向面16の反対
側)で互いに接合されており、磁気回路を形成してい
る。磁気コア22の媒体対向面16側には磁気ギャップ
23が設けられており、収束された磁束はここから媒体
に印加されることによって情報が記録される。再生用M
Rヘッド10は、磁気抵抗効果膜を含む積層膜100
と、これに接合する一対の電極と(図示されていな
い)、再生時の空間分解能を高めるための一対の磁気シ
ールド101とを有している。一対の磁気シールド10
1のうち記録素子側にあるものは、記録用誘導型ヘッド
20を構成する磁気コア22の一部を兼ねている。記録
用誘導型ヘッド20が発生する記録磁界73の一部は、
磁気抵抗効果膜を含む積層膜100にも影響を及ぼし、
これが再生波形変動の一つの大きな原因となっていると
考えられる。また後述するように、この磁界を制御する
ことによって、一度乱れた再生波形の回復を行うことも
できる。
【0056】磁気抵抗効果膜を含む積層膜100の実施
形態には、様々な型が可能であるが、そのうちの主だっ
たものの構成と簡単な動作原理を図5(A)−図5
(C),図6(A)−図6(C),図7(A)−図7
(C),図8(A),図8(B)に示す。
【0057】図5(A)には軟磁性バイアス膜(SA
L)を持った異方性磁気抵抗効果(AMR)素子の媒体
対向面を示す。積層膜100はAMRヘッドを構成する
NiFe系の合金からなるMR膜11,AMRを構成す
る例えばTa等の非磁性導体からなるスペーサ12,S
AL13の三層からなっている。MR膜11はNiF
e,CoFe,NiFeCo,CoNiFe等の軟磁性
合金からなり、膜厚は10から30nm程度の最適な値
に設定されている。スペーサ12はTa等からなり、膜
厚は5から20nm程度の最適な値に設定されている。
SAL13はNiFeCr,NiFeRh,NiFe等
の軟磁性合金からなり、膜厚は10から40nm程度の
最適な値に設定されている。MR膜11やSAL13を
単一の磁区構造に保つために、これらの積層膜の両隣に
はCoPt,CoCrPt,CoCrTa等の永久磁石
膜とその配向を制御するための下地膜とからなる磁区制
御層14が配置されている。一対の電極15はAu,C
u,Ta等からなる金属が各磁区制御層14の上に積層
して形成されている。磁区制御層14は強磁性膜である
NiFe系合金と反強磁性膜であるFeMn系,NiM
n系合金との積層膜に置換することができる。
【0058】次に図5(B),図5(C)に示した前記
AMR素子を上面から見た展開図を用いて、その動作を
簡単に示す。素子にバイアス電流75を右向きに印加し
た場合には、電流の作る磁界74によってMRヘッドを
構成する例えばNiFe系合金からなるSAL13の平
均的な磁化方向131はほぼ上を向く。この磁化方向1
31の作る下向き磁界を受けて、MR膜11の平均的な
磁化方向111は斜め下約45度方向を向く。また素子
にバイアス電流75を左向きに印加した場合には、先程
とは逆にMR膜11の平均的な磁化方向111は斜め上
約45度方向を向く。これらの状態のときMR膜11は
最も良い線形応答性を示す。AMR素子に媒体の漏洩磁
界71が印加されると、それに応じてMR膜11の磁化
方向111の方向が変化することで電気抵抗が変化し、こ
れを電気信号として検知する。
【0059】図6(A)にはAMR膜を二枚持ったデュ
アルストライプAMR素子の媒体対向面を示す。積層膜
100は第一のAMR膜81,非磁性絶縁体のスペーサ
82,第二のAMR膜83の三層からなっている。各A
MR膜81,83はNiFe,CoFe,NiFeC
o,CoNiFe等の軟磁性合金からなり、膜厚は10
から30nm程度の最適な値に設定されている。スペー
サ82はAl23,SiO2等の絶縁体からなり、膜厚は3
0から80nm程度の最適な値に設定され、第一のAM
R膜81と第二のAMR膜83を電気的に分離してい
る。各AMR膜81,83を単一の磁区構造に保つため
に、それぞれの膜の両端領域には、磁区制御用のFeM
n等からなる反強磁性膜84,87が各AMR膜上にそ
れぞれ直接積層されている。また各AMR膜の各一対の
電極85,86は、前記各反強磁性膜84,87の上に
積層されている。図6(B),図6(C)は前記AMR
素子を上面から見た展開図である。素子にバイアス電流
75を右向きに印加した場合には、電流の作る磁界74
の影響を受けて、第一のAMR膜81の平均的な磁化8
11は斜め下方向を向き、第二のAMR膜83の平均的
な磁化831は斜め上方向を向く。また素子にバイアス
電流75を左向きに印加した場合には、各平均的な磁化
811,831の方向は先程とは上下逆の方向を向く。
AMR素子に媒体の漏洩磁界71が印加されると、それ
に応じて各AMR膜81,83の磁化811,831の
方向が変化することで電気抵抗が変化し、これを電気信
号として検知する。
【0060】図7(A)にはGMR膜のうちの一つである
スピンバルブ膜を持った素子の媒体対向面を示す。積層
膜100は第一の強磁性膜31,非磁性導体膜32,第
二の強磁性膜33,第二の強磁性膜33の磁化方向を固
定するための反強磁性膜36からなっている。第一の強
磁性膜31は自由層として、例えば膜厚1から10nm程
度のNiFeと膜厚0.5 から5nm程度のCoもしく
はCoFeとの積層膜を用いて構成されている。非磁性
導体膜32は例えば膜厚1から4nm程度のCuで構成
されている。第二の強磁性膜33は固定層として、例え
ば膜厚1から5nm程度のCoを用いて構成されてい
る。反強磁性膜36は例えば膜厚6から30nm程度の
FeMnを用いて構成されている。第一の強磁性膜31
を単一の磁区構造に保つために、これらの積層膜の両隣
にはCoPt,CoCrPt,CoCrTa等の永久磁
石膜とその配向を制御するための下地膜とからなる磁区
制御層38が配置されている。一対の電極39は各磁区
制御層38の上に積層して形成されている。次に図7
(B),図7(C)に示した前記スピンバルブ素子を上
面から見た展開図を用いて、その動作を簡単に示す。第
二の強磁性膜33の平均的な磁化331の方向は、反強
磁性膜36によって媒体対向面を指すように固定されて
いる。よってその磁化方向は、バイアス電流75の方向
によらず一定である。そのため、第一の強磁性膜31は
第二の強磁性膜の磁化331の作る上向き磁界を常に受
けている。よってバイアス電流75を左向きに印加した
場合、すなわち電流が作る第一の強磁性膜31の感じる
磁界74の方向が下向きの場合には、最良な線形応答性
が得られる。バイアス電流45を右向きに印加した場
合、第二の強磁性膜の磁化331の作る磁界と電流の作
る磁界74の方向が等しくなるので、第一の強磁性膜の
磁化311の方向は斜め上を向く。スピンバルブ素子に
媒体の漏洩磁界71が印加されると、それに応じて第一
の強磁性膜の磁化311の方向が変化し、第二の強磁性
膜の磁化331の方向とのなす角度が変化することで電
気抵抗が変化し、これを電気信号として検知する。
【0061】図8(A)にはGMR膜のうちの一つであ
るデュアルスピンバルブを持った素子の媒体対向面を示
す。積層膜100は第一の強磁性膜31,第二の強磁性
膜33,第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
された非磁性導体膜32,第三の強磁性膜35,第一の
強磁性膜と第三の強磁性膜との間に挿入された非磁性導
体膜34,第二の強磁性膜33の磁化方向を固定するた
めの反強磁性膜36,第三の強磁性膜35の磁化方向を
固定するための反強磁性膜37からなっている。第一の
強磁性膜31は自由層として、例えば膜厚1から10n
m程度のNiFeと膜厚0.5 から5nm程度のCoもしく
はCoFeとの積層膜を用いて構成されている。各非磁
性導体膜32,34は例えば膜厚1から4nm程度のC
uで構成されている。第二の強磁性膜33および第三の
強磁性膜35は固定層として、例えば膜厚1から5nm
程度のCoを用いて構成されており、二つの膜厚は必ず
しも等しくなくても良い。本実施例では第二の強磁性膜
33をより薄く形成した。反強磁性膜36は例えば膜厚
30から50nm程度のNiOを用いて構成され、反強
磁性膜37は例えば膜厚6から30nm程度のFeMn
を用いて構成されている。第一の強磁性膜31を単一の
磁区構造に保つために、これらの積層膜の両隣にはCo
Pt,CoCrPt,CoCrTa等の永久磁石膜とそ
の配向を制御するための下地膜とからなる磁区制御層3
8が配置されている。一対の電極39は各磁区制御層3
8の上に積層して形成されている。次に図8(B)に示
した前記デュアルスピンバルブ素子を上面から見た展開
図を用いて、その動作を簡単に示す。第二の強磁性膜3
3の平均的な磁化331の方向と第三の強磁性膜35の
平均的な磁化351の方向とは、反強磁性膜36もしく
は反強磁性膜37によって媒体対向面を指すように固定
されている。よってその磁化方向は、バイアス電流75
の方向によらず一定である。また電流が作り第一の強磁
性膜31が受ける磁界74は、第一の強磁性膜31の上
側にある膜(34,35,37)と下側にある膜(3
2,33,36)の電気抵抗が等しい場合には打ち消し
合う。しかしここでは反強磁性膜36は絶縁体NiO
で、第二の強磁性膜33の膜厚は第三の強磁性膜35の
膜厚に比べて薄いため、上側にある膜(34,35,3
7)の方が低抵抗である。よって電流が作る第一の強磁
性膜31に受ける磁界74は、バイアス電流を左向きと
したときに下向きとなる。このとき最良な線形応答性が
得られる。バイアス電流75を右向きに印加した場合、
第二の強磁性膜の磁化331の作る磁界および第三の強
磁性膜の磁化351の作る磁界と、電流の作る磁界74
の方向が等しくなるので、第一の強磁性膜の磁化311
の方向は斜め上を向く。デュアルスピンバルブ素子に媒
体の漏洩磁界71が印加されると、それに応じて第一の
強磁性膜の磁化311の方向が変化し、第二の強磁性膜
の磁化331の方向および第三の強磁性膜の磁化351
の方向とのなす角度が変化することで電気抵抗が変化
し、これを電気信号として検知する。
【0062】以上に示したように、各AMR素子,各G
MR素子では、バアアス電流75を印加することによっ
てAMR素子のAMR膜ないしGMR素子の第一の強磁
性膜にバイアス磁界を印加し、その磁化を回転させて最
良な線形応答性を得ている。よってバイアス電流75の
大きさや方向を適当に制御することによって、AMR膜
ないし第一の強磁性膜の磁化の方向を比較的自由に制御
できる。
【0063】本実施例において再生素子の安定化手段を
実行するために、バイアス電流75の大きさを通常の再
生時よりも大きくできるようにバイアス電流印加用の定
電流源51を構成し、再生用MRヘッド10に媒体の漏
洩磁界71が印加されている状態、すなわちディスク4
0が所定の速度で高速回転しており、ヘッド60がデー
タトラック領域41上に位置し、ディスク40の表面か
ら数十nmの所定の距離に保持された状態で、記録再生
動作制御回路55が、バイアス電流75の大きさを通常
の再生時よりも大きくするようにバイアス電流印加用の
定電流源51を制御するという手段を持つ構成とした。
【0064】次に、前記安定化手段の実行によって、再
生誤動作の一つの原因である再生波形変動を抑制した。
すなわち変化した波形を元の状態に回復させた例を示
す。なお再生用MRヘッド10の一例として、図5に示
したSALを持ったMAR素子を用いた。
【0065】図9(A)−図9(C)は再生時のバイア
ス電流を+10mAとした場合の波形を示す。図9
(A)は、正常な再生波形、図9(B)は再生波形変動
を起こした後の低出力で異常な再生波形、図9(C)
は、安定化処理として+20mAのバイアス復帰電流を
一度印加した後の再生波形である。ここで右向きのバイ
アス電流を正方向とした。図9(B)では出力が本来の半
分程度に低くなっており、このためハードディスク装置
を正常に動作させるための信号雑音比(S/N)が不足
して誤動作を起こしたと考えられる。ところが安定化処
理を行うことによって、再生波形は図9(C)に示すよ
うな高い出力状態に復帰し、高い信号雑音比(S/N)
が得られたため、ハードディスク装置を正常に動作させ
ることができた。
【0066】前記回復の理由を明らかにするために、M
R膜11の磁化方向(矢印で図示)を測定した結果を図1
0(A)−図10(D)に示す。図10(A)は図9
(A)に対応しており(バイアス電流=+10mA)、正
常な波形が得られる状態ではAMR膜は単一の磁区状態
であることがわかる。図10(B)は図9(B)に対応
しており(バイアス電流=+10mA)、低出力状態で
は、AMR膜の右端の磁化が右斜め上を向いているため
に磁化方向にねじれが生じ、AMR膜は単一の磁区状態
ではなくなっていた。図10(C)は安定化処理として
+20mAのバイアス電流を印加している最中を示す。
大きな値のバイアス電流を右向きに印加しているため、
AMR膜には強い下向きのバイアス磁界が印加されてい
る。このため、AMR膜の磁化は全体的に下を向くよう
になり、結果として右端にあった磁化のねじれが解消し
て単一な磁区状態となっている。このため、バイアス電
流を所定の+10mAに戻した場合にも、図10(D)
に示すようにAMR膜は単一の磁区状態であった。この
ため再生波形は図9(C)に示したように復帰した。以
上のように、再生素子に媒体の漏洩磁界が印加されてい
る状態で、大きなバイアス電流を印加する、すなわち大
きなバイアス磁界を印加すると、再生波形は元の状態に
復帰した。ところが、例えばヘッドをディスクから遠く
に離した状態、すなわち再生素子に媒体の漏洩磁界が印
加されていない状態でバイアス電流を+25mA程度ま
で大きくしても、再生波形の回復は顕著には見られなか
った。このように媒体の漏洩磁界を印加した方が低いバ
イアス電流で回復するのは、再生素子にはバイアス磁界
と媒体から漏洩する磁界との和である大きな磁界が印加
されるからと考えられる。大きなバイアス電流を印加す
ると大きなバイアス磁界が得られるが、一方で再生素子
の発熱量が多大となり、またエレクトロマイグレーショ
ン(長時間の電流印加によって膜の一部が欠損する現
象)も大きくなり、信頼性の点で問題となる。よって安
定化処理は、再生素子に媒体の漏洩磁界が印加されてい
る状態で行うことが望ましい。
【0067】(実施例2)ハードディスク装置を構成す
るに際しては、再生素子の安定化手段を実行するため
に、記録再生動作制御回路55が、情報を記録する際、
記録用誘導型ヘッド20を構成するコイル21に記録電
流を印加しながら、バイアス電流75の大きさを通常の
再生時よりも大きくできるように、記録電流発生電源5
4とバイアス電流印加用の定電源流51を制御するとい
う手段を持つ構成をとることができる。
【0068】本実施例の安定化処理を行った場合、実施
例1に用いたAMR素子において、+15mA程度のバ
イアス電流で再生波形の回復が可能であった。情報を記
録する際、ディスク40は所定の速度で高速回転してお
り、ヘッド60は所望のデータトラック上に位置し、デ
ィスク40の表面から数十nmの所定の距離に保持され
ている。よって再生用MRヘッド10には、記録用誘導
型ヘッド20の発生する記録磁界73の一部(図4参
照)と共に、媒体の漏洩磁界71が印加されている。こ
のように本実施例では新たに記録磁界73の一部を重畳
したので、実施例1よりも低い値のバイアス電流で再生
波形の回復が可能であったと考えられる。よって信頼性
の点ではより有利である。なお前述したように、記録動
作を行うことによって再生波形変動は起こりやすくな
る、すなわち記録磁界と媒体の漏洩磁界の和が再生素子
に悪影響を及ぼすが、本実施例のように記録時に値の大
きなバイアス電流を印加することによって、これらの磁
界は再生波形を回復させるように作用する。よって再生
波形の回復の場合のみならず全ての記録時に、もしくは
定期的な記録時に、もしくはオペレータやホストコンピ
ュータの命令によって行われる記録時に、値の大きなバ
イアス電流を印加することによって、再生波形変動が起
こる確率を低く抑えることができる。
【0069】(実施例3)ハードディスク装置を構成す
るに際しては、再生素子の安定化手段として、ハードデ
ィスクコントローラ66が、ヘッド60をヘッド回復領
域43上に移動させるようにボイスコイルモータ63を
制御し、ここで、記録用誘導型ヘッド20を構成するコ
イル21に記録電流を印加しながら、バイアス電流75
の大きさを通常の再生時よりも大きくできるように、記
録電流発生電源54とバイアス電流印加用の定電流源5
1を記録再生動作制御回路55が制御するという手段を
持つ構成をとることができる。
【0070】前述したように、所望のデータトラック上
に正しく記録するため、記録の前にサーボ領域42にあ
る信号を読み、ヘッドの位置決めを行う。ここで再生動
作に異常がありヘッドの位置決めができない場合には、
記録動作は行わないように制御されている。正しくない
位置に情報を記録すると、以前にあった情報を誤って破
壊する恐れがあるからである。また再生動作を行う際、
再生動作異常によって正しく位置決めできないこともあ
る。これらの場合には、まずヘッド60をヘッド回復領
域43上に移動させる。このとき異常を起こしたヘッド
では位置決めできないので、他の正常なヘッドを用いて
概略の位置決めを行う。図2に示したように、各ヘッド
60は一つの位置決め用回転軸62に取り付けられてい
るため、これが可能となっている。異常ヘッドが回復領
域43上に移動した後、記録動作を行いながら大きな値
のバイアス電流を印加する。本実施例の安定化処理を行
った場合も実施例2と同様に、実施例1に用いたAMR
素子において、+15mA程度のバイアス電流で再生波
形の回復が可能であった。この安定化処理によってヘッ
ドが正常状態に回復すると、先程の所望のデータトラッ
ク位置にヘッド60を移動させ、記録再生動作を行う。
本実施例の安定化処理は、定期的に、もしくはオペレー
タやホストコンピュータの命令によっても行うことがで
きる。
【0071】(実施例4)前記実施例では、正方向で大
きな値のバイアス電流で再生波形の回復が可能であった
が、必ずしも正方向の電流で回復するとは限らない。そ
こで前記各ハードディスク装置においては、バイアス電
流印加用の定電流源51が、正方向と負方向の双方にバ
イアス電流を印加できる構成をとることができる。
【0072】図11(A)−図11(F)には、実施例
1に用いたAMR素子において、先程とは別な形で磁化
方向にねじれが生じた場合の測定結果を示す。なお図の
矢印は、MR膜11の磁化方向である。AMR膜は図1
1(A)に示される正常な状態では単一な磁区状態であ
った。再生波形が低出力状態になった場合には、図11
(B)に示すように右端の磁化が右下を向いたために磁化
方向のねじれが生じ、AMR膜は単一の磁区状態ではな
くなっていた。安定化処理として+20mAのバイアス
電流を印加している最中は図11(C)に示すように、
大きな値のバイアス電流による強い下向きのバイアス磁
界のため、AMR膜の磁化は全体的に下を向くようにな
るが、右端の磁化は元々右下を向いていたため、バイア
ス電流を+10mAに戻した場合、図11(D)に示す
ように再生波形が低出力状態である図11(B)の状態
に戻ってしまう。ところが安定化処理として−20mA
のバイアス電流を印加すると、図11(E)に示すよう
に強い上向きのバイアス磁界のため、AMR膜の磁化は
全体的に上を向くようになり、結果として右端にあった
磁化のねじれが解消して単一な磁区状態となった。この
ため、バイアス電流を所定の+10mAに戻した場合に
も、図11(F)に示すようにAMR膜は単一の磁区状
態であった。このため再生波形は本来の状態に復帰し
た。このように正負双方のバイアス電流を印加すること
によって、図10(A)−図10(D),図11(A)−
図11(F)に示したどちらの場合にも再生波形を回復
させることができる。
【0073】(実施例5)図7(A)−図7(C)及び
図8(A),図8(B)各々スピンバルブ素子及びデュ
アルスピンバルブ素子等のGMR素子を有するハードデ
ィスク装置を構成するに際しては、GMR素子の安定化
手段を実行するために、記録再生動作制御回路55が、
記録用誘導型ヘッド20を構成するコイル21に印加す
る記録電流の極性を記録動作終了時に一方向に固定する
ように、記録電流発生電源54を制御するという手段を
持つ構成をとることができる。具体的には、記録用誘導
型ヘッド20を構成するコイル21の巻線方向につい
て、記録電流発生電源54によって正の電流を印加され
たときに正(再生用MRヘッド10に対して上向き;図
4参照)の磁界が発生する方向とした場合、常に負の記
録電流を印加してから記録動作を終了するように、記録
電流の極性を定めた。
【0074】まず、前記安定化手段を実行した場合とし
ない場合の再生波形の例を示す。なおGMR素子の一例
として、図7(A)−図7(C)に示したスピンバルブ
素子を用い、バイアス電流は左向きに5mAとした。図
12(A)は記録電流の終了極性を定めていない場合に
得られた再生波形の例で、このときのハードディスク装
置は再生誤動作を起こしていた。図12(B)は記録電
流の終了極性を定めた場合の再生波形の例で、終了極性
を定めることによって安定してこのような波形が得ら
れ、誤動作は少なかった。なお詳細は示さないが、図8
(A),図8(B)に示してデュアルスピンバルブ素子を
用いた場合も同様であった。
【0075】この理由を明らかにするため、GMR素子
を構成する第二の強磁性膜33の磁化方向の固定が十分
なGMR素子と、十分でないGMR素子とを作製し、特
性を比較した。なお第二の強磁性膜33の磁化方向33
1は、図7(A)−図7(C)に示したように媒体対向面
16を指す方向とした。図13(A),図13(B)
は、双方の素子について印加磁界と出力との関係を示す
特性曲線図である。第二の強磁性膜33の磁化方向の固
定が十分な場合の特性は、図13(A)に示すように再
生時に印加される媒体の漏洩磁界の範囲71でヒステリ
シスを持たなかった。一方十分でない場合の特性は、図
13(B)に示すように再生時に印加される媒体の漏洩
磁界の範囲71でヒストリシスを示した。記録動作中の
GMR素子には、媒体の漏洩磁界71に加えて記録用誘
導型ヘッド20の発生する記録磁界73の一部(図4参
照)が印加されている。このため、記録動作中には再生
時の倍近くの大きな磁界が印加されることもある。
【0076】そこで次に、記録動作中に印加される最大
磁界を印加した後におけるGMR素子の特性を、図14
(A)−図14(D)を用いて説明する。図14
(A),図14(B)は、図13(A)にその特性を示
した固定が十分なGMR素子に、それぞれ正方向,負方
向の最大磁界721,722を印加した後、再生時に印
加される磁界71を印加して求めた特性曲線図である。
このように固定が十分なGMR素子の場合は、図14
(A),図14(B)の間に変化は見られず、これは記
録動作によって特性に変化が起こらず安定であることを
示している。しかしながら、このような素子を得ること
は必ずしも容易ではない。当初の固定が十分な場合で
も、ヘッド製造のプロセス後に特性の劣化が起こり、固
定が十分でなくなる場合もあるからである。図14
(C),図14(D)は、図13(B)にその特性を示
した固定が十分でないGMR素子に、それぞれ正方向,
負方向の最大磁界721,722を印加した後、再生時
に印加される磁界71を印加して求めた特性曲線図であ
る。このように固定が十分でないGMR素子の場合は、
記録動作時に受けた磁界の方向により、その再生状態で
の特性曲線が大きく変化する。正方向記録磁界を印加さ
れた後は、出力が低くなると共にヒステリシスを持つよ
うに特性が劣化する。これに対して負方向記録磁界を印
加された後は、固定が十分なGMR素子の場合と同様に
良好な特性が得られる。ここで記録磁界の方向のうち、
正方向は第二の強磁性膜33の磁化方向331と反対
(反平行)方向であり、負方向は同一(平行)方向であ
ることに注意すべきである。
【0077】これらの知見に基づいて、記録動作の前後
における再生波形変動を抑制するため、記録動作の終了
時に記録素子のコイルに印加する電流の極性を一方向に
固定した。特に、GMR素子の第二の強磁性膜の磁化方
向の媒体対向面に垂直な方向の成分と、記録動作終了時
にGMR素子に印加される記録素子の作り出す磁界の媒
体対向面に垂直な方向の成分とが互いに平行すなわち同
一符号となるように、本実施例では常に負の記録電流を
印加してから記録動作を終了するように、記録電流発生
電源54を記録再生動作制御回路55が制御する構成と
した。
【0078】(実施例6)GMR素子を有するハードデ
ィスク装置を構成するに際しては、GMR素子の安定化
手段として、ハードディスクコントローラ66が、ヘッ
ド60をヘッド回復領域43上に移動させるようにボイ
スコイルモータ63を制御し、ヘッド回復領域43上
で、記録用誘導型ヘッド20を構成するコイル21に印
加する記録電流の極性を記録動作終了時に一方向に固定
するように、記録再生動作制御回路55が記録電流発生
電源54を制御するという手段を持つ構成をとることが
できる。具体的には、記録用誘導型ヘッド20を構成す
るコイル21の巻線方向について、記録電流発生電源5
4によって正の電流を印加されたときに正(GMR素子
に対して上向き;図4参照)の磁界が発生する方向とし
た場合、常に負の記録電流を印加してから記録動作を終
了するように、記録電流の極性を定めた。なお本実施例
ではデータトラック上に情報を記録する訳ではないの
で、記録電流は直流でもよい。この場合は常に負の記録
電流を印加するように設定した。
【0079】前記実施例5では、情報を媒体に記録する
際の終了時における記録電流の極性を一方向に固定した
ので、媒体に記録しようとする情報のパターン、すなわ
ち記録電流のパターンを従来とは変更する必要がある。
しかし本実施例の安定化処理は、再生動作に異常がある
場合に、もしくは定期的に、もしくはオペレータやホス
トコンピュータの命令によって、ヘッド回復領域にヘッ
ドを移動させた後に行うので、媒体に記録しようとする
情報のパターン、すなわち記録電流のパターンを従来と
は変更する必要がない。
【0080】(実施例7)GMR素子を有するハードデ
ィスク装置を構成するに際しては、GMR素子の安定化
手段を実行するために、GMR素子に媒体の漏洩磁界7
1が印加されている状態、すなわちディスク40が所定
の速度で高速回転しており、ヘッド60がデータトラッ
ク領域41上に位置し、ディスク40の表面から数十n
mの所定の距離に保持された状態で、第一の強磁性膜3
1にバイアス電流75の一部が流れることで発生し第二
の強磁性膜33に印加される磁界74の方向が、第二の
強磁性膜の磁化331の方向と等しくなるように記録再
生動作制御回路55がバイアス電流75の方向を制御す
るという手段を持つ構成にすることができる。
【0081】図7(A)−図7(C)に示したスピンバ
ルブ素子を用いて詳細な説明を行う。第二の強磁性膜3
3の平均的な磁化331の方向は、反強磁性膜36によ
って媒体対向面を指すように固定されている。そのた
め、第一の強磁性膜31は第二の強磁性膜の磁化331
の作る上向き磁界を常に受けている。よってバイアス電
流75を左向きに印加した場合、すなわち電流が作り第
一の強磁性膜31の感じる磁界74の方向が下向きの場
合に、最良な線形応答性が得られる。従って再生時には
左向きに5mA程度にバイアス電流を印加する。ところ
がこの場合、電流が作る第二の強磁性膜33に印加され
る磁界74の方向は、第二の強磁性膜の磁化331の方
向と逆の上向きである。
【0082】前述したように、第二の強磁性膜の磁化の
固定が十分でないGMR素子は、再生波形変動を起こし
やすい。この場合、実施例5,6で示したように、一度
固定方向である下向きの磁界を印加することで再生波形
は回復した。そこでバイアス電流の方向を再生時とは逆
の右向きとし、第二の強磁性膜33に下向きの磁界を印
加した。この安定化処理によっても再生波形の回復は可
能であった。第二の強磁性膜33には電流による下向き
の磁界も印加されるが、第一の強磁性膜の磁化311が
上を向くことによって発生し第二の強磁性膜に印加され
る下向きの磁界も、再生波形の回復に大きく寄与してい
る。よって、バイアス電流の大きさは再生時よりも大き
い場合には当然効果があるが、等しいかまたは小さい場
合にも同様の効果が得られる場合もある。
【0083】(実施例8)GMR素子を有するハードデ
ィスク装置を構成するに際しては、GMR素子の安定化
手段を実行するために、情報を記録する際、記録用誘導
型ヘッド20を構成するコイル21に記録電流を印加し
ながら、第一の強磁性膜31にバイアス電流75の一部
が流れることで発生し第二の強磁性膜33に印加される
磁界74の方向が、第二の強磁性膜の磁化331の方向
と等しくなるように記録再生動作制御回路55がバイア
ス電流75の方向を制御するという手段を持つ構成にす
ることができる。
【0084】本実施例では、実施例7で印加されていた
磁界に記録磁界73が加えられるので、より低い値のバ
イアス電流で再生波形の回復が可能になる。すなわち、
バイアス電流の大きさは再生時よりも大きい場合には当
然効果があるが、等しいかまたは小さい場合にも同様の
効果が得られる場合もある。また実施例2の場合と同様
に、再生波形の回復の場合のみならず全ての記録時に、
もしくは定期的な記録時に、もしくはオペレータやホス
トコンピュータの命令によって行われる記録時に、値の
大きなバイアス電流を印加することによって、再生波形
変動が起こる確率を低く抑えることができる。
【0085】(実施例9)GMR素子を有するハードデ
ィスク装置を構成するに際しては、GMR素子の安定化
手段として、ハードディスクコントローラ66が、ヘッ
ド60をヘッド回復領域43上に移動させるようにボイ
スコイルモータ63を制御し、ヘッド回復領域43上
で、記録用誘導型ヘッド20を構成するコイル21に記
録電流を印加しながら、第一の強磁性膜31にバイアス
電流75の一部が流れることで発生し第二の強磁性膜3
3に印加される磁界74の方向が、第二の強磁性膜の磁
化331の方向と等しくなるように記録再生動作制御回路
55がバイアス電流75の方向を制御するという手段を
持つ構成にすることができる。
【0086】再生動作を行う際、再生動作異常によって
正く位置決めできないことがある。また記録動作を行う
際、まずヘッドの位置決めを行うが、ここで再生動作に
異常がありヘッドの位置決めができない場合には、記録
動作は行わないように制御されている。これらの場合に
は、まずヘッド30をヘッド回復領域43上に移動させ
る。このとき異常を起こしたヘッドでは位置決めできな
いので、他の正常なヘッドを用いて概略の位置決めを行
う。異常ヘッドが回復領域43上に移動した後、記録動
作を行いながら方向の制御されたバイアス電流を印加す
る。本実施例の安定化処理を行った場合も実施例8と同
様な再生波形の回復効果があった。この安定化処理によ
ってヘッドが正常状態に回復すると、先程の所望のデー
タトラック位置にヘッド60を移動させ、記録再生動作
を行う。本実施例の安定化処理は、定期的に、もしくは
オペレータやホストコンピュータの命令によっても行う
ことができる。
【0087】(実施例10)GMR素子を有するハード
ディスク装置を構成するに際して、GMR素子の安定化
手段として、実施例8ないし9に示した手段に加えて、
第二の強磁性膜の磁化の方向と、記録動作終了時にGM
R素子に印加される記録磁界の方向が等しくなるように
記録再生動作制御回路55が記録電流発生電源54を制
御するという手段を持った構成をそれぞれとることがで
きる。
【0088】このような構成を採用することによって、
実施例8ないし9に示した場合に比べて、より安定して
再生波形の回復が可能であった。これは記録動作の終了
時に記録素子のコイルに印加する電流の極性を安定方向
に固定したので、第二の強磁性膜の磁化331の方向を
より安定的に固定できるからである。
【0089】(実施例11)前記バイアス電流の大きさ
を大きくできる手段を持つ各ハードディスク装置におい
ては、バイアス電流の大きさは通常の再生時に印加して
いる所定の値よりも大きく、5倍以下となるようにバイ
アス電流印加用の定電流源51を制御する手段を持つ構
成にすることができる。
【0090】大きなバイアス電流を印加すると大きなバ
イアス磁界が得られるが、一方で再生素子の発熱量が多
大となり、またエレクトロマイグレーション(長時間の
電流印加によって膜の一部が欠損する現象)も大きくな
り、信頼性の点で問題となるからである。
【0091】(実施例12)図15は実施例1のAMR
素子に代えて本発明の他の構造のスピンバルブ磁気抵抗
効果膜を用いた磁気ヘッド(MRセンサ)の部分断面図
である。本発明のMRセンサは、ガラス,セラミックの
ような適切な基板18の上に、軟質強磁性体の第一磁性
層31,非磁性金属層、及び強磁性体の第二磁性層33
を付着させた構造である。強磁性層は、磁界が印加され
ていない場合は、個々の磁化方向が約90度の角度差に
なるようにする。さらに、第二磁性層33の磁化方向
は、磁性媒体の磁界方向と同じ方向に固定される。磁界
が印加されていない場合の軟質強磁性体の第一磁性層3
1の磁化方向は第二磁性層の磁界方向に対して90度傾
いている。印加された磁界に感応して第一磁性層31に
磁化回転が生じ変化する。
【0092】本実施例では軟質強磁性体の第一磁性層3
1の付着を行う前に、例えば、Ta,Ru、又はCuV
のような適切な下部膜24を基板18の上に付着させ
る。下部膜24を付着させる目的は、後に付着させる層
の組織,結晶粒度、及び形態を最適化させるためであ
る。層の形態は、大きなMR効果を得るのに非常に重要
である。それは層の形態によって非磁性金属層32の非
漬に薄いスペーサ層を利用することができるからであ
る。さらに分流による影響を最小にするために、下部層
は高電気抵抗がよい。下部層は前述したように逆構造と
しても使用できる。基板18は十分な高電気抵抗で、十
分に平面であり、且つ適切な結晶構造の場合は、下部膜
24は不要である。
【0093】第一磁性層31を、紙面に平行な方向に単
一のドメイン状態に保持させるための、縦方向にバイア
スを生じさせる手段が用いられる。縦方向にバイアスを
生じさせる手段は、高飽和保磁力,高直角度、且つ、高
電気抵抗を有する硬質強磁性層38が用いられる。硬質
強磁性層38は、軟質強磁性体の第1磁性層31の端部
の領域に接触している。硬質強磁性層7の磁化方向は、
紙面に平行である。
【0094】反強磁性層を第一磁性層31の端部の領域
に接触させて付着させることができ、必要な縦方向のバ
イアスを生じさせる。これらの反強磁性層は、強磁性体
の第二磁性層33の磁化方向を固定させるために用いら
れる反強磁性層36よりも十分に異なるブロッキング温
度を有するものが良い。
【0095】次に、例えば、Taのような高抵抗の材料
のキャッピング層が、MRセンサ上部全体に付着させら
れるのが好ましい。電極8が備えられ、MRセンサ構造
体と電流源及び検知手段間に回路が形成される。
【0096】図16は本発明のインダクティブ型の記録
ヘッド断面図であるが、この薄膜ヘッドは上部シールド
膜186と、その上に付着された前述の磁性膜からなる
下部磁性膜184及び上部磁性膜185からなる。非磁
性絶縁体189がこれらの磁性膜の間に付着されてい
る。絶縁体の一部が磁気ギャップ188を規定し、これ
は例えば周知技術によりエア・ベアリング関係に置かれ
た磁性媒体と変換関係で相互作用する。支持体はエア・
ベアリング表面(ABS)を有するスライダの形になっ
ており、これはディスク・ファイル動作中に回転するデ
ィスクの媒体に近接し浮上関係にある。
【0097】薄膜磁気ヘッドは上部185,下部磁性膜
184により出来るバック・ギャップ190を有する。
バック・ギャップ190は介在するコイル187により
磁気ギャップから隔てられている。
【0098】連続しているコイル187は例えばめっき
により下部磁性層184の上に作った層になっており、
これらの電磁結合する。コイル187は絶縁体189で
埋められてあるコイルの中央には電気接点191があ
り、同じくコイルの外端部終止点には電気接点192と
して更に大きく区域がある。接点は外部電線及び読み取
り書き込み信号処理ヘッド回路(図示略)に接続されて
いる。
【0099】本発明においては、単一の層で作られたコ
イル187が、やや歪んだ楕円形をしており、その断面
積の小さい部分が磁気ギャップに最も近く配置され、磁
気ギャップからの距離が大きくなるにつれ、断面積が徐
々に大きくなる。
【0100】バック・ギャップ190は磁気ギャップの
ABSに相対的に近く位置している。しかし楕円形コイ
ルはバック・ギャップ190と磁気ギャップ188との
間で比較的密に多数本入っており、コイルの幅乃至断面
直径はこの区域では小さい。更に、磁気ギャップから最
も遠い部分での大きな断面直健は電気抵抗の減少をもた
らす。更に、楕円(長円)形コイルは角や鋭い隅や端部
を持たず、電流への抵抗が少ない。又、楕円形状は矩形
や円形(環状)コイルに比べ導電体の全長が少なくて済
む。これらの利点の結果、コイルの全抵抗は比較的少な
く、発熱は少なく、適度の放熱性が得られる。熱を相当
量減らすので、薄膜層の層崩れ,伸長,膨張は防止さ
れ、ABSでのボール・チップ突出の原因が除かれる。
【0101】幅の変化がほぼ均一に進む楕円形コイル形
状は、スパッタリングや蒸着等より安価な従来のめっき
技術で付着できる。他の形状特に角のある形のコイルで
はめっき付着が不均一な幅の構造になり易い。角や鋭い
端縁部の除去は出来上ったコイルにより少ない機械的ス
トレスしか与えない。
【0102】本実施例では多数巻回したコイルがほぼ楕
円形状で磁気コア間に形成され、コイル断面径は磁気ギ
ャップからバック・ギャップに向けて徐々に拡がってお
り、信号出力は増加し、発熱が減少させる。
【0103】本実施例では、インダクティブ型の記録ヘ
ッドの上部及び下部磁性膜を以下の電気めっき法によっ
て形成した。
【0104】Ni++量:16.7g/l,Fe++量:2.
4g/lを含み、その他通常の応力緩和剤,界面活性剤
を含んだめっき浴において、pH:3.0 ,めっき電気
密度:15mA/cm2 の条件でフレームめっきした上・
下部磁気コアを有する誘導型の薄膜磁気ヘッドを作製し
た。トラック幅は4.0μm、ギャップ長は0.4μmで
ある。この磁性膜の組成は42.4Ni−Fe(重量%)
であり、磁気特性は飽和磁束密度(BS)が1.64T,
困難軸保磁力(HCH)が0.5Oe で比抵抗(ρ)は4
8.1μΩcm であった。上部磁気コア85,上部シール
ド層を兼ねた下部磁気コア84,コイル87である。再
生のための磁気抵抗効果型素子86,磁気抵抗効果型素
子にセンス電流を流すための電極,下部シールド層,ス
ライダの構成を有する。本実施例の磁気コアの結晶粒径
は100〜500Åとなり、困難軸保磁力が1.0Oe
以下であった。
【0105】このような構成で評価した本発明による記
録ヘッドの性能(オーバーライト特性)を測定した結
果、40MHz以上の高周波領域でも−50dB程度の
優れた記録性能が得られた。
【0106】図17は本発明のインダクティブ型記録ヘ
ッドと磁気抵抗効果型再生ヘッドとを有する磁気ヘッド
の斜視概念図である。ヘッドスライダを兼ねる基体15
0上に下部シールド182,磁気抵抗効果膜110,磁
区制御膜141,電極端子140を有する再生ヘッドと
上部シールド兼下部磁気コア181および上部磁気コア
183を形成し、下部ギャップ,上部ギャップの図示は
省略してあり、コイル142は電磁誘導効果によって上
部磁気コアおよび上部シールド兼下部コアに起磁力が発
生するインダクティブ型記録ヘッドとを搭載したもので
ある。
【0107】図18は負圧スライダの斜視図である。負
圧スライダ170は、空気導入面171と浮揚力を発生
する二つの正圧発生面177,177とに囲まれた負圧
発生面178を有し、さらに空気導入面179並びに二
つの正圧発生面177,177と負圧発生面178との
境界において負圧発生面178より段差の大きい溝17
4とから構成される。なお、空気流出端75には磁気デ
ィスクに情報の記録を行う後述するインダクティブ型の
記録ヘッドと再生を行う前述のMRセンサとが前述の図
17に示す概略構造の記録再生分離型の薄膜磁気ヘッド
エレメント176を有する。
【0108】負圧スライダ170の浮上時においては、
空気導入面179から導入された空気は負圧発生面17
3で膨張されるが、その際に溝174に向かう空気の流
れも作られるため、溝174の内部にも空気導入面17
9から空気流出端75に向かう空気の流れが存在する。
したがって、負圧スライダ170の浮上時に空気中に浮
遊する塵芥が空気導入面171から導入されたとしても
溝174の内部へ導入され、溝174内部の空気の流れ
によって押し流され、空気流出端178より負圧スライ
ダ170の外へ排出されることになる。また負圧スライ
ダ170の浮上時には溝4内部には常に空気の流れが存
在し澱み等がないため、塵芥が凝集することもない。
【0109】図19に本発明の一例である磁気ディスク
装置の全体図を示す。本磁気ディスク装置の構成は、情
報を記録するための磁気ディスク、これを回転する手段
のDCモータ(図面省略),情報を書き込み,読み取り
するための磁気ヘッド、これを支持して磁気ディスクに
対して位置を変える手段の位置決め装置、即ち、アクチ
ュエータとボイスコイルモータ、及び装置内部を清浄に
保つためのエアフィルタなどからなる。アクチュエータ
は、キャリッジとレール,軸受から成り、ボイスコイル
モータはボイスコイル,マグネットからなる。これらの
図では、同一の回転軸に8枚の磁気ディスクを取り付
け、合計の記憶容量を大きくした例を示している。
【0110】本実施例によれば高保磁力媒体に対して
も、高周波領域でも十分に記録可能であり、メディア転
送速度15MB/秒以上,記録周波数45MHz以上,
磁気ディスク400rpm 以上のデータの高速転送,アク
セス時間の短縮,記録容量の増大,異方性磁気抵抗効果
を基礎として優れたMR効果を有する高感度のMRセン
サが得られることから面記録密度として3Gb/in2
以上との磁気ディスク装置が得られるものである。
【0111】そして、再生素子に媒体の漏洩磁界が印加
されている状態で+25mA程度の大きなバイアス電流
による大きなバイアス磁界を印加すると、再生波形は元
の状態に復帰した。このように媒体の漏洩磁界を印加し
た方が低いバイアス電流で回復するのは、再生素子には
バイアス磁界と媒体から漏洩する磁界との和である大き
な磁界が印加されるからである。
【0112】(実施例13)図1において、実施例1〜
12に記載の記録ヘッドと再生用のMRヘッドとが一体
になった複合ヘッドを用い、再生用MRヘッド10の再
生信号を再生アンプ53で増幅し、再生信号処理回路5
5に通して論理的に正しいかどうか判定する。誤りがあ
った場合には、複合ヘッドを一度、情報を記録するセク
ターとは別の専用のセクターに移動させ、再生用MRヘ
ッド10に通常のセンス電流よりも大きな値の復帰電流
を流しながら、記録用誘導型ヘッド20のコイル21
に、記録電流発生回路54を駆動することで交流または
直流の電流を印加する。その後、再生用MRヘッド10
に流す電流を通常のセンス電流に戻す。以上の一連動作
を、一回または複数回行うように記録再生動作のコント
ローラー56,定電流源51,記録電流発生回路54を
プログラミングした。
【0113】この場合、復帰電流値は15mA程度で効
果があった。よって復帰電流値を低くできるので、信頼
性の点で有利であるが、専用のセクターにヘッドを移動
させるため、若干のロスタイムが生じる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
媒体の漏洩磁界,記録素子の発生する記録磁界,再生素
子に流れる電流によるバイアス磁界の大きさや方向を最
適に制御することにより、再生波形変動による再生誤動
作が起きた場合にも、再生波形を正常な状態に戻すこと
ができるため、また再生波形変動を起こりにくくするこ
ともできるため、誤動作の少ない磁気記録再生装置が得
られる。
【0115】更に、本発明はディスク可換型の磁気ディ
スク装置,磁気テープ装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録装置の記録再生系回路部周辺
の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一つの実施例であるハードディスク装
置の概略図。
【図3】本発明のハードディスク装置を構成するディス
クの概略構成図。
【図4】本発明のハードディスク装置を構成するヘッド
の断面図。
【図5】(A)は、本発明のハードディスク装置を構成
するAMR再生素子の媒体対向面、(B)及び(C)
は、(A)のAMR再生素子の動作を示す上面の展開
図。
【図6】(A)は、本発明のハードディスク装置を構成
するデュアルストライプAMR再生素子の媒体対向面、
(B)及び(C)は、(A)のデュアルストライプAMR
再生素子の動作を示す上面の展開図。
【図7】(A)は、本発明のハードディスク装置を構成
するスピンバルブ型GMR再生素子の媒体対向面、
(B)及び(C)は(A)のスピンバルブ型GMR再生
素子の動作を示す上面の展開図。
【図8】(A)は本発明のハードディスク装置を構成する
デュアルスピンバルブ型GMR再生素子の媒体対向面、
(B)は(A)のデュアルスピンバルブ型GMR再生素
子の動作を示す上面の展開図。
【図9】(A)はAMR素子の正常な再生波形、(B)
はAMR素子の再生波形変動を起こした場合の再生波
形、(C)はAMR素子の回復後の再生波形を示した
図。
【図10】(A)−(D)はAMR膜の磁化方向の測定
結果を簡略に示した図。
【図11】(A)−(F)はAMR膜の磁化方向の測定
結果を簡略に示した図。
【図12】(A)はスピンバルブ素子の再生波形変動を
起こした場合の再生波形及び(B)はスピンバルブ素子の
正常な再生波形を示した図。
【図13】(A)はスピンバルブ素子における第二の強
磁性膜の磁化方向の固定が十分な場合の特性を示す図及
び(B)は第二の強磁性膜の磁化方向の固定が十分でな
い場合の特性を示す図。
【図14】(A)−(D)は第二の強磁性膜の磁化方向
の固定が十分な場合((A)及び(B))と、十分でな
い場合((C)及び(D))のスピンバルブ素子に、記
録磁界が正((A)及び(C))または負((B)及び
(D))のときにそれぞれ印加される最大磁界を印加し
た後の特性を示す図。
【図15】本発明のMRセンサの部分断面図。
【図16】本発明のインダクティブ型の記録ヘッドの断
面図。
【図17】本発明の磁気ヘッドの斜視図。
【図18】本発明の負圧スライダの斜視図。
【図19】本発明の磁気の磁気ディスク装置の全体図。
【符号の説明】
10…再生用MRヘッド、11…MR膜、12…スペー
サ、13…SAL、14…磁区制御層、15…電極、1
6…媒体対向面、17…MRヘッドに流す電流、18…
電流の作る磁界、20…記録用誘導型ヘッド、21…コ
イル、22…磁束を集めるための磁気コア、51…定電
流源、52…コンデンサ、53…再生アンプ、54…記
録電流発生電源、55…記録再生動作制御回路、56…
記録再生動作コントローラ、111…MR膜11の平均
的な磁化方向、131…SAL13の平均的な磁化方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星屋 裕之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁束
    を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コア
    とを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印
    加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、を備え、 前記記録再生動作制御手段は、前記再生素子に媒体から
    漏洩する磁界が印加されている状態で、前記バイアス磁
    界を変動させる前記バイアス磁界印加手段を制御する安
    定化手段を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁束
    を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コア
    とを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス電流を印加するバイアス電流印
    加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、を備え、 前記記録再生動作制御手段は、前記再生素子に媒体から
    漏洩する磁界が印加されている状態で、前記再生素子の
    バイアス電流を変動させる前記バイアス電流印加手段を
    制御する安定化手段を有する磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁束
    を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コア
    とを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、 前記誘導型記録素子と前記磁気抵抗効果型再生素子を含
    む記録再生ヘッドと、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス電流を印加するバイアス電流印
    加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、を備え、 前記記録再生動作制御手段は、情報を記録する際、前記
    コイルに記録電流を印加しながら前記再生素子のバイア
    ス電流を変動させる前記バイアス電流印加手段を制御す
    る安定化手段とからなる磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁束
    を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コア
    とを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、 前記誘導型記録素子と前記磁気抵抗効果型再生素子を含
    む記録再生ヘッドと、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス電流を印加するバイアス電流印
    加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、 前記記録再生ヘッドの媒体に対する相対位置を決定する
    位置決め機構と、 該位置決め機構を制御する手段と、 前記位置決め機構を制御する手段に備えられ、媒体上に
    あって情報を記録する領域とは別のヘッド回復領域が存
    在する位置に前記記録再生ヘッドを移動させるように制
    御する手段と、を備え、 前記記録再生動作制御手段は、前記記録再生ヘッドが前
    記ヘッド回復領域上にあるときに、前記記録素子のコイ
    ルに記録電流を印加しながら前記再生素子のバイアス電
    流を変動させる前記バイアス電流印加手段を制御する安
    定化手段とからなる磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】前記再生素子に流す前記バイアス電流印加
    手段が、通常の再生動作時の方向と同方向、及び逆方向
    の双方向に流すことができる請求項1〜4のいずれかに
    記載の磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】前記記録再生動作制御手段がエラー判定手
    段を含んでおり、該記録再生動作制御手段が、前記安定
    化処理の最初に通常の再生動作時の方向と同方向で値が
    通常よりも大きなバイアス電流を印加するように制御
    し、次いでエラー判定を行い、その結果エラーと判定さ
    れた場合には前記バイアス電流とは逆方向のバイアス電
    流を印加するように制御する一連の前記動作を、一回ま
    たは複数回行うように制御する安定化手段を含む請求項
    1〜5のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁束
    を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コア
    とを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、を含む記録再生ヘッドと、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、を備え、 前記再生素子の磁気抵抗効果膜が、前記情報が記録され
    た媒体から漏洩する磁界により磁化方向が変化する第一
    の強磁性膜と、磁化方向が固定された第二の強磁性膜
    と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
    された非磁性導体膜とからなる積層構造を持ち、前記第
    一の強磁性膜の磁化方向と第二の強磁性膜の磁化方向と
    のなす角度の変化に応じて抵抗が変化する巨大磁気抵抗
    効果膜であり、 前記記録再生動作制御手段が、前記記録素子のコイルに
    印加する記録電流の極性を記録動作終了時に一方向に固
    定するように前記記録電流印加手段を制御する安定化手
    段を含む磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】前記記録再生動作制御手段が、前記第二の
    強磁性膜の磁化方向と媒体対向面に垂直な方向の成分
    と、前記記録動作終了時に前記再生素子に印加される前
    記記録素子の作り出す磁界の媒体対向面に垂直な方向の
    成分とが互いに平行すなわち同一符号となるように、前
    記記録素子のコイルに印加する記録電流の極性を制御す
    る安定化手段を含む請求項7記載の磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁束
    を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コア
    とを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、を含む記録再生ヘッドと、前記記録素子
    のコイルに記録電流を印加する記録電流印加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、 前記記録再生ヘッドの媒体に対する相対位置を決定する
    位置決め機構と、 該位置決め機構を制御する手段と、を備え、 前記再生素子の磁気抵抗効果膜が、前記情報が記録され
    た媒体から漏洩する磁界により磁化方向が変化する第一
    の強磁性膜と、磁化方向が固定された第二の強磁性膜
    と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
    された非磁性導体膜とからなる積層構造を持ち、前記第
    一の強磁性膜の磁化方向と第二の強磁性膜の磁化方向と
    のなす角度の変化に応じて抵抗が変化する巨大磁気抵抗
    効果膜であり、 前記位置決め機構を制御する手段が、媒体上にあって情
    報を記録する領域とは別のヘッド回復領域が存在する位
    置に前記記録再生ヘッドを移動させるように制御する手
    段を含んでおり、 前記記録電流印加手段が、前記記録素子のコイルに交流
    または直流の記録電流を印加する手段を含んでおり、 前記記録再生動作制御手段が、前記記録再生ヘッドが前
    記ヘッド回復領域上にあるときに、前記記録素子のコイ
    ルに交流の記録電流を印加する場合は該記録電流の終了
    時における極性を一方向に固定するように設定し、前記
    コイルに直流の記録電流を印加する場合は該記録電流の
    極性を一方向に固定するように設定することで、前記コ
    イルに印加する記録電流の極性が記録動作終了時に一方
    向となるように前記記録電流印加手段を制御する安定化
    手段を含む磁気記録再生装置。
  10. 【請求項10】前記記録再生動作制御手段が、前記第二
    の強磁性膜の磁化方向の媒体対向面に垂直な方向の成分
    と、前記記録再生ヘッドが前記ヘッド回復領域上にある
    ときの前記記録動作のうち、その終了時に前記再生素子
    に印加される前記記録素子の作り出す磁界の媒体対向面
    に垂直な方向の成分とが互いに平行すなわち同一符号と
    なるように、前記記録素子のコイルに印加する記録電流
    の極性を制御する安定化手段を含む請求項9記載の磁気
    記録再生装置。
  11. 【請求項11】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁
    束を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コ
    アとを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス電流を印加することでバイアス
    磁界を印加するバイアス電流印加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、を備え、 前記再生素子の磁気抵抗効果膜が、前記情報が記録され
    た媒体から漏洩する磁界により磁化方向が変化する第一
    の強磁性膜と、磁化方向が固定された第二の強磁性膜
    と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
    された非磁性導体膜とからなる積層構造を持ち、前記第
    一の強磁性膜の磁化方向と第二の強磁性膜の磁化方向と
    のなす角度の変化に応じて抵抗が変化する巨大磁気抵抗
    効果膜であり、 前記記録再生動作制御手段が、前記再生素子に媒体から
    漏洩する磁界が印加されている状態で、前記第一の強磁
    性膜に前記バイアス電流の一部が流れることで発生し前
    記第二の強磁性膜に印加される磁界の方向が、前記第二
    の強磁性膜の磁化の方向と等しくなるように前記バイア
    ス電流の方向を制御する安定化手段を含む磁気記録再生
    装置。
  12. 【請求項12】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁
    束を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コ
    アとを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、を含む記録再生ヘッドと、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス電流を印加することでバイアス
    磁界を印加するバイアス電流印加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段とを有しており、 前記再生素子の磁気抵抗効果膜が、前記情報が記録され
    た媒体から漏洩する磁界により磁化方向が変化する第一
    の強磁性膜と、磁化方向が固定された第二の強磁性膜
    と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
    された非磁性導体膜とからなる積層構造を持ち、前記第
    一の強磁性膜の磁化方向と第二の強磁性膜の磁化方向と
    のなす角度の変化に応じて抵抗が変化する巨大磁気抵抗
    効果膜であり、 前記記録再生動作制御手段が、情報を記録する際、前記
    コイルに記録電流を印加した状態で、前記第一の強磁性
    膜に前記バイアス電流の一部が流れることで発生し、前
    記第二の強磁性膜に印加される磁界の方向が、前記第二
    の強磁性膜の磁化の方向と等しくなるように前記記録電
    流印加手段と前記バイアス電流印加方向を制御する安定
    化手段を含む磁気記録再生装置。
  13. 【請求項13】前記記録再生動作制御手段が、前記第二
    の強磁性膜の磁化方向と媒体対向面に垂直な方向の成分
    と、前記記録動作終了時に前記再生素子に印加される前
    記記録素子の作り出す磁界の媒体対向面に垂直な方向の
    成分とが互いに平行すなわち同一符号となるように、前
    記記録素子のコイルに印加する記録電流の極性を制御す
    る安定化手段を含む請求項12記載の磁気記録再生装
    置。
  14. 【請求項14】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁
    束を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コ
    アとを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有した磁気抵抗効果
    型再生素子と、を含む記録再生ヘッドと、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス電流を印加することでバイアス
    磁界を印加するバイアス電流印加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、 前記記録再生ヘッドの媒体に対する相対位置を決定する
    位置決め機構と、 該位置決め機構を制御する手段とを有しており、 前記再生素子の磁気抵抗効果膜が、前記情報が記録され
    た媒体から漏洩する磁界により磁化方向が変化する第一
    の強磁性膜と、磁化方向が固定された第二の強磁性膜
    と、前記第一の強磁性膜と第二の強磁性膜との間に挿入
    された非磁性導体膜とからなる積層構造を持ち、前記第
    一の強磁性膜の磁化方向と第二の強磁性膜の磁化方向と
    のなす角度の変化に応じて抵抗が変化する巨大磁気抵抗
    効果膜であり、 前記位置決め機構を制御する手段が、媒体上にあって情
    報を記録する領域とは別のヘッド回復領域が存在する位
    置に前記記録再生ヘッドを移動させるように制御する手
    段を含んでおり、 前記記録再生動作制御手段が、前記記録再生ヘッドが前
    記ヘッド回復領域上にあるときに、前記コイルに記録電
    流を印加した状態で、前記第一の強磁性膜に前記バイア
    ス電流の一部が流れることで発生し前記第二の強磁性膜
    に印加される磁界の方向が、前記第二の強磁性膜の磁化
    の方向と等しくなるように前記記録電流印加手段と前記
    バイアス電流印加方向を制御する安定化手段を含む磁気
    記録再生装置。
  15. 【請求項15】前記記録再生動作制御手段が、前記第二
    の強磁性膜の磁化方向の媒体対向面に垂直な方向の成分
    と、前記記録再生ヘッドが前記ヘッド回復領域上にある
    ときの前記記録動作のうち、その終了時に前記再生素子
    に印加される前記記録素子の作り出す磁界の媒体対向面
    に垂直な方向の成分とが互いに平行である同一符号とな
    るように、前記記録素子のコイルに印加する記録電流の
    極性を制御する安定化手段を含む請求項14記載の磁気
    記録再生装置。
  16. 【請求項16】前記安定化処理を前記再生素子に印加す
    るバイアス電流の絶対値を通常の再生動作時に流す所定
    の値よりも大きくする請求項1〜15のいずれかに記載
    の磁気記録再生装置。
  17. 【請求項17】前記バイアス電流印加手段が前記再生素
    子の出力信号を検知する検知電流印加手段を兼ねること
    で、前記バイアス電流が前記検知電流を兼ねている請求
    項1〜16のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
  18. 【請求項18】前記バイアス電流の絶対値を通常の再生
    動作時に印加している所定の値の1.1〜5倍とする請求
    項1〜17のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
  19. 【請求項19】情報を媒体に磁気的に記録するため、磁
    束を発生させるコイルと前記磁束を集める一対の磁気コ
    アとを有した誘導型記録素子と、 情報が記録された媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換するため、磁気抵抗効果膜と該磁気抵抗効果膜
    に電気的に接合する一対の電極とを有し、非磁性金属層
    によって仕切られた強磁性体の第一及び第二磁性層と該
    磁性層のいずれかに接して設けられた反強磁性層とを有
    し、印加磁界がゼロである場合に前記強磁性体の第一磁
    性層の磁化方向が、前記第二磁性層の磁化方向に対し直
    交する方向である磁気抵抗効果型再生素子と、 前記記録素子のコイルに記録電流を印加する記録電流印
    加手段と、 前記再生素子の出力信号を検知する手段と、 前記再生素子にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印
    加手段と、 前記再生素子からの出力信号に基づいて情報を再生する
    と共に、入力された信号に基づいて前記記録電流を印加
    する手段を制御することで情報を記録する記録再生動作
    制御手段と、を備え、 前記記録再生動作制御手段は、前記再生素子に媒体から
    漏洩する磁界が印加されている状態で、前記バイアス磁
    界を変動させる前記バイアス磁界印加手段を制御する安
    定化手段を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
  20. 【請求項20】前記磁気抵抗効果型再生素子は前記第二
    磁性層の磁化方向を固定する手段を有する請求項19に
    記載の磁気記録再生装置。
  21. 【請求項21】情報を媒体に磁気的に記録するための記
    録ヘッドと、情報が記録された媒体から漏洩する磁界の
    変化を電圧の変化即ち電気信号に変換する再生ヘッド
    と、再生信号を処理するための回路と、記録再生動作を
    制御する回路とを備えており、 前記記録ヘッドが、磁束を発生させるためのコイルと、
    前記磁束を集めるための一対の磁気コアとを有する誘導
    型ヘッドであり、前記再生ヘッドが、単層または多層か
    らなる磁気抵抗効果膜と、前記該磁気抵抗効果膜に電気
    的に接合する一対の電極とを有する磁気抵抗効果型ヘッ
    ドである磁気記録再生装置において、 再生動作時に誤動作が生じた際に、媒体上にあって情報
    を記録するセクターとは別の専用のセクターにおいて、
    前記記録ヘッドのコイルに交流または直流の電流を印加
    する機構を持ち、前記記録ヘッドに前記交流または直流
    の電流を印加する際、前記磁気抵抗効果型ヘッドのバイ
    アス磁界を変動させることを特徴とする磁気記録再生装
    置。
JP34930696A 1996-01-08 1996-12-27 磁気記録再生装置 Pending JPH1049837A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34930696A JPH1049837A (ja) 1996-01-08 1996-12-27 磁気記録再生装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP48796 1996-01-08
JP13611396 1996-05-30
JP8-136113 1996-05-30
JP8-487 1996-05-30
JP34930696A JPH1049837A (ja) 1996-01-08 1996-12-27 磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1049837A true JPH1049837A (ja) 1998-02-20

Family

ID=27274481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34930696A Pending JPH1049837A (ja) 1996-01-08 1996-12-27 磁気記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1049837A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6490115B1 (en) 1997-12-25 2002-12-03 International Business Machines Corporation Error recovery in unit using GMR sensor
US6975474B2 (en) 2003-04-25 2005-12-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Method and apparatus for read error recovery in a disk drive with a GMR read head
JP2010204389A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Sony Corp 表示装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6490115B1 (en) 1997-12-25 2002-12-03 International Business Machines Corporation Error recovery in unit using GMR sensor
US6975474B2 (en) 2003-04-25 2005-12-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Method and apparatus for read error recovery in a disk drive with a GMR read head
JP2010204389A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Sony Corp 表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100426768B1 (ko) 자기저항효과헤드
US7688544B1 (en) Magnetic heads disk drives and methods with floating pole tip or shunted pole tip for reduced pole tip erasure
JP3300291B2 (ja) シールド型磁気トンネル接合磁気抵抗読取りヘッド及びアセンブリ
US8351155B2 (en) Perpendicular magnetic recording system with spin torque oscillator and control circuitry for fast switching of write pole magnetization
JP4074192B2 (ja) 自己無撞着減磁場を有する巨大磁気抵抗センサ
WO2001001396A1 (fr) Tete magnetoresistive et dispositif de reproduction d'informations
US6144534A (en) Laminated hard magnet in MR sensor
US6738237B2 (en) AP-pinned spin valve design using very thin Pt-Mn AFM layer
US20030117749A1 (en) Perpendicular read/write head for use in a disc drive storage system
US7317596B2 (en) Magnetic recording disk drive having read head with high cross-track resolution and disk with low bit-aspect-ratio
JP2908280B2 (ja) 磁気抵抗ヘッド
JP2001256608A (ja) 磁気ヘッド及び磁気記憶再生装置
JP3787403B2 (ja) 磁気抵抗効果型ヘッド
US5969896A (en) Magnetic recording/reproducing device with a function of correcting waveform of magnetoresistive-effect head
US6731478B2 (en) Magnetoresistive effect head
US20030090843A1 (en) Spin valve sensor
JPH1049837A (ja) 磁気記録再生装置
JP4025013B2 (ja) 垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置
JP4000114B2 (ja) Cpp構造磁気抵抗効果素子
JP3825418B2 (ja) 磁気ディスク装置
JPH11161920A (ja) 記録再生ヘッド及びそれを用いたヘッド・ディスク・アセンブリと磁気ディスク装置
JP2006216098A (ja) 垂直磁気記録用薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ、該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置、及び該薄膜磁気ヘッドを用いた磁気記録方法
US6980404B2 (en) Method and apparatus for improving soft magnetic properties of a spin valve while retaining high giant magnetoresistance
JP3721173B2 (ja) 磁気ディスク装置の記録再生方法
JPH08153313A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031128

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050606

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051108

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02