JPH089540B2 - 腫瘍壊死因子遊離抑制剤 - Google Patents

腫瘍壊死因子遊離抑制剤

Info

Publication number
JPH089540B2
JPH089540B2 JP2116524A JP11652490A JPH089540B2 JP H089540 B2 JPH089540 B2 JP H089540B2 JP 2116524 A JP2116524 A JP 2116524A JP 11652490 A JP11652490 A JP 11652490A JP H089540 B2 JPH089540 B2 JP H089540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
tnf
release inhibitor
present
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2116524A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0413676A (ja
Inventor
辰夫 富重
和成 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2116524A priority Critical patent/JPH089540B2/ja
Publication of JPH0413676A publication Critical patent/JPH0413676A/ja
Publication of JPH089540B2 publication Critical patent/JPH089540B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は腫瘍壊死因子の遊離抑制剤に関する。
従来の技術とその課題 BCGやC.parvumなどの菌体成分を前注射したマウス、
ウサギあるいはラットにエンドトキシンを注射すると血
中にサイトカインが出現し、これは分子量約17000のペ
プチドであり、マウス皮下に移植された癌を出血性壊死
に陥らしめる作用を示すことから腫瘍壊死因子(tumor
necrosis factor、以下「TNF」という)と呼ばれている
(Carswell,E.A.,et.al.Proc.Natl.Acad.Sci.72,3666−
3670(1975))。
上記TNFは腹腔や肺胞のマクロファージ、脳の星状膠
細胞、肝臓のクッパー細胞、末梢血単球など全身の単球
−マクロファージ系の細胞で産生され、産生を誘発する
刺激因子としては細菌のエンドトキシン、ウイルス、補
体のC5a、カビあるいは寄生虫の構成成分、糖化蛋白、
神経ペプチド、インターロイキン−1およびTNF自身な
どが知られている(Lotz,M.,Science,241,1218−1221
(1988))。
動物にTNFを産生させる方法としては、プライミング
物質(priming agent)としてB.C.G.、P.acnes、OK−43
2などとエリサィティング物質(eliciting agent)とし
てLPS、OK−432、レンチナンなどの2種類の刺激剤が必
要とされている。その際プライミング物質はエリサィテ
ィング物質の約10〜2週間前に投与しておくのが好まし
い。また、あらかじめプライミング物質で処理した動物
からマクロファージを取り出し、エリサィティング物質
を試験管の中で加えることによってインビトロでもTNF
メッセンジャーのRNAの発現を再現することができる。
また、ある種の樹立細胞株ではプライミングを必要とせ
ず、エリサィティング物質だけでTNFの発現を刺激する
ことが出来ることが知られている。例えば、HL−60、U
−937、PU−5−1.8、RAW264、P388DD、J774などのマク
ロファージの培養系を用いたインビトロの系ではPMA(p
horbolmyristate acetate)やLPS単独の刺激でTNFを産
生することが知られている(Goeddel,D.V.,Cold Sprig
Harbor Symposaon Quantitative Biology,LI,597−609
(1986))。
TNFの測定方法には細胞障害性を指標した例えば、L92
9細胞株、アクチノマイシンD処理L929細胞株、アクチ
ノマイシンD処理HEHI細胞株などを指標とした生物学的
測定法、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を
用いた酵素免疫測定法(ELISA法)、アイトソープ(125
I)を用いたラディオイムノアッセイ(RIA法)、イムノ
ラディオメトリックアッセイ、エンザイム、イムノメト
リックアッセイなどがある。
一方、TNFの生物活性作用としては、抗腫瘍作用の他
に、リポ蛋白リパーゼ活性の抑制作用、向炎症作用、エ
ネルギー蓄積の抑制作用、組織の破壊と再構築、内皮細
胞障害作用、骨呼吸促進作用、関節機能障害作用など多
くのものが知られている。
TNFは当初、腫瘍細胞株に対し細胞融解又は増殖抑制
を示し、正常細胞の増殖は抑制しないことから、癌の治
療薬として期待されていたが、1985年にビュートラー
(Beutler)らによって、癌などの消耗性疾患の患者に
おいてみられる悪液質の誘発因子であるカケクチンと同
一物質であることが証明された(Beutler.,Nature,316,
552−554(1985))。
更にTNFは臨床においても消耗性疾患患者や敗血性シ
ョック患者においてその血中濃度が測定され、之等患者
では血中TNF値の上昇が認められることが報告された。
その他の疾患との関係でも、TNFはその病因に免疫異常
が想定されている炎症性腸疾患、SLE、川崎病などで血
中値が高値を示すこと、また慢性関節リウマチでは関節
液中のTNF濃度が上昇することなどが知られている。
また臨床における癌患者の治療中に、TNF投与により
発熱、全身倦怠感が認められ、高用量投与によれば血圧
低下などのショック状態も認められると報告されてい
る。更にTNFはエンドトキシンや他のサイトカインと少
量であっても著しい作用を発揮することが報告されてい
る。更にエンドトキシンによるTNF産生は補体C5aにより
相乗的に亢進することや逆に補体C5aが欠損しているとT
NFの作用が出現しないことも知られている。
之等のことは以下の各種文献に詳述されている。
○前田征洋,消化器と免疫,22,309−312(1989) ○Maury,C.P.J.,Arthritis Rheum.,32,146−150(198
9) ○Furukawa,S.,Clin.Immunol.Immunopathol.,48,247−2
51(1989) ○Husby,G.,J.Autoommun.,1,363−371(1988) ○Neilson,I.R.,surgery,106,439(1989) ○Ozaki,Y.,Cancer Chemother Phrmacol.,23,231(198
9) ○Rothstein,J.L.,J.Eep.Med.,168,2007(1988)。
以上のように過剰のTNFは、ときとして生体内の少量
のサイトカイン等と相互作用を示し、エンドトキシン様
症状を発症させることが危惧される。故に、血中TNF濃
度が過剰に高値をとることを抑制し、あるいはTNFが生
体活性物質と互いに作用しあって起こすとされているシ
ョック様症状を改善したり、癌の悪液質を改善する作用
を有する薬剤の開発が当業界で望まれている。
しかして、上記TNFの抑制には、従来よりグルココル
チコイド、プロスタグランディンE2、O2スカベンジャ
ー、ホスホリパーゼA2、シクロオキシゲナーゼ、リポキ
シゲナーゼなどが有効であるとされ、之等薬物につき臨
床上の副作用の軽減作用や動物実験による毒性試験結果
が報告され、またTNFの作用経路にはアラキドン酸系の
活性化が関与していると報告されている。
(Beutler,B.,Science,232,970(1986);Satomi,N.,J.B
iol.Response Med.,7,54(1988)など参照)。
しかるに、上記シクロオキシナーゼ等のアラキドン酸
誘導体の合成阻害剤は、長期使用にあたって副作用、例
えば食欲不振、消化性潰瘍などの消火器系の副作用や、
肝、腎、血液等の障害作用が知られており、グルココチ
ルコイドも血管透過性亢進、易感染性、糖尿病、消化性
潰瘍などを伴い易く、更にはTNFの抗腫瘍作用をも減弱
させるとされており、之等公知の薬物はいずれも尚TNF
の抑制剤としての医薬品分野での利用には難点があり、
之等に変わる新しい作用機序によるTNFの抑制剤であっ
て、より安全性の高い薬剤の研究開発が望まれている
(Marquet,R.L.,Int.J.Cancer,40,550−553(1987)。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記の課題について鋭意研究を重ねた
結果、下記式で表わされるセスキテルペン類縁体並びに
之等化合物の塩から選ばれた少なくとも1種が、斯界で
要望されている新しい作用によるTNFの遊離抑制剤の有
効成分化合物として有効であることを見出だし、ここに
本発明を完成するに至った。
本発明によれば、式 及び式 で表わされるセスキテルペン類縁体並びに之等化合物の
塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有す
ることを特徴とするTNF遊離抑制剤が提供される。
本発明薬剤において、有効成分として用いられる上記
式(1)及び式(2)で表わされる化合物は、本願人が
先に開発した化合物でおり、例えば西独特許第2821403
号(特開昭54−36255号及び特開昭54−37832号)公報や
特開昭64−6214号公報に記載されるように、潰瘍性大腸
疾患治療剤を含むある種の医薬用途に有用であることが
知られている。しかるに、本発明者らは、別途研究の結
果、該化合物が上記各公報に記載された医薬用途からは
全く予期できない新しい医薬用途、即ちTNF遊離抑制剤
として有効であることを見出し、この知見により本発明
を完成したのである。
上記式(1)で表わされる化合物(結晶)は、溶媒特
に塩基性溶媒に溶解させると、該化合物の互変異性体で
ある上記式(2)で表わされるモノカルボン酸との平衡
混合物となる。即ち化合物 (1)をジメチルスルホキシド溶媒に溶解後、経時的に
測定したNMRスペクトル分析によれば、溶解20分後に
は、ラクトールの特徴的シグナルを示す6.36ppmの他に
アルデヒドプロトン(−CO)の特徴的シグナルであ
る9.89ppmに若干のピークが認められ、両者の積分比は
前者約73対後者約27であり、2時間後には上記9.89ppm
のピークが更に若干増大し、積分比で70対30に達し、こ
の積分比は63時間経過後のNMR分析図においても変化せ
ず、化合物(2)は上記溶媒中では化合物(1)と3対
7の比で存在する。
本発明のTNF遊離抑制剤は、かかる平衡混合物の形態
にある化合物(1)及び化合物(2)を有効成分とする
ことができる。尚、上記化合物(1)の互変異性体であ
る化合物(2)は、溶媒としてメタノールやピリジンを
用いる場合には生成しない。 本発明のTNF遊離抑制剤
は、また上記各化合物及び之等の混合物と同様に、之等
各化合物の塩基性化合物を有効成分とすることができ
る。上記塩は、化合物(1)及び化合物(2)の有する
酸性基、即ちフェノール性水酸基及び化合物(2)の有
するラクトール環を構成するカルボキシル基のうち少な
くとも1つの官能基を塩基性化合物と反応させることに
より得られる。かかる塩の製造に利用され得る塩基性化
合物としては、具体的には、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属又
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸化物等を例示でき
る。また例えばメチルアミン、エチルアミン、イソプロ
ピルアミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、3,
4−ジメトキシフェネチルアミン等の有機アミン類も上
記塩基性化合物として利用できる。
本発明薬剤の有効成分とする各化合物は、また立体異性
体を有しており、本発明はかかる立体異性体をも有効成
分として利用することを当然に包含する。
本発明TNF遊離抑制剤は、通常有効成分化合物と共に
製剤担体を用いて製剤組成物の形態とされ実用される。
上記製剤担体としては、使用形態に応じた製剤を調製す
るために通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿
剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦
形剤を例示でき、之等は得られる製剤の投与単位形態に
応じて適宜選択される。
本発明薬剤の投与単位形態としては、各種の形態が治
療目的に応じて選択でき、その代表的なものとしては、
例えば錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤
カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等を例示
している。錠剤の形態に成形するに際しては、上記製剤
担体としてこの分野で慣用される各種のものを広く使用
することができる。その例としては、例えば乳糖、白
糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸
カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン
酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノー
ル、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼチラン溶
液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン
等の結合剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸
ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤、白
糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑
制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、
デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状
ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ
酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用する
ことができる。更に錠剤は、必要に応じて通常の剤皮を
施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フイルムコーテイング錠あるいは二重錠、多層錠と
することができる。丸剤の形態に成形するに際しては、
製剤担体としてこの分野で通常用いられる各種のもの、
例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物
油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、ト
ラガント末、ゼラチン等の結合剤、ラミナラン、カンテ
ン等の崩壊剤等を広く使用することができる。坐剤の形
態に成形するに際しては、製剤担体としてこの分野で慣
用される各種のもの、例えばポリエチレングリコール、
カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル
類、ゼラチン、半合成グリセライド等をいずれも使用す
ることができる。カプセル剤は、常法に従い通常本発明
の有効成分化合物又はその塩を、上記で例示した各種の
製剤担体と混合して、例えば硬質ゼラチンカプセル、軟
質カプセル等に充填して調製することができる。本発明
薬剤が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調製される
場合、之等は殺菌されかつ血液と等張であるのが好まし
い。之等の形態に成形するに際しては、希釈剤として一
般に用いられる公知の各種のもの、例えば水、エチルア
ルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステ
アリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類
等をいずれも使用することができる。尚この場合、等張
性の溶液を調製するのに充分な量の食塩、ブドウ糖ある
いはグリセリンを本発明の薬剤中に含有させてもよく、
また之等の製剤中には通常よく知られている各種の添加
剤、例えば溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加する
こともできる。更に本発明薬剤中には、必要に応じてこ
の種製剤中に添加配合できることの知られている着色
剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含
有させることも可能である。
本発明のTNF遊離抑制剤中に含有されるべき前記式
(1)及び/又は式(2)で表わされる有効成分化合物
並びに之等の塩の量は、特に制限されるものではなく広
範囲から適宜選択されるが、通常全医薬製剤組成物中に
約1〜70重量%、好ましくは約5〜50重量%程度含有さ
れる量とするのが適当である。
本発明薬剤の投与方法は、特に制限がなく、各種製剤
形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に
応じて決定することができる。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤は経口投与
することができる。注射剤は単独でまたはブドウ糖、ア
ミン酸等の通常の補液と混合して静脈内投与することが
でき、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もし
くは腹腔内投与することもできる。坐剤は直腸内投与す
ることができる。
本発明薬剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その
他の条件、疾患の程度等により適宜選択され、特に限定
されるものではないが、通常有効成分が1日成人1人当
り約50mg〜1g程度投与される量から選択されるのが適当
であり、該製剤は1日に1〜4回に分けて投与すること
ができる。
実 施 例 以下、本発明TNF遊離抑制剤の有効成分化合物の製造
例及びこれを用いた本発明薬剤の製剤例を挙げる。尚、
以下は製造の一例であり、これで拘束されるものではな
い。
製造例 1 スタキボトリス エスピー・K76(微工研菌寄第3801
号)を、下記組成の培地100mlを入れた500ml容坂口フラ
スコにて、28℃、pH6で4日間往復振盪培養を行なっ
た。
グリセリン 0.5% デンプン 1.0% 乳 糖 0.2% 大豆粉 0.5% 酵母エキス 0.1% 麦芽エキス 0.1% CaCO3 0.3% MgSO4 0.05% 上記で得られた種培養1本を、上記組成の培地20を
入れた30容ジャーファーメンターにて、培養温度28
℃、通気量1/培地・分、撹拌数300回転/分で5
日間培養した。
得られた培養液を8000回転/分で遠心分離し、菌体を
除去し、上澄液に5のメタノールを加え、撹拌して3
時間放置した後、遠心分離して沈澱物を除去し、等量の
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層の溶媒を減圧下留
去した後、残渣をメタノールに溶かし、活性炭カラムを
通過させ、溶出液を減圧乾固後、クロロホルム:酢酸エ
チル=1:1(v/v)に溶解させ、セファデックスLH−20カ
ラムでゲル濾過し、薄層クロマトグラフィー〔酢酸エチ
ル−クロロホルム−酢酸(容積比50:50:2)の混液を展
開溶媒とする〕にて、Rf=0.34に相当する抗補体活性画
分または同様の薄層クロマトグラフィー〔ベンゼン−ブ
タノール−酢酸(容積比60:15:5)の混液を展開溶媒と
する〕にて、Rf=0.58に相当する抗補体活性画分を集
め、これから溶媒を留去することにより、抗補体活性を
有する淡黄色の弱酸性物質である6,7−ジヒドロキシ−
2,5,5,8a−テトラメチル−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デ
カヒドロナフタレン−1−スピロ−2′−(6′,7′−
ジホルミル−4′−ヒドロキシ−2′,3′−ジヒドロベ
ンゾフラン)2.0gを得た。
上記化合物の生成は、以下の理化学的特性より確認さ
れる。
○▲〔α〕20 D▼=−48゜(c=2.5、メタノール) ○元素分析値(C23H30O6として) 計算値(%) C68.64 H7.51 実測値(%) C68.58 H7.55 ○紫外線吸収スペクトル(UV)分析 製造例 2 1mlの水に硝酸銀2.1gを溶かし、これに5.8モル水酸化
ナトリウム水溶液3.5mlを加え、室温下で20分間撹拌
後、製造例1で得た6,7−ジヒドロキシ−2,5,5,8a−テ
トラメチル−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロナフ
タレン−1−スピロ−2′−(6′,7′−ジホルミル−
4′−ヒドロキシ−2′,3′−ジヒドロベンゾフラン)
の1.0gをエタノール3mlに溶かした液を加えた。
反応媒体を室温下に1.5時間撹拌した後、2N塩酸でpH
を約2に調整し、反応液を同量の酢酸エチルで抽出し、
抽出溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー〔シリカゲル「ワコウC−20
0」、和光純薬社製品、溶出液:クロロホルム−酢酸エ
チル−酢酸(容積比100:50:2)〕で精製した。薄層クロ
マトグラフィー〔酢酸エチル−クロロホルム−酢酸(容
積比50:50:2)の混液を展開溶媒とする〕にて、Rf=0.3
7に相当する画分又は同様の薄層クロマトグラフィー
〔ベンゼン−ブタノール−酢酸(容積比60:15:5)の混
液を展開溶媒とする〕にて、Rf=0.71に相当する画分を
集め、これより溶媒を留去することにより、淡黄色無定
結晶の4,8−ジヒドロキシ−6−オキソ−2,3,6,8−テト
ラヒドロ−フロ〔3,4−g〕ベンゾフラン−2−スピロ
−1′−(6′,7′−ジヒドロキシ−2′,5′,5′,8′
a−テトラメチル−1′,2′,3′,4′,4′a,5′,6′,
7′,8′,8′a−デカヒドロナフタレン)[前記式
(1)の化合物]の700mgを得た。
上記化合物は、次の理化学的性質を示し、このことか
らその生成が確認された。
○▲〔α〕20 D▼=−44.8゜(c=0.9、メタノール) ○元素分析値(C23H30O7として) 計算値(%) C66.03 H7.18 実測値(%) C65.93 H7.21 製造例 3 0.4N−水酸化ナトリウム水溶液5ml及びエタノール5ml
に、4,8−ジヒドロキシ−6−オキソ−2,3,6,8−テトラ
ヒドロ−フロ〔3,4−g〕ベンゾフラン−2−スピロ−
1′−(6′,7′−ジヒドロキシ−2′,5′,5′,8′a
−テトラメチル−1′,2′,3′,4′,4′a,5′,6′,7′,
8′,8′a−デカヒドロナフタレン)418mgを加え、窒素
気流下に30〜40℃で30分間撹拌した。反応終了後、減圧
下に溶媒を留去し、乾固し、残渣にアセトン10mlを加え
溶解する部分を濾去した。
得られた粗結晶を水−アセトンから再結晶して、淡黄
色無定形結晶の、ジソディウム6,7−ジヒドロキシ−2,
5,5,8a−テトラメチル−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカ
ヒドロナフタレン−1−スピロ−2′−(6′−カルボ
キシレート−7′−ホルミル−4′−オキシド−2′,
3′−ジヒドロベンゾフラン)[前記式(2)の化合物
のジナトリウム塩]342mgを得た。
得られた化合物は、次の理化学的性質を示し、このこ
とからその生成が確認された。
○▲〔α〕20 D▼=−44.2゜(c=1.25、H2O) ○元素分析値(C23H28O7Na2として) 計算値(%) C59.74 H6.10 実測値(%) C59.48 H5.91 ○紫外線吸収スペクトル(UV)分析 また、上記において原料化合物に対して等モル量程
度、通常約1.2倍モル量の水酸化ナトリウムを使用して
同様にして、ソディウム6,7−ジヒドロキシ−2,5,5,8a
−テトラメチル−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
ナフタレン−1−スピロ−2′−(6′−カルボキシレ
ート−7′−ホルミル−4′−オキシド−2′,3′−ジ
ヒドロベンゾフラン)[前記式(2)の化合物のカルボ
キシル基のモノナトリウム塩]を得た。
製剤例 1 製造例3で得た化合物 500mg [式(2)の化合物の2Na塩] ブドウ糖 250mg注射用蒸留水 適 量 全 量 5ml 注射用蒸留水に製造例3で得られた化合物及びブドウ
糖を溶解後、5mlのアンプルに注入し、窒素で置換後、1
21℃で15分間加圧滅菌を行ない、注射剤形態の本発明TN
F遊離抑制剤を得た。
製剤例 2 製造例2で得た化合物 500mg [式(1)の化合物]半合成グリセライド基剤 適 量 全 量 500mg 半合成グリセライド基剤に、製造例2で得られた化合
物を加え、50℃で混合、懸濁させた後、成形鋳型に流し
こみ、自然冷却した後、取り出し、坐剤形態の本発明TN
F遊離抑制剤を得た。
製剤例 3 製造例3で得た化合物 500g [式(2)の化合物の2Na塩] アビセル(商標名、旭化成社製) 40g コンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g TC−5(商標名、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス) 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g エタノール 40g 製造例3で得られた化合物、アビセル、コンスターチ
及びステアリン酸マグネシウムを取り、混合研磨後、糖
衣R10mmのキネで打錠した。
得られた錠剤を、TC−5(ヒドロキシプロピルメチル
セルロース)、ポリエチレングリコール−6000、ヒマシ
油及びエタノールからなるフィルムコーティング剤で被
覆して、フィルムコーティング錠形態の本発明TNF遊離
抑制剤を得た。
製剤例 4 製造例2で得た化合物 100g アビセル 40g コンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g アクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体 5.7g トリアセチン 0.6g エタノール 50.4g 製造例2で得られた化合物、アビセル、コンスタース
及びステアリン酸マグネシウムを取り、混合研磨後、糖
衣R10mmのキネで打錠した。
得られた錠剤をアクリル酸メチル−メタクリル酸共重
合体トリアセチン及びエタノールからなるフィルムコー
ティング剤で被覆し、腸溶錠形態の本発明のTNF遊離抑
制剤を得た。
以下、本発明TNF遊離抑制剤の薬理試験例を挙げる。
試験例 1 ヒトマクロファージ細胞株(THP−1)からのTNF遊離
に対するTNF遊離抑制剤の作用THP−1細胞株は10%FCS
−RPMI−1640培養液(日水製薬社製)にて37℃、5%CO
2存在下で96時間培養したものを使用した。
48ウエルマイクロプレート(コーニング社製)中にTH
P−1細胞を1ウエル当り106個となるように、1%FCS
−RPMI−1640培養液(日水製薬社製)に調整し、1mlず
つ加えた。
次に本発明TNF遊離抑制剤(製造例2で得たもの、以
下MX−1と略す)の14mg粉末を10mlのRPMI−1640培養液
に溶解後、各ウエルに加えた時点での終濃度が3,10,30,
100,3000ng/mlの濃度となるように希釈調整した。
上記THP−1細胞中に各濃度のMX−1希釈液を加え
た。THP−1及びMX−1希釈液を混合後、2〜5分間イ
ンキュベーションを行ない、次に終濃度1μg/mlとなる
ようにリポポリサッカライド(以下LPSと略す、E.coli.
0.55:B5,BoivinDIFCO,USA社製)を加えて37℃、5%CO2
存在下で、2時間インキュベートした後、100orpm、10
分間の条件で遠心分離(日立工機社製)した。得られた
各セル中の上清0.1mlを取り出し、上清中のTNFを抗ヒト
・リコンビナントTNF−α(PT−050:大日本製薬製)を
標準抗原として、阿部らの開発した酵素免疫測定法(EL
ISA)により測定した(阿部康人,Clin.Chim、Acta.,17
6,213,218(1988))。
その結果を第1図に示す。
図において横軸はMX−1の濃度(ng/ml)を、縦軸はT
NFの濃度(pg/ml)を示す。
第1図よりMX−1はTHP−1セルからのLPS刺激による
TNFを遊離を3ng/mlから10,30,100,300ng/mlまで強く抑
制することが認められた。
試験例 2 ヒト末梢血マクロファージからIL−1(インターロイ
キン−1)遊離に対するMX−1の作用 ヒト末梢単核球はヒト末梢ヘパリン加末梢血として採
取し、クリーンベンチ内でficoll−isopaque比重遠沈法
にて分離した後、1%FCS−RPMI−1640培養液にて3回
洗浄し再び同培養液にて細胞数を調整した。
48ウエルマイクロプレート上に上記により調整した単
核球を終濃度が106個/ウエルとなるように各ウエルに
0.5mlずつ加えた。次にMX−1を終濃度が30,100,300,10
00ng/mlとなるように調整したものを各ウエルに加え
た。2〜5分後、終濃度1μg/mlとなるようにLPSを加
え、37℃、5%CO2存在下で24時間インキュベーション
した。その後、上清を1000rpm、10分間遠心することに
より分離した。
分離した上清中のIL−1の活性はマウス胸腺細胞を指
示細胞としたcostimulator法にて測定した。即ち、96マ
イクロプレートに、BALB/cマウスの胸腺細胞を1ウエル
当り1×106個加え、更にPHA(フェトヘマグルチニン)
を5%FCS−RPMI−1640培養液にて調整したものを終濃
度1μg/mlとなるように加えた。更に、培養上清を各ウ
エルに終濃度50%となるよう加えた。37℃、5%CO2
在下で66時間インキュベーションした後、各ウエルに0.
5μCiの3H−チミジンを加えて6時間インキュベーショ
ンした後、細胞を回収した。
上記操作にて回収された細胞中に取り込まれた3H−チ
ミジンの量を液体シンチレーションカウンター(Aloka
社製)にて測定した。
測定された3H−チミジンの値はマウス胸腺細胞刺激活
性を示し、これはマクロファージからの遊離IL−1量を
現している。
その結果を第2図に示す。
図において横軸はMX−の濃度(ng/ml)を、縦軸は3H
−チミジン取り込み量(×10-3cpm)を示す。
該図よりMX−1の量を30,100,300,1000ng/mlと変化さ
せても3H−チミジンの取り込みに影響を与えなかった。
上記結果より、MX−1はヒトマクロファージからのIL−
1の遊離には影響を及ぼさないことが確認された。
第1図及び第2図の結果から、MX−1はIL−1に作用
せずTNFの遊離を抑制することから選択的にヒトマクロ
ファージからのTNFの遊離を3ng/ml〜300ng/mlの範囲で
強力に抑制することが確認された。
試験例 3 急性毒性試験 製造例2で得たセスキテルペン類縁体(式(1)の化
合物、本発明TNF遊離抑制剤有効成分化合物)の急性毒
性試験をI.V.ラットにつき行なった。
その結果、該化合物のLD50値は、500mg/kgであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、薬理試験例1に従う本発明有効成分化合物が
ヒトマクロファージ細胞株からのTNF遊離に対して抑制
作用を示すことを明らかにするグラフである。 第2図は、薬理試験例2に従う本発明有効成分化合物が
ヒト末梢血マクロファージからのIL−1の遊離に及ぼす
影響を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 及び式 で表わされるセスキテルペン類縁体並びに之等化合物の
    塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有す
    ることを特徴とする腫瘍壊死因子遊離抑制剤。
JP2116524A 1990-05-01 1990-05-01 腫瘍壊死因子遊離抑制剤 Expired - Lifetime JPH089540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2116524A JPH089540B2 (ja) 1990-05-01 1990-05-01 腫瘍壊死因子遊離抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2116524A JPH089540B2 (ja) 1990-05-01 1990-05-01 腫瘍壊死因子遊離抑制剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0413676A JPH0413676A (ja) 1992-01-17
JPH089540B2 true JPH089540B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=14689264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2116524A Expired - Lifetime JPH089540B2 (ja) 1990-05-01 1990-05-01 腫瘍壊死因子遊離抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH089540B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0413676A (ja) 1992-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH085780B2 (ja) 変形性関節症治療剤
JPS608000B2 (ja) アミノフエニル誘導体及び該誘導体を含有する生理活性剤
JPH06234637A (ja) 腫瘍壊死因子アルファを阻害するためのレフルノミドの使用
JPH02268178A (ja) 3―ホルミルアミノ―7―メチルスルホニルアミノ―6―フェノキシ―4h―1―ベンゾピラン―4―オンまたはその塩を含有する抗炎症製剤
SE466683B (sv) Spiroketalsteroidglykosider och/eller estrar daerav till anvaendning som laekemedel
US5149688A (en) Methods, compounds, and compositions for immunosuppression
RU2141318C1 (ru) Ингибитор образования воспалительного цитокина, средство для профилактики и лечения воспалительных заболеваний пищеварительного тракта и синдрома бехчета, способ профилактики и лечения воспалительных заболеваний и язвенного колита
KR20040051485A (ko) 광활성 비사이클롤, 그 제조방법과 이를 함유하는 조성물및 이용
JPH089540B2 (ja) 腫瘍壊死因子遊離抑制剤
JPH05331061A (ja) アポトーシス誘起剤
JPS6232170B2 (ja)
JP2511709B2 (ja) キサントシリンxモノメチルエ―テル誘導体及びそれを含有する抗腫瘍剤
US4873261A (en) Pharmaceutical composition for treating ulcerative large intestinal disease
SU1056901A3 (ru) Способ получени сесквитерпеновых производных или их солей
JPH09124489A (ja) インターロイキン−6生産抑制剤
JP2767176B2 (ja) 抗癌剤
JPH07316051A (ja) 免疫抑制剤としてのベルベリン
JPH04202126A (ja) インターロイキン―1産生抑制剤
US3928602A (en) Substituted phenoxymalonic acids, esters thereof and hypolipaemic agents containing the same for lowering lipid levels
JP2694321B2 (ja) インターロイキン−1阻害剤
US3851064A (en) Diphenylsulfides as hypolipidemics
JPH0699305B2 (ja) 糖尿病治療剤
EP0714658A1 (en) Apoptosis inducer
JPS60224622A (ja) 強心剤
JPS5950318B2 (ja) 新規抗生物質sy−2物質