JPH089527A - 電柱周り装架機器の被覆保護カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電柱周りに装架された各種の機器や電線を包
括した形で被覆保護するカバーを提供する。 【構成】 所定の巾と長さを備えた一定寸法の長尺上下
端板材１ａ，１ｂの巾方向内側縁に対応位置させて一定
長さの突出片２と引っ込み凹部３を交互に設けると共
に、各突出片２の先端に芯棒５を貫通させる筒部４を形
成し、これらの上下端板材１ａ，１ｂの中間に複数枚の
中間板材１ｎを並列させ、該中間板材１ｎの両側端に交
互に設けた突出片２と引っ込み凹部３の突出片２に形成
した筒部４に芯棒５を貫通させて各板材１ａ，１ｎ，１
ｂを屈曲自在に連結してカバー本体Ａを形成し、該カバ
ー本体Ａには巾方向の上下両端寄り位置に互いに雌雄結
合する面ファスナー７ａ，７ｂを一対取付けて、カバー
本体Ａを巻回した状態で対向する面ファスナー７ａ，７
ｂ対を結合させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電柱周りに装架された各
種の機器や電線等を包括して被覆保護するカバーに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電柱上に装架された変圧器等を交
換する工事に際しては、装架されている変圧器等をクレ
ーンで装架位置より上方へ一旦吊上げてから下降するよ
うにしている。

【０００３】このような変圧器等の交換工事に際しては
電線やクランプカバー，引器碍子，分岐スリーブカバー
等（これらを総称して電柱周り装架機器と表現する）に
クレーンのワイヤーが接触して各種機器や電線を損傷さ
せるのを防止するためにこれらの機器を個々別々に包み
込み保護することが従来から行なわれていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように機器を個々
別々にカバーで包み込む従来の保護手段は手間が掛か
り、しかも複数の機器をすべて集約した形で被覆するこ
とができないために機器の一部が露出されている状態で
変圧器等の交換工事を行うためクレーンの操作に熟練を
必要とし、また時間が掛かるなど作業能率が低下し、ま
た、変圧器等の交換工事終了後の後始末にも個々の機器
よりカバーを取り外ずす作業が必要となり手間が掛かか
り作業性の面で多くの課題があった。それ故に本発明の
目的はこのような課題をすべて解決できる電柱周り装架
機器の被覆保護カバーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる課題達成のため本
発明は、所定の巾と長さを備えた一定寸法の長尺上下端
板材の巾方向内側縁に対応位置させて一定長さの突出片
と引っ込み凹部を交互に設けると共に、各突出片の先端
に芯棒を貫通させる筒部を形成し、これらの上下端板材
の中間に複数枚の中間板材を並列させ、該中間板材の両
側端に交互に設けた突出片と引っ込み凹部の突出片に形
成した筒部に芯棒を貫通させて各板材を屈曲自在に連結
してカバー本体を形成し、該カバー本体には巾方向の上
下両端寄り位置に互いに雌雄結合する面ファスナーを一
対取付けて、カバー本体を巻回した状態で対向する面フ
ァスナー対を結合させるように構成される。

【０００６】

【作用】カバー本体は電柱周りに装架した複数の機器や
電線を包み込むように被せ、巻き付けるようにして巾方
向の両端を重ね合わせ、対向する各面ファスナーを結合
させることで、複数の機器を集約した形で、しかも所定
の長さにわたって完全に被覆して保護する。このように
して複数の機器を集約した形で一度の作業で被覆保護す
ることで変圧器周りで機器が寄せられ、スペースができ
てクレーン操作をし易くする。そして、変圧器の交換工
事終了後の被覆保護カバーの撤去も迅速にしかも簡単に
行なえる。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。第１図は本発明に係わる本体カバーＡの展開平面図
であり、このカバー本体Ａは高密度ポリエチレン樹脂等
により、一定の巾と長さで長尺に、かつ、断面形状が第
５図乃至第９図に示すように略Ｓ字形状に湾曲した板材
１を簾状に連綴することにより屈曲自在に形成される。

【０００８】前記板材１は第２図に示す上端板材１ａ
と、第４図に示す下端板材１ｂと、これらの上端板材１
ａと下端板材１ｂの間に複数枚連綴させる中間板材１ｎ
（第３図参照）の形状の異なる三種類により形成され
る。そして、これらの板材１ａ，１ｎ，１ｂを接続させ
るため巾方向の両端に対応位置させて一定長さの突出片
２と引っ込み凹部３とを交互に設けると共に、各突出片
２の先端に芯棒５を貫通させる拘部４を形成する。

【０００９】これらの板材１ａ，１ｎ，１ｂを複数枚並
列させ、対向連通する拘部４に芯棒５を貫通させること
により第１図に示したカバー本体Ａが形成される。な
お、各板材１ａ，１ｎ，１ｂの湾曲した内側面側の長手
方向に補強膨出部６を突設して、芯棒５を支持すると共
に各板材１ａ，１ｎ，１ｂの長手方向の裏面中間には突
条７を突設する。

【００１０】さらに、カバー本体Ａの巾方向の一端寄り
（図で上端寄り）で３個所に所要の長さを持った一方の
面ファスナー７ａを一定間隔で巾方向に複数の上端板材
１ａと中間板材１ｎの一部に跨がるように取付ける。そ
して、カバー本体Ａの他端寄り（図で下端）の下端板材
１ｂに下端へ垂下するように前記面ファスナー７ａに結
合する面ファスナー７ｂを取付ける。この面ファスナー
７ｂは下端板材１ｂから延出した部分が面ファスナー７
ａより若干長尺とする。

【００１１】９は、面ファスナー７ｂに取付けた表示片
であり、この表示片には製品名、製造年月日、製造者
名、および所有者名等を表示する。

【００１２】このように形成されたカバー本体Ａは各板
材１ａ，１ｎ，１ｂを連設して、各板材１ａ，１ｎ，１
ｂの巾方向両端で拘部４に芯棒５を貫通することによ
り、芯棒５を支点にして各板材１ａ，１ｎ，１ｂは屈曲
自在に連結され、所謂、簀の子巻の形状に巻回すること
ができる。

【００１３】次に本発明の使用例を説明する。第１２図
に示すように電柱Ｂの頂部周りに装架された複数の機器
Ｃを包み込むようにカバー本体Ａを被着させて、巾方向
の両端を重ね合わせた状態で対向する各面ファスナー７
ａと７ｂを結合させれば装着作業は終了する。

【００１４】また、被覆すべき機器Ｃの長さが長くて、
一枚のカバー本体Ａで喰み出すときは二枚のカバー本体
Ａ，Ａを連続状に重ね合せて使用する。この場合にカバ
ー本体Ａは屈曲自在に形成されているため、重ね合わせ
るカバー本体Ａは、角度を変えたり、巻き径を変えたり
することは自由に行なえる。

【００１５】これらのカバー本体Ａは巾方向の中央部に
連綴した中間板材１ｎを他の板材１ａ，１ｂに対して異
色に着色することで、使用に際してこの着色板材１ｃが
頂部になるようにして機器Ｃに被着する目印にすること
ができる。そして、この異色の着色板材１ｃを目印にし
て機器Ｃに被着させれば、巾方向両端が等しい長さに垂
れ下がり、作業性よく正しい位置で機器Ｃに装着するこ
とができる。

【００１６】さらに、第１図及び第４図に示すように下
端板材１ｂを長手方向で３等分するように切欠き８，８
を設ける（切欠き８，８を設けるのは、中間板材１ｎを
含めた複数枚でもよい。）ことにより異なる使い方がで
きる。即ち、第１２図に示すように被着したカバー本体
Ａの下部中央位置に突出した機器Ｃがある場合に、左右
両側では夫々面ファスナー７ａと７ｂを結合させ、カバ
ー本体Ａの長手方向中央では下端板材１ｂは垂下させた
ままにしておくことで下方へ突出した機器Ｃがある場合
でも支障なくカバー本体Ａを機器Ｃに被着させることが
できる。

【００１７】なお、カバー本体Ａを機器Ｃに被着した場
合に板材１ａ，１ｎ，１ｂの裏面中間位置に突設した突
条７が機器Ｃに接触して、機器Ｃとカバー本体Ａに空間
を生じさせるため、被着したカバー本体Ａ内で熱がこも
ることなく外部へ発散されるためカバー本体Ａで機器Ｃ
を被着しても熱による事故は全くない。

【００１８】

【発明の効果】以上に述べたように本発明の電柱周り装
架機器の被覆保護カバーは、複数の機器を一括して包み
込む形に被覆して保護することができて、固定手段が対
向する面ファスナーを結合させることでワンタッチ的に
行なえる。しかも、保護される複数の機器は突条によっ
て圧迫されることがなく集約されており、変圧器周りに
スペースができて変圧器の交換工事に際してのクレーン
の操作性を向上させ能率的に作業を行うことができる。
そして、変圧器交換工事終了時の被覆保護カバーの撤去
も簡単に行なえるといったように多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図は本発明の展開斜視図。

【図２】上端板材の平面図。

【図３】中間板材の平面図。

【図４】下端板材の平面図。

【図５】第２図ＡーＡ線拡大断面図。

【図６】第３図ＢーＢ線拡大断面図。

【図７】第３図ＣーＣ線拡大断面図。

【図８】第４図ＤーＤ線拡大断面図。

【図９】第４図ＥーＥ線拡大断面図。

【図１０】第１図Ｆ−Ｆ線拡大断面図。

【図１１】第１図Ｇ−Ｇ線拡大断面図。

【図１２】使用状態の斜視図。

【符号の説明】

１ａ 上端板材 １ｂ 下端板材 １ｎ 中間板材 １ｃ 着色板材 ２ 突出片 ３ 引込凹部 ４ 拘部 ５ 芯棒 ７ 突条 ７ａ，７ｂ 面ファスナー ８，８ 切欠き Ａ カバー本体 Ｂ 電柱 Ｃ 機器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の巾と長さを備えた一定寸法の長尺
   上下端板材の巾方向内側縁に対応位置させて一定長さの
   突出片と引っ込み凹部を交互に設けると共に、各突出片
   の先端に芯棒を貫通させる筒部を形成し、これらの上下
   端板材の中間に複数枚の中間板材を並列させ、該中間板
   材の両側端に交互に設けた突出片と引っ込み凹部の突出
   片に形成した筒部に芯棒を貫通させて各板材を屈曲自在
   に連結してカバー本体を形成し、該カバー本体には巾方
   向の上下両端寄り位置に互いに雌雄結合する面ファスナ
   ーを一対取付けて、カバー本体を巻回した状態で対向す
   る面ファスナー対を結合させるように構成した電柱周り
   装架機器の被覆保護カバー。
2. 【請求項２】 各板材の長手方向の裏面中間位置に突条
   を突設した請求項１記載の電柱周り装架機器の被覆保護
   カバー。
3. 【請求項３】 カバー本体の巾方向中央部に位置する板
   材が他の板材より異色に着色された請求項１記載の電柱
   周り装架機器の被覆保護カバー。
4. 【請求項４】 カバー本体の巾方向下端寄りに位置する
   板材を長手方向の所定個所で巾方向に切込んだ請求項１
   記載の電柱周り装架機器の被覆保護カバー。