JP4255095B2 - 光ファイバケーブルの融着接続トレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバケーブルの中継点等に設けられる光ファイバケーブル配線箱において、光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部を収容する光ファイバケーブルの融着接続トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆるインターネットのように大容量のデータ通信の必要性が増加している。そこで、多量のデータを伝達できる光ファイバケーブルを利用した通信回線が整備されつつある。この場合、光ファイバケーブルは長さに限界があるので、中継点に設けた光ファイバケーブル配線箱等の内部において光ファイバケーブルの相互の芯線どおしを接続することとなる。
【0003】
ここで、光ファイバケーブルは、周知のように中心部のテンションメンバの周りに複数の芯線を含む芯線ユニットを多数配置し、これらを被覆材で覆ってケーブル状とした構造が一般的である。このような光ファイバケーブル相互を接続する場合、芯線ユニットから引き出した芯線の端部どおしをスリーブ内で突き合わせて加熱融着することによって接続される。この場合芯線に余裕を持たせたループ状の余長部を持たせた上で接続される。
このような芯線の余長部および融着接続部を纏めて収容するため、光ファイバケーブルの接続中継点では、これらを収容する融着接続トレイが、光ファイバケーブル配線箱内に多段に積層して配置される。
【0004】
このような融着接続トレイの先行技術例として、例えば本出願人による登録実用新案(実用新案登録第2590756号,考案の名称:光ファイバケーブルの融着接続トレイ)が存在する。登録実用新案によれば、融着接続トレイ中央の複数箇所で融着接続部を覆うスリーブを取り付けることができ、曲率半径を大きく維持しつつ光ファイバ芯線の取り付け位置を選択できるようになされている。
【0005】
さて、このような光ファイバケーブルの融着接続では、屋外の電柱に電力線とともに共架された光ファイバケーブル、または、洞道内に敷設された光ファイバケーブルなどに対して分岐ケーブルを接続し、分岐点を生成するような接続もある。
【0006】
図11は、従来の分岐点における光ファイバケーブル配線箱(クロージャ)の内部構成図である。通過ケーブル100は、ベースプレート101に取り付けられた固定具102a,102bの2点で固定されており、芯線を引き出し易くする。この通過ケーブル100から引き出される2本の芯線103a,103bは、融着接続トレイ104上へ導入される。なお、通過ケーブル100の他の芯線は、引き出されることなくそのままの状態を維持しているものとする。
【0007】
一方、分岐ケーブル105からも2本の芯線106a,106bが引き出され、同じく、融着接続トレイ104上へ導入される。これら芯線103aと芯線106aどうしの端部、および、芯線103bと芯線106bどうしの端部は加熱溶着される。この溶着接続部は、スリーブ107a,107bで覆われて保護される。
この場合、分岐ケーブル105側の芯線106a,106bに余長部106cを設けている。この余長部106cは、ループ状に巻線収容されており、溶着接続部が適切位置となるように調整される。従来の分岐点における光ファイバケーブルの接続はこのようなものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような分岐点における光ファイバケーブルの芯線の余長部および融着接続部の収容では不具合が発生する場合もあった。以下、この不具合について説明する。
通過ケーブル100から引き出される芯線103a,103bは、通過ケーブル100の途中から一部のみ引き出されるため、図11でも示すように、ループ状に巻線収容するに充分な余長を確保できない場合がある。
余長がないと以下に示すような不具合がある。
【0009】
(1)融着接続部が常に中央になるとは限らない。
これは通過ケーブル100の芯線103a,103bが充分な余長を確保できないことに起因して、図11でも示すように融着接続部を覆うスリーブ107a,107bが中央に位置しない場合が発生する。例えば、先に説明した登録実用新案の融着接続トレイでは、中央の複数箇所で融着接続部を覆うスリーブを取り付けるものとしていたため、スリーブ107a,107bを挟持できなくなるという問題点があった。
【0010】
(2)融着接続部の変更ができない。
他の芯線に付け替える必要がある場合、既存の融着接続部を切断して他の芯線と融着接続することとなるが、充分な余長を確保できていない通過ケーブル100の芯線103a,103bは切断により更に短くなってしまい、この場合も、融着接続トレイ104の図示しないスリーブ挟持部が中央にのみあるような場合、スリーブ107a,107bを挟持できなくなるという問題点があった。
【0011】
(3)所定の曲率で引き回しできない。
光ファイバの芯線に余長がないため、融着接続部の取り付け位置が限定されて最適な位置で取り付けることができない場合がある。この場合、芯線は充分大きい曲率で引き回しができずに芯線に無理な力が加わり、極端な場合には融着接続部が外れるというような問題点があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、融着接続部の位置によらずに融着スリーブを確実に固定する光ファイバケーブルの融着接続トレイを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される箱状の融着接続トレイにおいて、
融着接続トレイに設けられる芯線導入口と、
融着接続トレイの底面に複数行および複数列にわたり設けられる第1取付部と、
板状の本体と、板状の本体の一方の面に形成された第2取付部と、板状の本体の他方の面に一体に突設されるとともに融着スリーブの長手方向に離隔した一組の挟持突片を一行としたときに複数行にわたり配列される複数の挟持突片と、を一体構造として有し、第1取付部と第2取付部とを着脱することにより融着接続トレイと着脱自在になされたスリーブ挟持部と、
を備える融着接続トレイであって、
スリーブ挟持部は、前記第1取付部の前記複数行の中から所定の行が選択され、かつ、前記複数列の中から所定の列が選択されることにより決定された最適位置で自らの第2取付部が結合され、さらに、複数行にわたり設けられる挟持突片の中から選択された対面する二個の挟持突片で挟持して融着スリーブを保持することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記第1取付部および前記第2取付部は、何れか一方が孔で、かつ、他方が突部の組み合わせであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、
光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される箱状の融着接続トレイにおいて、
融着接続トレイに設けられる芯線導入口と、
融着接続トレイの底面に設けられる誘導部と、
板状の本体と、板状の本体の一方の面に形成された被誘導部と、板状の本体の他方の面に一体に突設されるとともに融着スリーブの長手方向に離隔した一組の挟持突片を一行としたときに複数行にわたり配列される複数の挟持突片と、を一体構造として有し、誘導部と被誘導部とを着脱することにより融着接続トレイと着脱自在になされたスリーブ挟持部と、
を備える融着接続トレイであって、
スリーブ挟持部は、誘導部に被誘導部を沿わせながらスリーブ挟持部を移動させて、芯線の長さに応じた最適位置のスリーブ挟持部とし、さらに複数行にわたり設けられる挟持突片の中から選択された対面する二個の挟持突片で挟持して融着スリーブを保持することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、
請求項3に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記誘導部が溝孔で、かつ、前記被誘導部は突部であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、
請求項3に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記誘導部が長片突部で、かつ、前記被誘導部は凹溝部であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記スリーブ挟持部は挟持突片の数を異ならせた複数種類のスリーブ挟持部の中から、挟持される融着接続部の数により、選択されたスリーブ挟持部が連結されることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7記載の発明は、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記融着接続トレイ上に立設され、かつ、芯線の余長部を案内するガイド壁を備え、
前記スリーブ挟持部はガイド壁内にあることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明の第1実施形態である光ファイバケーブルの融着接続トレイについて説明する。まず、融着接続トレイが収容される光ファイバー配線箱の一具体例であるクロージャについて概略説明する。図1はクロージャの内観を示す斜視図、図2は同じく正面図、図3は同じく平面図、図4は同じく右側面図である。図1〜図4では内観を説明するため、開けられた状態のクロージャ1を図示している。
【0022】
クロージャ1は、図1〜図4で示すように略同一形状の箱であるケース1aとケース1bを備え、ケース1aおよびケース1bとを組み合わせて構成される。ケース1aとケース1bとは図4で示す蝶番1cにより回動自在となるようになされている。蝶番1cと対向する位置にはバックル1dが配置され、バックル1dによりクロージャ1が開閉するようになされている。
【0023】
電柱間に既に架設されて今まで通過していた既存の光ファイバケーブル(以下通過ケーブルという。)2から芯線を引き出して分岐させるため、このクロージャ1は、電柱間に張架されているメッセンジャワイヤ3に吊り金具4により2箇所で固定され、メッセンジャワイヤ3から吊り下げられている。
このように外界で用いられ、雨水・氷雪にさらされるクロージャ1内部の気密性を保持するため、図3で示すようにクロージャ用ゴムパッキン1eにより気密が保持される。ケース1aとケース1bとの接合部に隙間が生じて気密性が破られるという事態は回避される。
【0024】
このクロージャ1の内部では図2で示すようにベースプレート1fが固定されており、このベースプレート1fには、トレイホルダー5が固定されている。図1,図2で示すように、トレイホルダー5には融着接続トレイ6が多段に積層収容される。以下、これらトレイホルダー5および融着接続トレイ6を総称する場合は、接続収容部7という。図1〜図4ではクロージャ1内に接続収容部7が収容され、融着接続トレイ6はトレイホルダー5から最大限引き出された状態を示している。なお、この融着接続トレイ6については後に詳述する。
【0025】
接続収容部7で芯線が接続収容される通過ケーブル2は、図4で示すように、クロージャ1の両側に設けられる孔部8にグロメット9を介して挿通される。グロメット9は孔部8の周辺に確実に密着する端面ゴムパッキンであり、気密性を維持する。グロメット9は複数の孔を有しており、所望に応じて複数の図示しない光ファイバケーブルをクロージャ1内に導入することができる。例えば、図示しないものの、分岐ケーブルがクロージャ1内に導入される。
図1〜図4では、図面の明瞭化のため光ファイバケーブルを導入しないものとして密封用のプラグ10で外界と遮断するものとして図示している。
【0026】
通過ケーブル2は、通過ケーブル用の固定具11により2箇所で固定される。これによりクロージャ1が通過ケーブル2およびメッセンジャワイヤ3に強固に固定され、クロージャ1が移動する事態が防止され、光ファイバ芯線の融着接続部に不要な力が掛かる事態は回避される。このようなクロージャ1を用いて分岐線を設ける場合、架空に配置されたクロージャ1を開けて、必要な融着接続トレイ6をトレイホルダ−5から引き出して融着接続作業を行い、融着接続作業終了後、融着接続トレイ6をトレイホルダー5に収容してクロージャを閉じることとなる。
【0027】
続いて、融着接続トレイについて説明する。
図5は、本実施形態の融着接続トレイの斜視図、図6は同じく三面図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は右側面図である。
融着接続トレイ6は、トレイ底面6aの側部に立設される周壁6bにより箱状に形成され、箱内に光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される。
【0028】
さらに融着接続トレイ6は、芯線導入口6c、ガイド壁6d、スリーブ挟持部6eを備えている。
芯線導入口6cは、図5,図6(a)で示すように融着接続トレイ6の両側に2個設けられている。両側の芯線導入口6cから光ファイバを導入する。
ガイド壁6dは、トレイ底面6aから立設しており、芯線導入口6cを通じて導入された光ファイバケーブルの芯線を誘導案内してループ状の余長部を形成するために利用される。
しかし、通過ケーブルから引き出された芯線は、充分な長さがないため余長部を形成できず、ガイド壁6dでは余長部を形成しないものとする。
【0029】
スリーブ挟持部6eは、ガイド壁6d内においてトレイ底面6aから一体に突設される複数の挟持突片6fを、図6の矢印Y方向に複数行および図6の矢印X方向に複数列にわたり配置したものである。
芯線に長さに応じた最適位置となるように、スリーブ挟持部6eの中の2つの挟持突片6fを選択し、芯線どおしの融着接続部を覆う融着スリーブを挟持することができるようになる。
【0030】
本実施形態によれば、通過ケーブルから引き出された芯線が充分な長さを取れない場合であっても最適位置となるような一対の挟持突片6fを選択して、スリーブを挟持でき、融着接続トレイ6内で確実に固定収容することができる。
また、融着接続された既存の芯線に対し新しい芯線と付け替える必要があり、新たに融着接続を行ったため通過ケーブルの芯線が短くなり、融着接続部を覆うスリーブの位置が図6の矢印X方向に移動したとしても、X方向の他の列の一対の挟持突片6fで挟持でき、融着接続トレイ6内で確実に固定収容できる。
また、芯線の長さが変化したとしても所定の曲率半径を下回らない箇所で挟持することができるため、芯線に無理な力が加わるという事態は回避される。
【0031】
続いて本発明の第2実施形態の融着接続トレイについて説明する。なお、本実施形態では先の第1実施形態で説明したクロージャは同一であり、融着接続トレイのみが相違するものである。以下、融着接続トレイについてのみ説明し、クロージャについてはその説明を省略する。
【0032】
図7は、本実施形態の融着接続トレイの平面図、図8,図9は本実施形態の融着接続トレイに取り付けられるスリーブ挟持部の構成図である。
融着接続トレイ20は、トレイ底面20aの側部に立設される周壁20bにより箱状に形成され、箱内に光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される。
【0033】
さらに融着接続トレイ20は、芯線導入口20c、本発明の第1取付部の一具体例である複数の孔20dを備えている。
また、図7に示すように融着接続トレイ20に対しスリーブ挟持部20eが移動できるようスリーブ挟持部20eは着脱自在に設けられ、図8,図9で示すようにスリーブ挟持部20eは本体20fの一方の面にスリーブを挟持するための複数の挟持突片20g、および、他方の面に本発明の第2取付部の一具体例である突部20hが設けられている。
【0034】
芯線導入口20cは、図7で示すように融着接続トレイ20の周壁20bに2個設けられている。芯線導入口20cから光ファイバケーブルの芯線を導入する。
周壁20bはトレイ底面20aから立設しており、外界から覆う機能とともに芯線導入口20cを通じて導入された光ファイバケーブルの芯線を誘導案内してループ状の余長部を形成する機能も有している。
しかし、通過ケーブルから引き出された光ファイバケーブルの芯線は、充分な長さがないため余長部を形成しないものとする。
【0035】
スリーブ挟持部20eは、図8(a)で示すように、8個のスリーブを挟持できるように9個の挟持突片20gを有しており、その反対面には4個の突部20hを有している。
スリーブ挟持部20eは、これ以外にも各種の形状を取ることができる。例えば、図8(a),(b),(c)は幅が狭い突部20hを有するスリーブ挟持部20eであり、図9(a),(b)は幅が広い突部20hを有するスリーブ挟持部20eである。また異なる数の挟持突片20gとし必要な数の融着スリーブを挟持するようにすることもできる。これらスリーブ挟持部20を、必要に応じて適宜選択することができる。
【0036】
また、図7で示すように、トレイ底面20a上でY方向に複数行およびX方向に複数列にわたり孔20dが設けられている。これら孔20dも幅に広狭があり、先に説明した全てのスリーブ挟持部20eの中から最適なもの選択して取り付けることができる。
【0037】
なお、本実施形態において、本発明の第1取付部の一具体例として複数の孔20d、および、本発明の第2取付部の一具体例として突部20hを設ける場合について説明した。しかしながら、第1取付部および第2取付部については各種の形態が可能である。例えば、他の具体例として、第1取付部を複数の孔に代えて複数の突部とし、第2取付部を突部に代えて孔とすることも可能である。これら第1取付部および第2取付部は、適宜設計選択されるが取り付けが可能ならば本発明の実施は可能である。
【0038】
本実施形態によれば、芯線に長さに応じて形成した芯線どおしの融着接続部を覆う融着スリーブを挟持するのに最適位置となるように、スリーブ挟持部20eの位置を選択の後に孔20dに突部20hを嵌着し、挟持突片20gで融着スリーブを挟持するようにしたので、先に通過ケーブルから引き出された芯線が充分な長さを取れないような場合であってもスリーブを挟持し、融着接続トレイ20内で確実に固定収容することができる。
【0039】
また、融着接続部を改めて接続したため通過ケーブルの芯線が短くなり、図7の矢印X方向に融着接続部を覆うスリーブの位置が移動したとしても、X方向にスリーブ挟持部20eを移動させた後に挟持突片20gで挟持することができるため、融着接続トレイ20内で確実に固定収容することができる。
また、芯線の長さが変化したとしても所定の曲率半径を下回らないような最適位置を選択できるため、芯線に無理な力が加わるという事態は回避される。
【0040】
続いて本発明の第3実施形態の融着接続トレイについて説明する。なお、本実施形態では先の第1実施形態でに説明したクロージャは同一で融着接続トレイのみが相違するものである。以下、融着接続トレイについてのみ説明し、クロージャについてはその説明を省略する。
また、スリーブ挟持部は、先の第2実施形態で図8,図9を用いて説明したスリーブ挟持部と同一として、図8,図9を用いて説明する。
【0041】
図10は、本実施形態の融着接続トレイの平面図である。
融着接続トレイ30は、トレイ底面30aの側部に立設される周壁30bにより箱状に形成され、箱内に光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される。
【0042】
さらに融着接続トレイ30は、芯線導入口30c、本発明の誘導部の一具体例である複数の溝孔30d、スリーブ挟持部30eを備えている。
また、図10に示すように融着接続トレイ30に対しスリーブ挟持部30eは着脱自在に設けられ、図8,図9で示すように、スリーブ挟持部30eは本体30fの一方の面にスリーブを挟持するための複数の挟持突片30g、および、他方の面に本発明の被誘導部の一具体例である突部30hが設けられている。
【0043】
芯線導入口30cは、図10で示すように融着接続トレイ30の周壁30bに2個設けられている。芯線導入口30cから光ファイバケーブルの芯線を導入する。
周壁30bはトレイ底面30aから立設しており、外界から覆う機能とともに芯線導入口30cを通じて導入された光ファイバケーブルの芯線を誘導案内してループ状の余長部を形成する機能も有している。
しかし、通過ケーブルから引き出された光ファイバケーブルの芯線は、充分な長さがないため余長部を形成しないものとする。
【0044】
図10で示すように、トレイ底面30aにY方向に4行およびX方向に長い溝孔30dが設けられている。これら内側の2つの溝孔30dの幅と外側の2つの溝孔30dの幅とでは広狭があり、先に説明した全てのスリーブ挟持部30eの中から最適なスリーブ挟持部30eを選択することができる。
【0045】
芯線の長さに応じて形成した芯線どおしの融着接続部を覆う融着スリーブを挟持する場合に最適位置となるようにスリーブ挟持部30eをスライドさせると、溝孔30dに沿ってスリーブ挟持部30eの突部30fが誘導されるため、最適位置を選択して一対の挟持突片30gでスリーブを挟持することができる。
【0046】
なお、本実施形態において、本発明の誘導部の一具体例として複数の溝孔30d、および、本発明の被誘導部の一具体例として突部30hを設ける場合について説明した。しかしながら、誘導部および被誘導部については各種の形態が可能である。例えば、他の具体例として、誘導部を複数の溝孔に代えて複数の長片突部とし、第2取付部を突部に代えて凹溝部とすることも可能である。これら誘導部および被誘導部は、摺動自在となる組み合わせを選択すれば本発明の実施は可能となる。
【0047】
本実施形態によれば、先に通過ケーブルから引き出された芯線が充分な長さを取れないような場合であってもスリーブを挟持し、融着接続トレイ30内で確実に固定収容することができる。
また、新しい芯線と付け替えるため融着接続部を改めて接続して通過ケーブルの芯線が短くなり、図10の矢印X方向に融着接続部を覆うスリーブの位置が移動したとしても、X方向にスリーブ挟持部30eを移動させて挟持突片30gで挟持することができるため、融着接続トレイ30内で確実に固定収容することができる。
また、芯線の長さが変化したとしても所定の曲率半径を下回らない位置を選択できるため、芯線に無理な力が加わるという事態は回避される。
【0048】
以上、第1〜第3の実施形態について説明した。なお、第1実施形態では周壁とガイド壁とを有する形態を、また、第2,第3実施形態では、ガイド壁は有さず周壁のみ有する形態として説明した。しかしながら、第1実施形態ではガイド壁は有さず周壁のみ有する形態とし、また、第2,第3実施形態では周壁とガイド壁とを有する形態とすることも可能である。
【0049】
また、第1,第2実施形態では、スリーブ挟持部を着脱自在としているので、スリーブ挟持部を取り外して、例えば、余った芯線、必要な接続用工具等、工事を行った際の資料などを収容することもでき、クロージャの利用価値を高めることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、融着接続部の位置によらずに融着スリーブを確実に固定する光ファイバケーブルの融着接続トレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロージャの内観を示す斜視図である。
【図2】クロージャの内観を示す正面図である。
【図3】クロージャの内観を示す平面図である。
【図4】クロージャの内観を示す右側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の融着接続トレイの斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の融着接続トレイの三面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の融着接続トレイの平面図である。
【図8】本発明の第2,第3実施形態の融着接続トレイに取り付けられるスリーブ挟持部の構成図である。
【図9】本発明の第2,第3実施形態の融着接続トレイに取り付けられるスリーブ挟持部の構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態の融着接続トレイの平面図である。
【図11】従来の分岐点における光ファイバケーブル配線箱の内部構成図である。
【符号の説明】
1 クロージャ
1a ケース
1b ケース
1c 蝶番
1d バックル
1e クロージャ用ゴムパッキン
1f ベースプレート
2 通過ケーブル
3 メッセンジャワイヤ
4 吊り金具
5 トレイホルダー
6 融着接続トレイ
6a トレイ底面
6b 周壁
6c 芯線導入口
6d ガイド壁
6e スリーブ挟持部
6f 挟持突片
7 接続収容部
8 孔部
9 グロメット
10 プラグ
11 固定具
20 融着接続トレイ
20a トレイ底面
20b 周壁
20c 芯線導入口
20d 孔
20e スリーブ挟持部
20f 本体
20g 挟持突片
20h 突部
30 融着接続トレイ
30a トレイ底面
30b 周壁
30c 芯線導入口
30d 溝孔
30e スリーブ挟持部
30f 本体
30g 挟持突片
30h 突部
Claims (7)
- 光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される箱状の融着接続トレイにおいて、
融着接続トレイに設けられる芯線導入口と、
融着接続トレイの底面に複数行および複数列にわたり設けられる第1取付部と、
板状の本体と、板状の本体の一方の面に形成された第2取付部と、板状の本体の他方の面に一体に突設されるとともに融着スリーブの長手方向に離隔した一組の挟持突片を一行としたときに複数行にわたり配列される複数の挟持突片と、を一体構造として有し、第1取付部と第2取付部とを着脱することにより融着接続トレイと着脱自在になされたスリーブ挟持部と、
を備える融着接続トレイであって、
スリーブ挟持部は、前記第1取付部の前記複数行の中から所定の行が選択され、かつ、前記複数列の中から所定の列が選択されることにより決定された最適位置で自らの第2取付部が結合され、さらに、複数行にわたり設けられる挟持突片の中から選択された対面する二個の挟持突片で挟持して融着スリーブを保持することを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。 - 請求項1に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記第1取付部および前記第2取付部は、何れか一方が孔で、かつ、他方が突部の組み合わせであることを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。 - 光ファイバケーブルの芯線どおしの融着接続部および余長部が収容される箱状の融着接続トレイにおいて、
融着接続トレイに設けられる芯線導入口と、
融着接続トレイの底面に設けられる誘導部と、
板状の本体と、板状の本体の一方の面に形成された被誘導部と、板状の本体の他方の面に一体に突設されるとともに融着スリーブの長手方向に離隔した一組の挟持突片を一行としたときに複数行にわたり配列される複数の挟持突片と、を一体構造として有し、誘導部と被誘導部とを着脱することにより融着接続トレイと着脱自在になされたスリーブ挟持部と、
を備える融着接続トレイであって、
スリーブ挟持部は、誘導部に被誘導部を沿わせながらスリーブ挟持部を移動させて、芯線の長さに応じた最適位置のスリーブ挟持部とし、さらに複数行にわたり設けられる挟持突片の中から選択された対面する二個の挟持突片で挟持して融着スリーブを保持することを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。 - 請求項3に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記誘導部が溝孔で、かつ、前記被誘導部は突部であることを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。 - 請求項3に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記誘導部が長片突部で、かつ、前記被誘導部は凹溝部であることを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。 - 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記スリーブ挟持部は挟持突片の数を異ならせた複数種類のスリーブ挟持部の中から、挟持される融着接続部の数により、選択されたスリーブ挟持部が連結されることを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。 - 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の光ファイバケーブルの融着接続トレイにおいて、
前記融着接続トレイ上に立設され、かつ、芯線の余長部を案内するガイド壁を備え、
前記スリーブ挟持部はガイド壁内にあることを特徴とする光ファイバケーブルの融着接続トレイ。
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