JPH0895058A - 複屈折制御方式のカラー液晶表示素子 - Google Patents

複屈折制御方式のカラー液晶表示素子

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JPH0895058A
JPH0895058A JP6252715A JP25271594A JPH0895058A JP H0895058 A JPH0895058 A JP H0895058A JP 6252715 A JP6252715 A JP 6252715A JP 25271594 A JP25271594 A JP 25271594A JP H0895058 A JPH0895058 A JP H0895058A
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JP
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liquid crystal
alignment film
alignment
substrate side
crystal display
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JP6252715A
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Toshiro Takei
寿郎 武井
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速応答性を有し、安定して任意の色を表示
できる複屈折制御方式のカラー液晶表示素子を提供する
ことである。 【構成】 対向して配置された一対の透明基板11、1
2の内面に電極13、18と配向膜17、21を形成
し、両配向膜17、21の配向処理の方向を同一とし、
液晶23をスプレイ配向状態で配向させる。一方の透明
基板11の外側に、透過軸が配向処理の方向に45°で
交差するように、偏光板25を配置し、他方の透明基板
12の内面又は外面に反射板20を配置する。配向膜1
7近傍の液晶分子と配向膜21近傍の液晶分子のプレチ
ルト角が異なるように、配向膜17と21を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は液晶表示素子に関し、
特に、複屈折制御方式のカラー液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶に電界を印加して液晶分子の配列を
変え、その際に生ずる複屈折の変化を利用してカラー画
像を表示するカラー液晶表示素子が知られている。この
種のカラー液晶表示素子は、その発色の原理から、複屈
折制御方式のカラー液晶表示素子と呼ばれる。
【0003】従来の複屈折制御方式のカラー液晶表示素
子は、液晶分子の配向変化に要する時間が長く、動画等
の高速応答性が要求されるカラー画像を表示するのに適
していないという問題がある。即ち、複屈折制御方式の
液晶表示素子においては、印加電圧をオフ(又は弱く)
した際には、液晶分子は配向膜の配向規制力により初期
配向状態(又は弱い電圧に対応する配向状態)に変化す
るが、配向規制力自体は比較的弱いものである。このた
め、液晶分子の配向状態の変化に要する時間が長く、結
果として総合的な応答時間が長い。
【0004】このような問題を解消するため、特願平6
−111839には、スプレイ配向状態に液晶を初期配
向させ、一定のバイアス電圧を印加した状態で素子を駆
動する複屈折制御方式のカラー液晶表示素子が提案され
ている。
【0005】このような構成の液晶表示素子では、液晶
がスプレイ配向状態(又はベンド配向状態)にあるの
で、液晶分子の配向が変化する速度が速く、液晶表示素
子としての応答速度を高速化することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の液晶表示素子に
おいては、一対の基板に施された配向膜は同一の材料を
用い、ほぼ同一の処理が施されており、図4(A)に模
式的に示すように、一方の基板11近傍の液晶分子のプ
レチルト角θ1と他方の基板12近傍の液晶分子のプレ
チルト角θ2はほぼ等しくなるように形成されている。
【0007】しかし、この配向膜は、その材質・形成工
程のバラツキ、配向処理の程度のバラツキ等により、表
面状態が均一にならず、これらの配向膜の間に挟まれた
液晶の初期配向状態にムラが生ずる。
【0008】このため、表示色に対応する電圧を液晶に
印加すると、初期配向状態が異なる領域毎に、液晶分子
の立ち上がる方向が異なり、同一の電圧を印加した場合
でも、異なる配向状態の領域が混在してしまう。このた
め、配向状態が異なる2つのドメインが混在することに
なり、所望の色を安定して表示できない。
【0009】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、高速応答性を有し、安定して任意の色を表示でき
る複屈折制御方式のカラー液晶表示素子を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の複屈折制御方式のカラー液晶表示素子
は、それぞれに電極が形成され、対向して配置された一
対の基板と、前記一対の基板の電極上に形成され、それ
ぞれに所定の方向に配向処理が施された配向膜と、前記
配向膜の配向規制力に従ってスプレイ配向状態で、前記
配向膜間に封止された液晶と、前記一対の基板の少なく
とも一方の外側に配置され、その光軸を前記配向処理の
方向に対し所定角度傾けて交差させて配置した偏光板
と、を備え、一方の基板側の前記配向膜と前記他方の基
板側の前記配向膜とは、異なったプレチルト角で近傍の
液晶分子を配向させるように構成されている、ことを特
徴とする。
【0011】
【作用】一方の基板側の配向膜と他方の基板側の配向膜
が、同一の材質で同一の配向処理が施されている場合、
近傍の液晶分子を同一のプレチルト角で配向させる。し
かし、実際には、配向膜の材質のむら、配向処理の強弱
のむらなどにより、一方の基板側の配向膜のプレチルト
角が他方の基板側の配向膜のプレチルト角より大きい領
域と小さい領域とが発生する。このため、液晶に電圧を
印加した際に配向状態の異なる領域が混在することとな
り、表示色が安定しなくなる。この発明の構成によれ
ば、一方の基板側の配向膜と他方の基板側の配向膜が、
近傍の液晶分子を異なったプレチルト角で配向させるよ
うに構成されているので、印加電圧に対する液晶の配向
状態が一義的に定まり、所望の色を安定的に表示でき
る。
【0012】前記一方の基板側の前記配向膜近傍の液晶
と前記他方の基板側の前記配向膜近傍の液晶のプレチル
ト角を異ならせるためには、両配向膜を異なった材料
(異なった成分)で形成すること、両配向膜に施す配向
処理の強度を異ならせること、両配向膜の焼成温度を異
ならせること、等により実現できる。
【0013】前記液晶素子が能動素子を備えたアクティ
ブマトリックス型の素子の場合、能動素子が形成されて
いる側の配向膜は凹凸が大きいので、この配向膜が前記
液晶に与えるプレチルト角を大きくすることが望まし
い。同一材質で同一配向処理の配向膜でも、1°程度の
プレチルト角のバラツキがあるため、両配向膜近傍の液
晶分子のプレチルト角の差は1.5°以上(望ましくは
2°以上)であることが望ましい。また、プレチルト角
が大きすぎると、印加電圧の変化に対する表示色の変化
が小さい。このため、プレチルト角は10°以下(望ま
しくは8°以下)であることが望ましい。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例にかかる液晶表示素
子を図面を参照して説明する。 (第1実施例)まず、この発明の第1実施例にかかるカ
ラー液晶表示素子の構成を図1〜図3を参照して説明す
る。図1は第1実施例の液晶表示素子の断面図、図2は
画素電極と能動素子として用いる薄膜トランジスタを形
成した透明基板の平面図、図3は配向処理の方向と偏光
板の光軸の位置を示す平面図である。
【0015】この複屈折制御方式のカラー液晶表示素子
は、アクティブマトリクス方式の反射型のものであり、
図1に示すように、対向して配置された一対の透明基板
(例えば、ガラス基板)11、12と、透明基板11と
12の間に配置された液晶23とより構成される液晶セ
ル27と偏光板25と、から構成される。
【0016】図1、図2に示すように、透明基板11に
はITO等の透明導電材料からなる画素電極13と画素
電極13に接続されたTFT(薄膜トランジスタ)14
とがマトリクス状に配列形成されている。
【0017】画素電極13の行間にゲートライン(走査
ライン)15が配線され、画素電極13の列間にデータ
ライン(色信号ライン)16が配線されている。各TF
T14のゲート電極は対応するゲートライン15に接続
され、ドレイン電極は対応するデータライン16に接続
され、ソース電極は対応する画素電極13に接続されて
いる。ゲートライン15は端子部を介して行ドライバ
(ゲートドライバ)31に接続され、データライン16
は端子部を介して列ドライバ(データドライバ)32に
接続されている。
【0018】画素電極13、TFT14、ゲートライン
15、データライン16等の上には、配向膜17が形成
されている。配向膜17の表面には、ラビング処理等の
配向処理が施されており、近傍の液晶分子をプレチルト
角θ1で初期配向させる。
【0019】図1に示すように、透明基板12の内面に
は、各画素電極13と対向し、一定の基準電圧が印加さ
れている透明な対向電極18が形成されている。対向電
極18の上には、スパッタリングにより形成されたアル
ミニウム膜等からなる反射板20が形成されている。反
射板20の上には、配向膜21が形成されている。配向
膜21の表面にも配向処理が施されており、近傍の液晶
分子をプレチルト角θ2で初期配向させる。
【0020】透明基板11と透明基板12は、その外周
縁部において枠状のシール材22を介して接着されてい
る。透明基板11、透明基板12、シール材22で囲ま
れた領域には液晶23が封入されている。液晶23は、
例えば、誘電異方性が正のネマティック液晶等からな
る。透明基板11と12の間隔(より正確には、配向膜
17と21の間隔=液晶層厚d)は、ギャップ材24に
より一定値に保持される。
【0021】図3に示すように、配向膜17の配向処理
の方向(ラビング方向)17aと配向膜21の配向処理
の方向21aは同一であり、液晶23はツイストしてい
ない状態で透明基板11と12の間に封止されている。
このため、液晶分子は、図4(A)に模式的に示すよう
に、透明基板11、12の主面に対し、そのダイレクタ
が反対方向に傾いたスプレイ配向(広がり配向)状態と
なる。また、偏光板25は、その光軸25a(透過軸又
は吸収軸)が配向処理の方向17a、21aに対し、4
5°±15°(望ましくは、45°±5°)で交差する
ように配置されている。
【0022】次に、上記構成の液晶表示素子の動作を説
明する。ある行の画素電極13の選択期間に、行ドライ
バ31からその行のゲートライン15にゲートパルスを
印加すると、そのゲートライン15に接続されたTFT
14がオンし、オンしたTFT14に接続されたデータ
ライン16の電圧が画素電極13に印加される。選択期
間が終了し、ゲートパルスがオフすると、TFT14も
オフし、選択期間に画素電極13に印加されていた電圧
が、画素電極13と対向電極18とその間の液晶23に
より形成される容量(画素容量)に保持される。このた
め、非選択期間中、液晶23には、画素電極13の電圧
と対向電極18の電圧との差に相当する電圧が印加され
続ける。
【0023】この印加電圧に応じて、液晶分子の配向状
態が図4(A)に示す初期配向状態からエネルギーが最
も低くなる配向状態に変化する。液晶23の配向状態の
変化に応じて、液晶23の層のリタデーションが変化
し、液晶23の層を通過する各波長光の偏光状態が変化
する。従って、偏光板25の透過軸を通過して直線偏光
となった光は、液晶23の層を通過し、反射板20によ
り反射されて、再度、液晶23の層を通過する間に印加
電圧に応じてその偏光状態が変化する。このため、偏光
板25の透過軸を通過して出射する光の波長分布も印加
電圧に応じて変化し、表示色が変化する。そこで、行ド
ライバ31により、ゲートライン15に順次ゲートパル
スを印加し、列ドライバ32から各データライン16に
表示したい色に対応する電圧(データ信号)を印加する
ことにより、各画素電極13の電圧を制御し、各画素の
表示色を制御して、任意のカラー画像を表示できる。
【0024】前述のように、配向膜17と21は、近傍
の液晶分子をプレチルト角θ1とθ2で配向させ、θ1
はθ2よりも大きく設定されている。このため、画素電
極13と対向電極18の間に電圧を印加した際、液晶分
子は必ず、図4(B)に示すように配向し、図4(C)
に示すように配向することがない。従って、印加電圧に
対する液晶23の配向状態が一義的に定まり、所望の色
を安定的に表示させることができる。
【0025】上記構成では、液晶23がスプレイ配向状
態にあるので、液晶分子の配向が変化する速度、特に、
印加電圧をオフ又は低下されたときの配向が変化する速
度が通常のホモジニアス配向あるいはホメオトロピック
配向の液晶等と比較して格段に速い。このため、液晶表
示素子としての応答速度が速く、各選択期間(書き込み
時間)を短くできる。このため、1フレーム当たりの総
書き込み時間を短くでき、ひいてはフレーム周波数を高
くすることができる。従って、カラー動画等をスムーズ
な動きで表示できる。
【0026】また、上記構成では、入射光は、偏光板2
5と、透明基板11と、液晶23の層とを各2回通過す
るだけであるので、2枚の偏光板を使用する従来の反射
型の液晶表示素子と比較すると、透明基板12と下側の
偏光板を通過することによる光の減衰がなく、バックラ
イト等を使用しなくても高輝度でカラー画像を表示でき
る。
【0027】次に、配向膜17近傍の液晶分子と配向膜
21近傍の液晶分子に異なったプレチルト角を与える手
法を説明する。 (1) 配向膜に隣接する液晶の分子のプレチルト角は
配向膜の材料に依存する。従って、配向膜17と配向膜
21とを異なった材料で形成することによりプレチルト
角を異ならせることができる。例えば、配向膜17をポ
リイミドから形成し、配向膜21をポリビニルアルコー
ルから形成する。
【0028】(2) また、前記プレチルト角は配向処
理の強さに応じて変化する。即ち、ラビング処理が強け
れば、近傍の液晶分子のプレチルト角は小さくなり、弱
ければ、プレチルト角は大きくなる。従って、例えば、
配向膜17のラビング処理を弱くし、表面が比較的平坦
な配向膜21のラビング処理を強くすることにより、配
向膜17近傍の液晶分子のプレチルト角を大きくし、配
向膜21近傍の液晶分子のプレチルト角を小さくするこ
とができる。
【0029】(3) さらも、前記プレチルト角は配向
膜を形成する工程の諸条件によっても変化する。即ち、
ポリイミドのように焼成して形成する材料で配向膜を形
成する場合、焼成温度が高い程近傍の液晶分子のプレチ
ルト角が小さくなる。従って、例えば、芳香族系ポリア
ミック酸等の溶液を透明基板11、12に塗布し、透明
基板11側を比較的低い温度(例えば、100〜200
°)で焼成し、透明基板12側を比較的高い温度(例え
ば、200〜300°)で焼成して、それぞれポリイミ
ド系高分子被膜を形成し、両ポリイミド系高分子被膜に
ラビング等の配向処理を施して配向膜17、21を形成
することにより、配向膜17近傍の液晶分子のプレチル
ト角を大きくし、配向膜21近傍の液晶分子のプレチル
ト角を小さくすることができる。
【0030】(4) またさらに、上記(1)乃至
(3)の手法を適宜組み合わせて実施することにより、
配向膜17近傍の液晶分子のプレチルト角と配向膜21
近傍の液晶分子のプレチルト角を任意の組み合わせに設
定することができる。
【0031】そして、同一材質(焼成温度を含む)で同
一の配向処理を起こして形成した配向膜であっても、近
傍のプレチルト角は1°程度ばらつく。従って、液晶2
3を安定的に配向させるためには、配向膜17近傍の液
晶分子のプレチルト角θ1と配向膜21近傍の液晶分子
のプレチルト角θ2の差が1.5°以上、望ましくは、
2°以上であることが望ましい。一方、プレチルト角θ
1が大きすぎると、液晶分子の配向の変化量が小さく、
印加電圧に対するリタデーションの変化量が小さくな
り、色の変化が小さくなる。このため、プレチルト角θ
1及びθ2は10°以下であること、特に、8°以下で
あることが望ましい。
【0032】TFT14が形成された側の配向膜17
は、その表面に凹凸が形成される。液晶分子の主鎖(分
子の長軸)が1〜20nmであるのに対し、TFT14
の高さは400nm〜600nmと大きい。このため、
配向膜17の表面も凹凸している。平坦化処理を行った
場合でも、ある程度の凹凸が生じてしまう。このため、
配向膜17近傍では液晶23の配向状態に乱れが生じや
すい。従って、上記実施例のように、凹凸のある配向膜
17側の液晶分子のプレチルト角θ1を平坦な配向膜2
1側の液晶分子のプレチルト角θ2より大きくするよう
に、配向膜17、21を形成することが望ましい。
【0033】第1実施例に基づく液晶表示素子の一具体
例と比較例における液晶23への印加電圧(電極13、
18間の電圧)と表示色と反射率の関係を図5に示す。
この特性は、液晶23の液晶層厚dを4.8μmに設定
し、偏光板25の透過軸を配向処理の方向17a、21
aに対し45°に設定し、反射板20としてアルミニウ
ム層を使用した際に得られたものである。使用した液晶
のN−I点は83℃、Δnは0.204、粘度は44c
pであった。
【0034】この実施例の具体例では、配向膜17近傍
の液晶分子のプレチルト角を3°とし、配向膜21近傍
の液晶分子のプレチルト角を1°とした。また、比較例
では、配向膜17と21近傍の液晶分子のプレチルト角
を共に2°とした。
【0035】図5に示すように、この具体例では、印加
電圧が0〜3Vの範囲で、表示色は印加電圧の上昇に伴
って、赤→黄緑→緑→赤→黄緑→緑→青紫→紫と変化
し、複数色の表示が可能であった。また、印加電圧が3
V以上では、液晶の配向状態はベンド配向となった。ま
た、比較例も、平均的には、図5とほとんど同一の表示
色と反射率の変化を示した。しかしながら、色の再現性
が具体例に比較して低かった。
【0036】このような差が生じた原因は、具体例で
は、プレチルト角θ1とθ2を明確に異ならせているた
め、印加電圧に対する配向状態が一義的に定まるのに対
し、比較例では、プレチルト角θ1とθ2がほぼ等しく
なるように配向膜を形成しても、配向膜の材料のバラツ
キ、配向処理のバラツキ等があるために対向する2つの
配向膜の表面状態を同一に形成することが困難であり、
プレチルト角にもバラツキが生じている。そのため、一
方の配向膜11のプレチルト角θ1が他方の配向膜12
のプレチルト角θ2より大きい領域と、前記一方の配向
膜11のプレチルト角θ1が他方の配向膜12のプレチ
ルト角θ2より小さい領域が存在する。このような2つ
の初期配向状態が存在する液晶に電圧が印加されると、
液晶分子の立ち上がる向きが異なるため、図4(B)と
(C)に示すような液晶分子の傾きが異なる2つの領域
が形成される。即ち、印加電圧に対して異なる配向状態
が2種類発生してしまうためである。
【0037】(第2実施例)第1実施例では、反射板2
0を液晶セル27内に配置したが、図6に示すように、
反射板20を液晶セル27の外、例えば、透明基板12
の下面に配置してもよい。この場合、透明基板12上に
透明な対向電極18が形成され、その上に配向膜21が
形成される。配向膜17、21の配向処理の方向17
a、21a、偏光板25の光軸25aの配置等は図3に
示す第1実施例の配置と同一である。このような構成に
よれば、光が透明基板12を2回通過する分だけ、第1
実施例の液晶表示素子よりも、表示輝度が低下するが、
反射板20の形成が容易となり、液晶表示素子全体の製
造も容易となる。
【0038】第1及び第2実施例では、配向膜17と2
1の配向処理の方向17aと21aとを同一方向とした
が、配向処理の方向を異ならせ、適当なカイラル液晶を
添加することにより、ねじれ状態のスプレイ配向として
もよい。例えば、配向処理の方向17aと21aとの交
差角を0°〜10°、90°±10°とし、交差方向に
応じて左旋性又は右旋性のカイラル液晶を添加する。偏
光板25の光軸25aは、例えば、一方の配向方向に対
して45°±15°等に設定される。
【0039】第1実施例では、対向電極18の上に反射
板20を配置したが、透明基板12の内面上にアルミニ
ウム膜等からなる反射板20を形成し、その上に透明導
電材料からなる対向電極18を形成するようにしてもよ
い。透明基板12の内面にアルミニウム膜あるいはクロ
ム膜等の光反射性の導電膜をスパッタリング等により形
成し、この光反射性の導電膜を対向電極18及び反射板
20として共用し、その上に配向膜21を形成するよう
にしてもよい。このようにすれば、液晶表示素子の構造
が簡略化され、製造も容易になる。反射板20を半透過
性とし、その下にバックライトを配置し、通常時は反射
型液晶表示素子として使用し、必要に応じてバックライ
トを点灯するようにしてもよい。
【0040】第1、第2実施例では、対向電極18側に
反射板20を配置したが、画素電極13及びTFT14
側に反射板20を配置してもよい。この液晶表示素子を
反射板を用いない透過型のカラー液晶表示素子としても
よい。この場合、通常の液晶表示素子と同様に、透明基
板12側にも偏光板を配置する。この偏光板の透過軸
は、例えば、偏光板25の透過軸と直交又は平行となる
ように配置される。
【0041】第1、第2実施例では、TFTをアクティ
ブ素子として用いたが、MIM(Metal Insulator Meta
l)等をアクティブ素子として使用してもよい。また、
この発明は、単純マトリクス方式の液晶表示素子にも適
用可能である。第1及び第2実施例では、位相差板を使
用しない実施例について説明したが、色の分離性及び視
野角等を改善するため、1又は複数の位相差板を使用し
てもよい。その他、この発明は上記実施例に限定され
ず、種々の変形、応用が可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、高速応答可能で、所望の色を安定的に表示できる複
屈折制御方式のカラー液晶表示素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例にかかる複屈折制御方式
の液晶表示素子の断面図である。
【図2】画素電極と薄膜トランジスタを形成した透明基
板の平面図である。
【図3】配向膜の配向処理の方向と偏光板の光軸の位置
とを説明するための平面図である。
【図4】第1実施例にかかる液晶表示素子における液晶
分子の配向状態を説明するための概念図であり、(A)
は初期配向状態を、(B)と(C)は電圧印加時の配向
状態をそれぞれ示す。
【図5】第1実施例にかかる液晶表示素子の一具体例に
おける印加電圧と反射率及び表示色の関係を示すグラフ
である。
【図6】この発明の第2実施例にかかる複屈折制御方式
の液晶表示素子の断面図である。
【符号の説明】
11・・・透明基板、12・・・透明基板、13・・・画素電
極、14・・・TFT(薄膜トランジスタ)、15・・・ゲー
トライン、16・・・データライン、17・・・配向膜、18
・・・対向電極、20・・・反射板、21・・・配向膜、22・・・
シール材、23・・・液晶、24・・・ギャップ材、25・・・
偏光板、27・・・液晶セル、31・・・行ドライバ、32・・
・列ドライバ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれに電極が形成され、対向して配置
    された一対の基板と、 前記一対の基板の電極上に形成され、それぞれに所定の
    方向に配向処理が施された配向膜と、 前記配向膜の配向規制力に従ってスプレイ配向状態で、
    前記配向膜間に封止された液晶と、 前記一対の基板の少なくとも一方の基板の外側に配置さ
    れ、その光軸を前記配向処理の方向に対し所定角度傾け
    て交差させて配置した偏光板と、を備え、 前記一方の基板側の前記配向膜と他方の基板側の前記配
    向膜とは、異なったプレチルト角で近傍の液晶分子を配
    向させるように構成されている、 ことを特徴とする複屈折制御方式のカラー液晶表示素
    子。
  2. 【請求項2】前記一方の基板側の前記配向膜と前記他方
    の基板側の前記配向膜とは、異なった材料から形成され
    ている、 ことを特徴とする請求項1に記載の複屈折制御方式のカ
    ラー液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記一方の基板側の前記配向膜と前記他方
    の基板側の前記配向膜とは、異なった温度で焼成して形
    成された絶縁膜から形成されている、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複屈折制御方
    式のカラー液晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記一方の基板側の前記配向膜と前記他方
    の基板側の前記配向膜とには、配向処理が施されてお
    り、前記一方の基板側の前記配向膜と前記他方の基板側
    の前記配向膜の配向処理の強度が異なっている、 ことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の複屈折
    制御方式のカラー液晶表示素子。
  5. 【請求項5】前記一方の基板には、画素電極と前記画素
    電極に接続された能動素子とがマトリクス状に形成され
    ており、 前記他方の基板には、対向電極が形成されており、 前記一方の基板側の前記配向膜が前記液晶に与えるプレ
    チルト角は、前記他方の基板側の配向膜が前記液晶に与
    えるプレチルト角よりも大きい、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載
    の複屈折制御方式のカラー液晶表示素子。
  6. 【請求項6】前記一方の基板側の前記配向膜と前記他方
    の基板側の前記配向膜とが前記液晶に与えるプレチルト
    角の差は2°以上であり、大きい方のプレチルト角が1
    0°以下である、 ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載
    の複屈折制御方式のカラー液晶表示素子。
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