JPH089500B2 - Al▲下2▼O▲下3▼―ZrO▲下2▼系セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents
Al▲下2▼O▲下3▼―ZrO▲下2▼系セラミックスおよびその製造方法Info
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- JPH089500B2 JPH089500B2 JP1050914A JP5091489A JPH089500B2 JP H089500 B2 JPH089500 B2 JP H089500B2 JP 1050914 A JP1050914 A JP 1050914A JP 5091489 A JP5091489 A JP 5091489A JP H089500 B2 JPH089500 B2 JP H089500B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、糸ガイドや磁気テープガイド等の各種ガ
イドや、ポンプ部品や軸受等の各種摺動部材など、初期
摩擦係数が低く、かつ、長期にわたって摩擦係数が安定
していて、しかも、機械的強度の高いことが要求される
部材の構成材料として好適なAl2O3−ZrO2系セラミック
スおよびその製造方法に関する。
イドや、ポンプ部品や軸受等の各種摺動部材など、初期
摩擦係数が低く、かつ、長期にわたって摩擦係数が安定
していて、しかも、機械的強度の高いことが要求される
部材の構成材料として好適なAl2O3−ZrO2系セラミック
スおよびその製造方法に関する。
(従来の技術) Al2O3を主成分とするセラミックスは、各種のセラミ
ックスのなかでも比較的高強度で、しかも、耐摩耗性に
優れているため、糸ガイドや磁気テープガイド等のガイ
ドや、ポンプ部品や軸受等の摺動部材の構成材料として
注目されている。
ックスのなかでも比較的高強度で、しかも、耐摩耗性に
優れているため、糸ガイドや磁気テープガイド等のガイ
ドや、ポンプ部品や軸受等の摺動部材の構成材料として
注目されている。
さて、そのような用途においては、当然、接触面や摺
動面の摩擦係数が低いことが必要で、そのため、ラッピ
ング加工やホーニング加工によって摩擦係数を調整して
いる。ところが、このように機械的に調整された面は、
初期摩擦係数は低いものの、使用中の磨耗によって摩擦
係数が急激に上昇してくるので、長期の使用に耐え難い
という問題がある。
動面の摩擦係数が低いことが必要で、そのため、ラッピ
ング加工やホーニング加工によって摩擦係数を調整して
いる。ところが、このように機械的に調整された面は、
初期摩擦係数は低いものの、使用中の磨耗によって摩擦
係数が急激に上昇してくるので、長期の使用に耐え難い
という問題がある。
かかる問題を解決しようとして、特公昭52−48647号
発明は、Al2O3系セラミックスを熱処理してその結晶粒
径を大きくし、合わせて表面のAl2O3の結晶粒に丸みを
もたせて摩擦係数を低くすることを提案している。これ
によると、表面の摩擦係数は確かに低くなるが、一方
で、結晶粒径が大きくなるにつれて曲げ強度等の機械的
特性が低下してくるという問題がある。
発明は、Al2O3系セラミックスを熱処理してその結晶粒
径を大きくし、合わせて表面のAl2O3の結晶粒に丸みを
もたせて摩擦係数を低くすることを提案している。これ
によると、表面の摩擦係数は確かに低くなるが、一方
で、結晶粒径が大きくなるにつれて曲げ強度等の機械的
特性が低下してくるという問題がある。
一方、Al2O3系セラミックスの機械的強度の改善に関
しては、特公昭59−24751号発明が、Al2O3中に正方晶系
の結晶構造をもつZrO2を分散させ、そのZrO2の、正方晶
から単斜晶への応力誘起変態を利用することを提案して
いる。しかしながら、これによると、分散したZrO2が焼
結過程でAl2O3の結晶成長を抑制するため、結晶粒径が
小さくなりすぎ、したがって、機械的強度は向上しても
摩擦係数は低くならない。
しては、特公昭59−24751号発明が、Al2O3中に正方晶系
の結晶構造をもつZrO2を分散させ、そのZrO2の、正方晶
から単斜晶への応力誘起変態を利用することを提案して
いる。しかしながら、これによると、分散したZrO2が焼
結過程でAl2O3の結晶成長を抑制するため、結晶粒径が
小さくなりすぎ、したがって、機械的強度は向上しても
摩擦係数は低くならない。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、従来のセラミックスの上述した問題点を
解決し、初期摩擦係数が低いうえにその経時変化が少な
く、しかも、機械的強度が優れているAl2O3−ZrO2系セ
ラミックスおよびその製造方法を提供するにある。
解決し、初期摩擦係数が低いうえにその経時変化が少な
く、しかも、機械的強度が優れているAl2O3−ZrO2系セ
ラミックスおよびその製造方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的は、Al2O3を主成分とし、ZrO2を10〜30重
量%含み、Al2TiO5を0.2〜12.0重量%含み、かつ、ZrO2
には1.5〜5.0モル%のY2O3が固溶していることを特徴と
するAl2O3−ZrO2系セラミックスによって達成される。
量%含み、Al2TiO5を0.2〜12.0重量%含み、かつ、ZrO2
には1.5〜5.0モル%のY2O3が固溶していることを特徴と
するAl2O3−ZrO2系セラミックスによって達成される。
この発明において、ZrO2、Al2TiO5およびY2O3の量
は、セラミックスを元素分析して得たZr、TiおよびYの
量をそれぞれ上記の酸化物に換算して求める。したがっ
て、セラミックス中における上記各酸化物の量は、それ
ぞれ、製造時に添加するZrO2、TiO2およびY2O3の量と数
値的には同じにある。なお、セラミックス中における上
記Al2TiO5の存在は、セラミックスを粉末にし、粉末X
線回折法によって分析したとき、2θ=33.6゜付近にAl
2TiO5の(023)面の回折ピークが現われるか否かで確認
する。
は、セラミックスを元素分析して得たZr、TiおよびYの
量をそれぞれ上記の酸化物に換算して求める。したがっ
て、セラミックス中における上記各酸化物の量は、それ
ぞれ、製造時に添加するZrO2、TiO2およびY2O3の量と数
値的には同じにある。なお、セラミックス中における上
記Al2TiO5の存在は、セラミックスを粉末にし、粉末X
線回折法によって分析したとき、2θ=33.6゜付近にAl
2TiO5の(023)面の回折ピークが現われるか否かで確認
する。
上記のAl2O3−ZrO2系セラミックスは、Al2O3粉末にTi
O2粉末をAl2TiO5として0.2〜12.0重量%になるように添
加、混合し、その混合粉末を1150〜1500℃で仮焼し、そ
の仮焼粉末にY2O3を1.5〜5.0モル%含むZrO2粉末を10〜
30重量%添加、混合し、粉砕した後成形し、その成形体
を1300〜1800℃で焼結することによって製造することが
できる。
O2粉末をAl2TiO5として0.2〜12.0重量%になるように添
加、混合し、その混合粉末を1150〜1500℃で仮焼し、そ
の仮焼粉末にY2O3を1.5〜5.0モル%含むZrO2粉末を10〜
30重量%添加、混合し、粉砕した後成形し、その成形体
を1300〜1800℃で焼結することによって製造することが
できる。
この発明を詳細に説明するに、この発明においては、
まず、主成分たるAl2O3粉末に、TiO2の粉末をAl2TiO5と
して0.2〜12.0重量%になるように添加し、混合する。
混合操作は、湿式でも乾式でもよく、ボールミル等を用
いて行い、混合操作が終了した後は必要に応じて乾燥
し、粗粉砕する。
まず、主成分たるAl2O3粉末に、TiO2の粉末をAl2TiO5と
して0.2〜12.0重量%になるように添加し、混合する。
混合操作は、湿式でも乾式でもよく、ボールミル等を用
いて行い、混合操作が終了した後は必要に応じて乾燥
し、粗粉砕する。
TiO2は、Al2O3の結晶粒内に微細に分散し、主にAl2O3
と反応してAl2TiO5を生成し、Al2O3の結晶粒を粗大化さ
せて摩擦係数を低くする作用をする。また、一部は、後
述する正方晶のZrO2に固溶し、その正方晶構造を安定化
させるように作用する。このような作用を十分に行わせ
るために、TiO2の添加量はAl2TiO5として0.2〜12.0重量
%の範囲でなければならない。0.2重量%未満では、Al2
O3の結晶粒を粗大化させる作用が著しく小さくなり、ま
た、12.0重量%を超えると、後の焼結工程でZrO2と反応
してZrTiO4を生成し、その粒子が異常に成長して、得ら
れるセラミックスは密度や機械的強度が低くなり、また
表面の摩擦係数が大きくなるようになる。
と反応してAl2TiO5を生成し、Al2O3の結晶粒を粗大化さ
せて摩擦係数を低くする作用をする。また、一部は、後
述する正方晶のZrO2に固溶し、その正方晶構造を安定化
させるように作用する。このような作用を十分に行わせ
るために、TiO2の添加量はAl2TiO5として0.2〜12.0重量
%の範囲でなければならない。0.2重量%未満では、Al2
O3の結晶粒を粗大化させる作用が著しく小さくなり、ま
た、12.0重量%を超えると、後の焼結工程でZrO2と反応
してZrTiO4を生成し、その粒子が異常に成長して、得ら
れるセラミックスは密度や機械的強度が低くなり、また
表面の摩擦係数が大きくなるようになる。
さて、この発明においては、次に、上記混合粉末を仮
焼する。この仮焼によって、Al2O3とTiO2とが反応してA
l2TiO5を生成し、このAl2TiO5が結晶粒の粗大化作用を
促すとともに、後の焼結工程におけるZrO2とTiO2との反
応が抑制されるようになる。
焼する。この仮焼によって、Al2O3とTiO2とが反応してA
l2TiO5を生成し、このAl2TiO5が結晶粒の粗大化作用を
促すとともに、後の焼結工程におけるZrO2とTiO2との反
応が抑制されるようになる。
仮焼温度は、1150〜1500℃の範囲でなければならな
い。1150℃未満ではAl2TiO5が生成されず、Al2O3とTiO2
とが独立して存在するようになって後の焼結工程でZrO2
とTiO2とが反応してZrTiO4を生成するようになり、結晶
粒の異常成長を引き起こすようになる。一方、1500℃を
超えると、仮焼粉末の一次粒径が大きくなって焼結工程
での焼結性が低下し、得られるセラミックスは密度が低
いものとなって機械的強度が大きく低下するようにな
る。
い。1150℃未満ではAl2TiO5が生成されず、Al2O3とTiO2
とが独立して存在するようになって後の焼結工程でZrO2
とTiO2とが反応してZrTiO4を生成するようになり、結晶
粒の異常成長を引き起こすようになる。一方、1500℃を
超えると、仮焼粉末の一次粒径が大きくなって焼結工程
での焼結性が低下し、得られるセラミックスは密度が低
いものとなって機械的強度が大きく低下するようにな
る。
この発明は、次に、上記仮焼粉末に、Y2O3を1.5〜5.0
モル%の範囲で含むZrO2粉末を10〜30重量%の範囲で添
加し、混合する。この混合操作も、湿式でも乾式でもよ
い。
モル%の範囲で含むZrO2粉末を10〜30重量%の範囲で添
加し、混合する。この混合操作も、湿式でも乾式でもよ
い。
Y2O3を含むジルコニア粉末は、共沈法等の周知の方法
によって製造することができる。たとえば、ZrOCl2・8H
2OとYCl3とを用い、それらの水溶液を混合し、その混合
溶液にアンモニア水を添加して水酸化物を共沈させ、沈
殿物を水洗し、乾燥した後、800〜1000℃程度で仮焼す
ることによって製造することができる。
によって製造することができる。たとえば、ZrOCl2・8H
2OとYCl3とを用い、それらの水溶液を混合し、その混合
溶液にアンモニア水を添加して水酸化物を共沈させ、沈
殿物を水洗し、乾燥した後、800〜1000℃程度で仮焼す
ることによって製造することができる。
Y2O3は、ZrO2の結晶構造を正方晶にするとともに、そ
の正方晶を安定化させてセラミックス中に準安定な状態
で存在するようにし、セラミックスに応力が作用したと
きの正方晶から単斜晶への応力誘起変態によってセラミ
ックスの機械的強度や靭性を向上させるように作用す
る。そのためには、Y2O3の量は上述したように1.5〜5.0
モル%の範囲でなければならない。Y2O3がこの範囲にあ
るとき、大部分の、あるいは、ほとんどすべてのZrO2を
正方晶とすることができるようになる。
の正方晶を安定化させてセラミックス中に準安定な状態
で存在するようにし、セラミックスに応力が作用したと
きの正方晶から単斜晶への応力誘起変態によってセラミ
ックスの機械的強度や靭性を向上させるように作用す
る。そのためには、Y2O3の量は上述したように1.5〜5.0
モル%の範囲でなければならない。Y2O3がこの範囲にあ
るとき、大部分の、あるいは、ほとんどすべてのZrO2を
正方晶とすることができるようになる。
一方、ZrO2は、上述した応力誘起変態による強度向上
作用に加えて、Al2O3の結晶粒の成長を抑制する作用を
もっている。そのような作用をもつZrO2の量は、上述し
たように10〜30重量%の範囲でなければならない。10重
量%未満では、応力誘起変態による機械的強度の向上効
果が期待できない。また、30重量%を超えると、セラミ
ックスの硬度が著しく低下してくる。また、Al2O3の結
晶粒の成長を抑制する作用が大きくなりすぎて結晶粒が
成長せず、セラミックスの表面の摩擦係数が異常に高く
なってくる。
作用に加えて、Al2O3の結晶粒の成長を抑制する作用を
もっている。そのような作用をもつZrO2の量は、上述し
たように10〜30重量%の範囲でなければならない。10重
量%未満では、応力誘起変態による機械的強度の向上効
果が期待できない。また、30重量%を超えると、セラミ
ックスの硬度が著しく低下してくる。また、Al2O3の結
晶粒の成長を抑制する作用が大きくなりすぎて結晶粒が
成長せず、セラミックスの表面の摩擦係数が異常に高く
なってくる。
ところで、Al2O3、TiO2、ZrO2およびY2O3の各粉末の
平均粒径や純度は、焼結工程における焼結性や、得られ
るセラミックスの密度、機械的強度等に影響を与える。
焼結性をよくするために、上記各粉末は、平均粒径が1
μm以下のものを用いるのが好ましい。また、不純物に
よる結晶粒の異常成長を防止し、密度や機械的強度を向
上させるために、純度が99.9%以上のものを使用するの
が好ましい。
平均粒径や純度は、焼結工程における焼結性や、得られ
るセラミックスの密度、機械的強度等に影響を与える。
焼結性をよくするために、上記各粉末は、平均粒径が1
μm以下のものを用いるのが好ましい。また、不純物に
よる結晶粒の異常成長を防止し、密度や機械的強度を向
上させるために、純度が99.9%以上のものを使用するの
が好ましい。
さて、この発明は、次に、上記混合粉末を所望の形状
に成形する。この成形には、周知の金型成形法やラバー
プレス法等を用いることができる。
に成形する。この成形には、周知の金型成形法やラバー
プレス法等を用いることができる。
次に、成形体を焼結してセラミックスとする。焼結
は、大気中等、酸化性雰囲気下で行う。焼結温度は、13
00〜1800℃でなければならない。1300℃未満では、密度
が上がらず、機械的強度が低くなるうえに、結晶粒が適
度に成長しないために表面の摩擦係数が高くなりすぎ
る。一方、1800℃を超えると、Al2O3の平均粒径が大き
くなりすぎるのと同時に、ZrO2の平均粒径が大きくなっ
て正方晶のZrO2の量が減少するために、機械的強度が極
端に低下してくる。
は、大気中等、酸化性雰囲気下で行う。焼結温度は、13
00〜1800℃でなければならない。1300℃未満では、密度
が上がらず、機械的強度が低くなるうえに、結晶粒が適
度に成長しないために表面の摩擦係数が高くなりすぎ
る。一方、1800℃を超えると、Al2O3の平均粒径が大き
くなりすぎるのと同時に、ZrO2の平均粒径が大きくなっ
て正方晶のZrO2の量が減少するために、機械的強度が極
端に低下してくる。
この発明のセラミックスは、表面の摩擦係数をより低
くできるという理由で、Al2O3の平均粒径が5〜50μm
で、ZrO2のそれが1.5〜5.0μmであるのが好ましい。ま
た、表面の中心線平均粗さは、摩擦係数をより長期にわ
たって安定させることと、相手材を傷付けたりすること
がないよう、0.2〜3.0μmであるのが好ましい。
くできるという理由で、Al2O3の平均粒径が5〜50μm
で、ZrO2のそれが1.5〜5.0μmであるのが好ましい。ま
た、表面の中心線平均粗さは、摩擦係数をより長期にわ
たって安定させることと、相手材を傷付けたりすること
がないよう、0.2〜3.0μmであるのが好ましい。
(実施例および比較例) 平均粒径が0.25μmで、純度が99.99%であるAl2O3粉
末と、平均粒径が0.85μmで、純度が99.9%であるTiO2
粉末とを、TiO2粉末がAl2TiO5として表に示す量になる
ようにボールミルを用いて24時間湿式混合した後、乾燥
し、粗粉砕して、混合粉末を得た。
末と、平均粒径が0.85μmで、純度が99.9%であるTiO2
粉末とを、TiO2粉末がAl2TiO5として表に示す量になる
ようにボールミルを用いて24時間湿式混合した後、乾燥
し、粗粉砕して、混合粉末を得た。
次に、上記混合粉末を1000℃で2時間仮焼し、その仮
焼粉末に、表に示す量のY2O3を含み、平均粒径が0.61μ
mであるZrO2粉末を表に示す割合で添加し、ボールミル
で24時間湿式混合した後、ポリビニルアルコールを加え
て噴霧、造粒、乾燥した。Y2O3を含むZrO2粉末は、ZrOC
l2・8H2Oの水溶液にYCl3の水溶液をY2O3換算で表に示す
割合になるように加えて混合し、その混合溶液にアンモ
ニア水を添加して水酸化物を共沈させ、沈殿物を水洗
し、乾燥した後、1000℃で仮焼することによって準備し
た。
焼粉末に、表に示す量のY2O3を含み、平均粒径が0.61μ
mであるZrO2粉末を表に示す割合で添加し、ボールミル
で24時間湿式混合した後、ポリビニルアルコールを加え
て噴霧、造粒、乾燥した。Y2O3を含むZrO2粉末は、ZrOC
l2・8H2Oの水溶液にYCl3の水溶液をY2O3換算で表に示す
割合になるように加えて混合し、その混合溶液にアンモ
ニア水を添加して水酸化物を共沈させ、沈殿物を水洗
し、乾燥した後、1000℃で仮焼することによって準備し
た。
次に、上記混合粉末を、金型を用いて、長さ40mm、幅
5mm、高さ4mmの直方体の形状に成形した。このとき、成
形圧力は1.0kgf/cm2とした。
5mm、高さ4mmの直方体の形状に成形した。このとき、成
形圧力は1.0kgf/cm2とした。
次に、上記成形体を、大気中にて、表に示す温度で2
時間焼結し、合計22種類のセラミックスを得た。
時間焼結し、合計22種類のセラミックスを得た。
次に、上記各セラミックスについて、密度と、Al2O3
の平均粒径と、ZrO2の平均粒径と、曲げ強度と、表面の
中心線平均粗さと、初期摩擦係数と、摩擦係数の経時変
化とを求めた。密度は、式 ρ=[m1/(m1−m2)]×d ただし、ρ:セラミックス密度 m1:乾燥状態におけるセラミックスの重量 m2:水中におけるセラミックスの重量 d:水の密度 から求めた。また、Al2O3とZrO2の平均粒径は、セラミ
ックスを鏡面研磨した後エッチングし、そのエッチング
面の顕微鏡写真について、いくつかの方向に各粒子の最
大長さを求め、その最大長さの単純平均値として求め
た。さらに、曲げ強度は、JIS R 1601に基き、セラミッ
クスを加工して、10本の、幅4mm、長さ40mm、厚み3mmの
試験片を作り、その試験片について、スパン30mm、クロ
スヘッドスピード0.5mm/分の条件で3点曲げ試験を行
い、単純平均値として求めた。さらにまた、表面の中心
線平均粗さは、JIS B 0601に基き、触針式表面粗さ計を
使用して求めた。また、初期摩擦係数は、セラミックス
を加工して直径20mmの円筒を作り、その円筒に200デニ
ールのポリエステル糸を1周巻き付けた状態で100m/分
の速度で走行させ、式、 μ0=(1/θ)1n(T1/T2) ただし、μ0:初期摩擦係数 θ:円筒に対する糸の接触角(360゜) T1:円筒に入る前の糸の張力 T2:円筒から出てくる糸の張力 から求めた。さらに、摩擦係数の経時変化は、初期摩擦
係数の測定と全く同様にして200時間の摩擦試験を行っ
た後の摩擦係数μと上記初期摩擦係数μ0との変化率
を、式、 δ=[(μ−μ0)/μ0]×100 から求めた。測定結果を表に示す。
の平均粒径と、ZrO2の平均粒径と、曲げ強度と、表面の
中心線平均粗さと、初期摩擦係数と、摩擦係数の経時変
化とを求めた。密度は、式 ρ=[m1/(m1−m2)]×d ただし、ρ:セラミックス密度 m1:乾燥状態におけるセラミックスの重量 m2:水中におけるセラミックスの重量 d:水の密度 から求めた。また、Al2O3とZrO2の平均粒径は、セラミ
ックスを鏡面研磨した後エッチングし、そのエッチング
面の顕微鏡写真について、いくつかの方向に各粒子の最
大長さを求め、その最大長さの単純平均値として求め
た。さらに、曲げ強度は、JIS R 1601に基き、セラミッ
クスを加工して、10本の、幅4mm、長さ40mm、厚み3mmの
試験片を作り、その試験片について、スパン30mm、クロ
スヘッドスピード0.5mm/分の条件で3点曲げ試験を行
い、単純平均値として求めた。さらにまた、表面の中心
線平均粗さは、JIS B 0601に基き、触針式表面粗さ計を
使用して求めた。また、初期摩擦係数は、セラミックス
を加工して直径20mmの円筒を作り、その円筒に200デニ
ールのポリエステル糸を1周巻き付けた状態で100m/分
の速度で走行させ、式、 μ0=(1/θ)1n(T1/T2) ただし、μ0:初期摩擦係数 θ:円筒に対する糸の接触角(360゜) T1:円筒に入る前の糸の張力 T2:円筒から出てくる糸の張力 から求めた。さらに、摩擦係数の経時変化は、初期摩擦
係数の測定と全く同様にして200時間の摩擦試験を行っ
た後の摩擦係数μと上記初期摩擦係数μ0との変化率
を、式、 δ=[(μ−μ0)/μ0]×100 から求めた。測定結果を表に示す。
表から、この発明のもの(No.1〜13)は、この発明が
規定する要件を満たしていないもの(No.14〜22)にく
らべて、初期摩擦係数が低く、かつ、その経時変化が大
変少ないばかりか、機械的強度が優れていることがわか
る。
規定する要件を満たしていないもの(No.14〜22)にく
らべて、初期摩擦係数が低く、かつ、その経時変化が大
変少ないばかりか、機械的強度が優れていることがわか
る。
(発明の効果) この発明は、Al2O3粉末にTiO2粉末をAl2TiO5として0.
2〜12.0重量%になるように添加、混合し、その混合粉
末を1150〜1500℃で仮焼し、その仮焼粉末にY2O3を1.5
〜5.0モル%含むZrO2粉末を10〜30重量%添加、混合
し、粉砕した後成形し、その成形体を1300〜1800℃で焼
結することによって、Al2O3を主成分とし、ZrO2を10〜3
0重量%含み、Al2TiO5を0.2〜12.0重量%含み、かつ、
上記ZrO2には1.5〜5.0モル%のY2O3が固溶しているAl2O
3−ZrO2系セラミックスを得るものであり、そのセラミ
ックスは、実施例にも示したように、初期摩擦係数が低
く、かつ、その経時変化が大変少ないばかりか、機械的
強度が大変優れている。そのため、繊維工業における糸
ガイドや、磁気テープガイド等のガイドの構成材料とし
て特に好適である。また、ポンプ部品や軸受等の摺動部
材の構成材料として大変好適である。
2〜12.0重量%になるように添加、混合し、その混合粉
末を1150〜1500℃で仮焼し、その仮焼粉末にY2O3を1.5
〜5.0モル%含むZrO2粉末を10〜30重量%添加、混合
し、粉砕した後成形し、その成形体を1300〜1800℃で焼
結することによって、Al2O3を主成分とし、ZrO2を10〜3
0重量%含み、Al2TiO5を0.2〜12.0重量%含み、かつ、
上記ZrO2には1.5〜5.0モル%のY2O3が固溶しているAl2O
3−ZrO2系セラミックスを得るものであり、そのセラミ
ックスは、実施例にも示したように、初期摩擦係数が低
く、かつ、その経時変化が大変少ないばかりか、機械的
強度が大変優れている。そのため、繊維工業における糸
ガイドや、磁気テープガイド等のガイドの構成材料とし
て特に好適である。また、ポンプ部品や軸受等の摺動部
材の構成材料として大変好適である。
Claims (4)
- 【請求項1】Al2O3を主成分とし、ZrO2を10〜30重量%
含み、Al2TiO5を0.2〜12.0重量%含み、かつ、ZrO2には
1.5〜5.0モル%のY2O3が固溶していることを特徴とする
Al2O3−ZrO2系セラミックス。 - 【請求項2】請求項(1)のAl2O3−ZrO2系セラミック
スからなるガイド。 - 【請求項3】請求項(1)のAl2O3−ZrO2系セラミック
スからなる摺動部材。 - 【請求項4】Al2O3粉末にTiO2粉末をAl2TiO5として0.2
〜12.0重量%になるように添加、混合し、その混合粉末
を1150〜1500℃で仮焼し、その仮焼粉末にY2O3を1.5〜
5.0モル%含むZrO2粉末を10〜30重量%添加、混合し、
粉砕した後成形し、その成形体を1300〜1800℃で焼結す
ることを特徴とする、請求項(1)のAl2O3−ZrO2系セ
ラミックスの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1050914A JPH089500B2 (ja) | 1989-03-01 | 1989-03-01 | Al▲下2▼O▲下3▼―ZrO▲下2▼系セラミックスおよびその製造方法 |
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JP1050914A JPH089500B2 (ja) | 1989-03-01 | 1989-03-01 | Al▲下2▼O▲下3▼―ZrO▲下2▼系セラミックスおよびその製造方法 |
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JPH089500B2 true JPH089500B2 (ja) | 1996-01-31 |
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Family Applications (1)
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EP2242348A4 (en) * | 2008-01-18 | 2017-01-04 | Kyocera Corporation | Vacuum holding nozzle |
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-
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- 1989-03-01 JP JP1050914A patent/JPH089500B2/ja not_active Expired - Fee Related
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