JPH0892982A - 擁壁における排水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空縦樋を擁壁の内側面に設けることで、擁
壁の表面を常に美麗化し、擁壁の強化さらに排水装置が
容易で、裏水を円滑に外部に排水する。 【構成】 擁壁１の内側面を仕切板２により区劃された
区劃室３内の内壁面に１個又は複数の中空縦樋４を取り
付け、該中空縦樋４に１個又は複数の流入口５を設け、
前記内壁面の外部に中空縦樋４に連通した排水口６の口
端を開口し、前記各擁壁１の中空縦樋４の上下口端を連
通して順次積み重ねて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、擁壁の背面に縦方向に
中空縦樋を設け、擁壁を積み重ねながら中空縦樋の上下
口端を連通して最下段の水抜孔より排水するようにした
擁壁における排水装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来擁壁は裏込めの中に水がたまらない
ように排水されているのが普通で、これによって静水圧
がかからないようにし、前面方向に圧力を生じる水槽の
生成を防ぎ、裏込めした粘性土の膨潤を防ぎ、土の安定
性の減少を防いでいるので、砂利や砕石のような透水性
の高い材料を裏込めに入れ、地下水を集めるようにする
必要がある。表面水も排水しなければならないが、それ
が裏込め内にあまり入らないように、裏込めの上部に比
較的不透水性に土を被覆したり、舗装したりしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の擁壁工事にあっ
ては、裏水の排水が悪しく、例え裏水を擁壁の水抜孔に
透導していても壁面の排水口より外部に排水すると擁壁
の壁面がよごれて美観を非常に悪くするのみでなく、裏
水の膨潤によって擁壁内面に水圧、土圧により損傷を与
えるという問題点があった。

【０００４】本発明は擁壁の壁面を常に美麗化し、かつ
擁壁を強化することを目的としており、さらに排水装置
が容易であり、大雨のときでも裏水の排水を中空縦樋を
介して円滑に外部に流下することのできる装置を提供す
ることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の擁壁における排水装置においては、擁壁の
背面（内側）に縦方向に中空縦樋を取り付け、上下擁壁
の中空縦樋の口端を上下一致連通して排水が円滑に行わ
れるように積み重ねるものである。

【０００６】上記中空縦樋を取り付ける位置は、擁壁の
形状によって異なる。擁壁に仕切り板があるときは仕切
板にて区劃された擁壁の内側面に中空縦樋の上下口端を
連通一致させて積み重ねる。そして中空縦樋の内部の下
端部に流入口と外部壁面の下端縁にこれに対応した排水
口を設ける。

【０００７】また、中空縦樋の周面に複数の流入口を縦
方向に穿設することにより裏水を縦樋に誘導し易い外目
詰りがあっても裏水の排水に支障を与えることが少な
い。

【０００８】さらに、断面Ｌ字形擁壁の内壁面に流入口
を有する中空縦樋を複数縦方向に配設し、前記中空縦樋
に対応した外部の壁面にそれぞれ排水口を設けている。
なお、横方向に配列する場合擁壁の端縁に係合子を設
け、連繁するようにしている。

【０００９】また、中空縦樋の上下部に流入口と外部壁
面に排水口を設け、さらに横方向に流入口を有する連結
樋を中空縦樋に連絡し、排水機構を形成している。

【００１０】方形の擁壁内に複数の縦樋と該縦樋より裏
水方向に向って横樋を突出して形成した擁壁を積み重ね
て各擁壁毎に横樋の裏水は縦樋に流れ込んで最下段の擁
壁の水抜き孔に集水して外部に放流される。従って上部
の擁壁の排水口より裏水の排水は殆んど縦樋の流下力に
合流するように構成している。

【００１１】

【作用】上記のように構成された擁壁における排水装置
において、擁壁の内側面には砂利、砕石、コンクリート
等を充填して地面に固定し、そして内側面に取り付けた
中空縦樋は縦方向に連通するよう積み重ね、配列し、目
地にはモルタルを充填して地表の崩れを防止するよう施
行する。

【００１２】そして、上記の理由から、裏水は中空縦樋
の流入口或は横樋或は連結樋を介して前記中空縦樋に流
れ込み、もっぱら裏水は中空縦樋の流下力により最下段
の水抜孔より排水し、排水溝より排水される。この場
合、各擁壁面の１個又は複数の排水口より外部に殆んど
排水することがない。

【００１３】

【実施例】以下、図を参照にして本発明の好適な実施例
について説明する。

【００１４】図１及び図２に示される実施例において
は、擁壁１をＬ形状に形成し、該擁壁１の内側面に複数
の仕切板２を壁面と一体的に設けて区劃室３を形成し、
各区劃室３内に中空縦樋４を取り付け、該中空縦樋４の
下方内側面に流入口５と外部の壁面の下方に排水口６を
穿設している。

【００１５】図３に示される実施例においては、中空縦
樋４の周面に多数の流入口５を穿設している。他の構成
は、図１及び図２に示される実施例と同様である。

【００１６】そして図４に示すように擁壁１の上端縁及
び仕切板２の上端縁と擁壁１の下端縁及び仕切板２の下
端縁とを一致されて積み重ねることにより上下擁壁の中
空縦樋４を連通一致させ固定する。

【００１７】図５及び図６に示される実施例において
は、Ｌ型の擁壁１の内側面に中空縦樋４を１個又は複数
取り付け、該中空縦樋４の下方側面に流入口５を穿設
し、外部の壁面には中空縦樋４の流入口５に対応した排
水口６を設ける。

【００１８】図７に示される実施例においては、中空縦
樋４に上下流入口５を設け、前記中空縦樋４間の連結樋
７を横方向に連通するように構成されている。

【００１９】図８に示される実施例においては、方形の
擁壁１内に複数の縦樋８を設けて上下両端を開口し、縦
樋８の側面より裏水方向に横樋９を突出開口し、前記擁
壁１を図９に示すように積み重ね、目地にはモルタルを
充填して擁壁１を一体的に構成し、裏水を横樋９を介し
て縦樋８の最下段の水抜孔１０より排水溝１１に排水す
る。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００２１】擁壁の内側面に１個又は複数の中空縦樋を
取り付け、該中空縦樋の周面に１個又は複数の流入口或
は縦樋の流入口に連結した横樋を裏水方向に突出させて
前記縦樋に連通した１個又は複数の排水口を壁面に予備
的に開口して最下段の縦樋の水抜孔より排水溝に排水し
たので、表面の壁面の排水口は落下水勢によって余り出
水しないから壁面にコケその他塵埃等の附着がなく、美
麗で円滑に裏水の排水ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】擁壁の背面より見た斜視図である。

【図２】擁壁の正面より見た斜視図である。

【図３】擁壁の他の実施例を示す背面より見た斜視図で
ある。

【図４】擁壁の構築状態を示す側面図である。

【図５】擁壁の他の実施例を示す背面より見た一部切除
の斜視図である。

【図６】図５の正面より見た斜視図である。

【図７】擁壁の他の実施例を示す背面より見た斜視図で
ある。

【図８】方形擁壁の実施例を示す斜視図である。

【図９】方形擁壁の縦樋と横樋と排水機構を示す構築の
縦断面図である。

【符号の説明】

１ 擁壁 ２ 仕切板 ３ 区劃室 ４ 中空縦樋 ５ 流入口 ６ 排水口 ７ 連結樋 ８ 縦樋 ９ 横樋 １０ 水抜孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 擁壁１の内側面を仕切板２により区劃さ
   れた区劃室３内の内壁面に１個又は複数の中空縦樋４を
   取り付け、該中空縦樋４に１個又は複数の流入口５或は
   流入短管を設け、前記内壁面の外部に中空縦樋４に連通
   した排水口６の口端を開口し、前記各擁壁１の中空縦樋
   ４の上下口端を連通して順次積み重ねて形成した擁壁に
   おける排水装置。
2. 【請求項２】 擁壁１の内側面に流入口５を有する中空
   縦樋４を取り付け、外部壁面に中空縦樋４に対応した排
   水口６を穿設すると共に中空縦樋４に流入口５を設け、
   前記中空縦樋４間に流入口５を有する連結樋７を横方向
   に連通した請求項１記載の擁壁における排水装置。
3. 【請求項３】 擁壁１内に複数の縦樋８を設け、該各縦
   樋８に複数の横樋９を連通し、該横樋９より裏水を縦樋
   ８内に流入させて最下段の水抜孔１０より排水ができる
   よう前記擁壁１と共に縦樋８の上下口端を一致させて積
   み重ねた擁壁における排水装置。